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倫理的方向に移行しつつある体育 : 生命維持の本質として

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(1)Title. 倫理的方向に移行しつつある体育 : 生命維持の本質として. Author(s). 続橋, 少一. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. C, 家庭,体育編, 18(1): 31-38. Issue Date. 1967-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6511. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第二部C). 8巻第1号 第1. 昭和4 2年9月. 倫理的方向に移行 しつつある体育 -生命維持の本質として-. 続. 少. 橋. 一. 北海道教育大学釧路分校体育原理研究室 I Education Shi f Shoi i I Training: i t ca ngtowards Ethi ca chiTSUZUKIHASHI:Phys ln Spe I Referencetothe FundamentaI E1ementsofSupporting Li f i c e a IEduca i ica i i Depa i do Uni t t tmentofPhys t on on roBranch r ver s yof Educa , Kushi ,Hokka. l,. は. し. が. き. ・「体育」 (運動並に行動を含む) と, 言う言葉のもっている概念は, 人類が この地球上に発生 , して以来, なんらかの形で存在していたであろう, それは, 学問が, 日に日に研究され, 進歩発達して, 今日のように分化されるに至った経過より も, 更に遠い, 即ち, 人類発生と共に起ったものと推測されるのである. 何故ならば, 人間が, あらゆる危険から自己を守ろうとすることや, 一日でも多く生命を, この 世に保ち長 らえたいと言う事は, 本能であると言っても過言ではないと言う気がするか らである. 神経支配の極めて緩漫な嬰児でさえも, 突然眼先にひ らめいたものに対して, 眼を閉ぢたり, 大 きな音に対 して, ピク リと動いて, 身を固く して泣き出す様は, その事実を示すものと言えるであ ろ う.. それが, 次第に成長発達していく過程において, 数多くの成功や, 失敗の経験を重ねるうちに, 生活や職業に必要な, 身体的行動や, 身体運動を自然に身につける様になるのであって, こうなれ ば, 生命の安全を消極的に守ると言うよりは, むしろ生命を維持しようとする積極的行為や, 行動 となって, 意図的・計画的な身体運動, 即ち, 体育へと発展してゆか ざるを得ない状態となるので あ る.. ,. 又, 人類が, 個人や, 家族中心の遊牧的生活から, ある特定の地域に定着定住して, 他の家族や 集団と, 共同協力の生活を営み, 共通のルールのもとで, 社会 (部落や票落) 生活を営む様になる に及んで, 職業の分化に必要な体力や, 部落を守るための, 又は, 部落の繁栄をはかるために必要 な身体鍛錬が必然的に行われる様になり, 古代か ら, 原子力時代と言われる今日に至るまで, 随分 と数多くの, 長い変遷を重ねた結果として, 頗る科学的で, しかも理論的な, 体育の構成にまで発 展 して き た の で あ る.. しかし, 今日, 世界の民族・国家は, その国の発展を図るために, いろいろな機能を も っ て い る.. 教育を始めとして, 政治・経済・文化・交通・道徳等, あ らゆる機能を, 複雑に交錯させること によって, 人類共通の文化や, 歴史や宗教・道徳を, 前代か ら後代へと伝承させるべく, そのため に教育と言う機能を最も重視 して, その重大任務を果させ 様 と して い る,.

