仮想と現実の融合:0.編集にあたって
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(2) ソニーコンピュータサイエンス研究所. 暦本 純一 [email protected]. 2.実世界指向インタフェース−実空間に拡張された直. Mark Weiserが“Ubiquitous Computing”の概念を公表し てから早くも 10 年が経過しようとしている.この 10 年. 接操作環境−. 間の,インターネットの劇的な進化・普及と電子機器. 第 2 編では,ユーザインタフェース研究の立場から,. の発展によって,「情報空間と現実空間が融合する」と. 実世界と仮想世界を統合的に扱うインタラクション技. いうコンセプトは,もはや一部の研究者の予測や夢で. 法について解説する.従来の GUI(グラフィカル・ユー. はなくなってきている.近未来の情報環境を考える際,. ザインタフェース)の根幹をなす「直接操作」という概. 多くの人がまず頭に思い浮かべるのがこの「仮想と現実. 念が,仮想世界を含んだ現実世界に拡張できることを. の融合」というキーワードかもしれない.. 示し,その考えに基づいて設計されたシステム事例に. 一方,仮想現実(Virtual Reality)のアンチテーゼとし. ついて紹介する.. てはじまった「拡張現実」 (Augmented Reality)の研究は, 3.タンジブル・ビット−情報世界と物理世界を融合す. コンピュータグラフィクスのみならず,ユーザインタ フェースやメディアアートの分野にも影響を及ぼして. る,新しいユーザ・インタフェース・デザイン−. いる.拡張現実は,元々現実世界の視覚的情報と,コ. 物質(アトム)に満ちた現実世界に加え,コンピュー. ンピュータによって生成されたグラフィクスなどの付. タ情報(ビット)からなる仮想世界に生活を広げようと. 加情報の空間的な整合性を持った合成技術を意味して. する我々には,ビットの「気配」を感じ,タンジブルに. いたが,より広い意味で,現実世界をコンピュータ情. 操作することのできるインタフェースが必要である.. 報で拡張・強化しようとする技術・ユーザインタフェ. 第 3 編では,タンジブル・ビットの設計思想と最新の研. ース一般を指すようになってきている.. 究事例を紹介する.. このように,「仮想と現実の融合」というテーマは, 4.インタラクティブ・アートにおける仮想と現実. さまざまな背景の技術・研究の流れが交錯する大変エ キサイティングな分野だといえる.本特集では,各分. 芸術表現の新しい展開として,参加者とのインタラ. 野で活躍されている 4 人の研究者の方々に,各人の切り. クションを中心にすえたインタラクティブ・アートが. 口からこのテーマにアプローチしていただく.現在進. 注目を集めている.これは芸術サイドからの「現実(参. 行形のジャンルであるので,単に静的な技術解説にと. 加者)」と「仮想(メディア)」の融合アプローチである.. どまらず,「現役」研究者からのホットな話題,あるい. 「有効性」 「実用性」というキーワードに束縛されない分,. は各人の設計思想なども盛り込まれているように留意. アートはかえって人間とテクノロジーの関係を純粋に. したつもりである.. 示しているといえるかもしれない.優れたインタラク ティブ・アート作品は近年のユーザインタフェース研. 以下,特集の構成について簡単に紹介する.. 究に大きな影響を与えてきた.第 4 編では,インタラク ティブ・アートの歴史を概観し,代表的な作品の紹介. 1.複合現実感−仮想と現実の境界から見える世界−. を交えながら,インタラクティブ・アートの特質につ. 複合現実感,あるいは Mixed Reality は,現実世界を電. いて議論する.. 子情報によって増強する「拡張現実」 (Augmented Reality). 最後に,大変な多忙中にもかかわらず,本特集へ記. と,実世界情報を仮想世界に取り込もうとする Aug-. 事を寄稿していただいた著者の皆様に心からお礼を申. mented Virtuality の両者を総合した概念であり,「仮想と. し上げたい.また,特集記事の編集に際し,椎尾一郎. 現実の融合」という考え方を最も直接的に目指した研究. 氏(玉川大学)から貴重な助言をいただいた.ここに記. 分野である.第 1 編では MR プロジェクトでの研究成果. して感謝する.. を交えながら,この分野の研究動向について解説する.. (平成14 年1月17 日). 43巻3号 情報処理 2002年3月. −2−.
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