文学的文章の「読み」の授業におけるコミュニケーション能力の育成 : 第3学年「三年とうげ」の授業実践の分析・考察をもとに
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(2) 皿 授業実践の分析・考察. を行う機会になりうる。今回の授業実践におい. 児童の多くは、本文の叙述に着目し、それ. ても、そのような可能性はなかったのか検討す. を根拠にして考えを述べることができていた。. る価値はあるだろう。. おじいさんの「三年とうげで二度と転びたく. ない」等の葛藤も、児童は深くr読む」ことが. 1v 総括と今後の課題. できていた。. 文学的文章の「読み」の授業において、児. また、おじいさんの気持ちを理解するための. 童は多くの対象とコミュニケーションをとり、. 手段として、挿絵が効果的に働いていた。挿絵. 授業実践を重ねていくことで、ワークシートに. は、おじいさんの嬉しそうな顔が描かれていて、. 表出される言葉や授業における発言に変容が見. 一回目に転んでしまった時の表情と違うことを. られた。これらの活動を有益なものとすること. 指摘し、そこからおじいさんの気持ちを考えて. で、児童のコミュニケーション能力を育成する. ワークシートに表出した児童もいた。. 可能性を見出すことができた。. 今回の活動は、自己の考えをワークシートに. 以上まで、文学的文章の「読み」の授業につ. 記入し、それをもとに発表を行うという学習活. いて考えてきたが、本研究は文学的文章に限定. 動を通して、対人的なコミュニケーションを行. しており、「読むこと」領域には、まだ多くの教. う上で、話し手が自己の思いや考えを明確にし. 材がある。国語科における他の領域からもコミ. てから聞き手に伝えることを、疑似的に体験す. ュニケーション能力の育成の方法、ないし可能. ることを目的としているものであった。. 性を見出す必要がある。. 児童たちは、行動を起こす前に一時でも考え. 本研究の成果を、他の教材や領域に応用して. る時間があることが、コミュニケーションを行. いき、新たなコミュニケーション能力の育成を. う上でも大切であることを少しでも感じたので. 目指す授業を展開していかなければならない。. はないだろうか。. また、本研究は、学習活動としてのコミュニ. 2つ目の活動として、本時で取り扱う場面を. ケーションとして、特に国語科の授業のことに. 児童とともに内容の理解を深める活動を行った。. ついて述べてきたが、児童が言葉の教育を受け. 本時におけるr逸脱」の読みは、児童の世界観. るのは授業時間が全てではない。. を再構築することができていた。. 言葉やコミュニケーションの指導は国語科に. 「逸脱」から児童の中に新しい世界観が展開. とって重要な指導内容・項目であり、それらが. されることが、文学的文章のr読み」の授業に. 意識的・意図的に行われなければならない。し. おいて必要なのである。. かし、国語科と相まって、他の教科や教科以外. 今回の授業実践では、明らかになった「逸脱」. の活動(道徳、外国語活動等)を含む学校生活. は一通りのみだったが、幾通りかの「逸脱」し. 全体を見通し、言語環境を整え、児童が十分に. た読みが表れる場面を設定することも、今回の. コミュニケーションを行うことのできる状態を. 授業実践とは異なった【他者とのかかわり】を. 造る必要がある;. 生み出す可能性がある。そうすることで、児童. 修学指導教員 吉川 芳則. がさらに新しいかたちの【他者とのかかわり】. 指導教員 吉川 芳則. 一131一.
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