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術式アプローチの違いによる前立腺全摘除術後の鼠径ヘルニア発生の検討~レチウス腔温存の効果

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Academic year: 2021

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(1)Ⓒ Japanese Society of Endourology 2020. Japanese Journal of Endourology(2020)33:312-317. 原著論文 *. 原林 透 高田徳容 黒沢 瞭 丸山 覚. 術式アプローチの違いによる前立腺全摘除術後の 鼠径ヘルニア発生の検討~レチウス腔温存の効果 要旨. in 33 patients. Operative approaches were extraperito-. 前立腺全摘後の鼠径ヘルニアは重大な合併症ではないも. neal, transperitoneal, urachal-sparing, and Retzius-sparing. のの頻度の高い合併症である.前立腺全摘除術を施行した. in 168, 253, 94, and 40 patients, respectively. RESULTS.. 555例を対象として,術後鼠径ヘルニアの発生に対する術式. Postoperative IH was noted in 72 patients(13%) . Pro-. の影響を後方視的に検討した. 【対象】年齢中央値は68才,. portional-Hazard model analysis revealed that IH was. BMI は24.0,ヘルニア手術既往33例で.施行術式は,腹膜. significantly correlated with a low BMI and Retzius-. 外法168例,経腹膜法253例,尿膜管温存94例,レチウス温. sparing approach, but not with age, or peritoneal-sparing,. 存40例であった. 【結果】72例(13%)に鼠径ヘルニア発生. nor urachal-sparing approach. CONCLUSION. The. が認められた.比例ハザード法による検討では,年齢,腹. Retzius-sparing approach could help prevent IH in radical. 膜温存,尿膜管温存はヘルニア発生に影響しなかったが,. prostatectomy patients.. BMI とレチウス温存が有意にヘルニア発生に関与していた. 【結語】前立腺全摘除術においてレチウス温存法は術後ヘル ニアの予防法のひとつとなりうる.. Key words:前立腺全摘除術,鼠径ヘルニア,レチウス温 存,尿膜管温存 radical prostatectomy, inguinal hernia, Retzius-sparing,. Postoperative inguinal hernia after radical prostatec-. urachal-sparing. tomy with a different approach―Effect of the Retziussparing method. 緒 言. Toru Harabayashi*, Norikata Takada, Ryo Kurosawa,. 前立腺全摘除術は,前立腺癌に対するもっとも有効な根. Satoru Maruyama. 治療法である.長期的合併症として,尿失禁,勃起機能不 全などが知られているが,12-25%も発生する鼠径ヘルニア. Abstract. は頻度が高く見過ごすことのできない合併症と言われてい. Inguinal hernia(IH)after radical prostatectomy(RP). る1).経腹膜外アプローチが主である開腹手術では,腹膜. is a frequent but non-serious complication. A retrospec-. 外にて腹膜症状突起を閉鎖切断するなどの予防法が知られ. tive analysis of IH in 555 patients who underwent RP. ているが,経腹膜的アプローチが主体の腹腔鏡手術ではい. was conducted to examine operative approaches. METH-. まだ有効な方法は確立されていない2).レチウス温存式前. ODS. The median age and body mass index(BMI)were. 立腺全摘術は,早期尿失禁改善のために開発された術式で. 68 and 24.0, respectively. Previous IH repair was recorded. ある3).前立腺腹側の恥骨前立腺靱帯,利尿筋エプロンな どの前立腺の支持構造を温存し尿禁制に寄与すると考えら. 北海道がんセンター 泌尿器科 * 代表著者:北海道がんセンター 泌尿器科 (〒003-0804 札幌市白石区菊水 4 条 2 丁目 3 の54) TEL 011-811-9111,FAX 011-911-9140 E-mail: [email protected] 論文受領日,2020年 5 月12日;論文採用日,2020年 7 月 6 日. 312. れているが,レチウス腔を剥離しないことで鼠径ヘルニア の発生頻度を低減させる可能性が指摘されている.今回, 当院での腹腔鏡手術,ロボット支援手術を後方視的に解析 し,腹膜,尿膜管の処理,レチウスの温存が術後ヘルニア に与える影響を検討した..

