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特・小「音楽を聴いて楽しく自由に表現しよう」

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Academic year: 2021

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音楽科学習指導案

1 単元名 「音楽を聴いて楽しく自由に表現しよう」 2 指導観 ○ 実態観 対象となる児童は、肢体不自由と知的障がいを併せ有する小学部第6学年の児童7名で構成され、 全員が自立活動を主とする教育課程(C類型)を履修している。児童の音楽の授業における実態は次 のとおりである。 児童 実 態 A児 ・上肢・下肢・体幹が低緊張のため、動きにやや困難さがみられる。発語はみられないが、発声や 表情、身振り等で気持ちを伝える。 ・音楽を聴くことに興味があり、特に手遊び歌が好きである。手で簡単に操作できる楽器があると 意欲的に手に取ろうとする。 B児 ・上肢・下肢・体幹の動きに困難さがみられる。視覚障がい、聴覚障がいを併せ有し、視覚は光が 認知でき、聴覚は音を認知することに困難さがみられる。 ・音や音楽は認知が難しいため、教師が体への刺激を行うと目の瞬きや表情、心拍数の変化等で気 持ちを表現することができる。 C児 ・上肢・下肢の動きに困難さがみられるが、独歩での移動が可能である。発語はみられないが、発 声や表情、身振り等でのコミュニケーションがとれる。 ・音楽は好きである。2拍子の簡単なリズムを感じ取ることができ、簡単な楽器で鳴らすことがで きる。 D児 ・上肢・下肢の緊張が強く、動きに困難さがみられる。語彙数はまだ少ないが発語があり、コミュ ニケーションがとれる。正しく意思が伝えられないときは、表情や発声、身振り等で伝える。視覚 障がいがあり、光は認知できる。 ・音楽はとても好きである。自分の好きな音楽の歌詞を覚え、口ずさんだり鼻歌で歌ったりする。 E児 ・上肢・下肢の動きに困難さがみられる。 ・発語はみられないが、発声や表情、頭部の動き等でコミュニケーションがとれる。 ・音楽に合わせた体刺激が好きである。リトミックでは、体の揺れなどを感じて笑顔がみられる。 F児 ・上肢・下肢の緊張が強く、動きに困難さがみられる。発語により活発なコミュニケーションがと れ、昨年度以降日常生活で使える語彙数が増えている。 ・音楽はとても好きである。中でも歌を歌うことが得意で、学習した音楽の曲調や歌詞を覚え、笑 顔で歌う姿がよくみられる。楽器遊びも好きで、肘を支持すると、リズムを感じ取り鳴らすことが できる。 G児 ・上肢・下肢の動きに困難さがみられる。発語はみられないが、発声や表情、身振り等でコミュニ ケーションがとれる。 ・音楽への興味はあり、好みの音楽を聴くと覚醒度が高まり体を揺らすなどで気持ちを表現する。 ○ 単元観 本単元は、特別支援学校小学部学習指導要領第3章第4節第4音楽科1段階の目標を達成するため、 内容A表現ア(ア)「音や音楽遊びについての知識や技能を得たり生かしたりしながら、音や音楽を聴い て、自分なりに表そうとすること。」(ウ)「思いに合った表現をするために必要な技能を身に付けるこ と。」○ア「音や音楽を感じて体を動かす技能」○イ「音や音楽を感じて楽器の音を出す技能」、B鑑賞ア(ア)

