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幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態しつけにおける世代間の連続性を中心に : 横浜市における調査結果の報告(1)

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(1)幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態 しつけにおける世代間の連続性を中心に 横浜市における調査結果の報告(1) 野 A. Study About. of Infant's. Education and Family Continuity of Discipline. the Report. -A. 行*. Consciousness. Educational. on. 義. 垣. Survey. the. on. for. in Yokobama. Yoshiyuki. Mother. Generation City. (1)-. NoGAKI*. StJ二MA(ART This family. survey. think. parent's. learned to. TV. discipline We. but er・. the. educational degree. the her. infant. of her husdand. opinions To. etc.. consciousness mother of infant's and for discipline generations. continuative on her for examples, depended something, of. what. reference. of. discipline. and kinedergarteners, does mother most attach. her. fifths. parent's. way. of objects. her. admitted. in且uenced. profonndly. parent's. influence. her. to. A to be their quarter of objects said they wanted their husband to be their fathers. wanted Tbe in且uence is not the only of her parent's way of discipline it is true that her parent's is discipline way great of attached. In. this. thing. some. importance. infant?. that. Three cipline. to her infant. them. of discipline, books, and. her. found. clear. to丘nd. disciplines. mother. way. by. make. especially. educrtion,. We. to. aims. connection,. we. can. recognize. the continuity. of. her way. discipline. mother. importance from. half. and. mothers, one. of dis・ discipline. way of. relys by. 調. 査. の. 目. 的. 生物学的個体として誕生した人間は,彼が属している集団の成員との相互作用を通じて その集団の行動様式,規範を内面化し,自己の地位に期待されている役割を取得すること によって,その集団の成員として自己を確立していく,つまり社会的意味での人間とな る。この過程を社会化の過程という。人ほその全生涯を通じて行動の新しい方法を学び続 ける。したがって社会化ほ生涯にわたる過程ということができるが,人生の初期における *教育学教室(°ept.. of Education). on,. motb-. generation. generation.. Ⅰ. of. to.

(2) 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態. 社会的学習が,それに続く学習のあり方を規定するが故に決定的な意味を担っているとい うことほ,これまでの多くの研究の示すところである。. 子どもは成長発達するにつれて,仲間集団,近隣集団,学校集団,職場集団というよう に参加集団の枠を拡大していく。そしてそれぞれの集団ほ子どもの社会化にとって極めて 重要な意味をもっているが,子どもが最初に参加する集団は家族であり,そこで母と子の 結合を核としてはじめて社会の関係をとり結ぶ。この母子関係は,父子関係,きょうだい. 関係,仲間関係などへと発展していくが,子どもがほじめて経験する人間関係であって, 社会化の原点ということができる。人間は誕生時極めて弱い存在で,全面的に他者に依存 しなければ生きていけないという事実が,この母子関係を強固且つ重要なものとしている。 母親を中心とする両親が子にどんな働きかけをするか,子は彼らからどんな満足を得てい るかということが,社会化の展開,パースナリティの形成にとっていかに重要かというこ とはフロイトを待つまでもなかろう。. 家族はもほや全機能的集団ではないが,家族,その生活の場である家庭は,そこにしか 生きる道を保障されていない幼児にとってほ,おとなに対するそれとは異なって決定的意 味をもっていることはいうまでもない。家庭は単に生理的欲求が充足される場であるだけ でなく,社会的存在にまで形成される社会的学習が展開される場なのである。第一次集団 の典型としての家族ほ何よりもまず親と子が生活を共にする場であり,そこに展開される 全面的,直接的相互作用過程を通じて子どもほ社会化されていく。わが子をこんな子ども. にしたいといった目的を自覚しての意識的な働きかけ,これは子どもの人間形成にとって 極めて重要なものでほあるが,これをしつけ,教育というならば,子どもはこうしたもの によってのみ形成されるものではない。家庭の中でどんな人間関係をとり結び,どんな相. 互作用をしているか,そうした生活の全体が,つまり親の生き方,生活態度そのものが子 どもに反映される。子どもは親をモデルとしてその行動様式を取りこんでいるのである。 総ての親は,子どものしつけ・教育の担当者としての役割行動と,そうしたものを自覚し. ないいわば1個の生活者としての行動を合せもつ存在である。両者ほ相互規定的関係にあ り,このダイナミックスにおいて社会化が展開されるのであるから,家族における社会化. を問題にする場合,しつけ・教育といった意識的働きかけの側面だけでなく,子どもの生 活の場,そこでの経験のあり方の総体が問われねばならない。とほいうものの社会化過程 における後者の効果を具体的な形で解明することほ極めて困難で,この調査においてもウ ェイトは前者に置かれているのであるが,問題意識としては後者を無視するものでない, それどころか極めて重視していることをつけ加えておきたい。. 都市の特徴の一つとして核家族率の高さがあげられる。夫婦と末姫の子女よりなる家族 という核家族の定義が示しているように,核家族は子どもから見ての祖父母を含まない。 また核家族の孤立ということがよくいわれるが,都市の核家族は血縁的にも地縁的にも他 とほとんどつながりをもたず,ばらばらの形で孤立している。このような状況のもと,千. どものしつけ・教育の全責任ほ両親が負わなければならない。子どものことに関して両親 が責任をもつということほ当然なことであるが,相談相手としての祖父母が不在であり,. 73.

(3) 74. 野. 庭. 義. 行. 且つ家族が孤立しているので,育児経験のない両親にとつて子どものしつけ・教育ほ大変. な仕事である。家事の電化等に伴なってかなりの時間的ゆとりをもつ母親ほ関心を子ども に集中し,時には過保護,時には期待過剰と呼ばれる現象を惹起している。一方職業をも. つ母親ほ,子どもの面倒を十分見てやれないということに負い目を感じている。育児不安 ということばがあるが,こうした状況のもとで育児経験がなく且つ相談相手をもたない若 い母親ほ,自分のやっていることに絶えず不安を感じているのではなかろうか。 住居と職場の分離ほ都市の著しい特徴である。人口の集中化現象ほ住宅地を郊外へと追 いやった。住居と職場の距離は益々拡大しつつある。こうした状況のもと子どもと父親と の接触は不十分となり,日常的なしつけ・教育ほそのほとんどを母親が担当するところと なっているというのが一般的傾向である。子どものしつけ・教育の主たる担当者が母裁と. いうことは,特に今日的現象とほいえないが,特に幼児の場合,しつけ・教育の方針の決 定権をも母親が掌中におさめつつあることほ注目に値しよう1)。しつけ・教育の主たる担 当者である母親ほ,幼児のしつけ・教育についてどんな考え方をもち,子どもにどう対応 しているのだろうか。その対応の仕方に自信をもっているだろうか。子どものどんな行動 を問題行動と考え,それにどう対処しようとしているか。. 情報化社会ということばが示しているように,情報が氾濫していることも今日の社会の 大きな特徴である。子どものしつけ・教育についての情報も例外ではない。テレビ・新 聞・雑誌などのマス・メディアほ育児に関する情報を絶えず流している。こうした情報ほ, 母親が子どもに対処するさいに何かと役立つ事柄を多く含んでいると考えられるが,母親. はこうした情報から得たものを実さいにどの程度取り入れているのだろうか。それとも, そうした情報ほ単なる知識のレベルに止まり,母親が実さいに子どもに対応するやり方は, 母親自身が自分の親から受けたしつけ・教育のあり方をよりどころとしているのだろうか。 親から受けたしつけ・教育についての考え方,また実さいのあり方に基づいて子どものし つけ・教育を行なう,これをしつけ・教育における世代間の連続性と呼ぶなら,こうした しつけの連続性はどの程度みられるのだろうか。. 今日の社会は変化の著しい,また刺激の多い社会である。こうした状況に生まれ育って いる子どもの成長にどんな特徴が見られるだろうか。成長の加速現象ということがいわれ るが,体力・運動能力に関してほいろいろと問題が指摘されているが,体位に関してほそ の成長は著しい。また今日でほ,たいていの子どもは就学前にひらかなの読み書きができ るようになるといわれているが,テレビ等の影響によるところ大であろうが,このことは かつての子どもに比べて進歩の著しい事柄の一つといえよう.子どもの成長ほどんな領域 で著しく,どんな領域で遅れているか。その実態を母親はどう受け止め,どのように対処 しているだろうか。. こんな子どもになってほしいという期待に基づく子どもへの意識的働きかけがしつけ・ 教育であるが,しつけ・教育の主たる担当者としての母親の理想的な子ども像とほどんな ものだろうか。そこにはどんな特徴が見出されるだろうか。 以上のような諸点を明らかにすることがこの調査の目的といえるが,こうしたことを通.

