日常における数学的論理
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(2) . 日常における数学的論理. 大 久 保. 和. 義. 1. 序. 人はいるいるな場面で, すでに学んできたこと, 経験してきたこと, まわりの状況な どから判断 して, 次に どのような行動をとるべきかを決めることがしばしばある. そのときに, 最もよく使わ \ \ ″ れる の は, n… … だ か ら ~ だ.″ , … … す る と す れ ば~ だ. と い う 考 え 方 で あ ろ う。 こ の よ う に, あ. る事を判断する考え方の筋道のことを論理といい, その筋道をたどっ て行くことを推論という。 つ まり, 推論とは, いくつかの仮定とよばれる命題から, 結論とよばれる命題を導き出すことである . ここで命題とは, 数学的な命題 (ある意味のあ る文章 で, それが真か偽かがはっきり判定できる \あの花は赤い ″ などは その花を見る人 もの) よりはもう少し広い意味で解釈する. たとえば, \ . , により判 断が異なる場合があり, これは数学的な命題とはいえないが, 日常ではよく使われている 文章であり, このようなものも, ここでは命題と考える。 この論文では, こうした日常用いられている命題と, 数学的な命題について, 中学校, 高校, 大 学の生徒, 学生を対象に, ある調査をして, それぞれの場合で論理の使われ方について述べ る .. 1 1 。 論理と推論 誰にとっ ても, いつ でも正しい推論の形式を研究するのが論理学である. 一般に推論の方法とし. ては. 1。 論理学の知識を用いる 2. 論理学以外の知識を用いる. 場合が考えられるが, 2の場合には, 数学的な知識を用いる時などのように, はっきりとした事実 一 を用いる場合(たとえば, 1 たす 2 は 3 であ る.″, 東京は日本の首都である.″ , 人間は蛸乳類で あ る.″ など) , さらには, 日常生活でよく用いられること であるが, 知覚, 感覚的に, また, それ. n ″ ま での経験を通して判 断する場合(たとえば, 海に行くと日にやける。″ , 大きい人は良く 食べる。, n夕焼けが出ると明 日は晴れる ″ な ど) がある 以後 で 前者を数学的な命題 (Ma hema i I t t ca , . 。. Propos i ion で, Math t i l i ion で, D.P,と 略 す) と t y Propos .P,と 略 す), 後 者 を 日 常 的 な 命 題 (Da いう・. 日常 で用いられる論理と論理学での論理とは必ずしも一致していない. たとえば, (*) 大きい人はよく 食べる. という文章では, 感覚的には真であると判断されるが, さらに, 日常用いられる場合, この文章の 213.
(3) . 大久保 和 義. 中には, (**) 大きくない人はあまり食べない という意味が含まれている であろう.. 一方, 論理学的には,(*) が 正 しい と した こ と か らは(* *) が正 し い と いう こ と は 言 え な い. も っと例を上げると, よく, .明日, 晴れれば行く.″ と言うときには, 通常は, 暗黙のうちに, 明日, 晴れなければ行かない.″ ということを含ん でいるが, 論理学的には, 明日, 晴れなけれ ば……″ と い う 仮 定に つ い て は 何 も 言 っ て い な い の だ か ら, 行 っ て も, 行 か なく て も よ い こ と に ,. なる. また, 運動会などで, 雨天順延″などというときには, 実際には, 雨でなければ運動 会を行 なう, ということを暗に含んでいる訳であるが, 論理学的には, 晴れていて, 運動会を行なわなかっ た と して も, 誤 り では な い の であ る. こ の よ う な と こ ろ に, 日 常 の 論 理 と, 論 理 学 で の 論 理 の 間 に. は, 大きな隔たりがある. しかしながら, ある事柄, ある事象で, 各人が, おのおの経験とか, 学 習を通して, ばらばらに推論を進め て行っては, 不都合なことがおきたり, 議論がかみ合わなかっ たりする場合があり, やはり, 論理学的に正しい推論の方 法も理解し, 使えるようにする必要があ る.. 算数・数学科教育における論理について見てみると, 学習指導要領では, 小学校では, 算数科の 目標 で「……日常の事象を数 理的にとらえ, 筋道を立てて考え, 処理する能力と態度を育てる.」(傍 点は筆者) とあるが, 小学校 でも, 高学年に進むに従い, ある事実の正しさ, 自分の考えの正当性. を論理的に説明する場面が多く なり (たとえば, 算数の教科書でも … … を 説明 し ま し ょ う., そ のわけをいいましょう.″などで, 理科, その他の教科でも, この種の問題が増加する.) , 物事を判 断したり, 推論を進めていく場合に, 筋道を立てて行なうことが大切であるとしている.. 2年に改訂された指導要領 では, 「集合・論理」 の領域はなくなったが, しか 中学校 では, 昭和5 しながら, 他の領域の内容と関 連して, 適宜取り扱うということ でその領域が入れられた前回の指 導要領の精神はまだ続いている. 今回は, 第2学年の目標の中に,「……数学的推 論の意義と方法を 理解させ, 論理的に表現する能力を養う.」 とあり, ここでは, 数学的な推 論の方法として帰納的, 類推的, 演樫的な方法をあげ, 特に, 演樫的な方法, さらに, その表現方法を理解させることが, 中心的なねらいとなっている. また, 第3学年 では, 背理法による証明方法についても学ぶ. 高校 では, 小学校, 中学校, 高校と一貫した教育課程の 上で, 数学科の 目標としては, 1) 事象を数理的にとらえる 2) 論理的に考える 3) 統合, 発展的に考察し, 処理する. があげられているが, 特に2) では, 適当な見通しを持っ た上での抽象化, 論理的な思考の 重要さ. を主張している. また, 最近, 国内外で, 数学教育に関しての, 1つの大きな課題として, 問題解決学習が取り あ 2 ) } 具体的な事象で 論理的な思考方法を用いて結 論を出すということを考えると ’ げられているが1 , , き, やはり, 論理的な推論の方法を理解するということが大切 である. このように, 小学校, 中学校, 高校と, 算数, 数学科での論理の重要さを言ってきたが, これら は, 数学的な問題だけでなく, 日常の問題においても推論するときに大切なものである.. 214.
