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SMA形光コネクタの接続損失への締結部の影響 利用統計を見る

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(1)

SMA形光コネクタの接続損失への締結部の影響

(昭和58年8月31日受理)

標節也 高原幹夫

Effects of Housing to Insertion Loss of the SMA-type

Optical Connector

SetsuyaSHIMEGI MikioTAKAHARA

       Abstract  In this paper, insertion losses(coupling losses)of the SMA type optical connector are measured for some combinations of its housings and ferrules.  It is well known that the insertion loss between two butt jointed fibers with connector is depend on axial and angular misalignments between two fibers. But by this measure. ment we have been able to shQw housing(plug and nut)of the SMA type connector, as axial and angular misalingment, affects the insertion loss between two fibefs.  In this experiment, we prepared eight housings and three ferrules, and measured the insertion loss for all of the housing.ferrule combination. The insertion loss is measured at each 45 degrees of the connection angle, and 30 times at each point. Therefore,240 times measurements are taken for one housing.ferrule combination. From these measured values, we can obtain the result that the measured values and its deviations vary due to exchange the housing. 1. まえがき  光ファイバコネクタは,着脱可能な光ファイバ接続 を実現するのに必要不可欠な部品の一つで,従来の伝 送媒体の同軸ケーブル,ペアケーブル等の電気的コネ クタ1ニ異なり,コア径100μm以下の極めて微細な光 ファイバの端面同士を正確に突き合わせる必要がある ために高精度な接続技術が要求される。このため,低損 失な光コネクタを得るには,光コネクタの接続損失要 因を明確にする必要がある。この要因としては,接続 する二つの光ファイバの構造パラメータの違いによる 要因(コア径の違い,比屈折率差の違い等)と光コネ クタの機構上の不完全による要因(軸ずれ,角度ず れ,間隔ずれ等)とが挙げられ,それらについての報 告がある1)⇒。しかし,これらの報告では光ファイバ と光コネクタのフェルールが接続損失に与える影響だ けが示され,光コネクタの外装部品の影響については 報告されていない。そこで本文では,フェルールをか *電子工学科,Department of Electronic Engineer−  ing えずに光コネクタのプラグ締結部(プラグフレーム, 締付ナヅトーハウジング)をかえたときの接続損失を 調べた。 2. 測 定  図一1「に接続損失の測定系を示す。光源はLED(波 長O. 85 Ptm)で,光ファイバは標準寸法のグレーデッド インデックス型ファイバ(コア径50μm,クラッド径 125μm,比屈折率差1%)**を使用した。測定に当た っては,光ファイバ内のクラッドモードを除去し,光 光検出器 10m       O.8m

1

標準光源 iLED)        被測定コネクタモードスクランブラ   アダプタ @      標準コネクタ   図一1測  定  系 Fig.1Measurment system. 光パワーメータ ** 。倉電線㈱製GC 50/125・3005型光ファイバ・コード

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昭和58年12月 山梨大学工学部研究報告 第34号 フアイバコード 締付ナット   表一1 フェルールの偏心量と出射角 Table l Lateral and anguler misalignment     of ferrules. ・・ルール P硫量(・m)1出射角(・・9・)     押圧バネ    プラグフレーム   図一2SMA形光コネクタ Fig.2SMA type optical connector.

A

B

C

0.85 1.34 1.70 0.53 0.91

LO8

2.3mm 1.5mm 125μm フェルールA (μm) P;L㎞。(。。) フェルールB     フェルールC (a) フェルールの端面状態 (a) Measured cross section of ferrule.      2.3mm      1.5mm      125#m         光ファイバ  (b) フェルールの端面の構造  (b)structure。f・ferrule.  図一3 フェルールの端面状態 Fig.3 Cross section of ferrules. パワー分布を定常モードにするために,モードスクラ ンブラ(損失3.5dB)を光源側の光ファイバに挿入し た。光コネクタには光ファイバへの取付け工程が簡単