(2) 術式アプローチの違いによる前立腺全摘除術後の鼠径ヘルニア発生の検討~レチウス腔温存の効果. 存なし,レチウス温存なし,経腹膜的尿膜管温存法(B)は. 対象と方法. 腹膜温存なし,尿膜管温存あり,レチウス温存なし,経腹. 2008年 8 月-2018年10月に当科で前立腺全摘除術を施行し. 膜法(C)は腹膜温存なし,尿膜管温存なし,レチウス温. た555例(腹腔鏡264例,ロボット支援291例)を対象とし. 存なし,経腹膜的レチウス温存法(D)は腹膜温存あり,. て,術後鼠径ヘルニアの発生を後方視的に検討した.患者. 尿膜管温存あり,レチウス温存ありであり,この 3 因子と. カルテより,患者因子として,年齢,身長,体重,ヘルニ. その他の治療因子,患者因子,腫瘍因子を用いて多変量解. ア手術既往,腫瘍因子として D’Amico リスクグループ,摘. 析を行った(図 1 ).. 出前立腺重量,治療因子として術式アプローチ,神経温存,. 術後は, 1 年まで 3 カ月毎, 3 年までは 6 カ月毎,以後. リンパ節郭清,および術後ヘルニア発生に関するデータを. は少なくとも 1 年毎に受診あるいは紹介医でのフォローを. 得た.. 行い,2020年 5 月時点で集計した.ヘルニアの診断は,ヘ. 前立腺全摘除の術式は,腹腔鏡下腹膜外アプローチ法. ルニア手術施行あるいは外科医によるヘルニアの診断を. (A),経腹膜的尿膜管温存アプローチ法(B) ,ロボット支. もって発生とした.累積発生率は Kaplan-Meier 法により算. 援腹腔鏡下経腹膜的アプローチ法(C) ,経腹膜レチウス温. 出した.統計学的検討は比例ハザードモデル,ログランク法. 存アプローチ法(D)をほぼ連続的に行った.ただし,術. にて JMP11.2を用いて実施した . 両側 P 値を用い,P<0.05. 式 D は,術式 C と同時期のリスクの低い症例に施行した.. を統計学的に有意と判定した .. 腹腔鏡手術では,Guilloneau らの方法に準じて,臍上にカ メラポート 12 mm,正中線臍恥骨間に 12 mm,左側臍下 鎖骨中線(以下 MCL),右臍下 MCL と前腋窩線(以下 AAL). 結 果. に 5 mm ポート留置を基本とした4).腹膜外アプローチで. 手術時年齢の中央値68才(範囲 46-78才,四分範囲 63-71. は臍から拡張バルンで膀胱前腔の鈍的剥離後,気腹圧 10. 才),Body Mass Index(以下 BMI)は24.0(範囲 15.9-. mmHg で手術を施行した.経腹膜アプローチでは気腹圧 12. 39.7,四分範囲 22.0-25.9)で,ヘルニア既往は33例( 6 %). mmHg とした.ロボット支援手術では,ダビンチ Si を用. に認められた.D’Amico 分類では,低リスク120例(22%),. い,4th アームを左側に配置し,臍上にカメラポート 12. 中リスク281例(51%),高リスク154例(28%) ,摘出前立. mm,右側臍上 MCL にエアシール(R)ポート,左側 MCL,. 腺重量中央値は 41 g(範囲 10-112 g,四分範囲 34-50 g). AAL および右側 AAL にダビンチポートを配する 5 ポート. であった.施行された術式は,A 168例(30%),B 94例. 法で施行した.. (17%),C 253例(46%),D 40例( 7 %)であり,神経血. 4 術式を腹膜切開,尿膜管切断,レチウス剥離の 3 要素. 管束温存は235例(42%) ,リンパ節郭清は535例(96%)に. で分類すると,腹膜外法(A)は腹膜温存あり,尿膜管温. 施行していた.経過観察期間中央値は56カ月(範囲 1-135. 経腹膜 尿膜管温存 (B). 腹膜外 (A) umbilicus. 経腹膜 レチウス温存 (D). 経腹膜 (C). umbilicus. umbilicus. Pubic bone. umbilicus. Pubic bone. Pubic bone. Pubic bone. 腹膜温存. Yes. No. No. Yes . 尿膜管 温存. Yes. Yes. No. Yes. レチウス 温存. No. No. No. Yes . 図 1 各術式における腹膜,尿膜管,レチウス温存. 図1.各術式における腹膜、尿膜管、レチウス温存. 313.