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音や音楽遊びについての知識や技能を得たり生かしたりしながら、音や音楽を聴いて、自分なりの楽し さを見付けようとすること。」を受けて設定している。 本単元では、歌遊び、器楽(歌唱)、鑑賞全ての学習において、これまでの学習経験を生かし、新た な音楽との出会いを楽しむことの大切さや素晴らしさを教師や友達と共感し合いながら、自分なりに、 そして自由に楽しく表現することをねらいとしている。 歌遊びでは『マイムマイム』を取り扱う。この曲は日本人にはなじみ深く、運動会やキャンプファイ ヤーなどで行われるフォークダンスの定番曲である。初めて聴く児童でも、軽快でリズミカル、そして 短く繰り返す曲調にすぐに慣れ、親しめるものと考える。さらに、曲の意味である「水が湧き出でたこ とへの喜び」をダンスで表現することを学習し、児童の気持ちを高めるようにする。器楽(歌唱)では、 『こげよマイケル』を取り扱う。この曲は小学校5年生の教科書掲載曲であり、歌唱、器楽ともに学習 できる教材である。短くリズミカルな曲調、さらに主人公となるマイケルが舟を漕ぐ様子が歌詞となっ ており、児童にとっては歌詞の言葉をイメージしやすいものである。また「ハレルヤ」の歌詞は、うれ しさや感謝の思いを言葉に出して表現するという点から、児童らも一緒に声に出したり、体を動かした りして表現できる部分となる。器楽では、範唱を聴き自由に表現活動を行った上で、簡単な楽器を用い て、さらにこの曲の理解と表現方法を学ぶこととする。鑑賞では『アイネクライネナハトムジーク』を 取り扱う。モーツァルトの代表曲であるこの曲は日本語で「小さな夜の曲」と訳され、あらゆるメディ アで使われることが多い。そのため児童も一度は耳にしたことがある楽曲とも言える。これまでの学習 での音楽教材としてクラシック音楽を聴いたことが少ない児童にとっては、新鮮なものとなると考え る。新たな音楽に触れることで、児童のこれまでと違った新たな感性を生み出し、それにより音楽表現 の幅が広がることが期待できると考える。 ○ 指導観 本単元の指導にあたって、第一次では、児童が楽曲に慣れ、親しむことができるようにする。歌遊び、 器楽(歌唱)、鑑賞のそれぞれの楽曲ともに、初回は曲のタイトル程度の情報のみを伝えて聴かせるこ とで、初めて聴く曲に対する児童の反応を観察し、その後の学習経過による変容と対比させて評価して いきたい。次の段階として、歌遊びの指導では、曲に慣れたところで教師によるダンス演示を行う。原 曲のままではテンポが速く分かりづらいため、教師が口ずさみ、部分ごとに分解しながら演示する。演 示の後、児童と教師が一緒になりダンスに取り組む。器楽(歌唱)の指導では、曲のイメージをつかむ ことができるように、少年が舟を漕ぐ画像や教師が舟を漕ぐ様子を見せる。CDや教師の範唱を聴か せ、歌詞や曲調を覚えて音楽に合わせて歌ったり、リズムに合わせて自由に体を動かし表現したりする 姿を引き出したい。鑑賞の指導では、初回は音楽だけを聴き、2回目からはオーケストラの映像に合わ せ、曲の変化と弦楽器を弾く映像を重ねながら聴かせるようにする。 第二次では、曲に慣れてきたことを基礎として自分なりの表現ができるようにする。歌遊びの指導で は、曲の始めには円になり、静かに時計回りに動かせる。中盤の「マイムマイム」の歌詞部分で児童全 員が中央に向かって手や体を動かし、「水が湧き出た喜び」を表現させたい。教師が児童の動きを代わ って行うのではなく、児童自身の動きを予測したり汲み取ったりしながら自由な表現を引き出す。楽し い雰囲気を作り出すためにポンポンなどの教材を準備し、児童の気持ちを高めるようにする。器楽(歌 唱)の指導では、これまでの音楽学習の様子から、①2拍子のリズムを感じ取りながら楽器を鳴らす児

