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年齢に適した服装色に関する日本と中国の比較

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Academic year: 2021

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(1)

椙山女学園大学

年齢に適した服装色に関する日本と中国の比較

著者

石原 久代

雑誌名

椙山女学園大学研究論集 自然科学篇

49

ページ

9-17

発行年

2018-03-01

URL

http://id.nii.ac.jp/1454/00002418/

(2)

年齢に適した服装色に関する日本と中国の比較

石 原 久 代 *

Study on Age-Suitable Clothes Color for Japanese and Chinese

Hisayo I

SHIHARA

Abstract

  A comparative study was made on factors mediating clothes color for various ages of

Japanese and Chinese. Eighty students of women’s fashion and design colleges in Japan

and 82 in China were used as the subjects. These student subjects were asked to choose

only one color among 51 colors in a color chart as the most suitable color of tops or

bottoms for each of 11 different age-groups covering 0 ∼ 70-year-old persons. Their

answers about the respective colors suitable for tops and bottoms were obtained. On the

whole, a high-brightness color was most frequently chosen for tops of Japanese women,

and a high-saturation color was for those of Chinese women. Regarding the color of

bottoms, different color tones were almost equally chosen for Japanese, whereas

low-brightness colors, especially black were most frequent for Chinese of both sexes.

Regarding the color of bottoms for children at age 0 ∼ primary school age, black was

regarded as unsuitable in Japan, but it was regarded as suitable in China. As the color of

clothes for children at age 0 ∼ 3 years, bright colors were thought to be suitable in Japan,

but saturated colors were in China.

1.はじめに

 「派手」とは,色彩や服装,行動などが華やかで人目を引くことであり,「地味」とは,

華やかさやけばけばしさのないことをいう。しかし,服装に関して,私たちは,時には同

じ服装色であっても中高年の女性には「派手過ぎる」,若い女性には「地味である」と評

価することがある。これらの評価は,服装色自体がもつ華やかさの度合いや着装者の顔面

との適・不適の関係だけでなく,それぞれの年齢に適しているかどうかの判断が入ってお

り,それらの評価には暗黙裡に年齢と服装色の間に適合関係が構築されていると考えられ

る。

 これまで,服装色についてはイメージを扱った研究は多く報告

1)2)3)

されているが,日

* 生活科学部 生活環境デザイン学科

(3)

石 原 久 代

常的に年齢に対して派手すぎるなどと評価しているにも関わらず,年齢との関係に焦点を

当てて検討した研究は,ほとんど見当たらない。

 日本のアパレルメーカーの多くは,中国をはじめとする東南アジアで生産する事業ケー

スが多く,特に中国が,その約 8 割を占め,日本とのつながりは深い。しかし,中国とは

生産においてのつながりが深いものの,日本でデザインされたアパレル製品がそのまま中

国国内の大衆に受け入れられているわけではい。ファッションにおいて成熟している日本

では,シンプルで洗練された商品が受け入れられる傾向が強い。一方,ファッションおい

て発展途上にある中国は,シンプルなデザインより,ディテールを重視した装飾的なデザ

インの方が好まれ,日本で好まれる色彩やデザインが同じように中国の国民に好まれると

はいえない状況である。

 それぞれの国や地域は,固有の文化的背景の上で発展を遂げた過程があり,それぞれ固

有の嗜好があるといえる。日本が長い時間をかけてヨーロッパのファッションと融合して

きたように,中国も 1980 年代まで,ほとんど

の男性が人民服を着用しており,現在のような

自由な服装の着用の歴史は浅い。しかし,この

後,両国のファッションは相互に影響を与えあ

う関係に発展すると考える。

 このような状況の中で,最近,日中の嗜好色

の比較

4)

や女性のファッション傾向の比較など

の研究

5)