(3) カ月,四分範囲 32-84カ月)であった.表 1 に各術式の患. 対側 3 例)に再発がみられた.58例(81%)は術後 2 年以. 者背景を示す.各術式間には,年齢,BMI,ヘルニア既往,. 内の発生であり, 2 , 5 年のヘルニア累積発生率は11%,. 前立腺重量の各項目で差を認めなかったが,ロボット支援. 14%であった(図 2 ).. の有無,神経温存の有無,リンパ郭清の有無,観察期間に. 鼠径ヘルニア発生を評価項目として,年齢(70才未満/. は差が認められた.. 70才以上),BMI(23未満/23以上),ヘルニア手術の既往,. 術後 2 週から115カ月の間に72例(13%)の90鼠径にヘル. D’Amico リスク分類(低リスク/中高リスク),摘出前立. ニアの発生が認められ,両側発生 1 例の 1 鼠径が経過観察. 腺重量(40 g 未満/40 g 以上),ロボット支援の有無,神. となっている以外は手術を受けていた.発生部位は,右側. 経温存の有無,腹膜温存の有無,尿膜管温存の有無,レチ. 44例,左側10例,両側18例(異時発生を含む)で,タイプ. ウス温存の有無を因子として行った単変量比例ハザードモ. は間接46例58鼠径,直接 5 例 6 鼠径,不明が21例26鼠径で. デル解析では,BMI(ハザード比 0.495,p=0.003)とレ. あった.ヘルニア手術既往のある33例では 4 例(同側 1 例,. チウス温存の有無(ハザード比 1.837e-9,p=0.003)の 2. 表 1 患者背景(術式別) 術式 B 経腹膜 尿膜管温存. 術式 A 腹膜外. 術式 C 経腹膜 尿膜管切断. 術式 D 経腹膜 レチウス温存. N. 168. 94. 253. 40. 年齢. 67(62-70). 67(62-71). 68(63-72). 69(63-72). 2. BMI(kg/m ). 24.2(22.4-25.9) 24.3(21.8-26.2) 23.9(21.9-25.7) 23.7(21.7-25.6). p-value. 0.5967 0.7376. ヘルニア手術既往. 7( 4 %). 9(10%). 14( 6 %). 3( 8 %). 0.3644. リスク低/中/高. 50/78/40. 20/45/29. 40/130/83. 10/28/2. p<0.0001. 摘出前立腺重量(g). 37(30-51). 36(31-45). 43(37-53). 38(32-45). p<0.0001. 腹腔鏡/ロボット支援. 168/0. 92/2. 4/249. 0/40. P<0.0001. 神経温存 なし/片側/両側. 112/44/12. 65/28/ 1. 140/91/2. 3/28/9. P<0.0001. リンパ郭清 なし/限局/拡大. 0/166/2. 1 /64/29. 9/164/80. 10/28/2. P<0.0001. 観察期間(月). 89(83-100). 63(60-72). 35(24-47). 24(18-30). P<0.0001. 累積発生率(%). 実数(%),中央値(四分範囲). 10.7%  (2年). 術後期間(⽉) 図 2 全体の鼠径ヘルニア累積発生率 図2 全体の⿏径ヘルニア累積発⽣率 ( 2 , 5 年時 ヘルニア発生率). 314. 14.1%  (5年). (・打ち切り例).