(3) . 倫理的方向に移行しつつある体育. であるにもかかわ らず, 生命を維持するために必要な学ともみるべ き, 体育の伝承については, 時代の様相によって, その本来の姿を, 頗る歪めた形に表現されてきた事は, 極めて残念なことと 言わ ざるを得ない. つまり, ある時代には, 健康や生命の維持が,その本質であると考えられた時があるかと思えば, 又, ある場面では, 武士道などと言う, 主従関係の目的を果たすため身体鍛錬が強調されたり, 国 家存亡の危機を救うための国民体力の錬成に置き換えられて みたり, その本質を失 った形で, 研究 が進め られた場面があ ったことは, 否定出来ない事実であっ て, これでは, 体育そのものの進歩発 達や, 系統的・体系的な発達はのぞめないであろう. 人類が, 自分自身で研究し, 発明 したものによって, 自分自身の生命の安全や, 生命の維持をさ え, 危険にさらさなければな らない様な時代 (原子力時代) になって, 始めて我々は, 「体育」 と は, 人類が, その生命を維持し, 健康を増進するためにのみあるべきものであって, 人類の幸福の ためにな らない様な方向に進むことを, 罪悪視し, 倫理的立場にた っての方向づけを, はっきり目 指して, 研究を進めなければならない事を強調したいのである/. 2 . 体育に対す る歴史的概念の推移 日本における体育の歴史的概念を, 時代の流れに従 って, ながめてみると,大凡次の通りである, A. 上 代 〔大和・奈良朝期〕 この時代における人間の生活は, 頗る素朴なものではあるが, 世襲職業と密着 しており, 職業即 生活であ ったとみる事が出来る. 遊牧・狩りょぅの生活型態が, 次第に定住化し, 家を特 (穴居生活から, 地上生活へ) ち, 票落 化することによ って, 部落を中心として, その活動範囲を持つ様になり, 生活を維持するために, 男は, 山野・河海を駄渉して, 衣・食に必要な物資を求め, 女は, 育児や, 農耕を行うことによ っ て, 安定した生活をすると言う具合になったのである. そうして, 他民族との関係が生ずる事によって, 一層強い体力と, 気力 (勇気・敢闘) と, そう して射・術を始めとする必要技能の鍛錬をせ ざるを得なか ったのである. 皇位や家督相続も, 必然的に, 体力・気力共にすくれた者が継承すると言う風習が, 自らうまれ る結果になったのである. 例えば, 「日本書紀十一仁徳」 には, 高 麗国が, 鉄盾・鉄的を朝廷に献 じたので, 高麗客並に, 群臣の 前で, 盾人宿繭 (たてびとのすくね) なるものが, これを射抜いたと記されており, 「日本書紀六垂仁」 には, 当麻蹴速 (たいまのけはや) と, 野見宿禰 (のみのすくね) とが, 天覧角力 (すまい) をしたと言う記事や, 建御雷神 (たけみかずちのかみ) と, 建御名方主神 (たけみなかたぬしのかみ) が, 出雲の伊那佐の小浜で 「力競 べ」 をして, 国ゆずりの交渉を したと言う様に, 日常の生活の中に, 今日で言う学習の様に, 体力錬成が総ての中心をなして お り, それに優れていることが, 立派で, 尊敬される人間であ ったのである. その内容として ( ) 旺盛な体力 (健脚を基礎に した走・跳・投・懸垂・運搬・格力) a b ( ) 克己忍耐 (精神力の訓練) ) 石を主体とする武器の操練 (弓・石おの・石鎚・匁・なゎ等) ( c d () 船の牽 書法 (双手船・丸木船の類) 又, 健康維持のための内容と して (32).

