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ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革 : 1985年・86年改革を中心に

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(1)Title. ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革 : 1985年・86年 改革を中心に. Author(s). 門脇, 正俊. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 38(1): 241-257. Issue Date. 1987-10. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5055. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革 -1985年o86年改革を中心に-. 門. 脇. 正. 俊. は じ め に. 現在ソ連では, 1984年4月に共産党中央委員会と最高会議が相 ついで採択した 「普通教育学校と 職業学校の改革の基本方針」に基づい ,て教育改革が進行中である. それは, 7歳就学10年制から 6. 歳就学1 1年制義務教育への移行,後期中等教育における普通学校と職業学校の接近,学級定数の改 善 (各学級生徒数を10名減らし1-9学年は30人, 10一1 1学年は25人に) , 教師の資質向上と待. 遇改善, 等を含んだ大きな改革であり, 民族的特殊性や地域条件を考慮 しながら, 1 990年までに段 階的に実施されることになっている.. 教育改革論は一般に教師論を伴うことが多いが, ソ連のこの84年改革でも, 教師の養成教育と現 職教育の改善が, その待遇改善とともに重要課題として提起されている, そして, 教師養成教育の 改革の一 つに 「教育実習を1学年から4( 5 ) 学年まで行なうようにすること」 という提起が行なわ. れている. この提起を受けて, 85年に教育大学の教育実習プログラム (ソ連教育省) が, また, 86. 年には総合大学の教育実習に関する訓令(ソ連高等教育省)が改訂され,8 0年代後半のソ連の教育 大学や総合大学で実施に移されつつある. 改革の主要な内容は, 連続的教育実 習, つ まり, 全在学 年度を通じての教育実習の組織化であるが, 既に80年代始めより, そのような実習の実験的組織化 がモスクワ国立教育大学等で試行され, その成果の上に教育実習制度改革が行なわ れた,. この制度改革が行なわれる前の80年代前半のソ連における教育大学教育実習 の概要 ( 79年 プロ グラム) とモスクワ国立教育大学の連続的教育実習組織化の実験的プロ グラムの試行, については 別稿①で取り扱っ たので, 本稿では,80年代半 ば以降の教育実習制度の改革を中心に考察を試みる, 具体的には,85年改訂の教育大学教育実習 プロ グラムの概要, 及び総合大学の教育実習に関する 86 年訓令の概要, についての考察が主たる内容になる, ところで, 本題に入る前に, ソ連の教師養成制度の現状について簡単に触れておきたい, ソ連の国民教育基本法がその4 8条で「教育施設のための教師の養成は, 総合大学, 専門大学, 及 びその他の高等教育施設で, また個々の教科については中等専門教育施設でも行なわれる」 と規定. しているように, ソ連の教師養成は, 総合大学, 専門大学の一種としての教育大学及 び中等 専門教 育施設としての師範学校, を中心に行なわれている. 84年度の数字で, 総合大学が68 , 教育大学が. 20 0 81存在し, この10年間で, 教育大学が80万人, 総合大学が1 0万4千人, 中等 , 師範学校が4 専門教育施設が69万人, その他の大学が4万人の教育専門家を送り出したという② . このうち総合. 大学は, いわゆる国数理社を中心とした基礎的教科の中等教育教師養成を行ない, 師範学校は, 初 等教育, 就学前教育, 芸術, 体育, 労働, ピオネール指導員, 等の教師養成を, 教育大学は中等教 育を中心としながらも, 両者を含めたすべての分野の教師養成を行なっている, 教育大学と比較し て総合大学は, 伝統的に教科専門に強く, 教職専門に弱いという特徴を有してきたが, 7 0年代後半. 241.

(3) . 門 脇 正 俊. 以降, 総合大学教職課程の充実 への努力が行なわれ, 後述するように,連続的教育実習の導入によっ て, それがさらに改善充実されることになる. 一. 教育大学の新教育実習 プロ グラム ( ー985年) L 概. 要. 筆者がソ連 で入手した85年教育実習 プロ グラム は,タイ プ謄写 刷のA4版13枚から成る パ ンフ③. であり, 終わりの部分が一部欠落して いるようであるが, その内容は次のように構成されている, 解説(P,1-3) 低学年学生の教育実習(P.3-8) 夏季教育実習(P,8-10 ). 卒業前年度学年及び卒業年度学年の学生の教授・訓育実習(P,10-1 3?). 卒業前年度学年(P.11-13 ) 卒業年度学年(P.1 3-?) ④ この85年 プロ グラムの構成を79年プロ グラム と比較 してみると, 7 9年の社会的教育実習の項. 目が低学年教育実習の項目に変わっ ていること, 教授・訓育実習の項目に卒業前年度学年と卒業年 度学年の小項目が立てられていること, 「実習期間の学生の活動の評価基準」 の項目が欠落 (筆者の 資料の不備P) していること, が指摘できる. 即ち, 79年プロ グラム の内容はつぎのような項目で 構成されていた, 解説. 実習期 間の 学生 の 活動の評 価基準. 社会的教育実習. 授業及び教科に関する課外活動の評価. 夏季教育実習. 授業外訓育活動の評価. 教授・訓育実習 それでは, 85年プログラムの内容を, 79年プログラムと比較しながら概観してみよう. まず解説では,84年決定に従い, 教育大学の1学年から4{ )学年まで教育実習が導入されること 5 に言及 した後, 教育実習の課題として次の6点が掲げられている, 79年 (3点) と比較 して( 1 )の表 現が少し具体的になり,( 3 4 )が( 3 )と( )に分かれ,( )と( 6 )が新 しく追加されている. 5. ( ) 社会・政治的, 心理・教育的, 専門的知識の定着, 深化, 豊富化, 及び, 具体的教育課題に解 1 決におけるそれらの適用.. ( 2 ) 未来の教師に対する教育的能力と技術, 職業上重要な人格資質の形成と発達,. ( 3 ) 学生への, 教師という職業に対するしっ かりとした関心や愛着, 教育学的自己教育 への欲求の 育成.. ( 4 ) 教育活動への創造的, 研究的態度の形成, ( ) 学校 (又は中等職業技術学校) における教授・訓育活動の現状, 先進的教育経験についての認 5 識,. { 6 ) 教授・訓育施設の共産主義教育の課題の解決への力相応の参加,. つ ぎに, 教育実習成功のための基本的条件として, その思想・政治的方向性, 理論的根拠, 教授・ 学習的性格, 内容・組織に対する総合的接近, その実施における系統性と継 承性, が指摘されてい るが, これは79年 プロ グラムと同じである, さらに, 教育実習の過程で学生が取得すべき教職能力として, 次の8点が掲げられているが, こ. れは79年プロ グラム(7点)と比較して,( 6 )が追加され,( 3 ) ( 4 ) ( ( 5 ) ( 7 ) 8 )の表現が一部修正さ れている,. ( 1 ) 共産主義教育の全体的目的に立脚し, 生徒の年齢的及び個人的特質, 集団の社会・心理的特質 242.