(4) . 日常における数学的論理. m。 論理の型 推論で最もよく用 いられる論理の型は, PならばQ である ″ という条件文とよばれるものであ 。. る.. PならばQ である.″ という文では, 普通, ①. ②. ③. P=Q. P は Q のメ ン バ ー であ る 。. Q である原因はPである。. と いう 意 味 が 考 え ら れ る. た と え ば, ① に つ い て は, 一5 + 3 は 4 + 4 であ る ″ . , 東京は日本の首 ″ 都 であ る.″ な ど で, ② の 例 と し て は, 一摩 周 湖 は 北 海 道 の 湖 であ る ″ . , 車は乗り物 である。 など ″ ″ があげられ, ③の例としては, 海に行くと日にやける。, 寒 い と き は ス ト ー ブ をたく な ど が あ 。 る。 \P でな け れ ばQ で な い ″ ① の 場 合 に は, \ .,. QならばP である。″が成り立つが, ②, ③の場合に. は, 一 般 に こ の よ う な こ と が 言 え ず, ま た, 日 常 では, こ の よ う な 文 章 が 非 常 に 多 い こ と か ら い ,. ろいろな混同がおこるものと思われる. こ の PならばQである。″という条件文をもとにして考えると これから 次の4つの論理が考 , , えられる。 1. P と す る と Q か (Modus Ponense M.P,と 略 す) 2. P でな い と す る と Q でな い か (Reverse Rev ,と 略 す). Conv 3. Q と す る と P か (Conve rse ,と 略 す) 4. Q で な い と す る と P でな い か (Con i i t t rapos ve. C.P, と 略 す). こ う した と き, 仮 に PならばQであ る ″ を真とすると日常の論理 では 1 2 3 4 い ず 。 , 。 . . 。 ’ れも は い″ と いう 答 え に な る が, こ の よ う な 論 理 の こ と を 0’brien 教 授 は Chi ld sLogi c (C と 略 3 ) i す) とよ び , 数学的 (論理学的) 論理 (Mathemat caILogi c で M と 略 す) では, 一 般 的 に, 1., uど ち ら でも な い″ と な る 4. が は い″ 2 3 が , ., . .. \PならばQ である ″を真としたとき 上の4つの種類の問題を与え 0’ 日常的な命題, \ i en教 , 。 , br 授はアメリカの大学生の, また, 松尾氏他は日本の中学生, 高校生 大学生の論理の型を調べた , 。. それは, MとCを両端におき, その間の型をいくつかに分け, 個 人の型の統計と それぞれの学校 , を全体的にみると, どのようになっ ているのかという考察を行なっている さらに ある治療を行 , 。 なって, CからMへ変化した割合などの報告をしている。 本稿においては, 中学校, 高校, 大学の生徒, 学生に対して, 論理の調査を行ない 学年が進む , に従い, 彼らの論理の型の変化, さらに, 各学校, 学年において, Ma h t .P ,と D.P ,の問題での M.. C.P.に 関 す る ち が い は あ る か さ ら に は Math .P. では M,D.P. では C と な る , , ことがありえるか, 即ち, 数学的な命題に関しては数学的な論理を用い, 日常的な命題では Chi ld P. Rev Con , リ. ,. i sLog c を用いるという, 論理の使いわけ が見られるかどうかということを述べ る また 高校の3 , .. 学年では, 理系志望, 文系志望の生徒, さらには大学では, 文系 (国語 英語 社会 教育専攻) , , , , 理系 (数学, 理科, 技術, 家庭専攻) 芸体系 ( 美術 音楽 保健体育専攻 ) において 論理の型に , , , , 特徴があるかどうかも述べる。 与えた問題の個々 の結果と, 特徴についても述べる . 215.