(4) 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態. 75. じて今日の都市家庭における幼児教育の問題点をさくやり,幼児教育の科学のための何らか の指針を得たいと!頭っている。. Ⅱ. 調. 査. 方. の. 法. 1)調査内容 調査票は26の質問項目から構成されている。それらの質問境目ほ内容的に次のように 分類される。. 1)両親の年令・学歴・職業,子どもの性・年令・出生順位,祖父母の有無など,被調 査者の属性に関するもの11境目 2)しつけ・教育における世代間の連続性に関するもの. 9項目 3項目. 3)望ましい子ども像,千-の進学期待に関するもの 4)子どもの問題状態・問題行動に関するもの. 2項目(下位項目. 57). 5)子どもがひとりでできる行動の発達状態に関するもの1項目(下位項目45) (調査内容の詳細については調査票を参照されたい). 2)調査方法・質問祇法. 調査の方法としてほ質問紙法を用いた。質問頭目のほとんどほあらかじめ用意された回 答の中から該当するものを選択するという多肢選択法をとっている。 調査票ほ,幼稚園・保育所を通じて配布・回収した。母親は子どもが持ち帰えった調査 票を誰れとも相談せずに記入し,封筒に入れて幼稚園・保育所に持参させるという方法を とった。. 3)調査期日 1)予備調査. 昭和46年4月15. 2)本調査. 昭和46年5月10-31日. 日. 4)調査対象 調査対象ほ幼稚園・保育所に幼児を送っている母親で,これを子どもの性別・年令別に 示したものが第1表である。なお,調査票配布数ほ1,080,回収数ほ865で回収率は80.1 第1表 \. 子どもの性. 園. \. \. 調. 象. 計. 男. 女. 不明. 幼稚園. 5. 336. 309. 4. 14. 保育所. 2. 103. 104. 5. 34. 7. 439. 413. 9. 48. 計. 対. 子 ど も の年令. 数. \. 査. 3才. 4才. 5才. 6才. 116. 421. 87. 29. 115. 145. 536. 不明 ll. 649. 29. 5. 212. 116. 16. 861.

(5) 野. 76. 義. 垣. 行. %であった。しかし無記のものが4部あり,それらは廃棄したため有効数は861となっ た。. 結果と. Ⅱ. その分析. 1.被調査者の属性 ここでほ被調査者の属性とでも呼ばれるべきもの,両親の年令・学歴・職業など,子ど もの出生順位・きょうだい数,さらにほ祖父母の有無などについてとりあげる。 1)両親の年令 幼稚園・保育所別に両親の年令を示したものが第2. ・3表である。まず母親の年令につ いてみると,幼稚園・保育所とも31-35才台の割合が高くなっているが,幼稚園でほ年 令の高い方に,保育所では低い方に傾斜している。父親の年令についても同じ傾向が認め られる。母親の年令と父親の年令とをクロスさせたものが第4表であるが,両親の年令構 成は同年輩か,父親の方がやや年令が高いことをはっきりと示している.これほ一般的な 夫婦の年令差を考えれば当然のことであろう。 なお,上に掲げた表を含めて以下表として示したものほ,そのほとんどがX2検定の結 果P<0.01水準で統計的有意差が認められたものであることを付記しておくo 2)両親の学歴 同じく幼稚園・保育所別に両親の学歴を示したものが第5・6表である。母親の学歴, 幼・保とも「高女・新高+というものが半数を占め,次いで義務教育段階というのが高い。 幼・保問にはほとんど差ほ認められないが,傾向としては幼の母親の学歴の方がやや高い 第 2表 、. \. 25才以下. 幼稚園 保育所. 計. 9 1.4. 10 4.7 19 2.2. 26′- 30. 31′- 35. 181 27.9. 37.7 261. 25才以下. 幼稚園 保育所 計. 3. 26-30. 0.5. 59 9.1. 2. 0.9 5. 85. 0.6. 18.5. 81 38.2. 28. 3. 壬 41-45. 表. 31′-35. 238. 46才以上. 26. 2. 4.0. 13.2. 148 17.2. 44.3. 第. \. 46.2. 381. 30.3. 36-10 120. 300. 80. 母親の年令. 0.3. NA ll 1.7. 計 649 100.0. 12 5.7. 0. 1. 212. 0. 0.5. 100.0. 38. 2. 12 1.4. 861 100.0. NA. 計. 4.4. 0.2. 父親の年令 36′-40 231. 41. ′-. 45. 76. 46才以上 17. 25. 649 100.0. 36.4. 35.6. ll.7. 2.6. 3.5. 26. 98. 46.2. 56 26.4. 18 8.5. 6. 12.3. ≡.81 …諾.o. 94 10.9. 23. 9.9. 336 39.0. 287 33.3. 2.8. 2.7. 31. 3.6. 861 100.0.

(6) 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態 第. 表. 4. 母親の年令×. 父親の年令. \. 26′- 30. \125才以下r 25才以下 26-. 5. 68 26.1. 0 o. 31. ′-35. 36-40. 41 メ-45. 46才以上. 岳 36-40. ll 57.9. 26.3 0. 30. 31-35. 【. 5. 41-45. 計. 46才以上. 3. 0. 0. 0. 0. 15.8. 0. 0. 0. 0. 145 55.6. 38. 5. 1. 14.6. 1.9. 0.4. 23 6.0. 4 1.0. 178. 162. 1.3. 46.7. 42.5. 1. 10 6.8. 83 56.1. 43. 6. 29.1. 4.1. 22. 10. 57.9. 26.3. ㍗-≒ 】 0. 0.7. 0. 0. 0. 0. 0 0. 4 10.5. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0 0. 19 100.0 261 100.0. 】9. 381 100.0. 卜-ぺ三 143. 100.0. 2 5.3. 2 100.0. 38. 100.0. 0. 2. 0. 100.0. NA. 12 5. 計. 85. 第 小・高小 新. 中. _1”J. 94. 287. 表. 5. 861. 母親の学歴. 旧高女 新 高. 大 学 大学院. その他. 【.  ̄ ̄Ⅶ ̄. 幼稚園 保育所 計. 207. 342. 21 3.2. 5. 52.7 107 50.5. 7 3.3. 8. 31.9 74. 34.9 281. 449. 32.6. 28. 52.1. 3.3. 0.8. 3.8 13 1.5. 5 2.4 22. 2.5. 父親の学歴. \ 幼稚園 保育所. 小・高小 新 中 159. 旧. 中. 旧. 新. 高. 短. 高 大. 大 学 大学院 173. 24.5. 26.7. 43 25.0. 40. その他 5. 0.8. 18.9. 計. といえよう。父親の学歴についてみると「旧中・新高+というもの幼の35.9%に対し保 でほ44.3%,. 「大学・大学院+でほ幼の26.7%に対し保では18.9%で,幼稚園に子ども. を送っている父親の学歴の方が高いといえる。母親の学歴と父親の学歴とをクロスさせた.

(7) 78. 野. 垣. 義. 行. ものが第7表であるが,両親の学歴ほ同程度か,父親の学歴の万が一段階高いことを示し ている。. 3)父親の職業. 「農林漁+の割合が極めて低いが,これは横. 父親の職業を示したものが第8表である。 浜市という地理的条件を考えると当然であろう。 「事務職+, 「商工サービス+,. 「労務職+が最も高く,次いで「管理職+,. 「専門職+と続いている。幼・保の差に注目すると,. 「管理職+. 「事務職+幼の12.6%に対し保では18.4%とかなり. 幼の20.2%に対し保では11.8%,. 「管理職+で幼が高いと. の差が認められるが,これ以外でほほぼ同じ割合を示している。. いうことは,先に父親の学歴で見たように,幼の方が学歴が高かったことを反映している と見てよいのでほなかろうか。このことは第9表によって裏づけることができよう。これ 「管理職+というもの,学歴 ほ父親の学歴と父親の職業とをクロスさせたものであるが, が高くなるはどその割合は高くなっており,. 「大学+では「管理職+というもの42.3%に. ものぼっている。 第 \. 小・高小 新 中. \ \ \. \. 新. 旧高女. 高. 旧. 高. 短. 86 30.6. 大. ll 16.2. 2. 1. 3.6. 212. 4.3. 19.1. 5. 0 0. 1. 0. 327. ⊆. 第. 8. F:<∼. 農林 商工サー 自由果管理職 漁業 ビス業. 幼稚園 保育所 計. 3. 21. ×. 大 学 大学院. 4.4. 68 100.0. 0 0. 0 0. 28 100.0. 2 15.4. 0 0. 100.0. 89.3 1. 7.7. 0. 58. 213. 表. 父親の職業. 25. 22. ll.8. 10.4. 39 18.4. 116 13.5. 30 3.5. 121 14.1. 13. 20. 22. 45. 861. NA. 無職. その他. 30.5. 7 1.1. 21 3.2. 63 29.7. 3 1.4. 10 4.7. 9. 蒜㌻T. 4.2. 100.0. 31 3.6. 40. 労務職 専門職⊆事務職. 89 10.3. 449 100.0. 3. 4.2. 18.1. 13 2.9. 0. 9. 156. 100.0. 0. 13.2. 7 0.8. 281. 3.2. 37 54.4. 28. 1.9. 9. 0.7. 82 12.6. 4. 計. 29.4. 67 10.3. 131. 3. 132. 20.2. 88 13.6. NA. その他. 17 6.0. 3.2. 0.5. 父親の学歴. 25. 0 0. 38.5. NA. 計. 12. 13. 5 38.5. その他. 大. 35 7.8. 7.1. 大 学 大学院. 高. 221 49.2 4 5.9. 旧高専 短. 中. 新. 55+5. 中. 新. 旧. 156. 小・高小. 母親の学歴. 表. 7. 198. 261. 30.3. 10 1.2. 31 4.8. 4.6. 計. 至芸呂10 l 861 100.0. l.

