• 検索結果がありません。

介護支援専門員の仕事のやりがいと困難-主任介護支援専門員に対する調査から-: 沖縄地域学リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "介護支援専門員の仕事のやりがいと困難-主任介護支援専門員に対する調査から-: 沖縄地域学リポジトリ"

Copied!
11
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

介護支援専門員の仕事のやりがいと困難−主任介護支援

専門員に対する調査から−

Author(s)

玉木, 千賀子

Citation

沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of

Humanities and Social Sciences(12): 51-60

Issue Date

2010-03-31

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/6267

(2)

沖縄 大学人文学部紀要 第12号 2010

介護支援専門員 の仕事のや りがい と困難

一 主任介護支援専門員 に対す る調査 か ら一

玉 木 千 賀 千

蔓 約 本研究では,介護支援 専門員 の仕事のや りがい と困難 に着 目 し,介護保 険制度 の さま ざまな 変更に対応 しなが ら仕事 を続 けてきた経験年数 の長 い介護支援専 門員 の仕事 のや りがい,業務 上の困難 を主任介護 支援 専門員 に対す る調査 によって明 らか に した。 調査の結果 ,介護 支援専 門員 は 「利用者 の笑顔 や感謝 の言葉

「利用者 の変化

「自分 自身の 成長」な どに仕事 のや りがい を感 じていた。そ して,介護 支援 専門員 の大部分 が 「記録 の業務」 に困難 を感 じていた。 さらに,介護支援専 門員 の7割 が 「ケアマネ ジメン トの力量 に対す る不 安

「書類 の作成 に追われ て利用者 に対 して充分な支援 ができない

「残業や休 日出勤」 な どの 理 由で転職 を考 える とい う経験 を していた。 キー ワー ド :介護 支援 専門員,ケアマネ ジメン ト,仕事 のや りがい,仕事 の困難 同題設定 介護保 険制度 が施行 され てやがて10年 の節 目を迎 えよ うとしてい る。この間には介護 予防 を 導入 した 2006年度 の制度改正,3年 ごとに実施 されて きた介護 報酬改定,要介護 ・要支援認 定 のあ り方の見直 しな ど,制度 内容 がめま ぐる しく変更 してきた。 この よ うな状況 のなかで介護 支援専門員 は,制度 の開始 に伴 う利用者 の混乱や給付管理業務-の対応 ,介護 予防 プランの受 託 による業務量の増加 ,ケアマネジメン ト報酬 の減額 による経 営赤字 の慢性化や人員削減 な ど, 度重 なる制度 の変更-の対応 に疲弊 しなが ら介護 支援専門員 としての仕事 を続 けなけれ ばな ら ない状況に追い込 まれ てきた。 世論調査 (内閣府 :2009) では,働 く目的 を 「金銭 を得 るこ と」 であ る と答 えた人 が最 も高 い割合 を占めてい る。 ところが,介護 関係職種 に限定 してみ る と,その多 くは 「や りがい」 を 仕事の選択理 由 として挙げてい る (介護 労働安定セ ンター :2008)。働 く目的 と実際 に仕 事 を選 択 した理 由は必ず しも一致 しないが,低賃金 ・重 労働 とい う今 日の介護 関係職種 が置 かれ てい る労働環境 を鑑 み る と,介護 関係職種 の仕事 の選択や継続 には仕事 に対す るや りがいが大 き く 関係 してい ると考 え られ る。 これ らを介護 支援専 門員 の状況 に結 びつけて考 えてみ る と,介護 支援専門員 が多忙 な業務環境や不安定な経営状 況 に置 かれ なが らも仕事 を継続 してい るこ とに は,介護支援専門員 としての仕事 に対す るや りがいが,一般的 な職種 に比べ て深 く関係 してい るのではないか と考 え られた。 先行研究 による と,介護支援専門員 は利用者 の笑顔 (秦 :2008)や生活 の安定 (坂尾 :2009) に仕事のや りがいや醍醐 味 を感 じてお り,その一方 では,利用者 と家族 の関係 ,関連職種 との 連絡調整 ,業務量の多 さや社会的認知の低 さな ど介護 支援 専門員 の業務環境等に困難 を感 じて