(5) . 大久保 和 義. I V. 調査の方法 1. 出題問題の作成 出題の方法については, 松尾氏他が行なっているのが適当と思われ, その方法を用いた. 即ち, ) 裏 PならばQ である.″ という命題を正 しいものと認めても らい, それから, 本命題 (M.P . ) に対応する問題を作り, 生徒, 学生の考 え ) 対偶命題 (C ) 逆命題 (Conv 命題 (Rev .P . . .. 方を調査する. それぞれの例は次のようなもの である. ①. M.P.. 武君は暑い日に泳ぎに行く. 今 日 は 暑 い.. ②. 武君は泳ぎに行くか. Rev .. 日本人は風呂が好き である. 彼は日本人では ない. ③. 彼は風呂が好きか. ConV .. 数学の本は難しい. こ の 本 は 難 し い.. ④. この本は数学の本か. C‐P.. 新入生は元気がある. この生徒は元気でない. この生徒は新 入生か.. u ″ こ こ で, 本 来 な ら ば Rev .は P で な い な ら ば Q で な い か. であ る が, こ れ は, P で な い な ら ば ″ Q であ る か. と考え方 では差がないものと考え, 全てこのようなものと した. C .P .に関しても同. 様に, 一QでなければPである.″ として出題した. 上の例 では, 第1行目にあるものは真と認めて, 2行目を仮定したとき, 3行目がどう なるかを 判定する設問である. このとき, 解答としては, は い″, い い え″, どちらともいえない″という ″ u のが考えられるが今回の調査では, たとえば②の場合 一好き である″ , 好 き でな い , どち ら と も い え な い″ という選択肢から1つ だけを選ばせて, できるだけ誤解のないようにした. ま た, 問 題 と し て は, M.P.を 除 き, 他 の 3 つ の 類 に 対 して は, Math .P. と D.P.を約 半 分 ず つ. 与え, それぞれの相関についても調べてみることにした.. 出 題 数 は, 大 学 生 に は 60 題 (M.P.9 題, Rev . 各 19 題, C.P.13 題), 高 校 生 に は, そ . , Conv C P の中から 45 題 (M.P.7 題, Rev. . 各 13 題, . .12 題) , 中 学 生 に は, さ らに こ の 中 か ら, , Conv 0題を出題した 2 題 をか え て 30 題 (M.P. 6 題, Revっ Convり C .P .各8題) とした. 大学生に6. 場合でも, 問題の後半になると, 考える意欲が薄ら ぎ, また, ある程度の問題数を解答すると, そ の パターンに慣れて しまい, それから問題の解答をすること, 集計した資料の整理が煩雑になるこ と, などを考慮し, 高校, 中学校では, このような出題数とした. 216.
(6) . 日常における数学的論理. 具体的な問題は表1,. の 通 り であ る。. 2. 対象学校, 学年 中学校は, 市内の中学校2校から, 1学年から3学年まで1クラスずつ合計257名と, 高校は市 内の公立の全日制普通科1校 で, 1学年から3学年までの4クラス (3学年は, 文系, 理系志望1. クラスずつ)1 74名, それに, 北海道教育大学札幌分校の数学科教育学 (小学校教員養成課程向け) の受講者18 9名 (2年生が中心) を対象に調査した. 中学校, 高校では, 生徒の質がそれ程はとびぬけていないように選択, 中学校は, 全体で中間 的 な学校, さらに, 高校も, 公立高校のだいたい中間に位置するところを選んだ.. 3. 実施の方法 大学では, 昭和57年度の講義が始まって間もない頃4月の下旬に, 講義の時間30分程を用いて 行ない, その様子をふまえて, 高校, 中学校の問題を検討し, 高校は, 5月の下旬, 中学校は6月. の中旬に実施していただいた。 中学校, 高校では, 実施 していただいた先生方に, 問題用紙にも, 1行目のことは正しいとして, 2行目以下のことについて答えてく れるように断わっ てあるが, 再 度, 口答でも, そのことを強く 注意していただいた. 時間は各学校, 学年とも, 2 0~30分をめどと して, だいたい全員が解答を終えたところで, 解答用紙を回収した。. 4。 資料の整理 論理の型分けについては, これも, 松尾氏他の考え方を踏襲しているが, 個人の型を見い出すと きには, 次のように番号をつけ, それを型とした. たとえば, 下の表で, M,P ,で2 ならば, それを 2 型 と する. ま た, 特 に 1 型 を M 型, Rev ,Conv . で 3 型 を C 型 と も い う.. M P. C.P. Rev .. E3. 正答が7割以上. 2‐ 正 約半分 爺. . どち ら と も い え な い が 7 割 以 上 1. ど ち ら と も い え な い が 7 割 以 上. 2。 どち ら と . Conv な も い え い が約 割 3 C が 以 上 5 割 7 . . こ の よ う に して, 1 人 の 学 生, 生 徒 の 論 理 の 型 が, (M.P. ) で (1, 1, 2, . . ,Rev ,Conv ,C.P.. 1) のように表わされる. こう したとき,. .(1, 1, 1, 1) を M 型 ・どれ か 1 つ が2 でそ れ以 外 は 1 (例 (1, 2, 1, 1)) の と き S - M 型 (Semi i ‐Mathemat caI Logi c). S ・(1, 2, 2, 1) 以 外 で 1 と 2 が 2 こずつのとき ( )-M型 d 。 隊, 2, 2, *) の と き Mi e Logi c) .型 (Middl 。(1, 3, 3, 1) の と き C 型 。(1, 3, 3, 1) で ど れ か 1 つ が2 の と き S - C 型 ・(1, 2, 2, 1) 以 外 で, (1, 3, 3, 1) の ど れか 2 つ が2 に な っ た と き (S)- C 型 と 表 わ す。 (3, * *, ま た は (*, *, *, 3) の 型 は別 に 考 察 す る こ と に し た,. さ ら に, Math .P, と D.P.に 関 して は, Rev .Conv .C.P.の 各 類 で, そ れ ぞ れ の 型 を 出 し, そ の. 相関について考察した。. 具体的な出題問題, さらに問題の分類は次の通り である。. 217.
