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木材加工教育の実践に関する研究(第21報) : 障害児学級における授業実践について(2)

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(1)Title. 木材加工教育の実践に関する研究(第21報) : 障害児学級における授業実 践について(2). Author(s). 岡山, 努; 金田, 弘. Citation. 北海道教育大学紀要. 自然科学編, 51(2): 45-60. Issue Date. 2001-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/552. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (自然科学編) 第5 1巻 第2号 ISc i ) Vo l iけof Educat i l。fHokk ;鑓do Univer twご Journa ences on (Na a s ‐2 ‐ 51, No. 平成 13 年 2 月 Febma ry, 2001. 木材加工教育の実践に関する研究 (第21報) 2 ) 障害児学級における授業実践について (. 岡山. 努・ 金田. 弘. 北海道教育大学函館校技術教室. Studies on the Practice of Woodworking 璽ducat ion (21) ’ C1 icein Handicapped Pupi l meaching Pract s ass (2). Tsutom u oKAヱAD似A and Hi romu KANEDA. Tec血コo l ILaborat l ; ido Univer i ty。fEducat i og‐ ca o 。dateCampus a s on ly,Ha ,Ho軸; Hakoda 8567 te040 ‐. Summa~ l lt iona ininginthe educat ion of thas beenrecogni t working studyi tantf lct zedtha sve or hi 1 ra iy impor j b qgasworkaogs中dy, the賃rstsub hz l lecnonofapro 江ldi cappedpupi s jecti jectin 垣] sase e mm ‐ ln woodwork u夢- i thede eeofpupぱsd sabi モ リ 「 ロコeworklogsub l i p ヒ ロe werea 官≧血 al lend tedthi th pup丑sare ject sse ec st ldaca …虹 晒 伍 pocket s . ln m 滋 血gbo l invo jmg,n副脇g,assemblmg,s dnbr lg a1 vedin mal l orexamnpl e amdmg 1d so y processes ofproducdon,f ,bond ,pa on‐. ln aprev i i ing asmmlbox wasrepor anttool t ous paper l sむ sin mak edtobeve or yass iy e鐘ec錠vef ,useof mal ’ h紅ld icappedpupi l ing whi ti s chdoesntreqtureexacmess snecessarynotto .However ,in 位ecaseofをee m副k ,i l i l ing works th をeedom in m司k re sむanttoo s al ldto m欲にe Wi s mme y onass .Thi , 弾マo waysof making 弾マo works therwasto mal 【eaee lybyhそmd were aはempted:one wasto use assisじanttools l l lo scould m欲【 eproper ,a ‐Pupi 比 l fl 弾マ i 転げ 出 mak血ga 官am al lend useo thpocket el o waysin 危]e÷ wi出 故edegr eeof値e rdi sabi ldaca そ紅 Wi simd 位ey wereinterectedin mak血g 山el 弾▽oworks ‐ Thus l iderednecessaryincaseofhardoreasyprocess ingtoprov ide ec恒onofas山桜ble way wascons ,these ining- mo誼va恒on あrwoodwork 官a. 45.

(3) . 岡山. 1. 努・金田. 弘. は じめ に. ) 前 )~ 6 障害 児 教 育 と 木 材加 工 の 関 わり につ いて, こ れま で考 察 を続 け, いく つ かの 報 告 に取 り まと め た1 .. )では補助具を使って小箱 状差しを製作することを題材に取り上げ 補助具を使用する効果を確かめる 報6 , , ため, 実際に中学校に併設されている障害児学級で授業を実践し, 併わせて題材としての適否, 補助具の効 果, 生徒達の実習への取組み, 担当者達の評価等を検討, 考察して報告した. 生徒達の障害の実情を観察すると, 昨今では, 障害の重度化, 重複化が障害児学級においても認められる. 従って, 作業学習や体験学習の中心になっている木材加工の実習においても, その影響は大きくなりつつあ り, 同一の題材を使って同じような進捗状態で授業を展開することが難しくなっている. 実習を円滑に進め るためには, 題材や作業内容の選択, 作業の進め方等に, これまでよりも一層の工夫が求められるところで ある.. )で報告したように これまでは難しい題材と考えられてきた これらの点を解決する一手段として, 前報6 , 小箱の製作を取り上げ, 補助具の使用と部材の調整を導入することによって, 幸い全員が完成することがで きた‐. 障害の重い生徒にとっては, このような配慮が必要であるが, 障害の軽い生徒にとっては, 補助具にすべ て頼ることなく, 作業方法は自分で選択して実習に取り組むことが達成感の満養につながることも考慮しな ければならない‐ 作業学習や体験学習の効果を上げるためには, 生徒の実態にあわせ, 題材や作業内容にで きるだけ幅を持たせ, いろいろな体験を積み重ねられるような配慮が肝要である. そこで, 本報では前報の内容と比較するために, 補助具を使用せず, フリーハンドで製作する題材とフリ ーハンドと補助具使用を併用した題材を考案し, 授業を実践して, 題材としての導入が可能か否かについて 検 討 した‐. 2. 障害児学級における木材加工の実践に関して 市内中学校に併設された障害児学級を例にとって, 次の三点から考察する.. ( ) 木材加工の学習環境 1 養護学校の木材加工の学習環境は, 比較的整備されている. 作業実習室には, 丸鋸をはじめ糸鋸, ベルト サ ン ダー, ボール 盤等 の設備 がある. 生 徒 にと っ ても教 師 に と っ て も, 作 業 する の に良 好な環 境 である.. 一方, 中学校に併設されている障害児学級では, 生徒の人数は養護学校のそれに比べて少ない. その結果, 指導に当る教師の数や施設, 設備の規模は小さくなる. 最近では障害児学級の生徒達の障害が重度化し, 重複化してくる傾向にあり, そのような状況下で木材加 工の実習を有効に進めるには, 困難が多い. 実習を進める際に生ずる数々の制約は, 題材の開発を困難にすることが多い‐ 木材加工が作業学習, 体験 学習, 総合学習の一環として効果を上げるためには, 使う材料や加工法, そして製作題材が, 生徒それぞれ の障害の程度や状況を配慮したものでなければならない‐ 同じ題材であっても, 製作の内容や加工法に変化 があって, 生徒の障害の程度に応じて, 実習の中身に選択性のあるものが望ましい. 障害の比較的軽度な生 徒はフリーハンドで加工できる内容であっても, 重度な生徒にはさまざまな困難が伴う場合には, 加工内容 に応じて補助具が必要になったり,部材調整(例えば溝ほりや穴あげを前以て行ない加工を容易にすること) 46.