は,いくつか行われてきている。しか

し,日本同様,ファッションの選択に重要な年

齢との適合関係に関する研究は,両国ともほと

んど行われていない。

 そこで,本研究では年齢に適した服装色を規

定する要因を検討することとした。また,それ

らの要因は国によってどのように異なるかにつ

いて,アパレル商品において日本と最も関係が

深く,近年アジア市場において非常に大きな力

を発揮している中国を取り上げ,両国間の差に

ついても検討を行った。今回の両国を通じた研

究は,今後のアパレル商品の企画・販売などに

おいて重要な手掛かりとなるものと考える。

2.実験方法

2.1 試料

 調査に用いた色彩は,表 1 に示したような

PCCS における,高彩度の v(ビビット)トーン,

低彩度の g(グレイッシュ)トーン,高明度の

lt(ライト)トーン,低明度の dk(ダーク)トー

表 1 試料表

色票PCCS記号 色名 L* ab* 1 v2 ビビッド レッド 50.65 65.37 22.57 2 v4 ビビッド レディッシュ オレンジ 62.84 55.5 49.36 3 v6 ビビッド イエローイッシュ オレンジ 75.56 24.78 63.75 4 v8 ビビッド イエロー 85.94 −1.56 79.05 5 v10 ビビット イエローグリーン 73.93 −26.54 62.41 6 v12 ビビット グリーン 61.14 −53.84 22.25 7 v14 ビビット ブルーグリーン 50.58 −50.97 −0.09 8 v16 ビビット グリーニッシュ ブルー 46.6 −20.1 −26.73 9 v18 ビビット ブルー 41.34 5.09 −36.69 10 v20 ビビット バイオレット 41.39 20.83 −36.87 11 v22 ビビット パープル 40.81 33.79 −30.74 12 v24 ビビット レッドパープル 43.93 53.37 −2.93 13 lt2 ピンク 75.85 30.55 14.18 14 lt4 イエローイッシュ ピンク 79.64 23.88 23.56 15 lt6 ライト オレンジ 83.6 11.13 39.51 16 lt8 ライト イエロー 88.89 −3.57 50.13 17 lt10 ライト イエローグリーン 84.87 −15.83 40.1 18 lt12 ライト グリーン 79.11 −27.2 13.09 19 lt14 ライト ブルーグリーン 74.79 −29.47 −2.16 20 lt16 ライト グリーニッシュ ブルー 69.81 −20.69 −14.89 21 lt18 ライト ブルー 69.39 −6.18 −21.72 22 lt20 ライト バイオレット 67.59 5.42 −16.69 23 lt22 ライト パープル 70.3 17.94 −10.99 24 lt24 パープリッシュ ピンク 73.6 31.11 1.64 25 dk2 ダーク レッド 36.7 20.81 4.42 26 dk4 ダーク ブラウン 38.4 19.18 11.35 27 dk6 ダーク イエローイッシュ ブラウン 43.73 9.97 20.33 28 dk8 オリーブ 48.67 −0.09 27.4 29 dk10 ダーク イエローグリーン 45.25 −12.25 24.44 30 dk12 ダーク グリーン 39.27 −15.48 5.77 31 dk14 ダーク ブルーグリーン 36.16 −11.28 −3.83 32 dk16 ダーク グリーニッシュ ブルー 35.29 −7.07 −11.05 33 dk18 ダーク ブルー 35.4 −1.32 −15.07 34 dk20 ダーク バイオレット 32.84 6.07 −14.72 35 dk22 ダーク パープル 31.83 9.99 −7.66 36 dk24 ダーク レッドパープル 34.5 18.09 −1.8 37 g2 グレイッシュ レッド 46.06 8.28 6.07 38 g4 グレイッシュ ブラウン 47.08 7.5 7.1 39 g6 グレイッシュ ブラウン 51.13 4.72 10.29 40 g8 グレイッシュ オリーブ 49.35 0.9 10.84 41 g10 グレイッシュ グリーン 51.19 −4 10.39 42 g12 グレイッシュ グリーン 47.72 −7.23 4.19 43 g14 グレイッシュ グリーン 47.63 −6.89 0.28 44 g16 グレイッシュ ブルー 46.6 −3.77 −3.33 45 g18 グレイッシュ ブルー 46.85 −1.12 −3.72 46 g20 グレイッシュ バイオレット 45.34 2.12 −4.57 47 g22 グレイッシュ パープル 45.27 5.37 −2.64 48 g24 グレイッシュ パープル 46.1 5.44 2.8 49 W ハワイト 93.19 2.07 −2.56 50 Gy メディアム グレイ 60.43 −0.84 2.02 51 Bk ブラック 30.23 0.42 0.54

(4)

ンの 4 トーンの偶数番号の各 12 色の有彩色 48 色に,無彩色の W(白),Gy―5.5(灰),Bk(黒)

を加えた計 51 色である。これらの色彩についてカラーハーモニックカード 201(日本色彩

研究所製)をたて 1.5cm ×よこ 2cm の大きさに裁断し,Gy―6.0 のグレー台紙に貼付してカ

ラーチャートを作成した。なお,各色票はコニカミノルタ分光色彩計 CM―600d にて L

a

,b

値を測色し,表中に示した。

2.2 アンケート調査

 年齢に適した服装色を検討するために,実験では年齢区分を 0 ∼ 3 歳(幼稚園前),3 ∼

6 歳,小学生,中学生,高校生,20 歳代,30 歳代,40 歳代,50 歳代,60 歳代,70 歳以上

の 11 段階とした。

 調査は,上記年齢区分のトップスとボトムスに分けて,それぞれの年代の服装色に適し

ていると思う色彩各 3 色を前述のカラーチャートから選出させた。

 被験者は,卒業後デザイナーやファッション業界での専門職を目指しているファッショ

ンデザイン学科に所属している日本人女子大学生 80 名と中国(天津)のファッションデ

ザイン専攻の女子大学生 82 名。実験実施時期は,日本は 2010 年 1 月,中国は 2010 年 3 月

であった。得られたデータの出現数を集計し,年代別出現数を比較するとともに日本と中

国の出現について等分散性の検定,およびスピアマンの順位相関により検討を行った。

3.結果および考察

3.1 年齢に適した服装色の色相およびトーンの出現傾向

 年齢に適した色彩の検討において,まず,全体にどのような色相が両国で選択されてい

るかについて,女性のトップス,ボトムスおよびトータルの色相の傾向を図 1 に示した。

図中の数字は PCCS の 24 色相における色相番号である。トップスにおいて,日本と中国を

比較すると,日本の女性は色相番号 24 の赤紫が最も多く選択され,次いで色相番号 2 の赤,

22 の紫と続いている。それに対して,中国の女性では赤が最も多く,赤紫,橙の順で選

択され中国の方が暖色の割合が高い。ボトムスでは,日本の女性は赤紫,赤,色相番号 6

の黄みの橙,橙など暖色系が多く出現しているのに対して,中国の女性では色相番号 16

の青を中心とした寒色系と黒が多く

選択され,トップスとボトムスにつ

いて異なる色味の傾向がうかがわれ

た。

 次に日本と中国の女性のトーン別

の集計結果を図 2 に示した。女性の

トップスにおいて,日本の女性では

lt(ライト)トーンが最も多く出現

しているのに対して,中国の女性で

は v(ビビッド)トーンが最も多く,

lt トーン,dk(ダーク)トーンと続き,

日本に比べて低明度色の選択率が高

※図中の数字は色相番号 0% 20% 40% 60% 80% 100% 中国合計 日本合計 中国ボトムス 日本ボトムス 中国トップス 日本トップス 101214 2 4 6 8 161820 22 24 WGyBk

図 1 色相の出現率(%)

(5)