(7) . 大久保 和 義 表1 問題用紙 1. 鳥類は動物です. これは鳥類ではありません. これは動物ですか. 2. 不況だと物価は上がる. 今年は不況である. 今年は物価が上がるか. 3. 才女ならば短命である. Aは才女ではない. Aは短命か. 4. 雪が降ると汽車が遅れる. 今日は汽車が遅れる. 今日は雪が降っているか. 5. 本を読むと目を悪くする. ひろみはよく本を読む. ひ ろ みの 目 は 悪 いか.. 6. 犬は忠節な動物である. この動物は忠義をつくす. この動物は犬か. 7. 日本人は東洋人である. 彼は東洋人でない. 彼は日本人か. 8. 病気の人は顔色が悪い. ひろし君は病気ではない. ひろし君は顔色が悪いか. 9. リ スは 木 に 登る.. あの動物は木に登る. あの動物はリスか. ブをたく. 1 寒ければストー 0 .. 今 日は ス トー ブ をた か な い.. 今日は寒いか. 11 . やさしい人は花が好きである. 順子さんは花がすきである. 順子さんはやさしい人か. 12 . 赤い花は美しい. こ の 花は 赤く ない.. この花は美しいか, 13 . かえるが鳴くと雨が降る.. 今 日 はか え る が鳴 い て い る.. 今日は雨が降るか. 新入生は元気である 1 4 . . この生徒は元気である. この生徒は新入生か. 15 . 数学者は音楽が好きである. 田中さんは音楽が好きである. 田中さんは数学者か. 16 . ヒ グマ は 力 が強 い.. あの熊は力が強くない. あ の 熊 は ヒ グマ か.. 1 7 . 親切な人は皆に好かれる. 218. ひ と みさ ん は 親切 である.. ひとみさんは皆に好かれるか. 1 8 . よく読書をする人は博識である. 五郎君はあまり本を読まない. 五郎君は物事をよく知っているか. 19 . 名 物に お いし い も の は な い.. このおかしは札幌の名物である. この お か しは お い しい か.. 2 0 . 試験のときは皆緊張する. 正君は緊張していない. 正君は試験を受けているか. 2 1 . 人は晒乳動物です. この動物は人ではありません. この動物は哨乳動物ですか. 22 . 数学のきらいな人は国語が好きである. 友子さんは数学が好きです. 友子さんは国語が好きですか. 23 . 白い車は速いです. あ の 車 は 白 い です.. あの車は速いか. 24 . 風が吹かなければ波はたたない. 今日は風がありません. 今日は波がたちますか. 25 . き れい な花 には と げがあ る.. この花にはとげがない. こ の 花 は き れい か.. 2 6 . 体の大きな人は良く食べる. 良夫君は体が大きくない. 良夫君は良く食べますか. 2 7 . チューリップはユリ科の花です. あの花はチューリップの花ではありません. あの花はユリ科の花ですか. 2 8 . 支窃湖は北海道の湖です. この湖は北海道の湖です. この湖は支窃湖ですか. 29 . 天気が良ければいつも外で遊ぶ. きのうは天気が良かった. きのうは外で遊んだか. 3 0 . 太っている人は運動がにが手である. A は 太 っ て い ない.. Aは運動がにが手か. 31 . 象は動物園にいます. この動物は動物園にいません. この動物は象です. 31 . 赤い家は大きい. そ の 家 は 大 き い.. その家は赤いか. 33 . 魚は泳ぎます. この動物は泳ぎます..
(8) . 日常における数学的論理. この動物は魚ですか. 寝不足すると頭がさえない 4 3 。 . 孝君は寝不足をした. 孝君は頭がさえないか.. 35 . 川 がき たな け れ ばさ け は 帰 っ て こ な い. A 川 は き れ い である. A川 に さ け は 帰 っ てく る か.. 3 6 . ゴルフのボールはよく飛ぶ.. こ の ボー ルは あま り 飛 ばな い.. このボールは ゴルフのボールか.. 37 . ス ポー ツ の 選 手は タ フ である.. 金子君はタフである。 金子君はスポーツの選手か. 3 8 山の子供はスキーが好きである . . みのる君はスキーが好きでない. み のる 君は 山 の 子 か。. 3 9 . 若者はよくねる。 山田君はよくねる. 山田 君は 若 いか.. 4 0 . 外国人はカレーライスを食べない. 彼は日本人である. 彼はカ レ ー ライ ス を 食べ るか.. 4 1 . 長方形ならば2本の対角線の長さは等しい. この四角形は長方形でない. この四角形は2本の対角線の長さが等しいか. 2 4 2 . ×が整数ならばx は整数である. 2 a は整数である. aは整数か。 4 3 . ひし形ならば対角線は直交する. 四角形Pの対角線は直交しない, 四角 形 P は ひ し形 か. x> 44 0 な ら ば x2> 0 である. . 2 a > 0 であ る.. a> 0か. 45 . × = 0 な ら ばx (x -2)= 0 である. a ≠ 0 である. a (a- 2)= 0 か.. 4 6 . 円は曲線で囲まれた図形である. この図形は曲線で囲まれていない. こ の 図 形 は 円か,. 4 7 . 有理数ならば実数である. xは実数である. xは有理数か. 48 。 ひし形は平行四辺形である, 四角 形 A は ひ し形 でな い.. 四角形Aは平行四辺形か. 49 . 4の倍数は2の倍数である.. aは2の倍数でない. aは4の倍数か。 0 5 . 小数は分数で表わされる. Cは分数で表わされる. Cは小数で表わされるか. 51 . 2より大きい素数は奇数である. x は2 より大きく, 素数でない. xは奇数か. b 52 . a=0 な ら ばa = 0 であ る. xy≠ 0 とす る. X =0 か.. 5 3 . 合同な図形は面積が等しい. 2つの図形A, Bは合同でない. 図形A, Bは面積が等しいか. 4 5 . 自然数ならば正である. aは 正 でな い.. aは自然数か.. 55 . x> 1 な ら ば×> 0 であ る. a> 0 と す る. a> 1か.. 6 5 . 正三角形は鋭角三角形である. 三角形Aは鋭角三角形である. 三角形Aは正三角形か. 5 7 . 比例関数のグラフは直線である. 関数y=f( x) は比例関数でない. 関数y=f( ) のグラフは直線か. x 2の約数である 58 8の約数は3 . . d は3 2の約数である. dは8の約数か. 59 . 三角 形 は 円 では な い.. この図形は三角形でない.. この 図 形 は 円か. 60 . x> 2 な ら ば lxl> 2 であ る. lai> 2 である. a> 2 か.. 6 1 . 自然数ならば正である。 aは 自 然数 でな い. aは刀Eか.. 6 2 . よく読書をする人は博識である. 五郎君は博識である. 五郎君はよく読書をするか. 6 3 . 長方形ならば2本の対角線の長さは等しい。 この四角形は対角線の長さが等しくない. この四角形は長方形か. 病気の人は顔色が悪い 6 4 . . ひろし君は顔色が悪くない. ひ ろ し君 は病 気 か.. 219.
