「インプラント歯科専門医」の経緯と展望
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(2) 2. 顎顔面インプラント誌. Vol. 18, No. 1, 2019. です.まさに生体材料が広く医学に応用され始めた前世紀末に,全世界の歯科領域で大きな花が開 いた時代でした. ちょうどその頃 1996 年日本口腔外科学会は念願の標榜科名を取得することができました.終戦 まで認可されていた「口腔外科(歯科外科)」の標榜科名が戦後駐留軍 GHQ により廃止されて以来 48 年に及ぶ苦闘の末果たしたところでした.そしてその 7 年後 2003 年に「口腔外科専門医」が誕 生したわけです. そもそも日本に広告できる専門医制度が確立したのは 2002 年で,最初は医科と歯科は分けずに 検討されていました.もともと日本における専門医制度の歴史は欧州などに較べて何周回も遅れて おり,日本口腔外科学会が歯科界で初めてその俎上に上がった折にも,行政筋から「専門医制度は 専門性が国民にわかりやすくするために制定されるので,専門医療機関の看板に利用することでは ありませんよ」と繰り返し言われていたことを鮮明に記憶しております.即ち公的に認定された専 門医の一人ひとりが国民の信頼を裏切らないことが前提であり,これを認定する学術団体の責任は 重く,仮初めにも専門性の細分化により国民に分かりづらい専門医認定制度が生まれてはならない ことの戒めにつながるとも解釈しております.また万一国民の信頼を裏切るような不祥事があった 場合にはその責任は歯科医療界全体に及ぶことになるわけです. ちょうど 2 年前に本誌巻頭言にて共通の「広告可能な歯科インプラント医療の専門性」を確立し よう,と日本口腔インプラント学会に呼び掛けたところ,ご理解を頂戴して現在その方向で着々と 準備が進められております.10 倍も大きい歯科界最大の規模を誇る先輩の学会に非常識な呼びかけ をしてしまったにもかかわらず,その趣旨を十分に理解してその方向で着々と歩を進めておられる 日本口腔インプラント学会の度量の広さに改めて深く敬意を表する次第です. かくなる上は嶋田淳新理事長を中心として,本学会は一丸となって日本口腔インプラント学会と スクラムを組んで「インプラント歯科専門医」実現のために全力投球でエネルギーを注ぎこんでい くと思います.そして今新しく結成されている専門医に対する評価認定機構をバックアップして, 歯科医療における専門医の機能と役割を慎重に協議して歯科医療の活性化に結び付けなければなら ないと思っています.本当に国民の利に叶った専門医制度を構築することが,負のスパイラルの中 で喘いでいる歯科界を再活性化する一つの鍵になると信じています. 我々の役割はインプラント,口腔外科を通して歯科医療の質的向上と標準化をめざして,患者安 全,医科医療との情報共有,救急管理,全身疾患病態管理,局所の外科管理の協働等をベースとし て,患者さんの人生を見通して高齢者になっても生き生きと社会に貢献できるような口の機能を保 全することではないかと心得ています.日本口腔インプラント学会,日本口腔外科学会,日本補綴 歯科学会,日本歯周病学会,日本歯科麻酔学会,日本歯科放射線学会,日本口腔科学会等とも緊密 に連絡をとることが必須と考えています. インプラントの技術開発とその標準化が進めば,歯科界全体の資質向上につながります.やがて 少しずつ「インプラント歯科」が国民医療に編入されれば,歯育機関における主要教科となり,目 を輝かせた若者が歯科医学教育施設の門を叩くことになります.大学病院を含めて病院歯科口腔外 科,あるいは歯科口腔外科標榜の診療所の大きな役割がクローズアップされることになりましょう. 身を引き締めて一緒に頑張ろうではありませんか..
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