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童②音楽を聴いて楽器を自由に鳴らす児童の2つの実態に分けて指導を行う。①は、2拍子のリズムを 感じ取ることができるように、初めに教師の範唱に合わせた2拍子のリズム打ちを見せる。2拍子のリ ズムがつかめてきたら、教師と一緒に手拍子したり体を揺らしたりなどして曲全体の流れを覚え、楽器 を鳴らす練習に入る。②は、曲を聴きながら自分で楽器を自由に鳴らしたり、教師と一緒に鳴らしたり する。鑑賞では、他のジャンルの音楽との違いを感じ取ることができるように、クラシック音楽の特色 であるオーケストラ演奏を映像とともにじっくり聴かせるようにする。 第三次では、自分の表現の仕方を見直し、新たな表現を生み出すことができるように、自分の表現と 友達の表現を比べるようにする。歌遊び、器楽、鑑賞ともに映像を撮影し、事後すぐに振り返りを行う。 自分だけではなく、友達が音楽に合わせてどのように体を動かしているのか、どのように楽器を鳴らし ているか、どのように聴いているかなどに着眼させ、友達の良いところを見付ける。児童相互が友達を 意識しながら、自己、他己評価を行い、集団での表現学習の特色を捉えながら児童の学びを深化させて いく。 3 目 標 観点 目標 評価 (◎○△) 【知識及び技能】 ・音楽に関心を向け、教師と一緒に体を動かしたり、楽器を 鳴らしたりすることができる。(B、D、G) ・音楽に合わせて自分なりに体を動かしたり、歌ったり、楽 器を鳴らしたりすることができる。(A、C、E、F) 【思考力・判断力・表現力等】 ・音楽に気付き、関心を向けて、鑑賞曲を聴くことができる。 (B、D) ・音楽に気付き、関心を向けて、教材映像と合わせながら鑑 賞曲を聴くことができる。(A、B、C、D、E、F、G) 【学びに向かう力・人間性等】 ・教師や友達に音楽の楽しさを発語、発声、表情、身振り等で 伝えながら、歌遊び、器楽、鑑賞の活動に意欲的に取り組む ことができる。(A、B、C、D、E、F、G) 4 計 画(全7時間) 第一次 「初めて聴く音楽に親しもう」・・・・・・・・・・・・・・・・・2時間 ・絵カードや映像教材の情報等と合わせて曲を聴き、曲調やリズムを感じ取る。 第二次 「先生と一緒にダンスをしたり、楽器を鳴らしたりしよう」・・・・3時間(本時1/3) ・曲に合わせて教師と一緒にダンスをしたり、好きな楽器を鳴らしたりする。 第三次 「友達のダンスや演奏を見たり、聴いたりしてみよう」・・・・・・2時間 ・自分や友達のダンスや楽器遊びを見て、表現の仕方を工夫する。

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5 本 時 (1) 日時 令和○年○月○日(○) 第○限 第○音楽室(○:○~○:○) (2) 本時の目標 児童 観点 目標 評価 (◎○△) A 【知識・技能】 ・「こげよマイケル」の曲に合わせて、自分で自由に楽器を鳴らす ことができる。 B 【思・判・表等】 ・教師と一緒に「マイムマイム」のダンスをして、楽しさを表情や 瞬きで伝えることができる。 C 【知識・技能】 ・「こげよマイケル」のリズムを感じ取り、2拍子のリズムで楽器 を鳴らすことができる。 D 【知識・技能】 ・「こげよマイケル」の曲に合わせて、ハミングしたり歌詞を真似 て歌ったりすることができる。 E 【思・判・表等】 ・「アイネクライネナハトムジーク」のオーケストラ演奏を、体を 揺れ動かし気持ちを表出しながら聴くことができる。 F 【知識・技能】 ・「こげよマイケル」の歌詞を真似て歌ったり、リズムを感じ取っ て楽器を鳴らしたりすることができる。 G 【思・判・表等】 ・教師と一緒に「マイムマイム」のダンスをして、楽しさを発声や 表情、体の揺れや動きで伝えることができる。 (3) 本時指導の考え方 本時は、「音楽を聴いて楽しく自由に表現しよう」の3時間目の授業で、児童は前時までに『マイ ムマイム』、『こげよマイケル』『アイネクライネナハトムジーク』の曲を歌遊び、器楽(歌唱)、鑑賞 の学習を通して自分なりに覚え、曲調やリズムを感じ取り始めている。この学習段階を踏まえ、本時 では、自分が感じ取ったことを教師と一緒に、あるいは自分なりに自由に声や体の動き、楽器などを 通して表現することをねらいとする。 歌遊びは、『マイムマイム』が「水が湧き出た喜び」であることを知り、中盤のサビ「マイムマイ ム…」の部分では、手に付けたポンポンで水が湧き出る光景をイメージしながら、みんなで楽しく一 体となってダンスに取り組みたい。器楽(歌唱)では、始めに『こげよマイケル』のCDの範唱を聴 き、児童は自由に歌ったり、体を動かしたりして楽しい雰囲気を作り出す。次に、教師の手拍子や楽 器演奏を聴き、曲の流れを思い出してから楽器練習に入る。実態ごとには、①曲に合わせて2拍子の リズムで鳴らす児童と②曲が流れている間自由に鳴らす児童に分けるが、あくまでみんなで楽しく 好きな楽器を用いて音を奏でることに重点をおきたい。鑑賞では、『アイネクライネナハトムジーク』 をオーケストラ演奏の映像に合わせて聴く。弦楽器の音の強弱や重なり、指揮者、奏者の動きなどに 注目しながら、クラシック音楽というものを体感し、気持ちを体で表現する姿を引き出していく。 (4) 準備 ①CDデッキ ②CD ③電子黒板 ④タブレット端末 ⑤タブレット用スピーカー ⑥学習絵カー ド ⑦ポンポン ⑧楽器各種