(3)

沖縄大学人文学部紀要 第12号 2010 い る と報告 してい る (佐 光 ら :2007)。また,業務継続 の困難 - とつ なが るバー ンア ウ トの原因 として,事務処理 を中心 とす る過重業務 ,上司の無理解 ,所属事業所 内の人間関係 ,不明確 な 業務範囲,社会資源 の不足 な どをあげてい る (高 良 :2004,2007)。この よ うな研究成果 がみ ら れ るものの,介護支援専 門員 の仕事のや りがいや仕事 を継続す る うえで直面す る困難 について の研 究はまだ少 な く, さらに経験年数 が比較的長 い介護支援専 門員 に焦点 を絞 った仕事 のや り がいや 困難 についての研究 は これ までに行 われ ていない。 そ こで本研 究は主任介護支援専門員 を 「業務経験 が長 く, さま ざまな業務上の困難 に対処 してきた と考 え らえる介護支援専門員」 と位置 づ けて,介護 支援専門員 の仕事 のや りがい と, これ まで仕事 を続 けてきたなかで直面 し た困難 な状況 を捉 えるこ とを 目的 とす る0 2006 年 の制度改正 によって新 たに設 け られ た主任介護 支援専門員 とは,①専任 の介護支援専 門員 として従事 した期間が通算 して5年以上 ある者 ,② ケアマネ ジメン トリー ダー研修 を終了 し,専任 の介護 支援専 門員 として従事 した期 間が通算 して3年以上 ある者 ,③現 に地域包括支 援 セ ンター に配属 され てい る介護支援専 門員 ,④都道府県が適 当 と認 める者,のいずれかの要 件 に該 当 してい る者 が,64時間の主任介護 支援専 門員研修 を終 了 した場合 に認定 され,介護支 援専門員 の上級職 として介護支援専門員 に対す るスーパーバイ ズや地域包括支援セ ンターにお いて包括 的 ・継続 的ケアマネ ジメン トな どの役割 を担 う (介護 支援専門員の生涯研修体系のあ り方 に関す る研究委員会 :2006)。前述 した主任介護支援専門員研修 の受講要件 の うち,(Dの要 件 を満 た してい る居 宅介護 支援事業所 の介護 支援専 門員 は,介護 支援専門員 と しての業務従事 期 間が他 の要件 に該 当す る介護 支援専 門員 に比べ て長 い こ とか ら,介護保険制度 の変更 に伴 う 影響 をよ り多 く経験 してい る と考 え られた。 さらに研修 を受講 して主任介護支援専門員 として の役割 を担 い,今後 も介護支援専門員 の仕事 を続 ける意志 があ る とい うことは, これ までに制 度 の さま ざまな変更- の対応 に伴 う困難 を経験 しなが らも,介護支援専門員 の仕事 に強いや り がい を感 じてい る可能性 が大 きい と考 え られ た。 この よ うに, さま ざまな困難 を経験 しなが ら も仕事 を続 けて きた介護支援専門員 の仕事 のや りがいや仕事 の継続 に困難 を生 じさせ る要 因を 明 らかにす ることは,介護支援専門員 に対 す る支援 のあ り方 に示唆 を与えるもの と考 える。 I.綱査対象 および方法 1.対象 調査対象 は,沖縄県 において実施 され た 2009年度主任介護 支援専 門員研修 の全 日程 を終了 し て主任介護 支援専 門員 として認 定 され た124名 の介護 支援専 門員 の うち,居宅介護 支援事業所 に勤務す る介護支援専 門員112名 である。本研究 では介護 支援専 門員 としての実務経験期 間が 長 く,仕事 の継続 についての意志 をもつ と考 え られ る介護 支援 専門員 を研 究の対象 として位置 づ けてい るこ とか ら,調 査対象 であ る主任介護 支援 専門員 に,主任介護支援専門員 としての活 動経験 がない とい う点 については本研究の 目的 の達成 には特 に影響 がない もの と判断 した。 2.方法 調査 は2009年 8月 26日に 自記式質 問対引こよる集合調査法 を用 いて実施 したO調査対象 112 名 の うち102名 か ら回答 があ り,調査票 の回収率 は 93%であった。調査票 は無記名 とし,調査 項 目は介護 支援 専門員 の意識調査や仕事 のや りがい等 についての先行研究 (秦 :2008,坂尾 : 2009) を一部 引用 し,調 査対象者 の基本属性 に関す る 7項 目,仕事 の選択 とや りがいに関す る 5項 目,業務上 の困難 に関す る 6項 目の計 18項 目を設定 した。調査 に際 しては,本研 究の主 旨