(4) . ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革. を考慮しながら, 具体的な教授・訓育課題を決定すること. 2 ( ) その発達や教育を診断し計画するために, 生徒の人格や生徒集団を研究すること,. ) 教職活動 (教科に関する教授活動と課外活動, 児童の多様な活動, 等) の現在及び将来の計画 ( 3 を作成すること, 4 ) 生徒の学習・認識活動の指導の多様な形態と方法を利用すること (陶冶と訓育の課題を設定, ( 解決し, 教材を選択し, 教授・学習の組織的な形態と方法を根拠 づ けて選択, 適用 し, 教授・学. 習の多様な手段を利用する, 等) ( 5 ) 提起されている課題の遂行で児童集団を組織すること (自分の行動と生徒の行動の 一貫性を確 立し, 積極分子を組織し, 積極分子と集団に課題の遂行方法を教え, 積極分子と集団の相 互関係 を調整し, 活動の統制, 総括, 分析を組織する) .. ( 6 ) 教師, 学級担任, 保育者, 父母その他, 児童の訓育に参加する人々 と協力すること, ( ) 教授・訓育活動を観察して分析, 修正し, 心理・教育系科目に関する研究活動を行なうこと. 7. ( 8 ) 父母の労働集団の中で教育実習を行なうこと, このような課題・目標のもとに実施される教育実習は, 全在学年度を通じて行なわれ, 特に低学 年の実習が, それまでのゴムソモール組織を中心とした自発的な課外活動としての社会的教育実習 に代わって, 教授プラ ンに明記された義務的実習として新しく登場することになった.. なお, この解説では, 夏季教育実習が全ての学部にとっ て必修であること, 職業技術学校での教 授・訓育活動に対する学生の準備を改善するために, 卒業前年度及び卒業年度の教授・訓育実習は,. 普通教育学校でも, 職業技術学校でも行なわれること, 教育実習の期間と実施方法は教育大学の教 授プラ ンにより, 内容はこの プロ グラムによること, このプログラムは普通教育の教師を養成する 全ての学部に対して義務であり, また, これを基礎に学部の特質を反映した方法的指示書, 専門・ 教科教授法別の教育実習内容の作成が可能なこと, 等も指摘されている.. 2. 低学年教育実習 教育実習は1学年第2学期から始められる. 第1学期に 「専攻入門」 の授業が終了, 教職活動へ. の準備についての基礎的理解を得ていることになる, 低学年教育実習は, 3年前期に相当する第5 学期 (5年制の場合) まで, 毎週4時間, 主に普通教育学校に配置されて行なわれる. 教育実習中 の活動内容には, 大学で平行して履修する心理・教育系科目や社会・政治系科目の理論的学習に関 連した課題の遂行が含まれる. 理論的課程に関する課題の遂行とともに, 学生たちは, 実習校の教 師の助手として, その活動計画に従いながら, 教育活動を観察・体験する. - 学年では 大学での 「ソ連共産党史」 「発達生理学と学校衛生」 「一般心理学」 「教育学」 の学習 ,. が, 実習課題遂行のための理論的基礎を作り出す. 1学年学生の実習活動の内容として, 次のこと が掲げられている,. ( 1 ) 次のようなことについての認識. ・学校の教授・訓育活動について.. ・普通教育学校の 基本的方向について (学校長やその代理, 校外教育活動組織者との対談, 学年 度の学校活動計画の調査) .. ・当該学年の専門教科の プロ グラム,. ・学校の教科教室の設備. ・学校博物館, 記念コーナー等の活動,. ・学童保育グループの活動, 生徒の自主的活動の特質, 学童保育 グルー プの生活規則と衛生条件 243. ー.

(5) . 門 脇 正 俊. (保育者との対談, 課業参観, 生徒のノートの状況の点検, 等) ・学校の保健・衛生条件 (医者との対談, 活動規則, 労働教育と体育の条件の衛生的評価 1-2 , の生徒の健康状態, その身体的発達, 生活規 則, 食事, 学習机と生徒の成長の 一 致 宿題遂行 , 条件の研究) ,. ・学校のピオネール組織とピオネール部隊の活動 (上級ピオネール指導員 部隊指導者 部隊議 , , 長, 学級担任との対談, ピオ ネール隊の活動計画の研究) , ( 2 ) 生徒研究のために用いられる総合的研究方法の習得 (観察 実験 対談 イ ンタ ビュー 活動 , , , , 成果の分析, 経歴特徴描写法といった方法を利用 した1-2の生徒の心理的研究の実施 教育日 , ◆ 誌の心理学的分析を伴っ た生徒研究資 料の反映) , ( ) 学級の教授・訓育活動 への参加, 3. ・ピオネール事業 の準備と実施での ピオネー ル活動分子への援助 . ・学童保育グループにおける生徒の自己準備の遂行 への参加 ,. ・生徒に対する個々の課外訓育活動の遂行における学級担任の手伝い . ・ ・授業に対する教材の選択と教室設備の修理での教師の手伝い, 2学年では, 大学での 「マルクス・レーニ ン主義哲学」 「発達・教育心理学」 「教育学」 が学生の 実習活動の理論的基礎をつくる. 実習活動の内容として 次のことが掲げられて いる , , ( 1 ) 次のようなこと についての研究, ・生徒の共産主義教育の総合的プロ グラムに従っ た学級担任の仕事の体系 (学級担任との対話 , その活動計画 についての認識, 課外施策の参観, 等) . ・学校ゴムソモール組織, 学級, グルー プの活動経験 (ゴムソモール組織の書記との対談 学級 , ゴムソモール組織の活動計画の研究, ゴムソモール集会 への出席, 等) ・職業指導室の活動経験, 労働教育の衛生条件についての認識 . ・教科に関する授業と課外活動についての認識 (テーマ・プラ ンの研究 授業参観 等) , , , ・実験的方法を含む心理学的方法を適用 した生徒の人格の研究 (1人の生徒の人格の研究プログ ラムの作成,生徒 に対する訓育活動に編成に利用す るための生徒の心理学的研究の資料の収集 ,. 生徒の心理・教育学的特徴描写の作成). ( 2 ) 教授・訓育活動 への参加 ・活動の計画・編成 においてゴムソモール (ピオネール) 積極分子への援助供与 , ・個々 の訓育課業の準備と実施 (政治情報, レーニ ンの授業, 勇気 平和 労働部 隊の授業 職 , , , 業選択に関する対談, 等) ・小地域での生徒の自由時間の組織化 への参加 , ・教科に関して遅れている生徒 への援助.. ・教科に関する課 外課業の準備と実施 への参加 . 3学年の実習は, 大学での 「政治・経済学」 「訓育活動法」 の授業と平行して行なわ れ それらの , 学習が実習活動の理論的基礎 をつくる. 学生の実習活動として, 次のものが掲げられている , ( 1 ) 次のことについての研究, ・実習を行なう教授・訓育施設の活動の体系 (学校長やその代理 課外・校外活動組織者との対 , 談, 活動計画の研究, 学校が地域で組織した施策の参観, 等) ・生徒の父母 に対する活動体系. ・生産教育の条件, 生徒の労働・職業準備の体系 . ・生徒集団 (学級, グルー プ, スポーツ部) の心理学的構造 生徒集団の形成と発達に関する活 .. 244.

