かかわりの中でイメージを組みあげる国語科学習
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(2) てまとめていく。 (1)社会や文化とのかかわり ①言語を媒介として社会や文化とかかわる これは,言語を用いて,社会や文化を読み解いていくかかわりである。国語科として子どもたちがかかわる対象は, さまざまな言語文化である。この言語文化というのは,文学や説明的文章はもちろんのこと,手紙やスピーチや劇な ど,言語を活用して社会に文化として認められていることである。 ここでのかかわり方は, 「内容理解」 「追究」 「実践」などがある。つまり,社会や文化を分かろうとしたり,なぜ だろうと追い求めたり,その読み解いたことを実際の行動に移したりする。 ②言語文化そのものとかかわる これは,上述した言語文化に直接触れたり行ったりするかかわりである。先の例で言うと,実際に手紙を書いたり, スピーチしたり,劇をしたりするかかわりである。これは,これまでの国語の学習でも盛んに取り入れられてきた。 しかし,より広い言語文化とかかわることが,子どもたちの「自分のことば」やイメージを広げていくのである。 ここでのかかわり方は, 「模倣」 「追体験」 「実践」などが考えられる。つまり,言語文化そのものをまねてみたり, 同じ体験をしてみたり,実際にそれらを自分たちの社会で実行したりする。 (2)内容と方法とのかかわり ①内容とのかかわり 内容とかかわるとは,内容を読んだり,内容を表現したりすることである。国語の学習では,書かれている内容を 読むこと,伝えたい内容を表現することは当たり前 表1 方法とのかかわり方. のことだと言える。ただ,この内容とのかかわりを. 略. いるとは言えないだろうか。もちろん,内容と方法. 方. 重視するあまり,方法とのかかわりが疎かになって. を切り離すことはできないが,内容と方法と,バラ ンスよくかかわるような状況が重要になってくる。. などである。内容をより良く理解するために問うた. 認識の方法. ここでのかかわり方は, 「質問」 「共感」 「共有」. り,内容に共感してイメージしたり,そのイメージ を共有したりする。. これまでも, 「書くこと」の指導や読み方指導な どで,方法とのかかわりを重視してきている。さら に,方法とのかかわりを重視することで,子どもた ちのイメージは広がっていくのである。なぜなら,. レトリック. ②方法とのかかわり. ・題名を読む ・出来事や段落に着目する ・行動や様子に着目する ・感覚語に着目する ・視点に立つ(同化,異化,同化⇔異化) ・主題や要旨に着目する ・多読,表現する ・順序に着目する ・比較する ・統合,類別する ・類推する ・因果関係に着目する ○意味のレトリックに着目する ・比喩表現 ・反復,対比表現 ・反復の中の対比表現 ○構成のレトリックに着目する ・文体 ・反復構造 ・回想構造 ・額縁構造.
(3) このかかわりを充実させることで,子どもたちは,イメージ化に有効な方法や技能を身につけていくからである。 ここでのかかわり方は, 「方略」 「認識の方法」 「レトリック」などが考えられる。つまり,内容をどのように理 解・表現するか考えたり,認識の方法を活用したり,レトリックを観点として認識したりするのである。このかかわ り方は,表1のようにさらに細かく考えられる。ただし,これで全てとは言えない。ここの内容を膨らませていくこ とが,方法とのかかわりをより豊かにしていくことになるだろう。 (3)かかわりそのものとしての教室 ①環境としてのかかわり 教室自体をかかわりとして見たとき,言語的な環境が重要となってくる。日常生活,国語の授業を通して,子ども や先生が使っている言語の問題である。また,教室に掲示してある言語も含まれる。これらが変われば,子どもたち の学習も異なってくる。つまり,豊かな言語的な環境のある教室で,豊かなイメージや「自分のことば」が創出され るのである。 ②潜在的なかかわり 教室の中には,はっきりと目で見える耳で聞こえるというかかわりばかりではない。子どもたちどうし,あるいは 教師のもっている言語的な雰囲気や土壌など,これらがかかわりに影響する。それは,こう言えばああ言うだろうと いうような暗黙の了解であったり,ここでこの子はこう言うだろうというような予測や類推であったりする。これら を意識化することで,言語の活動がより豊かになっていく。. 3 イメージを組みあげる授業 ここでは,上述のようなかかわりにおいて,子どもたちがイメージをより豊かにすることについて,まとめていく。 したがって,上で述べたそれぞれのかかわりと関連させながら,子どもたちの学習について考えていくのである。さ らに,それを通して,新たな「教えること」にも触れていき,最後にまとめて提案したい。 (1)表現活動を重視する 表現活動の重視は,昨年度も提案している。表現を出口にして単元を構成することで,次の3つの利点を提案して いる。一つ目は,子どもたちが学習の見通しをもって,自分の学習をモニタリングできることである。二つ目は,言 語活動する必然性が生じ,主体的に活動することである。三つ目は,子どもの学習意欲を維持することが可能である ことだ。 これらを重視しながら,本年度も単元を構成している。さらに,かかわりの中の「社会や文化とのかかわり」と関 連づけると,表現活動がより様々な言語文化であることが望ましくなる。つまり,様々な言語文化とのかかわりを想 定して,単元に組み込んでいくのである。そうすることで,学習は社会的文化的なリアルさを伴うことになり,かか わりはより良いものとなっていく。 また,表現活動を展開していくとき,子どもの表現を簡単にほめないことが重要である。子どもは,ほめられると そのような表現をしようとして,自分ならではの表現を封じ込めてしまうからである。では,独りよがりで勝手な表.