(8) 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態 第9. L<. 表. 父親の学歴×. 農林 商工サー 自由業 管理職 専門職 事務職 漁業 ビス業. 父親の職業 労務職. 無職. その他. NB. 汁. 】. 小・高小 中 新. 4. 26. 6. 1.9. 12.3. 2.8. 旧. 中. 2. 新. 高. 0.6. 58 17.7. 7 2.1. 旧. 高 大. 0 0. 6 10.3. 2. 短. 1. 0.5. 20 9.4. 0 0. 1. 16.7. 大 学 大学院 その他 NA. 8.8. 60 18.3. 98 30.0. 6 1.8 0 0. 4. 13 22.4. 12. 7. 13. 20.7. 12.1. 22.4. 15 7.0. 90 42.3. 35 16.4. 42. 3. 1. 19.1. 1.4. 0.5. 0 0. 1. 2. 16.7. 33.3. 3.4. 0 0. 0. 3. 10. 1.4. 33. 共稼ぎ 57. 3. 64.6. 10.1. 第10表. 幼稚園. 137. 3.8. 43. ri諒. 7. \. 8. 13.1. 0. 計. 7 3.3. 6 2.8. 121. 4.7 15. 5. 212. 2.4. 100.0. 5. 327. 4.6. 100.0 1. 58 100.0. 2. 4. 213. 0.9. 這l 1.9. 100.0. 0 0. 6 100.0. 6.9. 2. 0. 33.3. 0. 0 0. 8. 0. 0. 261. 10. 45 861. 母親の就労状況 パート・タイム. 73 ll.2. 主. 婦. 439 67.6. 44 20.8 101 ll.7. 119 13.8. 4)母親の就労状況 母親が収入を得るための仕事をしているかどうかということは,家庭生活のあり方,特 に家族の人間関係にとって大きな意味を_もっている。特に子どもが幼児の場合,母親が働 いている間,子どもの世話をどうするかということは母親にとっても大きな問題である。. 母親の就労状況を,共稼ぎ,内職,パート・タイム,それと何も仕事をもたない母親を 主婦として示したのが第10表である。まず全体の傾向について見ると,何も仕事をもっ ていないという母親-主婦は紛59%で半数以上にのぼっいる。昭和43年7月に筆者が. 同じく横浜市で行なった小学校5年生と中学校2年生とその母親を対象として行なった調 査結果によると,. 「主婦+率ほ小で44%,中で36%と子どもの年令があがるにつれて低. 下する,したがって何らかの仕事をもっ母親が増加することを見た2)。そしてこれほ子ど もの世話に手がかからなくなったことが,こうした結果をもたらした一つの重要な要因で あろうと指摘しておいたが,子どもが幼児の場合, 「主婦+率が59%という上の結果ほ, 先の解釈の正当さを示すものといってよかろう。 母親の就労状況は幼・保間で極めて大きな差が認められる。. 「主婦+というもの,幼の.

(9) 野. 80. 義. 垣. 行. 約67%に対して保では約34%と極めて低い。ということは,保育所で仕事をもつ母親が 多いということを示すものであるが,これほ保育所が「保育に欠ける+子どもを収容する 児童福祉施設の一つであるというその制度的性格から当然なことであろう。 母親の学歴と母親の就労状況とをクロスさせたものが第11表である。この表で特徴的 なことほ,学歴が「大学+という母親の約36%が「共稼ぎ+と答えていることである。 彼女たちほ収入もいいであろうし,自分の専門が生かせることから職業婦人として生きる 「大学+という. ことに誇りをもっているのであろう。事実,表としては示さなかったが, 母親でほ「専門職+についている者の割合が25%と他に比して高かった。. 「農林漁+. 父親の職業と母親の就労状況とをクロスさせたものが第12表である。. ・. 「商工. サービス+・「自由業+で「共稼ぎ+という割合がその順で高いが,これはこれらの職種が 自営的なもので,母親もこれに協力するということからこうした結果となったのであろ う。特徴的なことは,父親の職業が「専門職+で「共稼ぎ+がかなり高いということであ る。このことほ既に見たように,両親の学歴の相関が高かったこと,母親の学歴と「共稼 ぎ+との関係,特に「大学+の場合高かったこと,それからこれは表としてほ示していな いが,母親の学歴と父親の職業をクロスさせたところ,母親の学歴が「大学+の場合,父. 親の職業が「専門職+というのが46.4%と高い割合を示したのであるが,こうしたこと 「内職+ほ「労務職+で, 「パート・タイム+ほ「事務職+ を反映していると見てよかろう。 で高くなっている。 「主婦+は「管理職+で約81%と最も高いが,これは,父親の収入に っいての設問がないのでほっきりしたことほいえないが,収入に恵まれているため,母親. が収入を得るた糾こ仕事をする必要のないことを物語るものと見てよかろう。 5)両親の生育地. 「子ども時代を主. 第13・14表ほ,地域類型として都市・郊外・いなかの3つを挙げ,. にどこで過したか+という問に対する反応を示したものである。まず母親の生育地から見 第11表. ⊆共稼ぎ. \ 小・高小 新 中. 27 9.6. 旧高女 新 高. 56 12.5. 母親の学歴. 内. 職. Eパート・タイム. 48 17.1. 43. r. 54. 28. :. 12.0. 6.2. 9. 3 4.4. 15.3. l. 旧高専. 短. 大. 大 学 大学院 その他. ≡.8弓. 13.2. 10 35.7. 8 仰J. NA. 計. 2. mーt 101. i. 母親の就労状況 婦. 主. 計. NA. 145 51.6. 18 6.4. 281. 2692.o i. 21. 449 100.0. 42. 61.8. ∼. 4.7 8 ll.8. 1. 0. 16. 1. 3.6. 0. 57.1. 3.6. 4. 3. 5. 30.8. 23.1. 38.5. ll. 1. ×. 1 7.7. 78. 510. 68. 52. 】. ∼竺ヱJ ≡ 12.8... 13 100.0 22. 12 119. 100.0. 861.

(10) ていこう。全体でほ となっている。幼・. では幼の方が高く, 向が認められるが,. れとをクロスさせたものであるが,そこには生育地の類型を共にする者同志の結合がはっ 「いなか+を生育地とする きりと認められて面白い。つまり「都市+を生育地とする老, 老同志の結びつきがそれぞれ約61%,. 62%といった具合である。ここでほ表としてほ示. 第12表. \. 父親の職業×母親の就労状況. 農林漁業. 4. 1. 57.1. 14.3. 3 10.0. 1. 12 40.0. 30 100.0. 5. 17. 6. 3.2. 10.9. 3.8. 126 80.8. 156 100.0. 13. 10. 5. 14.6. ll.2. 5.6. 59 66.3. 89 100.0. 6.0. 自 由業. 10 33.3. 専門職. 3.3. 16 13.2. 20. 71. 121. 事務職. 16.5. 58.7. 100.0. 労務職. 59 22.6. 36 13.8. 147 56.3. 261 100.0. 無. 3 30.0. 職. 1. 2. そ の他. 6.5. NA 101. 計 第13表. \. 119. 5. 0. 50.0. 0. 10 100.0. 23 74.2. 0 0. 31 100.0. 17. 21. 40. 510. 53. 861. 第14表. 母親の生育地. 都市l郊外lいなか. NA. l 8. 幼椎園. 260 40.1. 雪喜.ol 3左….7. 保育所. 67 31.6. 292.81 1慧.10.5. 計. 0 0. 49 42.2. 7. 38.8. 管理職. 1 14.3. 1 14.3 3 2.6. 45. ビス業. 商工サー. 婦. 主. 共稼ぎ. 1.2 1. 計. \. 都市. 649 100.0. 幼稚園. 212 100.0. 保育所. 4去….5 冒..l翫o l字書.。E 332岩..l. 計. 290 44.7 55. 25.9 345 40.1. 父親の生育地. 郊外いなか. NA. 計. 25. 649 100.0. 6. 212 100.0. 31. 861 100.0. 6岩.6I 2左誓.9 3.9 芸3o.31 12喜.9 2.8 3.6 3雲2・1 1冒….2L.