(4) 術式アプローチの違いによる前立腺全摘除術後の鼠径ヘルニア発生の検討~レチウス腔温存の効果. 表 2 ヘルニア発生の比例ハザードモデル解析 単変量 因子. 多変量. ハザード比 95%信頼区間 P-value. 年齢 <70才/70≦ BMI <23 kg/m2/23≦. 1.427 0.495. 0.891-2.267 0.310-0.787. 0.138 0.003*. ヘルニア既往 no/yes D’Amico 低/中高 前立腺重量 <40 g/40≦. 1.229 0.998 0.819. 0.750-2.484 0.765-1.339 0.514-1.305. 0.456 0.987 0.400. ロボット支援 no/yes 神経温存 no/yes 腹膜温存 no/yes. 1.089 0.895 0.705. 0.857-1.388 0.784-1.256 0.420-1.150. 0.488 0.926 0.164. 尿膜管温存 no/yes レチウス温存 no/yes. 0.934 1.837e-9. 0.580-1.514 0-. 0.778 * 0.003. ハザード比 95%信頼区間 P-value 0.481. 0.302-0.765. 0.002*. 1.698e-9. 0-. 0.002*. *. 累積発生率(%). p<0.05. B (17.4%)  . B.尿膜管温存 A.腹膜外 C.経腹膜 D.レチウス温存. A (10.7%). C (9.8%). B vs. D (p=0.008 *) A vs. D (p=0.037*)  C vs. D (p=0.039*) . D (0%). 術後期間(⽉) 図 3 術式別ヘルニア累積発生率 ( 2 年時 ヘルニア発生率). 図3 術式別ヘルニア累積発⽣率. 因子が有意であった(表 2 ) .この 2 因子を用いた多変量解. の重大な合併症ではないものの頻度も高く見過ごすことの. 析では,両因子とも独立したヘルニア発生の有意な予測因. できない合併症として近年注目されてきている.両疾患は. 子であった(表 2 ) .. 高齢男性に頻度が高いが,いずれの外科的治療においても. 術式別のヘルニア累積発生曲線は,図 3 のごとくであり,. レチウス腔の剥離を要するために,のちの手術が容易では. レチウス温存法(D)におけるヘルニア発生は尿膜管温存. なくなる.特に前立腺全摘後のヘルニア手術は,鼠径輪周. 法(B,p=0.008) ,腹膜外法(A,p=0.0037) ,経腹膜法. 囲に高度の癒着をおこし外科医の手を煩わせている.前立. (C,p=0.039)に比して有意に低かった.B と A,C との. 腺全摘後の鼠径ヘルニア発生には,高齢,低 BMI,潜在性. 間には差を認めなかった.. ヘルニア,ヘルニア手術既往などが関与するとされる1).背 景として結合織の脆弱性に関連する年齢,BMI が重要であ. 考 察 前立腺癌における鼠径ヘルニアの合併は,前立腺癌術後. り,本検討でも低 BMI は有意な危険因子であった.放射線 療法などで手術をうけなかった場合の鼠径ヘルニア発症率 が3.3%であるのに対して,前立腺全摘手術後では7.5315.