石 原 久 代

い。また,ボトムスでは,日本

の女性は各トーン均等に選ばれ

ているが,中国の女性は lt トー

ンが少なく,dk トーン,g(グ

レイシュ)トーン多く選択され

ている。さらに,無彩色につい

てトップス,ボトムスとも日本

に比べ中国では,黒が非常に多

く選択されており,両国に大き

なが差が認められた。

3.2 年齢に適した服装色に関する日本と中国の検討

 女性のトップスに適している色彩について日本と中国における各年代の出現率を表 2 に

示した。なお,20%以上の出現率については太字で示した。

 まず,日本のトップスの 0 歳∼ 3 歳の出現についてみると,高明度の lt24(パープリッシュ

ピンク)が 55.0%と最も多く挙がっており,次いで lt2(ピンク)が 52.5%,lt8(ライトイ

エロー)が 42.5%と続いており,高明度の暖色系の色彩が多く選出されている。また W(白)

についても 40.0%と他の年代に比べて最も多く挙がり,赤ちゃんの色としても認識されて

いることが判る。それに対して中国では,lt2(ピンク)が 50.0%や lt24(パープリッシュ

ピンク)は多く挙がっているが,その他は v2(あざやかな赤)が 41.5%,v8(あざやかな

黄)が 30.5%,など高彩度の色彩も挙がっており,日本とは異なる結果であった。また,

白についても出現率は 4.9%のみであり,この点も大きく異なっている。

 3 歳∼ 6 歳の幼児については,日本では高明度の lt24 のパープリッシュピンクが多く挙

がっており,次いで lt8 の明るい黄,あざやかな赤,白などが挙がっている。一方,中国

でも lt24 のパープリッシュピンクは多く挙がっているが,lt2 や高彩度の v2 のあざやかな

赤の方が多く挙がっておりトーンより色相に依存しているように思われる。

 小学生は,日本,中国とも似た傾向を示し,3 ∼ 6 歳と同様 v2,v4,v6,v8 のあざやか

な暖色が多く出現しており,ライトトーンでは lt2,lt24 が集中して出現している。しかし

白については 0 ∼ 3 歳と同様日本のみで,中国ではわずかな出現であった。

 lt24 のパープリッシュピンクは両国とも 20 歳代以下の各年代でいずれも 20%以上の出

現率を示しており,トップスにおいては若い女性の象徴的色彩といえよう。しかし,30

歳以上では,両国とも急激に少なくなっている。逆に dk2 の暗い赤が中国では 30 歳代から

70 歳代以上まで 20%以上を示し,中高年女性の色彩と考えられる。dk2 については,日本

でも 50 歳代以上で多く挙がってきており,国を超えて中高年の色と考えられていること

が判明した。同じく中高年の色として dk24 の暗い赤紫も 40 歳代以上で多く挙がっている。

 なお,白については日本では低年齢層だけでなく 30 歳代以下で 20%以上挙がっており,

若者の色としてとしてとらえられており,中高年には合わないと評価されている。一方で

中国では,中学生から 30 歳代までで挙がっており,中学校において突然挙がってきてい

るのは中学校,高等学校の制服がトップスに白が使われていることによると考えられる。

0% 20% 40% 60% 80% 100% 中国合計 日本合計 中国ボトムス 日本ボトムス 中国トップス 日本トップス v lt dk g W GyBk

図 2 トーンの出現率(%)

※図中の記号は PCCS トーン

(6)

全般的に年齢が上がると高彩度,高明度色が減少し,低明度色に移行していることがよく

わかる。

 次にボトムスに適している色彩について,日本と中国における各年代の出現率を表 3 に

示した。

 0 歳∼ 3 歳について,日本は,lt4 の高明度の橙が最も多く,次いで lt24,lt8,lt6 と高明

度のライトトーンの色彩が選出されている。また,トップス同様ボトムスにおいても白が

多く挙がっている。一方,中国の 0 歳∼ 3 歳の出現についてみると,高明度の lt24 のパー

プリッシュピンクが最も多いが,他の暖色系の高明度色はそれほど多くはなく,2 位には

表 2 日本と中国のトップス色の出現率

(単位:%)