(6) . ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革. 動に利用するために, 集団の社会・心理学的特質の研究に関する資料の収集と記録. 生徒集団 の 心理・教育学的特徴描写の作成.. ( 2 ) 次の教授・訓育活動 への参加. ・ゴムソモール事業の計画と組織化でのゴムソモール積極分子への援助.. ・社会・政治的性格の施策の準備と実施 への参加. ・生徒の労働・経済教育, 職業指導に関する2つの課外授業の準備と実施. ●授業準備への参加 (文献 視覚教材 教育機器の選択 学習実験 教材の準備 等) ・ , , , , , ・教科に関する課外活動への参加.. ・生徒に対する個別指導, ・生徒の父母に対する活動 への 参加,. 3 , 夏季教育実習 夏季教育実習の期間に学生は, 夏季期間における生徒の労働と休息の組織に参加する, 教育実習 の基本的基地は郊外の ピオネール・キャ ンプであるが, 自然・地理学部と一般技術・労働学部にとっ. ては生徒労働連合 (生徒生産隊, 学校営林署, 労働と休息のキャ ンプ, 学習・実験生産施設, 修理 隊, 等) , 夏季教育実習は, ゴムソモール・青年, スポーツ, 旅行のキャ ンプでも, 児童健康増進広. 場でも, 都市ピオネールキャ ンプでも, 校外施設 (旅行ステーショ ン, ピオネールと生徒に宮殿と 家, 技術創造ステ」ショ ン, 少年技術者, 科学者のステーショ ン, 居住地子供クラ ブ) でも, 未成 年問題監督局でもおこなわれる, この実習の過程で学生は, 夏季期間の児童集団と青年集団の生活と活動の自主的組織の経験を取 得する, 学生の実習活動の内容には次のことが含まれる. ・学習基地となる施設の活動条件, 内規, 伝統についての認識, 仲間との結びつきの確立. o生徒の年齢的, 個人的特質, その健康状態, 生活・教育条件の研究.. ・実習期間における自分の活動目的の決定, 実習の全期間及び毎日の活動計画の作成, ▲・共産党 ソ ビエト国民 ゴムソモール ピオネー ル組織の革命的 戦闘的 労働的伝統での教 , , , , , 育,. o子供の労働・経済教育とその職業指導, ・道徳教育.. ・自然保護や自然観察活動. ・美的教育. ・視野の拡大に関する活動.. ・体育と衛生教育, 実習の過程で学生は, 集団活動, グルー プ活動, 個人活動の統一を保障することを学ぶ. 夏季教育実習期間に未来の教師は, 最も優れた指導員, 保育者, メ トジス トの活動経験を研究・. 分析し, 日誌に自分の観察, 活動結果を記録する, 4, 卒業前年度・卒業年度学生の教授・訓育実習. 卒業前年度及び卒業年度学生の教授o訓育実習は, 低学年学生の教育実習の論理的継続である,. この実習期間における学生の活動内容は, 教師の実際の職業活動の内容に最大限に接近していなけ ればならない, 245.

(7) . 門 脇 正 俊. 実習の基本的目的は教科教師と学級担任の任務の完全な遂行への, 生徒に対する教授・訓育活動. の体系の実施への準備である.. 卒業前年度及び卒業年度学生の教育実習の課題は次の通り.. ・1-3学年の実習期間に取得した一般教育学的な能力と習熟の 基本の 一層の発達と向上.. ・教科教師の専門的教職能力の形成. ・大学の理論的教授・学習の過程で取得した知識の適用と深化.. ・教師の社会的に積極的な人格資質の育成, 教職活動での創造的研究態度の形成. 〔 1 〕 卒業前年度学年 学生の実習活動に内容には次のことが含まれる, 1, 学校と中等職業技術学校の教授・訓育活動についての認識. 2. 次 の こ と に つ い て の 学 習.. ・教師の教授プロ グラム, テーマ別, 時間別計画, 教科に関する課外活動計画. ・授業での教師の教授・訓育活動の心理学的観点. 生徒と学級 (グループ) 集団. ・学級担任の活動計画.. ・生徒の個人的問題, 医療カルテ, 日誌, 学級誌, それらの管理方法. 3. 専門教科に関する次のような教授活動と課外活動の実施, 4. 学級 (グルー プ) での課外訓育活動の実施. 5, 教授法的及 び自立的活動.. 〕 卒業年度学年 〔 2. 学生の実習活動の内容には次のことが入る. 1. 学校又は中等職業技術学校の教授・訓育活動の認識. 2. 次 の こ と に つ い て の 学 習. ・学級 (グループ) の 生徒と集団.. ・教育学と心理学の理論的知識を基礎にした訓育過程. 3. 専門教科に関する教授活動と課外活動の遂行,. 4. 学級担任の活動計画に応じた生徒への訓育活動の遂行. 5. 方法論的, 創造的活動.. 二, 総合大学における教育実習制度の改革 ( -986年訓令) 1. 86年訓令の概要と教育実習の課題 ソ連の総合大学の教育実習に関する訓令は, それまで共和国ごとに作成されてきたが,1978年か. ら, ソ連高等教育・中等専門教育省によっ て, 全ソ的に統一して作成され実施さ れてきた. 国立総 合大学学生の教育実習に関する78年訓令⑥は,「一連の総合大学での教育実習の経験を一般 化し, 総. 合大学, 教育大学, 工業教育専攻のための教育実習に関する訓令を研究し, 現代の教師に提起され ている要求を考慮 しながら一 作成され, 「 8総合大学の教育学・心理学講座主任会議, ソ連高等教育 省内協議会での審議の後, ロシア共和国とウクライ ナ共和国の高等教育省, ソ連大蔵省, 教育省, 職業技術教育国家委員会の同意を経て, 承認された」という⑥ , この78年訓令は,86年訓令の承認. 施行とともに, その効力を失うことになる. 1986年7月施行のソ連高等教育・中等専門教育省 「国立総合大学学生の教育実習に関する訓. 246.

