日本環境共生学会第23回(2020年度)学術大会実施報告
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(2) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 培ったノウハウを持ち寄ることによって, 学術大会開. の取組(宮城県東松島市立宮野森小学校) 」によって宮. 催準備が一歩ずつ進み始めた. 準備が進むにつれ, オ. 城大学風見正三研究室(代表:風見正三氏)及び宮城. ンライン開催の形態が整うとともに, 学会活動のデジ. 県東松島市教育委員会に授けられた.. タル化の推進のきっかけになる等,オンライン開催の. さらに, 環境共生功労賞は,長年にわたる農業環境. 意義が認識され始め, 学術大会開催準備自体がコロナ. 分野における教育・研究, 学術への貢献及び日本環境. 禍以後の社会を考える場となって行った. 4 回の実行. 共生学会への貢献により,佐藤洋平氏(一般社団法人. 委員会も全てオンラインで実施した.. フードビジネス推進機構・代表理事, 東京大学名誉教. 初日, 9 月 25 日(金)の午前には, 開会式, 2 つのセ. 授)に授けられた.. ッション(7 編の発表), 表彰式, 特別セッション, 交 流会が行われた. 9 月 26 日(土)には, 4 つのセッショ. 3.特別セッション. ン(18 編の発表), 閉会式が実施された. 今回の学術 大会は, 従来の年次大会のようなパラレルセッション. 特別セッションでは, 「コロナ後の持続可能な社会. ではなく,シングルセッションとして開催された.この. を構想する」をテーマとして, 特別講演及びパネルデ. ため,参加者は全ての発表を聴き,討論する機会を得. ィスカッションが行われた.特別講演の演者は五箇公. ることができた.. 一氏(国立環境研究所) ,演題は「人獣共通感染症の 生態学的アプローチ〜生物多様性の観点から感染症リ. 2.開会式・学会賞授賞式. スクを考える」であった. パネルディスカッションでは, 会長の中根より,. 開会式では, 本学会会長の中根から,学術大会がオ. 「COVID-19 パンデミックによる気付き, 変わるこ. ンライン開催となった経緯や意義の説明があり, 続い. と・変わらないこと」と題する問題提起があり,続い. て学会賞受賞式が開催された. 学会賞授賞式では, 優. て,第 1 テーマ「交通・コミュニケーション・街づく. れた学術的貢献のあった会員を表彰する学会賞として,. り, SDGs とのつながり」についてパネリストの 福田,. 論文賞,奨励賞,著述賞が,また,広く環境共生活動. 鐘ヶ江及び討論者の山中英生氏(徳島大学), 加藤博. に顕著な貢献のあった個人または団体を表彰する学会. 和氏(名古屋大学)によるディスカッションが行われ. 賞として,環境活動賞及び環境共生功労賞の表彰が行. た.続いて,第 2 テーマ「SDGs を軸として, ビジネ. われた.. ス・教育」について,パネリストの九里,討論者の木. 論文賞は, 「1955 年と現在の生態系サービス供給ポ. 村美智子氏(茨城大学), 福井弘道氏(中部大学)に. テンシャルの比較分析―愛知県西部の事例―」によっ. よるディスカッションが行われた.. て 小林航氏, 林希一郎氏, 大場真氏,及び, 「エゾシ. 特別講演ならびにパネルディスカッションについ ては, 中根ら 1)を参照して頂きたい.. カと車両の事故多発路線を対象とした事故発生要因の 比較分析」によって, 鈴木絢人氏, 伊東英幸氏, 藤井敬 宏氏に授けられた. 奨励賞は,「人口流動期における都. 4.学術発表. 市部のコミュニティ避難計画に関する研究 (学位論文) 」 により, 豊田祐輔氏に授けられた.著述賞は, 「森の学. 9 月 25 日(金)の午前に 2 つのセッション( 「SDGs. 校を創る-震災復興から発する未来の教育」によって,. ), 9 月 26 日 と環境共生 1」, 「SDGs と環境共生 2」. 風見正三氏に, 「道路建設とステークホルダー合意形成. (土)には, 4 つのセッション( 「環境共生各論:生態. の記録一四日市港臨港道路霞 4 号幹線の事例より」に. 系, 農業」, 「環境共生各論:防災」, 「環境共生各論:. より林良嗣氏, 桑原淳氏に授けられた.. 温暖化, 再エネ」, 「環境共生各論:国際」 )がオンラ インで行われ, 25 編の発表があった(表1参照). また、. また,環境活動賞は, 「 「森の学校」プロジェクトー. 「環境共生各論:国際」セッションでは,De la Salle 大 2. 小学校におけるサスティナプルコミュニティデザイン. ─ 108 ─.