色票 PCCS 0∼3歳 3∼6歳 小学生 中学生 高校生 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 1 v2 7.5 41.5 25.0 35.4 20.0 31.7 28.8 23.2 23.8 29.3 8.8 22.0 8.8 19.5 12.5 17.1 6.3 14.6 5.0 14.6 1.3 17.1 2 v4 17.1 20.0 31.7 16.3 24.4 17.5 12.2 10.0 6.1 5.0 14.6 2.5 3.7 1.2 1.3 1.3 2.4 2.5 1.2 3 v6 1.3 12.2 21.3 28.0 31.3 24.4 13.8 6.1 8.8 7.3 2.5 6.1 3.8 2.5 5.0 1.2 2.5 1.2 4 v8 5.0 30.5 22.5 23.2 31.3 26.8 16.3 7.3 10.0 7.3 2.5 14.6 5.0 5.0 1.3 2.4 1.3 1.2 5 v10 1.3 6.1 6.3 8.5 3.8 3.7 2.5 11.0 6.3 1.2 1.3 4.9 3.8 2.5 3.8 1.2 1.2 1.2 6 v12 1.3 1.2 2.4 2.5 2.4 3.7 2.4 2.4 2.5 2.4 1.2 1.2 1.3 1.2 7 v14 1.3 2.5 1.2 1.3 1.2 2.5 2.5 2.4 5.0 3.7 2.5 2.5 1.2 2.5 1.3 1.2 8 v16 1.3 1.2 1.3 2.4 1.3 1.2 2.5 2.4 2.5 1.2 6.3 4.9 3.8 1.3 1.2 3.8 9 v18 1.3 4.9 1.3 6.1 3.8 2.4 5.0 7.3 7.5 6.1 2.4 1.2 2.5 2.4 10 v20 1.3 2.4 1.3 6.1 3.8 4.9 7.5 2.4 6.3 6.1 6.3 8.5 10.0 7.3 5.0 2.4 5.0 1.2 5.0 11 v22 1.3 7.3 1.3 3.7 3.8 7.3 8.8 15.9 13.8 7.3 13.8 6.1 10.0 13.4 18.8 3.7 26.3 2.4 10.0 1.2 7.5 2.4 12 v24 4.9 8.8 11.0 8.8 19.5 15.0 19.5 26.3 17.1 26.3 22.0 23.8 24.4 23.8 14.6 17.5 14.6 5.0 4.9 10.0 4.9 13 lt2 52.5 50.0 23.8 37.8 21.3 23.2 13.8 23.2 27.5 15.9 8.8 13.4 7.5 3.7 11.3 4.9 4.9 8.8 1.3 14 lt4 32.5 17.1 16.3 12.2 11.3 9.8 8.8 9.8 8.8 8.5 10.0 7.3 15.0 4.9 5.0 4.9 2.5 1.2 5.0 2.5 15 lt6 32.5 13.4 13.8 11.0 12.5 8.5 6.3 7.3 2.5 6.1 10.0 1.2 10.0 2.4 11.3 1.2 5.0 2.5 1.3 16 lt8 42.5 26.8 28.8 15.9 17.5 9.8 22.5 14.6 5.0 11.0 8.8 17.1 8.8 4.9 1.3 2.5 1.2 3.8 2.4 2.5 3.7 17 lt10 5.0 8.5 2.5 7.3 3.8 2.4 3.8 3.7 2.5 4.9 3.8 4.9 5.0 7.3 11.3 1.2 5.0 1.2 1.3 1.2 2.5 1.2 18 lt12 3.8 6.1 2.5 3.7 1.3 2.4 1.3 7.3 1.3 3.7 2.5 1.2 3.7 2.4 1.3 1.3 1.2 19 lt14 3.8 1.2 7.5 3.7 7.5 4.9 3.8 4.9 5.0 6.1 1.3 2.4 5.0 2.4 1.3 1.2 3.8 1.2 1.2 1.3 20 lt16 1.3 3.7 2.5 8.8 8.5 3.8 6.1 6.3 12.2 1.3 6.1 5.0 1.2 1.3 1.2 3.8 1.2 2.5 21 lt18 3.7 3.8 1.2 5.0 6.1 6.3 8.5 3.8 8.5 6.3 1.2 3.8 1.2 3.8 3.7 3.8 1.2 2.4 2.5 1.2 22 lt20 1.3 2.4 3.8 2.4 3.8 12.2 3.8 12.2 2.5 9.8 12.5 4.9 13.8 6.1 7.5 3.7 10.0 1.2 11.3 1.2 3.8 23 lt22 11.3 2.4 13.8 11.0 11.3 9.8 12.5 18.3 10.0 12.2 17.5 12.2 30.0 7.3 22.5 3.7 16.3 3.7 16.3 1.2 20.0 24 lt24 55.0 36.6 41.3 34.1 38.8 34.1 35.0 30.5 27.5 30.5 21.3 24.4 7.5 12.2 5.0 4.9 2.5 1.2 1.3 3.7 2.5 2.4 25 dk2 2.4 2.4 3.8 2.4 2.5 23.2 10.0 32.9 23.8 23.2 23.8 25.6 18.8 20.7 26 dk4 1.2 2.5 1.2 1.2 1.3 3.7 6.1 3.8 11.0 2.5 17.1 7.5 22.0 12.5 14.6 16.3 14.6 27 dk6 1.2 1.3 3.8 1.3 1.2 1.3 1.2 6.3 11.0 6.3 14.6 5.0 11.0 11.3 12.2 15.0 6.1 28 dk8 1.3 1.2 1.2 4.9 5.0 7.3 7.5 2.4 7.5 9.8 8.8 4.9 29 dk10 1.3 1.2 5.0 2.5 2.4 3.8 4.9 6.3 2.4 8.8 8.5 2.5 2.4 30 dk12 2.5 1.3 1.3 1.2 5.0 6.1 2.5 2.4 5.0 2.4 31 dk14 1.2 1.2 1.3 4.9 1.3 6.1 1.3 4.9 2.5 32 dk16 1.3 2.5 2.4 1.3 3.7 1.3 1.2 5.0 1.2 3.8 2.4 3.8 1.2 33 dk18 1.2 2.5 1.2 2.5 1.2 2.5 1.2 3.8 1.2 2.5 4.9 3.7 3.8 1.2 34 dk20 2.5 1.2 3.8 1.2 3.8 1.3 3.7 6.3 6.1 7.5 9.8 7.5 6.1 8.8 7.3 35 dk22 1.3 1.3 1.3 2.4 3.8 2.5 3.8 1.2 5.0 17.1 15.0 18.3 16.3 12.2 11.3 13.4 36 dk24 1.2 1.2 3.7 2.5 2.4 5.0 12.2 16.3 26.8 26.3 34.1 21.3 20.7 27.5 19.5 37 g2 2.5 2.5 3.8 3.7 5.0 4.9 6.3 8.5 7.5 12.2 12.5 13.4 15.0 9.8 38 g4 2.5 1.2 2.5 1.2 2.5 2.4 6.3 4.9 2.5 9.8 1.3 13.4 8.8 9.8 39 g6 1.3 2.5 1.2 1.3 1.2 1.2 6.3 6.1 2.5 12.2 2.5 11.0 12.5 9.8 40 g8 1.3 1.2 5.0 1.2 2.5 6.1 3.8 4.9 5.0 7.3 8.8 9.8 41 g10 1.3 1.2 2.5 1.2 3.8 4.9 3.8 3.7 7.5 4.9 7.5 4.9 42 g12 1.3 3.7 1.3 4.9 1.3 1.2 2.5 4.9 2.5 7.3 43 g14 1.3 1.3 1.2 1.3 2.4 2.5 1.2 3.8 1.2 1.3 3.7 44 g16 1.2 1.2 1.3 1.2 2.4 2.4 1.3 2.4 3.8 8.5 2.5 8.5 45 g18 2.4 1.3 2.5 3.8 2.4 2.5 6.1 2.4 46 g20 2.5 2.5 1.3 6.3 1.2 5.0 2.4 7.5 3.7 10.0 9.8 47 g22 1.3 1.3 3.8 1.3 2.4 3.8 3.7 2.5 9.8 11.3 8.5 8.8 9.8 48 g24 1.3 1.2 2.5 7.3 2.5 8.5 13.8 9.8 8.8 17.1 49 W 40.0 4.9 25.0 2.4 26.3 9.8 33.8 23.2 21.3 41.5 38.8 39.0 31.3 34.1 8.8 7.3 3.8 8.5 6.3 9.8 3.8 13.4 50 Gy 3.8 3.8 15.0 2.4 13.8 7.3 28.8 7.3 15.0 8.5 10.0 6.1 10.0 15.9 13.8 23.2 51 Bk 1.3 1.2 8.8 11.0 21.3 17.1 16.3 20.7 8.8 22.0 8.8 17.1 6.3 12.2 6.3 17.1 1.3 25.6