(4)

玉木 :介護支援専門員 の仕事のや りがい と困難 を主任介護支援専門員研修 の主催者 に説 明 をお こない了解 を得 た うえで,調査対象者 に研 究 目 的,調査方法,研究 目的以外 に調査デー タを使用 しない こ と,調査 を拒否す るこ とができるこ とを説 明 したO調査 の結果 は単純集計, 自由記述 による回答 につ いては意味 内容 によってカテ ゴ リー化 した。

Ⅱ.

結果 1.基本属性 男女の内訳は男性22名(22%),女性80名 (7i%)。年齢構成 は30歳代 20名 (20%)40歳代 38名 (37%

)

,50歳代 41名 (40%),60歳代 3名.(3%)で,年齢 では40歳-50歳代 ,性別 で は女性 の占める割合 が高か った。介護 支援専門員 としての実務経験年数 は,5-6年未満 32名 (31%),6-8年未満 42名.(41%),8年以上 28名.(28%)で,半数以上 が初 回の介護報酬改 定 を経験 してお り,制度 の初期 か ら実務 を行 っていた。 表1 調査対象者 の基本属性 人数 % 性別 女性 80 78 男性 22 22 年齢 ∃O歳-39歳 20 20 40歳-49歳 38 37 SO歳-59歳 41 40 GO歳-69歳 3 3 実務経 験年数 5- 6年未満 32 31 6- 8年未満 42 41 8年以上 28 28 基礎 資格 介護福祉士 40 39 看護 師 33 32 社会福祉士 7 7 社会福祉主事 6 6 准看護師 4 4 保健 師 l 2 2 ヘ ′レバ ー 2 2 理学療法士 1 1 歯科衛生士 1 1 栄養士 1 1 無回答 5 5 雇用形態 常勤専従 77 75

(5)

沖縄大学人文学部紀要 第 12号 2010 基礎 資格 は介護福祉 士

4

0

(

3

9

%)

,看護 師

3

3

(

3

2

%)

,社会福祉

士7

(

7

%)

,社会福 祉主事

6

(

6%)

,准看護 師4名

(

4

%)

,保健 師,-ルパー各

2

(

2%)

,理学療法士,歯科 衛生士,栄養 士が各1名 (1%)で介護福祉 士 と看護 師 を基礎 資格 とす る者 の割合 が大半を占め ていた。雇用形態 については常勤専従

7

7名

(

7

5

%)

,常勤兼務 (居 宅介護 支援事業所や小規模 多機 能事業所 の管理職 との兼務) が

2

5

(

2

5

%)

であった (表 1)0 2.介護支捷専門員の仕事 を選択 した理 由 介護 支援専 門員の仕事 を選 んだ理 由については

,

「利用者 の生活 を支援す る とい う介護支援 専 門員 の役割 に意義 を感 じる」 が

4

2

(

41

%)

,

「専門的知識や技術 を習得す るこ とができる」 が

2

9

(

2

8

%)

,

「部署移動」が

9

(

9

%)

,

「安定 した収入 が得 られ る」が

7

(

7

%)

