タイプ別自己教示と認知行動的マネージメントの関連について-教育実習生の不安に焦点をあてて-
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(2) 頁. 目次. 3. 第1章. 問. 題. と. 目. 的. ・. ・. ・. ・. ・. 問. 題. の 所. 在. 第2節. 先. 行. 研. 究. の. 概. 要. 1)認. 知. 行. 動. 的. マ. ネ. 2)自. 己. 教. 示. 訓. 練. ・. 3)注. 意. ・ マ. イ. ン. ド フ. 4)自. 己. 受. 容. 性. 5)教. 育. 実. 習. 不. 6)不. 安. へ. の. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. 念. ・. ・. ・. ・. ・. ●. ….'''"●.●4. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. 7. 第1節. ・. ジ. メ. ン. ト の. 辺. 概. ・. ・. ●. ●. ●"○. ク. セ. プ. タ. ン. ス. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・ ・. ・. …. ・. …. 9. 周. ・. 7. ー. ・. ・. …'●. ●. ●".'●"●..'●. ●. 10. ル. ネ. ス. ・ア. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. …. 12. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ・. ・. …. ・. ・. …17. 13. ・. 安. 15. 第3節. 目. 第2章. 研. 的. ・. と. ・. ・. 究1・. 目. 的. 第2節. 方. 法. 第3節. 結. 果. ・. ・. ・. ・. ・. れ. の. 周. 辺. 概. 念. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ・. ・. ■. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …18. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ….・.......1g. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …20. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. 1 2. 第1節. ら わ. と. 考. 察. ・. ・. 2)ク. ラ ス. 第3章. 研. 第1節. タ ー に よ る 特. 究E・. 目. ・. 的. 方. 法. 第3節. 結. 果. ・. と. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …. 性 不 安 得 点 の 差 の 検 討. …6・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …....... ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. 考. 察. ・. ・. ・. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ・. 圃. ・. ・. ・24. …25. ・ …26. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …... Qり 2. 第2節. ・. トの 類 型. 9臼 2. 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン. 1よ 2. 1)認. 9 2. 己 教 示 文. 2)自. 己 教 示. の 因 子 構 造. に っ い て. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 2 3. 1)自. と特. 性 不 安 の 関 係. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …. 1.
(3) 第4章. 研. 究. 第1節. 目. 皿. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …33. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …34. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …35. ・. ・. ・. …. 第2節. 方. 法. ・. ・. ・. ・. ・. 第3節. 結. 果. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. 1)認. 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トの 類 型. 2)ク. ラ ス タ ー に よ る 特 性 不 安 お よび 自己 受 容 性得 点 の差 の 検 討. 3)ク. ラ ス ター に よ る 自 己 教 示 文 の タイ プ の 違 い の 検 討. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …. 察. ・. 考. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. 。. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ラ ス ター に よ る特 性 不 安 お よ び 自 己受 容 性 得 点 の差 の 検 討. 3)ク. ラ ス ター に よ る 自己 教 示 文 の タ イ プ の 違 い の 検 討. ・. …. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … ・ ・ ・ …. 4 4. 2)ク. ・. 00 4. 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トの 類 型. ・. 9︼ 4. 1)認. ・ ・ ・ …. 9扇 4. 第4節. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …. Qり. ・. 9. ・. 90. ・. 8. ・. 0り. ・. 7. ・. 7・. ・. 00. 的. 第7章. 総. 合. 考. 察. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ■. 文. 献. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …51. 謝. 辞. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …57. 資. 料. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …59. 2. ・46.
(4) 第1章. 問 題 と 目的. 3.
(5) 第1節. 不 安 とは,一. 問題の所在. 般 的 に 「自 己存 在 を脅 か す 可 能 性 の あ る破 局 や 危 険 を漠 然 と予 測 す る こ と. に 伴 う不 快 な 気 分 」 と定 義 され て お り(生 和,1999),目 で あ る 。 実 際 に,私 え ば,テ. た ち が 日常 生 活 を 送 る 中 で,不. ス ト不 安(松. 原 口,2004),異. 沼,2004),教. 育 実 習 不 安(大. 性 不 安(冨 重,2001),就. 常 的 に 経 験 され や す い 情 緒 的 反 応. 安 を抱 く場 面 は 数 多 く あ る だ ろ う。 例 野 木 ・宮 川,1996),育. 職 不 安(藤 井,1999),大. 児 不 安(手. 島 ・. 学 生 活 不 安(藤 井,1998),. とい っ た 様 々 な 不 安 を 対 象 と した 研 究 が これ ま で に も数 多 く行 わ れ て き た 。 不 安 が 私 た ち に 注 意 を 促 し,慎 重 な行 動 を と らせ て い る 間 は 良 い が,激. し い 不 安 感 が執. 拗 に っ き ま とい,苦 痛 を と も な うよ うに な る と問 題 で あ る(Dinkmeyer&Mckay,1996))。 こ こで 注 目す べ き な の は,不 安 の 程 度 につ い て で あ る 。 つ ま り,不 安 と は そ の 程 度 や 次 元 の 違 い に よ っ て,人. 間 の 行 動 も し く は そ の 結 果 に 対 して 有 益 に 働 い た り,反 対 に 悪 影 響 を. 及 ぼ した りす る の で あ る 。 前 者 の 例 と して,私. た ち は 試 験 や 大 勢 の 前 で の ス ピー チ とい っ. た 自分 の 力 が 試 され る よ うな 場 面 に お い て,上. 手 くで き る だ ろ うか とい う適 度 な 不 安 を抱. く こ と に よ り,熱 心 に 準 備 を した り練 習 に 励 ん だ りす る で あ ろ う。 不 安 の 持 っ 機 能 を 肯 定 的 に捉 え た 研 究 は 少 な い が,森 津(2002)は,教 る 不 安 が 高 い ほ うが,指. 育 実 習 生 の 不 安 にお い て,実 習 実 践 に 対 す. 導 内 容 や 教 諭 ら し さ の 達 成 度 が 高 い こ と,さ. ほ ど実 習 先 の 実 習 評 価 が 高 い こ と を 明 らか に して い る 。 一 方,悪. らに 実 習 不 安 が 高 い. 影 響 を 及 ぼ す とい う後 者. の 例 と し て は,同. じ く試 験 や ス ピ ー チ とい っ た 場 面 で も不 安 が あ ま りに も 強 す ぎ る た め,. 冷 や 汗 を か き,ひ. ざが が くが く震 え,不 安 で 頭 が い っ ぱ い に な っ て しま っ て 思 考 が 混 乱 す. る と い っ た,本. 来 そ の 人 が 持 っ て い る カ を 十 分 に 発 揮 で き な い こ とが 考 え ら れ る 。 不 安 が. 及 ぼ す 悪 影 響 に つ い て 研 究 した も の は数 多 く あ り,例 え ば 高 テ ス ト不 安 者 の 成 績 が,低. 不. 安 者 の 成 績 に 比 べ て 劣 る こ とが 報 告 され て い る(Culler&Holahan,1980)。 同 様 に,貝 谷(2006)は,こ. の 不 安 とい う反 応 に 正 常 な 不 安 と病 的 な 不 安 とが 存 在 す る. と述 べ て い る 。 正 常 な 不 安 とは,他. 人 に理 解 さ れ る こ とが 多 く,建 設 的 な 方 向 に 働 く も の. で あ り,生 活 へ の 支 障 は 生 じな い 。 一 方,病 を破 壊 す る も の で,普. 的 な 不 安 とは,苦. 痛 の 程 度 も激 し く,生 産 性. 通 の 生 活 を 送 る こ とを 困 難 に して し ま う も の で あ る。 ま た,他. 理 解 され に く い 場 合 が 多 い 。 こ の よ うな病 的 な 不 安 を 抱 え る人 々 は,不. 人に. 安 障 害 と して 診 断. され る こ と が 多 く,不 安 障 害 とは 一 般 人 口の 中 で 最 も高 い 頻 度 で み られ る精 神 疾 患 で あ る (熊 野,1999)。. そ して,こ. うし た 不 安 障 害 とま で は 至 らな くて も,不 安 に伴 う生 活 上 の 困. 難 を 感 じて い る 人 々 が 多 く見 られ る とい う こ と は 事 実 で あ る。 ま っ た く不 安 か ら解 放 さ れ る の は 不 可 能 で あ る と して も,不 安 に 悩 ま され て 本 来 持 つ カ が 発 揮 で き な く な っ た り,行 動 範 囲 が 狭 ま っ て し ま っ た り とい っ た こ とが な い よ うに す る に は,ど. の よ うに す れ ば 良 い. の で あ ろ うか 。 不 安 を 適 度 な レベ ル に 調 節 す る こ と を 目標 と し,従 来 か ら様 々 な 心 理 的 ア プ ロー チ が試. 4.