(11) 82. 野 第15表. 義. 行. さないが,生育地と学歴の間にかなりはっ. 母親の生育地×父親の生育地. きりとした相関が認められ,両親とも「都. \. 都市. 郊外rいなかNA. 都. 市. 200 61.2. 盲 ̄il㌻. 郊. 外. 31. 29.0 112. いなか. 26.8. NA. 計. 計. 12. 6.7【. 28.4. 3.7. 46 43.0. 27. 3. 25.2. 2.8. 36 8.6. 26 0 6 2.2. 1. 0. 345. 市+を生育地とする者ほど学歴が高く,. 327 100.0. 「いなか+において低かったことを指摘し ておく。. 107 100.0. 10. 6)子どもの出生順位・きょうだい敦. 418 100.0. 2.4. 子どもの出生順位を男女別に示したもの. が第16表であるが,. 「長男+あるいは「長. 女+というもの,それぞれ38.1%,. 38 0. 38.0. %で計76.1%と極めて高く,ほとんどの 子どもの家庭における地位は長男か長女ということになる。幼・保間に若干の差ほ認め. られるものの同じ傾向を示しているといえる。このことは何よりもまずきょうだいの数が 少ないことを示すものであろう。この点を明らかにしているのがきょうだい数を示した第. 17表である。きょうだい数2人というのが約63%. と過半数を占め,これにひとりっ子 を加えると約77%と極めて高い割合を示している。さきにふれた昭和43年の調査によ ると,きょうだい数2人以下というもの小で64.4%,中で40.6%であったが8',幼児を 対象とした今回の調査はこれを大幅に上回っている。両親の年令がまだ若いことから,き ょうだい数はまだふえることが予想されるが,それにしても大幅な増加ほ期待できず,き. ょうだい数の減少をここからも読みとることができよう。幼・保を比較すると,ひとりっ 第16表. 子どもの出生順位. 】. \. \. 幼稚園. 長男. 次男. 250 38.5. 76. 78 36.8. 保育所. 328. 計. 38.1. 三男. ll.7. \. 幼椎園 保育所 計. 次女. 243 37.4. 56. 1 0.5. 25 ll.8. 101 ll.7.. 0. 1.2. き. 3人. 409 63.0. 128 19.7. 62.3 541 62.8. 31. 14.6 159 18.5. ょ. NA. 9. 0. 4. 649. 1. 0. 0.6. 100.0. 0. 2. 0.9. 4 1.9. 212. 0. 8. 861 100.0. 8.5 74. 38.0. 2人. 132. 18. 327. 10. 四女. .4. 84 39.6. 0. 三女. 8.6. ・. 第17表 \. 長女. 8.6. 0.9. う だい数 5人. 6人以上. NA. 計. 5. 0. 3. 649. 2.5. 0.8. 0. 0.5. 100.0. 6 2.8. 1 0.5. 3 1,4. 2 0.9. 212. 6 0.7. 3. 5. 0.3. 0.6. 16. 22. 2.6. 100.0. 100.0.

(12) 83. 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態. 子の割合が保でやや高く,きょうだい数3人というのが幼でやや高いというように,きょ うだい数は幼の方がやや多いといえそうであるが,その一つの要因として,第2表で見た また第10. ように,保の母親の方が幼の母親よりもやや若いということがあげられようo. 表で陳の母親の方に仕事をもっている母親の割合が高いことを見たが,仕事を続けるため に出産を制限しているためかもしれない。. 7)祖父母の有無. 祖父母が共に生活するということは,家庭生活のあり方,特に子どものしつけや教育に 大きな影響を与えずにはおかないだろう。さきにもふれたように都市は核家族率の高いこ とをその特徴の一つとしているが,横浜市における幼児をもつ家庭の核家族率ほどの程度 だろうか。祖父母の有無を示したものが第18表である。祖父母ともに「いない+という のが全体で約68%となっている。先にふれた昭和43年調査ではこれが約78%と高くな っていたが4',これは幼児をもつ両親の場合,その親つまり子どもにとっての祖父母はま だ若いことがこうした差をもたらしていると見てよいのではなかろうか。幼・保を比べる. と,保の方が核家族率が高いが,このことが仕事をもつ母親のもとでいわゆる「保育に欠 ける+という状況をもたらし,したがって子どもを長時間保育をしている保育所へ送るこ 祖父母の有無(同居). 第18表 祖. いない. 保育所. 163 76.9. 計. 583 67.7. 第19表. 内. 86 13.3. 97 14.9. 26. 3.1 3 1.4. 15 7.1. 21 9.9. 10. 101 ll.7. 118 13.7. 36. 23 2.7. 父. 祖. 祖. 649 100.0. 4.0. 212 100.0. 4.7. 861 100.0. 4.2. ×祖父母の有無 母. 祖父母. NA. 計. 51 50.5. 6. 24. 17. 3. 101. 5.9. 23.8. 16.8. 3.0. 100.0. 97 81.5. 1 0.8. 8 6.7. 7 5.9. 6. 119. 職. 5.0. 100.0. 55. 2. 8. 6. 7. 70.5. 2.6. 7.7. 9.0. 棉. 計. &・1. NA. 祖父母. ぎ. パート・タイム. NA. 母. 母親の就労状況. いない. 稼. 祖. 20. 420 64.7. 共. 父. 354. 10.3. 13 2.5. 49. 26. 1. 583. 23. 69.4. 77. 17. 78. 100.0 510. 15.1. 3.3. 12. ll. 3. 53. 101. 118. 36. 861. 9.6. 100.0.

(13) 84. 義. 垣. 第20表. \. いない. 都. 市. 郊. 外. いなか NA. 計. 父親の生育地. 祖. 206 59.7 63 60.0 298 78.4. 父 12 3.5. 祖. 母. 行. 阻父母の有無. ×. 祖父母. NA. 計. 56 16.2. 65 18.8. 6. 12 ll.4. 21. 5. 3.8. 20.0. 4. 6 1.6. 26 6.8. 4. 16. 27. 7.1. 1. 23 6. 345 .7. 100.0 105. .8. 100.0 380. .1. 100.0 31. 7. 583. 23. 101. 118. 36. 861. とを結果としているといえる。 第19表は祖父母の有無と母親の就労状況とをクロスさせたものであるが,. そこには興. 味深い傾向が見出される。祖父母が「いない+という家庭,これが一般的で,. したがって. 母親の就労状況ではそれぞれにおいて高い割合を示しているが,それでも「共稼ぎ+とい うのは相対的に低い。これに対し「祖母+というものでほ「共稼ぎ+, タイム+はそれぞれ23.8%,. 6.7%,. 「内職+, 「パート・. 10.3%で,母親が家の外に働きに出かけやすいこと. を示している。一方「祖父+でほ「共稼ぎ+というのはわずか5.9%で,おじいさんほ孫 の世話とか家事に,つまり母親の代理としてはあまり役立っていないことがうかがわれ る。. この祖父母の有無にほ両親の生育地との相関が認められた。わが国でほ同居の場合,父 方の親との同居が一般的であるので,父親の生育地とクロスさせたものを示しておこう。 これが第20表である。生育地を「都会+とするもの,必ずしもそれが横浜を意味するも のでほないが,横浜に育ち現在横浜に住ん七いる老も多いと予想される。したがって親と 同居という結果になるチャンスは大きいわけである。これに対して「いなか+という者ほ そこから横浜に出てきたわけで,その結びつきは弱いといわざるをえない。. 2.しつけ・教育における世代間の連続性 家庭における子どものしつけや教育についての考え方,方針やその具体的なあり方が時 代とともに変化しできたことは事実である。と同時に,親から受けたしつけや教育が,自 分の子どものしつけや教育のあり方と無関係でほないということもまた事実である。しつ けや教育に関して,親の自分に対するあり方が大変望ましいものであったので,わが子に 対して同じ考え方やり方でのぞむというものから,いやな思い出しか残っていないので, そんな思いはわが子に味あわせたくない,したがって自分が受けたものほ異なる方向・や り方でわが子に対応するというものまでその幅は広いが,ともに親からの影響をまぬがれ てはいない。既にふれたように,情報化社会のもと,今日子どものしつけ・教育について の情報は多種多様で,その気にさえなれば,そうした情報をいくらでも入手し,実践する.

(14) 85. 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態. ことも可能である。親は,わが子のしつけや教育を行なうさいその基盤を何に求めている のだろうか。自分が親から受けたしつけや教育のあり方を肯定的に受け止め,その方向で わが子のしつけや教育をする,これをしつけや教育における世代間の連続性と呼ぶならば, こうしたしつけの連続性はどの程度認められるのだろうか。. しつけの連続性という場合,父親と母親がそれぞれ別の立場で,自分が親から受けたも のに基づいて子に対応するということも含まれるが,しつけの一貫性,効果ということか らすれば,両親問に意見の一致,意志の統一があることが望ましいことはいうまでもない。 そこで,まずしつけの連続性の基盤として,しつけや教育のことについて両親間でどの程 度の話し合いが行なわれているか,ということから問題にしよう。 1)両親間の話し合い 両親(夫婦)問で子どものしつけや教育についてどの程度話し合っているか,父親ある. いは母親自身が親から受けたしつけや教育についての考え方とかやり方がどの程度話題に なっているか,という問に対する結果を示したのが第21・22表である。まず第21表か ら見ていこう。これは客観的基準に基づく話し合いの程度の分額ではなく,母親が自分た. ちの話し合いの程度を主観的にどう受け止めているかを示すものである。全体の64%の 85%となり,かなり. 母親が「時々する+と答えており,これに「よくする+を加えると. 話し合いが行なわれている実態がうかがわれる。しかし「あまりしない+というものも約 14%ある。これは,話し合いの必要性を感じていないためか,感じていてもできないのか その点何ともいえないが,しつけの一貫性,効率化のためにももっと積極的に話し合って 子どものしつけや教育のことについてどの程度話し合っているか. 第21表. よくする 幼. 稚. 園. 保. 育. 所. 13.4. 言.1I. 649 100.0. 35 16.5. 140 66.0. 33. 4. 212. 15.6. 1.9. 100.0. 園. 保. 育. 所. 計. 551. 64.0. 120 13.9. ll. 1.3. 861 100.0. 親から受けたしつけや教育についての考え方とか やり方がどの程度話題になっているか なる. 稚. 計. 87. よく話題に. 幼. 竺_”_ I. 411 63.3. 179 20.8. 第22表. あまりしない. 22.2. 144. 計. 時々する. 時習賢こLe差邑雷管 NA. 116 17.9. 322. 29. 108. 13.7 145. 16.8. 49.6. 50.9 430 49.9. 計. 31.3. 1.2. 649 100.0. 72. 3. 212. 34.0. 1.4. 100.0. ll 1.3. 861 100.0. 203. 275. 31.9. 8.