(3) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 学の Alex Fillone 教授(フィリピン) ,Prince of Songkla. ニュアルをそれぞれ作成した.また,座長,シンポジ. 大学 Paramet Luathep 教授(タイ)をはじめ,多数の海. ウム講演者および口頭発表者に対しては,学術大会当. 外の教育・研究者からの参加があり,セッション中の. 日の混乱を避けるため,大会前日に発表リハーサルを. 研究発表に対して英語での質問や意見交換が活発に行. 設け,動作確認を実施した.なお,発表リハーサルの. われた.. 予約はオンラインサイトで効率的に管理した.. 各セッションの参加者数(最大)は表1に示す通り. 学術大会当日には,大会前日の発表リハーサルを設. 20 名強であった。また,特別セッションには 45 名の. けたことによって,発表や質疑をスムーズに進行する. 参加があった.2 日間の延べ参加者数は 204 名であっ. ことができた。当日の対応として,座長,シンポジウ. た.. ム講演者および口頭発表者に対しては,セッション開 始前に「パネリスト権限」を与えることによって,カ メラや音声,画面共有ができるように設定した.質疑. 表1 第 23 回(2020 年度)日本環境共生学会学術大会参加人数. に関しては,ウェビナー形式のため,聴講者に Q&A から質問内容を入力して頂き,必要に応じてパネリス. 9月25日(1日目) セッション名. 最大参加人数. ト権限を与えて,音声やカメラをオンにした状態で質. 10:40-12:00. SDGsと環境共生1. 22. 問できるように対応した.一方で,座長の方が諸事情. 13:00-14:00. SDGsと環境共生2. 21. により定時に入室できないなどのトラブルも発生した. 15:30-17:00. 特別セッション. 45. が,実行委員会の Zoom 運営側で代替の座長を準備す. 88. ることによって問題なく実施できた.. 時間. 1日目合計 9月26日(2日目) 時間. セッション名. 今後も新型コロナウイルス感染症の状況次第では,. 最大参加人数. オンラインによる学術大会の開催が必要であると考え. 9:30-10:50. 生態系、農業. 24. られるため,今回の経験は本学会にとって大きな実績. 11:10-12:10. 防災. 27. の一つになったと言える.また,オンラインで開催す. 13:10-14:50. 温暖化、再エネ. 26. る場合,実施方法を早めに告知することによって,よ. 15:10-17:20. 国際. 39. り多くの参加者が見込めることや,今後は現地での発. 2日目合計. 116. 2日間合計. 204. 表とオンラインでの発表を融合させたニューノーマル な開催方法も検討の余地があると考えられる.なお, 万が一発表者や座長が不在または接続トラブルが発生. 5.オンライン学術大会を実施して. した場合にも学術大会を滞りなく進行するために,発 表リハーサルなどを事前に設けることや座長の代替者. 第 23 回(2020 年度)学術大会は,新型コロナウイ. を決めておくことが重要となる等の教訓も得ら れた.. ルス感染症の感染拡大防止の観点から,初めてオンラ イン会議システム Zoom のウェビナー形式により開催. 6.おわりに. された.オンライン開催により,遠隔地の本学会員が 参加しやすくなるメリットや,事前申し込みにより本. 閉会の辞では, 会長の中根より, 初めての学術大会. 学会員以外も参加可能としたことにより,国内外から. におけるオンライン発表と,実行委員によるオンライ. 多くの聴講者が参加することができた.. ン開催への尽力に対する感謝及び今後の学会活動への. 今回, 本学術大会初のオンライン開催であったため, 事前準備として,オンラインの学術発表に不慣れな会. 抱負が述べられ, 25 日(金), 26 日(土)の第 23 回(2020 年度)日本環境共生学会学術大会を盛会に終えること. 員もいることを考慮し,聴講者や座長,シンポジウム. ができた.. 講演者および口頭発表者向けの Zoom 操作に関するマ. 3 ─ 109 ─.
(4) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 参考文献 1)中根英昭・五箇公一・福田敦・鐘ヶ江秀彦・山中英生・加 藤博和・九里徳泰・木村美智子・福井弘道・石橋健一(2021): 第 23 回(2020 年度)学術大会特別シンポジウム「コロナ後 の持続可能な社会を構想する」報告, 環境共生, Vol.37,No.1, pp.93-106 著者連絡先 石橋 健一 〒470-0195 愛知県日進市岩崎町阿良池12 愛知学院大学・総合政策学部 E-mail: [email protected]. ─ 110 ─.
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