配給原価計算の発達とトラスト禁止法
小
倉
栄
一
郎
は し が き アメリカの産業革命は南北戦争に端を発し半世紀の間に先進諸国を遙にしのぐ成果を暗めて俄に成熟期に達した。近代 産業成立の兆が南北戦争の要因であったし、近代産業化のための戦争需要が南北戦争によってあたえられ、戦争終結後聞 もなく若干の不況に見舞はれたというものの、それは難病の如くすぎ去って十九世紀中に素晴らしい繁栄が約束せられる に至った。その爆発的速度は一八六〇年までに許可せられた特許件数が三万六干件に過ぎなかったものが一八九〇年には 四四万件、一九〇〇年には百万件に達したことを見ても理解されよう。しかし北部工業地帯を高率関税によって武装せし め南北戦争を勝利に帰しめたリンカーンの政策以来久しく強力な産業上の政策は採られず、アメリカ経済政策の空白時代 の中に大企業、企業合同が進む。スコットランドからの移民アンドルー・カーネギfは一八六五年に鉄に手を出して以来 一八九〇年頃には、十二種類の関連事業を結合し、他に類例を見ない大企業態勢を構成したが、いまだ独占に成功したわけ でなく、幾多の競争者に刺戟を受けつつさらに拡張をつづけ、一九〇一年U・Sスチールを設立するに及んだ。この過程 はまさにアメリカ産業史そのものの象徴であり、そして大会社・トラストによる独占化の進行の見本でもあった。, その他の産業にあっても同様の事態が見られたのは当然である。一九〇四年の調査によれば五、000の会社が三〇〇 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 三九配給原価計算の発達とトラスト禁止法 四〇 のトラストに整理されている。 この時代はアメリカにとっては西部えの開拓の時代であって、農業生産の飛躍的上昇によって裏付けられた繁栄の時期 まさに金ぴか時代であったが、大会社とトラストによる独占傾向こそはこの繁栄の最頂点に於ける混乱の原因であったと いえよう。革新運動が開始されるや否や、セオドール・ルーズベルトが十年も前に通過したままでその目的を達しないで 眠っていたシャーマン反トラスト法日面融悶留日琶卜昌昌白籍ωeb9︵q局一ヤ 贈’ 一coOO︶を活濃に適用して﹁トラスト討伐﹂を行 い共和党に人気を固定させた。時代は遡るが一八八四年大統領に選ばれたクリーヴランドは南北戦争以後はじめて強力な 経済政策に手をつけた入物である。例えば鉄道に関して、当時一般に競争線のある地域では料金を下げる代りに独占地域 では法外な運賃を定め、競争を避けるためには、競争会社との問にプール契約︵カルテル︶を結ぶという状況であったの で各州は個別的にこれらを規制する努力を行って来たが、問題の性質上これは州際的なものであったから、、雪解の統制は 目立つた効果を高めなかった。クリーヴランドの州際通商法が通過し︵一八入七年︶法外な運賃、プール契約、運賃払戻、 料金差別が禁止され、さらに前述のシャーマン、反トラスト法が通過したのである。ルーズヴエルトは鉄道に対する統制 は最も重要であるとしてエルキンス法、ヘツプバーン法を成立せしめ一連の反トラスト立法となった。 亥の大統領選挙では同じく共和党から代って推されたウィリアム・ハワード・タフトが当選し、トラストの告発を続け たが彼の全般的業績はあまり高く評価されないであらう。攻期は汐フトと民主党のウッドロー・ウィルソン及び革新党を 組織して打って出たルーズベルトの戦いに嘗て革新的民主党が支持を得た。二十世紀初頭のアメリカ産業は諸般の革新政 策を期待していたのである。ウィルソンの政綱は関税の引下、通貨機構の改革、労働問題の処理に並んでトラストの統制 が強力に押し進められた。 、 一九一四年に二つの重要な反トラスト立法が行はれている。 連邦通商委員会法 臼冨ピ、二二毘日鰭酒Q。5巳。。。。一。昼卜・計