(4) . 続. 橋. 少. ( ) 神 児によるもの a. b ) 加持祈薩 ( ( ) 初歩的民間薬の普及 (滴の花粉を創面につける・温療法・水療法) c d ( ) 大陸医学の伝来 414年 459年. 允恭天皇の御宇……新羅の良薬が金波鎮漢紀武により伝えらる, 雄略天皇の御宇……朝鮮医学の伝来, 百済より 徳来が来朝永住し, 難波薬師と な る.. 553年. 欽明天皇14年……百済より, 医博士・暦博士・易博士の来朝あり, 薬物輸入, 更に, 15年には, 五経博士・医博士 (靖陵陀) ・暦博士・採薬師 (藩量豊・丁 有 陀 来 朝 す.. この時代は, 僧侶が仏教を伝えると同時に, 医薬の道を伝えたので, 国々に薬師寺が建立され, 大衆は, この寺を中心として, 布教と, 施薬・医療をうけた, 又, この時 ;代には, 国内の平定 (熊襲・蝦夷・鬼道などの征伐後) ・国土開拓 (四道将軍派遣・ 田畑国有・中央政府充実・国司や防人の派遣) によって, 国威がとみにあがり, 太平ムー ドとなっ たために, 庶民の間には, 神事 (かむごと) と称して, 農閑期などを利用 し, 仕事を休んで, 祭事 (祖先のまつりごと) を行う風習を生じ, 奉納行事と言う名目の, レクリェーショ ン活動が起って い る. 例 え ば. ( ) 力技・ 1 -- .力く らべ (俵さし・棒押し・重量あげ等) や, すまい (角力) ) 競争……伝令. ・駅伝競争 ( 2 ( ) 剣技……剣・槍・鎖鎌・弓・船糟法・馬術などを競う 3 上流社会では, 蹴鞠 (しゆうきく) などが, 皇極天皇の時代に, 前後して起ってし・ることが, 文 献にみることが出来る. 侍従大納言成通の 「口伝集」 師範家の祖 飛鳥井雅経の 「蹴鞠略記」 同雅康の 「蹴鞠簡要抄」 . 「蹴鞠十ヶ条」 . 「同十二ヶ 条肝心抄」 . 「同秘説条々」 . 大納言為定の 「遊庭秘抄」 . 「蹴鞠条々大概」 , 其の他, 寺社鞠・座敷鞠・勝負鞠・七夕鞠・句鞠・三時鞠・百日鞠 などが挙げられているが, 当時の上流社会や, 貴族の服装から推 して, これ らの運動行動は, 相 当量のものであったと考えられる. とか, 身体を鍛錬すること, ひいては生命維持と云う人間中心の これらは, いづれも, 健康維持. 考え方が基盤になっていたと考えられるべ きものであって, 他国と戦うとか, 相手を倒すために必 要な鍛練な どと言う考えはなか ったと判断出来る. B, 中 世 〔平安朝〕 この時代は, 思想的には, 日本古来の神道と, 欽明天皇時代, 日本に伝来した仏教や儒教が, 次 第に同化した時代と言われており, 古代の無意的・自然順応の時代か ら, 積極的に, 有意的に, 神 仏や自然の理に取組んで, 絶対的なものか ら, 人間的なものに解明しようとする努力がなされ, そ こ に修業 (難行苦行) によ って, 道の理を悟らんとする努力がなされることによ って, 著 しい発展 をみた時代であって, 難行苦行の道は, 身体鍛錬に繋がり, 体験即体認による, 実践倫理に価値を 見い出した時イヒであろう. そもそも仏教の根本教義は, 四詔 (したい) である.. (33).

(5) . 倫理的方向に移行しつつある体育. 四 一集……その原因 諦 .滅……執着をはなれ中道を得て, 浬薬の妙境に入る ……その実現の方法と して八聖道をあげる 八聖道とは, 正見・正思惟・正語・正行・正命・正精進・正念・正定である. 又, 儒教は, 中国民族の精神文化の精粋と して, 孔子によ って集大成 したものであって, その中 核をな したものは 「仁」 である, 即ち 他人に対する忠恕. 内外遠近に通徹する慈愛 のちに, 朱子・程伊川を経て, 王陽明 (明代の人) は, 理の一元論を唱えた. 