(4) . 木材加工教育の実践に関する研究 (第21報) 2 ) 障害児学級における授業実践について (. を行う こ と が不 可 欠 になる‐. これらの配慮があって, はじめて実習が円滑に進むことになるが, 授業者の負担は大きくなり, 補助要員 の確保が必要になる.. ( 2 ) 作業学習に木材加工を選択する理由 )で報告したように 養護学校 障害児学級で実施される作業学習 体験学習では, 木材加工の実施 前報6 , , , 率が非常に高い‐ この 理 由につ いて は, 材料 の 入手 が比 較 的容 易 であ る こ と, 加工 法 に バ ラ エテ ィ があ っ て そ れ ほ ど難 しく. はないこと, 木材が持っている温かさが情緒安定に寄与すること, 生徒の障害の実態に応じて作業工程, 作 業方法, 使用道具, 機械類, 材料等を選択できること等を挙げることができる. さらには補助具を使用した り, 部材の調整を計ることによって, より 「一人でできる」 状況を作りだせることが可能なこと, また他の 教 科 と 関連性 の ある こ と等 も 実 施率の 高 さ につ が っ て いる.. 障害児学級の担当者の一人は 「木材加工は母親のようなものだ」 といわれた‐ 木材加工は障害を持った生 徒の自立を支援し, 同時に基本的生活習慣やコミュニケーション能力の育成に大きな役割を果たしている‐ 言わば, 木材加工は子供を育てる母親のような存在であり, 障害を持った子供達には必要不可欠なものなの である. 作業の中で生徒は自分で考え, 行動することや, 自分の言動に責任を持つことが要求される. 継続 的 に 作 業 を して いく こ と に よ っ て, 生 徒 はこ れ ら の 能 力 を養 い, 「一 人 で でき る」 状 況 を生 み だ して いく‐ 同 時にコ ミニ ュ ケー シ ョ ン能 力の 向上 と情 緒の 安定 をも獲得 する こ と に なる‐. このように障害児教育の作業学習, 体験学習, 総合学習として木材加工を選択する意義は大きい.. ( ) 題材の開発 3 木材加工の実践に際して, 留意しなければならないのは, 生徒の実態に応じた題材の開発である‐ クラス が小規模な場合は, 工夫も比較的容易ではあるが, クラスが大規模になり障害が多様になれば, この点はな かなか難しい問題になる‐ そのため実習の内容を生産的作業 (一つの作品を生徒それぞれが作業工程を分担 する) と製作的作業 (一つの作品を一人で完成させる) に分けて実施することも考慮される‐ 障害児学級に お ける 実 践 で は, こ れも 一 つ の 方 法 である.. しかし, 「一人でできた」 という達成感や成就感を大事に考えれば, 生産的作業のメリッ トは認められる ものの,生産的作業では達成感や成就感の獲得は十分とはいい難い. 生徒の障害の程度には相違があっても, 何らかの工夫によって完成に漕ぎ着け, その仕上り工合に若干の違いは生じたとしても, 最終的には 「一人 でできた」 という満足感を覚える題材が求められるのではないかと思われる. すべての要求が満たされる題材は, 残念ながら見当たらない. 結局はさまざまな局面を想定して, 題材の 選択の幅を広くして対処することが肝要であろう‐ これらの点を考慮して開発された題材を次章で紹介する. 3. 新 しい題材の開 発 ( ) 新 しい観点からの題材開発について 1. 47.

(5) . 岡山. 努・金田. 弘. )では小箱の製作を題材に取り上げ 全員が完成できることを目標にして 補助具の使用と部材の調 前報6 , , 整によって効果的な実習を試みることができた. 両者を導入することの大きな効果が認められた‐ 障害児学級において木材加工を作業学習, 体験学習, 総合学習の一環として捉えるならば, 題材やそれを 完成 させる 手段 に はバラ エテ ィ の ある こと が必 要 である.. 箱ものの製作では, 補助具の使用や部材調整の導入が効果的であることが認められたが, 生徒の障害の実 態 を考 え れ ば, フリ ーハ ン ドで製作 に取り 組め る 題 材や, フリ ーハ ン ドで できる 部 分と補 助具 や 部材調 整 に. よって製作が可能になるような両者併用の題材が必要である‐ 前述したように 「一人でできた」 という達成感や成就感の獲得を大事に考えるならば, 何の手助けもなし に完成に漕ぎ着けられる題材も生徒それぞれの自信の獲得につながる‐ このように幅広く題材を考える意味で今回の題材開発の目的は次のように定めた. ① 生徒が作業の中で自己選択, 自己決定できる要素が含まれていること‐ 生徒の障害の程度によって, 作業工程や作業方法, 使用する道具や機械類などを自己選択させたり, 部材 の配置や形状などを自己決定させることによって, 自分の行動や発言に責任を持たせ,「一人でできた」,「本 当にできた」 という自信や達成感, 成就感を持たせることができる. また, 自分の能力に合った作業工程や 作業方法, 道具・工具などを選択することによって, 作業性が高められ, 介助を最小限に留めることができ る. しか し, すべて を自 由に して よ いという こと で はな いの で, 必 ず 決 まり 通り に作 業 を進め る ところ と各 自工 夫 して自 由にする ところ, つ まり 自己選択, 自 己決 定 できる ところ を明確に して おかな けれ ばならな い‐. ②. 補助具 を使用せず, 部材調整の必要もなく, フリーハン ドで しかも一人で完成 させることができる こと‐. 箱ものの製作では, 補助具の使用や部材調整の効果は非常に大きなことが認められたが, 実習の範囲を拡 げ, さまざまな体験を積み, 作業学習の実を上げるためには, これらの手助けから離れ, 自己選択や自己決 定の要素が大きな題材も必要である. この場合, 製作の正確度はそれほど要求されず, 外的支援を小さくし て, 生徒それぞれの工夫や創造力を期待することになる‐ 製作の正確度よりも, 自由に自己表現のできる題材も, 生徒の障害の程度, 実態によっては考えなくては な らな い‐. ③. 製作的作業を取り入れ, 一人で題材を完成することのできること‐. 将来, 社会に参加し, 就労することに対しては, 与えられた作業を忠実に熟す能力が求められる‐ 生徒の 障害に応じて作業内容が考慮され, 分担された作業に対して責任を持たせることのできる生産的作業の必要 性は十分に認められる. その一方で障害を持った生徒の自立をより支援するためには, 自己選択や自己決定のできる力を養うこと も同時に必要になり, 製作的作業では, 完成まで自分の力だけで作業し, 自分だけの作品を仕上げることが できる‐ 多くの部材を扱い, 多くの作業工程を一人で熟すことによって, 作業の見通しが持て, 多くの経験 を積むことが可能となる‐ この作業を通して, 生徒は大きな自信や喜びを獲得し, 同時に達成感や成就感を も 味わ い, こ れら が自立 への 支援 につ な が っ て いく‐. 48.