(6) み られ て き た 。 中 で も,認 知 行 動 療 法 は そ の 有 効 性 が 広 く認 め られ て い る(丹 野,2002)。 例 え ば,根. 建 ・市 井 ・関 口 ・宮 前 ・上 里(1995)は,メ. タ ア ナ リシ ス の視 点 か ら認 知 行 動. 療 法 が どの よ うな 効 果 を も つ の か に つ い て 検 討 して い る 。 そ の 結 果,認. 知 行 動 療 法 は不安. に 十 分 な 効 果 が あ り,行 動 療 法 と同 等 の効 果 を 有 し,力 動 的 人 間 学 的 治 療 法 よ り も効 果 が ま さ っ て い る こ と を 示 唆 して い る 。 認 知 行 動 療 法 と は,人. 間 を認 知 ・感 情 ・行 動 の 側 面 か ら包 括 的 に と ら え,こ. に 総 合 的 に ア プ ロ ー チ し よ う とす る もの で あ る(鈴 木 ・山 口 ・根 建,1997)。 減 効 果 の 示 さ れ た 様 々 な 技 法 の パ ッ ケ ー ジ で あ る と も 考 え られ,イ 実 エ ク ス ポ ー ジ ャ ー とい っ た 行 動 的 方 法 や,認 表 的 で あ る 。 そ の 他 に は,心 理 教 育,リ. うした側面. ま た,恐 怖 低. メ ー ジ上 の あ る い は 現. 知 的 再 体 制 化 に代 表 され る認 知 的 技 法 が 代. ラ ク セ ー シ ョ ン の 諸 技 法,ス. キ ル 訓 練 な どが 不 安. の パ ッ ケ ー ジ で 利 用 され る。 しか し,こ の よ う な 多 面 的 な 治 療 法 が ど の よ うに 奏 功 して い る の か と い う メ カ ニ ズ ム は,要 素 研 究 や プ ロ セ ス 研 究 で も よ く わ か っ て い な い (Rachman,1991;Steketee&Barlow,2002)。. つ ま り,不 安 の ど うい っ た 側 面 に 対 して どの. よ うな 認 知 行 動 的 技 法 が 有 効 で あ る の か と い っ た 詳 細 は 明 らか に され て い な い の で あ る 。 そ こで,腰. 添(2007)は,ど. うい っ た認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トが,ど. の 次元 の不安 の. 軽 減 に 効 果 的 に 働 くの か とい っ た こ と を 探 る 手 が か りを 得 る こ とを 目 的 に研 究 を 行 っ た 。 そ の 際 に,認. 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン ト尺 度 と 多 次 元 不 安 測 定 尺 度 を 作 成 した 。 認 知 行 動 的. マ ネ ー ジ メ ン ト尺 度 は,第1因 「思 考 転 換 」 の3因 「緊 張 」,第3因. 子25項. 子. 「 現 状 把 握 」,第2因. 「 不 安 へ の と らわ れ 」,第3因. 目,多 次 元 不 安 測 定 尺 度 は,第1因. 子 「 発 汗 ・ほ て り」,第4因. 疲 労 時 の 分 離 不 安 」,第6因. 子. 子. 「 評 価 懸 念 」,第2因. 子 「コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」,第5因. 子 「 身 体 的 疲 労 時 の 分 離 不 安 」 の6因. 成 っ て い る 。 認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン ト尺 度 の 第2因. 子. 子37項. 子 子. 子 「 精神 的. 目か らそ れ ぞ れ. 「 不安 へ の とらわれ」 は尺度 作成. 時 に 逆 転 項 目 と し て 用 意 した も の が 一 っ の独 立 した 因 子 とな っ て しま っ た 結 果 で あ る。 し た が っ て,得. 点 が 高 い ほ ど不 安 に と らわ れ て い る とい うこ とに な り,不 安 軽 減 の た め の 認. 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トを 測 定 して い る項 目 と は 言 い 難 い 。 しか しな が ら,両 尺 度 の 関 連 を 検 討 し た 結 果,「 不 安 へ の と らわ れ 」 と 「 評 価 懸 念 」,「発 汗 ・ほ て り」,「緊 張 」 との 間 に 低 ∼ 中 の 正 の 相 関 が 認 め られ た 。 さ ら に,重 回 帰 分 析 を 行 い 認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トが 多 次 元 不 安 に 及 ぼ す 影 響 を検 討 した 結 果,「 不 安 へ の と ら わ れ 」 と 「 緊 張」 に正 の関連 が認 め られ た 。 っ ま り,不 安 に と らわ れ な い よ うに す る こ と が 諸 側 面 に 呈 す る 不 安 の 低 減 に っ な が る 可 能 性 が 示 唆 され た の で あ る。 そ れ で は,不 安 に と らわ れ な い よ うに す る た め に は ど の よ うに す れ ば 良 い の で あ ろ うか 。 この 不 安 に と ら わ れ る とい う こ と に類 似 した 概 念 に, 心配や. 「 ネ ガ テ ィ ブ な 反 す う」(そ の 人 に と っ て 否 定 的 ・嫌 悪 的 な こ と を 長 い 間 繰 り返 し考. え る こ と)が あ る。 不 安 は,認 知,行 動,生 理 とい う3つ の 成 分 か らな る が(Lang,1971), 心配 は 「 思 考 や イ メ ー ジ の連 鎖 」(Borkovec,Robinson,Pruzinsky&Depree,1983)と れ る よ う に,認 知 的 成 分 に 相 当 す る。 一 方,ネ. ガ テ ィ ブ な 反 す うは 抑 うっ との 関 連 が 深 い. 可 能 性 が 示 唆 さ れ て い る(伊 藤 ・竹 中 ・上 里,2001)。. 5. さ. し か し,反 す う は抑 うつ 症 状 の み な.
(7) らず,不. 安 症 状 や 強 迫 症 状 な ど,さ ま ざ ま な 不 適 応 症 状 に 影 響 を 及 ぼ す こ とが 指 摘 され て. い る。 実 際 に,山 本 ・五 十 嵐 ・藤 本 ・嶋 田(2008)に. よれ ば,否 定 的 反 す う傾 向 とす べ て. の 不 安 症 状 問 に お い て 有 意 な相 関 が 見 られ た の に 対 し(r=.16∼.21,p<.OOI・-p<.05),分. 析的. 反 す う傾 向 に お い て は 有 意 な 相 関 が 見 られ な か っ た と して い る 。 こ の 結 果 は,不 安 に と ら わ れ る こ と と,不 安 の 諸 側 面 と に 関 連 が あ る こ とを 明 らか に した 腰 添(2007)と. も共通 す. る 部 分 が あ る。 しか しな が ら,こ れ ま で に 不 安 に と らわ れ て い る状 態 か ら脱 す る た め の 具 体 的 な 介 入 方 法 を 検 討 した 研 究 は 見 当 た ら な い。 不 安 そ の も の に 対 処 す る方 法 は い ろい ろ あ る 。例 え ば,Dinkmeyer&Mckay(1996)は, ① 不 安 を受 け 入 れ る,② 不 安 を 誰 か に 話 す,③. 不 安 を 管 理 す る 技 術 を 身 に つ け る,と. いっ. た 方 法 を提 案 し て い る。 そ こ で,本. 研 究 に お い て は,不. 的 な マ ネ ー ジ メ ン トに,様. 安 を 適 度 な レベ ル に調 整 す る こ と を 目的 と した 認 知 行 動. 々 な タ イ プ が あ る の で は な い か と 考 え る 。 つ ま り,認. 技 法 を 用 い て 積 極 的 に 不 安 と 向 き 合 う人 と,不 し て お く 人 と で は,タ. るが ま ま に. イ プ の 異 な る 認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トを 行 っ て い る の で は な い だ. ろ う か 。 前 者 の 例 と し て,自 SITと. 安 を 隠 さ ず 素 直 に 受 け 入 れ,あ. 知行 動 的. 己 教 示 訓 練(self-instructiontraining;SIT)が. は,Meichenbaum&Goodman(1971)に. よ っ て 考 案 さ れ た,認. あ げ られ る 。 知 行動 療 法 の主要 な. セ ル フ コ ン ト ロ ー ル 技 法 の 一 っ で あ る 。 成 人 を 対 象 と し た 不 安 ・恐 怖 の 改 善 に 一 定 の 成 績 を 上 げ て き た(Dush,Hirt,&Schroeder,1983)。. 後 者 の 例 と し て は,マ. ス ト レ ス 低 減(Mindfulness-BasedStressReduction:MBSR)プ. イ ン ドフ ル ネ ス ・. ロ グ ラ ム が あ り ,不 安 障. 害 に 苦 しん で い る患 者 に 対 す る この ア プ ロー チ の 効 果 はす で に実 証 され て い る (Kabat-Zinn,Massion,&Kristeller,1992)。 瞬 間 に,価. マ イ ン ド フ ル ネ ス と は,「 意 図 的 に,今. この. 値 判 断 を す る こ と な し に 注 意 を む け る こ と 」 と表 現 さ れ(Kabat-Zinn,1994),. マ イ ン ド フ ル ネ ス ・ア プ ロ ー チ の ス タ ン ス は,歓 問 題 に 対 して. 「オ ー プ ン 」 で い る こ と を,そ. 迎 し,あ. る が ま ま に し て お く こ と に あ る.. して す べ て の 体 験 に 対 し て 穏 や か な 態 度 を と. る こ と を す す め て い る(Seagal,Williams,&Teasdale,2007). と こ ろ で,山 神(2005)は,心. 配 に 対 す る受 容 的 な 自 己 教 示 文 を 実 際 に言 い 聞 か せ る こ とは,. 心 配 の 悪 循 環 へ の 介 入 法 と して 有 益 で あ る こ と を報 告 して い る。 っ ま り,不 安 低 減 を 目的 と して 自 己 教 示 を 行 う際 に も,そ の か,自. の 教 示 内 容 が 積 極 的 に 不 安 に 対 処 す る よ うな 内容 で あ る. 己 や 不 安 な 状 況 を 受 容 す る よ うな 内 容 で あ る の か と い っ た 点 に 違 い が あ る の で は. な い だ ろ うか 。 そ して,SITを い っ た 人 々 に 対 して,ど. 個 人 差 一 致 治 療 とい う観 点 か ら研 究 を 行 うの で あれ ば,ど. う. の よ うな 自 己教 示 内容 が 有 効 で あ る の か を 探 る 必 要 が あ る 。. し か しな が ら,不 安 低 減 の た め に 人 々が 用 い て い る認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トに着 目 し, そ れ ら と 自 己 教 示 内容 の タイ プ に っ い て検 討 した 研 究 は こ れ ま で に な い 。 本 研 究 で これ ら の 関 係 を 明 ら か に す る こ と に よ り,実 際 に,SITを 処 方 法 を 考 慮 し た 上 で,自. 行 う際 に は,そ の 人 そ の 人 の 不 安 へ の 対. 己教 示 内 容 を提 供 す る こ とが 可 能 に な る と考 え る 。. 6.