,

「健康 を損 な う心配 がない」が

5

(

5

%)

その他 の回答 (どの よ うな仕事 か体験 を したかった,基礎 資格 の退職 時期 と介護 支援 専 門員 の資格取得 がたまたま重 なった,土 日に休 みが とれ る,知人 か ら頼 まれ た,希望す る仕事 が他 になかった等)が

8

(

8

%)

で あった。役割 に対す る意義や 知識 ・技術 の習得 な どの積極 的 な選択理 由が大半を 占めていた (図1)0 0 5 10 15 2 0 25 3 0 3 5 4 0 45 役割に意義を感じる 専門的技術や知髄を習得できる 部署移垂め ため 安定した収入が鋳られる 健康を絹なう心配がない その他 無河警 芦 ∴ 蔓 革/1 喜 十. 千+

I】】】

図1

仕事 を選択 した理由

(

1

0

2

名) 単位 :名 3.仕事 に対す るや りが い とや りが いの具体的内容 介護 支援専 門員 の仕 事 に対す るや りがいの有無 については

,

「や りがい を感 じる」 が

5

6

(

5

5

%)

,「時 々感 じる」が

4

5

(

4

4%)

,

「感 じない」 が

1

名 (1%) とい う回答が得 られ,程 度 は異 な るものの,ほ とん どの人 が介護 支援専門員 の仕事 にや りがい を感 じていた (図2)0 「や りがいを感 じる」または 「時 々感 じる」 と答 えた人 を対象 とした, どの よ うな点にや りがいを 感 じるのか とい う質 問には

8

4

名 か ら回答 があ り,その内容 は 「利用者 の笑顔や感謝 の言葉が聞 かれ た時」と回答 した人 が

5

1

(

6

1

%)と最 も多 く

,

「利用者 の変化 (成長)」が

1

9

(

2

3

%)

, 「介護 支援専 門員 自身 の成長」が

7

(

8

%)

,

「支援 を とお した他者 との関わ り」が4名

(

5

%)

, 「専門職 としての社会的認 知」 が 3名 (3%) であった (図 3)O介護 支援専門員 としての活動 が利用者 に対 してプ ラスに作用 した こ とを確認 した時 に,多 くの介護支援専門員 が仕事 にや り がい を感 じることが うかがわれ た。 4.仕事の楽 しさ 介護支援 専門員 の仕事 に対す る楽 しさの有無 については

,

「楽 しい と感 じる」が

4

8

(

4

7

%)

, 「楽 しい とは感 じない」 が

3

名 (3%)

,

「とち らで もないJ と回答 した人が

5

0

(

4

8

%)

であ った (図4)0

(6)

玉木 :介 護支援 専門員 の仕 巧のや りがい と困難 国 2 仕事に対す るや りがいの有無 国 4 仕事の兼 しき 図3や りが いを感 じる時

(

8

4

名) 単 位 :名

0

10 93 93 4) 役割に意痕を感じる 利用欄安定した収入が枯らわらや熔 紅言葉 J.〉q._.山 ■・ト●H■ー.■●■ lEP 7品 Tヨ p ー i 書F懲馴 支術を伸 よしたい 元の仕事に戻ることへの不安 図 5仕事 を続 ける理由

(

1

0

2

名) 単 位 :名 5.仕事 を続 ける理 由 介護支援専門員 の仕事 を続 けてい る理 由については

,

「利用者 の生活 を支援 してい る とい う役 割 に意義 を感 じる」が

3

8

(

3

6%

).r利用者 の笑顔や感謝 の言葉 に喜び を感 じる」が

2

3

(

2

2%

), 「安定 した収入が得 られ る」が

1

5

(

1

4%)

,

「専 門知織や技術 を伸 ば したい

」1

0

(

1

0%

), 「も との仕事 に戻 ること-の不安」 が

8

(

8

%)

