能力と教育の機会 : 欧米中等教育の問題点
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(2) . 第1 4巻. 第 2 号. 北海道学芸大学紀要(第一部C). 昭和38年12月. 能 力 と 教 育 の 機 会 ー 欧米中等教育の問題点. 野. 大. 雅. -. 敏. 北海道学芸大学函館分校教育学研究室. iallssues ty‐ Cruc N[asatoshi ONo : Tal ent and opportuni ion i for Secondary Educat can. nd A meri n Europe a .. 次. 日. V 教育機会の地域的不平等. まえがき 1 機会均等の意味 口 教育に対する社会的要請 皿 能力の社会的意義と測定法 W 選抜の社会的要因. ま. 班 教育改革の動向 皿. え. が. 能力者中心教育計画の矛盾 む す び. き. 周知のように, 教育の機会均等という ことと能力に応 じた教育の機会ということの, この相反 する2つの原理が共に同時に民主主義教育の基本原理である. ところで今日, 未開発諸国におい 1 )また欧米先進国に おいては同じ多額の教育 ては国家に有用な人材を早急に育成する必要があり,. i 費を使途するなられそを有効に 使用 したいという 要求がある, h gh level manpowerと か invest- mentin humanresources とかの流行語や,教育の経 済学的研究にその傾向があらわされている. 以上の傾向を欧米諸国のそれぞれ独自な教育制度の中において眺めるとき, タ レントのロスを 最少限度におさえるという意味の消極 的なものから, 積極的なタ レント中心の教育主張までを含 め て, と に か の 一 種 の タ レン ト ・ セ ンタ ー ド 教 育 の 主 張 が 今 日 そ の 趨 勢 と な っ て い る と い え る,. そしてこの場合, 中等段階教育機関のもつ選抜の機能にそ の問題点が集 中さ れる, すなわちヨー 1 ( )選抜と社会的要因の相関関係, そ してそのために生ずるタ レントのロ ロッ パ諸国においては,, 2 、さらに遡っては高等教育への適格性に関す る予知の可能性, 圏教育機会の地域的平等. そ ス.{ ういった点に研究が進められている. またヨ←ロッ パ諸国とは違って単線型の学校体系をもつア. メリカ社会においては, このようなタ レント中心の教育計画が どのような矛盾を来すかが論 ぜら れ て い る.. シカ ゴ大学比較教育センタ←の中等教育に関す るセミナーに, 61年10月 から 1年間出席 して比 較的新 しい資料を得て きた. 今日, 世界的規模に おいて 中等教育, ことに後期 中等教育に関する 問題が提起 されており, 振り返ってわが国の高校全入運動な どと考え合わせるとき, 以上のよう な欧米中等教育の諸問題に 対する動向は注目を乙値するも のといわなくてはならない..
(3) . 能 力 と 教 育 の 機 会. 1. 機 会 均 等 の 意 味. ア メ リ カ社 会 に お い て も 「機 会 均 等」 と 「能 力 に 応 じて」 の 矛 盾 は 残 さ れ て い る . 「ア メ リ カ. 国民は, 教育機会の平等ということが必ず しも平等教育を意味しないという, この矛盾をまだ十 ) こ の 章 で は ア メ リ カ 教 育 に お け る 実 力 主 義 (mer 分 に 解決 し て は い な い,」2 i t ocracy) と平等主 , i 義 ( socracy) の問 題 を ジ ェ フ ァ ー ソ ン主 義 や ハ イ ス ク ー ル の 発 展 な どと 関 連 して 述 べ た い.. アメリカ教育における実力主義の概念は実に T. ジ ェ フ ァ ー ソ ン に 遡 る こ と が で き る. A, M, 3 ) ジ ェ フ ァ ー ソ ンは ヨ ー ロ ッ パ 的 な 世 襲 の貴 族 階 級 の 概 念 に 代 っ て カザ ミ ア ス に よ る と. , 能力. 者 に よ る 上 級 階 層 の 構 成 (ar i t ー t ) を考えた. 彼における場合の「人間平等」は 「共 s ocracy oft en a. 通な人間性を有することにおける平等で」 あり, 決 して 「能力が平等につくられている」 ことを 意味していな かった. そしてこの 「共通な人間性」 は教育を通じて啓発されねばならず, ここに 「すべての人間は教育をうける平等の権利を有する」 ということが論理的に帰結してくる とこ . ろで彼の教育制度 に関する勧告特に ヴア←ジ ニアの教育改革のそれによると, すべての人 間のた. めの教育の権利は3年に限られ, その 「すべて」 という言葉も文字通り万人共通ということでは なかったことが判明する, つまり彼の教育論は当時の歴史的伝統と社会的状況の枠から抜けるこ. とができず, 次の2つの極めて疑わ しい仮説の上に立脚 しているのである. すなわち,( 1 )読み o 書き・算数に若干の道徳的価値を加えて, 3年間の学校教育が一般大衆を啓発し人間の幸福を生. 2に の3年間の学校教育の期間に, より高度な教育階梯に進み得る者を むのに十分であること. ( 選抜することが可能であること, である。 これらの仮説に加えて, さらに次の諸点が彼の教育全 体を著 しく弱めていることが指摘さ れなくてはな らない. ( 1 )貧民階層から能力者を選抜すること については語っているが, 富裕階層にあって能力のない者については殆んど触れて いない. した. ′ がって彼{ ま選抜過程がもともと非富裕階層 に適応さるべきものと考えていたこと. { 2 )農民の子ど もに関 しては述べているが, 都市労働者やニグロの子 どもについては何も いっていない.L )3年 3 間の基礎教育の後に能力をも たぬ者は屑か洋のようにかたづけられる, . それ故に ジェファーソン. の説は, 貧 しくとも能力があ れ{ま社会 階層の上昇が可能であるという意味での, 貧困階層 (彼の 場合それは農民階層を意味するが) の能力者と富める者との平等であり, 結局, 知能優秀者のた. めの教育機会の平等であったといえよう, 彼の説が実力主義といわ れる所以はここにある. 19世紀の半ばに近く, 新しい教育改革者達すなわち H. マ ン, H, バ ー ナ ー ド. J. カ ー タ ー.. 等の改革者達は, 教育を万人共通な無月 謝の公教育として, 成長しつつあった産業民主 4 ) 例えばマンは Lowe l(マサチュセッツ州北東部の都市) の移民工場労働 主義 の立 場から観た, l 彼らがアメリカ市民とし 自らの 者を啓蒙し, ての 権利をよく理解するようにと, その教育に言及. C, ス ト. している. これはジェファーソンがヴァ←ジニアの農民階層 に教育機会の平等を限定して考えた のと比べると, 教育対象についての新しい拡大さ れた概念であるといわねばならない. またマン. 等の改革者達は教育の果す経済的側面を槻てとった. つまり知識の普及を一種の資本投資と考え, 教育をうける者の数力;増加すればそれだけ国家の経済的繁栄も大になると考えたわけである. こ のように . , 新 しい改革者達の視点は進展しつつあった経済o社会と深い関りのあることが認めら. れるわけであるが, ともかくマンを始めと する改革者の心には, 普通教育は生命・自由・幸福追 求と同じく譲渡できない人間の基本的権利と して定着 していたのである. そ してこの最少限度の. 教育に対する権利という意味での平等の観念が, すべてにす対る平等な教育という意味での平等 の観念に入り込んできたわけなのである. -5 1-.