(8) 第2節. 1)認. 先行研究の概要. 知 行 動 的 マ ネー ジ メ ン トの周 辺 概 念. わ が 国 に お け る認 知 行 動 的 変 数 と不 安 に 関 す る 実 証 研 究 は,不. 安 の原 因を探 った もの と. 不 安 へ の 治 療 効 果 を探 っ た も の と の 二 つ に 大 き く分 け られ る 。 不 安 の 原 因 を 探 っ た も の と して は,変 数 と し て 認 知 的 特 徴 に 焦 点 を あ て た も の と行 動 的 特 徴 に 焦 点 を あ て た も の とが あ る 。 認 知 的 特 徴 に 焦 点 を あ て た 研 究 と し て,認 知 の 歪 み と 不 安 障 害 との 関 連 性 を 検 討 した 研 究(佐 々 木 ・河 崎 ・岩 永 ・生 和,2005),児 り と不 安 と の 関 連 を扱 っ た 研 究(石. 川 ・坂 野,2003),が. 童 の認 知 の誤. 挙 げ られ る。 一 方,行. 動 的 特徴 に. 焦 点 を あ て た 研 究 と して,児 童 の 不 安 症 状 と行 動 的 特 徴 との 関 連 を扱 っ た研 究(石 川 ・坂 野,2005)が. 挙 げ られ る。. ま ず,認. 知 的 特 徴 を検 討 した も の に つ い て 述 べ る 。. 佐 々 木 ら(2005)は,大. 学 生323名. を 対 象 に,対 人 不 安 と抑 うつ に 対 す る 自 己注 目 と反. す う の 関 連 性 に つ い て 検 討 し た 。 対 人 不 安 と抑 うっ に 影 響 を 及 ぼ す 変 数 と し て,こ で は,自. 己 注 目 〈FocusofAttentionQuestionnaire(FAQ;woody,1996)を. 「自 己 注 目 」(例 う 」),第2因. 子. 使 用:第1因. 子. えば. 使 用:第1因. 「外 的 注 目 」〉,反 す う 〈ネ ガ テ ィ ブ な 反 す う尺 度(伊 「反 す う傾 向 」(例 え ば 子. (Self-consciousnessscale)日 「し ば し ば,自. 「コ ン トロ ー ル 不 可 能 性 」(例 え ば. 本 語 版(菅. 対 象 に,各. 原,1984)を. 己 意識. 子. 子. 〈自 意 識 尺 度. 「私 的 自 己 意 識 」. 「 公 的 自 己 意 識 」(例. えば. 分 の し ぐ さや 姿 が 気 に な る)〉 に 焦 点 を あ て て 検 討 し て い る 。. 人 不 安 に 対 す る 結 果 の み に 触 れ る こ と と す る 。 全 体 の デ ー タ(n=323)を. 変 数 の 相 関 分 析 を 行 っ た 結 果,自. (r=,44)は,そ 不 安(r=.81)と. 「嫌 な こ と を 考 え て い る. 使 用:第1因. 分 の 心 を 理 解 し よ う とす る 」),第2因. 「人 前 で 何 か を す る 時,自. 藤 ・上 里,2001)を. 「一 度 嫌 な こ と を 考 え 始 め る と そ れ ば か り途 切 れ な. と き で も 頭 を き り か え て そ れ 以 外 の こ と を 考 え ら れ る)〉,自. こ こ で は,対. 子. 「自 分 が ど の く ら い 不 安 を 感 じ て い る か と い う こ と が 気 に な っ て し ま. く 考 え 続 け る 方 だ),第2因. (例 え ば. の研 究. 己 注 目 と 対 人 不 安(r=.52),反. れ ぞ れ 正 の 相 関 が あ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 ま た,公. す う と対 人 不 安. 正 の 相 関 が あ っ た 。 次 に,パ. ス 解 析 を 行 っ た 結 果,自. 不 安 と 正 の 関 連 が 認 め ら れ た 。 対 人 不 安 に お い て は,自 す う か ら の パ ス 係 数(.13)は. 同 値 で,公. 的 自己 意 識 も対 人. 己 注 目 と反 す うは 対 人. 己 注 目 か ら の パ ス 係 数(.13)と. 的 自 己 意 識 か ら の パ ス 係 数(.73)が. 反. 大 きい値 を示. した 。 ま た,佐 そ の 結 果,自. 々 木 ら(2005)は,対 己 注 目 と反 す う,及. ら れ た 。 ま た,自 あ っ た が,公. 己 注 目(.15)か. 的 自 己 意 識(.53)か. 人 不 安 高 群(n=159)と. 各 変 数 との 関 連 も検 討 し て い る 。. び 公 的 自 己意 識 か ら対 人 不 安 へ の 正 の パ ス の 関 連 が 認 め ら の パ ス 係 数 と反 す う(.20)か. らの パ ス係 数 は 同 程 度 で. ら のパ ス 係 数 が 大 き い 値 を 示 した 。. 以 上 の こ とか ら,公 的 自己 意 識 が 対 人 不 安 と強 く 関連 して い る こ とが 示 され た 。 さ らに,. 7.
(9) 自 己 注 目や 反 す う よ り も公 的 自己 意 識 の 方 が,対 一方. 人 不 安 と の 関 連 が 強 い こ とが 示 され た 。. ,石 川 ・坂 野(2003)は,児 童 にお け る認 知 の 誤 り と不 安 の 関連 に っ い て 検 討 して お り,. 児 童 の 認 知 の 誤 り を測 定 す るChildren'sCognitiveErrorScale(CCES)を ず,児. 童217名. 作 成 して い る。ま. を 対 象 に,児 童 が 不 安 や 心 配 を 感 じ る不 安 場 面 を収 集 し た 結 果,12場. 抽 出 され た 。 続 い て,そ の12場. 面 で 生 じ う る認 知 の 誤 り(先 行 研 究 を 参 考 に 「 破 滅 的 な思. 考 」,「過 度 の 一 般 化 」,「個 人 化 」,「選 択 的 な抽 出 化 」 の4っ て 検 討 した と こ ろ,23項. 目が 抽 出 され た。 そ の 後,そ. に し た 主 成 分 分 析 を行 っ た 結 果,20項 の 関 連 を 検 討 し た 結 果,認. 面が. を も と に 作 成 さ れ た)に. れ らの 項 目に つ い て,819名. つい. を対象. 目が 抽 出 され た 。 最 後 に,認 知 の 誤 り と特 性 不 安 と. 知 の 誤 りを示 す 児 童 は 不 安 が 高 い とい うこ とが 明 らか とな っ た 。. こ れ ら の こ とか ら も,認 知 的特 徴 は 不 安 と 関 連 が あ る こ とが わ か る 。 次 に,行. 動 的 特 徴 を検 討 した も の に つ い て 述 べ る 。. 石 川 ・坂 野(2005)は. 小 学 校4∼6年. 生273名. を 対 象 に,児 童 に お け る不 安 症 状 と行 動. 的 特 徴 との 関 連 を 検 討 し た 。 そ して,児 童 の 行 動 的 特 徴 を 「問題 行 動 群 」,「社 会 的 ス キ ル 低 群 」,「規 律 遵 守 行 動 群 」,「積 極 的 ス キル 群 」,「引 っ 込 み 思 案 行 動 群 」 の5つ. に 分 類 して. い る 。 そ の 結 果,「 規 律 遵 守 行 動 群 」 の 児 童 は,「 問 題 行 動 群 」 の 児 童,「 引 っ 込 み 思 案 行 動 群 」 の 児 童 よ り も 不 安 症 状 を 多 く示 した こ と を 指 摘 して い る。 っ ま り,ル ー ル を過 度 に 守 る 児 童 は 不 安 症 状 を 多 く 示 す が,引. っ込 み 思 案 の 児 童 に は そ の よ うな 傾 向 は な い こ とが こ. の 研 究 で は 示 され た 。 こ の こ とか ら,行 動 的 特 徴 が 不 安 と 関 連 が あ る こ とが わ か る。 し か し な が ら,こ れ らの 研 究 は,不 安 の 原 因 を 探 っ た に 留 ま っ て い る 。 そ こ で,次. に認. 知 的 変 数 の 不 安 へ の 治 療 効 果 に つ い て 検 討 した 研 究 に つ い て 述 べ る こ とに す る。 甘 利 ・馬 岡(2002)は,女. 子 大 学 生155名. を 対 象 に認 知 的 統 制 と 自 己効 力 感 が 女 子 大 学 生. の 抑 うつ と不 安 に 及 ぼ す 影 響 を検 討 し て い る 。 認 知 的 統 制 とは,考. え方 を 調 整 す る こ と に. よ る 制 御 で あ り,事 象 や 刺 激 を 認 知 して 行 動 を 制 御 す る こ と,と 定 義 さ れ る(Bandura, 1977b)。. 一 方,自. 己効 力 感 と は,あ る結 果 を 生 み 出 す た め に 必 要 な 行 動 を どの 程 度 うま く. 行 う こ とが で き る か とい う個 人 の 確 信 で あ り,ま た 自分 の 行 為 に つ い て 自分 が き ち ん と統 制 して い る とい う信 念 で あ る(Bandura,1977a)。 甘 利 ・馬 岡(2002)は,認. 知 療 法 の認 知 的 技 法 と認 知 の ネ ガ テ ィブ な 歪 み を 統 制 す る機 能 が. あ る認 知 的 統 制 の 概 念 は 重 な る部 分 が 多 い と 考 え,Freeman(1989)の ら,認 知 的 統 制 と特 に 関 係 の深 い12項. 目を 参 考 に 認 知 的 統 制 尺 度 を 作 成 した 。 ま た,自. 効 力 感 に 関 して は 一 般 性セ ル フ ・エ フ ィカ シ ー 尺 度(坂 感 尺 度(成. 田 ・下 仲 ・中 里 ・河 合 ・佐 藤 ・長 田,1995)を. そ の 結 果,①. 認 知 的技 法 の 中か. 野 ・東 條,1986)と. 己. 特 性 的 自 己効 力. 自 己 効 力 感 尺 度 と して 使 用 した 。. 「 認 知 の枠組 み の変 更 」が 「 抑 うつ ・不 安 」 を 軽 減 す る こ と,②. 「 思 考 と行. 動 の 検 討 」 そ れ 自身 は 「 抑 うつ ・不 安 」 を 高 め る が,「 認 知 の 枠 組 み の 変 更 」 ま た は 「自 己 効 力 感 」 を 通 じて 間 接 的 に 「 抑 うつ ・不 安 」 を 低 減 す る効 果 が あ る こ と,を そ れ ぞ れ 指 摘 した 。 以 上 の 先 行 研 究 か ら,認 知 の 歪 み や 誤 り,行 動 的 特 徴 が 不 安 症 状 に は,大. 8. き く 関 連 して.
