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北里大学 理学部 分子生物学講座

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Academic year: 2021

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比較内分泌学 - 136 - 研究室について  今回、紹介する北里大学理学部分子生物学講座は、神 奈川県相模原キャンパスにあります。本研究室は、高松 信彦教授、伊藤道彦准教授(共著者)、塚本大輔助教、と 私(田村)の教員

4

名が所属しており、学生は学部・大 学院生合わせて

15

名が在籍しています。毎年、

6

名前後 の学部

4

年生が、当研究室で卒業研究を行っています。 主にその学部生の中で

3

4

名程度が、大学院修士課程 へと進学しています。さらに近年では、喜ばしいことに 博士課程の進学希望者も続いています。当研究室は、高 松教授と塚本助教が「シマリスの冬眠機構」の分子生物 学的研究を進める通称シマリスグループと、伊藤准教授 と私で両生類を中心とした性決定や変態機構の発生・進 化・内分泌学的研究を行う通称カエルグループの

2

つの グループで研究を進めています。各グループで細かい議 論を行いながら、研究室全体でも研究の進捗状況を報告 会で発表、議論を行っています。また、論文の紹介セミナー も毎週行っています。残念ながら、本年度は、新型コロ ナウイルス感染症の影響で集合できないので、

Zoom

を 使ってのグループミーティングを毎週行っています。昨 年度から、ビジネスチャットツールの

Slack

を導入し、 研究室メンバー全員での情報共有を促進してきました。 奇しくも、このような状況になりましたが、オンライン での情報共有環境は、現在になって一層のメリットを感 じています。他にも、セキュリティ面を考慮しつつ、外 部アクセス環境を構築し、在宅での研究体制を整備して います。そして、現在、非常に恩恵を受けているのが、 数年前に学生と作製したツメガエルの飼育管理装置です (写真)。

DIY

によって低予算で構築でき、今も安定的に 飼育環境を維持することができています。このようにオ ンライン環境や自動化、そして対面をうまく織り交ぜな がら、新しい研究室のスタイルを模索中です。 研究内容について  我々のグループは、脊椎動物の雌雄を決定する性決定 機構や劇的な形態変化を伴う変態機構について、両生類 を中心に研究を行っています。両生類は、脊椎動物の進 化の過程で、初めて陸上進出を果たした生物であり、そ のため、変態過程においてダイナミックな形態変化と生 理学的な変化を起こします。現在は、両生類のデータベー スも充実し、実験動物としてよく利用されるツメガエル

2

種に加えて、他の無尾目、アホロートルなどの有尾目、 そしてアシナシイモリの無足目まで、ゲノム情報が整備 されてきました。その情報を活用しながら、脊椎動物に おける性決定システム、および形態形成や器官形成機構 の進化を明らかにすることを目指しています。本稿では、 後者に関して、その現在進行中のテーマの中から、

2

つ ほど内容を紹介します。

北里大学 理学部 分子生物学講座

田村 啓、伊藤 道彦(北里大学理学部)

E-mail: [email protected], [email protected]

研究室のカエルグループメンバー

(2)

Vol. 46 No. 171 (2020. 9) - 137 - ① 尾の退縮機構の解析~尾はどこから無くなるのか?~  無尾両生類の尾が変態期に無くなる際に、どこの領域、 どの組織から退縮していくのかは、あまり解析は行われ ていませんでした。そこで、リアルタイムで尾の退縮領 域を同定するために、現在、ツメガエルを用いて画像解 析プログラムを

Python

を利用して構築しています。ツ メガエルの幼生は、尾が透明なので、そこに点在してい る色素細胞の間隔を経時的に計測することによって、退 縮領域を推定することができます。現在、リアルタイム 計測までは進んでおりませんが、領域による退縮の違 い、また甲状腺ホルモン処理と自然変態との違いが観察 され、詳細な解析を進めています。このシステムの完成 により、まさに細胞死が進行している現場を観察し、尾 の領域による細胞死制御の分子メカニズムの解明に寄与 できると考えています。 ② カルシウム濃度調節を行う副甲状腺ホルモンと分泌 器官の進化的変遷  血中のカルシウムイオン濃度を調節する「副甲状腺」 ホルモンは、その名の通り、副甲状腺から分泌されます が、脊椎動物の進化過程で、副甲状腺の器官が形成され るのは両生類以降です。魚類では、鰓が、副甲状腺と 同じ咽頭弓から形成され、そのマスター遺伝子も転写因 子

GCM2

であることから、相同器官であるといわれて います。そこで、個体発生において、鰓と副甲状腺の両 方を有する両生類では、副甲状腺ホルモンの発現や機能 はどうなっているのか、現在、ツメガエルやアホロート ルを用いて解析を進めています。これまで、副甲状腺ホ ルモン

pth

遺伝子発現に関しては、魚類・両生類と、そ の他の脊椎動物では異なっていることが分かってきまし た。現在、

pth

遺伝子の発現調節領域の解析や

PTH

の 機能的な解析を行っており、脊椎動物の進化過程でどの ように

pth /PTH

の発現や機能が変遷していったのかを 明らかすることを目指しています。  最後になりますが、本稿執筆の機会を与えていただき ました天野勝文先生に御礼申し上げます。また、共同研 究も随時受け付けておりますので、いつでも、お気軽に ご連絡ください。 学生と作製した自動飼育水循環装置 マイクロインジェクターを用いたノックアウトツメガエルの作製

参照

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