(8) . ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革. 令」⑦は, つ ぎのような内容で構成されている, 1, 教育実習の課題 2. 教育実習の内容. 1 ( ) 社会・政治的活動 ( 2 ) 教授活動 ( 3 ) 訓育活動. 3, 教育実習の構造 4, 教育実習の組織と実施 5, 実習生の権利と義務 6, 教育実習の指導. 7, 教育実習指導者の義務 1 ) 学部実習指導者 ( ) グループ実習指導者 ( 2. ( ) 教育学教師 3 ( 4 ) 心理学教師 ( 5 ) 教育学と心理学の講座 ( 6 ) 専門分野の講座 ( ) 社会科学講座 7 8, 教授・訓育施設 (実習基地) の管理機関と教師の義務. ( 1 ) 教授・訓育施設の指導者または教授 (学習・生産) 活動に関するその代理者. 2 ( ) 教授・訓育施設の教師 ( 3 ) 学級担任 (保育者, 生産教育マスター) 4 ( ) 課外活動組織者 (教授・訓育活動に関する副校長) 9, 教育実習期間に学生が行なった活動の評価 10 , 昼間部学生の教育実習 指導に対する大学教師の教授負担の標準ノルマ.. 1 1 , 昼間部学生の教育実習の指導に対する教授・訓育施設勤務員の労働報酬. 1 2 , 夜間部と通信部の学生の教育実習.. 1 3 . 夜間部と通信部の学生の教育実習の指導に対する大学教師の教授負担の標準的基準. 1 4 . 夜間部と通信部の学生の教育実習の指導に対する教授・訓育施設勤務員の労働報酬,. 1 5 . (ピオネール) 教育実習. この構成は, 改訂前の78年訓令とほぼ同じであるが, 「3. 教育実習の構造」 が追加され, 全体 )社会・ 1 として1 4項目)の構成と なっている, また, 「2. 教育実習の内容」の中に( 5項目( 78年は1 )社会科学講座が, 小項目としてそれぞれ追加 7 政治的活動が, 「7, 教育実習指導者の義務」の中に( さ れ て い る.. この総合大学の教育実習に関する訓令は, 教育大学用教育実習 プロ グラムより, いっ そう体系的, 包括的教育実習要項となっ ており, この訓令によっ て, ソ連の中等学校高学年教師を養成する総合 大学の教育実習制度の概 要を知ることができる. 以下, この訓令をもとに, その要点を紹介する. なお, この訓令の最初の部分に, つまり 「1. 教育実習の課題」 の前に, 短い序文的記述がある が, その内容は重要と思われるの で最初に紹介する.. 「普通教育学校と職業学校の改革の基本的方向, 及びソ連共産党中央委員会と閣僚会議の1 4年 8 9. 4月12日付け決定・No,316 「教育制度と職業技術教育制度の教師要員の養成の改善と資格の向上, 247.

(9) . 門 脇 正 俊. 及 び彼等の労働・生活条件の改善に関する方策について一 に従い, 総合大学教育学部 (部門) に1 年から5年までの 連続的教育実 習が導入される.. 教育実習を行なう総合大学 学生に, ソ連高等教育施設学生 の生産実習に関する規定, 教師教育 施設附属教授・訓育施設に関する規定が, この訓令に述べられている特質を考慮して適用される , 総合大学学生の教育実習は高い資格の教師の養成の不可決な部分であり, 5年以上教育実習の 基地として定められた附属その他の教授・施設で行なわれる」 , 即ちここでは, この86年訓令改訂の狙いが,84年学校改訂に対応した「1年から5年までの連続. 的教育実習の導入」 にあること, この教育実習に関連した規定として 「ソ連高等教育施設学生の生 産実習に関する規定」 「教師教育施設附属教授・訓育施設に関する規定」 が重要であること 教育実 , 習は5年以上教育実習基地として定められた学校等で行なわれること, が指摘さ れている , さて, つ ぎに教育実 習の基本的課題として, 次の8項目が掲げられて いる , ( 1 ) 学 生 のマルクス・レーニン主義 の世界観, 共産主義的思想性・信念の形成, ある種類の思想的・ 訓育的活動の習熟.. ( 2 ) 社会主義社会の要求に相応した未来の教師の職業的資質, そしてまた, 専門家の人格的資質の 取得. ( 3 ) 教職への愛好と尊敬 の育成,. ( 4 ) 直接的な実践活動 への学生の参加, 教授・訓育活動の成功的遂行に必要な職業上の能力と習熟 の形成, 教授・学習と訓育の方法の習得,. { 5 ) 社会・政治, 専門, 心理・教育の学科の学習の際に取得した理論的知 識と実践の結合の確立と 強化.. ( ) 教授・訓育施設にお ける教授・訓育活動の現状や先進的教育経験 についての認識, 生徒の教授・ 6 学習や共産主義教育の課題の解決における学生の側からの援助供与 . ( 7 ) 学生と生徒との相互作用と交流の組織化, 彼等の個人的, 年齢的特質の研究 . ( 8 ) 教職活動 への創造的, 研究的態度の形成, 自分の労働結果の分析能力の取得, 自己教育への欲 求の形成.. この86年訓令では, 5項目から構成されていた 78年訓令と比較して 8項目に増え 内容が再構 , 成されているが, ( 1 )の共産主義的信念の形成や思想的活動 への習熟に関する課題の追加を除いては, それほ ど変わってはいない, しかし, 課題の冒頭に, このようなイ デオ ロギー活動に関する項目が 特設されたことの意味は大きいと思わ れる. そのことは, 次に述べる教育実習活動の内容に関係し て く る.. 2. 教育実習の内容と構造 教育実習の内容は, 社会・政治的活動, 教授活動 (専門に関する選択授業や謀タ ト活動を含む) ,訓 育活動の3種類の活動を含むとさ れているが, ここでは78年訓令になかっ た 「社会・政治的活動」. の小項目が特設され, 教授活動, 訓育活動とともに, 教育実習の社会・政 治的活動の側面が強調さ れている. しかし, ソ連の大学では従来から, 教育実習とともに社会的実践活動が重視され また ,. 教育実習も学校教育実 習 だけでなく, ピオネール教育実習等, 社会的教育実習も重視され さらに , また, 学校教育実習も父母や地域住 民に対する活動が含められてきた 今回の改訂はその延長線上 . にあるが, 教育実習の課題の冒頭 に 「マルクス・レーニ ン主義の世界観, 共産主義的思想性・信念 の形成, 思想的訓育的活動の習熟」 が掲げられて いたように, 教育実習における社会・政 治的側面. のいっ そうの強化が感じられる . 248.