(10) い る こ と が 明 らか とな っ た 。 ま た,そ. の認 知 的 ・行 動 的 特 徴 に 介 入 を 行 う こ とで,不. 安や. 抑 うつ が 低 減 され る 可 能 性 が あ る こ と も先 行 研 究 に よ っ て 示 され て い る 。 本 来 な ら ば,本 研 究 に お い て も,実 際 に 実 習 不 安 を抱 えた 学 生 を 対 象 にSITを い と こ ろ で あ る 。 しか し な が ら,そ の た め に は ま ず,人 ー ジ メ ン トの タイ プ を検 討 し. 行 い,治. 療 効 果 を 測 定 した. 々 の 不 安 に 対 す る認 知 行 動 的 マ ネ. ,そ の タ イ プ の 人 々 ご と に 有 効 な 自 己教 示 文 を 探 る と い う個. 人 差 一 致 治 療 の 足 が か り と な る研 究 が 必 要 で は な い か と考 え た 。 した が っ て,本. 研 究 で は,① 不 安 の 高 い 人 々 に お け る 認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トの 違 い. を 検 討 す る こ と(研 究1),②. 教 育 実 習 不 安 を抱 え た 学 生 が,有. 文 を 作 成 す る こ と(研 究H),③. 効 で あ る とみ なす 自 己教 示. 実 習 不 安 の 高 い 学 生 を対 象 に,不 安 に対 して 行 っ て い る認. 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トの 違 い に よ り,有 効 で あ る とみ な す 自 己 教 示 文 に も 違 い が 生 じ る の か を検 討 す る こ と(研 究m),を. 2)自. 目的 とす る。. 己教示訓 練. 認 知 行 動 療 法 の 代 表 的 な 技 法 の1っ SIT)が. あ る 。 自 己 教 示 と は,人. と し て,自. 己 教 示 訓 練(Self'instructionaltraining:. が 内 潜 的 に あ る い は 外 顕 的 に,自. 分 自身 に 対 処 的 な こ と ば. を 言 い 聞 か せ る こ と で あ る 。 自 己 教 示 を 体 系 的 に 用 い る こ と に よ っ て,自 行 動 を 変 え る こ と を め ざ す の がSITで. 根 建i・豊 川(1991)は,自. あ る(関. ら の 認 知 ・感 情 ・. 口 ・根 建,1999)。. 己教 示 の 臨床 的 有 効 性 が 確 認 され て 以 降,自. 己教示 の効 果 を. 規 定 す る 要 因 を 同 定 す る研 究 へ 焦 点 が シ フ トして お り,特 に 教 示 文 の 内 容 が 重 要 な 要 因 と し て 取 り上 げ られ て い る こ と を指 摘 して い る。 実 際 に,長 江 ・根 建 ・関 口(1999)で. は,. 自 己 教 示 文 の 内容 に よ り効 果 が 異 な る こ と が 示 され て い る 。 しか し,教 示 文 の 焦 点 と改 善 す る 側 面 との 対 応 関 係 は 不 明確 な ま ま で あ っ た 。 そ こで,伊 藤 ・根 建 ・長 江(2000)は, 教 示 内 容 の 統 一 化 を 図 る こ と に重 点 を置 き,シ 述 文 を も と に,因. ャ イ ネ ス の 対 処 に 一 般 に 用 い られ て い る 陳. 子 分 析 を 用 い て 因 子 論 的 妥 当性 の 高 い 自 己 教 示 文 を 作 成 した 。 そ して,. そ の 効 果 を確 認 して い る 。 ま た,岩. 崎 ・伊 藤 ・根 建(2001)は,因. 子 分析 に よってテ ス ト. 不 安 に 特 有 の 対 処 的 自 己 陳 述 文 を 抽 出 して 自 己 教 示 文 を 作 成 した 。 そ の 結 果,研 釈 可 能 な3因. 究1で. 解. 子 が 抽 出 され,「 積 極 的 対 処 型 」 「 消 極 的 対 処 型 」 「自己 の 理 想 化 型 」 と命 名 さ. れ た 。 研 究Hで. は,テ. ス ト場 面 を 想 像 す る こ とで テ ス ト不 安 を 喚 起 し,そ の 状 態 で 自 己 教. 示 訓 練 を 行 う こ とで テ ス ト不 安 の 低 減 を試 み た 。 そ の結 果,「 抑 うっ ・落 ち 込 み 」 と 「 混 乱」 お よび. 「 セ ル フ エ フ ィ カ シ ー 」 の3尺. 度 で,実 験 群 に お い て 試 行 を 重 ね る に従 っ て 有 意 な. 気 分 の 改 善 が み られ た 。 ま た,積 極 的 対 処 型 の 自 己 教 示 文 の ほ うが 消 極 的 対 処 型 の 教 示 文 よ り気 分 の 変 容 に 効 果 が あ る こ と が 示 され た 。 さ ら に,対 処 方 略 が 必 要 と さ れ る テ ス ト不 安 傾 向 の 高 い 者 に とっ て,そ SITの. うで な い 者 と比 較 して,SITの. 効 果 は よ り大 き か っ た 。. 要 因 分 析 的研 究 に は,他 に 個 人 差 要 因 に 関 す る 研 究 が あ る 。特 陛 シ ャイ ネ ス の高 い. 大 学 生 を 対 象 と して,個. 人 差 要 因 とSITの. 効 果 の 関 係 を 検 討 した 研 究 が い くっ か 行 われ て. 9.
(11) い る(関. 口 ・根 建,1999:増. 根 建(1999)は,個. 田 ・根 建 ・長 江,2001:金. 築 ・関 口 ・増 田 ・根 建,2002)。. 人 差 要 因 で あ る考 え方 の 偏 りの 著 し さ を 取 り上 げ,考. っ て い る 人 で も,SITが. 関口 ・. え方 が極 端 に 偏. 効 果 を発 揮 す る こ と を 示 した 。 さ らに,被 験 者 の 教 示 の 好 み に介 入. を 一 致 させ る こ と,っ ま り個 人 差 一一致 治 療 の 効 果 を 検 討 した 研 究 も あ る(増. 田 ら,2001)。. 個 人 差 一 致 治 療 が 実 際 に 行 われ る 臨 床 場 面 を 想 定 し て み る と,色 々 な 要 因 が あ り うる が, 提 示 さ れ る技 法 を ク ラ イ エ ン トが 直 観 的 に 好 む か ど うか と い う要 因 は,治 療 に 対 す る 動 機 づ け を 左 右 し う る だ け に,SITの. 効 果 に 対 し て 重 要 な 意 味 を もっ 可 能 性 が あ る。 増 田 ら. (2001)で. は,シ. ャ イ ネ ス 傾 向 の 高 い 大 学 生30名. (WLC)群. に 振 り分 け られ た 。 そ して,実 験 群 の 被 験 者 は,認 知 焦 点 型 と行 動 焦 点型 の 自. 己 教 示 文 を 提 示 され,好. が 実 験 群 か ウ ェ イ テ ィ ン グ リス ト統 制. み 通 りの認 知 焦 点 型 自 己 教 示 文 で 訓 練 を行 う(SIT-P)群. で な い 認 知 焦 点 型 自 己 教 示 文 で 訓 練 を行 う(SIT-N)群 ネ ス 特 性 が 有 意 に 改 善 し,そ の 効 果 は6ヵ か し,個 人 差 に 一 致 した 介 入(SIT-P)が 他 の 個 人 差 要 因 と し て,反. に分 け られ た 。SIT群. 効 果 的 とい う仮 説 は 検 証 され な か っ た 。. 応 パ タ ー ン が あ げ ら れ る 。 金 築 ら(2002)は,被. 拍 数 の 変 化 の 値 が 小 さ く,シ. SSS;関 SSSの. 得 点 が 高 い も の で,physiologicalreactorsは,. は,WLC群. と 比 較 し て,訓. 大 学 生 の シ ャイ ネ ス 変 容 練 を 重 ね る に っ れ て,低. 度 の 受 容 欲 求 と 自 己 期 待 が 改 善 し た 。 ま た 訓 練 期 間 を 終 え て,ポ. の 会 話 場 面 に 臨 む に あ た っ て,初 ま り,否. 分 類 し て い る 。cognitivereactors. 拍 数 の 値 の 変 化 が 大 き い 者 で あ る 。SITが. に 及 ぼ す 効 果 を 調 べ た 結 果,SIT群 自 尊 感 情,過. 対 面 の 異 性 と う ま く 会 話 で き る 自信(自. 定 的 な 自 己 陳 述 が 弱 ま っ た 。 次 に,被. 験 者 の 個 人 差 要 因(反. の 効 果 に 及 ぼ す 影 響 を 調 べ た 結 果,cognitivereactorsは,SITを 直 前 の 状 態 不 安 の 減 少 が 見 られ た 。cognitivereactorsがSITを reactorsがSITを. 行 っ た 方 が,ポ. ス トテ ス トに お い て,大. こ れ は 個 人 差 一 致 治 療 の 有 効 性 と い う観 点 か ら 考 え る と,仮. 以 上 の よ うに,自. 己教 示 の効 果 を 規 定す る要 因 と し て,教. 3)注. い. ス トテ ス ト. 己 効 力 感)が. 高. 応 パ タ ー ン)がSIT. 行 う と,特. 性 不 安 と課 題. 行 う よ り も,physiological き く不 合 理 な 信 念 を低 減 した 。 説 に 反 した 結 果 で あ る 。. 示 内容 や 個 人 差 要 因 が 重 要 な. 役 割 を果 た して い る こ と は 間違 い な い だ ろ う。 しか しな が ら,SITの い て は,ま. 験者 を反応. ャ イ ネ ス 自 己 陳 述 尺 度(ShynessSelfstatementScale:. 口 ・鈴 木 ・根 建 ・生E,1997)の 得 点 が 低 く,心. で は,シ ャ イ. 月 後 の フ ォ ロ ー ア ップ で も維 持 され て い た 。 し. パ タ ー ン(cognitivereactorsとphysiologicalreactors)に は,心. か,好 み. 効果 の メカ ニズ ムにっ. だ 明 ら か に な っ て い な い 点 が あ る。. 意 ・マ イ ン ド フ ル ネ ス ・ア ク セ プ タ ン ス. 注 意 と い う概 念 は 抑 うつ,不. 安 な ど臨 床 的 に 様 々 な 精 神 病 理 の 状 態 と深 い 関 連 が あ る こ. と が 示 さ れ て い る(lngram,1990)。 消 去 に 関 す る 中 心 的 要 因 と し て,恐. 例 え ば,社. 会 不 安 の モ デ ル で は,不. 安 の 生 起 ・維 持 ・. 怖 に対 す る 注 意 資 源 の 配 分 の 偏 りの 重 要 性 を強 調 して. い る(Clark&Wells,1995;Rapee&Heimberg,1997)。. 自己へ の偏 っ た注意 が不安 を維. 10.