(9) . 大久保 和 義 表2. 問題の出題と分類. 大 M. P. N [ ath . P.. Rev D. P. M[ ath . P. Conv D. P. M[ ath .P. C.P. D. P.. 2. 学 5 13 17 19. 23 24 29 34. 高 2. 校 5 13 17 19. 1 21 27 41 45. 1 27 48 51 53 61. 8 12 18 22. 3 12 22 26 30. 26 30 35 40. 35 40. 28 33 42 44 47. 28 33 47 50 56. 50 55 56 58 60. 58. 4. 6. 9 11 14. 15 32 37 39 7 43 46 49 52. 学. 校. 23 24. 48 51 53 57 59 3. 中. 2 13 17 19 23. 4 9 11 15 32. 1 27 48 61. 3 12 22 26 35. 28 33 50 56 58. 4 11 32. 37 62 7 43 49 52 63. 7 49 63. 54 10 16 20 25 31. 10 16 25 31 36. 36 38. 38 64. 10 16 25 36 38. V. 結果の考察 1. 論理の型について グラフ1を見ると, 中学校, 高校, 大学での全体的な論理性については, 大学では, (S)-M, S-M, Mを合わせると, 全体の90.6%となり, 日常においてもだいたいは, 数学的な論理, また. はそれに近い論理を用いていることがわかり, 高校においては, 64.1%の生徒が (S) M, SM, M型を用いており, 数学的な論理の用い方に次第に慣れていく傾向にある. 一方 で, 中学校では, ’ ld l dd (S)C,SC,Cを合わせて47.3%,さらに Mi sLogi c eLogic が 31.7% と, こ の 段 階 では Chi 的な考え方, または, その問題により論理の使い分けをしているという結果が出た. 次 に, グラ フ 2, 3では, 中学校, 高校とも, 学年が進むごとに, 数学的な論理を用いている者 が増加する. これは, 生徒たちの思考の発達段階とも相まって, 数学の学習 での論理の用いられ方 が, 次第に, 日常の生活の中に浸透していっていることを示しているものと思われる. 高校の3学. 年 では, 文系, 理系志望の生徒を比較すると, 明らかに, 理系志望の生徒の方が数学的な論理を用 いている者が多い. このことは, 一般に, 数学を得意とする生徒に, 理系を志望する者が多いとい. う現実を考えると, 数学を得意とする生徒が, より 多く数学的な論理を用いるということを示すも のと見ることができる. (このことは, 松尾氏他との研究とも一致する.). さらに, 大学においては, 文系, 理系, 芸体系を比較すると (グラフ 4 を参照) やはり, 理系の 学生が数学的論理を多く用いており (特に, 数学科の学生では21名中1 8名 がM型, 3名 がSM型. で, 大学に入ってからの講義, 演習等で, 抽象的な論理性についての訓練がなされているためと 思 われる.) 上の結果を裏付けている. その他に, 男女の論理性についても, データーをとってみたが, 性差における, 論理の使い方に は, ほとんど区別がつけられないよう である. 220.