(10) . ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革. 3種類の教育実習の内容として, それぞれ次のようなことが掲げられている. ノ. ( 1 ) 社会・政治的活動. 教授・訓育施設の生徒集団での, 父母の中での大衆的・政治的方策の遂行, 党の文書, 新聞, 雑誌, 政治文献による自主的活動能力の習得.. 教授・訓育施設の生徒に対する唯物論的世界観, 現実への共産主義的態度, ソ ビエト的愛国主義 と国際主義の形成. 生徒の思想・政治教育, 徳育, 美育, 体育に関する活動体系の実施 , 生徒, 父母, 住民の中での社会・政治的知識の宣伝への参加 ,. 教授・訓育施設と生産での教授活動と労働活動の全ての領域における節約・倹約の方法での生徒. の教育, 社会・政治的方策の実施, 様々 な視聴覚方法を用 いた現実の政治や社会・経済のテーマ でのアジ 活動の創造における生徒 への援助供与.. ( 2 ) 教授活動. 教授・訓育施設の活動体系 の研究.. 教授・学習と訓育の統一の原理を実践に適用 し, 授業の教授・学習的, 発達的及び訓育的目的を. 公式化し具体化し, 教材の内容の中に基本的な世界観的概念を区別する能力の教授・学習.. 教科に関する課外活動体系の実施の教職能力の習得, 生徒への個別の対応の方法, 成績の悪い生徒, 優秀な生徒, 教育的に放置された生徒に対 する活 動方法の習得. 授業, その他の組織形態の教授・学 習 (実験・実習活動) , 随意課業, 見学旅行等を行なう方法や 技術 の学習,. その年齢的及び個人的特質を考慮した生徒に対する教授活動の自主的遂行能力の取得, 教職活動への創造的態度の形成.. 教科に関する教師 (講師) の先進的活動経験や統一的な科学的・教授法的問題に関する教授・訓 育施設全体の研究, 学生科学研究活動に関する課題の遂行.. ( ) 訓育活動 3 教授・訓育施設の訓育活動の計画の調査と組織方法の基礎の習得.. 教授・訓育施設生徒のピオネールとゴムソモールの組織の活動体系の 学習, 教授・訓育施設の学級担任 (保育者, 生産教授マスター) の活動についての認識 .. その年齢的及び個人的特質を考慮した生徒に対する訓育活動の自主的実施の能力の取得, 心理学・教育学的方法を総合した生徒の年齢的, 個人的特質の研究, 心理o教育学的特徴描写の. 作成. 生徒, 父母, 仲間に対する自分の関係を教育学的に正しく 構築する能力の形成 .. 社会的教育活動の能力と習熟の習得, 社会的に積極的な人格資質の育成,. このような3種類の活動を含む教育実習は, 1年から5年まで連続的に, 次のような段階を含ん で実施される. 即ち,( )の1-3学年(第2-5学期)教育実習が新たに導入されることになった 1 . しかし, この1-3学年の実習は, 教育大学でのそれが毎週1日4時間, 大学での授業と平行して. 実施さ れるのとは異なり, 恐らく第2-5学期に各 1週間ずつ, 集中して実施されると思われる . ( ) 1-3学年学生の教育実習 (教授期間における) は, 4週間, 1. { 2 ) 3学年学生の (ピオネール) 教育実習は, 4週間,. 249.

(11) . 門 脇 正 俊. ( 3 ) 4学年学生の教育実習は, 4週間, }週間, 4 8 ( ) 5学年学生の教育実習は, 6( ( ) 5学年学生の卒業前実習は, 4-7週間, 5. 1学年学生の教育実習の前に, その課題と内容の学習が, 「専門と教職への入門」の教授科目の中 で予定されている.. 3. 教育実習の組織と指導. 〔 1 〕 教育実習の組織. 教育実習は, 教育学, 心理学の講座, その他の講座と共同で, 学部長当局によって組織される.. 各学期の教育実習開始前に, 学部長当局は教育学, 心理学の講座, 社会科学講座と共同で, 方針. 提示の会議を開催し, そこで学生に対して教育実習の実施手続きとその内容を説明する. 1-3学年 (第2-5学期) の教育実習 では, 学生は学級 (グループ) に登録され, そこで教師,. 学級担任 (保育者, 生産教育マスター) の助手の任務を遂行する. その他, 実習生たちは, 自分の 専門の教科に関する課外活動を行ない, 教科委員会の活動に参加し, 実習プログラムに応じてその 他の活動も遂行する.. 4-5学年では, グループ指導者の指導のもとに実習生は, 実習期間における個人の活動計画を 作成するが, そこでは, 専門に関する予定の授業, 課外課業, 随意課業の量と内容, 学級指導や生 徒の心理・教育学的研究, 同様にまた, 社会・政治的実践に関する方策が定められる,. 実習の過程で学生は, 区別された評価を伴う試験授業, 訓育及び課外の施策を行ない, それらの 審議と分析に参加する.試験の授業や施策の数は,実習の各部に渡るプロ グラムやその実施表によっ. て定められる. 実習期間に4学年学生は, 教育学と心理学の教師の指導のもとに, 1人の生徒の心理・教育学的 特徴描写を作成する. 5学年学生は, 生徒集団の心理・教育学的特徴描写を行なう,. 教育実習の過程で学生は, 心理・教育系科目と各科教授法に関する学年論文のための経験的資料. を収集し, 学生科学研究活動に関する課題を遂行する, 教育学, 心理学, 教科教授法に関する卒業 論文の遂行の際に, 学生は教授・訓育施設で卒業前実習を行なう. 各学年での教育実習は実習の総括が行なわ れる総括会議で完了する,. なお, ピオネール教育実習の概要については次の通り. 総合大学3学年学生のピオネール教育実習は, 郊外のピオネールキャ ンプ, 健康増進広場, 生徒 労働連合, 専門別キャ ンプ, 等で行なわれる, ある場合には, 教育学講座の同意のもとに, 学部当 局によ っ て, 3学年の全教授期間に授業外時間を利用 して, 学校のピオネール班又は校外教育施設. において同種の実習を行なうことが許可されることがある. ピオネー ル教育実習への派遣は, 労働 組合組織, 企業や施設の申請によっ て行なわれる. ピオネールキャ ンプや校外施設への学生の配置 計画は, 学部当局, 大学のゴムソモール組織, 全ソ・ゴムソモール州 (地区) 委員会の同意のもと. に, 教育学講座によ っ て作成される. 実習の遂行の際, 学生はピオネール隊で, 隊の指導員, 保育 者, サークル指導員として活動する. ピオネー ル教育実習に派遣される学生たちは, 専門に当てら れる教授時間18時間の方法的準備と5日のキャ ンプ集会を行なう. 教育学講座は, 学生キャ ンプ集. 会の プログラムを作成し, これらの課業の実施を保障する, 学生の準備に関する方法的課業のプログラムには, 安全技術, 健康と自然の保護に関する課業が. 含まれる. ピオネールキャ ンプで学生たちは, キャ ンプ責任者や上級ピオネール指導員の指導のも. 250.