(12) 持 さ せ る とい うClark&Wells(1995)の. モ デ ル や,自 己 の み な らず 外 的 脅 威 な ど外 界 へ の 注. 意 を 考 慮 に 入 れ たRapee&Heimberg(1997)の. モ デ ル が 示 され て い る。 い ず れ の モ デ ル に. お い て も,社 会 不 安 の 生 起 ・維 持 ・消 去 要 因 と して 注 意 の 影 響 を論 じて い る 点 で 共 通 し て い る 。 そ こで,山. 田 ・関 口 ・伊 藤 ・根 建(2002)は,注. 意 の 焦 点 を 測 定 す る 尺 度 を 作 成 し,. そ の 信 頼 性 ・妥 当 性 を検 討 した 。 作 成 され た 尺 度 は,2因. 子12項. 目で あ っ た 。 第1因. 子は. 「 他 者 に焦 点 づ け られ た 注 意 」 で あ り,個 人 が 社 会 的 な 状 況 に お い て 他 者 に 注 意 を 向 け る 程 度 を 評 価 す る も の で あ っ た 。 第2因. 子 は 「自 己 に焦 点 づ け られ た 注 意 」 で あ り,個 人 が. 社 会 的 な 状 況 に お い て 自 己 に 注 意 を 向 け る程 度 を評 価 す る も の で,自 る 内 的 手 が か りで あ る と考 え られ る。 第1因. 子,第2因. 己イ メー ジを形 成 す. 子 と も 高 い 内 的 整 合 性 を 示 して お. り,併 存 的 妥 当性 も確 認 され た 。 と こ ろ で,最. 近 に な っ て 瞑 想 法 の 元 来 の 目的 で あ る. が 注 目 さ れ る よ う に な り,瞑. 「悟 り」 と い っ た 認 知 的 態 度 の 変 容. 想 法 の 瞑 想 中 に お け る 注 意 の しか た や 認 知 の プ ロ セ ス が 認 知. 行 動 療 法 に 活 用 さ れ,遷. 延 性 う つ 病,全. 般 性 不 安 障 害,パ. 害,境. 質 乱 用 障 害,摂. 食 障 害,痙. 界 性 人 格 障 害,物. 果 が あ る こ と が 確 認 さ れ 始 め て い る(勝. ニ ッ ク 障 害,外. 痛 性 障害や 統 合失 調症 の 陽性 症状 に効. 倉 ・伊 藤 ・児 玉 ・安 藤2008)。. そ の代表 的な もの. と し て マ イ ン ド フ ル ネ ス ト レー ニ ン グ(mindfulnesstraining;MT)が ン ド フ ル ネ ス と は,「 意 図 的 に,今. こ の 瞬 間 に,価. と 」 と 表 現 さ れ(Kabat-Zinn,1994),マ し,あ. 傷 後 ス トレス 障. 挙 げ られ る 。 マ イ. 値 判 断 を す る こ とな しに 注 意 をむ け る こ. イ ン ドフ ル ネ ス ・ア プ ロ ー チ の ス タ ン ス は,歓. る が ま ま に して お く こ と に あ る。 問題 に 対 して. 「オ ー プ ン 」 で い る こ と を,そ. 迎 して. す べ て の 体 験 に 対 し て 穏 や か な 態 度 を と る こ と を す す め て い る(Seagaletal.,2007)。. 既 存 の 理 論 を 用 い て マ イ ン ドフル ネ ス の 効 用 を 説 明 し よ う とす る試 み も な され て い る 。 Baer(2003)は. 文 献 の レ ビ ュー か らMTの. 以 下 の よ うな 機 能 を指 摘 して い る:1)今. け て い た 内 的 体 験 へ の エ ク ス ポ ー ジ ャ ー,2)自 化,3)自. 己観 察 と 自己 管 理 の 向 上,4)リ. ア ク セ プ タ ン ス と は,逃. 分 の 思 考 に対 す る 態 度(メ. ラ ク セ ー シ ョ ン,5)ア. タ認 知)の. 変. ク セ プ タ ン ス の 向上 。. げ た り,破 壊 した りす る方 向 に働 い て い た 行 動 を,接 触 を も と め. 維 持 す る よ うな も の に変 え る こ とで あ る(Cordova,2001)。 動 療 法 の 基 本 は,各. まで避. 個 人 の 価 値 観 や 希 望 に 添 え る よ うに,積. ア ク セ プ タ ン ス に基 づ い た 行 極 的 に行 動 す る こ とに あ る. (Orsillo,Roemer,Lerner&Tull,2005)。 Orsilloetal.,(2005)は,注. 意 の 扱 い 方 に 対 す る認 知 行 動 ア プ ロ ー 一チ と ア ク セ プ タ ン ス. ・. ア プ ロー チ の 違 い を 以 下 の よ うに 比 較 して い る。 認 知 行 動 ア プ ロー チ で は特 定 の 刺 激 や 反 応 に 注 意 を 向 け させ る(例. えば,不 安 の き っ か け に 気 づ く,生 理 学 的 反 応)。 一 方,ア. プ タ ン ス ・ア プ ロー チ で は 注 意 の 焦 点 を広 くす る こ と に 着 目す る。 第 二 に,ア ス ・ア プ ロ ー チ で は 注 意 の 質 は,非 注 意 を 向 け る こ と で,自 る。 そ の結 果,否 以 上 の よ うに,認. 常 に独 自の も の で あ る 。 体 験 に,決. クセ. クセ プ タ ン. め つ け な い優 し い. 己 とい うも の を そ の 時 々 の 反 応 か ら切 り離 して 考 え る こ とが で き. 定 的 な 内 的 体 験 を避 け る 必 要 も な く な る の で あ る。 知 行 動 的 ア プ ロー チ も ア ク セ プ タ ン ス ・ア プ ロー チ も と も に 回避 す る の. 11.
(13) で は な く,問 題 に 立 ち 向 か っ て い く点 で 共 通 して い る 。 た だ そ の プ ロ セ ス が,前. 者 は問題. に 焦 点 を あ て て 対 処 方 法 を 見 出 し て い く が,後 者 は 注 意 の 幅 を 広 げ て 問 題 を 受 け 入 れ よ う とす る 点 で 異 な っ て い る の で あ る。 本 研 究 で は,両. 者 の この ス タ ンス の違 い を 自己教示 内. 容 の 中 で 反 映 させ た い と考 え て い る。 し た が っ て,本 研 究 で は,不. 安 に対 して 人 々 が 行 う. 認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トに は,違 い が あ る の で は な い か と考 え る 。 そ して,違 な ら ば,自. 己 教 示 訓 練 を 行 う際 に もそ の 教 示 内 容 を 工 夫 す る必 要 が あ る。 具 体 的 に は,不. 安 に 積 極 的 に 対 処 し よ う と しな い 人 々 に とっ て は,積 ろ,自. いが あ る. 極 的 な 内 容 の 自 己教 示 文 よ りも む し. 己 を 受 容 す る 内 容 や 不 安 な 状 況 を 受 け 入 れ る 内 容 の 方 が 有 効 で あ る可 能 性 が あ る の. で は な い だ ろ うか 。 つ ま り,不 安 に積 極 的 に 対 処 し よ う と して も 不 安 に と ら わ れ て しま う 人 々 は,受 容 的 な 自己 教 示 を行 う こ と に よ り,現 状 を 受 け 入 れ よ う とい うア ク セ プ タ ン ス の 向 上 が 図 られ,結. 4)自. 果 と して 不 安 が 低 減 され る の で は な い か と考 え る 。. 己受容 性. 自 己 受 容 性 に 関 す る これ ま で の 研 究 は,① 性 を研 究 した も の と,② ま ず,宮. 沢(1987)に. 発 達 心 理 学 や 青年 心 理 学 の 視 点 か ら 自 己受 容. 不 安 と 自己 受 容 性 に関 して 研 究 し た も の に 大 別 で き る 。 よ る と,自 己受 容 性 と は,自. 己 を冷 静 に 認 識 し,自 己 を 肯 定 的 に. 捉 え る とい う こ とで あ る。そ の た め に は,自 己の 長 所 や 短 所 を認 識 す る こ とが 必 要 で あ る。 さ ら に,短 所 を 否 定 的 に 捉 え る の で は な く,そ れ で も 自分 は 人 間 と して 価 値 の あ る存 在 で あ り,現 在 の 自 分 を大 切 に して,自 分 を 信 頼 し て い る とい う 自 己 の 肯 定 的 な 受 け 容 れ と な っ て い る こ と で あ る。 こ の よ うな 観 点 か ら,宮 沢(1987)は,自 6項 目,自 己 価 値6項. 目,自 己信 頼7項. 目の 計27項. 己 理 解8項. 目,自 己 承 認. 目 か らな る 自 己 受 容 性 測 定 ス ケ ー ル. を 作 成 した 。 こ れ らは,因 子 的 妥 当性 と再 テ ス ト法 に よ る信 頼 性 とか ら検 討 され て い る 。 ま た,自. 己 受 容 性 とパ ー ソナ リテ ィ特 性 との 関 連 に つ い て,YGテ. ス トを 用 い て 検 討 した. 結 果,自 己受 容 性 の4側 面 の い ず れ の ス ケ ー ル に お い て も,得 点 の 高 い 者 は 低 い 者 に比 べ, 抑 うっ 性 小,気. 分 の変 化 小,劣 等 感 小 で あ り,全 体 的 に は,情 緒 的 に 安 定 し た 適 応 状 態 に. あ る。 次 に,自 己 受 容 性 と不 安 に っ い て は,中 で も対 人 関 係 に 着 目 した 研 究 が あ る。冨 重(2001) は,青. 年 期 に お け る 異 性 交 際 へ の 不 安 と 自我 同 一 性 感 覚 の 下 位 要 素 で あ る 「自 己安 定 性 」,. 「自 己 感 覚 」,「 目的 志 向性 」,「自 己 受 容 」,の4要 安 」 の 関 連 を 検 討 した 。 そ の 結 果,異 制 不 安,自. 素,ま. た 「自尊 心 」,「成 長 不 安 ・抑 制 不. 性 不 安 得 点 と有 意 な 相 関 を 得 て い た の は 自尊 心,抑. 己 安 定 性,自 己 感 覚,自 己受 容 の 合 計5下 位 尺 度 で あ っ た 。 この 結 果 に お い て,. 異 性 不 安 と 自 己 受 容 に着 目す る と,異 性 交 際 へ の 不 安 を 強 く経 験 す る 者 ほ ど,現 在 の あ り の ま ま の 自分 を,良. い 点 も 欠 点 も含 め て 受 け入 れ る こ とが で き な い 可 能 性 が あ る 。 ま た,. 西 田 ・松 島 ・名 取 ・石 垣(2005)は,ソ. ー シ ャ ル サ ポ ー トの 互 恵 性 とい う観 点 か ら 自己 受. 容 お よ び 不 安 の 関 係 を検 討 し て い る 。 自 己受 容 お よび 不 安 の 各 指 標 に 関 す る 分 析 の 結 果,. 12.