(4) . 大. 野. 雅. 敏. ) 以前に, 初等段階を越えてハイスクールを含む平等主義の論議が 1861一65 すでに 南北戦争 ( 行われ, 私立がその主なものであったが, 数百に及ぶハ イスクールが設立されていた. 南北戦争 後, 公立ハイスクールの理念は急 速に拡大されたが, それが市民 大多数に理解されるに至ったの. 891年に N,E は20世紀に入ってからである. 例えば, 1 , A. により中等教育研究のため の委員会 が任命され, その報告書が 次のように述べている. 「合衆国の中等学校は大学準備のためには 存. 8才ま で延長された教育によって役立ち 得ることを示す少数の割 在 しない. その主要な機能は, 1 5 ) 中等教育を大学準備のためではないと規定したことは全く斬 」 合の子 ども達のためにあ る…….. 新なものではあるが, それはな お 「役に立つ少数の割合の子 ども達のため」 のものであって, 万 人共通の中等教育とは 考えられていない. 中等教育の普遍性と綜合性が根を おろすには, 更に4 he Commi t s- 918年の中等教育再建委員会 ( 分1の世紀の時の流れを 要したのである. すなわち1. jon o i t f Secondary Educat ion on the Reorgani on)の 報 告 書 に こ の こ と が 認 め ら れ る,Car‐di za s. と して有名なその報告書は, 発展する政治・経済・社会の諸力が事 実上中等教育の範囲を拡大したと述べ, これらの新 しい要求に応ずるため 中等学校の綜合制 を主. l i I Pr inc i t es of Edu na ca on p. 張 した. つまり, 膨大な中等教育人口の多様な能力・態度・社会的伝承・人生の役割を処理するに 6 ) はそれによるほかなく, す べての中等学校が綜合制を採用 しなければならぬとしたのであ る. ここに教育に関する基本的権利が中等教育を含めて確立 し, ま た人種・宗教・社会 的経 済的背景. ,能力の相 異に関係なく万人に対してこの権利が保証さ れたの である. 1 )「機会均 等」 という言葉と「不平等教育」 という言葉は互に ここで2つの疑問が提出される.( i acy)の伝統の枠内で, どんな変形も しくは改革 oc r 2 )アメリカ社会の 平等主義( s 矛盾するのか. { 1 )の答は割合に簡 単である, すなわち, 絶対的平 がその十分な意味で平等を残す ことになるのか.( 等としての機会均等は最早や アメリカの初等中等段階教育にはみられない. 潜在能力や職業的興. 味を十分に発展させる機会を平等にもつ, という意味で 「機会均等」 が理解されている, とすれ 2 )の答はそう簡 単では { ば 「機会均等」 が全く同じ教育訓練を含むわけでないこ ・とは明瞭である. ない. 多く の批判的論議がこの点に集中 し, 能力者に対する学校側の不満足な扱いが指摘されて いる, 勿論ハ イスク←ルには選択制度, 単位制度, 能力別学級編制が行われてはいる. しかし T 7 ) , ハッ セソも指摘するように, 多くの調査研究の上に 立脚 しておらず なお多くの問題が 残され 方いわゆる人材開発の要求はただに科学の分野だけではなく, 社会・経済・政治の分野でも急で て い る. ー あ る. カ リ キ ュ ラ ム や 教 師 の 問 題 が か らま る こ の 第 2 の問 い に 対 す る 解 答 を 求 め て, 今 日 のア メ リ カ教 育 は 努 力 して い る. 換 言 す る と, ジ ェ フ ァ ー ソ ン 的 実 力 主 義 と広 く 普 及 して い. る平等主義の, この2つの間の均衡を求めて努力を続けていると いえる. J .B . コナント提案の中 きるのである この事情をうかがうことがで 等教育改革諭等にも , 口. 教育に対する社会 的要請. l論 を ta 最近の世界各国に おける技術発達と経済変化は, 教育を経済的事実とみる human capi 生み, 社会的効率の立場から量と質の両面において新 しい型の労働力を教育に要請する. man‐ power. 論や talent‐centered. 教 育 の 主 張 は か く して 生 れ, 初 等 教 育 の 発 展 延 長 と も 関 連 して 教 育. 制度の再編制を迫る.. 社会的事実としての教育は, その限り社会的要請に応えなければならなし, また事実これまで それに応じてきた. 社会的要請は分析 して人間的・政治的・経済的の3つに分けることができる 8 ) 今日何んといっても経済的要請が一番強いといわねばならない.「国家の歴史・政治機構・社 が, - 52 -.
(5) . 能 力 と 教 育 の 機 会. 会的伝統の特徴如何に拘らず, 教育の発展はあらゆる場合に新しく しかも時には相矛 盾する技術 9 ) , 的, 経済的変化に強く影響される. 」 世界 的規模に おける戦後10数年間の生活水準の上昇は, 物価の高騰を差し引いても 鷲ろくべき. ものであ る. この経済条件の変化は教育にも 当然影響し, 経済的事情で学校を早くやめなければ ならぬ必要を解消したが, 同時に青年労働者の賃金も成年者のそれより以上に上昇 しているとい. う 事 実 に よ っ て, 「早 く や め る こ と の 経 済 的 魅 力 も 増 大 さ せ て い る.」 イ ギリ ス を 例 に と る と, 「. 938年の3 1 958年に成年男子の 平均週給は1 .12倍, これに対して青年男女のそ .72倍, 成年女子で4 I ) か ら で あ る しかも 15才 で学 校 を 出 て 就 職 した 者 に 比 D れ は 各4.29倍, 4,69倍 と な っ て い る」 , .. べて, 学校に残っ た者の所得は20代の半ば過 ぎか時にはもっと遅くでない と追いつかないという 事実がある. とはいえ巨視的に 眺めれば, 結局は教育をうけた者の 所得がそうでない 者に追いつ き追い越すのは多く の調査の結果明白で,.教育に対する需要は減少す る どころが益々増加 してい. る. それのみか, 今日では今までの単純で包括的な職業分類は, 次第に専門化 した職業へと分解 し, 製造部門 ・商業部門を問わ ず就職資格としてより高い教育の修了を要求する傾向が強い. さ ら に イ ギリ ス の 例 で は, ベ ビ ー ・ ブ ー ム 期 の 子 ども 達 が15才 の 労 働 可能 年 令 に 入 る1963年 以 降 の. 段階に おいて, 全労働年令人ロに占める年少労働 者の割合は著しく上昇し, 「年少労働者の供給 ) 状態にある そ れ故に就職 資格の問題は益々強化されるであ 量が相対的に需要量を上まわる」= . ろう し, したがっ て一般の間においてすら教育 を投資とみる考え方を促進するだろう. 多少極端な例だとは思うが上述のことに関連 してオートメー ション傾向に触れると, 「最近に おける生産と労働様 式の急激な変化, 特に工業生産のオートメ← ション化と事務労働の機械化の. 結果, 非熟練・半熟練・熟練的職業といった区別や, 筋肉労働者 と職員といった伝統 的な差別は 1 2 ) 事態を発生せしめている. これからは どんな職業でも益々多様な しだいに なくなりつつある」 機械や 科学的装置 を使うようになるだろう し, 誰でも科学技術の成果を活用 し得るように原理や 構造につい ての機械的常識が必要とされる, その上オートメ管理として労働者に要求 される基本. 的資質は, 注意力 ・責任感・ 敏捷な反応という主に性格的に関す るものですらあ る. このことは 3 ) にはっきり と示されている.彼はこれまでの産業社会の職業構造を分析 H,シェルスキーの研究7 し た 後 オ ー ト メ は 第 2 の 産 業 革 命 だ と い う. そ して G . フリー ドマンの産業技術の自動化と機械 ,. 1完全オートメの段階 3 2旧 動機 械の段階,t 1 )機械というより道具の段階,{ 化の3 段階を引用 し, ( 2 1は流れ作業方式の段階 IHは労働者が機 械を動か し指示を与え統制する.( を説明す る. すなわち( ズムに で生産過程が高度に分化さ れている. 殆 どが機械化されて 残りの筋肉労働の方が機械のリ 抽象 合わ せられる. {綿労働者はオートメ化された機械の 複雑な全体系を制御する立場にあって, 間 オ ー トメ 性の 高 い 資 質 と 能 力 が 要求 さ れ る. 1955年 の ア メ リ カ の研 究 に よ る と, 75年 ま で の に. 化の影響をうける労働者の割合は8か ら10ないし12%である. このことか ら現代の職業訓練に言 ここに 及し, 抽象性の高 い職業能力や作業能力を重視しなければな らぬとしている. とすれば, もまた徒弟的訓練に代っての学校教育の担う一般教養的職業訓練が相然重視 されるわけであ る. 制限された枠内でそれすら十分述べられなかったが, 上述は技術的経済的変化の教 育に与える 影響のほんの一例に過ぎない. 出生率の上昇 (クラウザ←報告によ ると, 世界の人口 は 1日13万 的関心の高 人以上の割合で増加している) , 教育全般にわたる学生数の増加, 一般勤労大衆の教育 まりという世界各国での事 実を噛み合わせてみると, 更に複雑多様な問題が浮か び上ってく る,し かし, ともかく進展する教育はそれにつれ て どの国でも次第に教育費の支出を増して きている. 欧米諸国では今の ところ国民総生産の3%から4% (アメリカ5 %強, ソ ビエト7%強) である - 53 一.