の①喜。陣ぴ霞卜、ρお一恥 が州際通商に関して不公正競争をなす会社を調査し、その禁止を命ずる権限をあたえられた連邦通 商委員会を成立せしめた。委員会の果した役割は大きく、この研究の一つの焦点である。また同じくクレイトン反トラス ト法日胃Φ○霊答。ロb巳学摩誤けト。計08び霞H9お虞は前法と極めて密接な関係がある。 第一吹大戦後の不況の対策としてフランクリン・D・ルーズベルトのこユーディール政策が急速に進行するうちに一九 三六年再選され、クレイトン法の修正としてのロビンソン・バットマン法衣冨切。竃易。守勺暮巨琶bOけ︵℃暑①葺ω。託邑舞ぎβ 卜3蝋置①H璽乞。。⑪が通過する。 この法律倣原価に差違が存しない限り同一種類の商品の買手を価格上差別待遇することを禁じ、公正競争を防衛せんと するもので、これが本研究の他の一つの焦点である。 反トラスト法の全体を明らかにすることは当面の問題でなく、これらが原価計算、特に醗給原価計算の発達に与えた影 響を明らかにすることが本研究の主題であるが、順序とし℃、これら関係法律を今少し詳細に検討して見よう。 ニ シャーマン反トラスト法 南北戦争後の企業の著しい発展にともなって、プールと呼ばれるカルテルが組織せられ、特に鉄道業その他運輸関係に 於て著しい例を見た。その程度も種汝の高度カルテルにまで発展したのであるが、実施上の難点が少くなく、一八七九年 有名なスタンダード・オイル・トラストに端を発して、各方面にトラストが成立し、その弊害も看過し得ないものとなっ た。 一八八七年に州際通商法が出て、鉄道の取締にあたるべき州際通商委員会が発足し、亥で一八九〇年七月にシャーマ ン法二物①o慶犀耳目きトロ葺−目2馨b9が一連の反トラスト法の基本的なものとして通過した。本法は亥のごとく規定してい る。 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 四一
配給原価計算の発達とトラスト禁止法 四二 ﹁数州間叉は外国との闇での商取引の拘束となるあらゆる契約、トラストその他の形での結合、叉は共選は本法により 不法とする。﹂ 実際上は、﹁商取引の拘束となる﹂ という丈言の解釈にあたって、丈理的であって、結果に於て競争を阻害する点があ ってもわっかしか考慮を払はれなかったり、製造は商業ではないという伝統的法律の観点によって、製造業の合併を含む いくつかの重要なケースに於て法は無力であったというような経過があって、その初期は活濃に作用しなかったようであ ゆ るが、十年後ルーズベルトによって盛に発動され、適用範園の拡張や﹁条理の原則﹂ 開顕。。晦切㊦器。昌が加えられるに及 んで実際上の効力は増大した。 この法律によって原価計算は二つの面で影響をうけた。その一は、取引を拘束する傾向をもつような原価計算の方法と 原価資料の利用について一定の限界が出来たことであらう。これは主として商業組合に関するもので、組合員に一定の原 価計算方法や評価基準をあたえ、叉は資料を集めることが、揚合によっては組合員を拘束することにもなり、また、暗に かかる計画を遂行しつつ法及び組合員の前で適法をつくらう手段に逆用する結果となる惧あること後述のところである。 冒足下害8甑萎冒琶競鷺け霞。話占奪。亀98昌9毘・話d巳話働oD欝け霧事件では組合は組合員から公然且つ公平に製品の原価 について報告を集めこれを流布したが、価格、細面叉は競争の拘束に関係ある同意や協定行動には至らなかったので法に 抵触しないとされ、 d肚Φ①q望露量語●乞讐。昌巴。。暮鉱昌興臣。・の。9餌寓。蚕簿巴事件でも販売価格を特定しなかった。しかし d巳8幽oQひ9①。・諺●渚9♂β吉凶自犀び霞碧き農即9罎霞。。b。・ω8醇δ口事件では製品原価に関する情報を完全且つ公正に利害関係 者に配布せず、特定入について斉↓に取扱はないというような形でなら原価の統計を採ってはならぬと言渡され、d巳σ亀 oQ垂Wの遂●<。富冒三寸霞く暮冒導臨舘言奉話卜望8一9籠。⇔事件では、 組合の解散が命ぜられ、組合員は組合の定めた価格 表や平均叉は任意原価又は利益額を維持、引用、利用することを禁じられた。
第二の影響は後の立法の方がずっと大きな影響をもつているのだが、法は原価と原価計算方法について調査することが 出来ることになって居り、この調査報告のやり方が逆に企業の原価計算手続に影響をあたえた。 ①