(10) . 日常における数学的論理 図1 グラフ. 1. グラフ. 2. 中3 L 中2 C. SC. S)C Mi d ( S)M SM (. グラフ. M. C. ./. d ( S)C Mi S ( )M SM. グラ フ. ‐‐ 高I メ;\ ‐ メメ 高2 , 〆 ‐. SC. SC. 3. 高3(理). 、、. C. 高. (S d (S )C Mi )M SM. *文 ) M. / 中1 M. 4. 40 30 20. lo C. SC. S)C Mi d (S ( )M SM. M. 論理の型については, (3, 1, 1, 2) 型が, 中学校で2名, 高校で10名 ( 9%) いたが, こ 5. れは, 第1行目のことを正しいとして, 第2行目以下について答えよ としていた訳であるが 生 , , 徒が, 命題そのものが真か偽かあるいは, どちらともいえないか, ということを考えている (特に M.P .に関して)ことが最も大きな原因 ではないかと考えられる, 問題自体の真偽を考えるというこ との傾向は, 特に高校生に多く 見られる. (次節参照) さ ら に, こ の 他 に (*, 1, 3, *), (*, 3, 1, *) の 型 も 弱 千名 見 ら れ どの よ う に 考 え ,. ているのかを解読 できない生徒が中学校で約 5%近く見られた . 2。 各類 に つ い て. ① M.P .に関して. M.P.に つ い て は Math .P. でも D.P. で も あ ま り 差 は な い と 考 え, す べ て D. P,の 問 題 を与 え ,. たが, 結果は意外 であった. グラフ 5 を見ると, 全体的には 中学校の方が高校よりも成績がよく , , 問題によっ ては, 大学よりも 中学校の方がよい. この類 での平均の正答率を 見ると 中学校 で約 , 85%, 高校で7 0%強, 大学で90%強と, 予想さていたよりよくない, この原因は, M.P.の場合は, 中学校から高校 へと進むにしたがい, 生徒の生活 経験を通して, 問題の文章そのもの の真偽を判断 しているものと考えられる. たとえば, 一白い車は速いです ″ の問題では 白い車は速い と仮定 , 。 , するよりも, 日常の生活では, 常にそうとは限らないことを経験し この問題を考えるときには , , ″ 名物にお こちらの方により強く 注意が向いているものと思われる かえるが鳴くと雨が 降る 。 ., ″ い し い 物 は な い.″ などはあまりよくなく , 不況だと物価が上がる。 が比較的良いのはその理由で あろう。 221.
(11) . 大久保 和 義 図2. (%). グラフ. 100 90 80 70 60 50 40. 5. 中 高. 大. . 2 5 13231917242934 (数字は問題番号). (%). \ ン\. . ・ グラフ. 6. 60. 12352622 3 403018 8. 16148 127 5741452159535. (一はM,…はCで考え ている 者). . ・ . ・ ー . ・ . . .. . 中 \ ・ン. . ・. . . ・ 、 ・ 、 、 ・ - - . ・. し. 42444560475058563328. 11143237 9 15146 39. (%) 100 90 80. グラフ. 8. ≧ 8. ノ. 高 へ ‘ / \7 ′. \/\ /. 中. 大. 中. 50. 如. 30 20. m. 25381636103120 544643526349 7 ) P h P (注, 左側はMa t . . .右側はD. 222.
(12) . 日常における数学的論理. また, 特に, 高校, 大学で悪かった, 本を読むと目を悪くする.″ の問題は, 時間と関係 してお り, 問題を目は悪くなるが, 今の時点では悪くないと解釈した生徒・学生が多いと考えられ, この ように, 時間に関係する問題は出題のし方に注意すべきであった。 総じて, 中学校では, 問題を素直に受けとり, 高校では, 生活経験に照らして問題を考え, 大学 では, 問題の意図を的確につかむという傾向があるよう である。 R ev .に 関 して ‐ グラ フ 6 を見ると, 予想されたこと ではあるが 中学校では だいたいの問題で半数以上が3型 , ,. ②. であった. 高校では約. 生徒, 大学では8割の学生が1型である。. 問題 を Math th .P,と D.P.に 分 け て調 べ て み る と, 大 学 に お いて は, や や Ma .P.の 方 が, D.P.. よりも1型を用いている学生が多くなっており, 中学校, 高校では, Ma h t ,と D.P .で1型を用 ,P い る 差 が, そ れ程 は な い よ う に 見 え る. そ こ で, Rev . で2 型 の 人の MathP,と D.P.の 型 を調 べ て み る と 表 3, 4, 5 の よ う に な り, 確 か に, 大 学 では, Math .P. では, M で考 え, D. P, では M と. Cを用いている者が約 十 ずついる. また, 高校ではわずかに, Ma th ・P ・に対して D・P ・よりもMを 用 い て い る 者 が, わ ず か に 多 い よ う であ る。 中 学 校 に お い て は, Math .P,と D,P.の い ず れ に も,. 同じくらいの割合でMとCを用いていると考えてよい。. Conv .に 関 して Conv 関 し て も, Rev に . , と 同 様 に, 中 学 校 で は 半 数 以 上 が, C を 用 い て いる が, グラ フ 7 を見る と 分 か る よ う に, Math .P,と D. P. を 比べ て み る と, 中 学 校 では, Math . P. でM を 用 い て, D. P. でC を用 い て い る 者 が 多 い, つ ま り, 逆 に 関 し て は, ぃひ し 形 は 長 方 形 で あ る ″ の逆は成立しない 。 ③. と いう こ と を 学 ん でき て お り, こ の よ う な 種 類 の Math .P.に 関 し て M を用 い る 者 が, D.P, で用 い. る者より多くなるものと 思わ れ る。 そ れ は, た と え ば, 表 6, 7, 8 のよ う に, Conv. で 2 型 の 生 徒 の 分 布 を調 べ て み る と, 特 に, 中 学 校 では, Math . P.の 問 題 では M を, D. P.の 問 題 で は, C を 用 いて い る 者 が 多 い こ と でも わ か る。 ま た, 高 校, 大 学 で も, Rev ,と 比較 して も, D, P. でC を 用 い. る生 徒・学 生 が, 極 端 に 少 なく な っ て い る こ と が わ か り, 一 般 的 に Rev .よ り も Conv .の 方 が 数 学 的. な考え方が できるよう である. これは, 先にも述べたが, 逆命題に ついては, 小, 中学校で 考え , ることはあるが, 裏命題については, ほとんど考えられる機会がないこと また 仮定に 否定の , , , 文がある場合は, 論理が複雑になり, 生徒の思考に, 混乱をおこさせていることによると 思われる 。 C.P.に 関 し て C.P.に つ い て も 予 想 に 反 し て でき がよ く な か っ た , 。 ④. この類 では, 中学校, 高校, 大学を通して, D.P th .よりは, Ma .P .の方が成績がよく (グラフ M P 8参照) ここでも , , . ,と同様に, 文での具体的な場面判 断の材料としていると思われる. たと えば, 高校・大学で最も悪い, きれいな花にはとげがある.″ (高校o大学での正解率は それぞれ ,. \山 の 子 は ス キ ー が 好 き であ る ″が 50 0% 79 6% と こ れ ら は と げ 28.8%, 37.2%), さ ら に, \ . , . . , ,. がないきれいな花もあるし, 山の子でも, スキーが好き でない子が現実にいる訳で, それらを考え ての解答と思われる。 また, u寒ければストーブをたく。″ は, 実際に, 寒くなければストーブはた かないということが普通なため, 高校, 大学の正解率は, 82 .8%, 86 .9%と先のものと比較すると か な り よく な っ て い る。 中 学 校 では, 上 の 3 つ の 問 題 に 関 す る 正 解 率 は 74 4% 75 2% 87 6% , , , . , .. と, 高校, 大学程は文章によって変化はない.. 223.