(6) . 大. 野. 雅. 敏. 1 4 ) 教師数だけでも1960年から10年間に 西ドイツでは20万 が, 197 0年には少く とも6%になる; , から37万人に (初・中等学校 のみ) イギリスでは38万から52万人に (総数) 増加させねばならな い. このよう教育支出の増加には人間へ の投資とし・う新しし・考え方が含まれている すでに見た ,. ように労働者 が新しい経済に適応していくには高度な一般教養が必須条件となってきている , 「 1 ) を求めての投 専門化した分野から分野へ と迅速かつ容易 に移動できる適応性にとんだ労働力」5 資なのである. この教育支出が経済成 長に先行するものなのか或はこれに追随するものなのかは ま だ 明 確 で な い. し か し過 去 に お い て 「日 本, アメ リ カ, ソ ヴ ェ ト, デ ン マ ー ク の 場 合 に は 経 ,. 済も教育支出も, ともに高い成長率を示している. 教育が経済成長に決定的役割 を 果 し た こと は, デ ンマ ー ク の 場 合 確 実 で あ り, ソ ヴ ェ ト の 場 合 に も ほ ぼ そ う い え る だ ろ う 」 1 6 ) こ の問 題 に 関 ,. しては経済学者の側からの研究も盛ん に行われているし, また過去に おいてみられた知識 階層の 失業の問題も改めて考察されなくてはな らないだろう. さて, 既にみた経済界の要請に教育制度が応 じなけ ればならぬとすると どうな るだろうか ま . ず 「技術革新の結果として, 労働力の職業間移 動がかなり大きくなると考えられる ……父親の職 . 業を継 ぐ子はますます少くなり, 現に生れつつある新 しい職業に対する準備が必要とされる 」” ) . その場合一般教育が重視さ れる結果, 伝統的な西歌 のエリ←ト大多数の子供を区別する制度は , この要請に応じることが出 来ない, もっと柔軟性をもっ た制度が必要 になる この場合にも経済 .. 学者達は進んだ関心を示している, 「彼らは労働力の供給が不足しているのは, 高い資格をもつ 専門家よりも, その下の段階の技能を持った人たち-つま り十分な教育を受た技術者や中級技術. 者なのだ, と考えた. この点から, 彼等は高 い能力をもった人達とそ のほかの人達をきびしく区 別して, 別統系の学校で教育することに反対し, さま ざまな能力をもった人達がなるべく 高学年 I S )勿論 高度な専門家 まで一緒に教育を受ける, かなり綜合的な教育制度を支持 したのである. 」 , も必要であるし, 中級技 術者にしてみても能力あ るものをどんどん起用 しなければその需要を満 たせない. 人材開発が叫ばれる理由はここにある,. l n 能力の社会的意義と測定方法 ところで, 「たいがいのョ←ロッパ 諸国の教育制度は社会階級組織の反映という形で成立して 1 9 ) 故に すなわち基本的にはいわゆる複線型であるが故に 「初等学校から中 等学校へ きたが」 , , 2 0 ) この事実と前章mの動向が結合して タ レ の移行は子供の教育歴における決定的段階である. 」 , ントのロス測定ともいうべき新 しい能力測定法が志向されることになる . この場 合 resource と. reserve と い う 二 つ の 言 葉 が 問 題 に な る. ce とは初等段階や中等段階の教育を , す な わ ち, resour 越えて教 育を継続する能力 をもつ所与人口の一部分 を示し r e s rveとはそ のうち実際に進学しな , e 1 ) そ して後者は更に次の4つの意味に細分される ( 2 い部分をあ らわす. )狭義に用いられる場合 . 1 で能力が一つの規準, 例えば IQ というようなも ので測られる場合. {然広義に用いられる場合で 精神能力 の複雑な全体, 例えば忍耐・動機・関心というような教育を継続する上に必要と思われ. る資質を含めて測定さ れる場合, ( lreserves で高等教育が始まる直 前での年令段階人口 t 3 )ac ua l i t に現存する能力 者数。{ t 4 1po en a reserves で小学校の終了 時という, より早い年令段階人口に. 現存する能力者数. 以上の( 1 2 )・{ 1と圏・柊 )で4通りの組合せが可能なわけ であるが, { 2 )と性 )の組 合せ, 広義における 潜在的能力 ( he potential reserves in the broad sense) が 今 日 最 も 関 心 を t. ひく問題というわ けである,. と こ ろ で reserve 測定の各種 の方法を大別すると3通りに分けることができ. , その第一が 「眼.
(7) . 能 力 と 教 育 の 機 会 ) で あ る. そ れ は 通 常, IQ と か G. A. C. T と い う テ ス ト の 結 果 を 予 thod of bounds 界 法」(me. 知変数とし, それがすでにある集団に適 応されて予知変数が明らかである時に用いられる, すな 一定の人口の中からその教育をうけるに 足る能力者数を決 定するために, 予知変数の わち, まず- 最低の限界が固定される. そのために は, この低限界はすでにその種の教育を受けている集団を 基準にして導き出されていなくてはならない, かく て被調査全人口と低限界の分布から, 直ちに l reserve がひ き だ さ れ る 既 に 明 ら かな よ う に, この 第一 の 方 法 は狭 義 の r intel l eserve発 sctua .. 見の方法であり, それ故一般にこの方法に固有な変数に関する欠点が指摘されるわけであ る. も 4 1 )と( ’の組合せ 「狭義 の潜在的能力」 発見の し真に cuitual‐free test を考案することができれば( 3 )と{ 方法ともなり得るが, しかし現実には( 弱の間の期間に環境の 影響が働き続け相 当な相 異を起 1 すので, 今のところこの第一の方法は( )と圏との組合せの調査手段であるに過 ぎない. 第二と第三の方法は, 広義における reserve●の 評 価 を 目 的 と す る. しか し今 日 ま で の と こ ろ,高. 等教育の成功に影響する複雑な諸要因を全体的に測定する信頼できる方法がないので, 回 り道的 な方法がとられる. その方法原理は次の通りである. つまり教育を継続する上に社会階層の相異 る. このことは高等教育 によって非常に大きな参加程度の違いが見られること, これは事実であ.. にも 中等教育にも妥当する. その違いは, 少く とも部分的には階層間の精神能力に おける相違に 関係するということも周知のことであるが, 経済とか社会的起源 とかいう他の諸要因も作用 して いることが一般に感 ぜ られている. 事実, 最も重要な reserve は, 教 育 を 継 続 す る に 必 要 な 高 い. 精神能力を所有しているものを低階層から数多く発見することであると考えられている. これを. 逆にして言えば, われわれは高階層にある期待, 教育を継続するために必要なできるだけ好まし い環境を期待しているわけである. さて以上のことから一つの仮定が導かれる。 すなわち, .階層 eを示 e c s our 間に見られる教育への参加程度は, 実はあらゆる要因を含んでの広義の精神能力の r. すもので, しかもその最大限をあらわすものであ る, ということだ. 以下に述べる二つの方法は これを基本的仮説として成立している. 2 2 ) それは第一の方法と上述の仮説 オラン ダ中央計画局によって行われた方法が第二の方法で, の組合せから成 っている, オランダでは兵士補充の知能測定の結果が長年にわたり保存されてお り資料として使うことができる. 医学的不適性のために既に除かれた者以外,それぞれ5種類の異. ix t t )が 選 ば れr es eserve つ たテ ス ト を受 け る わ け で あ る, こ の う ち か ら一 般 テ ス ト(Ravens matr. 算出に用いられた. テストの得点は 1から6迄で, その分布は父親の職業 別 に区分さ れて明らか にな っ て い る. こ の 資 料 か ら オ ラ ン ダ の 中 央 統 計 で用 い られ て い る 高 ・ 中 ・ 低 と い う 3つの社会. 階層の得点分布をひき出すことができる. また兵士補充全員に対して, これらの階層別にテスト 得点5 ,5(これが限界として採られた) 以上をとった者の割合を算定することは容易である. さら . に全人口のうちの大学入学 平均年令段階にあるものの, 階層 別限界得点以上の絶対数も算定でき. るから, それを階層 別の 実際の大学新入生とも比較することができる. この方法で発見された割 合は 「教育参加の相関率」 と呼ばれよう. 採用されたテストの得点限界が大学での学習に必らず 要求される前提ではない ということと, 実際に学生間に相当数の低い得点者がみ られるけれ ども,. この方法はその相関率によって, 一つの階層から高等教育へ参加している者が, 果して適当な re. sourceであ る か どう か の 一 基 準 と して 考 え ら れ る と こ ろ に そ の 目 標 が あ る. 仮 説 に従 う と高 階 層. の相関率が最大であると考えられ ているが, 低階層の相関率もそこまで高められうる という予想 が底にあるわけなのでおる。 以上によって明らかなように, この第二の方法は広義に於る顕在能 1と圏との組合せを調査する方法である. 2 力, すなわち,(.