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駒図.ピ詔ω㊦二、.国きき。昆90。ωけ臣。8琿鐸鑓躍冒①窪。貌、.O冨窟霞慈“目5冒含。bΩ。<。葺彗Φ暮8Q8け跨88冨け沖轟・葺O蜜巨。。。国. 6暑蒙︵ρや唐︶やω鯉 q●Qd●国①oぎ詳騨因.口d・冒ぎ①弓脚、.⇔冨宥甘耳ご冨Oo馨.、Pω匙 卜国・ビ器の①♪5峯・即即竃倉㎝ ・ 三 連邦通商委員会とクレイトン法 シャーマン法は強力な罰則規定がつけられていたので、多数の違反を摘発し、反トラスト態勢を整えたけれども、法の 用語は一般的で不明確であったので、法を潜って取引拘束を遂げることも多かった。一九一四年九月通過した連邦通商委 員会法噌巴霧舘日壁号○。巨工費。昌卜9はシャーマン法を補充拡張する目的をもつて制定せられ、同年十月通過したクレ イトン法とは密接な関係にある。シャーマン法による訴訟事件の経験から学びとった独占えの明瞭な武器の数々を一汝明 示してこれを非合法としたもので、法に反する行為というのは価格差別、抱合せ売、ストック政策、重役派逡等がある が・いつれも独占が強大とならない申に、その成立過程に於て芽を摘かという企図によっていた。特に、原価計算に大き な影響をあたえたのは﹁価格、サービス、設備利用に於ける差別∪雪切詰首暮♂⇔﹂の条項である。 ﹁ω 問題の差別行為に関する購買のいつれかが商取引に属し、合衆国⋮⋮その他合衆国の法律の施行される揚所に於 て、使用・消費又は転売のため当該商運が販売される揚合、且つ、当該差別の効果がある種の商品系列中で実質的に競争 を減退せしめる惧あるか、独占を成立せしめる傾向ある揚合、叉は、かかる差別の利益を認容し、叉は、知って受入れん とする人との間、又はその中の何人かの顧客との間の競争を侵害・破壊・又は阻害する傾向ある揚合には、同]等級晶質 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 四三 \配給原価計算の発達とトラスト禁止法 四四 奮 の商品の異れる買手との間で価格に差別をつけることは、商取引に参加した何人か、叉は直接的であれ風尚的であれ当該 商取引の過程にあった入に対して、不法とされる。 但書、本法に掲げる規定は当該買手に対して当該面罵が売られ、叉は送達せられる方法又は量の相違に由来する製造・ 販売又は運送の原価に相違あることによる当然の値引のみである場合には、その差異を禁ずるものではない。﹂ 本文及但書によって原価の差以上の価格差をつける価格政策、割引値引の計画が法に抵触するものであることが示され 且つ、それは同一等級晶質の商品毎に計算されるものであることが明らかである。右の但書に続き、 但書、 ︵省略︶ 但書、さらに、本法に規定するところは、問題の商品の市場叉はその市場性を変化させるごとき条件変化に基いている 場合、例えば生鮮食料品の現実の又は切迫した悪化、季節的商晶の陳腐化、法廷で審理中の差押品入札又は関係商品に於 ける営業の打切が実際に行はれる場合の販売については制限されない。 ⑬ 本条に基く告訴にかかるいかなる聴取に際しても提供される価格・サービス又は設備利用に差別があったとされる 立証について、明白な事実を上げて正当性を示すことによってなされるごとぎ反証をあげる責任は、本条の侵犯の罪を負 うものの側にある。しかして正当化が肯定的に示されない限り委員会は差別取扱を中止するよう命令する権限を有する。 但書、しかしながら、本法に規定するところは、その低い伍格又はサービスの提供、叉は設備の提供を買手のいつれか に対して行うことが、正に競争者の同等に低い価格叉は競争者が提供するサービスや設備に合致するためになされたもの であることを示すごとき明確なクースを反証としてあげる場合には売手をさまたげるものではない。L ﹁⑥ ︵省略︶⋮⋮代理商、仲買人手数料、その他の報償名目、その他値引割引等による同様の効果についての同様の 規定⋮⋮﹂