(6) . 木材加工教育の実践に関する研究 (第2 1報) 障害児学級における授業実践について ( 2 ). フリ ーハ ン ドで作 業 する 要素 と 補助 具 を使用 して 作業 する 要 素 が含 ま れて いる こと‐. ④. フリ ーハ ン ドで作 業 を進め る 場 合 に は, 製 作の 難 しさ はそ れ ほ ど高く はな い. 生 徒 たち に と っ てある 程度 の正 確 さ が要 求 さ れる と, フリ ーハ ン ドで は対応 が難 しく なる. こ の点 は生 徒そ れ ぞれの 障害 の 程度 に依る こ と であり, 一 律 に 論 じる こ と はでき ない‐ 従 っ て題 材 開 発 にあ た っ て は, フリ ーハ ン ドで作 業す る要 素 と 補助 具 に頼 る要 素の 両 方 が含ま れ て いる こ とも 必要 と なる‐ 障害の 程度 の 軽い 生 徒 が, フリ ーハ ン ドの み で作 品 を完成 させる こと があ っ て も よく 重 , い生 徒 は補助 具 に頼 り な が らも 完 成 に 漕 ぎ着 ける こ と にな っ て も, 「一 人 で でき た」, 「一 人 でや っ た」 と い. う状況を作り出すことが肝要なのである‐これによって作業に選択性を持たせることが可能になるとともに, より生 徒 の 障害の 実態 にあ わせ た題 材 にする こ と が でき る の である.. クラスの規模が比較的大きな場合には, 障害の程度はかなり広くなる‐ 同一の題材で実習を行うと, 障害 ・と感じてしまい, 作業に飽きてしまうことが見受けられる. の軽い生徒は作業工程や作業内容が簡単すぎる この よう な生 徒 に は, 補助 具 の 使 用 は不 必 要 で, 少 し位 難 しい作業 であ っ て も, フリ ーハ ン ドで作 業 させる 方 がよ い. 逆 に 障害 の 程 度 の重 い生 徒 に は, 正 確 さ を要 求 しな い作 業 で は, できる 限り フリ ーハ ン ドで作業. させ, 正確さが要求され難しい作業では, 補助具の助けを借りるといった両方の配慮が求められる. この 結 果, 作 業 の 進度 に大 き な差 がなく なり, 説 明や 指示 も 一 斉 にする こ と が でき ク ラス 全員 が 同 時 に , 同 じ作 業 をする こ と ができ る よう に なる.. ( ) 開発題材について 2. ( ) で述 べ た主 旨 に沿 っ て, 次 の二つ の 題 材 を開発 した 1. ①. 汽車 (機関車, 客車の二両). ) 使用 材料 : 9mmラワ ン合板, ス ギ材, ラ ミ ン棒 1 ) 完成 寸法 :機 関車 …縦180m 2 m, 横9omm, たか さ95m m, 客 車 … 縦180m m, 横9omm, 高さ85mm. ) 製作の留意点 3 ( ) i. 機関車, 客車を二両製作することによって, 同じ作業を繰り返し行うことができる‐ つまり反復 練習 が可 能 に なる.. ( ) u. 屋根の部分を支える柱や間仕切りは,生徒が自由に配置することができるように自由裁量とする ‐. ) 部材 4 ( ) i. 機関車 (写真1 ). ・ 台座 : 9mmラ ワ ン合 板 を集成 したもの ・煙 突 :30mmラ ミ ン棒 ・ 煙 突 台 :1ommラ ミ ン 棒. ・屋 根 : 9mm合 板 ・運 転席 台 :ス ギ材 ・車 輪 :40m mラ ミ ン棒 (4個) ・車 軸 : 5mmラ ミ ン棒 (2本). 煙突を煙突台に安定させて接着できるように, 煙突の下部と煙突台の上部をベルトサンダーで削った ‐ ( a ) 客車 (写真2 ) 49.