(8) . 大. 野. 雅. 敏. 第三の方法は第一, 第二の方法と違って限界 説に基礎を置かな い それを土よ り高等な教育 に参 . 加しうる 可能性と, ある予知変数間 に求められた期待曲線を基礎と している 1955年スェトデソ .. の高等教育委員会の 名におい て行われた K, ヘルソキヴストの研究を挙げよう 2 3 ) . 予知変数と し ては1945年度 に小学校4年 生(最高学年)であった生徒約 1万 人の主要教 科目成績合計が用い られ ている. 調査実施期間は] 956一57年である から, それまで の各生徒の教育歴に関する資料を 含め ‐. ると,生徒達は20才に至るまで追跡研究されたことになる 集められた資料は923%という完全に . . 近いもので,1 5%は死亡とか 移民とかで脱落 6%強の僅かな者 の資料が欠けただけである. 彼 . , は次の5 つの異った教育水準を 区別した. ○. 小学校 のみ 1 , .下級継続教育, 2 .下級中等学校修. 了証取得, 3 t s udent examen). そ して全資料は父親 の .高級中等学校(ギムナジウム)修了証取得 ( 職業に基ずき, スエーデン選挙統計の類別によって3つの社会集団に分類さ れた . (さらにいえ ば,6種の都市型による類別も行われている, ) ところがこの研究では中・低が一括さ れて高と対 比さ れているので, 2つの広範な社会階層 についてのみその結果を知ることができるわけである . さてこれらの資料から, 各階層毎と予知 変数の各水準毎 にそれぞれの下級中等学校進学 者の割合 を算定することができ, これを進学 可能性と見倣 しうる 一階層内 のこれらの可能性を 予知変数の . 函数と考 えれば, その階層における進学のため の期待曲線が得られる 同様にして下級中学 から . ギムナ ジウ ムへの進学につい ても期待曲線を得る ことができる 以上は進学 についてであるが そ . , の教育課 程を修了する可能 性の曲線もまた発見 することができるわ けである そして この進学と . , 修了 の可能性を区別することが, この 第三の方法の要点になっている つまり階層間の差異は修了 . に関するも のよりも進学 に関するも のの方が大きく, 特に予知変数中位値 の範囲内での進学の可 能性の偏りは非常に強い, 他方,修了 可能性における相異は否定できないにしても ごく僅 かである. それ故, 精神能力が中位 の水準にある低階層の子供 のハンディキャップは 入学後から修了 するま , での期間よりも入学時 に極めて大きいということが結論さ れる したがってヘルンキヴィストは . , ギムナジウム の修了証を穫得し得る能力を持って 小学校を卒業 する者の数を決定するために 低 , 階層のための特別な期待曲線を算定する. すなわち 小学校から下級中等学 校と下級中等学校から , ギムナジ ウムへの進学の 可能性の継続的な結 果を高階層の資料から得 その二つの進学可能性に , 相応する修了可能性を低階層 の資料から得て, これを算定するのである この期待曲線は 低階層 . , にある小学校卒の集団の知能分布 に適用されて考察される. 以上のような方 法で 低階層での小学 , 校卒段階と下級中等学校卒 段階の resource とがそれぞれ得られる . そして現実 に修了 証を得て いる生徒数を差引けば,それが reserve ということになる・この第三 の方法は いわば広義の意 味 , の潜在的 reserve 測定方 法,すなわち最初の用 語に従えば{ 2 )と( 4 )の組合せを測定する方 法である, N 選抜と社会的要因 「産業社 会では,教育は不可避的 に次第に階級構造の dynamics と economy に包含される わ . れわれは職業と社会階層,教育と職業の密接な結 合を知っている それで 教育制度の主要な型が . , 何であれ,学校や大学が大小の差はあれ 本来の教育諸目的を妨げる選抜の機能をす果ことは止む , 4 2 ) とはいえ 社会移動の agents として中等学 校の果す社会的役割が非常 に重要なも を得ない, 」 , のになってきた今日, 少く とも, 「社 会階層の現象 が教育における 不自然・ な不平等 の第一の 2 5 ) 事態は避け られなくてはならない 各国の多く の研究はこの点に集中している 原因である」 . . 大体ヨーロッパ流 の10 1 1 才という早い年 令段階での選抜方式 は誤りの多いものである. 一例 ,. を あ げ よ う. コ プ ソ ハ ー ゲ ン 近く の フ レ ド リ ク ス ベ ル ク で 1 つ の 実 験 が 行 わ れ た デ ンマ ← ク で . は フ ラ ン ス と 同 じ に,通 常 小 学 校 5 年 終 了 後 ア カ デミ ッ ク 型 の 中 学 校 へ の 入 学 試 験 (examens l ne‐ - 56 -.
(9) . 能 力 と 教 育 の 機 会. l 1 l ensko en)が行われる, 1小学校で全員にこの入学試験を行し・ , その後合格点に達 しないものも 含めて全員を中学校 に入学させ, 中学校での学業成績と比較 したところ,表のような結 果がでた. も し入 学 試 験 の 通 り に 合 格, 不 合 格 が決 定 さ れ て い た. ) 6 入 学 試 験2 i k be (Fr s edr r rk) g ,Denma. な ら, 約25% の 生 徒 が 間 違 っ て 合 格, 不 合 格 さ せ ら れ て い た こ と にな る.. 入学試 験 成 績. この誤りには勿諭テストそのものの不備が指摘され. な く て は な ら な い が, し か し女ロ何 な る 種 類 の テ ス ト を. 採 用 し よ う と も, 子 供 の学 業 成 績 を 含め た 能 力 の 外 に. 社会階層差.家族規模差.地域差という選抜を規制 す る社会的諸要因を無視 するわけにはいかない.. 195 3年に行われた A, ジ ラー ル の 研 究 の に よ れ ば,. 合 格 不合格1合 中学で成功 中学で失敗. 2 2 2 2. 計. 87. ぬ ふ 合 口. 65. ず. 計. ・8 3. 皇 室 1, 誓 言 ,. 7 2 7 2. g 8 1 ,“. (数字は生徒数を示す). フランスにおいて, 義務教 育年限が終了するまで すでに明らかに子供の家庭的背景 の違いによる 選抜が行われている. この社会的不平等は中等学校学校進学者の割合を階層別に見ると明瞭であ る. 中等学校進学率 の全体平均は29%で, そのうち父親が農業労働 者は13% 農民層16% 都市労 , , 働者層21%, これに反して事務員・下級官 吏・商人層になると40%から50%に上昇し さら に経営 , 者.実業家・上級官 吏・専門的職業になると70%・80%から90%に達している. また家族の規模 では,最も恵ま れた階層を別としていずれの階層も11才で中等学校 に入学する者より 14才まで小 ,. 学校に残る者の方が兄弟数が多い. かくてジラールは 「中学校 に進学し, ・さらに高等教育へと進学. する子供は, そもそものスタートから社会的有利と人口的有利という二重の恵みを受けているこ 2 8 )と とになる. つまり,彼等の多く は家庭的背景もよく,その上兄弟数も少いといぅわけである 」 ,. 結論 する, 学業成績との関係では, 優 秀な成績のものの約3分の1(全体の比率か ら言えば3%) は11才の時に中等学校 に 進していないのに, 不振なものの6%(全体の比率で は2%)が中等学校 に進学している, この事実は低階層といえ ども例外でなく,どの階層でも一 様に見られる.しかし , 「各社会層での中等教 育への進学率に著る しい差異があるのだから, 学業成績 の分布そのものに 2 9 ) わけで やはり社会的要因としての階層の問題がついてまわる 非常な階層的片よ りがある」 , , l 以上の問題に関 して階層機会 ( c a s schance)●の 概 念 を 考 え た J , フ ラ ウ ド と A, H. ハ ル ゼ ← の研究め は注目される, 一般 にイ ギリスでは古典中等学校入学 者の選抜に知能テス トが用いられ ていたが, 環境の影響に よるバ イアスを排除 し, 入学機会における階層差を最小限 におさえると. いう知能テストの効果が疑われ, 1953年にその使用を中止した地方があった. 彼等はこの機会を とらえ, 選抜方法変化の前後で,( 1 )入学機会の階層差は どうな ったか,( 2 )出身階層に拘らず, ど. ちらが等 しい能力の子 どもに対する等 しく均等な機会を与えたかを調べた. 1952・53・54年のハ ド トフオ← ドシヤー・カウ ンティ南西部学区の中等学校入学者がその対象 で, 知能テスト中 止後. l l i も 入 学 者 に つ い て 同・一テ ス ト (Moray House 37i t )を実施 し資料を揃 えた.( nt e e s 1 gencet )の. 解答は, それぞれの年令層の生徒について各社会階層 (父親の職業による) から古典中学へふり むけられたものの比率, すなわち階層機会を求め ればよい. この階層機会は, i) 同一年令人口. i i i i ) その社会階層的構成, i ) 古典中等学校の収容定員 という3つの要因によって規定される , { 2 1の答は 「能力ある」 (ここではIQ) 子 どもの比率と古典中等学校入学 者の比率によって求めら れるが, この場合, 入学資格としての最低能力基準 ( IQ) を どう定めるかが問題となる, そこで I 仮説的 Q資格が採られる. すなわち, 古典中等学校の収容 定員を考慮 しながら, 一 定IQ水準以下 の古典中学の生徒数と一 定水準以上 の近代中学の生徒数が等 しくなるようなIQ点を仮説的IQ資格 - 57 -.