(15) 86. 野. 転. 義. 行. もらいたいものである。. 幼・保間の差について見ると,ともに「時々する+が過半数を占めているとはいうもの の,. 「よくする+というものの割合は幼で高く,逆に「あまりしない+は保で高くなって. いることから,幼稚園に子どもを通園させている親の方がどちらかというとよく話し合っ ている様子がうかがえる。これには既に見たように,保の方に仕事をもつ母親が多く,時 間的ゆとりがないこともーつの要因として作用しているであろう。. そうした話し合いに,親から受けたしつけや教育についての考え方とかやり方がどの程 度話題になっているのだろうか。これを示したものが第22表である。約半数の母親が「時 「よく話題になる+という者も約17%いるが,. 々話題になる+といっている。. 「あまり話. 題にならない+という老が約32%と高く,全体の3分の1にのぼっている。だからとい ってこれらの家庭でほ親から受けたものが全然影響していないというのではなかろうが, わが子に対するしつけ・教育の原点として,自分たちが親から受けたものをもつと話題に のせることが望ましいのではなかろうか。幼・保を比較してみると,第21表で見たもの と同じ傾向がうかがえ,幼椎園に子どもを送っている家庭で親から受けたものが話題にな る程度がやや高いといえる。. 第21表と第22表をクロスさせたのが第23表であるo. この表を一見して明らかなよ. うに,子どものしつけや教育について話し合いをよくするほど,自分が親から受けたしつ. けや教育についての考え方とかやり方が話題になることが多いことが知られる。. 「よくす 「あま. る+と答えた母親でほ「よく話題になる+というのが約41%にものぼるのに対し, りしない+という母親でほわずか約2%にすぎない。逆に「あまりしない+という母親で. ほ「あまり話題にならない+というものが約74%と高いが, 14%と少なくなっている。. 「よくする+という母親では. 2)子どものしつけや教育にどちらの親から受けた影響が強く反映しているか. 子どものしつけや教育をする上で,父親あるいほ母親が自分の親から受けたしつけや教 育についての考え方とかやり方がかなり影響していると思われるが,どちらの親からの影 第23表. 子どものしつけや教育についての話し合いの程度 ×親から受けたしつけや 教育についての考え方とかやり方がどの程度話題になるか. よ く する. 時々する. よく話題に. 時々話題に. なる. なる. あまり話題 にならない. 81. 25. 0. 45.3. 14.0. 0. 73 40.8. 69 12.5 2 1.7. あまりしない. 319 57.9. 計 179 100.0. 2. 29.2. 0.4. 551 100.0. 89 74.2. 0 0. 120 100.0. 161. 29 24.2. NA. NA. 計. ll 145. 430. E. 275. ll. F. 861.

(16) 87. 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態 第24表. \. あなたが受けた 親からの影響 156 24.0. 幼稚園. 38. 保育所. 17.9. 194. 計. 22.5. 第25表 \. \. \. どちらの親からの影響が強いか. ご主人が受けた. どちらとも. 親からの影響. いえない. 59. 9.1. 281 43.3. 150 23.1. 18 8.5. 93 43.9. 61 28.8. 77 8.9. 374 43.4. あなたが受けた 親からの影響. ご主人が受けた. 親からの影響. どちらとも いえない. 41 28.3. 25 17.2. 時々話題に. 109 25.3. 41 9.5. 188. なる. あまり話題. 39. 10. 123. にならない. 14.2. 計. 3 0.5. 649 100.0. 2. 212. 0.9. 100.0. 5. 861 100.0. 211 24.5. 3.6. 62 42.8. 43.7. 44.7. 両親からの影響 はほとんどない. 0.6. NA. 計. 17 ll.7. 0 0. 145. 91 21.2. 1. 430. 0.2. 100.0. 102 37.1. 1. 275. 0.4. 100.0. 100.0. 1. NA. 計. NA. 親から受けたしつけや教育についての考え方とかやり方がどの程度 × 話題になるか どちらの親からの影響が強いか. よく話題に なる. 両方の親からの影 響はほとんどない. 194. 77. 374. 211. ll. 861. 響の方が強いだろうか。それをどう受け止めているか。その結果を示したのが第24表で ある。まず全体の傾向から見ていこう。一番反応の多かったのは「どちらともいえない+. というもので43.4%と半数近い。親からの影響を認めるものの,どちらの親というよう に決めるわけにはいかない,つまり影響の程度は大体同じというわけであろう。一方「自 分が受けた親からの影響+という母親ほ約23%で, 「主人が受けた親からの影響+の約9 %の2.5倍にのぼっている。同じ質問を父親にした場合,これと逆の結果が出るかもし れないが,すくなくとも母親が子どものしつけや教育をするのに母親自身が受けた親のそ れがかなり強く反映していることが知られる。ー「両方の親からの影響ほほとんどない+と いいきっている母親が全体の4分の1いるが,彼女たちは自分が親から受けたしつけや教 育にいい感情をもっていないのだろうか,それとも影響を受けているもののそれを自覚し ていないためこのように反応したのだろうか。. 幼・保を比較してみると,大体同じ傾向を示しているといえるが,、幼の方に「自分が受 けた親からの影響+を指摘する母親が多く,ちょうどその分だけ「両方の親からの影響は ほとんどない+という者が保で多くなっている。 これを母親の学歴別に見ると,学歴が高い母親ほど,親からの,特に自分の親からの影 響が強いといっている。またこれほ,第21表で問題にした子どものしつけや教育につい.

(17) 88. 野. 義. 垣. 行. ての両親間の話し合いの程度,第22表で問題にした親から受けたしつけや教育が話題に. なる程度と深い関係が見出され,両親間の話し合いが多ければ多い虚,また話題になるこ とが多ければ多い程,両親から受けたしつけや敦育の影響が強いことが知られた。第22 「よく話題になる+というもので. 表と第24蓑とをクロスさせたものが第25表であるが,. ほ「あなたが受けた親からの影響+と「ご主人が受けた親からの影響+を合せると約46 %にものぼるが,. 「あまり話題にならない+というものでは約18%と3分の1程度である。. これに対して「両方の親からの影響はほとんどない+という反応は,前者でほ約12%で あるが,後者でほ37%と逆に3倍になっている。 3)親から受けたしつけや教育がどの程度,またどんな点で影響しているか. 上で,子どものしつけや教育に自分の親から受けたそれの影響がかなり反映しているこ とを見た。ではどの程度影響していると母親はいっているのだろうか0. 「お子さんのしつ. けや教育にあなた自身が親から受けたしつけや教育がどの程度影響しているとお考えです 「影. 全体について見ると, 串ゝ+という質問に対する回答を示したものが第26表であるo 響している点もあるしそうでない点もある+というのが約58%と過半数を占めているが, 「非常に影響している+というのほ約5%と少. これが一般的な実態というところである。. ないのであるが,このことほ既にふれた核家族率の高さにうかがえるように,日常の生活 において,自分たちの親からの干渉から隔離された立場にあること,そしてまた,親から 受けたものそのままの受け売りでなく,自分なりのものを築きあげようとしていることを 物語るものと見てもよいのではなかろうか。. 「ほとんど影響していない+という者ほ約22. %とかなり高い。この22%という数値は,どちらの親からの影響が強いかを示した第24 表で,. 「影響はほとんどない+という老が約25%いたが,これと対応するとみてよかろう。. 表としては示さないが,第24表とここで問題としている第26表とをクロスさせた結果 を見ると,. 「両方の親からの影響はほとんどない+という者のうち,. という者ほ1.4%にすぎないが,. 「非常に影響している+. 「ほとんど影響していない+という者ほ49.3%にものぼ. り,両者の間に高い相関があることが認められた。. 幼と保を比較すると,大体同じ傾向を示しているが,. 「ほとんど影響していない+とい. うもの幼の約20%に対して保でほ紛28%と,そこにはかなりの差が見られる。. の親からの影響が強いか+という質問に対して, 第26表 \. 非常に影響. \. \. 幼稚園 保育所 計. している. 影響している点もあるし. はとんど影響. なんとも いえない. NA. 計. 127 19.6. 99. 5. 15.3. 0.8. 649 100.0. 59 27.8. 28. 1. 53.3. 13.2. 0.5. 212 100.0. 498 57.8. 186 21.6. 6 0.7. 861 100.0. そうでない点もある 385 59.3. ll. 113. 44. 5.1. 「両方の親からの影響はほとんどない+. 親から受けたしつけや教育がどの程度影響しているか. 33 5.1. 5.2. 「どちら. していない. 127. 14.8.

