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異業種ネットワークからの地域ブランド化 廃棄物循環型農業の事業化戦略

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Academic year: 2021

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(1)0612A1000 異業種ネットワークからの地域ブランド化 -廃棄物循環型農業の事業化戦略- ○荒磯恒久、加藤幸浩(北大先端研)、丹羽道正、竹内孝宏(㈱白老清掃) 【はじめに】 北海道の基幹産業は農業であり、地域経済の活性化には農業分野の活性化が必須のものとなる。 本分野における産学連携にはいくつかの特殊な問題がある。例えば、農業の産業形態から新技術 を用いたベンチャー起業という産学連携の典型的形態がきわめて成立しづらい。また、植物育成 の多様性から「経験」と「カン」に頼る部分が残され「二次産業」に見られる再現性の良い技術 革新に困難さが伴うこともその特長であろう。本報告では、これらの特殊性をもつ農業分野にお ける「技術革新を核とした経済活性(筆者らによる産学連携の定義) 」の一例を述べる。 昨年度の産学連携学会大会において、地域企業等との産学連携において、研究者の専門性と共 に「一般的知識」の活用が重要性を持つことを報告した1)。本報告は、その農業分野への応用例 ともいえる。概要は、酸素活性触媒作用に関する知識と技術を核として、異業種ネットワークに より有機性廃棄物の高機能性農業資材化をおこない、それを用いた高品質作物生産による農業の 地域ブランド化戦略を構築することである。 【技術的背景】 北海道では多数の乳牛・肉牛が飼育されているが、それらの飼料の多くが輸入によるため大量 の牛糞が(牧草の肥料とならず)未完熟堆肥として蓄積し環境問題化している。本プロジェクト で用いた第一の技術は。金属イオン触媒による酸素活性化を利用した迅速堆肥化技術である。こ こで北海道に多い製紙工場から廃棄されるペーパースラッジ灰が酸素活性触媒になることに着目 した。その作用原理を図1に示す。堆肥は48時間で作成され微量金属イオンを含む機能性農業 資材となる。. ニンジン組織中のビタミンA 触媒作用によるラジカル発生と有機物分解 金属イオン触媒により、酸素O2は活性酸素[O2・-、・OH]を 作る。これらは きわめて反応性が高く、有機物(RH)を分解 する。また強い殺菌作用がある。 酸素活性触媒 SiO2-Fe 錯体. O2. O2・- [・OH]. 有機物(RH). ペーパースラッジ灰 SiO2,Al,Fe,Mg等を含む. 試験区. 対照区. ビタミンAが マイクロエマ ルジョン化さ れている。. ビタミンAは 結晶化され ている。. アタック!!. 分解. (←で示すと ころなど多数). 体内への吸 収が容易。. 図1.ペーパースラッジ灰による有機廃棄. 図2.微量金属イオンによる作物の. 物分解の機構. 高品質化. 第二の技術は微量金属イオン(特に鉄イオン)による作物の高品質化である。図2にニンジン の組織顕微鏡写真を示す。金属イオンのコントロールによりβ‐カロチンが結晶化せず吸収性の 産学連携学会第2回大会講演予稿集(2004). -76-.

(2) 良いエマルジョン化していることが示される。他にも多くの作物で糖度の増加、租繊維の減少、 収量の増加等の有利な現象が示されている2)。ペーパースラッジ灰を利用した堆肥には微量金属 イオンが含まれ、作物の高品質化が見られる。 【技術を核にした地域ブランドの確立】 上記の技術を核にして、北海道胆振地域を中心に、製紙工場、清掃企業、農業機器メーカー食 品加工機器メーカー、R&D 企業、製糖工場、地方自治体の連携による、堆肥製造から作物生産に 至る異業種ネットワークの構築を図った(図3)。胆振地域は企業の発注量等が暫減する傾向にあ り新たな産業の振興が求められている。. 地域ネットワークの形成. 地域における資源循環ネットワーク. 栗沢町:㈱アクアマックス (農業機材メーカー). 札幌市: 北海道大学 (先端科学技術共同研究 センター、農学研究科). 釧路市:釧路技研. 畜産農家・ 食品廃棄物. 苫小牧市:㈱苫小牧清掃社 真狩村: ㈱システムブレイン (R&D企業). 白老町: ㈱白老清掃 白老町役場 白老町異業種交流会 日本製紙白老工場. 伊達市: 北海道糖業伊達工場. 高機能農業資材. 付加価値の高い 農業生産物. 有機廃棄物分解の 工業化. 地域ブランド化 による優位性を 持つ事業展開. 甜菜遊離土 地域製紙工場 からのペーパー スラッジ灰. 修復. 製糖工場. 甜菜 生産 農家. 資源循環型社会の構築. 北海道胆振支庁. 図3.北海道胆振地域における循環. 図4.資源循環ネットワークと農業生. 農業ネットワークの形成. 産物の地域ブランド化. 北海道では堆肥そのものは製造コスト及び輸送費の問題から商品として販売することは困難で ある3)。一般に廃棄物の再利用は事業として独立採算を維持することは難しい。そこで本プロジ ェクトでは販売する商品を高機能性作物とし、地域ブランドを確立させ安定的に販売する体制を 戦略的に位置づけた。2003年度における本プロジェクトは全国中小企業団体中央会によるコ ーディネート活動支援事業により行われ、上記のネットワークを形成した。2004年度では実 際に商品のブランド化を図り経済効果と雇用の実現を目指すものとする。 【まとめ】 資源循環型の新たな農業形態を、差別化の可能なコア技術をもとに異業種ネットワークにより 構築することを試みた。地域ブランドの確立により安定した生産・販売体制を目指している。 【文献】 1)荒磯恒久、 「地域連携による企業ニーズの創成」 、産学連携学会第1回大会講演予稿集、89-90 (2003) 2)荒磯恒久、「活性型粘土‐鉄錯体の循環農業への応用」 、北海道大学先端科学技術共同研究センタ ー業績集、119-124 (1999) 3) (社)北海道未来総合研究所編「ペーパースラッジ灰を利用した有機性廃棄物等に関する市場調査」 (2004). 産学連携学会第2回大会講演予稿集(2004). -77-.

(3)

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