(10) . 大. 野. 雅. 敏. とした. さて以上の結果は表に明らかである, A欄労働者階層のクラスチ ャンスは, 選抜方法の 7 ) 選抜方法変更前後の階層機会と能力の関係 (%)3 ( 交入学者における) l f ) 52-54年イギリス南西ハートフオー ドシヤーの古典中等学修 1952. 1954. 1953. 知能的有 層 社 会 階 A)駿 (B)資格生徒( C) 易貧 (A) (B) (C) (A) (B) (C) (父親の職業による)( の比率. 専 門 的・管 理 的 事. 務 的 職 長・小商主な ど 筋 肉 労 働 者 (熟 練・非 熟 練) 全. 体. (総. 数). 20 .8. 38 .O 20 .1. 1 .10 0.92 1 .04. 58 .5 54 .2 1 .08 44,2 47 .1 0.94 29 .2 1 .08 ,5 32. 63.6 51 .1 1,23 46 .2 1 .00 .2 46 31 ,9 1 ,00 .9 31. 14.9. 15 .3. 0 .97. 14.O 15,4 0.92. 11 .9 0 .89 .5 12. 39.6 34.9. 35 .8. 21 .4. 19 .3. 20 ,9. 1094 ( ). (9 ) 4 7. ( 756 ). 如何に拘らず悪化 していることが示されている. それは古典中等学校入学の機会と社会階層との. 相関関係に影響を及ぼす4つの要因, すなわち同一年令人口, その社会的構成 と 知的能力 の 構 成, 及び古典中等学校の収容定員の変化によって説明されるけれ ども, C欄から一定の能力水準 をもつ者のうち, 労働者階層の生徒の機会が減少傾向をた どっていることが明瞭である. また出 生率や人口移動による変動も収容 定員が固定されているから, 非常に大きな振幅となり, 入学の. 最低 工Q 資格が年により高くなったり低くなったりして生れた年や居住地により不利, 有利にな る こ とが 指 摘 さ れ て い る.. i955年 ス エ ー デ ン の ス トッ ク ホ ル ム 南 部 に コ ン ブ レヘ ン シイ ヴ・ ス ク ← ル が 導 入 さ れ た. 子 ど. も達は6学年まで(7~13才)課程の細分化 しない同じクラスで教育をうけ, その後の同校在学中 の義務教育期間の残り3年の間に, 大学予備的学校へ進学できる という仕組である. しかるに同 市の北部と西部では依然として古い複線型学校体系が存続 した. そこでは4学年 ( 11才) か6学. 年( 13才) 修了時に大学予備的学校進学の機会が与えられていた. この両者の学校制度を比較研 2 )は 後者の小学校4年から大学予備的学校へ進学する際の選抜が 究 した T. ハッセンの論文3 , , l marks), 標 準 化 さ れ た ア チ ー ブメ ン ト ・ テ ス ト, 知 能 テ ス トに 従 っ て, 社 会 階 学業成績 ( s choo l i l i ty) に 如 何 に 大 き く 左 右 さ t 層 と能 力 ( c abi scho as. れるか を述べている. 余裕がないので最も社会階層の. 階層別知能テスト得点別大学予備学. 3 ) 校無志願者比率3. kho lm 南部, Sveden) (St oc. ひ ら き が 出 て いる 知 能 テ ス トの 結 果 の み を 挙 げ る と表. の通りである‐高いテスト得点を示している低‐中階層 窯業 鹸 の子 どものかなり多 数が入学出願をしていない. かく て 選 抜 が 比 較 的 早 期 に 行わ れ る 複 線 型学 校 体 系 で は, か な り の 有 能 な 生 徒 の 損 失 が あ る と して い る. 1 以 上 に お い て, 生 徒 の選 抜 に 当 っ て 社 会 階 層 が如け芦. に 関 り 合 う か を 見 て き た が 最 後 に 日, シ ェ ル ス キ ー の 現 代 に お ける 学 校 の 機 能 に 関 す る 主 張 に 注 意 を は ら い た い. そ れ は 次 の よ う な も の で あ る. 「社 会 移 動 に 対 する 要 求 や高 校 教 育 をう け よう と する 要 求 が一 般 化. されるにつれて, 階級 とか階層といった学校外の社会 - 58 -. 9 8 7 g. 社. 会. 孝 綴 13% 11 18 18. 階. 鰍. 層. 肥 風. ・撃ち 2 3. 34% 28. 2 6 41. 55 6 o. 30. 53. 76. 64 80 87. 82 9 2. 2. 42 53 79. 1. 86. 93. 95. 4 3. 9 3.