(14) 友 人 間 ソー シ ャル サ ポ ー トの 「 差 得 点 」 に よ り分 類 した5群. 間 に は,い ず れ の 指 標 に つ い. て も 有 意 な 平 均 値 差 は み られ な か っ た。 し か しな が ら,「 差 得 点 」 の 絶 対 値 が 大 き な 群,っ ま り正 負 の ど ち ら か に 互 恵 性 が ず れ て い る 群(「 互 恵 性 極 端 群 」)と,完. 全 に互 恵性 が成 立. して い る群(「 互 恵 性 成 立 群 」)と の比 較 を行 っ た と こ ろ,「 互 恵 性 成 立 群 」 は 「 互 恵性極 端 群 」 と く らべ,不 安 が 低 い こ とが 示 され た 。 一方 ,母 性 看 護 実 習 の 前 後 で,不 安 と 自 己 受 容 性 が どの よ うに 変 化 す る か を 検 討 した 研 究 も あ る。 神 林 ・管 野 ・西 脇(2000)は,母. 性 看 護 学 実 習 前 後 に お い て,学. 生 の抱 い てい. る 不 安 と 自 己 受 容 性 との 関係 及 び そ れ らの 変 化 を 明 らか に す るた め,SpeilbergerのSTAI と宮 沢(1987)の. 自己 受 容 測 定 ス ケ ー ル(SelfAcceptallceInventory:SAI)の2種. 問 紙 を 用 い て 調 査 を実 施 した 。 そ の 結 果,STAIの が 見 られ た 。 ま た,STAIとSAIの. 類 の質. 状態 不 安 にっ いて のみ 実習 前後 で 有意差. 関 係 か ら,不 安 が 高 い 場 合 に は 自己 受 容 性 が 低 い とい う. 傾 向 が 見 られ た 。 自己 受 容 性 は実 習 前 に比 べ て 実 習 後 に は徐 々 に 高 ま りっ つ あ る 状 態 を示 す 結 果 が 得 られ た 。 さ らに,清 水 ・伊 地知 ・西 脇(2002)は,母 も な い,学. 性 看 護 学 の学 習 の進 行 に と. 生 の 不 安 と 自 己受 容 性 が ど の よ うに 変 化 す る の か を 縦 断 的 に研 究 した と こ ろ,. 特 性 不 安 と 自 己 受 容 の4側. 面 は,ど の 時 期 に お い て も負 の 相 関 を 示 した こ と を 明 らか に し. て い る。 こ れ ら の 研 究 か ら言 え る こ とは,長 所 ・短 所 を含 め た 自 己 の 諸 側 面 を 冷 静 に 認 識 し,あ りの ま ま の 自分 を 嫌 悪 した り否 定 した りせ ず に 承 認 し,自 分 の 人 間 的 価 値 を 疑 わ ず,自 の 可 能 性 や 能 力 を 信 じ る と い う 自己 受 容 性(西 係 場 面 や 実 習 を よ り 円 滑 に進 め る た め に は,自. 田 ら,2005)と. 分. 不 安 に は 関 連 が あ り,対 人 関. 己 を受 容 で き た 状 態 で あ り,不 安 が 過 度 で. は な い こ とが 望 ま しい の で は な い だ ろ うか 。 した が っ て,本. 研 究 に お い て は,教 育 実 習 不 安 の 低 減 を 目指 し 自己 教 示 を 行 う際 に,教. 示 内 容 に 自 己 を 受 容 す る 視 点 を 取 り入 れ る こ と とす る。 例 え ば,自 分 を 肯 定 し大 切 に す る 言 葉 と して,ア. フ ァ メー シ ョ ンが あ る(西 尾,1996)。. け て い る と き に,自 め,生. 分 で 自分 を 勇 気 づ け る こ と は,自. ス トレ ス状 態 や 大 き な ダ メー ジ を 受 己 信 頼 感 や 自己 コ ン トロー ル 感 を 高. き る カ を 引 き 出 す こ とに つ な が る も の で あ る(小 澤2005)。. 神 林 ら(2000)の. 研究. に お い て も,不 安 と 自己 受 容 性 に は 中程 度 の 負 の 相 関 が あ る こ とが 明 らか に な っ て お り, 不 安 揚 面 に お い て 自 己 を 受 容 す る 内 容 の 自 己教 示 を行 うこ とは 不 安 低 減 に効 果 が あ る の で は な い か と考 え る。. 5)教. 育 実習不 安. 教 育 実 習 は,教. 育 職 員 免 許 状 を 取 得 す る た め の 必 修 要 件 で あ り,実 際 の 学 校 に お い て 実. 習 体 験 を 行 う こ と が 課 せ られ た 科 目で あ る 。 教 育 実 習 体 験 の 最 も 大 き な 特 徴 は,教. 育実 習. 生 と し て 学 校 生 活 を送 る こ とに あ り,学 生 か ら教 師 へ と い う役 割 の 変 化 を経 験 す る こ と に あ る 。 そ れ ま で,児. 童 ・生 徒 ・学 生 を 経 験 した 大 学 生 が,実. 13. 習 校 に お い て は 教 師 と して 学.
(15) 校 生 活 を 送 る こ と に な る。 学 生 に とっ て は この 間 の 役 割 変 化 に 対 して 大 き な 不 安 や 心 配 が 発 生 す る(森 津,2002)。 こ れ ま で に 行 わ れ て き た 教 育 実 習 不 安 に 関 す る 研 究 は,主 造 を 明 らか に し よ う と し た も の,② 実 習 不 安 と実 習 達 成 感 の 関 係 や,教 習 の 効 果 とい っ た,実 ま ず,教. に ① 教 育 実 習 不 安 の 因子 構. 事 前 指 導 と実 習 不 安 低 減 と の 関 連 を検 討 した も の,③ 師 効 力 感,教. 育 実 習 不 安,教. 師志 望 度 に及 ぼす 教 育実. 習 不 安 とそ れ に 関連 す る変 数 に つ い て 検 討 し た も の に 大 別 され る。. 育 実 習 不 安 の 因子 構 造 に つ い て,大 野 木 ・宮 川(1996)は,教. 職 志 望 の大学 生. が もっ 教 育 実 習 不 安 を 調 査 し,「 授 業 実 践 力 」,「児 童 ・生 徒 関係 」,「体 調 」,「身 だ しな み 」 の4つ. の 次 元 か ら構 成 され る教 育 実 習 不 安 尺 度 を 作 成 して い る 。 そ し て,そ. のす べ ての得. 点 が 教 育 実 習 後 に 低 く な る こ とを 報 告 し た 。 さ ら に,教 育 実 習 不 安 尺 度 と 自 己 効 力 感 に 関 す る 下 位 尺 度 との 問 に 負 の 相 関 関係 が あ る こ と を示 して い る 。 ま た,善. 明 ・南 本(2004). は,「 教 育 実 習 で の 不 安 尺 度 」 を 作 成 し,実 習 生 の 教 育 実 習 に 向 け て の 不 安 は,① 導 に 関 す る 不 安,②. 生 徒 との 関 係 形 成 に 関 す る 不 安,③. ④ 教 師 と の 関 係 形 成 に 関 す る不 安 の4領 小 林(2004)は,実 る か(指. 生 徒 へ の 指 導 力 に 関 す る 不 安,. 域 で 構 成 され て い る こ と を 明 らか に した 。 一 方,. 習 前 に 学 生 が 最 も不 安 で あ る と考 えて い る 事 項 は ① 授 業 が うま くで き. 導 案 作 成,教. く とれ る か,③. 教科 指. 材 研 究,板 書 な ど),②. 生 活 指 導 が うま く で き る か(子. 子 ど も た ち との コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン が うま ど もへ の 注 意 な ど)の3点. で あ る と し,こ. れ ら の 不 安 に 応 え る 内 容 を含 む 事 前 指 導 の 重 要 性 を 指 摘 して い る。 こ れ ら の 先 行 研 究 で 共 通 して い る こ と は,実 習 生 が 授 業 実 践 と児 童 生 徒 との 関係 に 不 安 を抱 い て い る とい う こ と で あ る。 次 に,事 効 率 化,円. 前 指 導 に っ い て で あ る が,事 前 指 導 は,限 滑 化 を 図 る こ とを 目標 と し(黒 崎,2001),教. 方 法 の 習 得,教 は,事. られ た 期 間 で 実 施 され る教 育 実 習 の 育 実 習 で 必 要 とな る様 々 な知 識 や. 育 実 習 へ の意 欲 づ けや 心 理 的 不 安 の解 消 な どが 行 わ れ て い る。 姫 野(2003). 前 指 導 の 具 体 的 な 内容 と して ① 教 育 実 習 の 目的,②. の 諸 連 絡,④. 手 引 き の 説 明,⑤. 教 育 実 習 ビデ オ,を. 現 職 講 師 の講 演,③. あ げ て い る 。 そ して,半. 学 生部へ 数 以上 の学. 生 が 学 生 部 の 諸 連 絡 以 外 の 全 て の 項 目で,事 前 指 導 が 不 安 解 消 に 役 立 っ た と 回 答 して お り, 一 定 の 成 果 が うか が え る で は,教. 。 しか し,事 前 指 導 が 教 育 実 習 で役 立 っ た か ど うか を尋 ね た 結 果. 育 実 習 中 に は 必 ず し も有 効 に 機 能 して い な い こ とが 明 ら か とな っ た 。 ま た,澤. (2007)は,学. 登. 生 の 意 識 調 査 の 結 果 か ら,実 習 前 の 期 待 をや る 気 に 結 び っ け,不 安 を 解 消. す る た め に は 様 々 な 立 場 の 指 導 者 や 先 輩 との 少 人 数 で の グル ー プ ワー ク が 有 効 で あ り,大 学 の 教 科 教 育 の 授 業 と連 動 した 「 指 導案 作成 の指 導」 や 「 模 擬 授 業 」 の 系 統 的 ・計 画 的 指 導 の 必 要 性 が 明 らか に な った こ と を 報 告 し て い る 。 最 後 に,実 習 不 安 と他 の 変 数 の 関 連 に つ い て 検 討 した も の を 概 観 す る。森 津(2002)は, 実 習 不 安 と 実 習 達 成 感 の 関係 に つ い て 検 討 し,実 習 実 践 に 対 す る 不 安 が 高 い ほ うが,指 導 内 容 や 教 諭 ら し さ の 達 成 度 が 高 い こ とを 示 し て い る。 ま た,教 諭 ら し さに つ い て は,特. に. 身 だ し な み へ の 不 安 や 気 遣 い が 明 確 に 結 び っ い て い る こ と を 報 告 し て い る。 さ らに,実 習. 14.