なFA形の1種のSMA形光コネクタ(無調心タイプ

の精密フェルール形)*を使用した。図一2にその構造を 示す。測定にはプラグ締結部8個(試料No.1∼8) と,表1に示す偏心量,出射角と図一3の端面状態のフ ェルール3個(A,B, C)を使用する。フェルール 端面は組立て工程で研摩されるが,その端面に対する 研摩の良し悪しは接続損失を悪化させる一因となる。 つまり,フェルール端面の宝石部分と金属部分が平ら であるフェルールAのような端面状態が望ましく,C のフェルールでは金属部分が宝石部分より約2μm高 くなっており,このような研摩不足の端面状態では接 続時にコア端面が傾き,角度ずれ,間隔ずれ等をもた らし,接続損失が大となる。したがって,フェルール 端面の金属部分が宝石部分と水平になるように研摩す ることが望ましい。  接続損失の測定方法はまず送り側の標準光コネクタ の光レベルP、(dBm)を測定する(なお, P,の測定 値は一19.4dBmの一定値である)。次に被測定光コ ネクタをアダプタ(整列機構はチャッキングスリーブ を使用)を介して標準コネクタと接続し,短尺ファイ バの受信端で受光レベルP2(dBm)を測定する。な お,コネクタの接続時の締めつけには極力注意をはら って行っている。そのとき,光コネクタの接続損失は   接続損失=P、−P2(dBm) となる。測定に当たっては標準光コネクタは固定し,  t ぴ 被定光コネクタを45度間隔で回転させ(このときの角 度を回転角と呼ぶ)8測定点を選び,締結部の組合わ せ1個について各測定点で30回計240回の測定をし た。 * 日本航空電子工業㈱製FOAJ型光コネクタ 3.結果と検討  図一4,5,6に,フェルールA,B, Cに対する回転 角と接続損失の関係を締結部をパラメータとして示 す。図の各点は接続損失の測定値の平均値である。ま た整理の都合上,接続損失の最大値が0,360度にくる ように図をえがいてある。  これらの結果から,回転角180度前後では,接続損 失はどのフェルールでも全体的に小さく(0.45dB以 下)なり,その値も大体0.40∼0.45dBの範囲で一定 となる。また,このときの接続損失への締結部の影響 と偏心量,出射角の影響は小さい。一方,フェルール A,B, Cにおいて接続損失がほぼ一定となる回転角 の範囲はフェルールAでは90∼270度と光コネクタの 1回転の50%を占めているが,Bでは90∼225度の38 %,Cでは180∼270度の25%へと減少する。このこと から,フェルール部の偏心量,出射角が増加すると接 続損失への影響が大きくなり,その結果,接続損失が 小さく安定する回転角の範囲も狭くなることがわか り,予想された結果である。  これに対して回転角0度(360度)前後では接続損 失が大きいうえに,その部分には締結部の影響もより

(3)

締結部 0.50 曹 豪 翼。.45 0.40 ★

゜2

締結部 △−No.1 ☆−No.2 ローNo.3 0−No.4 ●−No.5 ▲−No.6 ★−No・7 ■−No.8 R ★ b ● 1 。. 8 ,,..㌧§

☆惜}曇・

    ■  ▲    0°     90°    180°   270°   360°         回転角度 図一4 回転角と接続損失の関係(フェル   ールA) Fig.4 Connector insertion loss vs.    rotation angle characteris−    tics(ferrule A). 0.55  0.50 奄

R

翼 灘0.45 0.40 ★ ■  ■ ▲ 舎

ie

 qコ 締結部 △−No.1 ☆−No.2 ローNo.3 0−No.4 ●−No.5 ▲−No.6 ★−No.7 ■−No.8 ★ ★ ■ ★ ▲       ▲ ■ ■ ★ ■ ■     ▲     合

㌶ニ

ロ 0     口    8

 呂8

夢舎

   0°     90°   180°   270°   360°         回転角度 図一5 回転角と接続損失の関係(フェル   ールB) Fig.5 Connector insertion loss vs.    rotation angle characteris−    tics(ferrule B). 0.60  0.55 … 曇。,・ 0.45 0.40 ● ★ 6 大きく現れる。たとえば回転角360度における締結部 の影響による接続損失の違いは,フェルールAでは, 0.06 dB, Bでは0.11 dB, Cでは0.08 dBとなり, 各フェルールの回転角180度前後のものの約2倍もし くはそれ以上となっている。  つぎに,測定値のバラツキへの締結部と偏心量,出 射角の影響を調べる。そのために,図一4,5,6の締結 部No.1と8の回転角0度と225度における接続損失 測定値のヒストグラムを図一7に示す。この図一7より, i接続損失が全体的に小さな締結部No.1では,測定値 のバラツキも小さいことが直ちにわかる。そしてこの ときのフェルールCの回転角0度の測定値のバラツキ はフェルールA,Bよりも大きい。このことから,フ ェルールをかえることの接続損失への影響が小さなコ ネクタでは,偏心量,出射角の増加によって接続損失 の大きな回転角部分(0度の近傍)の測定値がバラツ クことがわかる。そして接続損失が全体的に大きな締 結部No.・8では接続損失の大きな回転角0度の近傍で は測定値のバラツキも大きくなる。これは図一7のヒス トグラムの横への広がりで直ちにわかる。しかし,こ の場合偏心量,出射角が増加しても接続損失の測定値 のバラツキは目立つほどの増加はしない。その理由は ヒストグラムの広がりからみて偏心量,出射角の影響 が現れる以上に値がバラツイてしまっているからと考 △−No.1 ☆−No.2 ローNo.3 0−No.4 ●−No.5 ▲−No.6 ★−No.7 ■−No.8 ⑱;