吾人の心の本体は 「良知」 であって, 宇宙の 本体たろ理と 等 しい 「心即理」 と, 述 べ, 常人は私慾に蔽われているから修養によ って良知を発揮する様にせねばならぬ. これを 「良致」 と言い, 知識と実践とが離れてはならぬので 「知行合一」 説を打ち出 した,. とあり, 仏教や儒教の融合同化によって, 外静内動即ち, 静中の動と言うような, 沈思黙考型を 生むに至り, 体育的な傾向と しては, むしろ表面的弱さを示す状態となるに至った, しかし, 遊戯的面においては, 貴族・武士・庶民と, 階層別なものが存在していた様である、 . 貴族 (朝臣) ……蹴鞠・騎術・放鷹・小弓・打桂等 武 士 階 級……馬を駁 して弓を射ることや, 剣術が行われた 一 ・般 庶 民……競渡・小松引・唐独楽・競馬・弓遊び (賭弓・小弓・雀小弓)・鍬 鰹・子 とろ子とる・迷歳・趨競・灘石・木登り・雪合戦・はい馬・篭杖・紙老略 な どが レク リ ェ ー シ ョ ン的 な も の と して 人 気 を よ ん だ の で あ る.. C. 鎌倉時代--戦国時代 平安時代に荘園と言う制度が生まれることにより, 土地・領民の私有化が 起り, これを守るため に, 武士の勃興と言う現象をうみ, 一方僧侶間では, 実学と共に実力をと言う具合で, 所謂, 僧兵 をうんだ訳で, これらが, 原因となって, 武士の力は大いにあがり, 武士中心の時代へと移った. 武士が. 人間形成の目的として選んだ理念は, 次の通りである. ①. 主君に忠誠をつくす (主従関係の絶対化). ②. 武功を たてる (実力によって立身出世をする). ③. 名を挙げる (生命よりも, 家名や名を惜 しむ). 困苦欠乏に堪え, 質素を重んずる (難難汝を玉にすると言う理念) 従 って, 平素武芸百般に亘る鍛錬を重ねて, 一朝有事に備えると言う, 所謂, 弓馬の道に励んだ ④. の で あ る.. こう した事は, 貴族や庶民に対しても, 少なからぬ影響を与えた事は, 当然であろう, 街即ち三物 (さんもの) と言われる, 流鏑馬 (やぶさ 武士は, 身体鍛錬の方法と して, 騎射・騎『 ′ め) ・笠懸 (かさがけ) ・犬追物 (いぬおうもの) を始めと して, 刀槍術・水練・相撲・放鷹・棒 抜撃・扇切り・打建などの錬磨に励み, 遊戯的なものでも, 田楽 ぐでんかく) と称する舞 (神楽・ 舞楽・能楽) や, 猿楽・風流・竹馬をたしなんだ. (34).

(6) . 続. 橋. 少. 民間においては, 揚弓・羽子板・首引き・腕押・腫押・棒打・栂戦・滅多的・肩車・眼隠等, 鍛 錬的なものが流行 し, 国家や主君を守護するために, 自己の身体鍛錬を図ると言う傾向を示すに至 つ た. D. 徳. 川. 時. 代. 戦国争乱の時期, 即ち, 室町幕府後半より, 織田・豊臣の時代を経て, 徳川家康に至って 江戸 , 幕府の創立を迎え, 三代将軍家光の頃には, 幕府の基礎も確立して, 所謂太平の御代となり 武士 , の身体鍛錬は, 一種の装飾的 存在となったが, 遊戯的面において, 形を変えて進歩発展して いる . 又, 外国との交易が, 一部ではある が行われるに至って, 南犠医 学と称 して, オラ ンダ.ポルト ガルの医学が移入されるに及んで, 生理学・解剖学・衛生学等学問の発達を見 旧来の漢方医学と , 共に, 身体の健康維持について頗る科 学的な発達を遂げた時代である, 衛生の必要も叫ばれるようになり, その代表的人物として, 貝原益軒や, 香月牛山などが挙げら れ る.. なかでも, 貝原益軒の 「養生訓」 などは, 当時としては, 特記すべきものと言われている. そうして, 武士の表芸とも思われた武術は, 次第に遊猟的色 彩を帯びていき, 相撲などは民間に 移り普及し, 大名 や, 武家・町 家のお抱力士となって, 一種のみるスポーツの状態となって発展し て い っ た.. 