(16) 不 安 ・実 習 達 成 感 と成 績 の 関 係 を 検 討 し,実 習 不 安 が 高 い ほ ど実 習 先 の 実 習 評 価 が 高 い こ と を 明 らか に した 。 しか し,こ の 結 果 は 実 習 不 安 が 高 け れ ば 高 い ほ ど 良 い と い う こ と を 意 味 す る も の で は な く,適 度 な 不 安 が パ フ ォ ー マ ン ス を 高 め る可 能 性 が あ る と い うこ と を 示 唆 し た も の で あ る 。実 際 に,森 津(2002)は,実. 習 に 対 す る 適 度 な 不 安 や 緊 張 感 が よ り積 極. 的 な 実 習 へ の 態 度 を 形 成 した の で は な い か と報 告 し て い る。 一 方,西 効 力 感,教. 育 実 習 不 安,教. 習 に よ る これ ら の3要. 松(2008)は,教. 師. 師 志 望 態 度 に及 ぼ す 教 育 実 習 の 効 果 を 検 討 し,あ わ せ て 教 育 実. 因 の 変 化 に っ い て 性 差 の 観 点 か ら検 討 し て い る 。 そ の 結 果,教. 習 に よ り,個 人 的 教 師 効 力 感 が 高 ま る とい う効 果 が 認 め られ,そ わ れ る 可 能 性 を 示 した 。 教 育 実 習 不 安 に っ い て は,教. 育実. の 効 果 は 特 に男 性 に あ ら. 育 実 習 に よ り授 業 実 践 不 安 が 低 下 す. る が,事 前 事 後 と も に女 性 の 不 安 が 高 い とい う結 果 に な っ た 。 ま た,児 童 生 徒 関 係 不 安 も 教 育 実 習 で 低 減 す る が,事 度 は,実. 前 事 後 と も に 女 性 の 不 安 が 高 い とい う結 果 とな っ た 。 教 師 志 望. 習 前 よ り実 習 後 の ほ うが 高 い とい う結 果 と な り,実 習 の 前 後 と も女 性 の 教 師 志 望. 度 は 男 性 の そ れ に比 べ 低 い 結 果 で あ った 。 以 上 の よ うに,多. くの 研 究 は 教 育 実 習 不 安 の 内容 理 解 や 実 習 前 後 で 不 安 が どの よ うに 変. 化 し た の か を 検 討 す る も の に 留 ま っ て い る。 実 習 不 安 の 低 減 を 目的 と した 事 前 指 導 に 関 す る 研 究 も 見 られ る が,統. 制 群 を設 け 実 際 に効 果 を測 定 した も の は 見 られ な い 。 ま た,実. 不 安 と他 の 変 数 と の 関 連 に つ い て 検 討 した 研 究 は あ る も の の,具. 習. 体 的 に ど の よ うに す れ ば. 教 育 実 習 不 安 の 高 い 学 生 の 不 安 を 軽 減 す る こ とが で き る の か とい っ た 研 究 は こ れ ま で に な され て い な い 。 した が っ て,本 出 す こ と は,今. 研 究 に お い て 教 育 実 習 不 安 の 軽 減 に 有 効 で あ る と考 え られ る 教 示 文 を 見. 後,教. 育 実 習 生 が よ り円 滑 に 実 習 を行 うた め に 意 味 が あ る と考 え る。 教 育. 実 習 は わ ず か な 期 間 で は あ るが,実. 習 で の体 験 が そ の 後 の教 員 志 望 度 を左 右 す る と い っ て. も 過 言 で は な い 。 も ち ろ ん 授 業 を 行 う前 の 準 備 や リハ ー サ ル は 非 常 に 重 要 で あ り,自 己 教 示 を 行 う こ とで,不 己 教 示 が,実. 6)不. 安 が な く な り全 て が 上 手 く進 む と い う こ と は 恐 ら くな い 。 しか し,自. 習 生 が 自分 の 本 来 持 っ 力 を 十 分 に 出 し切 る 一 助 に な れ ば 幸 い で あ る 。. 安 へ の と らわれ の周 辺概 念. 不 安 へ の と らわ れ の周 辺 概 念 と して,心 配 や 「 ネ ガ テ ィ ブ な 反 す う」(そ の 人 に と って 否 定 的 ・嫌 悪 的 な こ と を長 い 間 繰 り返 し考 え る こ と)が考 え られ る。 不 安 は,認 知,行 理 とい う3っ の 成 分 か らな る が(Lang,1971),心 θta!,1983)と. 動,生. 配は 「 思 考 や イ メ ー ジ の 連 鎖 」(Borkovec,. され る よ うに,認 知 的 成 分 に 相 当す る。 心 配 は,制 御 困 難 な思 考 で あ る と同. 時 に,困 難 な 問 題 に対 処 す るた め に能 動 的 に 制 御 され た過 程 で も あ る(杉 浦2001)。 が 臨 床 的 に 問 題 とな る の は 制 御 困 難 性 の た め で あ る 。 杉 浦(1999)は,心. 心配. 配 の問題 解決 志. 向 性 と制 御 困 難 性 に つ い て 検 討 して い る。 そ の 結 果,問. 題 解 決 志 向性 は 制 御 困 難 性 を 抑 制. す る効 果 と と も に,問 題 が 解 決 され な い とい う感 覚(未. 解 決 感)を. 15. 強 め る こ と を 通 じて,.
(17) 制 御 困難 性 を 促 進 す る効 果 を 持 っ て い る こ とが 見 出 され た 。 つ ま り,心 配 に よ っ て 問 題 解 決 を し よ う とす る 程 度 が 高 い こ と 自体 が,間 接 的 に 制 御 困 難 性 を強 め る こ とが 明 らか に な っ た。 一方. ,伊 藤 ら(2001)は. ネ ガ テ ィ ブ な 反 す うは,代. 表 的 な 抑 うつ の 心 理 的 要 因 で あ る 完. 全 主 義,帰 属 様 式,メ ラ ン コ リー 型 性 格 よ りも,抑 うっ との 関 連 が 深 い 可 能 性 を 示 唆 した 。 さ ら に,伊 藤 ・上 里(2003)の. 研 究 に よ りネ ガ テ ィ ブ な 反 す う傾 向 と神 経 症 傾 向 に は比 較. 的 強 い 正 の 相 関 が あ る こ と が 明 らか に な っ た 。 しか し な が ら,神 経 症 傾 向 を 統 制 して も, ネ ガ テ ィ ブ な 反 す う傾 向 と過 去 の うっ 状 態 の 間 に 正 の 相 関 が あ る こ とか ら,ネ ガ テ ィ ブ な 反 す うは神 経 症 傾 向 と は 異 な る も の で あ る こ とが 示 され た 。 ま た,児 向 が 不 安 症 状 に 及 ぼ す 影 響 を 検 討 した 山本 ら(2008)の. 童 に お け る反 す う傾. 研 究 で は,否 定 的 反 す う傾 向 とす. べ て の 不 安 症 状 間 に お い て ,有 意 な 相 関 が 見 られ た こ と,分 析 的 反 す う傾 向 に お い て は 有 意 な 相 関 は 見 られ な か っ た こ とが 報 告 され て い る。 以 上 の結 果 よ り,反 す う は 抑 うつ 症 状 や 不 安 症 状 に 影 響 を及 ぼ す こ とが 明 ら か とな っ て い る が,反 す うが 抑 うっ に 固 有 の も の な の か,抑. うっ と不 安 の 双 方 に影 響 を 与 えて い る も の な の か,さ. らに は 反 す う の 中 に も ネ ガ. テ ィ ブ な 影 響 を 及 ぼ す も の とそ うで な い も の と が あ る な ど,一 致 し た 見 解 は ま だ 得 られ て い な い。. 16.