 字オ

鴫6馨

   ☆ △ ■  ● ★ ● ★  合

 ⑱

呈 えられる。 2・・ o △ Pt s

島露壁

   0°    90°   180°   270°   360°        回転角度 図一6 回転角と接続損失の関係(フェル   ールC) Fig.6 Connector insertion loss vs.    rotation angle characteris.    tics(ferrule C).  図一8には各試料における接続損失値を示し,図一9に はその測定値の分散を示す。そして,図一4,5,6におい て測定値を接続損失が小さな回転角の部分と大きな回 転角の部分に大別して,そのおのおのの平均値を白抜 (MIN)と黒丸(MAX)で示した。図一8,9の結果か

らMINでは,締結部No.7と8のフェルールCで値

が他より大きくなっており,締結部の影響が見られる が,この点を除くと接続損失は大体0.40∼0.44dBの 間にあってほぼ一定である。また,この部分では分散 も10−3以下となり,全体的に接続損失への締結部の 影響は小さいといえる。これに対して,MAXでは締 結部による接続損失およびその分散の違いがはっきり と現れる。たとえば,締結部の影響の大きな締結部 No.7, S O)接続損失は影響の小さな締結部No.1,2の 接続損失に比べて,フェルールAでは約0.04dB, B とCでは約0.06dB大きく,分散も締結部No. 1,2の 値(2×10−3以下)に比べて締結部No.7,8の値は大 きな値(2×10−3以上)となっている。またMAXの接 続損失とその分散はフェルールA,Bよりもフェルー ルCのときに締結部全体にわたって大きくなる(接続 損失はA,BよりもCが約0.05dB全体的に大きく, 分散は約10−3程度Cが大きい)ことから,フェルー ルBより大きな偏心量,出射角をもつフェルールCの

(4)

昭和58年12月 山梨大学工学部研究報告 第34号 10 0 フェルール:A 締結部:No.1 回転角:225°   画 ) 10 義  0 回 連 製 蒸 10 0 5 0

A

No.8 0° B No.8 O° 0.40 0.50 C No.8 0° 0.60       0.40       0.50       0.60     0,40         接続損失(dB)    図一7接続損失のヒストグラム Fig.7 Histgrum of insertion losses. 0.50 0.60 霞

s

フェルール MIN

MAX

角 度 ABC Oムロ 90°∼270° X0°∼225° P35°∼270° ●▲■ 0°∼45°:315°∼360° O°∼45°:270°∼360° O°∼90ロ:315°∼360° 0.55 O.50 0.45 0.40 ■ ● 6 △ O ■ ● 口 ●

P2,

R

△ ■ ■   ● 釦 0 0   ▲ ▲

△2

■ ▲ 口 ▲ 口 ▲ ●   ●    口 ● 口 △ ロ ム ム   o O O

  12345678

       締結部 図一8締結部の接続損失への影響 Fig.8 Connector insertion loss vs. samples MIN

MAX

フェルール 角度 度 A, aC》 o△口 90°−270° X0°−225° P35°−270° ●▲■ 0°∼45°:315°∼360° O°∼45°:270°∼360° O°−90°:315°∼360° 10 2

9

{N   10−3. 薫 characteristics. 10−4 ■ ;

8

△ ■  ■    ■ ●

8 5:

Qs▲。

  ▲ △ ■  ● 台 ■●

。白

   7

2

口 △ O   o △ △

      12345678

       締結部      図一9接続損失の測定値の分散 Fig. g variance of measured connector inserti6n     Ioss vs, samples characteristics. ときに,偏心量,出射角が影響することがわかる。さ らに締結部No.5のように,接続損失が締結部No.8 と比べてフェルールAは0.04dB, Bは0.07 dBも小 さな値であったのが,フェルールCではほとんど同じ 値になることから,偏心量,出射角の増加により接続 損失に対する締結部の影響が急に増える締結部もある ことがわかった。

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SMA形光コネクタの接続損失への締結部の影響 4. む す び  SMA形光ファイバコネクタを用いて,光コネクタ の外装部品(プラグ締結部)の接続損失への影響を調 べた。この結果,締結部の影響は光コネクタ本体を回 転させたときの接続損失が大きくなる回転角部分に大 きく現れ,本測定のこの回転角度(0度近傍)におけ る締結部の影響による接続損失の違いは図の結果から 0.04∼0.08dBであった。この値は接続損失の平均 値0.47dBからフレネル反射損失0.3dBを差し引い た残りの値0.17dBの約30∼50%に当たり,締結部の 接続損失への影響が少なくないことがわかった。そ して,光コネクタを接続損失が小さくなる回転角部 分(225度近傍)で常に接続することができれば,光コ ネクタのプラグ締結部の影響が少なく,そしてフェル ールの偏心量,出射角の影響も少ない低損失な光コネ クタ接続ができることが明らかになった。 謝 辞  本実験を進めるに当たり,種々のご協力をいただい た日本航空電子工業㈱の江幡元治部長,ならびに柴田 明氏,高坂有三氏に感謝する。 文 献 1) 縄田,鈴木,他:信学技報,OQE 78−101(1979) 2) 田中:電子技術,23,1,p.35−41(1981) 3)標,高原,他:昭57信学光・電波部門全大,399 4) 標,高原:昭57信学信越支大,59

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