(5) 13.7%と有意に高く,外科的治療自体が大きな危険因子で 2). 帯,サントリーニ静脈叢,神経血管束など前立腺腹側の構. ある .その多くは内鼠径輪を介する間接ヘルニアである.. 造をすべて温存すべくダグラス窩からすべての剥離縫合操. 本検討でも手術の詳細が判明している症例の大半が間接ヘ. 作をおこなう術式である10).すぐれた早期尿禁制の回復が. ルニアであり,明かな直接ヘルニアは 5 例 6 鼠径( 7 %). 報告され , その効果はランダム化臨床試験でも証明され. のみであった5).鼠径ヘルニアの成因として,手術操作に. た11).本術式の第一の目的は早期尿禁制の回復であるが,. よって腹壁,腹横筋膜,内骨盤筋膜,腹膜,精管が剥離さ. レチウス腔を剥離しないことで骨盤内腹側の膜構造が温存. れ,内鼠径輪を構成する構造が変形することによりヘルニ. されるため,経会陰アプローチ同様に鼠径ヘルニア発生を. 6). アが発生するとの説がもっとも受け入れられている .. 抑制する可能性がある12).Chang らの後方視的研究では,. 開放手術では発生頻度が高いため,その予防として,精. 鼠径ヘルニアの発生が従来法の29%に対して,レチウス温. 索を腹膜から長く剥離する方法,腹膜鞘状突起を切断処理. 存法で 6 %と低減していた13).我々の検討でもレチウス温. する方法,内鼠径輪頭側の筋膜を縫合補強する方法などが. 存法では観察期間が短いもののこれまでのところ,ヘルニ. 7,8). 報告されている. .これらは,潜在性のヘルニアを閉鎖し,. ア発生を認めておらず,Chang らの報告を支持する結果で. 内鼠径輪近傍の癒着を生じさせ,内鼠径輪内への腸管の滑. あった.. 脱を防ぐものと理解されるが,すべて腹膜外操作で行われ. 前述の術式を含め,腹膜温存,尿膜管温存,レチウス腔. る方法である.. 温存の三項目と背景因子をあわせて行った解析では,手術. 一方,ロボット支援手術を含む腹腔鏡手術後のヘルニア. 因子としてはレチウス腔温存のみがヘルニア発生に関わっ. 発生率は7-8%と開放手術よりもやや低いとは言え少なくな. ていた.すなわち腹膜,尿膜管の連続性を保つことは影響. 2). い発生率である .腹横筋膜への障害は開腹手術よりも少. せず,レチウス腔の結合を損なわないことがヘルニア予防. ないと考えられるが,腹膜,精管の剥離など共通の操作が. につながると考えられた.. 内鼠径輪周囲の構造の脆弱化を招くと考えられている.当. 今回の検討の限界として以下が挙げられる.後ろ向き研. 院では,腹腔鏡手術導入後,経時的に腹膜外法,尿膜管温. 究であること,術式の背景にばらつきがあること,レチウ. 存経腹膜法,尿膜管切断経腹膜法,レチウス温存法を主た. ス温存群の術後経過期間が短いこと,レチウス温存群にヘ. るアプローチとしてきた.腹腔鏡手術では,腹横筋膜と腹. ルニアの発生がなく正確なハザード比の算出ができていな. 膜の連続性は保たれるが,腹膜外法であってもレチウスの. いことなどである.. 剥離により腹横筋後鞘と腹膜の結合は分離される.尿膜管 を温存する前立腺全摘は,Guilloneau らが提唱した方法で, 外側臍ヒダの側方で腹膜を切開しレチウスを剥離するが,. 結 語. 尿膜管と外側臍ヒダが臍部とつながった状態で前立腺の遊. レチウス温存法による前立腺全摘後の鼠径ヘルニア発生. 4). 離と膀胱尿道吻合を行うものである .膀胱の頭側への牽. は,腹膜外法,経腹膜法,尿膜管温存腹膜法に対して有意. 引が容易であり,リンパ郭清時に内腸骨動脈を牽引でき,. に低かった.ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術におい. 広い術野が得られるため,当院でも拡大リンパ説郭清導入. てレチウス温存法は術後ヘルニアの予防法のひとつとなり. 時に取り入れた.正中の腹膜構造の連続性は保たれるが,. うる.. 内鼠径輪周辺の構造は一般的な経腹膜アプローチと同様に 連続性が絶たれてしまう.これまでの腹腔鏡手術後の報告. 要旨は第33回泌尿器内視鏡学会(2019年京都)で報告し. と同様に,われわれの検討でも,尿膜管温存法を含めて,. た.. これら 3 術式によるヘルニア発生率には差を認めなかった. 現在主流のロボット支援腹腔鏡手術におけるヘルニア予. 利益相反自己申告:申告すべきものなし. 防を考えると,経腹膜アプローチが主体であるため,前述 のような腹膜外で腹膜症状突起を処理する方法は適応でき ない.潜在性ヘルニアに対して人工物を用いて補強する方. 参考文献. 法を除くと,Shimbo らが内鼠径輪周囲の腹膜をむしろ広. 1) Alder R, Zetner D, Rosenberg J(2020)Incidence of. く剥離し精管を切断することでヘルニア発生の低減を報告. inguinal hernia after radical prostatectomy: A Sys-. 9). しているのが唯一の報告である .レチウス温存前立腺全. tematic review and meta-analysis. J Urol 203 (2) :. 摘は,2010年 Bocciardi らが提唱した術式で前立腺恥骨靱. 265-274. 316.