(7)

石 原 久 代

v2 の高彩度の赤が挙がっている。3 歳∼ 6 歳の幼児については,日本では 1 位にトップス

と同じく lt24 のパープリッシュピンクが挙がり,次いで lt2,v2 の順で何れも 20%以上で

あるが,中国においては 20%以上出現した色彩は全くなく,色相,トーンともかなり分

散した結果であった。

 小学生の出現色について,日本では v2 が 40.0%と最も多く,ライトトーンより高彩度

のビビッドトーンに移行している様子がうかがえる。しかし,中国においては黒が最も多

く,23.2%を占め,それ以上の年齢である中学生で 43.9%,高校生で 72.0%,20 歳代で

68.3%,30 歳代で 69.5%,40 歳代で 68.3%,50 歳代で 72.0%,60 歳代で 63.4%,70 歳以上

表 3 日本と中国のボトムス色の出現率

(単位:%)

色票 PCCS 0∼3歳 3∼6歳 小学生 中学生 高校生 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 日本 中国 1 v2 10.0 20.7 22.5 13.4 40.0 11.0 13.8 16.3 1.2 2.5 4.9 2.5 2.5 1.2 3.7 1.2 2.4 2 v4 2.5 11.0 20.0 1.2 18.8 3.7 10.0 2.4 8.8 3.8 1.2 2.5 1.3 1.3 3 v6 7.5 14.6 21.3 6.1 21.3 2.4 12.5 2.4 7.5 1.2 1.3 1.2 5.0 1.3 1.2 2.5 2.4 4 v8 12.2 17.5 6.1 13.8 1.2 5.0 3.7 5.0 2.4 1.2 2.5 1.3 1.3 1.3 5 v10 2.5 2.4 6.3 7.3 6.3 1.2 7.5 1.2 2.4 1.3 1.3 1.3 6 v12 1.3 1.2 1.3 4.9 1.3 2.4 2.5 1.2 2.5 1.3 7 v14 3.7 2.5 3.7 1.3 4.9 1.3 1.2 5.0 3.7 1.3 1.3 1.3 1.2 8 v16 1.3 3.7 2.5 2.4 8.8 6.1 8.8 4.9 5.0 3.7 1.3 3.7 3.8 1.3 1.3 9 v18 3.7 6.3 4.9 7.5 14.6 11.3 2.4 8.5 7.5 6.1 1.3 2.4 5.0 1.2 1.2 1.2 2.5 10 v20 6.1 5.0 7.3 6.3 11.0 8.8 1.2 3.8 3.7 3.8 3.7 10.0 2.5 6.3 1.3 5.0 11 v22 1.3 6.1 3.8 8.5 3.8 12.2 1.3 8.5 10.0 4.9 3.8 6.3 6.3 2.4 5.0 3.8 5.0 12 v24 3.8 8.5 13.8 17.1 20.0 22.0 11.3 7.3 17.5 2.4 21.3 2.4 11.3 7.5 5.0 3.8 1.3 13 lt2 35.0 12.2 23.8 6.1 12.5 3.7 7.5 4.9 12.5 1.2 10.0 1.2 5.0 1.3 14 lt4 41.3 2.4 11.3 7.3 6.3 2.4 5.0 2.4 2.5 1.2 7.5 2.4 2.5 2.5 1.3 1.3 15 lt6 33.8 6.1 20.0 1.2 7.5 4.9 6.3 10.0 1.2 6.3 5.0 6.3 1.2 5.0 1.3 2.5 16 lt8 36.3 19.5 12.5 3.7 7.5 2.4 5.0 3.7 3.8 1.2 3.8 1.2 3.8 2.4 1.3 1.3 17 lt10 7.5 2.4 3.8 3.7 5.0 1.2 3.8 6.1 1.2 1.3 1.2 1.3 1.3 18 lt12 6.3 3.7 3.8 1.2 6.3 3.7 2.5 2.4 3.8 1.2 1.3 1.3 19 lt14 3.8 3.7 3.8 4.9 8.8 5.0 2.4 3.8 1.2 1.3 1.3 1.3 20 lt16 1.3 11.0 7.5 11.0 8.8 11.0 7.5 2.4 5.0 4.9 3.8 3.7 1.2 1.3 1.3 1.3 21 lt18 5.0 9.8 7.5 9.8 12.5 8.5 15.0 3.7 5.0 4.9 8.8 6.1 3.8 6.1 2.5 1.3 22 lt20 8.8 12.2 6.3 12.2 3.8 2.4 1.3 4.9 10.0 1.2 5.0 3.7 8.8 3.7 5.0 1.2 2.5 3.8 6.3 23 lt22 18.8 8.5 13.8 19.5 3.8 12.2 7.5 1.2 6.3 3.7 8.8 6.1 5.0 3.7 6.3 3.8 1.3 7.5 24 lt24 37.5 31.7 32.5 15.9 32.5 4.9 20.0 7.3 11.3 12.5 2.4 8.8 1.2 3.8 2.4 1.3 1.3 1.2 25 dk2 1.3 6.1 6.1 1.3 8.5 12.2 8.8 3.7 6.3 4.9 6.3 7.3 10.0 3.7 16.3 6.1 21.3 7.3 