(12) . ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革. とに, その他の訓育施設ではその施設の指導員の指導のもとに, 実習を行なう, 実習の終了後, 学 生たちは実習報告書と, 実習を行なったキャ ンプの責任者, 学校ピオネール指導員, または施設指 導員のその活動についての批評を提出する. 肯定的批評の場合には, ピオネール教育実習に関して 分化 した評価が記入される, 活動に関して否定的批評を得た場合には, 学生は学部会議の許可のも とに, 再度実習を行なうことができる. ピオネー ル教育実習の実施に対する指導と管理は, 教育学. 講座が行なう. ピオネール教育実習の指導に対して, 大学の教育学講座の教師に, 学生1人2時間 が加算される.. 〔 2 〕 大学の教育実習指導者 ( 1 ) 学部実習指導者. 学部 ごとの実習の企画, 組織化, 結果の評価を保障し, 学部全体の実習実施計画表を作成する, 実習校との結びつき を確立し, 学生の実習場所を配置し, 教授o訓育施設の実習指導者の支払い. の書類手続きを行なう. 教授法会議を開催し, 実習問題に関する展示を組織する. 実習の改善に関する提案を行ない, 学生の教育実習問題の審議の際に講座の活動に参加する.. 実習指導に関して, 実習のグルー プ指導者, 教授o訓育施設の管理者や教師 (教授者) の活動を調 整し, 学生が行なう授業その他の措置を選択して訪問し, 実習組織における欠陥の除去のための方 策を採用する. 学年 ごとの実習の総括を組織する.. 全学年の教育実習の総括に関する学部全体の報告書を年度ごとに作成し, それを学部長に提出す. る,. ( 2 ) グループ実習指導者 教授・訓育施設の指導者と共同で学生を学級 (グループ) に, 教科教師と共同で学生間に授業と 課外活動のテーマを配置する.. 教育学と心理学の講座, 社会科学の講座と共同で, 学生が, 全実習期間の個人計画を作成し, 授 業, 課外指導, 学級担任としての措置, 学級 (グループ) 集団または1人の生徒の心理・教育学的. 研究の内容を, 実習 プロ グラムに従っ て具体化するのを援助し, 実習生の個人的計画を承認する, 学 生が授業や課外指導を行なうのを指導し, 授業や課外指導に出席し, それらを分析・評価し, 学生に個人的活動計画の遂行を監督する,. 学生が提出した書類を収集して分析し, 実習のまとめの報告を作成し, それらを学部指導者に提 出する. 大学の教育実習に関する方針会議や総括会議, そしてまた, 教育施設指導者が行なう会議に参加. す る.. 実習に関する小試験の実施に参加し, 教育学と心理学の教師と共同で, 全体的評価を行なう. なお, 実習のグループ指導者には, 1-3学年では25人以内, 4-5学年では4-7人の学生が. 配置される,. ( 3 ) 教育学教師 学生の教育実習の方法的指導を行ない, 教授・学習, 訓育, 職業指導の当面する諸問題に関して 彼等に助言する. 学級担任 (保育者, 生産教育マスター) と共同で, 生徒に対する実習生の訓育活動を計画し, 彼 等を助言し, 課題の遂行を保障する,. 実習生の授業や課外課業を訪問し, 授業や課外課業の準備や実施で彼等を援助し, グループ指導者 251. ー.

(13) . 門 脇 正 俊. と共同でこれらの課題を評価する,. 生徒の個人的特質の研究と考慮で学生を援助する . 教育実習に関する方針会議や総括会議, そしてまた, 教育施設の指導者が行なう会議に参加する . 実習に関する小 試験の実施と全体評価の記入, 実習に関する学部指導者の報告書の作成 に参加す. る.. なお, 教育学の教師には, 通常, 25人以内の学生が配置される .. 4 ( ) 心理学教師. 個々の生徒や生徒集団の心理・教育学的研究に関する課題を作成する , 実習生の授業や 課外措置を (選択して) 訪問し, それらの分析に参加する , 生徒の人格や集団の研究や実習 プログラムで予定されている心理学に関する他の課題の遂行に関 して, 学生に活動を指導する.. 教育実習に関する方 針会議や総括会議, そしてまた, 教育施設の指導者が行なう会議 に参加する , なお, 心理学の教師には, 通常, 50人以内の学生が配置さ れる ,. ( 5 ) 教育学と心理学の講座. 全ての種類の教育実習に関して, 学生の一般 教育学的, 心理学的, 教授法的準備の高い水準を保 障する, 教育実習の組織と実施 に参加する全ての講座の活動を調整す る 学生に助言を与え 学生 , , 科学研究活動に関する課題に遂行を保 障する. 科学の成果と先進的教育経験を教育実習の組織と内容に導入することに関する方策を採用する , 必要な文献を実習生に確 保し, 教育実習に向けて の方法的資料の展示会を組織する . 先進的な教育実習の組織経験を研究・概括し, その改善に向けた方策を採用する ,. 教育実習の過程で生じる全ての問題に関して学生に助言する. 実習に関する方法的文書, 学生科学研究活動に関する課題を作成する ,. ( 6 ) 専門分野の講座. 専門科目の教授の教職的方向性, 教科に関する教授・訓育活動 に対する実習生の準備の高い 科学 的・理論的水準を確保する. 実習のグループ指導者を選出する,. 教育実習に関する方針会議と総括会議 に参加する. 実習生の教授・訓育課業 への大学教師の個別訪問を組織する, 専門に関する必要な文献を学生に確保する.. 教育実習に向けての資料の展示会を特別教室に組織する.. 現代科学の当面する問題に関して, 専門科目での生徒に対する学生の課外課業の準備と実施に関 して助言を行う, 講座会議で教育実習の過 程と結果を分析し, その改善の方策を採用する .. ( 7 ) 社会科学講座 全ての種類の教育実習の世界観的方向性の強化を促進する,. 教育実習期間に, マルクス・レーニ ン主議理論, ソ連共産党のイ デオロギー的, 政治・訓育的活 動の諸問題に関して, 青年の社会・政治的教育の諸問題に関して, 助言を行なう . 教授・訓育施設でのアジ宣伝活動への学生の準備を組織し, 参加を監督する (社会・政治的実践 の プロ グラムと若い講演者の学校の活動計画に従っ て) .. 青年の思想・政治教育, 道徳教育, 軍事・愛国的教育, 国際主義教育, 法律教育, 労働教育, 経. 済教育の理論と方法の諸問題に関して, 学生に助言する なお, この活動は, 教授 プラ ンに割り当 . 252. ・.

