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農林水産統計からみた養蜂産業の推移

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Academic year: 2021

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ミツバチ科学

(

1

9

9

5

)1

6(

2

):8

5

-8

9

農林水産統計 か らみた

養蜂産業 の推移

社) 日本養蜂 はちみつ協会

農林水産省畜産局では,毎年養蜂振興法に基 づ く養蜂業者等の届出について各都道府県か ら の報告を もとに 「養蜂関係資料」 として取 りま とめている. まとめ られた数字 は

,

「農林水産統計」として 広 く利用 され, 日蜂通信で も部分的には折 にふ れ紹介 してきた. 今回,その資料のなかか ら,飼養者数や蜂群 数,蜜源植物,生産物, さらには花粉交配など 各項 目を取 りあげ,蜂産業を取 りまく基礎的な 現況やその推移を紹介す ることで,種々の課題 に直面 している産業の位置づけを明確 に し,今 後の課題克服のための資料 としていきたい. 飼育者数 平成

5

(

1

99

3)1

1

日現在,全国のみつ ばち飼養者 は

7

221

戸 とな っている. この うち養蜂を業 とす る者 は

4561

戸で全飼 養者の

6

3%

を占めている. この飼養者数 の年度別推移 は図

1

の通 りで 戸 12000 I0000 8000 6000 4000 2000 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1989 1993 図1 ミツバチ飼養者 の推移 斜線部 は養蜂業者

(

1

9

6

5

年までは区別なし) ある. このように,飼養者 は昭和

5

4

(

1

979

)

11

7

85

戸を ピークに毎年

3

00

戸前後づつ減少, この

1

4

年間で

456

4

戸 も減 っている. これは 昭和

5

4

(

1

97

9)

6

割強にまで減少 したこ とになる. さらに, この減少の しかたも最初のころは一 年お きに減 り方が大 きか ったり,小 さか ったり したが,最近, ことに平成 に入 ってか らは毎年

300

戸以上が確実に減少 している. この飼養者数 を地域別 にみ ると,平成5年

(

1

993

)

現在では図

2

のような構成 になってい る. これを昭和

55

(

1

9

80

)

当時 と比較す ると, 若干の地域差が うかがえる (図3参照). 図でみるように,東北地方を除 くと,北の地 域 はど減少の傾向は小 さいことがわかる. さ らに細か く都道府県別 にみ ると

,

「神奈川 県

「鳥取県」では

55

(

1

9

80)

より増加 して いるのに対 して

,

「宮城県

「栃木県

「福井県」 などでは当時の三分の一程度 にまで減少 してい る.

蜂 群

一方,蜂群数 は平成

5

(

1

9

93)1

1

日現 在

2

2621

4

群 で これ も ピー クの 昭 和

5

4

(

1

97

9

)

当時の

7

割弱に減 っている (図

4)

.

図でみるように, もっとも減 り方の激 しか っ たのは,平成

3

(

1

99

1)の

1

80

00

群,次いで 昭和

63

(

1

988

)

11

0

00

群 となっている. しか し, この蜂群数の減 り方 は飼養者数の減 り方よりゆるやかで,先 にみたように飼養者数 は4割近 く減 っているのに対 して,蜂群数 は3 割強 となっている. すなわち,減少 した飼養者の多 くは規模の小 さい飼養者 ということになる. 試みに一戸あたりの蜂群数を算出すると,昭 和 55年

(

1

9

80

)

当時が全飼養者で

1

9

.

3

群 (莱 者 だ け で は

43

.

8

群) に対 して, 平 成

4

(

1

992

)

では

31

.

3

群 (業者では

47

.

3

群)と増加 している. また

,1

00

群以上を所有 している業者の蜂群

(2)

0

20

40

60

80

100%

\ 北海道 \ 北陸 図

2

ミツパテ飼養者の地域別構成

(

1

9

9

3

1

月現在) 数 が全業者中に占める割合 をみ ると,昭和

45

(

1

970

)

には

50%

であ ったのが,平成

5

(

1

99

3)

には

62

.

5%

になっている. この蜂群数の推移を地域別 にみると,図5の ようになる. このように減 り方の もっとも少ないのは東北 地方で, ピークの昭和

5

5

(

1

980

)

当時か ら 1割 も減少 していない. 飼養者数では東北地方 は4割 も減少 していたことか らす ると,小規模 の飼養者が大巾に減少 した ことになる. ちなみに, ここでの飼養者一人あたりの蜂群 数を算出 してみると,昭和

55

(

1

980

)

1

8

群に対 して,平成

5

(

1

993

)

では

2

8

群 と

5

割以上の増加 となっている. 蜜源植物 この蜂群数を規定するのは蜜源植物の植栽面 積である. 平成

4

(

1

992

)

では利用 された蜜源植物の 植栽面積 は約

30

万ha

である.従 って,これを 蜂群 1群あた りにす ると

1

.