(11) . 能 力 と 教 育 の 機 会. 的要因は, もはや特定の職業や学校への機会を規定する大きな原因ではなくなっている. そのた め学校の主要な社会的機能は, もはや特定の職業や学校への機会を規定する大きな原因ではなく. なっている. そのため学校の主要な社会的機能は, もはや階級社会にしばしばみられたようなす く れた子 どもを選抜したり, 彼等の進歩をさまたげる社会的障害をと り除くということだ けでな く, 両親が正 しいと思いこんでいる社会的要求を拒絶することが, 今日では学校の主要な 役割に 4 3 ) な っ て い る の で あ る.」. V. 教育機会の地域的不平等. 中等学校への進学機会に おける地域的不平等も, 前章の社会階層的不平等と並んでま た見落す. i こと の で き な い も の であ る. ョ ← ロ ッ パ 経 済 協力 機 関 (organi zat on for European Economic. 「能力と教育の機育の機会」 に関する会議に 5 ) と断 lfactor) が最 も 重 要 な 要 因 で あ る」3 フランスがら出された報告書は, 「僻地的要因 ( a r ru 定している. 勿論, 経済生活の類型等の社会的要因も軽視は していないが, 「地理的要因は社会. Co‐opera i t on). の196 1年6月スエーデンにおける. lareas)に お い て 結 合 した 時 に決 定 的 と な 的要因 よりも重要である」 とし, 「両要因が僻地 ( ru r a 3 6 )と そ の 調 査 結 果を 詳 細 に 述 べ て い る る」 , .. 7 )が あ る が 上 記 こ の 主 題 に 関 す る アメ リ カ の 研 究 に は, D, ウ ル フ ル や N, ロ ゴ フ の 研 究 な ど3 ,. フランスの報 告書が最も新しく, 更にその不平等除去ということが1959年の教育改革と直接に結 びついているので, ここではそれを取上げること にしたい. なおこの新教育改革は 同年 1月 1日. に満6才に達 した 子 どもがら適用されることになっているが, すでにその改革の一部 (義務的観 察期間) は実施されており, この点の誤解を避けられたい. フランスの学校体系はすべてこの子どもが11才の年令で初等教育を終え, 古典・近 代・技術と いう主要な中等教育の流れに入り, 18才でバ カロ レア資格をとるか, あるいは15才で短期課程を. 修了するという簡単なものではない. だが地域的不平等というこの研究 に最も関係のある就学率. l は, 11才で小学校最終年級( cour s moyen 2eme annきe) を 終 え 中 等 学 校 6 年 級(c asse de 6eme) 1才の年令段階の子 ども数は約80万人, そのうちの50% に進む子 ども達の割合である. 1961年に1 i l が中等教育機関に進み観察期間 ( on) に 入 っ た. 彼 ら は 組 織 的 に 適 性 が 吟 味 さ cyc e αobservat. れ, 普通2年後に適性に合ったコースに進むわけである. 残 りの50%は小学校に留って14才まで の義務教育を終える, ( 1967年にはこの義務教育年令が16才に高められることになってお り, すで に14才 以 後 に 就 学 し て い る 者65%, 15才 以 後 の 者51%, 16才 以 後42% に 及 ん で い る,)こ の40万 人. の者は組織的な能力検査をうけない, いわば無視された子 ども達であり, しがも数年前の研究 で その中に中等教育をうけるに足る能力を有する者が多数発見されているのであ る. したがって,. さらにより正確を期するため, 平均中等学校就学率が用いられる. これは一般教 育 (古典・近代 ・技術) と職業教育の長期コース, それらの短期コースを含めての中等段階教育をうけてい る子 ども達の, 11才がら17才までのその年令段階にある全児童数に対 する比率である,. この平均中等学校就学 率を各県毎にみたのが図表である. この図表で直ちに南部地帯がパリ付 近を除V ・た北部地帯より高率を示していることが読みとれる. その原因と して考えられる 第一に i は歴史的事情がある. ローマ文明は Provence や Aqu i t a neに広まり, まだ強い文化的伝統を残 しているからである, しがしより直接的にはや はり経済生活の類型の違いが挙げられる. 南部地 帯こと に南西部は独占的な葡萄栽培地域で, 仕事は季節的なものである. その点では経済的発展 は大したことはないが, 南アルプスの山岳部 や中央山塊部も同じで, 両親は子 どもを都市に送っ ー 59 一.
(12) . 大. 雅. 野. 敏. 8 ) フランス各県別 1 }3 958一19 5 f. 平均中等学校就学率図表. み ‘ く ^ Q t . ’ . ↓ ・ ・ . ^ ” o E ‐ J R E * ^ く( H ^ I ^ N 1 ・ H E t 【 , r5 ・ 41 ”, ・ R O r ′ に , i , .・ ^ V O た ふ ”4 O リ L ! ↓ ド ” 岬 “ , .と ^ 久 ~ T i H ” に , o 小 γ o i l セ ‘ t. U 【。 ‘. A ・ ” ‘ P .. . . .. 雨 。 ~ ^ 。 ” E G式\ . . : , ,F… ,. [コd 。 % ‘”%圏園d“。h6 , 。 .- .”” ,Eヨdd。 , 仁コd q外ミ納,圏圏 ね6 o -&+ , ,“。 t ,い ,圏鵬d. て, 教育をうけさせることができる. これに反 して.北部の工業地帯は労働者 の需要が著しいし, 中部の富 裕農業地帯は階層制の社会構造をもっていて, 子 ども達は手近に自然的伝統的な職業を. 容易に発見 する ことができる. 従って教育への要求が少い. いま 平均中等学校 就学率25%以下の 低率を示す県と, 50%以上の高率を示す県 を挙げると表のようにそれぞれの9県となる. 9 ) 平均中等学校就学低・高卒各県3. 25%以下 i Lo ‐Cher r‐et D4ayenne Vend6e Deux‐Sevres Bure Gers. Aube i Bure-et ‐Lo r lndre. 18.2% 18.9. 22 .2 23,2 24,3 24,7. 24.8 24.9. 24.9. 50%以」二 l 1 i i M es A ‐ t e s a r l e s 70 n p ,2%. ine l a Se 1 es Bo ‐du…Rhone uche s 1a Ha t u e‐Ga r onne ine-et i -oi se a se. 1 ‐Pyrgnees es Haut es 1 e Var l rH6rau t. i i as av o e. 61A. 55 .8 55 .2 55,2 55 .i. 54 .9 54.3. 0 5 .1. 平均 中 等 学 校 就 学 率 の 低 い 各 県 は,. コ中 に 占 め る 農業人 口 の割合が 高 全 人- い, 1954年 の 人 口 調 査 に よ る と フ ラ ン ス 全 体 の 農 業 労 働人 口 は総労働人口の 27% で あ っ た. しか る に現 在 Mayenn e で は59%,Ven e 57% Deux‐Sevre ,. i s 53%, Lo ‐et ‐Cher48% と いう割合 r で あ る.. し か し 問 題 は 農 業 人 口 そ のも. の に あ る の で な く て、 人 ロ 密 度 す な わ. ち僻地性ということにある. その典型的な例が Eure‐et-Loi r で,農 業 人 口40%,工 業 人 口27% を 有していながら最低の平均中等学校就学率を示す県の1つである. 住民の分散度が高く,ある子 ど. も達にとって学校が余 りに遠いというのがその原因といえる. 25%以下の低就学率を示 す9県に. ついて 1平方km 当りの人口密度を調べると, 国家 平均80をはるかに下回っていることが判明す る, これに反 して高就学率を示 している各県は農業人口極めて少なく, (Se i ine-e t‐ ne o.3%, Se. oi ime 13%)広 範 囲 に わ た る 近 郊 を も つ 大 都 市 を 有 t i se 7%, Bouches-du-Rhono 8%,A1pes-Mar. ine l125 し て い る. し た が っ て 人 口 密 度 も 極 め て 高 く, Se , Bouches-d『 Rhone 206 , Seine‐et- - 60 -.