民間一般では, 宗教的心情か ら発する閑暇利用として, 神社・仏閣詣で (お伊勢まいり・西国札 所の巡礼等) や, 祭礼行事が盛んになり, お国自慢や, 各種の名物をうんだのである, しかし, 封建社会の特徴とも言える鎖国意識は, 国 内他領地に対 してまで影響し, 一地方の大凶 作によって, 多くの領民が, 飢餓に苦 しんだり, 社会保障制度の無かった事が,何か事ある時には, その地域領民は塗炭の苦しみにあえいだのであ って, 人権尊重の今日に比べて雲泥の相違と言わな ければならないヰ E. 明. 治. 以. 降. 明治維新の大業が, 王政復古の名のもとに, 着々と進め られ, 欧米文化が怒涛のように流入され て, 教育の面においても, 明治5年の 学制頒布に始まり, 明治23年10月30日, 教育に関する勅語の 漢発によ って, 教育の大本が明示せ られ, 欧米式教育法が, 寺子屋式教育法に, とって代 ったので あ る.. 五ヶ条の御誓文を基調とした御沙汰書 「邑ニ不学ノ徒ナク. 宇二無学ノ輩ナ シ」. によって, 教育の機会均等, つまり, 国民皆教育と言う, 義務教育制度が布かれた訳である. 教育課程としては, 所謂教科併列カリキュラム方式を採用 し, 各学科の目的・目標を示して, 各 科毎の編纂趣意書によ って, 忠実に指導すると言う, 全国画一的な教育が行われた訳である, それ ら, 教科の中に, 体操料がおかれ, 身体の鍛錬と, 保健衛生に関する指導が行われ始めたこ とは, 旧来の無秩序・無 形式時代の体育とは, 全く変 った姿となって始め られたのである, 72年 (明治5年) 8月 2 日 学制頒布 1 8 下等小学教科中に 「体術」 「養生法」 を掲 ぐ. 外国語学校科の課程中に 「体操」 を掲 ぐ, 8月17日 外国教師にて教授する中学校教則公布, 体操・奏楽は, 一週30時 稽古時限の外とす. リ 1 8 73年5月19日 「改正小学教員 」 (文部省布達第7 6号) を公布し, (35).

(7) . 倫理的方向に移行しつつある体育. ”毎級ニ体操ヲ置キ 一日1・2時間ヲ以テ足 しリ トシ 樹中体操法図・ 東京師範学 , , 校 板 体 操 図等 ノ 書 ニ ョ ッ テ ナ ス ヘ シ”. と 示 達 した.. 0月 1878年 (明治11年)1. 体操伝習所 (神田一ツ橋に開設) 文部省布達第5号. 主幹は, 伊 沢. land (ジ ョ ー ジ ・ ィ ー ・ リ ラ ソ ド) が, 修 二 と し, 米 国 ア マ ー ス ト大 学 卒 業 の G,E,Le. 文部省雇として招聡され, 教師となる, 坪井玄道教員となる, リ ラ ソ ドの 手 具 中 もの体操が, 前に制定せ られた 「棚中体操法図」 と, 「東京高等師範. 学校板体操図」 と共に普及 し始めた, ◎ 手 具 は, 米 人Di s (ダイ オ ・ ル イ ス) に よ り, 19世 紀中 頃 発表 せ られ て い る,い ず れ も, o .Lewi 後, 坪 井 氏 に よ り, 普 通 体 操 と 呼 ば れ る よ う にな っ・た,. 1886年 4月 9 日. 勅令公布 〔師範学校・中学校・小学校令〕. 明治17年. 坪井氏が出した普通. 小学体操法 20年の普通体操法 (師範・中学) と, 歩兵操練法の兵式体操と併せた普通 体 操 時 代 と な っ た,. 19世紀末) より, 20世紀初頭にかけ, 欧米の舞踊・遊戯が紹介され, 米国を経て, 189 7年代 ( スエー デン体操の理論と, 実際が伝えられた. 1913年 (大正2年) 1月28日. 学校体操教授要目公布 (文部省訓令第1号). これでは, 教材と して……体操・教練・遊戯・撃剣及び柔術 (師範学校男子及び中学校 男子生徒のみ) であっ て, 中でも, スエーデン体操は全国的に取り入れられ, 中心をな した. 同時に近 代スポーツが, 近代オリンピック競技や,極東選手権競技に刺戟されて, 躍 進 の 一 途 を た ど っ た 時 代 で も あ る,. 7日 1926年 (大正15年) 5月2. 2号 文部省訓令第2. 教授要目改正. ・唱歌遊戯・行進遊戯・走技・跳技・ 体操教材として……体操・教練・遊戯 (競争遊戯。 