(18) 89. 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態 第27表. どんな点での影響が大きいか. \. \. しつけについての考え方. しつけの方法. 174. 幼稚園. 164 25.3. 26.8. 保育所. 方 219. NA. 計. 92. 33.7. 14.2. 649 100.0. 48. 50. 70. 44. 212. 22.6. 23.6. 33.0. 20.8. 100.0. 222 25.8. 計. 両. 214. 24.9. 289 33.6. 136. 861 100.0. 15.8. という者が保で高いということをさきに見たが,上の結果はこのことと無関係でなかろう。 祖父母の有無を問題にした第18表によると,核家族率,幼の約65%に対して保は約77% と高かったが,このことも上の結果に微妙にひびいているものと考えられる。 この境目,両親の学歴と密接に関連しており,学歴が高くなるほど親の影響が強いこと 「親から受けたしつけや教育が話題にな を認めている。また「両親間の話し合いの程度+, る程度+,. 「どちらの親からの影響が強いか+という項目との関連も深く,話し合いがよく. なされ,話題になることが多く,親からの影響を認めているものほど,子どものしつけや 教育に親からの影響が強いといっている。. でほどんな点で影響しているのだろうか。その結果を示したものが第27表である。ま ず全体の傾向であるが, 「しつけの 「しつけについての考え方+と答えたものが約26%, 方法・やり方+と答えたものが約25%とほぼ同率で影響していることが知られる。どち らか一方に決めかね「両方+と答えたものが約34%で最も高い。考え方とその具体的な やり方とほそう簡単に切り離してしまうわ桝こいかないものであるから,こうした結果に なったことは当然であろう。. 幼と保の間,細かく見た場合,. 「考え方+,. 「方法+とも幼の方がやや高いとか,幼では. 「考え方+を挙げている者が「方法+を挙げている老よりもやや多いのに対して保でほ逝 であるというように,両者間に差異を見出すことほできるが,傾向としては類似している といってよかろう。. NA. (無答)率が幼で約14%,保で21%と高いことが目につくが,. これは第26表で見たように「ほとんど影響していない+という老がかなりいたことを無 関係でほなかろう。. この項目,両親の学歴と密接に関連しており,学歴が高くなるほど「しつけや教育につ いての考え方+を指摘する割合が高くなった。親から受けたしつけや教育がどの程度影響 しているかを示した第26表と,この第27表とをクロスさせたものが第28表である。 「考え方+を指摘している者ほ約12%にす 「ほとんど影響していない+という老のうち, ぎないが, 「非常に影響している+という着では約39%と高くなっている。 えたものは前者の約15%に対して後者では約32%と同じ傾向を示している。 響している+と答えた者に関してNAは0であったが, う着では約48%と半数にものぼっている。. 「方法+と答 「非常に影. 「ほとんど影響していない+とい.

(19) 90. 野. 第28表. \. 垣. ての考え方. \. 行. 親から受けたしつけや教育がどの程度影響しているか, × どんな点での影響が大きいか しつレナについ. \. 義. しつけの方法. 17 38.6. 非常に影響している. 14. 145 29.1. 34.1. 計 0. 13 29.5. 31.8. 170. 影響している点もあるし そうでない点もある. NA. 両. 44 100.0. 0. 173 34.7. 10. 498. 2.0. 100.0. ほとんど影響していない. 22. 28. ll.8. 15.1. 47 25.3. 89 47.8. なんともいえない. 12 9.4. 27. 56. 32. 127. 21.7. 44.1. 25.2. 100.0. NA. 186 100.0. 0. 計. 222. 214. 289. 136. 861. どんな母親・父親でありたいか. 4). 自分の母親が素晴しい母親だったので自分自身そのような母親になりたい,あるいほ父 親が素略しかったので夫に対してそのような子どもの父親になってもらいたい,こうした. 願いをもち努力している母親がかなりいるであろう。これとは道に,両親についてあまり いい記憶がないので,自分たちはそれとはちがった親になりたいと思っている母親もいる だろう。自分の両親に親としての理想像を求め,そうなるべく努力する,わが子に対して 自分が受けたしつけ・教育と同じ考え方・やり方でのぞむ,そこにしつけ・教育における 世代間の連続性の典型を認めることができる。では現実の母親は,この連続性の観点から 自分自身どんな母親でありたいと思っているのだろうか,また夫に対してどんな父親であ. ってほしいと思っているのだろうか。その結果を示したものが第29・30表である。 まず選択肢について説明しておこう。 1ほ「あなたのお母さん(お父さん)のしつけや 教育のあり方がよかったので,そんな母親(父親)になりたい(なってほしい)+というも の,. 2ほ「あなたのお母さん(お父さん)のしつけや教育のあり方がよくなかったので,. そんな母親(父親)になりたくない(なってほしくない)+というもの,. 3は「なんともい. えない+というものである。第29表の全体の傾向から見ていこう。 第29表 \、. どんな母親でありたいか 1. -\J 幼稚園. 180 27.7. 保育所. 45 21.2. 計. 225. 26.1. NA. 2 40 6.2. 419. 20. 145. 9.4 60 7.0. 64.4. 68.4 564 65.5. 第30表 計. 10 1.5 2 0.9 12 1.4. どんな父親であってほしいか NA. 1. 649 100.0. 幼椎園. 212 100.0. 保育所. 861 100.0. 3の「なんともいえ. 計. 計. 66 10.2. 375 57.8. 26 4.0. 649. 28.0 50. 33. 15.6. 124 58.5. 5 2.4. 212. 23,6. 499 58.0. 31 3.6. 182. 232. 26.9. 99 ll.5. 100.0. 100.0 861 100.0.

(20) 91. 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態 1の「自分の母親のようにな. ない+という老が約65%と全体の3分の2を占めている。. 3の「そんな母親になりたくない+という者は7%と 「1+という者も 低い。どちらとも決めかねている者の割合が圧倒的に高いのであるが, りたい+という者約26%に対し,. かなりおり,親の影響が強いことを知るとともに,ここにしつけ・教育の連続性を認める ことができる。 幼と保を比べると,. 「2+ほ低く. 「3+が共に圧倒的に多く,次いで「1+が20%台,. 「1+. 10%に満たないというように全体の傾向ほ似ているが,もう少し詳しく見ていくと, 「3+ではそれぞれ3%低くなっている。 というもの幼は保よりも7%高く,逆に「2+, 決定的な差とはいえないが,傾向としては幼稚園に子どもを送っている母親の方に,自分. の母親のやり方に賛成している老が多いといえるo この項目, 「両親間の話し合いがよくなされる程,親から受けたしつけや教育が話題に なることが多い程,そして母親からの影響が強いという者程+自分の母親のような母親に なりたいという者の割合が高くなっている。第24表で問題にした「どちらの親からの影 「影響はほとんどない+とい 響が強いか+とこの第29表とをクロスした結果を見ると, う母親で「1+という老は14.2%であるが, 「自分が受けた親からの影響+という母親で. は「1+という者は43.3%にものぼっており,両者間の結びつきが強いことが知られる。 では父親についてほどうだろうか。子どもの父親として母親自身の父親像をそれぞれ求. める程度をたずねた結果を示したものが第30表である。傾向ほ第29表で見た結果と極 めて類似している。 3の「なんともいえない+という老が58%と過半数を占め,次いで 「1+という老が約27%で,. 「自分の母親のようになりたい+という割合と一致している。. 2の「自分の父親のようであってほしくない+という者ほ約12%で,第29表で見た2 の「自分の母親のようになりたくない+という老の7%をかなり上回っている。どうして このような差が生じたか不明であるが,母と娘の関係と父と娘の関係のちがいを物語って 「1+ほ幼で高 いるのであろうか。幼と保を比較すると,傾向としては類似しているが,. く「2+は逆に保で高くなっている。. 第31表. この項目,第29表のところで見たよう に, 「両親間の話し合いがよくなされる程,. ×. \ 、. \. 親から受けたしつけや教育が話題になるこ. 2. 3. 第29表と第30表とをクロスさせたも のが第31表である。. 「自分の母親のよう. な母親になりたい+という者の半数(50.2. † 2. 15. 22. 25.0. 46.7 46. 104. 8.2. 18.4. NA. 計. 232. i. F. NA. 29 12.9. 50.2. 高い程+,母親は自分の父親のような父親. なっている。. 1 113. とが多い程,そして親からの影響の程度が になってほしいと夫ケこ期待する割合が高く. どんな母親でありたいか どんな父親であってほしいか. 99. 73 32.4. 10 4.4. 計. i {.-. 1 1.7. 60 100.0. 若⊆. 1….3F苧告芸.o. 3. 7. 499. 31. 1. 【 861. %)ほ夫に対して「自分の父親のような父 親になってほしい+といっているが,. 12. 「そんな母親になりたくない+という着では「そん.