11.3 1.2 26 dk4 2.4 2.4 4.9 1.3 4.9 3.8 1.2 2.5 4.9 7.5 7.3 16.3 12.5 4.9 8.8 2.4 11.3 4.9 27 dk6 5.0 5.0 3.7 3.8 6.1 2.5 1.2 3.8 3.7 7.5 2.4 12.5 7.3 10.0 3.7 22.5 18.8 3.7 28 dk8 2.4 1.3 1.2 1.2 2.4 1.2 2.5 4.9 2.5 2.5 6.1 2.5 2.4 7.5 2.4 6.3 29 dk10 1.2 3.7 2.5 2.4 1.3 3.7 1.3 1.2 1.3 2.4 1.3 4.9 2.5 4.9 3.8 2.4 5.0 2.4 5.0 30 dk12 2.4 3.7 3.7 1.3 3.7 8.8 1.2 2.4 6.1 1.3 1.2 7.5 2.4 5.0 3.7 1.3 1.2 31 dk14 1.2 2.4 2.4 1.2 2.5 4.9 2.5 2.4 1.2 1.2 3.8 2.4 6.3 1.2 2.4 32 dk16 3.7 1.3 8.5 3.8 5.0 13.4 2.5 13.4 7.3 1.3 7.3 10.0 7.3 2.5 3.7 3.8 4.9 2.5 4.9 33 dk18 1.3 3.7 11.0 2.5 13.4 13.8 29.3 18.8 34.1 12.5 30.5 15.0 22.0 12.5 22.0 11.3 14.6 6.3 12.2 2.5 12.2 34 dk20 4.9 3.8 12.2 4.9 12.5 9.8 6.3 9.8 6.3 9.8 11.3 13.4 2.5 17.1 8.8 4.9 10.0 3.7 6.3 6.1 35 dk22 6.1 6.1 8.5 5.0 12.2 3.7 3.8 6.1 6.3 11.0 12.5 9.8 26.3 9.8 16.3 7.3 15.0 8.5 36 dk24 6.1 6.3 7.3 9.8 1.3 15.9 7.5 11.0 11.3 1.2 10.0 11.0 12.5 13.4 12.5 11.0 23.8 9.8 12.5 7.3 37 g2 3.7 1.3 1.2 5.0 3.7 3.8 3.7 3.8 6.1 6.3 6.1 8.8 2.4 22.5 2.4 13.8 6.1 13.8 6.1 21.3 11.0 38 g4 1.3 2.4 2.5 1.2 2.5 3.7 2.5 1.2 3.7 6.3 4.9 10.0 2.4 5.0 3.7 16.3 11.0 15.0 4.9 8.8 6.1 39 g6 2.5 1.3 2.4 1.3 7.3 2.5 2.4 1.3 7.3 6.3 3.7 5.0 8.5 11.3 4.9 15.0 6.1 6.3 7.3 16.3 11.0 40 g8 1.3 2.4 2.4 2.5 1.2 4.9 2.5 1.2 2.5 4.9 5.0 11.0 6.3 9.8 10.0 7.3 2.5 9.8 41 g10 2.4 2.4 3.7 3.7 2.5 6.1 3.8 3.7 1.3 3.7 6.3 7.3 3.8 6.1 11.3 2.4 42 g12 1.2 1.3 3.7 2.5 1.3 3.7 1.3 3.7 1.3 2.4 7.3 5.0 7.3 1.3 3.7 43 g14 2.4 2.4 3.7 2.4 6.1 7.3 9.8 2.5 6.1 2.5 11.0 2.5 2.4 44 g16 4.9 2.4 4.9 6.1 1.3 11.0 2.5 13.4 5.0 8.5 2.5 6.1 3.8 9.8 2.5 12.2 45 g18 1.2 4.9 1.3 3.7 5.0 7.3 2.5 7.3 1.3 4.9 5.0 13.4 5.0 15.9 2.5 13.4 7.5 19.5 6.3 15.9 46 g20 3.7 7.3 2.5 2.4 2.5 3.7 7.5 4.9 12.5 6.1 15.0 9.8 12.5 19.5 10.0 20.7 12.5 9.8 47 g22 1.2 1.3 2.4 2.5 3.7 1.3 2.4 1.3 4.9 3.8 4.9 5.0 7.3 6.3 6.1 7.5 9.8 8.8 20.7 27.5 24.4 48 g24 1.3 6.1 2.4 5.0 4.9 1.3 2.4 7.5 2.4 5.0 3.7 6.3 6.1 13.8 13.4 8.8 25.6 18.8 19.5 49 W 26.3 12.2 7.5 6.1 6.3 8.5 11.3 20.7 15.0 17.1 11.3 17.1 15.0 18.3 11.3 15.9 6.3 7.3 1.3 8.5 1.3 9.8 50 Gy 1.3 4.9 1.3 4.9 5.0 6.1 7.5 7.3 11.3 13.4 18.8 20.7 23.8 23.2 17.5 25.6 22.5 29.3 27.5 22.0 22.5 29.3 51 Bk 12.2 1.3 18.3 2.5 23.2 26.3 43.9 40.0 72.0 52.5 68.3 47.5 69.5 26.3 68.3 17.5 72.0 17.5 63.4 11.3 74.4