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(5) 展開(学習過程) 学習 過程 学習活動・内容 指導上の留意点 教材 評価 導入 (5 分) 1 学習の始まりを知る。 ・音楽の学習に対する期待感 をもつ。 2 本時のめあて、内容を知 る。 ・絵カードなどを手掛かりに 学習内容が分かる。 ・始まりを意識できるようにこれまで の学習と同じ「かえるの合唱」の曲を 流す。 ・学習内容が分かり、見通しがもてる ように、学習の絵カードを提示する。 ①② ⑥ 展開 (35 分) 3 「マイムマイム」の歌に合 わせて教師と一緒にフォー クダンスをする。 ・教師の演示を見る。 ・教師や友達と一体感を感じ ながらダンスに取り組む。 4 「こげよマイケル」の曲に 合わせて歌・楽器遊びをす る。 ・教師の演示を見る。 ・2拍子のリズムで楽器を鳴 らす。 ・音楽を聴き自由に楽器を 鳴らす。 5 「アイネクライネナハトム ジーク」を鑑賞する。 ・オーケストラの映像を見な がら曲を聴く。 ・曲の雰囲気を感じながら、 ゆったりとした気持ちで 聴く。 ・曲やダンスの仕方が思い出せるよう に、始めに教師のダンスの演示を見せ る。 ・「水が出た喜び」をイメージしながら 体を動かせるように、手に銀や青色の ポンポンを付ける。 ・曲や楽器の鳴らし方が思い出せるよ うに、始めに教師の楽器演奏の演示を 見せる。 ・児童の実態に合わせた活動ができる ように、①音楽に合わせて2拍子のリ ズムで鳴らす児童、②自由に鳴らす児 童の2グループに分けて指導する。 ・できるだけ自分で楽器が鳴らせるよ うに、持ち手にグリップを付けたり、 最小限の体の支持をしたりする。 ・クラシック音楽の雰囲気が感じ取れ るように、オーケストラ演奏の映像を 提示する。 ・筋緊張が強い児童は、リラックスし て聴くことができるように、車椅子の リクライニングを60度程度に倒す。 ③② ③⑦⑧ ①② ⑧ ③④ ⑤ ・教師と一緒にダン スをして、楽しさを 表情や瞬きで伝える ことができる。(B) ・教師と一緒にダン スをして、楽しさを 発声や表情、体の揺 れや動きで伝えるこ とができる。(G) ・曲に合わせて、自分 で自由に楽器を鳴ら すことができる。(A) ・リズムを感じ取り、 2拍子のリズムで楽 器を鳴らすことがで きる。(C) ・曲に合わせて、ハミ ングしたり歌詞を真 似て歌ったりするこ とができる。(D) ・歌詞を真似て歌っ たり、リズムを感じ 取って楽器を鳴らし たりすることができ る。(F) ・オーケストラ演奏 を、体を揺れ動かし 気持ちを表出しなが ら 聴 く こ と が で き る。(E) まとめ (5 分) 6 本時学習を振り返る。 ・学習の中でどれを頑張った かを思い出し、感想を発表す る。 ・学習を思い出し、発表する意欲が高 まるように、学習カードを提示する。 ・本時学習したことを振り返るため、 教師がまとめの評価をする。 ⑥ まとめ みんなで楽しくダンスをしたり、楽器を鳴らしたりできたね めあて みんなで楽しくダンスをしたり、楽器を鳴らしたりしよう

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参照

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