﹁⑰㈲㈲︵省略︶⋮⋮事例、関係者等適月範園の拡張規定⋮⋮﹂ ク〃イトン法は﹁不法拘束及び独占その他の目的に対する現行諸法を補充すべき法﹂と銘打たれていて、引用の条項は その︸部︵oロ㊦o.悼︶にすぎないが、原価計算に大きな影響をあたえたのはこの条項である。一方、連邦通商委員会法は連邦 通商委員会を構成するもので、委員会は往時の会社局bd罎①碧亀○。唇亀讐。塁の任務をある程度承継している。競争が実 質的に少くなったとか、独占の兆候があるとかの決定の問題は裁判所にまかされ、不適法不正競争との宣告を受けると委 員会が関係報告を集め、編纂し、時に応じて、組織、企業、統制、業務、 経営に亘って特定の個人、組合、会社︵銀行、 通常運輸、航空輸送業は除く︶叉は、他の個人、組合、会社を調査、捜査し、警告、中止命令等を発し、且つ法の侵害や命令 不服従の場合に検査し、よって得たる報告を公にすること、また会社を分類して、法の敷力を得せしめる目的で規則を定 める等の権限をあたえられている。しかしてその結果については連邦裁判所の所轄によって覆審されることになってい る。 委員会は常設機関であって、五人の委員を根幹として居り、多数の弁護士、専門家、検査員、事務員その他を雇い入れ ることが出来る。委員会の意見は極めて権威をもつていて、特に前掲条文に示されるごとく価格差を正当化するに原価差 をもつてすることがでぎ、且つ、その反証の責任は被告たる売手の側にあるといづ点が、配給原価計算の発達に大きな影 響をあたえたのではないかと想像されるのであるが、丈献によれば、ロビンソン・バットマン法によって修正されるまで のクレイトン法では﹁原価差の入念な計算は、最初に通過したままのクレイトン法の下では、ロビンソン・バットマン法 によってなされた修正が数力を生じて以来今日重要性をもつと考えられている程には重要とは考えられなかったことは明 白である。示されている五箇のクースの中の一箇を除いては全部棄却されたか喜吉会社の勝訴となったものであり、中止 命令が出されたと報告されている一つのクースでは﹃一つの市場で競争者を追い出すために﹂販売が原価以下で行はれ、 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 , 四五
配給原価計算の発達とトラスト禁止法 四六 且っ差別価格や原価以下販売よりはむしろこの目的が決定的要因であったようである。﹂ということである。 価柊差別℃旺8∪ぎ巳巳轟鉱韓の実施は独占の最も潜在的な武器の一つであって、小競争者をしめ出す目的だけで、一 時的に地方的に価格切下運動を展開することは大企業にとっては珍しい手ではない。クレイトレ法とその前の反トラスト 諸法は第一に大工業会社の独占的威力を抑制するために企図されたものである。集団的配給冒蝉器U蓉隊び暮ご昌が発生し の たことによって生じた聞題がまだ公的な注意を受けるに足る重要性をもつに至っていなかったのである。 ①出。。冨詳知蜜言霞⋮韓騨剛⊂ゆ謡b薯窪象図・ ②冒塁砿巴二三瓢.剛鶏ひ● ③自Φ爵①詳帥舅g二韓騨りこ。ホ 1 四ロビンソン・バットマン法 ロビンソン・バットマン墨守。二塁。㌣勺鉾臼窪田曽㍗=の。謙鐸汐鉾δ昌卜9は一九三六年に通過したもので、クレイトン法 が価格差別に関して徹底して適用出来ない点をもつていたことに対する修正法であった。即ち、クレイトン法は価格差別 に関する限り競争一般に対して重大な効果をもつた場合にのみ差別を禁ずるのであるが、個月の企業は決して競争一般の 侵警を自己の競争上の平等に対する侵害に於ける程には興味をもつていないので、 さらに一層の取締立法の要求が生じ た。この要求に応えて女の二点を要因として本法が提出されたのである。ω一九三〇一三五年の不況の結果としてあらゆ る部面に生じた大企業一般に対する憤激と、特にチェイン・ストアの急速な発生に対するそれ。②商取引実施一般の規制 を一層厳重にする必要、特に、大規模な配給に従事する会祉に関する取締の必要があるという議会側の信念。そして,不公 正取引を抑制することの好ましさは取引の大小にかかはらず今や一般に承認されているのである。 ロビンソン・バットマン法の一般的目的とは別に、その特別の目的は次のように概括される。