(18) 第3節. 以 上 の こ と か ら,研 究1で. は,ま ず,不. 的 マ ネ ー ジ メ ンFを 行 っ て い る の か,そ. 目的. 安 に対 処 す る た め に 人 々 が どの よ うな 認 知 行 動. の 違 い を 検 討 す る 。 次 に 研 究Hで. は,教 育 実 習 に. 対 す る 不 安 に 焦 点 を あ て,実 際 に 実 習 を終 え た 学 生 が 不 安 低 減 の た め に 用 い た 自己 教 示 文 を 収 集 し,因. 子 論 的 妥 当 性 の 高 い 自 己 教 示 文 を 作 成 す る こ と を 目的 とす る。 この 際,本. 研. 究 に お い て は 自 己 教 示 文 の タイ プ の 一 つ と して 自己 を 受 容 す る 内 容 の 教 示 文 を含 め る こ と とす る。神 林 ら(2000)の. 研 究 に よれ ば,不 安 と 自己 受 容 性 に は 中 程 度 の負 の 相 関 が あ る こ. と が 明 らか に な っ て お り,不 安 場 面 に お い て 自 己 を 受 容 す る 内 容 の 自 己 教 示 を 行 うこ と は 不 安 低 減 に 効 果 が あ る の で は な い か と考 え る。 一 方,教 野 木 ・宮 川,1996)や り(e.g.,古 と は,今. ス トレス を感 じて い る こ とは これ ま で の研 究 に よ り明 ら か に な っ てお. 屋 ・坂 田 ・音 山 ・所 澤,1994),実. 後,よ. 育 実 習 生 が 実 習 に 対 して 不 安(大. 習 生 の不安 に有 効 な 自己教示 文 を作成す る こ. り円 滑 に学 生 が 教 育 実 習 を行 うた め に も意 味 が あ る と考 え る。. 最 後 に 研 究 皿 で は,教 育 実 習 生 を 対 象 に,不 安 を低 減 す る 際 に 用 い る認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トの 違 い に よ り,有 効 で あ る とみ な す 自 己 教 示 の タ イ プ に も 違 い が あ る の か を 比 較 し検 討 す る 。. 17.
(19) 第2章. 研 究1. 18.
(20) 第1節. 目的. 不 安 を 適 度 な レベ ル に 調 節 す る こ とを 目的 と した 認 知 行 動 面 の マ ネ ー ジ メ ン トに は, 様 々 な タ イ プ が あ る の で は な い か と考 え る。 っ ま り,不 安 を 生 じ させ て い る 状 況 や,不. 安. に よ り生 じ る 認 知 ・行 動 ・生 理 と い っ た 不 安 そ の も の に焦 点 を あ て て,不 安 と向 き 合 うこ と と,不 安 に 対 す る受 容 的 な認 知 を 身 に つ け,あ る が ま ま の 状 態 を受 け 入 れ,問 離 を 置 い て 平 常 心 を 取 り戻 そ う とす る こ とは,同. 題 か ら距. じ認 知 行 動 面 の マ ネ ー ジ メ ン トと言 っ て. も タ イ プ の 異 な る も の で は な い だ ろ うか 。 以 上 の 点 を 検 討 す るた め,研 究1で. は ク ラ ス タ ー 分 析 を 用 い,人 々 が 不 安 を 低 減 す る た め. に 用 い て い る認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トの類 型 を 明 らか に す る。 特 性 不 安 の 低 い 人 々 は, そ も そ も認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トを 行 う必 要 が な い の で は な い か とい う観 点 か ら,研 究 1に お い て は 特 性 不 安 の 高 い 人 々 の み を対 象 とす る。 ま た,認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トの 類 型 に よ り特 性 不 安 の 得 点 に 差 が あ るか に つ い て も検 討 す る。. 19.
(21) 第2節. 方法. 調査対象者 関 西 圏 の 高 校2年. 生154名. を対 象 に,「 心 の 状 態 とそ の 対 処 の仕 方 」 と して 質 問 紙 調 査 を. 実 施 し た 。 得 られ た 回 答 の う ち 記 入 漏 れ や 記 入 ミ ス の あ っ た14名 140名(男. 性66名,平. 均 年 齢16.70歳,SD=0.46;女. 性74名,平. を 除 き,有. 効 回答 者合 計. 均 年 齢16.70歳,SD=0.46). の デ ー タ を 分 析 対 象 と し た 。 認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン ト尺 度 の 類 型 を 検 討 す る に あ た っ て は,STA【. 得 点 が 平 均 値(49点)以. 女 性38名,平 究1)で. 上 で あ っ た69名(男. 均 年 齢16.63歳SDニ0.49)の. 用 い た デL-一 一 タ は 卒 業 研 究(腰. 性31名,平. 均 年 齢16.55歳,SD=O.51;. デ ー タ を 分 析 対 象 と し た 。 な お,本 添,2007)に. 研 究(研. お い て 収 集 した も の で あ る 。. 調 査 時期 2006年11A中. 旬 に調 査 を行 っ た 。. 質 問紙 の 構 成 1.認. 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン ト尺 度. 不 安 を 軽 減 す る た め に,ど. の よ うに 考 え た り行 動 し た りす る か と い う,不 安 に 対 す る認. 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トを測 定 す る尺 度 で あ る 。腰 添(2007)に 「 不 安へ の とらわれ 」 「 思 考 転 換 」 の3下 位 尺 度25項 く あ て は ま る 」(4点)か 2.多. よ り作 成 され 「 現 状把 握」. 目か ら な る。 回 答 形 式 は,「 と て も よ. ら 「 全 く あ て は ま ら な い 」(1点)ま. で の4段. 階 評 定 で あ る。. 次 元 不 安 測 定尺 度. ど の よ う な 不 安 の 様 相 を 表 す か を 測 定 す る 尺 度 で,腰. 添(2007)に. よ り作 成 さ れ た 。 「評. 価 懸 念 」 「緊 張 」 「発 汗 ・ほ て り 」 「コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」 「精 神 的 疲 労 時 の 分 離 不 安 」 「身 体 的 疲 労 時 の 分 離 不 安 」 の6下 る 」(4点)か. ら. 位 尺 度37項. 目 か ら な る 。 回 答 形 式 は,「. 「全 く あ て は ま ら な い 」(1点)ま. で の4段. とて も よ く あ て は ま. 階 評 定 で あ る 。 得 点 が 高 い と,. 多 様 な 次 元 で 不 安 を 呈 して い る こ と を示 す 。 3.STATE-TRAITANXIETYINVENTI]iORYの. 日本 語 版. 特 性 不 安 を 測 定 す る 尺 度 で,Spielberger(1970)ら INVENTORY(以. 下STAI)の. は,「 い つ も そ う で あ る 」(4点)か. 日本 語 版(清. の 作 成 し たSTATE-TRAITANXIETY. 水 ・今 栄,1981)20項. ら 「 決 し て そ う で な い 」(1点)ま. 目か ら な る。 回 答 形 式 で の4段. 階評 定で あ. る 。 得 点 が 高 い ほ ど特 性 不 安 が 高 い こ とを 示 す 。. 手 続 き 作 成 し た 質 問 紙(Appendix1参. 照)を 高 校 に 配 布 し,学 級 担 任 の指 導 の も と授 業 時 問 内 に 集. 団 で 実 施 し た 。 調 査 は ク ラ ス ご とで 行 い,無. 記 名 で 回 収 した 。 そ の 後,回. 回 答 に つ い て 結 果 の 項 で 示 す 分 析 を行 っ た 。. 20. 収 した 質 問 紙 の.
(22) 第3節. 1)認. 結果 と考察. 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン トの 類 型. 認 知 行 動 的 マ ネ ー ジ メ ン ト尺 度 の 下 位 尺 度(現. 状 把 握 ・不 安 へ の と ら わ れ ・思 考 転 換). 毎 に 各 ケ ー ス の 得 点 を 標 準 化 し,得 ら れ た 各 ケ ー ス の 標 準 得 点 に 基 づ きWard法 ス タ ー 分 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果,解 対 象 事 例 数 は69ケ ケ ー ス,ク. の ク ラ ス タ ー が 抽 出 され た 。(Figure1)。. ー ス で あ っ た 。 各 ク ラ ス タ ー の ケ ー ス 数 に っ い て は,ク. ラ ス タ ・-2は26ケ. ク ラ ス タ ー1は,現 ラ ス ター2は,現. 釈 可 能 な2っ. に よるク ラ. ラ ス タ ー1は43. ー スで あった 。. 状 把 握 と思 考 転 換 の 得 点 が 共 に 高 く,不 安 へ の と らわ れ が 低 い 群,ク. 状 把 握 と思 考 転 換 の 得 点 が 共 に低 く,不 安 へ の と ら わ れ が 高 い 群 と考 え ら. れ る。 そ れ ぞ れ,ク. ラ ス ター1を 積 極 的 対 処 群,ク. ラ ス タ ー2を 非 対 処 群 と命 名 し た。 各 ク. ラ ス ター の ケ ー ス 数 か ら,対 象 事 例 数 の う ち6割 強 の ケ ー ス が 積 極 的 対 処 群 に,4割. 弱の ケ. ー ス が非 対 処 群 に 当て はま って いた。. 積 極 的 対 処 群:「. 現 状 把 握 」 と 「思 考 転 換 」 の 得 点 が 高 く 「不 安 へ の と らわ れ 」 が 低 い 群 (62.31%)。. 非 対 処 群:「. 不 安 へ の と らわ れ 」 が 高 い 群 現 状 把 握 」 と 「思 考 転 換 」 の 得 点 が 低 く 「 (37.68%)。. 21.
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