であった。仕事 を続 けてい る理 由の多 くは, 介護 支援専 門員 の仕事 のや りがい と結びついてい るが,前職 との収入 の差異,転職- の不安 な どの消極的な継続理 由もみ られた (図5)。 6.最 も困難 を感 じる業務 最 も困難 を感 じる業務 については

8

7

名 か ら回答 があ り

,

「記録」と回答 した人が

6

2

(

71

%)

,

「アセスメン ト

「定期訪 問」が各

6

.(

7%

), 「制度 内容 の説 明」が

5

(

6%

)

,

「初回ケ アプラン

「担 当者会議」が各

4

(

5%)

と続 き,記録 を挙 げ る回答 が他 に比べ て著 しく多か った (図 6)0 国 6 最 も負担 を感 じる業務

(

8

7

名) 単 位 :名

(7)

沖縄 大学人文学部紀 要 第12号 2010 7,転職 の考 え とその対処 転職 については71名 (68%)が 「考 えた ことがある」 と回答 し,半数 以上の人が転職 につい て考 えた とい う経験 をもってい る (図 7)。 どの よ うな時 に転職 を考 えたのか とい う質問に対 し ては

,

「ケアマネ ジメン トの力量 に 自信 をな く した時」 とい う回答 が17名 (25%)と最 も多 く, 「書類 の作成 に追われ て利用者 の支援 が十分 にできない時」が14名 (20%)

,

「残業や休 日出勤 を しなけれ ば業務 を終 えることができない時」が10名 (15%)

,

「組織 か ら仕事 を理解 して もら えない時」が7名.(10%),「ケアプ ラン件数 についての ノル マ を裸せ られた時」が6名 (9%), 「体力 の限界 を感 じた時

「家庭生活 -の影響 が生 じた時

「指導監査 を受 けた時」が各5名(7%) であった (図 8)。 転職 を考 えた時に どの よ うに対処 したのか とい う問いに対 しては,64名 か ら回答 があ り了 周 囲 にサ ポー トを求 めた」が14名 (20%)

,

「ひたす ら耐 えた」が 目 名 (16%),「一層頑張った」 が10名 (14%)

,

「気持 ちを切 り替 えた」 が9名 (13%)

,

「スキル の向上 に取 り組 んだ

「退職 を申 し出た」 が各6名 (8%)

,

「業務 を見直 した」が 5名 (7%)

,

「特 に何 も しなかった」が3 名 (4%)であった (図 9)0 図7 転義の考 え

0

5 10 15 93 力量への自侶喪失 書類作式に追われる 酬 未B出勤 細搬 )1らの仕事13寸する棚 事 件数のノルマ 体力の限界 素麺生活への排 事旨寺監査 図8 転義 を考えた理由 (71名) 単位 :名

0

2 4 6 8 10 12 14 18 周Zilにサポー ト

ひたす

一点

部持ちを切

スキルの斥1上に取り組んだ 返指を申し出た 栄枯を見直した 特に1恥 しなか った 図9 転義 を考えた時の対処の方法 (64名) 単位 :名 8.悩みの相談 仕 事上 の悩みの相談相手 につ いては97名 か ら回答 があ り

,

「同僚」と答 えた人が47名(48%) と最 も多 く

,

「上 司」が22名 (23%)

,

「職場外 の介護支援専 門員」が16名 (17%)

,

「自分で解 決す る」が10名 (10%)

,

「家族」 が2名 (2%)であった。 同僚や上 司な ど所属す る組織の内 部 に相談相 手 をもつ人 の割合 が多かった。

(8)

上木 :介護支援 専門員 の仕事のや りがい と困薙 9.仕事の継続 についての将来展望 仕事の継続 についての将来展望 については

.