① 一定の分類の中に入るあらゆる顧客には統.一的取扱を保証する。 ② みせかけのブローカー料、手数料をなくする。 ③ 広告割引及びサービスの点での顧客の平等な取扱を確保する。 この法の主要部︵。。①。二竃︶はクレイトン法の修正法をひきついで居り、その要部は前項で示したから細部については次 項以下で必要な限りに於て引用することにし、ここでは.民事責任について引用して置かう。連邦通商委員会による中止命 令○魯。。①−琶qI号ω蓉。巳窪。。を受けることになり、⋮⋮合衆国巡回控訴裁判所により執行される。民事訴訟は攻の三つのい つれかによって提起される。ω合衆国地方裁判所検事総長により出される禁止命令請求。②同上に於て個人が提出する禁 止命令請求。③同右の提出する三倍損害賠償請求。の即け隔自貯Φ菖①蟄白9σq塁. 旧クレイトン法にならって構成された刑事条項︵㎝の。.G。︶は前条と極めて類似しているが、細部に亘っては若干の適用の 相違があることに注意しなければならぬ。本条に規定する一定の行為の禁止を犯した場合には最高五千弗の罰金又は一年 以内の懲役、或は、その併結を定めている。前述の損害賠償とともにシャーマン法以来存続している規定である。 次に協同組合Q8累差悪くΦb。。ω。9二一。塁については例外規定を設け︵mΦ。’心︶﹃その営業取引から生じる純益叉は剰余金を 組合員、生産者、叉は顧客全体叉はその一部に対して、組合より叉は組合を通じての購入や販売に比例して﹄返戻するこ と︵愛顧観当住貯。爵σ9Φ半腹ΩΦa︶を妨げないが、それ以外には協同組合の活動も全面的に本法が適用される。爾、一九三八 年の改正により非営利公共施設が自らの使用のために購入する揚合には適用されないことが明白となった。 ロビンソン・バットマン法こそは配給原価計算に対して決定的影響をあたえた条項を含んで居る。また好評の判例も多 いので項を改めて諸点を明らかにしよう。 ①国Φ鼻曾ご憩g唱0ま. 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 四七 −
配給原価計算の発達とトラスト禁止法 四八 周・︸勺舞g⋮..b8ε暮p暮団印aぴ。鼻、、阻8’ひ℃.ω8.︵跨。8§け冒㈹國。<器著く9・=︶ qoぎΩ・切ざ畠霞^爵のω㊦暮陣巴。。o隔O轟け吟。8ロ暮ぎ09..℃・⊆ρ心く。爾同書の註に法の参考丈献として毒.勺塑算羅毬.、自国①国。ぽ塁。腎勺騨暮旨碧 匪9.、ゆ。富影鳶。器・ゆΦゴ︾旨ぎ名㊦窪①︵国色8犀︶.“¢d⊆器ぎ①諺欝婁㊦切。三塁。ヤ℃慾当職βビ目白、.○鳳。猛q嵐く9勺器。・鉾が註記されている がこれを槍討ずる便宜は得れなかった。また、トラスト禁止法はクレイトン法以後一旦取締緩和の時期がある。その申で産業復興 法︵Z・目・國・b・︶がその絶頂といえよう。その失効後ロビンソン・バットマン法が制定された。 五 原価による抗.弁.︵判例︶ 嵐。墨書ω9けOo・○霧①は不法差別であると判.定された。即ち、 ﹁青票﹂塩について亥のごとき一種の量割引ρ舜⇔暮や 働営8弼暮を行った。 一車以下の買⋮⋮ クース宛 一・六〇弗 一車単位の買⋮⋮ 〃 ︸・五〇弗 連続十ニク月に五千ケース 〃 一・四〇弗 〃 に五万ケース 〃 一・三五弗 しかるに最低価格に該当したのは五つのチェーン食料品会社だけであり、総計四、〇四〇の買手のうち僅か五四の買手 だけがどれかの割引に該当する条件をもつことが出来た。会社は原価飾約によって正当化する立証を提出しようとせず、 この割引は全買手が利用出来るもので.差別ではないと主張したが、チェーンストアは右の割引によって安い小売値で売る ことが出来、それは卸商の買手が同じ製晶を合理的に取扱ってチェーンと競争関係にある小売店に売ることの出来る卸売 価格より安い小売価格にすることができる点を指摘したのである囮また委員会は量割引の資格を得るために別汝の買手を プールすることを許す処置を︸粗して非難してきており、加うるに購買組合の組合員の総購買に基づく割引、叉は代理商 ρ