(8)

で 74.4%と高校生以上の年代で 70%前後の非常に高い出現率を示している。また,中学生,

高校生,20 歳代,30 歳代,40 歳代は dk18 の暗い青も高い出現率を示し,この 2 色の占め

る割合が非常に大きい。しかし,dk18 については 50 歳以上になると減少していることから,

若い女性のボトムスの色として認識されていると考えられる。

 なお,黒については,年代との関係よりもボトムスの色として認識されており,どの年

代にも無難に着用される色と考えられる。一方,日本において,黒は中学生で 26.3%,高

校生で 40.0%,20 歳代で 52.5%,30 歳代で 47.5%,40 歳代で 26.3%と高い出現率は示して

いるものの中国に比べればかなり少ない。さらに,50 歳以上では 20%以下であり,50 歳

代では dk22,60 歳代では dk24 と暗い紫が多く挙がっている。また,トップスでは中国の

70 歳以上でしか挙がってこなかったグレーが 30 歳以上で多く挙がっており,これも,ボ

トムス特有の色彩であるといえる。日本においては高明度色や高彩度色も多少は中高年で

も挙がっているが,中国ではほとんど挙がっておらず,ボトムスについて中国ではかなり

色彩が限定されている。これらのことから年齢だけでなく暗黙裡にアイテムであるボトム

スとしての色彩も認識されているのではないかと考えられる。

 各年代の出現動向を探るために,表 4 に各年代の出現率をもとに算出したスピアマンの

順位相関係数を示した。日本のトップスの色彩については 0 ∼ 3 歳は,3 ∼ 6 歳,小学生,

中学生,20 歳代と 1%水準で有意な高い相関が得られ,高校生と 30 歳代は 5%水準の有意

な相関が得られた。また,3 ∼ 6 歳は小学生,中学生,高校生と高い相関係数が得られ,

小学生は中学生と高校生というように近い年代において高い相関が得られており,離れた

年代とは相関が得られていない。また,70 歳以上は 0 ∼ 3 歳,3 ∼ 6 歳,小学生,中学生,

高校生,20 歳代,30 歳代などの若年女性とは負の相関が得られている。これらから明ら

かに年代による色彩の出現に差が認められ,年代にあった色彩が暗黙裡に構築されている

と考えられる。

 次に,中国の女性のトップスについて,高い相関を示したのは,0 ∼ 3 歳,3 ∼ 6 歳,

小学生,中学生,高校生,20 歳代の中では相互に非常に高い相関が得られている。一方で,

中高年である 50 歳代,60 歳代,70 歳以上でも,すべてに 1%水準の有意な高い相関が得

られた。しかし,30 歳代は中学生,高校生,20 歳代とやや高い相関が得られ,40 歳代は

30 歳代のみとやや高い相関が得られているだけで他の年代と際立った相関は得られてい

ない。これらの結果から,中国女性のトップスの傾向として,20 歳以下の若年層のグルー

プと 50 歳以上のグループで大きな色彩群に分けられ,その間に 30 歳代,40 歳代があると

いう構造になっていると推察される。

 日本のボトムスについては,0 ∼ 3 歳においては,3 ∼ 6 歳および小学生と有意な相関

が得られ,3 ∼ 6 歳では 0 ∼ 3 歳および小学生と,小学生は 3 ∼ 6 歳と中学生というよう

に近い年齢間で高い正の相関が得られ,その他の年齢とは高い相関が得られていないこと

から,年齢と適合する色彩の傾向が明確化している様子がうかがえる。また,40 歳以上

の各年齢段階は互いに高い相関を示しており,ボトムスにおける色彩について,40 歳以

上はほとんど同傾向で捕らえられていることが判明した。一方で 0 ∼ 3 歳,3 ∼ 6 歳,小

学生と 50 歳以上の中高年の色彩とは負の有意な相関係数が得られ,適していない色彩も

明確化している様子がうかがえる。

 中国のボトムスについては,日本に比べ高校生以上のすべての年代でそれぞれ有意な高

(9)