(21) 92. 野. 垣. 義. 行. な父親になってはしい+という者は前者の半分の25%と低い。道に「そんな母親になり たくない+といっている老のうち,その紛37%ほそ夫に対しても「そんな父親になって 「そんな父親になってほしい+という者ほ約13%で,前者. ほしくない+といっているが,. 「どちらともいえない+という老のクロス,つまり「3+と. のほぼ3分の1にすぎない。. 「3+ほ71%にものぼっている。どちらとも決めかねている老の割合が最も高いことほ事 実であるが,この表は次のことを物語るものであろう。つまり,自分が受けた母親のしつ けや教育のあり方を高く評価している者は,自分の父親のそれも高く評価している。逆に, 母親のしつけや教育のあり方に批判的な老ほ,父親のそれに対しても批判的であるという ことである。父親と母親ほ別個の存在であり,それぞれ役割を異にしていることは事実で あるが,両者は決して没交渉的でなく有機的に関連している,一方は他方を支え,両者の 関係がうまくいってほじめて親としての機能が円滑に果せることを考えれば,上の結果は むしろ当然のことといってもよかろう。 5)子どものLつけや教育を行なうさいに参考にするもの. 子どものしつけや教育を行なうさい,母親は何らかのものを参考にしていると思われる が,その状況ほどうだろうか。ここでほ具体的に何を参考にしているかということでなく, 参考にするものがあるのか,それとも特にそういったものはないのかといった一般的な傾 向,ことばを変えれば参考になるものを求める姿勢とでもいおうか,そうした状況につい て眺めてみよう。参考にするものの有無を示したものが第32表である。まず全体の傾向 から見ていこう。. 「特に参考にするものはない+という母親が約43%と最も高い割合を示. している。これほ参考にするものが全然ないということでほ勿論なかろう。むしろ,しつ けや教育についての情報が多すぎるので,その中から特にどれをというものが見あたらな. いというのが実態ではなかろうか。しかしまた積極的な姿勢に欠けるとまでもいわなくて も弱いことは事実であろう。これに対して「いろいろなものを参考にしている+という母 親は約34%で,全体の3分の1とかなり高い割合を占めている。そこにはよりよいしつ け・教育を求めたいという母親の積極的な姿勢がうかがえ,その点高く評価したいのであ るが,それらのものがどう取りこまれ,どう組み立てられてその母親独自のものがどう築 かれているか,その点不明で何ともいえないが,. ・家庭教育学級等を通じて多くの母親と接. した印象によると,主体的・創造的取り組みという点でほ不十分でなかろうか。こうした 第32表. \. \. 幼稚園 保育所 計. 参考にするものの有無. いろいろなものを. 特に参考にす. なりゆきにま. 参考にしている. るものほない. かせている. 230. 273. 134. 35.4. 42.1. 20.6. 66 31.1. 93 43.9. 296 34.4. 366. 42.5. NA. 12. 計 649. 1.8. 100.0. 52. 1. 212. 24.5. 0.5. 100.0. 186 21.6. 13 1.5. 861 100.0.

(22) 93. 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態 第33表. 子どものしつけや教育のことについてどの程度話し合って × 参考にするものの有無 いるか. いろいろなものを. 特に参考にす. なりゆきにま. るものはない. かせている. 参考にしている よ く する. 時々する. あまりしない. 99 55.3 169. 30.7 24. 20.0. L_ !. 計. 57. 22. I. 31.8. 12.3. O.6. 179 100.0. 8. 551. 47.2. 20.7. 1.5. 100.0. 46 38.3. 48 40.0. 2 1.7. 100.0. 260. 114. NA. 計. NA. 366. 186. 120. 2. ll. 13. 861. 面でのより積極的な取り組みを期待したい。一方「なりゆきにまかせている+という母親 も約22%と相対的に高く,そこには上にふれたような消極的な母親の姿の典型が見られ る。. 幼と保を比較すると,傾向としてほ類似しているが,. 「いろいろなものを参考にしてい. る+というものほ幼でやや高く,それ以外では道に保でやや高いという結果から,幼稚園 へ子どもを送っている母親の方が,子どものしつけや教育にいろいろのものを取り入れる 積極的な姿勢がやや強いと見てよかろう。 この項目,両親の学歴,千-の進学期待,両親間の話し合いの程度,親から受けたしつ けや教育のことが話題になる程度,親から受けたしつけや教育の影響の程度などと密接な 関係が認められ,それぞれの割合の高いものはど「いろいろなものを参考にしている+と いう割合が高くなる。参考までに「子どものしつけや教育について.の両親間の話し合いの 程度+ (第21表)とこの「参考にするものの有無+とをクロスさせたものを示すと第33 表の通りである。話し合いを「あまりしない+という着でほ, している+というのは20%であるが, 倍近くにほねあがる。これと逆に, い+でほ40%にものぼるが,. 「いろいろなものを参考に. 「よくする+という着でほこの割合は約55%と3 「なりゆきにまかせている+という老は,. 「あまりしな. 「よくする+では約12%と3分の1以下である。. 母親は子どものしつけや教育を行なうさい,具体的にどんなものを参考にしているのだ ろうか。いろいろな情報源の中で何が重視されているか。母親が参考にしていると予想さ れるものを8つあげ,最も参考にしているものに1,次に参考にしているものに2という ように,参考にしているものを重視している順に3位まであげさせた。その結果を各順位 ごとに整理して示したものが第34表である。 まず参考にしているものの第1位から見ていこう。総ての母親がこれを最も重視してい るというように反応が集中しているものは見あたらない。その中でも多くの母親が指摘し たのほ,ロの「ご主人の意見+で,これが約22%。これを指摘した母親が最も多かった ということほ,既に見たように核家族率が高く,家族の中にほ父親(夫)しか相談相手が.

(23) 94. 野. 第34表. 垣. 義. 行. しつけのさい参考にするもの 第1位. 、. \. イ. あなた自身が受けた耕のしつ けや教育. lコ. ご主人の意見 テレビ・ラジオで見たり聞い. 幼椎園 保育所 40. 146 22.5. 45 21.2. 191 22.2. 63. 32 15.1. 95 ll.0. 9.7. 育児書で読んだこと. ホ. 5.9. 婦人乗臣誌育児乗匡誌で読んだこ 34. 5.2. と. 家庭教育学級や幼児教育学級. -. 38. 30. 4.6. で学んだこと ト. チ. 幼稚園や保育所の先生の話 近所の奥さんたちの意見 NA. 計. 143. 22.0 2 0.3 56 8.8. 649 100.0. 18.9. 9 4.2 12 5.7 24 ll.3. 位. 2. 計】幼稚園保育所. 137 21.1. たりしたこと -. 第. 177. 20.6. 85. 23. 13.1. 10.8. 135 20.8. 87 13.4. 第. 位. 3. 計】幼稚園保育所【計 92. 1冒….5H….2 10.7 1冒.o』 35. 111 12.9. 33 15.6. 161 18.7. 墨字.2l l宴呂.91言雪.7 16.5 諾.oF 1至芸.3】 1誓言.7 355.4. 1苧.ll 5去.91. 宗信;. 14. ; 49. 18 8.5. 1苧.5E 564.3I 5壬.9. 54. 6.3. 41. 6.3. 5.7. 9.6芦. 69 8.0. 562... 1主.21 2左.21 ≡.。l …32.7. l芸昌.3E l…….4諾.of l雪….8 雪….。L …38.2巳111….4 …喜.1E 6. 去.5葛 岩.31 2去.2. 2.8. 738.5. 187.o【. 80 12.3. 27 3.1. 雪昌.ou39.71冒岩.9. …壬.3∃ 1冒24.1 1冒岩.51 …去.6l l≡喜.o. %49o.or言古岩.o1瓢o ≡去喜.o!瓢.” ;岩呂.. ≡去岩.oHSa.o. いないという事実,また子どものしつけ・教育は両親の連帯責任であるという認識等に基 づいて,こうした結果となったと考えられるが,それにしてもこの22%という割合から 見て,母親が父親の意見を他のものよりも圧倒的に重視しているとはとてもいえない。. 職・住の分離に象徴されるように,父親が子どもと援蝕する時間が少ないこと,そのこと は家庭においてしつけ・教育の実さい上の担当者として,父親が子どもに立ち向う機会を 奪っているが,ただそうした実践において父親の役割が後退しているばかりでなく,しつ けや教育の方針の決定者としてもその影をうすくしているという実態を反映しているもの と考えられる。つまり一言でいえば,家庭における子どものしつけ・教育の担当者として の父親の機能不全を示すものであろう。次いでイ「あなた自身が受けた親のしつけや教育+ という反応が多く,約21%で「ご主人の意見+とほぼ同率である。しつけ・教育のより どころとして,自分が受けた親のそれが重視されていることが知られ,ここにしつけ・教 育における世代間の連続性を見ることがでさる。この21%という数値,高いのか低いの. か比較すべき数値を知らないので何ともいえないが,しつけや教育についての情報が氾濫 している社会の実態を見る時, 5人に1人は自分が受けた親のしつけや教育を最も重視し ているということほ,しつけの連続性はかなり強いといってもいいのではなかろうか。次.