(13) . 能 力 と 教 育 の 機 会 oi i imes130で あ る t se 327 , Aipes-Mar ,. 1 958一59年に小学校最級年 級にあり. 平均中等学塙 党就学低率各県の人ロ密度◎ Lo i -et ‐Char r M [ ayenne Vendge. Deux-S i 1 vres Bu e r. 1平方I U I I当り. 37 48. 57 52. 補. Ger s Aube Bur i -Lo e-et r 1ndre. 30 40 56 ・36. 195 9一60年に中等学校の 6年級にあっ た子どもの数を居住地域毎 に調 べた結 果, 各県内の都市部と田園部の間 には 就学率に大きな差異のあることが わか. 進学率高 低 それ ぞれ2県 の っ た, その そ の 進学率高低それぞれ2県の った 例 を 示 す と, Vendee では県全 体の中等学校進学率は27%であるのに中心都市部は3 5%, その他 A の 部分 は15%. Somme でも事情は同じで県全体では2 6%, 12万2千の人口をもつ miens 地域. l le-Escabot in の 田 園 部は12% Va は30%, Frきvi r では県全体6 2%で, 人口19万 1千の Touion- . la‐Seyne 都 市 部 は フ ラ ン ス 中 の 最 高 率74% Hyers の そ れ は40%. , しか るに 比 較 的田 園 的 な. Hante Ga l ronne県 の 全 体 率50 ouse ,5% で, Tou. の都市がその子 ども の60%を中等学校 に送って. ive 部では5人 に 1人の割 合 ( い る の に Auter 20%) である.. 各県毎および各 県内の以上のような地域的不平等から, 僻地的要素が子 どもの教育の継続を左 右する最大の決定的要因といえる. また単に人口密度希薄とい う点での中等学校就学不可能の不. 平等だけでなく, 小学校における一教室学校という不備な教育上の不平等もみのがせない. 一教 室学校 での11才の子 どもの学力は一般 に低いのである. その他勿論, 地域の社会的要因も無視 す 7 ) l i る こ と は で き な い.4 ←一例 を 挙 げ る と, Pas-de‐Ca 6%という低率県の a s は平均中等学校就学率2. うち の 1 つ で あ る が, 農 業 県 で も なく 人 口 も 分 散 して い な い. 人 口 密 度 は 1 平 方kml95で フ ラ ン. スでは高密度であ り, 炭坑地帯であるため労働人口の50%は工業に従事 している. これは特殊例. ではあるが, 教育機会に対する社会環境の重要性を示すものである, ところで, 就学率の決定に 当ってこれまで各種 タイプの中等教育を同一であるかのように取扱ってきたが事実は異る, 古い i ementa 小学校補習科 ( c re) の ごと き 普 通15才か16才 で 修 了 す る短 期 間教 育 は, リ セ o”r scompl ー や 技 術 コ レー ジ ュ の よ う に18才 か19才 で バ カロ レア を 取 得 し 大学 に 進 学 で き る教 育 内 容 と は,. 平等な教育機会を提供しているとはいえない, しかし, 現実に僻地の子 どもで中等教育に進学す るものは, 殆 ど前者の機会しか与えられていない. この中等学校の教育内容の違いが子どもの将. 来の教育機会にいかに影響するかは, 高等教育進学者の出身地域別分類でわかる. 19から24才ま 0人に対し40人であるが, 中等 での年令段階で高等教育機関にある者の割合はフランス全体で100. ihan 県では, それぞれ1 l e と Morb 9人と20人で両県と 教育就学の最 低率の1つを占める Mayenl. ine は 101人, Herault 99人, Bouches-de‐R hone9 も 農 業 の 僻 地 地 区 が 多 い。 こ れ に 反 し, Se ‐. 5人, Haute‐Garonne 8 7人と中等教育就学率の高い県はこの率もまた高い.. さらに地理的社会的. 要因結合の影響の明瞭なのは, 大学生の社会的背景である. 農業従事者子弟の比率は農業労働人 ロ1000のうち2名, 工業従事者子弟のそれは工業労働人口1000に対し0 .8名, 自由職業・官吏そ の他の職業の子 弟のそれは86名となっている. W 教 育 改 革 の 動 向. 学校はその社会の歴史的, 経済的, 社会的性格によって影響されている. ヨーロッパ 諸国が直 面してきた大きな問題は, 義務教育が伸展 して学校制度を変革する時に, 普通初等学校と大学準 備的アカデミック型の学校との結合をどうするかであった. すなわち, 異っ た社会階層のために 計画された2つの種類の学校を生んだ歴史的・社会的事情に反して, 如何に統一学校制度あるい -6 1-.
(14) . 大. 野. 雅. 敏. は綜合学校制度の創設を試みんとするかであった. 例えば 「スエー デンにおける過去10年間の,. 綜 合あ る い は 統 一 学 校 制 度 に 関 す る 激 論 の 中 心 的 な 言 葉. i i ferent f at on)で (key-word) は 分 化 (di. 4 2 ) といわれている 以下, 1 9年法制化されたフ ランスの教育改革を前章との関連にお 95 あった,」 . いて述べ, 同じ年に示された西独のラーメ ン プランについて簡単に触れよう.. 現在進行中であるド・ ゴ←ルの学制改革の主な日的は, 近代国家の急速に発展す る経済のただ 中 にあって, 急激に膨張 した戦後の世代に適性に合った知的 ・技術的教育を準備す ることにある. 4 3 )( 1 )義務教育年限が10年に延長され, 16才ま いまその改革を要約 すると次の4点があげられる, 967年まで完全な実現はみられぬ でとされたこと. これは一挙に実施するというわけにいかず,] . が, 今日すでに14才の子ども達65%が就学 しており, 残りの35%の就学 を促進・確保するという 11才とi2才) の観察 2 )義務的な2年間の観察期. 中等教育の初期2年間 ( のがその狙いである, { 期間に,能力に応じて近代料と古典料への選択が 分けられる, したがって これまで長期コー ス短期 コース,あるいは技術コースといった学校により異っ ていた教料内容や時間表は, 観察期間中は統 一されねばならないわけで, また事実そうなって い る. この観察期というものの 基本的な考えは 偶然的な偏った指導でなく子どもの能力の十 分な観察に基 づいた指導を行い, その結果各人の適 性をのばそうということで, 次の3つの原則的な考え方に立脚している. i) 若い世代の諸能力 i ) この期間にその能力を確認された子 どもは, はできるだけ完全に見通されなくてはならない.i i i i ) 期間中に能力が明らかで それ以上の年令の遅れなく, その能力がのばされなくてはならない. なかっ たり, 形をなさなかったり して, その結果が家庭に知らされ必要な措置が とられる大多数 の子 ども達を援助 しなければならない, 圏観察期間の最終段階での組織的な指導. 全教職員に加 えて教育心理学者か職業または教育指導 助言者で構成する指導 委員会が, 子 ども達に進路決定に. 関する勧告を行う. すなわち, 中等教育の一般課程・ 技術課程・特別課程の義務教育年限修了ま での進路勧 告を行うわけである. これはまず 子 どもの家 庭に知らされ, も し両親がそれに同意す れば, その子 どもは自動的に 進学させられるが, も しその勧告と違った型の教育を選ぶなら, そ 1継続的指導. 生徒達には継続的な指導が与え 4 の子 どもは入学試験に合格 しなければならない. { と3年級の段階でも一般課程から技術課程の流 られて, 13才から15才の年令段階, つまり4年級. れへ, また技術課程か ら一般課程の流れへ転学させられることができる. 以上に よって, フランスの教育 改革が教育を拡大し機会を促進することが判 明するわけでさる が, これが前章 でみた地域的不平等との関りで, それをどう減少または解消す るのかを考えてみ たい. すでに家庭と学校との距離が一般的にいってフランスにおける教育機会を決定する, とい うことは明 らかであった, このことから観察期間を完全に実施するには, 綜合学校制と同時に学. 校の分布, 学校輸送の面に万全を期さなくてはならない. 観察期間は古典課 程と近代課程進学の 選択を 与えるだけでなく, 中等学校入学のための必 須学力を完全に修得しないため, 小学校の最 級年級に2年間留る子 ども達に第3の課程が用意 されねばならず, 結局3つの課程をその中に含 む こ と に な る. こ の た め に 観 察 集 団 と し て100一150名 の 生 徒 が 必 要 で,こ れ は5000の 住 民 地 域 と い. うことになる. したがって山岳部を別に して,観察集団はそれより以上の住民地域に設けられるわ けである, しか し, それでも場所によ っては生徒が学校に達するのに15kmもあ るというのだから 組織的な学校輸送が 考慮されなくてはならない, ま た学校が 1つ だけの課程しか提供していない 場合, 観察期の終りで教 師・両親は子どもの能力に 拘らず, 同一 場所で教育を継続 させようとす ‘ る傾向が強い, こういう誤った指導を阻止するため, 特に都市以外での綜合制学校を可能な限り 推進する 努力がはらわれている, 例えば現在実施されている大規模な新校舎建設に当って十分そ - 62 -.