36ha

を利用 してい ることになる, この植栽面積の年度別の推移を みると,図6のようにな っている. % 100 75 50 25 」ヒ彬iB ri4!北 側n! 」ヒ陛 如け6 近地 zfl伺 y_qr叫 九州 図

3

1

9

8

0

年比の ミツパテ飼養者

(

1

9

9

3

年)

1

9

8

0

年を

1

0

0

としたときの各地域の ミツ バチ飼養者 四国 このようにみると,減少 の激 しか ったのは昭 和

45

(

1

9

70

)

か ら

55

(

1

980

)

1

0

年間 の高度経済成長の時代で,その間に植載面積 は 半分以下 になったことがわかる. この当時 もっとも影響 を受 けたのは 「れん げ

「なたね」といった作物頬の蜜源植物で,こ れ らはそれまでの主要 な蜜源 となっていたもの である. これ らの作物類の蜜源 はその後 も回復 はみ ら れず,昭和

45

(

1

970

)

当時 この

2

つの蜜源 で

1

0

万ha

もあったものが平成

4

(

1

9

92

)

には

2

ha

にまで減少 している. しか し,蜜源植栽面積 としては激減 した昭和

45

-5

5

(

1

970

-1

9

80

)

とそれ以降は他の指 標 はど大 きな減少 はみ られず, 1群あたりの植 栽面積 は,平成

4

(

1

992

)

においては前年の 数字 を越えるまでになっている. 生 産 物 次にこれ らの蜂群が産出す る主な生産量をみ ることにす る. 図7で示 したのが主要 な養蜂生産物 の生産 量の年度別推移である. L,LT 300000 200000 100000 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1989 1993 図4 飼養蜂群数の推移 斜線部 は養蜂業者が所有す る蜂群数

(

1

9

6

5

年 までは区別な し)

(3)

87 - [:コ 1- □ 曲 19751980198519891993咋 100000 80000 60000 40000 20000 0 九州 沖縄 北海道 東北 関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 図5地域別飼養蜂群数の推移 (1975年から1993年まで) このうち,もっとも主要なものは 「ハチ ミツ」 であるが, この-チ ミツの生産量の ピークは昭 和40年 (1965)ごろで, この当時は8500tを 生産 していたが,平成4年 (1992)には3800 tにまで減少 している. これはピーク時の45% 弱である. また, この生産量 は絶対量の減少だけではな く,1群 あた りの生産量 もピークの昭和40年 (1965)ごろは40kgを越える数字 をあげてい たのが,45年 (1970)になると30kgになり 50年 (1975)以降 は20kg前後 と激減 してい る. とくに平成4年 (1992)は16.5kgとこれま での最低を記録 した. 国内の生産量全体 と しては ピーク時の45% 以下 に減少 しているわけであるが, これを地域

0

200000 1970 1975 1980 1985 1989 1993 別 にみると若干 その減少の しかたも変わって く る. 減少の巾の大 きい地域 は九州,中国,四国な ど南の地域で,逆 に東北,北陸などでは微増 し ている. この結果,昭和50年 (1975)には全体の3 割近 くを占めていた九州のハチ ミツ生産量 は平 成4年(1992)には2割強まで シェア-を落す ことになった. この生産量 に対 して消費量 は40年 (1965) の15000tか ら昭和56年 (1981)には30000t を越え, 特殊 な需要を除けば現在では40000t 前後 まで伸びてきている. したが って, この消費量 と生産量の差 は輸入 に依存 しているわけであるが, これ らの関係 は 図8のようになっている. 400000 600000 ha 匝団みかん E;ヨくり - れんげ EZZlりん ご - なたね 監 ;ヨとち [::コ その他 図6 蜜源植物植栽面積の推移

(4)

1960196519701g7519

8

0

1

9

8

51

9

8

91993 図7 主要養蜂生産物生産量の推移 このように,現在では全消費量 の9割が輸入 で国内で生産 され る量 は 1割 とい うことにな っている. しか も, この輸入量 の9割前後が中国による もので, 残 りの1割を20ヵ国あまりか ら輸入 している. この生産物 についてみ ると

,

「蜂 ろう」と 「ロ ーヤ ルゼ リー」 の生産 の ピー クは昭和 57年

(

1

9

82

)

で,蜂 ろう

1

8

8t

, ローヤルゼ リー

1

8t

とな ってお り,平成 4年

(

1

992

)

で これが

8

1t と

9t

にそれぞれ減少 して お り,-チ ミツと同 じように ピーク時の45%前後 となっている. 花 粉 交 配 このよ うに蜜源植物 の減少 などによって生産 物が減少 してい く中で ミツパテの花粉交配への 利用が盛んにな っていった. 図9は利用状況 の変化 を年度別 にみた もの

. lT , 2T , 3竿 , 一T T J . BTx'L

O

)

10000 20000 30000 400〇・ : LI T -

"_

図8 -チミツ消費量の推移 (白い部分は国内生産量-自給分) 196

0

1965 1970 1g75 1980 19B5 1989 1993 ローヤルゼ リー I l l l l である. この面での利用の ピークは平成2年 (1990) とな ってお り 「イチゴ」 においてはすでに昭和

60

(

1

9

85

)

の数字 も切 っている. このグラフをみ る限 りいまだ盛んなようすが うかがえるが右肩上 が りの成長 とはいかな くな っている.