石 原 久 代

い相関が得られ,日本よりも同傾向を示す年齢範囲が広いことが判明した。従ってボトム

スの年齢による適合色は高校生以上と小学生以下と大きく 2 極化し,日本より低い年齢で

はっきり暗黙裡に区分されていることが判明した。

 日本と中国のそれぞれの年齢区分において等分

散性の検定を行った結果を表 5 に示した。女性の

トップスにおいては,すべての年代で分散に差は

認められなかったが,ボトムスにおいては,20

歳代で差が認められなかったのみで,他の年代は

すべてに 1%あるいは 5%の危険率で有意な差が

認められ,ボトムスの色彩傾向は両国で異なるこ

とが判明した。従って,中国でも受け入れてもら

えるファッション製品をデザインするためには,

表 4 スピアマンの順位相関行列

** 1% * 5%

年代 0∼3歳 3∼6歳 小学生 中学生 高校生 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 日本 ︵トップス︶ 0∼3歳 ― 3∼6歳 0.757 ** ― 小学生 0.610 ** 0.932 ** ― 中学生 0.675 ** 0.820 ** 0.875 ** ― 高校生 0.414 * 0.506 ** 0.653 ** 0.772 ** ― 20歳代 0.567 ** 0.309 0.369 0.614 ** 0.582 ** ― 30歳代 0.478 * 0.238 0.215 0.515 ** 0.571 ** 0.690 ** ― 40歳代 0.167 0.050 0.063 0.327 0.481 ** 0.606 ** 0.578 ** ― 50歳代 −0.254 −0.192 −0.075 0.083 0.153 0.375 * 0.218 0.604 ** ― 60歳代 0.045 −0.223 −0.155 −0.150 −0.183 0.208 0.182 0.364 * 0.683 ** ― 70歳以上 −0.295 −0.248 −0.511 ** −0.398 * −0.307 −0.016 −0.079 0.301 0.537 ** 0.626 ** 中国 ︵トップス︶ 0∼3歳 ― 3∼6歳 0.829 ** ― 小学生 0.870 ** 0.863 ** ― 中学生 0.813 ** 0.826 ** 0.876 ** ― 高校生 0.750 ** 0.729 ** 0.830 ** 0.853 ** ― 20歳代 0.653 ** 0.671 ** 0.752 ** 0.760 ** 0.800 ** ― 30歳代 0.223 0.211 0.279 0.438 * 0.491 * 0.541 ** ― 40歳代 −0.219 −0.297 −0.250 −0.056 0.060 0.014 0.535 ** ― 50歳代 −0.417 * −0.426 −0.423 −0.251 −0.143 −0.091 0.286 0.776 ** ― 60歳代 −0.420 * −0.509 ** −0.524 −0.366 −0.233 −0.131 0.252 0.738 ** 0.783 ** ― 70歳以上 −0.363 −0.506 −0.490 −0.329 −0.218 −0.138 0.215 0.640 ** 0.696 ** 0.878 ** 日本 ︵ボトムス︶ 0∼3歳 ― 3∼6歳 0.696 ** ― 小学生 0.455 * 0.810 ** ― 中学生 0.206 0.454 * 0.586 ** ― 高校生 0.050 0.504 ** 0.375 * 0.548 ** ― 20歳代 0.234 0.149 0.155 0.427 * 0.514 ** ― 30歳代 −0.145 −0.104 −0.083 0.189 0.473 * 0.657 ** ― 40歳代 −0.262 −0.378 * −0.414 * −0.005 0.130 0.525 ** 0.639 ** ― 50歳代 −0.476 * −0.553 ** −0.527 ** −0.199 −0.009 0.413 * 0.601 ** 0.659 ** ― 60歳代 −0.726 ** −0.624 ** −0.672 ** −0.240 −0.132 0.135 0.377 * 0.560 ** 0.752 ** ― 70歳以上 −0.421 * −0.732 ** −0.656 ** −0.317 −0.244 0.116 0.433 * 0.602 ** 0.707 ** 0.719 ** 中国 ︵ボトムス︶ 0∼3歳 ― 3∼6歳 0.558 ** ― 小学生 0.401 * 0.410 * ― 中学生 0.195 0.376 * 0.186 ― 高校生 −0.035 0.260 0.432 * 0.354 − 20歳代 −0.019 0.188 0.309 0.371 * 0.583 ** ― 30歳代 −0.217 0.147 0.237 0.517 ** 0.636 ** 0.735 ** ― 40歳代 −0.255 0.004 0.093 0.468 ** 0.550 ** 0.575 ** 0.784 ** ― 50歳代 −0.401 * −0.138 0.097 0.321 0.525 ** 0.585 ** 0.781 ** 0.838 ** ― 60歳代 −0.402 * −0.085 0.085 0.329 0.552 ** 0.616 ** 0.823 ** 0.840 ** 0.949 ** ― 70歳以上 −0.333 −0.046 0.083 0.376 * 0.545 ** 0.576 ** 0.784 ** 0.792 ** 0.915 ** 0.881 **

表 5 日本と中国の等分散性の検定結果

年令 トップス ボトムス 統計量: F p値 統計量: F p値 0∼3歳 1.404 0.233 3.195 0.000 3∼6歳 1.178 0.566 2.538 0.001 小学生 1.044 0.881 2.583 0.001 中学生 1.183 0.555 2.019 0.014 高校生 1.249 0.435 2.648 0.001 20歳代 1.235 0.457 1.738 0.053 30歳代 1.028 0.924 2.066 0.012 40歳代 1.582 0.108 3.375 0.000 50歳代 1.356 0.285 3.144 0.000 60歳代 1.264 0.410 2.415 0.002 70歳以上 1.295 0.363 3.069 0.000

(10)

日本とボトムスの色彩において大きな差があることを念頭に入れて企画する必要があるこ

とが示唆された。

4.まとめ

 ファッション業界において互いに影響し合っている日本と中国を取り上げ,年齢に適し

た服装色を規定する要因について検討を行った。

 実験は,PCCS 表色系をもとに 51 色を選出し,作成したカラーチャートの中から 0 歳∼

70 歳以上までを 11 段階に分け,各年齢に適していると思う色をトップスとボトムスに分

けて選出させる方法を用いた。被験者は,ファッション系大学の日本人女子学生 80 名と

同じく中国人女子学生 82 名である。

 その結果,日本と中国の全体傾向では,日本の女性のトップスでは高明度の色彩が多く

出現しているのに対し,中国の女性では高彩度が多かった。ボトムスは日本の方が比較的

均等に各トーンが選択されているが,中国では低明度の色彩が非常に多く,特に,黒が非

常に多く選択された。日本では,0 歳∼小学生のボトムスにおいて,ほとんど黒は適さな

いと判断されているのに対し,中国では小学生以下でも黒が適していると判断されている。

0 ∼ 3 歳において,日本では明るい色が適していると判断さているのに対し,中国では鮮

やかな色彩が適していると判断された。

 なお,日本と中国の各年齢において等分散性の検定を行ったところ,トップスには有意

な差が認められなかったが,ボトムスには有意な差が認められた。また,スピアマンの順

位相関係数から日本の方が年齢と服装色の関係が明確であり,中国の方が適合する色彩の

年齢に幅があることが明らかになった。

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交流におけるシニアファッションショーへのデザイン提案,繊維連合研究発表会講演要旨集,

Vol. 17th(2008)

6 ) 繊維流通研究会:『日・中・英服装技術用語辞典』(2007)

参照

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