(14) . ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革. てられた時間で助言が行われる.. 〔 3 〕 教授・訓育施設 (実習基地) の管理機関と教師 ( 1 ) 教授・訓育施設の指導者または教授 (学習・生産) 活動に関するその代理者 教育実習の実施の正常な条件を確保し, 目前の実習の諸問題に関して, 教師, 職員, 生徒に対し て仕事を行なう. 教授・学習施設について, 普通教育学校と職業学校の改革の実施, 教師スタ ッフ, 先進的教育経 験, 書類, 学習・生産施設 (特別教室, 図書館, 等) について, 教授・訓育活動の全体的組織 につ いて学生に知らせ, 教育協議会, 教科 (専門) 委員会, 父母委員会の会議に出席する 機会を実習生. に与え, それらの活動計画について知らせる. 実習のグループ指導者と共同で, 学級 (グループ) に学生を配属する. 実習生の授業, 訓育その他の措地を (選択して) 訪問し, それらの審議に参加する,. 経験の総括をもとに, 教育実習の改善に関する提案を行なう. 教授・訓育施設で教育実習のまとめの会議を行ない, 大学での方針会議と総括会議に可能な限り. 参加する.. ( ) 教授・訓育施設の教師 2 自分に配属された1-3学年学生に, 教育活動の基礎について, 自分の教授・訓育活動計画につ いて知らせ, 公開した授業や課外課業を行ない, それらの審議を組織する.. 実習のグルー プ指導者と共同で, 教科に関する授業と課外措置のテーマを定め, 学生に配分する.. 授業の実施に向けての準備の際に学生に助言し, 目前の授業の計画概要を点検して承認する, 種々のタイ プの授業の準備, 実践的及び実験的課業の遂行等の際に学生に援助を行なう,. それらの学生による各授業の分析と評価に参加する. 遅進者に対する課業, サークル課業の実施, ノートの点検, 視覚教材の準備, 学習映画やスライ ドフィ ルムの上映, 実験活動の準備等を学生に委任する, 学 生の 特徴描写を行ない, 彼等の学習活. 動を評価する, 教育実習に関して教授・訓育施設の指導者が行なう会議に参加し, また, 大学での方針会議と総 括会議にも可能な限り参加する.. ( 3 ) 学級担任 (保育者, 生産マスター). 学級(グルー プ) 生徒の構成について, 彼等の個人的問題, 成績, 出席状況, 生活態度について, 基本的な訓育課題や自分の活動計画について, 学生に知らせる. 教育学教師やグループ指導者と共同で, 実習プログラムの訓育課題を具体化し, 訓育活動計画の 作成の際に学生を援助し, 計画を承認し, その遂行を監督し, 助言を与える. 心理学教師と共同で, 生徒研究と教育心理学的特徴描写の作成に関して, 実習生の活動を指導す る.. 学生の自立的な (小試験の) 訓育措置に出席し, それらの審議と評価に参加する. 学級 (グループ) に対する現在の訓育活動 (当直, 生徒の家庭訪問, 父母との対談, 等) に学生. を引き入れる. 学生の特徴描写を行ない, 彼等の訓育活動を評価する, 教育実習に関して教授・訓育施設の指導者の指導者が行なう会議に参加し, また, 大学での方針. 会議と総括会議に可能な限り参加する, 4 ( ) 課外活動組織者 (教授・訓育活動に関する副校長). 教授・訓育施設の訓育活動計画について, ゴムソモールグルー プ, ピオネール班・ 隊の活動につ 253.

(15) . 門 脇 正 俊. いて, 学生に知らせる. 大衆的な訓育的措置の 計画と実施で学生を援助する.. 学生が行う訓育的措置を (選択して) 訪問し, それらの審議に参加する, 実習生徒に対する活動で学級担任を援助する.. 教育実習に関して教授・訓育施設の指導者が行なう会議に参加し, また大学での方針会議と総括 会議に可能な限り参加する. 4. 実習生の権利 ‘義務と活動の評価. ( 1 ) 教育実習生の権利と義務. 教育実習生は実習の一貫プログラムに予定されている全ての種類の活動を適時に遂行し, 生徒の. 思想・政治教育, 徳育, 労働教育, 美育, 体育の統 一 性を確保しながら, 教授・訓育活動を行なう. 実習期間に学生は, 深い思想的信念, 高い道徳的資質, 社会的積極性, 仕事への深い関心, 生徒. への, 教職への愛情を有する初心者専門家として自己を発揮しなければならない. 彼は組織性, 規 律性, 勤勉の手本でなければならない. 生徒に対する活動の過程で学生は, その職業的権威を示し, 教授・訓育施設集団の生活に積極的に参加するよう努めねばならない.. 実習生は実習過程で生じるすべての問題に関して, 大学の実習指導者, 教授・訓育施設の管理者 や教師に話しかけ, 教授・訓育過程, 実習組織の改善に関する提案を行なう権利を有する, また, 教授・訓育施設のゴムソモールや労働組合の組織の活動, 協議会や会議に参加する権利, 図書館や 特別教室, そこにある教授用参考書を利用する権利を有する,. 各学生は, 生徒 に対する教授・訓育活動の観察と分析の結果を記録した日誌 (1年から5年まで 統 一) , そしてまた, 実施した全ての授業, 訓育, 教科に関する課外施策の計画概要のノートをつけ る.. 実習生は, 教授・訓育施設規程の要求に従っ て自分の活動を組織し, 内規に従い, 管理者や実習 指導者の命令を遂行する. 実習生に提起された要求を遂行しない場合, 彼は実習をやめさせられる こ と が あ る.. 実習をやめさせられたり, またはその活動が連続的教育実習として不充分であると認定された学 生は, その学期の教授プラ ンを遂行しなかっ たと見なされる. 学部会議の決定により, 大学の授業 から離れないで実習の再履修が指定される. 実習期間中, その教授・訓育施設で実習を行なう学生の一人がグルー プ代表者 に任命される. 代 表者の任務には, 学生の出席状況の点検, 活動の全体的組織化, 集団協議やセミナーについての学. 生 への通知, 実習 .指導者に委任されたことの遂行, がある,. 2 ( ) 学生の活動の評価. 実習期間に学生は, 教育観察日誌をつけるが, そこには, 生徒1人と集団の心理・教育学的特徴 描写を含めて, 実習プロ グラムに予定されている課題の遂行に必要な資料が反映される. 日誌の資 料は, 実習で行なっ た活動に関する報告書の作成の際に利用される. 教育実習が終了すると学生は, 実習のグループ指導員に次のものを提出する.. 1, 2, 3学年では, 教授・訓育施設の勤務員によっ て署名さ れた日誌及び課題遂行報告書, 個. 別の課題研究, 学生科学研究活動に関する課題の遂行.. 4学年では, 日誌と活動実施報告書, 授業, 訓育措置, 課外措置, 1人の生徒の心理・教育学的. 特徴描写の計画概要, 学生科学研究活動の遂行結果.. 5学年では, 日誌と活動遂行報告書, 1-2の授業, 課外課業の計画概要, 授業や訓育的措置,. 254.