(4) 現でよいかというとそうではない。子どもたちの表現を妥当なものにするのが,言語文化なのである。例えば,言語 文化である音読劇をするとき,教師の価値基準で評価しなくても,文化そのものである音読劇が表現を妥当なものに するのである。 さらに, 「内容と方法とのかかわり」と関連づけると,教師の「教えること」が見えてくる。内容とのかかわりは, 言い換えるとイメージそのものである。つまり,内容をより良く理解することや,共感したり共有したりすることは, イメージを形作っていることに他ならない。したがって,内容とより深くかかわれるようにするのである。また,方 法とのかかわりから考えると,子どもたちに様々なかかわり方を示してやることで,よりイメージは豊かになる。 (2)自分なりの解釈をもたせる 自分なりの解釈とは,自分なりのイメージである。読解活動でも表現活動でも,自分なりのイメージをもつことが 重要だと考える。自分なりのイメージが無いと,他者のイメージをそのまま鵜呑みにしてしまったり,他者と共有し たりできないからである。とは言っても,かかわりを重視すれば,子どもたちは,自ずと自分なりのイメージをもつ とも言える。つまり,内容とかかわったり言語を媒介として社会や文化とかかわったりすれば,何らかのイメージを もつのである。 このとき,どのようにかかわらせるかということが問題となる。そこで,上述のかかわり方を教師はきちんと把握 しておいて,対象に応じて子どもたちがそのかかわり方を活用できるようにしなければならない。例えば,文学を教 材として対象とするとき,子どもたちが自分の感動を追究できるようにしたり,読み方を示して停滞している読みを 促進したりするのである。 また,解釈をもつための時間を確保することも重要である。できれば,学校の授業時間を使って,子どもたちが自 分のイメージをもてるようにする。家庭学習などにすると,個人差が大きくなったり,きちんと教師が指導できなか ったりするからである。さらに,このイメージをもつ時間も子ども一人一人が対象とかかわっていると考えると,そ れ自体にも意義がある。 そして,この自分なりのイメージを共有したり,高めたりしていくのが実際の授業となる。ここでは,教師は,自 分のイメージを押しつけるようなかかわりは適切でない。子どもたちのイメージを表現するように促したり,つない だり,もどしたりするのである。これは,子どもたちのイメージをコーディネートしているのである。 (3)言語感覚を研ぎ澄ます 言語感覚とは,言語活用時における正・誤,適・不適,美・醜の感覚をさす。これらの感覚は,まさにかかわりの 中で研ぎ澄まされていく。他者とのかかわりと自己とのかかわりを往き来しつつ,身についていくものである。この とき,教室をかかわりそのものととらえると,日常や授業そのものが子どもの言語感覚を磨いていくと言える。つま り,豊かな言語環境としての教室が,子どもの言語感覚を磨くのである。 また,読書活動も多くの本とかかわるという観点に立てば,言語感覚と結びついてくる。実際,たくさん本を読ん でいる子どもは,語彙や表現力が豊かで,言語感覚が鋭い。したがって読書活動を促す手だても必要である。本校で は,読書記録をつけたり,読書活動と読解活動や表現活動と関連づけながら展開したりして,多くの本とかかわれる.
(5) ようにしている。 さらに,オノマトペや古語など,多様な言葉とかかわることも言語感覚に結びつくと考えている。そこで,カリキ ュラムに古典を位置づけている。具体的には,3年生で平家物語を,4年生で枕草子を,学習するようにしている。 これも,言語文化とのかかわりを広げ,言語感覚を磨いていることになる。 (4)子どもの学習のメタ認知化 子どもが様々なかかわりの中で,イメージを豊かに組みあげていったとき,その過程や結果に対する子ども自身の 着目が重要である。どのような学習結果がどのように生まれたのかを,子どもが知ることは,自分の学習を客観的に とらえ,次への学習につながるからである。それだけでなく,内容とのかかわりと関連づければ,同じような内容が 出てきたときに類推して読んだり表現したりできるようになる。また,方法とのかかわりと関連づければ,自力で読 んだり表現したりするときにその方法を用いることができる。 そこで,学習の結果に対して,かかわりを意識しながら,意味づけたり価値づけたりすることが教師の教えること となってくる。これは,昨年度も提案しているが,よりかかわりを意識することで,適切で効果的な意味づけ価値づ けができるのである。例えば,学習の結果,創出したイメージが反復によるものだとしたら,単に反復と命名するよ りは,これは方法であり次にも使えると示しながら反復と意味づける方が,他の学習に生きるのである。 以上のように見てくると,教師の「教えること」は次のようにまとめることができるだろう。 ・様々な言語文化を示し,深くかかわらせる ・それぞれのかかわりのかかわり方を示す ・子どものイメージをコーディネートする ・豊かな言語環境を用意する ・子どもの学びを,かかわりを意識して意味づけ価値づけする (服部英雄・坂本貢孝・勝部浩子). 引用文献 1)2)兵庫教育大学学校教育学部附属小学校『提案要項・学習指導案集 学びをひらくカリキュラムの創造(4年 次) 』,2005,pp.60-64. 3) 兵庫教育大学学校教育学部附属小学校『提案要項・学習指導案集 「人間として生きぬく力」に培うカリキュラム の開拓(4年次) 』,2001.
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