(7) . 岡山. 努・金田. 弘. ・台 座 : 9mm合板 を集成 した も の ・間仕切 り:ス ギ 材 (4個) ・屋 根: 9mm合板 ・運 転席 台 :ス ギ材 ・車輪 :40mmラ ミ ン棒 ( 4個) 2本) ・車軸 : 5mmラ ミ ン棒 (. 機関車と客車に使用する台座には, 車軸を通すための穴を卓上ボール盤を使って6 m mの ドリルで二個所開 けた. 穴を開ける際に, 材に対して垂直に穴が開くように治具を開発した‐ 同様に, 車輪にも車軸を通すた めに 卓 上 ボー ル 盤 を使 っ て 5m mの ドリ ル で穴 を開 け た. 垂 直 にかつ 中心 に穴 が開く よう にこ こ でも治 具 を 開. 発した. 部材寸法は図1に示すとおりである‐ ) 製作工程 5 (機関車) ( ) 台座に煙突台と運転席台を接着する‐ i. ( ) 煙突を煙突台に接着する (写真3) u ‐ (m) 車輪と車軸を接合する‐ ( ) 車輪と車軸を接合する. i v ) 台座に車輪を取り付け, 機関車を完成させる. ( v (写真 4).. (客車) ( ) 台座に客車の間仕切りを接合する‐ i. ( ) 間仕切りに屋根を接着する. a (m) 機関車の場合と同様に, 車輪を車軸に接合する‐ ( ) 台座に車輪を取り付け, 客車を完成させる‐ i v ) ( ) 機関車の後部と客車の前部にフック式の金具を取り付け, 両者を連結する (写真5 ▽ ‐ ② 小物入れ付きカレンダー ) 使用 材料 :ラ ワ ン合板 (厚 さ … 5mm, 9mm, 12mm), ラ ミ ン棒 1 2 ) 完成 寸 法 :縦450mm, 横350mm, 小 物 入 れ (縦120mm, 横145mm, 厚 さ45mm) ) 製作のメ リ ッ ト 3 ( ) 万 年カ レン ダー なの で長 い間使う こ と ができ, 実生 活の 中 で活 用す るこ と が でき る. i. ( a ) 毎月, 曜日をあわせて日付けを変更させることによって, 時間に対する認識を深めることができる‐ ( )繰り返し同じ作業をする要素が数多く含まれている‐ i u ) 部材 4 ・合 板: 9mmラワ ン合板 ・月, 日付用 板材 :5mmラ ワ ン合板 ・ 曜 日用 材料 :15m m径ラ ミ ン棒 (厚 さ 8mm) ・ 丸棒 :6mm径ラ ミ ン棒 ・ ポケ ッ ト用側 板 :12mmラ ワ ン合板 ・ ポケ ッ ト用表板 : 5m mラ ワ ン合板 50.

(8) . . . 木材加工教育の実践に関する研究 (第2 1報) 2 ) 障害児学級における授業実践について ( 各部 材の寸法 (単 位 は回闇) 0運 転席・台. 邸ゴ. ○ 台座 180. 18. ・. r. 二. 60. 60. 30. 45. ー. 0煙突台. 0煙 突 loo. ○運転席‐柱 38. 20. 15. . . 0機関車.屋根 80. 9. 0客車‐間仕切り. . 45. 15. . 50. 0客車・屋根 170 、. :. 9. 0 車輪. ○ 車輪. -. 54. 図1. 写真1. 機 関車の 部材. 写真 2. 部材の寸法 (汽車). 客車 の部 材. 写真 3. 製作 過 程. (煙突を煙突台に接着する). 写真 4. 製 作過 程. (台座に車輪を取り付ける). 写真 5. 汽 車 の 完成 品. 写真 6. 日 付 をつ ける 薄 板 に 穴 を. あげるための治具 51.

(9) . 岡山. 努・金田. 弘. 部材寸法は図2に示すとおりである. 合板には月, 日付用板材を丸棒に差し込むために, 電動ドリルで6m m径の穴を等間隔に開けた. この作業 ) を卓上ボール盤で開 を円滑にするための治具を製作した‐ 日付用の薄板には, 丸棒を通すための穴 (7m m けた. 月を示すための薄板は, 予め穴あげをした材を糸鋸を使って5c m幅で生徒に切断させた‐ 写真6,7, 8は, 部材 製作の ため の治 具 である.. ) 製作のための治具 (補助具) の開発 5 生徒達が作業を進めていく中で, フリーハンドで作業することが困難になる工程が出てくる‐ 正確さが要 求される工程においては, 障害の程度が重度の生徒には, 治具を使用させて作業性を向上させ,「一人でで きる」 状況を作り出す必要がある‐ また同じ部材を大量に作る工程においても, 障害の程度に拘らず, 治具 を活用させ, より正確にかつ円滑に作業ができるような状況を作り出すことが必要である‐ 以上の点を考慮して, 次のような治具を開発した.. ① 丸棒切断用治具 (写真9) 27m これは丸棒を一定の長さ ( m) に鋸を使用して切断するための治具である‐ 3本の丸棒を一度に切断で き, 作業の能率が向上する‐ ) ② ポケッ トの枠作製用治具 (写真1 0 こ れ は3つ の側 板 をそ れ ぞれ直角 に接 合 させる ための 治 具 である‐ フリ ーハ ン ドでの 作業 で は, 部 材 同士. の接合が不安定になり, 直角度を出すことが難しい. 側板を治具にしっかり差し込むことによって, 部材同 士が互いを支持しあい, また治具によって部材が固定されている状態なので, 接着剤が硬化しない段階でも 次の工程に進み, 表板を接着することができる‐ 6) 製作工程 ) で研磨 す る‐ 日付用の 薄板 をサ ン ドペ ー パ ー (#240. ①. 2 ) を線に沿って切り取る‐ ) と月 ( 1~1 ② 色紙に印刷された日付 (1~31 ③ 切り取った日付を日付用薄板に貼り付ける. ④ 月を示すための板材を50m m間隔に糸鋸で切断する. ⑤ 切り取った紙 (月を示す) を薄板に貼り付ける ⑥ 治具①を用いて丸棒を切断をする‐ ⑦ 切断した丸棒を合板の穴に埋め込む. ⑧ 治具②を用いて, ポケットを作るための側板同士を接着する. ⑨ 治具②に固定された側板に表板を接着, 釘打ちする‐ ⑲ 合板とポケッ トを水性塗料 (アイボリー, 赤, 緑) で塗装する‐ ⑪ 塗装後, 合板に日, 月を示す薄板を取り付ける. ⑫. 曜日を貼り付けた丸棒を合板に接着する. ) 1 ⑩ ポケッ トを合板に接着する (写真1 . 2に示す. 完成品を写真1 ③ 題材開発についての考察 汽車, 小物入れ付きカレンダーともに, 製作的作業の形態を取り入れた‐ 汽車では, 治具 (補助品) を使 用 せ ず にフリ ーハ ン ドで, しかも 一 人 で作 品 を完成 させ る こと が狙 いである. この 題材 で は, 正確 さ はそ れ. ほど要求せず, 治具 (補助具) や介助のような外的支援を極力少なくし, 自分の力だけで作品を完成させる 52.