「今後長期的 に(10年度 あ るいは定年退職 まで) 仕事 を続 けたい」 は 42名 (41%)

,

「続 けた くない」 と回答 した人 は 14名 (14%)

,

「どち らと も言 えない」 と回答 した人 が最 も多 く46名 (45%)であ り,仕事 の継続 に迷 い を感 じてい る人 の割合 が最 も高かった (図10)

「続 けたい」 とす る理 由につ いては30名 か ら回答 があ り

,

「介 護支援専 門員 の仕事 が好 き」 が 10名.(33%)

,

「社会的 に必要 な役割 だか ら」 が7名 (23%

)

,

「収入が安定 してい る

「自分 自身 が成長 できる」が各3名 (10%)了転職 が難 しい」が 2名 (7%) であった (図11)。一方

,

「続 けた くない」 とす る理 由には12名 か ら回答 が り

,

「健康 を損 な う おそれがある」が4名 (33%)

,

「業務量の負担 が大 きい」が3名 (25%)

,

「他 にや りたい仕事 がある」が2人 (17%)等

,

「どち らともい えない」に関 しては 27名 か ら回答 が あ り

,

「仕事 に 難 しさを感 じる

「体力や健康 の不安」が各9名 (31%)

,

「制度 の存続 が不明瞭」が4名 (14%) 等の回答 であった。 国 10将来の仕事の継続 図 11 仕事 を続 けたい理由 (30名) 単 位 :名

Ⅱ.

考 察 本研 究にお ける調査 の結果 か ら,介護保 険制度 の さま ざまな変更 に対処 しなが ら仕事 を続 け てきた介護 支援専門員 の多 くが仕事 にや りがい を感 じてい るこ とが明 らかになった。 どの よ う な点 にや りがいを感 じるのか とい う点 につい ては

,

「利用者 の笑顔や感謝 の言葉

「利用者 の変 化」 とい う回答 に示 され てい るよ うに, 自らの行 った支援 が利用者 の生活課題 の解 決や利用者 の対処力の強化 に結びついてい るこ とを確認 した時 に,多 くの介護 支援専 門員 が仕事 のや りが いを感 じていた。 この点 については,実務経験年数 を限定せず広 く介護支援専 門員全般 を対象 とした秦 (2008)や坂尾 (2009) による研 究結果 と類似 していた。 ところで本研 究 にお ける調 査結果 では,少数ではあるが 「介護 支援専門員 自身の成長 」 とい う介護支援専 門員 自身の利得 をあげる回答 が認 め られた。pbillips ら (-2008:53) は,高齢者 を支援す るすべ ての ソー シャ ル ワーカー は, ソー シャル ワー クを とお して高齢者や加齢 についての偏 見 を知 るこ とが重要で ある と述べてい る。 それ は ソー シャル ワー クを基盤 とす る介護保 険制度 のケアマネ ジメ ン トに ついて も当てはま る。介護支援専 門員 は, さま ざまな利用者 との個別 ・継続的 なかかわ りを と お して,利用者 の個別性や加齢 の もつ多様 な意味 に気づ くとい う機 会 を得 る。 この よ うな機会 が介護支援専 門員の ものの見方や考 え方 に影響 を与 えてい る とい うことが 「介護支援 専門員 自 身の成長」 とい う回答 にあ らわれ てい るのではないだろ うか。 さらに本研究では, 日常業務 において負担 を感 じる業務 ,転職 を考 えた経験 とその理 由を調 査す るこ とによって,介護支援専門員 が仕事 を継続す る うえで直面 した困難 を捉 えることを読

(9)

沖縄大学人文学部紀要 第12号 2010 み た.調 査 の結 異 か ら, 日常業務 におい て は多 くの介護 支援 専 門員 が 「記録 」 に対 して負 担 を 感 じてい る こ とがわか った。 同様 の結 果 は,実務経 験年数 を限定せず広 く介護支援 専 門員 を対 象 と した幾つ かの調査 において も報告 され てお り,本研 究 の調 査 では触れ なかった記録 業務 に 関す る負 担感 の具体的 内容 に関 して は,記録 を要す る書類 の多 さか ら生 じる業務 量 の負担 と, アセ スメ ン トをは じめ とす るケアマネ ジメ ン トプ ロセ スの一連 の活 動 を どの よ うに言語化す る のか とい う技術 的 な問題 とい う二つ の側 面 が あ るこ とが報告 され てい る (神奈川 県介護 支援専 門員協会 :2007,玉木 ら2009)0 一方 ,仕事 の継続 に関 しては, 7割 の介護 支 援 専 門員 が 「力量 に対す る 自信 の喪失」や 「書 類 作成 に追 われ る