おわ リに

このよ うに統計数字 をな らべて くると明 るい 材料 を見つけることはなかなか難 しそ うにみえ る. しか し,多 くの力を結集すれば打開の途 はあ るはずである. また多 くの努力を傾注 して打開 していかなければな らない. 努力の方向はい くつかあ るであろう.中で も 60000 帥 粥 J 数 40000 20000

.

\.

r

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ー●

施設園芸

/。

三 豊

/

= b

-i

-▲

-▲

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施設園芸外

果樹なと 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 年 図9 花粉交配用 ミツバチ導入群数の推移

(5)

89 蓑 1国土利用の変化 用途/年度 1965 1972 1975 1980 1985 1989 農用地 64300 59600 57600 55900 54900 53800 森 林 251600 252900 252900 253400 252900 252600 原 野 6400 5000 4300 3400 3000 2800 内水面 11100 12700 12800 13100 13200 13200 道 路 8200 8300 8900 9900 10700 11300 宅 地 8500 11000 12400 13900 15100 15900 その他 27000 27900 28600 28100 28000 28100 合 計 377100 377400 377500 377700 377800 377700

<

\ \ \、、,● 1965 1970 1975 1g80 1985 1990 1995 2()00 2005 r t ∼ J I L I I I 1970 1975 1980 1985 1990 1995 20【)0 2005 2010 図10 人口伸び率の推移 過去5年間の伸び率を示す (1995年以降は推定値) 重要 なのはやはり蜜源植物 を増やすための地道 な努力を続 けることであ る. これまで続 けて き た努力をより大 きく, よ り広 く継続す ることで ある.蜜源植物 は先 にみたように開発の波 にお され続 けて減少 を重ねて きたが,他 の指標 をみ る限 りその圧力 も次第 に弱 まっている.表1は 国土庁の 「国土利用の変化」であるが, この中 で 「道路

「宅地」などの開発需要 が対比年度比 でみると平均2-4%で続 いていたのが昭和60 年 (1985)ころか ら2%を切 り次第 に小 さ くな りつつある. さらに, この開発圧力 の大 もとにあるのは人 口の増加である.図10は国勢調査 および厚生 省の推計人 口を対前回比 でみた ものである.塞 源が大 巾に減少 していた ころは対前回比8%近 い増加があった ものが,昭和60年 (1985)こ ろには3%台, 平成 になると2%台 と減少 し, 10年 もす ると1%を割 るよ うな状 態 にな るこ とが予測 されている. さまざまな新 しい課題 が提起 された りす るこ とがあ って も,大 きくみ ると蜜源を取 り巻 く環 境 は変わ りつつある. そのよ うな時代背景 の もとに蜜源植物 の増殖 単位はkm2 運動 をねぼ り強 く進めて いけば,やがて実 を結 ぶに違 いない. ここまでは統計数字 を もとに量的な側面だけ をみて きた. しか し,数字で表わす ことがで き ない質的な面で も努力が要求 されている. 各種の指標 は減少の方 向を示 しているが, こ れか らは量的増大 に基づ く利益 の獲得 という指 向を捨てて,人々の満足 に基づ く利益 の獲得へ 指向す るという努力の方 向転換が求 め られてい る. -チ ミツをいかに多 く採 って, いかに多 く売 るか という量的な拡大 は他の多 くの業界 と同 じ よ うに難 しくな っている. そ こで要求 され るのは,的確 なマーケティン グ ・ミックスであろ う. 「どんな製品やサー ビ スを

「どのよ うな価格体系で

「どういう場所 や経路で

「どのようなプ ロモーションで」とい ったさまざまな要因をいかに組み合わせて顧客 に満足を して もらうか という, より深 い研究, 努力である. 幸 いな ことに,前 に も見 たとお り,蜂産品の 需要 は少 しも減 っていない. そのような需要動 向に安住す ることな く一人一人がそれぞれの分 野で付加価値の高 い仕事 を追求 してい く努力が 求 め られている. (〒101千代 田区神 田駿河台1-2 馬事畜産会館内) 編集委員会か ら 本記事は杜)日本養蜂はちみつ協会発行の日蜂通 信第398号 (1995.5.25)に掲載されたものを,同 協会事務局の許諾を得て,図版などの改変を加えて 転載 したものである.

参照

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