(10) . . . 木材加工教育の実践に関する研究 (第21報) 障害児学級における授業実践について ( 2 ) 各部 材の寸法 (単 位 はmm) 0台座 9. r. 9. 350. ○ ポケ ッ ト側板. 0 丸棒 27. 12. 40. 12G 450. 0 日付・薄片 40. 5. . 5. ず. 5. r. 40. 5. . o. ○月 ~板材. 145. 5. 0ポケ ッ ト裏板. T 即 1「. 0 9. ○曜日・薄片. 図2. 部 材の 寸 法 (カ レン ダー). 写真7 月 (1~12 ) を示す板材に穴を 写真8 台座に穴をあげる ための治具 あげるための治具. 写真9. 丸樟切断用の治具. .. 二 言;姿 勢 -麗 筆 I E三 談 二 -. 写真10 ポケ ッ ト枠作 製用 の 治具. 写 真11 カ レ ン ダ ー に つ け る ポ ケ ッ 写真12 カ レ ン ダ ー の. トの接着. 完成品 53.

(11) . 岡山. 努・金田. 弘. ことと障害の程度に拘らず, 生徒全員が完成に漕ぎ着けることを目標とした. 作業のおおまかな流れは, 決まり通りに進めなければならないが, 部材の配置の仕方は基本的に自由にし て自己決定させる. 例えば, 台座に対して煙突台や運転席台が多少曲がってしまっても構わない. 運転席の 柱や屋根の配置の仕方も生徒に考えさせ, 工夫させる. 客車の間仕切りの配置の仕方も自由にさせる. 間仕 切りの部材は4枚あるので, さまざまな配置を考えさせることができる‐ 車輪と車軸を接合する場合も, 金槌を使っても, 車軸の先を削っても, 或いはそのまま机に車軸をたたきつ けて入れても, 接合は可能である. また, 機関車と客車を二両製作することを通じて, 体験が積み重なり, 作業の訓練が効果的になる. 自分 だけの作品を完成させた喜びは, 生徒達に達成感や満足感をもたらすはずである. 小 物 入れ付きカ レン ダー で は, フリ ーハ ン ドだけの作 業 で は実現 する こと が難 しい作 業 工 程や, 多く の 種. 類の作業工程を取り入れた. 鋸や糸鋸を使った切断, けがき, 組立て, 釘打ち, 塗装などのように木材加工 の一連の基本的な作業工程を含んだ題材にした‐ また, 作業工程や扱う部材の数が多いので, 作業を進めていく中で, さまざまな経験を積むことができる. 日や月を印刷した色紙を線に沿って切り取る作業も, 長い材料から一定の大きさの部材を切断する作業も, 基本的な訓練になる‐ 丸棒の切断やポケッ ト枠の製作では, 正確さが要求されるので治具 (補助具) の手助 けが必要になり, 治具 (補助具) を使うことによって作業が正確に迅速に進むことになる. 合板やポケッ ト に塗装することによって, 作品がきれいに美しくなることを知る‐ 合板に多数の丸棒を差し込み, そこに小 さな薄板を次々とはめこんでいく作業も手先の訓練としては妥当なものである‐ 作業工程が多いことは, 生徒遂にいろいろな体験を積ませ, フリーハンドによる自由製作の部分と治具 (補助具) を使っての正確度が要求される部分を含むこの題材は, 実習に飽きることなく, 常に新鮮さをも 持 っ て 取り 組める に違 い ない‐. 以上, 今回新たに開発された二つの題材は, 障害を持った生徒の自立を支援し, 「一人でできる」 状況を 作り出す目的に適ったものであると考えている.. 4. 開発題材を導入した授業実践 昨年に引く続いて函館市立凌雲中学校の障害児学級において, 新しく開発した題材を使って, 授業実践を 行う機会を得た‐ 題 材1 は, フリ ーハ ン ドでの 製 作 を目 標 に した汽 車 (機 関車 お よ び客 車), 題材 2 はフリ ーハ ン ドでの作. 業と治具 (補助具) を使っての正確な作業の両方を取り入れた小物入れ付きカレンダーである. 実践の場である障害児学級は, 中等部1~3年生21名 (男子17名, 女子4名) が在籍しており, 担当の教 師数は5名である. 授業は岡山 (現, 函館校大学院生) が担当した‐ 実習の主な設備は, 糸鋸6台, 卓上ボ ー ル 盤 2台, ベル トサン ダー1 台, 電 動 式 鋸一台 である‐. 生徒の障害は情緒障害, 知的障害のほかに, 自閉症, 言語障害, てんかん, ダウン症にまで及び, 障害が 重 複 して いる 生徒 もいる.. ( ) 題材1 (汽車) を用いた授業実践 1. ○日程:平成11年9月 6 日, 7日, 9 日 ○授業時数:45分 (1時限) ×5 54.