投技) 及び競技 (陸上競技・珠技・その他のスポーツ) 但 し 男子師範学校・男子実業学校においては, 剣道及び柔道を加うることを得, 陸軍省令第19号を以て, 陸軍現役将校配 属学校教練査閲規程公布. 9月27日. これによ っ て, 学校体育そのものが, 従来, 欧化思想によ る, 自由で, しかも自分の健康維持・ 増進が目的と して取り入れられていたものに, 軍事教練が直接介入してくるようになり, 配属将校 が現役軍人であるために, 陸軍そのものの圧力 もかかり, 次第に学校長の経営内容にまで, 干渉が 加わり, 全体国家主義のイ デオロ ギーによる思想・言論の統制と共に, 体育は, 教練との関係が最 ・至り, 軍国化の傾向に捲き込まれる も近い科目の関係上, 次第に, 強い鍛錬主 義の影響をうけるに 悲運に立至 らざるを得なかっ たものであ って, 今にして想えば, 太平洋戦争 べの見え ざる遠因が, 既に近 づきつつあ ったのである, 1936年 (昭和11年) 6月 3 日. 文部省訓令1 8号を以て. 教授要日改正. 教材. ①. 剣道・柔道の教授要目制定附加. ②. 体操・教練・遊戯及競技. 但し, 男子師範・中学・実業学校には, 柔道・剣道を力pうべく, 又, 弓道を加うるこ とを得. 女子の師範・高女・実業学校においては, 弓道・薙刀をカ iうることを得, 又, 土地の ー 状 況 に よ り て は, 水 泳 ・ ス キ ー ・ ス ケ ー トを力=う る も 可 (36).

(8) . 橋. 続. 少. となり, 満州事変・日支事変と, 様相は次第に険 悪化し, 非常時体制は, 日毎に, 人心に対し暗 い 影 と な っ て お お い か ぶ さ っ て い っ た の で あ る.. 1年 (昭和16年) 3月1日 194. 勅令第1 48号を以て学制改革. 国民学校令・同施行規則公布. 明治5年学制頒布以来の学制改革であって, 国家非常の場面に即し, ,国民学校と名 称を改め, 軍 国調一色の教育課程に改められ, 体操科は体錬科 (体操・教錬・武道) と変 って, 修錬料と共に国 民 教 育 の 中 核 を な す に 至 り, 所 謂, 広 域 カ リ キ ュ ラ ム (ブ ロ ー ド・ フ ィ ー ル ド・ カ リ キ ュ ラ ム) と. なり, 教材も, 体操・教練・武道・遊戯競技とな って, 内容は, 戦場運動・戦技と化 し, 皇国臣民 ” の錬成と言う名のもとに, 国民強兵への道となり, “校門は兵営に 通ずる と まで 言われる様にな り 1941年12月 8 日 大東亜戦争 (太平洋戦争) と称せ られる世界第二次戦争に突入 した訳である ,. か ら, 個人の健 康保持などと言う考は全く失われ, 全体国家主義・軍国主義のもと, 一億火の玉と なって, 命を潟毛の軽 きに比すと言う信念によ って, 個性 (個人)・を滅却して, 悠々の大義に生き るの道を歩 むに至っ たのである. ” “ 学業半ばにして, 学徒出陣・特別志願と, 多くの 若者達は, 雲流るる果 に散華 し, 国土は焦 5日 敗戦の日を迎え, 衣・食・住共にない貧窮の どん底の 土と化 して, 1945年 (昭和20年) 8月1 うちに, 新 らしい時代を迎えた訳である. 1 94 6年 (昭和21年) G・H・Q教育使節団報告書 提出 1 94 7年3月 教育刷新委員会発足 教育基本法・学校教育法成立公布 1 94 9年. 新制大学発足 se of Study) 公 布 学習 指 導 要 領 (Cour. i culum) 学校教育課程 (Curr 新教育課程は, 個性尊重」地域社会に即 した教育と, 劃ー的教育や, 個性滅却の理念を 捨てて, 人間尊重・個性尊重の体育指導に変り, 体育は, “教育内容と しての一教科”として, 人間形成の ための教育 であることを確認 したのである,. 3 .. む. す. び. 