「残 業や休 日出勤」な どの多忙 な業務 を理 由に転職 を考 え る とい う経験 を し ていた。 これ らの転職 を考 えた理 由の具体 的 内容 が個 人 または環境的要因 の どち らに起 因す る のか とい う点 につ いては本研 究 では明 らか にす る こ とがで きなか ったが,介護 支援 専 門員 が置 かれ て きた環境 と結 びつ けて考 え る と,度 重 な る介護保 険制度 の変 更 に対応 しよ うと 「周 囲に サ ポー トを求 め る」「ひ たす ら耐 える」「一層頑 張 る」 な どに よって対処 してい る と考 えるこ と が で き るの ではないだ ろ うか。 さらに特筆 すべ き こ とは制度 開始 以降,居 宅介護 支援 事業所 の 経 営 の困井 が指摘 され てい るに もかかわ らず ,転職 を考 えた理 由 として経 営や給与 に関す る内 容 が示 され てい ない とい う点で あ る。 この点 につ い ては,居 宅介護支援事業所 の設 置形態 との 関係 が考 え られ るが, も う一方 では,介護 支援 専 門員 の給与 に一定 の保 障 がな され てい ること を示す結 果 で あ る と考 える こ ともで き るの ではないだ ろ うか。 本研 究 の限界 としては,研修 の場 を用 い て調 査 を行 った こ とか ら,研修 内容や受講者 間の関 係 等 が調 査結果 に影響 を与 えてい る とい う可能性 が第一 にあげ られ る。 また,回答 に選択肢方 式 を用 いた こ とに よって,や りがい とい う個 々人 の価 値観 が深 く反 映 され る と考 え られ る内容 の把握 が表 面的 な ものに な らざるを得 なか った こ とや .仕事 を継 続 す る うえでの困難 の構 造的 な理解 がで きなかった とい う点 があ る。 しか しなが ら,介護 支援専 門員 が どの よ うな こ とに仕 事 のや りが い を感 じてい るのか とい う点や ,仕 事 の継 続 とや りがいが結 びつ い てい る場合 が多 い こ と,そ して介護 支援 専 門員 が仕 事 を継 続 す る うえで直面 した困難 な状 況 を捉 える こ とがで きた。仕 事 のや りがい を強調す るあま り,介護 支援専 門員 の置 かれ てい る社会 的環境 につ いて の検討 が軽視 され て はな らないが,介護 支援 専 門員 の仕事 に対す るや りがいや ,仕 事 を継 続す る うえでの困難 を明 らかにす るこ とは, これ までのケアマネ ジメ ン トスキル の向上 を中心 とし て行 われ て きた介護 支援 専 門員 の支援 の あ り方 に対 して,精神 的 な支援や業務管理 に関す る支 援 を重 要視 す る こ との必 要性 を示唆 してい るので はないだ ろ うか。 なお,仕事 のや りがいお よ び 困難 につ い ての個別 具体 的 な内容 の把握 ・分析 や基礎 資格 との関係 等 につ いては今後 の課題 と したい。 引用文献 長 寿社 会 開発 セ ンター (2006)『「介護 支援 専 門員 の生涯研修体 系 のあ り方 に関す る研 究会」最 終 報告 書』 (http二//W .menrin.orjp/center/fukushi/index.html) 秦康宏 (2008)「介護 支援 専 門員 の負 担 ・や りがい に関す る調 査- A県C市 の実態調 査 か ら - 」 大 阪教 育大 学 『発 達人 間学論叢』 第11号,pplO9-105

JudithPhilllPS,Moray,MaryMarshall(2006)

s

ocI

ALWOR

KWT

HOL

DERP

EOPL

E

,Macmillan Publishers.(-2008,杉本敏 夫訳 『高齢者 ソー シ ャル ワー ク』晃洋 書房 .)