(12) . 木材加工教育の実践に関する研究 (第21報) 2 ) 障害児学級における授業実践について (. 教 師・ア シ ス タ ン ト. 生徒. 完 成品 の提示. 意欲・ 持続力. 適切な作業内容 「終わり」の明確化. ○生徒数:21名 (男子17名, 女子4名) ○補助員:1 1名 (担当の教師5名, 大学の 木材加工専攻生6名) ○授業の流れ:表1に示す通りである‐ ○作業工程:前述の通りである‐ ○考察 授業 実 践 に よ っ て 次 の 点 が明 ら かにな っ た.. 1最 低限のきまり I. 4 1つの工程 を終えろ. ① 障害の程度が異なる2 1名の生そ走全員が, 予 定された実習時間内に治具 (補助具) を用い. 自信がつく で き な い 場 合 はア シス タ ン ト. ず, フリーハ ン ドで作品を完成させた‐ 生徒. 生徒の実態に応 じて支援. 全員が 「一人でできた」 ,「本当にできた」 と. 作業方法の選 択・自白 に配置. 作業の繰り返 し 自立を促す. いう実感を持つことができ た.. ② 動く題材に対する興味, 関心が高いこと が認められた. 従来の題材には, 本題材の 汽車のような動くという要素がほとんど見 ら れな い‐ 作 品 が動く と いう こ と で, そ の. でき る ・ でき た. 速成悪・成 就感. 表1 授業の流れ. 利用に発展性が生じる. また, 動くものを 作ることができたということで自信を持 ち, そ れ が興 味, 関心 につ なが っ て いく‐. ③ 完成度に若干の差異が認められたが, 作品の出来具合については, 大部分の生徒がほぼ指示通りに完 成させることができた‐ 部材の配置の仕方は, 基本的には自由にしたが, 部材を配置する場所について は大まかな指示を与えた. 最低限の決まり, 指示に沿って作業を進めさせたが, 作業の状況や完成した 作品 か らこの 点 が守 ら れたこ と が認め ら れた‐. ④ 正確さを要求せず, 部材の配置に自由度を持たせた結果, 数人の生徒の作品に工夫したところが認め られた‐ それらの個所は, 運転席の柱の位置や客車の間仕切りの配置等である. これらの個所の製作に は 自 由度 を持 たせ た が, ほ ぼ1/3の 生 徒 に工 夫 が見 ら れ た こ と は フ リ ーハ ン ドでか な り 自 由度 を持 た ,. せた題材に生徒の関心がむけられ,自分で考え,自分で作業内容を決定した結果であると理解している‐ ⑤ 生徒達が最も苦労したのは, 機関車と客車を金具で連結するところであった‐ 障害の程度が比較的軽 度の生徒は一人で取り付けることができたが, 比較的重度の生徒は補助員の支援なしでは, 取り付ける こ と ができ な か っ た. 比 較 的細 か い作 業 であ っ た の で 重度 の 生 徒 に と っ て は非常 に 困難 な作業 と な っ , た‐. ⑥ 実習を円滑に進め, 生徒の実態に応じた指導をするためには, 授業者に対して複数の補助員が必要で ある. 昨今のように障害の範囲が拡大し, 重度化が進むようになると, 補助員の役割は大きくなる‐ ⑦ 部材の準備, 用意はどこまで, どの程度まで授業者が行なうべきか, 製作の難易度と関連づけて考慮 する 必要 がある.. 今回の実習では, 部材は全て授業者側が準備した‐ 部材寸法は, すべて授業者が機械加工して調達した‐ フリ ーハ ン ドで行う 実習 で は, 当 初 かな りの生 徒 が苦 労する こと と 予想 した が 実 際 に作 業 を進めて みる と , ,. 障害の軽い生徒にとっては, それほどの困難は認められなかった‐ 彼等にとっては, 作業全体がやや簡単す ぎるようにも感 じられた‐ フリ ーハ ン ドの 作 業 は初 めての 体験 で はあ っ た が, 振 り 返 っ て みる と, 障害 の 軽い生 徒 に は, 部 材の 準備 55.

(13) . 岡山. 努・金田. 弘. か ら始めて もよ か っ た の で はな いか と思 わ れる‐ こ の場 合 に は, 手 加 工 による ため 寸 法や 形状 の 正 確 さ に問. 題が生じるかもしれない. この点は授業者, 補助員の十分な配慮が必要となる. もしも, それほどの問題が 生じなければ, 障害の軽い生徒達の作業に対する満足感, 充実感は, 達成感とともにさらに大きくなるもの と考 えて いる‐. ⑧ 授業者は補助員と綿密な打ち合わせを行なって, 補助員の役割を明確にしておくことが肝要である. 補助員全員が今回初めて授業に参加したために, 補助員の役割に若干戸惑う場面が時折見られた. 補助員 によって生徒への対応や指導の仕方が異なった点も認められた‐ どこまでが補助員としての役割なのか, ど こまで支援すればよいのか等, 授業者と十分打合わせを行ない, 自立を促すような支援をすることが大切で ある.. その意味で本授業実践は授業者にも, また補助員にも得るものの非常に大きな体験であった‐ ⑨ 生徒の作品の出来栄えについて評価した結果は, 次の通りである‐ 作品の完成度の評価を作業工程に則して, 各部材の配置の仕方, 接着, 接合の状態をA (3点), B (2 点), C (1点) で評価し, 評価点の合計を求め, 上位の生徒と下位の生徒にどの程度の差異が認められる か を調 べ た. 評価項 目につ い て は, 表 2 に示 す通り である. そ の 結果, 33点満点 で上 位 は30点 で4名 となり, 下 位 は25点1名, 24点 1 名 とな っ た. その 差 は6点 と予. 想したほどの差異は認められず,平均評価点は28点であった. 上位と下位の生徒の障害はいずれも知的障害 であるが, 生徒によってその程度が異なり, 下位の生徒には他の障害との重複も見られるため, 一概に同じ 障害 である と はいい 難 い‐. このような状況の中で生徒全員がフリーハンドで完成に漕 ぎ着け, それぞれの作品の完成度にそれほど大 き な差 異 を生 じな か っ た こ と は, この 題材 への 一 定の 評 価 につ な がる と考 えて いる.. 授業終了後, この評価について担当者達と検討した際に, 作品の完成度の評価が, 日常の観察による評価 とよく一致しているとの指摘があった‐ 生徒の日常性が, 作品の完成度にほぼ一致するという結果を生み出 したこ と は興味 深 い. 作 業風 景 と生 徒 の作 品 を写真13, 14, 15に示 す.. ( 2 ) 題材2 (小物入れ付きカレンダー) を用いた授業実践. ○日程:平成11年1 2月 6 日~10日 ○授業時数:4 5分 (1時限) ×9 0生徒数:1 7名 (男子のみ) ○補助員:6~1 0名 (担当者3名, その他は大学の木材専攻生) ○作業工程:前述の通りである‐ ○考察 授 業 実践 に よ っ て, 次 の 点 が明ら かと な っ た‐. ① 前回の 「汽車」 の製作に引続き, 障害の異なる生徒全員が, 予定された実習時間内に作品を完成させ る こと ができ た-. 前回の題材に比べれば, 今回の題材は作業工程や扱う部材の数が多く, 作業内容の難しさも予想されたの で, 若干完成度の高さを懸念したが, 生徒たちは比較的難しい作業には治具 (補助具) を使い, それほどの 困難さを伴わずに全員が完成に漕ぎ着けた. 生徒達は自分の力に合った作業方法を選択し, 必要に応じて支 援を受けることによって,「一人でできる」 状況を作り出した‐ ② 正確さが要求されるポケッ ト枠の製作や丸棒の切断には, 治具 (補助具) を使う効果の大きいことが 56.