(13) . 大久保 和 義 表3 I. 2. 3. 8. 4. I. \. 表4 1 ←. 1. 2. 3. 7. 8. 2. 11. 21. 6. 3. \. 表6 I. I. 2. 3. 9. 3. 2. 4. 10. 3. 4. 3. \. 3. 2. 10. I. I. 3. I. I. 表9 I I. 2. 3. 20. 13. 2. 9. 9. I. 3. 10. 13 14. 17. 12. 3. 13. 14. 表8 2. 3. 15. 2. I I. 2. 3. 11. 9. 54. 20. 中学 2. 8. 12. 2. 3. 2. 3. 3. \. 3. 3. 表11. 表10 I. I. 2. 3. 7. 22. 氷. I. I. 2. 3. I. 2. 42. 9. 中学. 高校. 大学. 3. 2. 表7. 高校. 大学. I. 2. 中学. 高校. 大学. \. 表5 1 上. 2 3. I. 6. 7. 2. 6. 3. I. th C .P .に関しては, Mを多く用い .P .に関して2型の分布を調べてみると, 高校・大学では Ma. て い る が, D.P.に 関 し て は, む し ろ, C を 多く 用 い て お り, こ れに よ っ て も, 上 で述 べ た こ と が 正. h t しいと思われる. また中学校 では, Ma .に関しても2型の生徒が, 圧倒的 .P .に関しても, D.P に 多く, どちらにおいても, ほぼ同 じような考え方をしていることがわかる. 3. Math .P.と D.P.に 関 し て. h t 2でもみてきたように, 全体的にながめると, 中学校, 高校, 大学いずれの場合も, Ma .P .に た もう少し 用いるよりも多いということがわか 対してMを用いる方が, D. P に対してMを っ , . .. Math .P. で C, . で Math .P. で M.D.P. で C, 逆 に Math .P, と D.P.に つ い て 調 べ て み る と, Rev. D.P .でMを用いる生徒が, 中学校でそぜ ぞれ, 20名, 17名, 高校 で, 11名, 6名, となり, 中学 校 では, Math .P.に 対 し .P, と D.P.に 関 し て, M と C の 用 い 方 は あ ま り 差 が なく, 高 校 で, Math. てM, D.P .に対してCを用いる者が弱干多い.. Conv .に 関 し て, 同 様 に 調 べ て み る と, 中 学 校 では, そ れ ぞれ, 35名, 7名, 高 校 では, 4名, 0名 と, Math . P.に お いて M, D. P.に お い て C を 用 い る 生 徒 が 圧 倒 的 に 多 い. こ の 原因 も 2, で 224.