(10)

玉木 :介護支援専門員の仕事のや りがいと困難

介護 労働 安定 セ ンター(2009)「介護 労働者 の就 業実態 と就業意識調 査」『平成20年度 実態調査』 (http://w w.kaigo一ccnter.orjp/reporotn120_chousa__01.html)

神奈川 県介護 支援専 門員協会 (2007)『平成 18年度居宅介護支援専 門員 実態調 査報告書一 介護 支援 専 門員 の質 の向上 に向 けた現状 と課題 の把握- 』特定 非営利活 動法 人神 奈川 県介護 支援 専 門員協会 高良麻子 (2004)「介護 支援 専 門貞 にお け るバー ンア ウ トー イ ンタ ビュー調 査 を通 して-」東京 家政学院大学 『東京家政学院大学紀要』 第44号,pp.67-73 高良麻子 (2007)「介護支援 専 門員 にお け るバー ンア ウ トとその関連 要 因一 自由記 述 に よる具体 的把握 を通 して-」 日本社会福祉 学会 『社会福祉 学』第 48巻第1号,pp.104-116 内閣府 (2009)『国民生活 に関す る世論調査 (平成21年 6月

)

(httpI//www8cao.go.Jp/survey仙21/h21-life/it)dex.html) 坂尾博晃 (2009)「10年後 もケアマネ ジ ャー を続 けてい ます か - ケアマネ ジ ャー- の意識調 査 か ら-」 日本 ケアマネジメン ト学会 『第 8回 日本 ケアマネ ジメ ン ト学会研 究大会抄録集A, p.134 佐 光恵 子,内藤 和美 (2007)「介護 支援 専 門員 のケアマネ ジメン ト実務 遂行 上 の 困難 と研修 ニー ズ」 日本 ケアマネ ジメ ン ト学会 『ケアマネ ジ メン ト学』第6号,pp.44-54 玉木千賀子,大城則 子,富樫 八郎 (2009)「介護 予防 ケアマネ ジ メン トの実態 に関す る考察- 沖 縄 県 の 居 宅 介 護 支 援 事 業 所 に 関 す る調 査 か ら-」 沖 縄 大 学 地 域 研 究 所 『地 域 研 究 』 No.5,pp.1-13

(11)

Worth doing and difficulty of the work of Care managers

Chikako TAMAKI

Abstract

The purpose of this study is to examine the worth doing of work and difficulty of duties of Care managers which have continued working for many years. I conducted research of the worth doing of work and difficulty duties of chief Care managers. The results show that Care managers find worth doing of the work" smiles and thanks of users", "changes of users" and "own growth" and most feel difficulty for "duties of records". Additionally, 70% of Care managers thought about changing their job by the reason of "unease with the competence of care management", "inability to sufficiently care for users due to paperwork", and "overtime or holiday work" etc.

参照

関連したドキュメント

支援級在籍、または学習への支援が必要な中学 1 年〜 3

⑤ 

2) ‘disorder’が「ordinary ではない / 不調 」を意味するのに対して、‘disability’には「able ではない」すなわち

職員配置の状況 氏 名 職種等 資格等 小野 広久 相談支援専門員 介護福祉士. 原 健一 相談支援専門員 社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員 室岡

(注)個別事案ごとに専門委員に委嘱することが困難な専門委員候補につ いては、

• 教員の専門性や教え方の技術が高いと感じる生徒は 66 %、保護者は 70 %、互いに学び合う環境があると 感じる教員は 65 %とどちらも控えめな評価になった。 Both ratings

主任相談支援 専門員 として配置 相談支援専門員

意思決定支援とは、自 ら意思を 決定 すること に困難を抱える障害者が、日常生活や 社会生活に関して自