敗戦後二十数年の歳月を経る間に, 世界における科学は, 著 しい進歩をとげ, 体育も又, 幾度か 発展的に改訂が加え られて, 生理学・解剖学・栄養学を 其の 基礎科学とした時代か ら, 更に, 医 学 ・ 体育 心理学や体育社会学 ・人体力学・キネシオロ ジ一等を基礎科学に加えて研究する ことによ って, 単に 「勘」 とか 「こっ」 とかを, 根底経験とすることか ら脱却して, 一層科学的で, 理念的 裏付けを持つための測定学・評価学の学問を加えて, 驚異的進歩をみたのである. しか し, 時代は既に 「原子力時代」 を迎えている, 今や人類は, 自分自身 (人間が) の頭脳で考え発見発明したものによ って, これが使い方 如何に よっては, 人類そのものが滅亡するかも知れないような危険をさえ学んだ時代を迎えているのであ る,. 又, 人間の生 活する社会そのものも, 生活を利便にするための機械化文明が, 次々に作られ,.考 案されて, 日に日に幸福と, 利便をもたらしている ことは事実であるが, その反面, 自動車を始め とする乗物の 増加により, 交通地獄が, 都市集中の 人口との間に, 大きな社会問題を生み, 機会均 等であるべき教育の場に, 試験地獄を生んだり, 騒音や, ネオンの雑多な色彩や光線が, ノイ ロー ゼを誘発したり, ア ンバランスによる都市型経済環境が, 多くの非行問題を派生したり, 医薬の進 歩が追いつかぬ程, 病気が増 して, 体位は低下していることを考える時, 何かしら吾人は大きな矛 盾と, 不安と を感ぜ ざるを得ないのである. (37).

(9) . 倫理的方向に移行しつつある体育 人類が作 った文化によ って, 人類を不幸に してはな らない . 文化の利用は, 人類の不幸を 避けるための歯止め のうえにたって利用・活用 するために 倫理的 , 方向づけのうえにた って, 先ず考慮さるべ きである. 政治や経済も, 教育も道徳も, そもそ, もは, 人間の住む社会を幸福にするためにこそ必要なもの であ って, 倫理観をもたないものであってはな らないのである . 過去において, 倫理・道徳の道は, 人文系列の学者 や, 識者が これを説いたものであるが 現 , . 今では, 世界一般に, むしろ自 然科学者の方々が 先にたって 倫理観を述べ 叫んでいる時代で , , , あ る,. それは, 原子力時代と称せ られる今日, そのものの力の女廿何に大きなものであるかを 最もよく , 知り尽 している人々だか らであろう. これは, 学問研究と平和利用 とに貢献するために研究 した人々であるか らこそ 一度誤 った方向 , に用い られた場合, 人類の滅亡をさえ招くであろうと言う 倫理観と 学者的良もとによる心配が , , あるか らである, 人間の身体運動も, 科学の進歩と共に, 著 しい進歩をとげてきている事は事実であるが 身体機 , 能の発達には限度がある筈で, 健康を維持増進 して 一日でも長く生命を保つことによ って 自己 , , の職業を通 して社会に, 何 らかの貢献が出来ると言うことが最大の幸福と言うべきであろう , 体力を錬磨することは, 他人を傷つけたり, 他国と争うための必要 から行うものではなく 自分 , の職分を立派に果たすために必要なものでなくてはな らない , 即ち体育諸学の研究や体育実践の在り方にも, 他の科学同様 倫理的方向づけが先ず基盤とな っ , て, よりよき進歩発達をのぞむ所以である, 参. 考. 文. 献. 1) 今村嘉雄. i955 9(日本体育年表) , 近世日本体育史, 日本体育社, 東京, 13 , 2) 大谷武一・野口源三郎・宮畑虎彦・今村嘉雄・本間茂雄 i9 1 , 体育大辞典, 不味堂書店, 東京, , 6 3) 続橋少一 1952 , 最新体育学原論, 北学大研究室, 釧路, 5 (近代体育の根本理念) .. (38).

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