(14) . 日常における数学 的論理. 述べ た こ と に な る と 思う。. 次に, 非 常 に 特 徴 が あ る の が C.P. で, Math .P. で 3 型, D.P. .P. で 1 型, D.P. で 3 型, Math. で1型の者は中学校, 高校, 大学で, それぞれ, 11名, 4名;27名, 0名 ;14名, 0名 となる. そ の 他 に, Math .P.に 対 して は 1 型 で, D. P.に 対 して は, 2 型 の 生 徒 ・ 学 生 が か な り の 数 見 ら れ,. よって, このことは, 高学年に進むにしたがい, 特に, 高校生 では, 日常の文 では論理学の立場か らではなく文そのものから, 真偽を判断する, ということをしており, 論理の使いわけが見られる。 4. 数学の問題に関して 今回出題した問題のうち数学に関係するものは表1の番号で表2のようなものであり,その正答率 を示しておく。 表12 中 学 校 高. 類 48 Rev ,. 22,5. 51. 校 大. 92.6. 61. 5LI. 78.5. 53. 57. 88,5 78.5. 58. 28.7. 83.9. 97,9. 47. 91,I. 42. 92.I. 60 43. 93.7 95.4. 73,5. 97,4. 56. 49. 40,2 81.7. 73.3. 82,9. 学. 45. 41,4. 63. 大. 41. 17,8. 44. 19.4. 校. 58,I. 50. 55 C,P,. 中 学 校 高. 62,6. 59. Conv ,. 学. 94,8. 20.9. 53,4 48,3. 80.6 86,9 82,7 94.2. 76,O. 87.4. 54. 79,6 91,I. 中 学 校, 高 校 では, C.P,と Rev .Conv .の 間 に は, か な り の 差 があ る が, 大 学 では そ れ 程 の 差 は. ナ よし・ .. 中学校, 高校 で特に悪いのは, 自然数ならば正である. aは正である。 aは自然数か.″ と か, 一小数は分数で表わされる Cは分数で表わされる cは小数で表わさ れるか ″などは 中学 高 , , 。 . 。. 校 で, 正 答 率 が そ れ ぞ れ, 19.4%, 40.1% ;17.8%, 41.4% であ っ た。. 現代化教材として, 集合の包含関係について学習してきたのであるが, 数の部分集合に関する 包 含関係の理解が, 生徒に定着していなかったものと思われる. 比例関数の グラフに関しては, 大学生でも, 半数近くが, グラフ が直線ならばその関数は比例関 数, 即ち, 比例関数= グラフが直線ととらえていることになり, 小, 中学校を通じて大切な題材と. 考えられている比, 比例に ついての性質が正確に理解されていないと考えられる。 また, 中学校 でも十分に知られているもので, その裏命題で中学校, 高校の正答率が22.5%,62,. 6%とあまりよくないのは, それぞれの図形の特徴づけが生徒には, 正確には握できていないという こととともに, 特に中学校では裏命題にふれる機会があまりない, ということによるものと思われ る。. 225.
(15) . 大久保 和 義. V I . 今後の課題 高校への進学率が95%近くになっ ている現在, 小学校から高校までの算数・数学科のカリキュ ラ ム では 一貫して, 「数学的な考え方」の育成を重点目標としており, また, 日常においても, 人はい. るいるな場合に, その場面にふさわしい判断をしながら行動する. その判断をするときの考え方の 基礎に, 論理, 推論がある. そういう意味では, 学校の数学教育においても, 論理, 推論というも. のを大切に扱う必要があると思う. 調査結果を見る限り, 中学校では, 数学の問題でも, 日常 でも, 必ずしも数学的な論理を用 いて いない. また, 先日, 小学校5学年の研究授業を見せていただいた時, 1人の子供が (よく できる 子のよう である)説明するときに, 正三角形は三角形なんだから, 正三角形 でいえることは三角形 でも い え る.″と い う こ と を 主 張 して い た. こ の よ う な こ と は, 1 つ の 授 業 の 中 で, し ば し ばお こ る. ことで, そういう機会をとらえて, 少しずつでも論理を児童・生徒に理解させていく ことが大切と 思う. \正三角形ならば二等 小・中学校を通して, 論理は主に, 図形領域においてなされる. たとえば, \ 辺 三 角 形 で あ る.″ な ど であ る が, こ の 命 題 か らは, 逆 は い つ も は 正 しく な い と い う こ と は 児 童・生. 徒も十分理解 できることであり, 同時に日常的な命題についても, 徐々に慣れさせる必要があると 思う. また, 先に述べたことで, 仮定に否定の文がある場合に, 数学的な論理という点から 見ると, あ まり成績が良くなかっ たが, これに関しては, 数学の問題でも, 仮定に否定をおくという ことが少 なく, このような考え方に慣れていない, というのも1つの理由 であろう. しかしながら, このよ う な考え方は, 日常 でも存在するわけ で, これも, 中学校, 高校の生徒の実態にあわせて, 機会が あるごとに指導し, 慣れさせていくことが大切である. 先の結果から, 総じて, 日常的な問題より数学的な問題の方が数学的な論理を用いており, また. 数学的な問題と日常の問題には, 数学的な論理を用いるのにある程度の正の相関関係があっ た. そ うした意味では, 算数・数学教育においても論理の指導を大切に扱うことが必要である. 昨今, 国内外で問題解決学習が算数・数学教育の研究テーマとして, 大きく 取り上げられている. 具体的な事象の問題に対して, その問題を適格には握し, 解決の見通しを立て, その見通しの上に 解決を実行する, という行程を辿るのであるが, 論理性を重視すると, 解決の見通しを立て, 実行 するときの手順を考えることが最も重要である. 問題解決学習で, 結果よりもその解決過程を大切. にする場合は, 最近, いろいろな方面 で考えられているが, 計算機の利用も考えられる. 筆者もか ) それまでの筆算中心の数学とは異なり 生徒は非常 つて, 高校3年生に, 電卓指 導を行なったが4 , ,. に興味を持って取り組ん でおり, 用い方によって, 論理性を重視する場合にはふさわしい教材にな り得ると思われる. 今後, マイコンを用いての指導も考慮して, 小・中・高と論理についての指導体系について考察. して い き た い.. 226.
(16) . 日常における数学的論理. 参考文献 l lv ingin Schoo I Mathemat i 1980 ) 1) Prob em so cs ,N.C.T. M (. ) 2) 第15回数学教育論文発表要項 ( 1 9 81 3) 松尾吉知, 栗原幹夫, 味八木徹, 田島稔 「日常論理の様相について」 数学教育学論究第13巻 ( 19 ) 77 4) 大久保和義 「高校教育での電卓指導の一方法」 第31回 北海道算数数学教育大会発表 ( 1 ) 97 6 (本学講師 札幌分校). 227.
(17)
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