(14) . 木材加工教育の実践に関する研究 (第21報) 障害児学級における授業実践について ( 2 ). 改 め て認 め ら れた‐. 多数の丸棒を切断するためには, 切断用治具 (補助具) の使用で能率が非常に上がった。 同様にポケッ ト 枠の製作では, 治具 (補助具) の使用によって枠の直角度が正確にでき, 次の作業が容易になった‐ ③. 実習の初めに完成例を提示したり, 作業工程の中に繰り返し行なう作業を含めることによって, 題材 や作業に対する見通しを持たせることができた. 題材や作業に対して見通しを持つことは, 作業の目的が明 確になり, 題材や作業に対する興味, 関心が高くなる. 次に何をすればよいかが理解されれば,自ずと作業 に対 して 積極 的に なる. 繰り返 し同 じ作 業 に取り 組 むこ と は ど れだ けや れ ば どの よう にや れ ば この 作 , , ,. 業工程が終了するのか見通しを立てることができる‐ 初めは作業の指示や支援が必要であっても, 作業を繰 り返すことによって, 徐々にその指示や支援に頼らず, 一人で主体的に作業に取り組むようになった生徒も 少 なく な か っ た.. ④ 作業工程が多く, 選択性のある題材に対する興味, 関心が高いことが認められた. 前回の題材に比べて, 本題材はできるだけ多くの作業工程を設定し, 繰り返しの作業も取り入れた‐ 鋸や 糸鋸を使った切断, けがき, 接着, 接合, 研磨, 塗装等, 木材加工の基本的な作業を取り入れ, それぞれの 作業の中で選択肢を設けた‐ 例を挙げれば, ポケッ トの枠と表板の接合には, 釘打ち, 接着, 釘打ちと接着 の併用と, 生徒が加工法を選択できるよう 配慮した. 自己決定の場面を設定することも, 生徒の自主性を養うためには必要である‐ ⑤ 前回の 「汽車」 の授業実践での反省が活かされ, 本授業実践では, 生徒全員が同じ作業工程を一斉に 進めていくのではなく, 生徒の実態や作業の進度に応じて, 作業方法や道具を変えたり, 支援の仕方を変え て生徒に対応するように心掛けた. そのために, 指導にあたる補助員と綿密な打合わせを行ない, 生徒の実 態に応じて臨機応変に対応できるよう 配慮した‐ この 点 は作 業 の 進度 が異 な っ て いて も, 適 切 な 指 示や 支 援 をす る こ と によ っ て 生 徒 は自分 の ペー ス で作 , 業 でき, ま た授 業 が円 滑に進 むこと につ な がる‐. ⑥ 生徒の作品の出来栄えについて評価した結果は次の通りである. 前回と同様, 作品の完成度の評価に関して, 作業工程に則し, 色紙の切り取り方 貼り方 薄板の合板へ , , の接合, 丸棒の接合, ポケッ トの製作, 塗装状態等をA (3点), B (2点) C (1点) で評価し 合計点 , , を求 め た‐ 評価 項 目につ いて は表 3 に示 す通り である‐ 得 点 は30点 満 点 で 上 位 は30点 1名, 29点 2名 に な り 下 位 は24点1名 25点 4名 に な っ た そ の 差 はわ ず , , ‐. か6点であり, 前回同様出来栄えに顕著な差異は認められなかった 平均点は約27点と高得点となった 前 ‐ . 回の汽車の評価と今回のカレン ダーの評価を比較すると次のようになる (表4) . 評価点を見ると, 障害の程度が完成度に影響しているものの, 今回の作品の完成度も非常に高かったこと が認められる‐ 障害の程度が異なっていても, 補助員の支援や指示 治具 (補助具) の使用等によってかな , りな完成度を持たせることが可能である‐ 作業風景を写真1 6に示す‐. 5. 題材開発と授業実践に関する評価 障害児学級で扱う題材は,障害を持っている生徒の自立を支援する要素を含んだものでなければならない ‐ 自立に向けて 「一人でできた」, 「本当にできた」 という実感を持てるような題材が求められる ‐ 今回開発した題材1 (汽車) では, ①治具 (補助具) を使用せず フリーハンドで作品を完成させる ② , ‐ 作業の仕方は自分で選択し, 自分で決める. ③作業に正確さは求めない 題材2 (カレンダー) では ①フ , , リーハンドの作業と治具 (補助具) を使った作業を融合させる. ②自分で選択し, 自分で決定する場面を多 57.

(15) . 岡山. 努・金田. 弘. カレンダーの製作に関する評価 汽車の製作に関する群価. 1. 名前1 〈 評価項 目〉. < 評価>. ( 1)煙突台の配置の仕方. A. ( 2 )煙突の配置の仕方. A. B B. 1. 1 綿点 評 価. 評 価 項 目. C ①日付・月・曜日(色紙)の切り取り方. A. B. C. ⑦日付・月・曜日(色鋤 の贈り方. A. B. C. ③月の薄片の状態. A. B. C. ④丸棒の状態. A. B. C. ⑤丸樺の接合. A. B. C. ⑥ポケッ トの状態. A. B. C. ⑦表板の接合. A. B. C. ⑨台座の塗装の状態. A. B. C. C. ( }恋岡寓・台の配置の仕方 3. A. B. C. ( 4 )運転席・柱の配置の仕方. A. B. C. 〔 5 )運転席・柱の配候の工夫. A. B. C. 6 )餌正座・屋根の配置の仕方 (. A. B. C. ( 7 )客車・柱の配置の仕方. A. B. C. ( B )客車・柱の配置の工夫. A. B. C. ( )客黛・屋根の配置の仕方 9. A. B. C. Qの率総じ牽強の接合. A. B. C. ⑤ポケットの塗装の状躯. A. B. C. )金翼の取り付け方 Q1. A. B. C. ⑩ポケッ トの配置. A. B. C. 表2 評価項目 (汽車). 表3. 名前. 汽車. カレンダー. 名前. 汽車. カ レンダー. T・N 者. 30. 30. M・Y君. 26. 26. ル 【・S 君. 29. 29. M [・H 君. 29. 26. T・S 君. 28. 29. ÷ S・S… コ. 30. 25. 丑 ;,Y 々. 29. 28. M・K者. 28. 25. A・N 君. 27. 28. ÷ N,。 q. 27. 25. 君 T・1.. 24. 27. Y・K 君. 27. 25. 26. N・K 君. 25. 24. R・ル“者. 29. 30点満点) の製作に 表4 汽車 ( 33点満点) とカレンダー ( 関する評価の比較. ) 写真14 生徒の作品 ( 1. (機関車と客車). 58. ) 2 写真15 生徒の作品 (. (機関車と客車). 評価 項 目 (カ レ ン ダー). 写真1 3 作業風景 (汽車の製作). 写真1 6 作業風景 (カ レ ン ダーの製作).

