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グローバリゼーションにおける個人化と個人の新たな社会的存立基盤-U.ベック「リスク社会論」の批判的検討を通じて-

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Academic year: 2021

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(1)グローバリゼーションにおける個人化と個人の新たな社会的存立基盤     一U.ベックrリスク社会諭」の批判的検討を通して一 専 攻:教科・領域教育学専攻 コース:社会系コース. 学籍:M08155K 名 前:河 本   尚. I,研究の目的.  第2節 個人化の進行する日本の現代社会.  本研究は,現代社会を「第2の近代」(リスク社会).  第3節 日本の個人化過程の特色と「制度の衰退』. であるとするU.ベックのリスク社会論における個. 第4章 「広義の制度」の対比的検証と日本の個人化過程. 人化仮説を研究の基盤としたものである..  第1節 聖書的伝統に正当化された「広義の制度」.  第一に,U.ベックの個人化仮説を批判的に検証.  第2節 個人化の進行と捨象された日本における「広義. し,その概念に内在する問題に対して考察を加える.     の制度」. ことで,個人化仮説の全体像を捉え直していく.. 終 章 社会的存立基盤をもたらすr多義的・両義的」な.  第二に,捉え直した個人化論を基盤として日本の.     自己循環の可能性. 現代社会における個人化の進行を検証し,日本の個.  第1節 「広義の制度」と「多義的・両義的」な自己循. 人化過程の特徴と問題点を明らかにする,.     環の可能性.  第三に,考察した日本の個人化過程の特徴を踏ま.  第2節 個人化の進行と学校教育における課題と展望. えて,現代目本社会における個人の依拠する社会的. 補論 「矛盾する過程としての個人化」と学校における秩. 存立基盤を探ることを目的とする..    序の形成原理. II.論文構成. 皿.研究の概要. 序 章 研究の目的・各章の内容.  第1章では,伝統的共同体から近代的社会集団へ.  第1節 研究の動機・研究目的. の移行,そしてグローバリゼーションの全面的な展.  第2節 各章の内容. 開にいたるU.ベックのいう「第2の近代」におけ. 第1章 社会と個人との関係の変容. る社会と個人との関係の変容について概観する..  第1節伝統的共同体による個人の包摂.  そして,U.ベックにおける個人化概念の定義と,.  第2節近代化に伴う伝統的共同体からの個人の解放. その概念に含まれる問題の所在,研究目的との関連.  第3節 近代と深化するグローバリゼーション. を明確にする..  第4節 グローバリゼーションにおける個人化過程.  第2章では,主として制度論の視点からU.ベッ. 第2章 U.ベックにおける個人化概念と不安. クの個人化概念を検証する.プロテスタンティズム.  第王節 個人化過程と制塵論的視座. と近代資本主義との特有の関係や,近代を自生的に.  第2飾個人化の進行と「広義の制度」. 生み出した西欧における歴史的連続性に考慮しつつ,.  第3節 U.ベックにおける個入化概念の全景. 江ベックのいう個人化概念の持っ射程を明確にす. 第3章 日本の現代社会における個人化過程. るとともに,本稿において捉え直した個人化概念の.  第1節 日本の近代化とr脱近代(ポスト・モダン)」. 全体像を提示する.第3章においては,ポスト・モ.     をめぐる基本的な視点. ダン,(U.ベックのいう「第2の近代」)における. 一312_.

(2) 対人結合という側面での基本的な視座を,主として.  これらの考察から,他者との関係性の中に個人化. 塩原勉の議論に依拠して整理する.. にともなう問題が焦点化する日本の個人化過程の特.  さらに,現代目本社会の個人化過程の進行につい. 質においてこそ「広義の制度」の位置付けが間われ. て,その状況を領域ごとに概凝して,日本における. ていることが明らかになった.. 個人化の特徴を明らかにする..  第三に,日本における個人化過程が内包する連帯.  第4章においては,個人化概念の重要な鍵である. を成立させる基盤の欠如という課題を踏まえれば,. 「不安」について聖書的伝統という視点から考察を. 形式合理性に規定されたr狭義の制度」に対して,. 深めるとともに,日本おける宗教的伝統について,. 対抗的分業を担うものとして対置されるべきは,日. 聖書的伝統との対比的な視点から考察する.. 本のハイブリッドモダン形成の過程で産業社会的伝.  終章において,本研究の論考を整理し,グローバ. 統に統合されることなく,逆に捨象された側面であ. リゼーションの深化を背景とした日本の個人化過程. ることを指摘した.そして,異質なものの自己循環. の特色から,個人化が進行する社会での個人の依拠. による再帰的な社会の変容と,個人化した個人が依. する社会的な存立基盤について考察する.. 拠する社会的存立基盤としての異質的・開放的な対.  そして,個人化の進行という視点から学校教育に. 人結合連鎖を,「狭義の制度」と「広義の制度」の捨. おける課題と展望を,本研究の考察をもとにしてま. 象された側面との対抗的分業関係成立の申に希求す. とめていく.. べきであると提起した.. IV.研究の成果と課題.  さらに,第四として,U.ベックに依拠するなら. 1、研究の成果. ばグローバル化と個人化は再帰的近代化という同じ.  第一に,人間を社会的存在として捉えるならば,. 過程における2つの側面であり,グローバル化とと. 近代的社会集団からも個人が解放される個人化過程. もに進行する個人化過程が,学校教育と無関係では. において,自己形成や社会化がどのような社会的基. なく,逆に深く関連することについて示唆を得た.. 盤のもとで成立していくのかという問題を個人化概. 2.今後の課題. 念は内包していることを指摘した..  本研究において明らかにした日本の個人過程の特.  そして,聖書的伝統に正当化された聖なる天蓋と. 色を踏まえた上で,日本の近代化の過程において捨. してのr広義の制度」が社会的凝集性の基盤である. 象された「広義の制度」から,近代の形式合理性と. 道徳性・共有意識として維持され,U.ベックのい. 対抗的な相補性を担いうる要素を抽出することが大. う個人化が進む過程において新たな意義を獲得して. きな課題である.. いる可能性について知見を得ることができた..  また,制度からの解放と制度への依存が同時に進.  第二に,日本の現代社会において進行する個人化. 行する矛盾する過程である個人化の進行は,学校に. 過程の特色は,近代の形式合理性の徹底に傾斜した. おける日々の教育活動にも新たな視点を付与するも. 同質なものの自己循環であることを明らかにした.. のである.補論において秩序形成の側面から若干の.  そして,日本において進行する個人化過程では個. 考察を試みているが,さらに研究を深めていくこと. 人の連帯の在り方が,塩原勉の指摘したポスト・モ. が求められる.. ダンにおける弱連結・横結びの対人結合連鎖とも,. U.ベックがいう階級を超えた不安の共有による連. 主任指導教員   首藤 明和. 帯ともその様相を異にしていることを指摘した.. 指導教員   首藤 明和. 一313一.

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