(24) 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の実態. 95. 「あな いでト「幼稚園や保育所の先生の話+というのが高く,紛20%で「ご主人の意見+, た自身が受けた親のしつけや教育+とほぼ同じ割合を示しており,幼児教育の専門家とし. ての幼稚園や保育所の先生の話が重視されていることが知られる。調査対象が幼稚園。保 育所-子どもを送っている母親であり,また調査票が幼・保を通じて配布・回収されたと いうことが,この割合を高めたと考えられないでもないが,ここは素直に幼・保の先生は 母親から子どものしつけ・教育においてたよりにされていると見てよかろう。ただそのさ い気になることほ,幼・保の先生がこうした母親の信頗に値するかということである。こ. のようにいうことほ幼・保の先生方にとって酷かもしれないが,幼・保の現状,特に無資 格者の占る割合が相対的に高いこと,更には有資格者であっても,養成制度のあり方等を 考える時,心もとない気がする。幼児教育の重要性が大きく叫ばれながらも,その内容は まだしもの感が非常に深い。養成制度,そこでの教育内容等の抜本的改革を期待するとと もに,かとりひとりの幼・保の教諭・保母が,こうした母親の信頼に応えるべく,またそ の職務をことばの正しい意味での専門職として確立するためにも,自己の能力の向上に真 撃にとり組んでほしいと思う。以上の3つ,つまり「ご主人の意見+, 「あなた自身が受け た親のしつけや教育+,. 「幼稚園や保育所の先生の話+が,最も参考にされているものの第. 1のグループを形成している。これらが第1のグル-プとして重視されていることは妥当 だと思うが,次のようにいうことは母親にとって酷だろうか。つまり第1のグループとし. ての3つのものほ,よりよいしつけ・教育を生み出すために,自分から進んで調べたり考 えたりして獲得するといったものでなく,夫とか親とか先生といった権威にたよったもの で,母親自身の主体的な創意工夫に欠けている。子どもに一番近い存在として,また子ど もの宰を誰れよりも願っている老として,その主たる担当者である母親は,もっともっと 真剣に取り組む必要があるように思う。 その次にくるのが-「テレビ・ラジオで見たり聞いたりしたこと+で,その割合は11%。. NHK調査によると,テレビとの接触時間,家庭の主婦が最も多く,平日一日平均4時間 半にものぼっているが,上の結果から見るかぎり,テレビ・ラジオがあまり有効に生かさ れていないといえるのではなかろうか。テレビ・ラジオとの接触は多いが,その番組み選. 択に問題があり,しつけ・教育に参考になるような番組みは敬遠されていることを物語る ものであろうか。それとも間接的接触にすぎないテレビ・ラジオを母親の10人に1人が あげていることは,テレビ・ラジオの効果の大きさを物詰るものであろうか。この数値の 見方は人によってそれぞれ異なるであろうが,テレビが家庭の中で不動の地位を確立して おり,ニュース・ソースとして極めて重視されているということはいえるのではないか。. これから少し離れて- 「家庭教育学級や幼児教育学級で学んだこと+ で読んだこと+ (5.5%),ホ「婦人雑誌・育児雑誌で読んだこと+. (6.3%),. -. 「育児書. (5.3%)というのが並ん. でい活字を通して得たものを参考にするという後2著を合せると約11%で,. 「テレビ・. ラジオで見たり聞いたりしたこと+というものと同率になる。本や雑誌を読んだり,また 家庭教育学級等に参加するためには,母親の側の積極的な姿勢が必要であり,またこうし た姿勢があれば,そこから多くのものを学びとることができると思うが,結果に見られる.

(25) 96. 野. 転. 義. 行. ようにこれがそれ程でもないということほ,母親の側に主体的な問題意識が欠けているこ とを物語るものであろうか。チ「近所の奥さんたちの意見+というのほわずか0.3%で, 少なくとも参考にされるものの第1位としてはほとんど問題にされていない。これほ先に ふれたように,核家族の孤立という事実,共稼ぎをほじめとして内職,パート・タイムと いうように仕事をもっ母親が増大し,のんびりと井戸端会議を開くという時間的ゆとりが ないことと無関係でなかろう。よその家のしつけや教育についての考え方・方法をそのま まの形でわが家にあてほめてもうまくいく保障はないし,さけた方がいいと思うが,似た. ような問題で悩んでいるといったことが多いので,そうした経験を交換し合い,それを参. 考とするということは有効だと思うのだが,そうした姿勢が見受けられないのほ残念なこ とである。. 幼稚園と保育所とを比較してみると,傾向としては類似しているが,詳細に見ていくと かなりの差が認められる。最も参考にされているものの第1のグループ,これらほともに 幼稚園においてやや高く評価されており,そのうち「幼椎園や保育所の先生の話+ではか なりの差が見られる。その他でかなりの差が見られたのは「テレビ・ラジオで見たり聞い. たりしたこと+と「家庭教育学級や幼児教育学級で学んだこと+で,これらはいずれも保 育所の方で高く評価している。 この項目と他の項目とをクロスさせてみると,多くの項目との間に興味深い関係が見出 された。その代表として母親の学歴と参考にするもの(第1位)とをクロスさせた結果を 表示しておこう。イ「あなた自身が受けた親のしつけや教育+というもの,義務教育段階 では17.1%であるが,. 「大学+となると. 39.3%というように,学歴が高くなるにつれて. その割合が高くなっている。この傾向はニ「育児書で読んだこと+でもうかがえ,前者で はわずか2.8%であるが,後者でほ14.3%と5倍にものぼっている。これに対してト 「幼稚園や保育所の先生の話+というのは,前者では約25%と高いが後者では,実数が 第35表. 臣 \. イ. 小・高小 新. 中. 母親の学歴. ×. しつけのさい参考にするもの(第1位) チ. NA. 計. 69. 1. 24.6. 0.4. 24 8.5. 281 100.0. 87. 1 0.2. 39 8.7. 449. ホ. lコ. 48 17.1. 68. 33. 24.2. 11.7. 96. 94. 21.4. 20.9. 46 10.2. 8 2.8. 15 5.3. 15. 5.3. !【. 旧高女. 新. 高. 旧高専. 27. 28. 31 6.9. 6.0. 6.2. 5 7.4. 2. 2.9. 3 4. 18. 19. 大. 26.5. 27.9. 大 学 大学院. 5. 3. 4. 0. 2. 39.3. 17.9. 10.7. 14.3. 0. 7. 他. 2 15.4. 0. 2 15.4. 2 15.4. 0 0. 2 15.4. 短. その. ll. 0. 8 11.8. 19.4 7. 4. 10.3 2. 1. 7.1 3 23.1. 0 0. 6. 0 0. 1. 1. 1. 7.7. 7.7. 8.8. 3.6. 68 100.0 28. 100.0 13. 100.0 22. NA. 計. 100.0. 177. 191. 95. 47. 46. 54. 175. 73. 861.

(26) 97. 幼児をもつ母親の教育意識と家庭教育の.実態. 小さいのでそのパーセンチージがどの程度有効かは問題であるが,約7%と低い。. -. 「テ. レビ・ラジオで見たり聞いたりしたこと+というものほ全学歴段階を通じて10-12%で, あまり学歴とほ関係なさそうである。 母親の年令別でほ若い層ほど「ご主人の意見+を参考にする者の割合が高くなる。父親 の学歴別でほ学歴が高い程「ご主人の意見+が重視される。子どもの性別では,これほそ れほどはっきりした差という程でもないが,男の子に対しては「ご主人の意見+,女の子 に対して「あなた自身が受けた親のしつけや教育+が重視される傾向が見られた。このこ とほ,男の子のことはよくわからないので父親にまかせたい,という意識のあらわれとも 見ることができるのではなかろうか。きょうだい数別では,きょうだいの数が少ないほど 「ご. 「幼椎園や保育所の先生の話+が重視されている。両親間の話し合いの程度別では,. 「よくす. 主人の意見+をあげたもの,話し合いを「あまりしない+でほ約13%であるが,. る+では約31%と高.(なっており,話し合いを多くする程「ご主人の意見+が尊重され 「幼稚園や保育所の先生の話+に関してはこれと逆の傾向が認 ていることがうかがえた。 「あなた自身が受けた親のし められた。親から受けたしつけや教育の影響の程度別では, 「ほとんど影響していない+という着でほ約10%と低い つけや教育+をあげているもの, が,. 「非常に影響している+という者では紛43%にもなっている。. 参考にするものの第2位,第3位については簡単にふれるだ桝こしておきたい。まず第 「幼稚園や保育所の先生の話+というのが重視 2位について。ここでも「ご主人の意見+, されているが,その割合ほ第1位のところで見たそれよりはややさがり,. 「あなた自身が. 受けた親のしつけや教育+というのは大幅に低下している。これに対して「テレビ・ラジ オで見たり聞いたりしたこと+というのは増加している。この傾向は参考にするものの第 3位についても見られる。ここで特徴的なことほ第1のグループ,つまり「ご主人の意 見+, 「凌'なた自身が受けた親のしつけや教育+, 「幼椎園や保育所の先生の話+というのが いずれもその割合を低下し,それに対して「テレビ・ラジオで見たり聞いたりしたこと+. というのが最も高い割合を示し,また「近所の奥さんの意見+というのが急増している。 「テレビ・ラジオで見たり聞いたりしたこと+を参考にするものの第1位としてあげると いうわ桝こほいかないが,第2位,第3位としては重視されている,また「近所の奥さん の意見+もある程度ほ重視されていることがうかがえる。 3.望ましい子ども像・子への進学期待. 1)望ましい予ども像 親は子どもに対していろいろな期待をいだいている。こんな人間になってほしい,こん な生活をするようになってほしいというように,親ほわが子にいろいろな思いをはせてい. る。親のわが子に対するしつけ・教育は,親が望ましいと考えている子ども像を実現する ための働きかけと見ることができる。遠い将来のことはともかく,親ほわが子にどんな子 ども像を期待しているのだろうか。望ましいと考えられる子ども像を2Jっのグループに分. けてあげ,それぞれのグループにおいて是非なってもらいたいものを2つずつ選ばせた。.

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