(16) . ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革. 生徒集団の心理・教育学的性格描写の分析, 行なわれたこう ぎの証明書, 社会・政治的実践に関す. る報告書, 学生科学研究活動に関する課題遂行報告書,. 提出された文書をもとに, グループ指導者, 教育学と心理学の教師から構成される委員会は, 個 別の評価を各学年で行なう, 教育実習のまとめは, 教授・訓育施設の指導者が行なう会議と大学での総括会議で行なわれる, 5, 大学教師の実習指導のノルマと 実習校教師の労働報酬. 最後に, 教育実習生に対する大学教師の指導ノルマと教育実習校教師の労働報酬の算出表を紹介. して お く.. この表からも明らかなように, 教育実習 生に対する大学教師の指導体制はかなり徹 底していると 思われる, 例えば教育学の教師でも, 1人25人以内の学生を担当することになっており, 1~3学 2,5時間の学生指導を担当することにな 5時間×25人=1 年の場合, 1週間の教育実習で, 最大限0. る.. 教育実習校教師に対する労働報酬算出の時間数は, 1~3学年の場合, 校長, 教科教師, 学級担 任, ピオネール指導員等に分散して (かなり平均的に) 計算されているが, 教授・訓育実習 (教壇. 実習) を中心とする4~5学年の場合は, 教科教師や学級担任を中心に計算されている, この労働 報酬算出の時間数が, 教育実習校教職員の実習生指導担当時間の内訳を示している,. 1 ( ) 昼間部学 生の教育実習 指導に対する大学教師の教授負担の標準的ノルマ (学生1人につき) \\\ \\ 実習の学部指導者. 1 年. 2 年. 3 年. 4 年. 1週間. 2週間. 1週間. 4週間. 0, 5時間. I. 5. 6週間 0,75 11. I. I. 10. 15. 教育学の教師. 0,5 0.5. I. 0.5 0.5. I. 0,5. 4. 6. 心理学の教師. 0.5. 0.5. 0.5. 2. 4. 実習のグループ指導者. 年. 8週間. 4.5 3. ( 2 ) 昼間部学生の教育実習の指導に対する教授・訓育施設勤務員の労働報酬 (学生1人につき). 学生が教育実習を行なう教授・訓育施設の勤務員の労働報酬は,.その基本的な仕事の賃金に プラ. ス して, 1時間につき1.2ルーブルの計算で, 大学の予算から支払われる.. \ \. \\. 教授・訓育施設の指導者または教授 (生産教授)活動に関するその代理 教師 〔教科〕 学級担任 (保育者, 生産教育マスター) 課外, 校外活動組織者 (教授・訓育活動担当副校長). 1 年 1週間 0 5時間 , I I 0,5. 年 2週間. , 2. . ← ハ 4 つ ム ー ▲. 5 8週間. 年 6週間. 3 年 1週間. 4 年 4週間. 0.5. I. 2. 1.5. I. 10. 15. 11. I. 3. 6. 4,5. 0.5. I. I. 0.75. グループ指導者として大学教師の代わりに引き入れられた教授・訓育施設の教師の労働報酬は, 本務に関して受け取る 賃金に追加して, 大学の時間給基金から, 次のような負担度に基づいて支給 255.

(17) . 門 脇 正 俊 さ れ る.. 1年学生の実習に対して ……学生1人に0,5時間,. 2年学生の実習に対して……学生1人に1時 間. 3年学生の実習に対して……学生1人に0,5時間. 4年学生の実習に対 して……学生1人に10時間 , 5年学生の実習に対して……学生 1人に15 ( 1 1 ) 時間. お わ り に. ソ連教育省の85年教育大学用教育実習 プロ グラム, 及 び, 総合大学学生 の教育実習に関するソ連. 高等教育・中等専門教育省の8 6年訓令を中心に, ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度. の改革について概観してきた.84年の学校改革 に関する決定で提起された連 続的教育実習の導入が 主要な改革内容 であるが, 教師養成の専門大学である教育大学に限らず いわゆる一般大学として , の総合大学における, 中等学校高学年教師養成 においても連続的教育実習が導入されたことの意味 は大きいと思われる, 1-3学年 (第2-5学期) における教育実習の実施方法 は 毎週4時間の , 教育大学と合計4週 間の総合大学 (恐らく各学期1週 間) では異なるようであるが 実習時間総数 , にそれほど大きな相違はなく, 教育大学であれ, 総合大学であれ, また 初等教育であれ 後期中 , , 等教育であれ, 教師養成 における理論と実践の結合や実 践的準備の強化が目指さ れている このこ . とは, 我が国の教育実習が概 して大学生 活後半の 一時期に集中して (しかも短期間) 行なわれてい ること, また, 我が国の教師養成系大学・学部と一般大学 の相違が大きいこと 等を考えれば注目 , に 値 い す る,. しか し, 今回の改革で1-3学年に連続的教育実 習が導入されたことによ って それまでの社会 , 的教育実習が どうなったかについては, 現在の筆者には不明である 社会的教育実習が ゴムソモー , , ル組織の自主的活動として授業時間外に行なわ れ, そのため大学の授業との関連も学生の参加状況 も充分でなかったことが反省され, 今回の連続的教育実習の導入 (むしろ 以前からの連続的教育 , 実習の強化)に連動している のであるが, 今回の改革によ っ て, 大学のゴムソモー ル組織の教育隊 , 社会的職業学部, 若い講演者 の学校, 等の活動がどのような影響を受けるのか 注目することも必 , 要であろう. 恐らく, 低学年教育実習の制度化によっ て, それまでの社会的教育実習は表面的には 姿を消したものの, その 一部は社会・政治的実践活動として存 続していくものと思わ れる 生産実 , 習 (教育実習) の他に, ソ連の大学では社会・政治 的実践が全在学期 間を通じて重視されており , 教師養成においても, ゴムソモール組織や社会的職業学部, 若い講演者 の学校 等の活動は引き続 , いて重視されていくことと思われるが, 低学年教育実習の制度化が 自主的な社会的教育活動の後 , 退につながらないことを期待したいものである .. G主〕 ① 拙稿 「ソ連の教育大学における教育実習-1980年代前半を中心に-」. 「年報いわみざ ・わ-198 ( 6一一 北海道教育大学岩見沢分校198 7年3月). ② 《CoBeTcK細 11eAaror=Ka》 1985一3. tp ,63 ,. ③ nporpah I ManeAa romqecKo萱葺paKT ・ ・ K I Ic Tyae日TOB ,M,Mn cccp.1985 . ④ B,K,Po3OB:11eAarornリecK繊 npaKTnKa,M,npocBememe,1981 tp,129一135,. 256.

(18) . ソ連の教育大学と総合大学における教育実習制度の改革. ⑥ 《BI O圃eTe日b MI ー 日By3 a》1978一6 ,ctp ,2一8 ・ 《 B B m 》 1 9 7 9一2 員 ⑥ ecTH“K b I cme KMM ,ctP ,28 . ⑦ 《6, 。&なeTe日b MHHBy3 a》1986-8 .ctp ,2-12 ,. (本学教授 岩見沢分校). 257.

(19)

参照

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