(16) . 木材加工教育の実践に関する研究 (第21報) ) 障害児学級における授業実践について ( 2. くする. ③繰り返しの作業を設定する, ことを製作の主眼とした. 実際に授業を展開してみると, 予想以上の作品の出来栄えで, 設定した授業時間内に全員が完成させるこ とができた‐ 障害の程度が作品の完成度に影響を及ぼしたことは否定できないが, 完成度に思ったほどの差 異はなく,生徒全員の熱心な作業への取組みを見て,これらの題材は十分に受け入れられたように思われた. 部材の準備, 授業の進め方, 補助員の役割等, 前回同様に, 今回の授業においても貴重な体験を積むこと ができた. 生徒達がいずれの題材にも興味を持って取り組み, 完成に喜びを抱いてくれたことは, 大きな収 穫であった‐ また, 担当教師の側からも題材や授業実践に関して, 概ね好意的な評価を得た‐ 障害児学級における木材加工の実習に関して, ささやかながらも手掛かりの一端を掴んだような思いがし て い る‐. 6. おわりに 障害児学級における木材加工の実習に関して, 題材開発と授業実践の両側面より考察した‐ 生徒一人一人 が, 「一人でできた」, 「本当にできた」 という達成感, 成就感さらには満足感を抱き, 自信を獲得すること を 開発 の 目的 と して 二つ の 題 材 を開発 した‐ 一つ は, フリ ーハ ン ドでか なり 自 由裁量 の 余地 を残 した題 材 と. して 「汽車」 の製作を取り上げた‐ もう一つは作業工程を多く して, 繰り返し作業も多く取り入れた 「小物 入 れ付き カ レン ダー」 の 製作 で ある. この 題 材 で は, フリ ーハ ン ドと治 具 (補助 具) 使 用の 融合 を試 み た‐. これらの題材が生徒達にどのように受入れられるか, さらには題材としての妥当性を検討するために, 実 際に障害児学級で授業を試みて, 種々検討した‐ 幸い, 両題材とも生徒達の関心や興味は高く, 授業者, 補助員の連携もあって, 障害の程度に差異のある 生徒全員が, 完成度に大きな相違を見ることもなく, 題材を見事に製作することができた‐ カレンダーの製作には, かなりの時間を要し, 生徒達の苦労も大きかったが, 補助員たちの適切な支援に より自分の手で作業を終え, 作品を手にして “できた” と叫んだ生徒の笑顔が印象的であった‐ 障害児学級における木材加工の役割, 作業学習, 体験学習, 総合学習としての位置付け, 題材開発の問題 点等を授業実践を通して考え, 生徒達と交わり, 一緒に学びえたことは, 貴重な体験であった‐ 担当者側の 協力もあって, さまざまな知見を得ることができた. 今後, 障害児教育と木材加工の関わりについて, 今回 の授業実践で得られた体験を生かして, さらに研究を進めたいと考えている‐ 最後に, 前回に引続き授業実践の機会を与えられ, 種々御教示下さった函館市立凌雲学校の斉藤正宏校長 (現, 湯川中学校校長), 佐藤光豊教頭, 障害児学級の小林康秀教諭, 佐藤清司教諭, 植竹敦子教諭 (現, 柏 野小学校教諭), 清水正彦教諭, 片桐美香教諭に感謝の意を表わしたい.. 引用及び参考文献 1 ) 金田 弘, 田村 健:木材加工教育の実践に関する研究 (第3報), 障害児教育における木材加工の現状, 北海道教育大学 紀要 (第n部B), 第42巻第1号, pp 41~49, 1990 .. ) 日本木材学会編:もくざいと教育, 5, 障害児教育と木材 (分担:金田 弘), pp 2 49~58, 海青社, 1991 . ) 金田 弘, 浮田義治:障害児教育における木材加工の実践について, 日本産業技術教育学会北海道支部研究論文集 N 3 2, 1 , Q 96~100, 1999 pp .. )? 4 峯田義治, 金田 弘:障害児教育における木材加工の実践について (続), 日本産業技術教育学会北海道支部研究論文集 , NQ13, pp 000 ‐1 ~ 5, 2. ) 岡山 努, 金田 弘:障害児教育における木材加工の題材開発と実践について ( 5 ), 日本産業技術教育学会北海道支部研 1 究論文集, NQ13, pp .6~10,2000 59.

(17) . 岡山. 努・金田. 弘. ), 北海道教 ) 金田 弘, 浮田義治:木材加工教育の実践に関する研究 (第2 6 0報), 障害児教育における授業実践について ( 1 育大学紀要 (自然科学編), 第51巻第1号, pp 49~62, 2000 .. ) 羽生和夫:中度精神薄弱児の木工作業能力の向上を目指した指導の-考察, 実態把握表の適用を通して、 特殊教育長期研 7 修員研究報告書, 宮城 県特殊教育セ ンター, 1993. ) 和田俊人:障害の重い生徒の作業学習 (木工) における製品の工夫について、 障害児教育実践センター年報第3号 (岐阜 8 大学教育学部付属障害児教育実践センター),1 9 9 6 ) 松倉 有:精神薄弱教育における木工による作業学習の授業分析に関する研究, 上越教育大学大学院学校教育研究科障害 9 児教育専攻修士論文抄録,1 9 9 3. 60. 岡山. 努 :本 学大学 院生 (技術 教育専 修), 函館校. 金田. 弘 : 本 学 教 授, 函 館 校.

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参照

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