(6) 術式アプローチの違いによる前立腺全摘除術後の鼠径ヘルニア発生の検討~レチウス腔温存の効果. 2) Fernando H, Garcia C, Hossack T, et al.(2019)Inci-. Urol 184(3): 984-989. dence, predictive factors and preventive measures for. 9) Shimbo M, Endo F, Matsushita K, et al.(2017)Inci-. inguinal hernia following robotic and laparoscopic. dence, risk factors and a novel prevention technique. radical prostatectomy: A systematic review. J Urol. for inguinal hernia after robot-assisted radical prosta-. 201 (6) : 1072-1079. tectomy. Urol Int 98: 54. 3) Galfano A, Ascione A, Grimaldi S, et al.(2010)A new. 10) Galfano A, Di Trapani D, Sozzi F, et al. (2013). anatomic approach for robot-assisted laparoscopic. Beyond the learning curve of the Retzius-sparing. prostatectomy: a feasibility study for completely. approach for robot-assisted laparoscopic radical pros-. intrafascial surgery. Eur Urol 58: 457 – 461. tatectomy: oncologic and functional results of the. 4) Secin FP, Touijer K, Karanikolas NT, et al.(2006) Laparoscopic radical prostatectomy: Lessons learned in surgical technique. Eur Urol Suppl 5: 942-949. first 200 patients with ≧ 1 year of follow-up. Eur Urol 64(6): 974-980 11) Menon M, Dalela D, Jamil M, et al.(2018)Functional. 5) Abe T, Shinohara N, Harabayashi T, et al.(2007). recovery, oncologic outcomes and postoperative com-. Postoperative inguinal hernia after radical prostatec-. plications after robot-assisted radical prostatectomy:. tomy for prostate cancer. Urology 69 (2) : 326-329. An evidence-based analysis comparing the retzius. 6) Nielsen ME, Walsh PC(2005)Systematic detection. sparing and standard approaches. J Urol 199 (5) :. and repair of subclinical inguinal hernias at radical retropubic prostatectomy. Urology 66: 1034-1037. 1210-1217 12) Matsubara A, Yoneda T, Nakamoto T, et al.(2007). 7) Fujii Y, Yamamoto S, Yonese J, et al.(2014)The. Inguinal hernia after radical perineal prostatectomy:. processus vaginalis transection method to prevent. comparison with the retropubic approach. Urology. postradical prostatectomy inguinal hernia: long-term. 70: 1152. results. Urology 83 (1) : 247-252. 13) Chang KD, Abdel Raheem A, Santok GDR, et al.. 8) Stranne J, Aus G, Bergdahl S, et al. (2010) Post-. (2017) Anatomical Retzius-space preservation is. radical prostatectomy inguinal hernia: a simple surgi-. associated with lower incidence of postoperative. cal intervention can substantially reduce the inci-. inguinal hernia development after robot-assisted. dence--results from a prospective randomized trial. J. radical prostatectomy. Hernia 21(4): 555-561. 317.

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