(15) . 能 力 と 教 育 の 機 会. のことが計算されている. また, それは当然今までの学校の機構改革と教職員の再編制を伴うこ とになる, 今のところまだ地方的な差異は認めなければならないが, やがて全般に わ た っ て表. のような学校体系になると見通されている, すなわち, 2年間の観察期間, それに続く最初の綜 合制課程 (古典・近代 ・ 技術的各教科 4 ) フランスの教育改革に .よる学校体系4 18才 のそれぞれ長期・短期課程) と義務教 ”. 16 15 滅 13 12 n. 最上級 長 期 コ ー ス. 衰 ( 蕃最驚 ) 爺. 1年級. 2年級. 第. 3年級 4年級. 2. 段. 短.期 ゴ ー・ス 短 期. 実際的・職業的. 長 期 u ー ス. 一 般. 短 期 コ 【ス. 第. 短 期. 1 段. 育終了で実社会に出る生徒の課程. そ の上の第2段の学校は古典・ 近代・技. 察. 期. 術の各教 科に実際的熟練教科が準備 さ れ, バ カロ レア資格や技術の普通・ 上 級免許を取得することになる. このフ 970年 ランスの改革は現在進行中で, 1. を目標にしてその 時には1975年の経 済 要求に合致し得る教育機構を ととのえ. 間. 5年級. 観. 6年級. (古 典・近 代・技 術). る こ と が で き る と して い る.. フ ラ ン ス 以 外 の 主 な 改 革 の ブ ラ シ と し て は, ドイ ツ の ラト メ ソ プ ラ ソ と イ タ リ ← の10年 計 画 が. 4 5 ) 「両者共に近代社 は紙数の関係でできない. ある. しかし今その両者にわ たって言及することG 4 6 ) ものであるが ここでは前者についてその大綱を示 会の要求に応ずる教育建設 を目的とする」 , すに留め る, 1953年以来 ドイツ教育制度審議会により検討され1955年議会に提出されたのが この 7 4 )( e) を 4年 と し,す べ て 1 )基 礎 学 校(Grundschul ラーメ ン プ ラ ン で, そ の骨 子 は 次 の 通 り で あ る.. 2 1基礎学校修了後最も優秀な適性を示した生徒はスチュデイエンシュー レ の子 どもが入学する. ( l i hu St )に入学する. この学校の修業年限は9年とする, 圏大多数の子 ども は基礎学校修 e ens ( ud l ) へ進学するが de f 4 chu e t ) に入る.( 1次に高等学校 (obe r s r e u s 了後2年間の進路決 定課程 (F6r l 広 e).こ れむ schu これ は 生 徒 の 能 力 に 応 じ て 次 の 3 種 に 分 れ て い る. i) ハ ウ プ トシ ュ ー レ (Haupt. 義務教育完了を目的とする学校で年限は2年であるが,将来3年に延長す る.因みに義務教育は現. l i) リ ア ル シ ュ ー レ (Rea e), 年 限 5 schul 在9 年 で あ る が, 将 来10年 に 延 長 が 予 定さ れ て い る. i デ ュ ュ イ ン シ ー レ卒 業 と 同 業 生 ス エ G i こ 卒 は チ i i ) ギ ム ナ ジ ウ ム ( ymnasum).年 限 7 年 で の 年 i. .. 等 の 資 格 を 得 て 大 学 に 進 む こ と が で き る. こ の ラーメ ン プ ラ ンに つ い て は, 例 え ば ス チ ュ デ イ エ. ナジウムと何 ら変りない 妥協的過ぎる改革案であ るという批判も強く, ンシ ュー しは現在の ギム・ ま だ実施に至ってい ない. しかし進路決 定段階はフランスの観察段階と同じ構想を示しており, この点に両者の共通点を見出し得るわけである, 孤. 能力者中心計画の矛盾. ヨーロッパ 諸国とは事情が 異なり合衆国 では単線型学校体系が早くから確立していた, 19世紀. ま で 支 配 的 な 学 校 型 で あ っ た ラテ ン ・ ス ク ー ル も, アメ リ カ で は ヨ ー ロ ッ パ と 同 じ 役 割 を 果 して. いなか ったことは周知の事 実である. 従ってここでは普通初等学校と大学準備的アカデミック型 の学校 との結合の問題は起らなかった. このアメリカ社会におい て能力者中心の教育計画は, 予 4 3 ). fC i. 1 )Freedom o hoce の 理 期せぬ結 果を生む と C. A, ア ン ダ ← ソ ン は 指 摘 す る. r す な わ ち, ( )予知の正確さに対する要求と 客観的規準の再設 定, 3 、能力の 定義を狭める危険, L 2 想との矛盾.( 6 1教育的・職業的選択 5 } タ ト面的試験を増加する ことの危険. ( 松教育費配分にお ける新しい問題.( である を促進 ること す 1新しい種類の不平等 7 の歪曲を増加すること. ( , , - 63.
(16) . 大. 野. 雅. 敏. 過去数10年間合衆国において, その矛盾は起らなかったのであるが, 最近に見られるように国 家的見地から能力の開発に重点が置かれるようになってくると, 能力の確認. と訓練というものと 機会均等の理想とのあいまいな結合が問題となってくる. ことに能力が IQ というような狭い意 味で定義される時には, その結果のよしあしは別 として扱いやすいが, 広い意味での能力が問題 になると大変である, そもそもすべての社会政 策には3つの相矛盾する領域がある, 公平・選択. の自由・社会的効率がそれで, 前2者の立場から教育を眺めると, 義務無償の学校教育, 後期段 階への選抜に基ずかな、 い進学, 学校での健康 とか給食といった補償的計画, 後期段階での転学が 容易な各種の課 程, 選抜テストへの最少限の依拠, 資力ある市民の教育費負担というわれわれに. なじみの深い教育政 策が出てくる. 後者の立場は直ちに選択の自由を制限 はしないが, 中央の計 画が進行すると manpowerの 無 駄 を なく そ う と い う こ と か ら, 前 者 の 立 場 を 危 く す る よ う に な ら ざる を 得 な い,. 1 ( ) Freedom of Cho i eの現想との矛盾. 能力者中心教育が組織的になって, 学校や職業に個人 c. のための空席が確保されるようになった場合を考えよう. 特に給与体系と関連して生徒に職業選 択の際に社会的負担の意識を与えるに留まらず, 社会的効率の立場から,すでにアメリ カ社会に見 られるように能力者集団を軍艦化 する傾向を促進する, 能力者中心学校制度が求職市 場と結合す. るか,あるいは職業選択は自由に残されるかが問題であるが, 能力者の確保という社会的関 心が高 まると職業選択に ついても人. 々は公共性をまず考えるようになる. ま た職業指導が中央の経済計 画と ,結合 すると, ここに教育の地方分権,中央集権の問題も起ってくるし,何よりもその指導者に 2 )能力の定義を狭める危険, 能力者教育計画が 中央の行政下に置 ついて多く の疑点が出てくる. {. かれた場合, 激しい競争が予想されるが,競争そのものの基盤についての考慮が果してはらわれる であろうか.確かに能力測定に関する多くの調査が行われるように なろうが,それは人間能力の複. 雑性をとらえようとする方向に 向い, 決して人材開発論者の便宜的な能力の 定義には争い得ない. 人間性の綜合観にたたない計画者の能力観に対抗し得る総合的能力測定の方法は簡単には 発見す ることができない からである. そうなると,およそ人間は全体的に理解されず.能力者は普通数種 の能力を兼ねているが, 労働力市場の需要供給関係でそのうちの一 つだけに力点が置かれるよう になる. 圏予知の正確さに対する要求と客 観的規準の再設 定. 次の段階の学校教育や将来の職業 に対する能力 予知の必要は当然考えられることであるが, 能力を広い意味でとらえようとすれば どうしても明確な結果が出ず,予知の成功は殆 ど望みなくなる. 結局,社会階層やその他性向,志望. という要因 を考慮した客観的測定法は, 長期の年月 を経て達成されるものと見なくてはならぬ. ま た家庭の特徴・人種的起源・居住場所を考慮することによって予知法は改善されるが,伝統的社会 階層差それ自体は, 選む れたものがその中に移行するだけで少しも変りない.また大学の半ばで能 力を現わすもの, 富める家庭出身の余り能力のないもの,この扱いを どうするの か. 彼らを大学か. らしめ出すべきなのか. それに関連して個人の志望や欲求が, 殊にアメ リカの大学進学に大きな 9 ) これを一体どんな方法で測定するというのか が問題である (弱教育費 要因となって いるが,4 , . 配分における新しい問題. 結局これも能力を広狭 どち らの意味でおさえるかで大部事情が違うわ. けであるが, 次の点に問題がある. つまり, すでに能力を確認されたものが就学している学校に 重点が置かれるのか, それとも隠れた能力を掘り起すことに投資の重点カキ置かれるのか, 前者だ. とすると, 現在比較的多数の優秀児を生んでいる階層や地域社会は, 彼らの教育利益を補強する わけである. 他方, 不利益な集団や地域社会の中から能力者を発見する計画樹立も可能である, いずれにせよ, 教育費の不足と高度な能力開発の要求という二面に 挟まれて, 人々は1人当りの -6 4-.
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