ノ を通じて取引する数個の商社の購買を結合させた購買に基づく割引を認めなかった。このクースでは同様にしてチェ⋮ン の各単位の個汝の購買の基礎に立つのではなくて、総購買の基礎の上に立ってチェーン・ストア組織忙割引を認めたこと を攻撃して、成功したわけである。 大量の買手に対して割引を許すことは極てめ一般的な方法である。割引の型としては、上例のごとき量割引の外に仲間 割引、現金割引、特別割引等があり、上例では量割引が行はれたのである。この種の事件についてシャーマン法の適用の 項で述べたごとき結果に於ける取引拘束や独占成立の事実をもつて判決理由とすることは容易なことではないし、また被 告会社は抗弁し難いのである。前述の後半の見解はこの事件を判決する一つの論拠をあたえているけれども、被告会社と しては逃れ途が全々絶たれた場合とはいいえない。即ち、 ﹁割引全額が原価に於ける実際の節約に基いている﹂ことを会 社が立証しさえずれば結構正当化されたかも知れないと委員会も認めている。尤も四段階のうちのあとの二男階は累積割 引又はボリューム割引と呼ばれるもので、一定の期闇内に何回かの取引が累積して到達した取引量総額を条件とするもの である。したがって、毎回の取引の規模は大小様々であろう。 配達の方法も、集金費用その他信用条件も毎回限定されていないとすれば原価節約という基準をもつて正当化すること は一層困難であるという事情が存してはいるが、法の㈹項第一の但書、即ち、原価条項に対する委員会の態度が明瞭にさ れた点は注目すべきである。 ⑤ ⇔dぼ自騨oQ80器①は被告会社の提出した原価分析表が承認され、原価差による価格差が正当化されたものである。 ]w罵魁欝ω舅箇。80。<Φエ⇔σqω巴霧Q。暮9暮ぎ口は通信販売店の小売部に対しては他の小売店に提供したよりは低い価 柊で売ったので法に違反すると告発された。会社は次に示すような原価表を提出したのであるが、これによると普通の小 売店に対する配給費は純売上の四七・︸%であるに対し、通信販売店については一八・六%であることが判明し、ここに 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 四九
配給原価計算の発達とトラスト禁止法
脇一義
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ωド心ωc。 駆刈﹄ 薯漉﹀θ︾ ウ瓢瞭θ︾ 暫薄舞.aぐ1男蝉旗僑 ︵鵬暴︶ ぐ−辺購瞬赫 嵐粛潮謙蔚芦興圏罪卵e欝π 沖ぐi﹁奨麟備 ぐ1罵購蹴山 群悼・悌鋼 興磁凝翼眠難.聾盤爵麟蹴備 確勇懸晒礁 ぐ−手丸膳騰 吟轟制[﹂丑π凌C^蒔母 潟御許醐蝿勘θ三国堂 珀鼻翼謳・ッW三篠善醜 ・御母選日 差8N 時、ω巴 罫認。。 凋勇料ド慧蒔圃購 蓉μ熊π’圧禽蝉腓椿二八・五%の原価差があるので、価格で二〇%以下の差が生じることは正当である。 この表を検討するに亥の点が重要である。 ω 顧客別分析が用いられている。事件は通信販売店と小売店との閤の差別であるから、この明瞭にして単純な類型別 が役に立つ。 ② 配給費の分析を行って居り、原価の機能別分析に基いている。 ③ 原価項目別に直課できる限り直課した上で共通費は揚合に応じて適当な配賦率を用いて合理的に配賦している。 ㈲ 期閥額を用いて全般的な分析を行っている。 このようにして分析の方法については別段非難される点はなかった。委員会は原価計算の方式や割当基準について特定 の原則を準備していたわけではない。会社は顧客毎に検討してある種の原価から利益を受けない顧客は原価の割当を受け ず、受ける利益の割合に応じる割当を受けるという方針に従った。そしてこの熱情を明らかにするのは売手の義務である ⑦ と委員会は考えていると判断できよう。 この事件は委員会の成立の初期に当り、極めて興味がある。その他の後に掲げる事件に関して﹁原価割当基準が責任原 則國①。。ゼ。塁浮筥身魁oO霞ぽ①の上に、利益原則ぴ窪臥詳○且訂三〇βによる補強を行う﹂という表現がなされているのを見る。 論者の言う責任原則、利益原則というのは原価の配賦基準の基本的原則である。即ち、﹁原価を製品や部門に割掛る基本 的理論は、仕事や部門は責任ある原価について賦課さるべきであるということである。通例、こめ原則は直接原価に関し て作用するもので、時として間接費を割当てるのにこの原理を用いようとする試みが有力ではないが存する。しかし、一 般的には間接費は仕喜や作業に対して各原価から受けた相対的な利益に従って割当てられる。﹂といっているように、配 賦基準の合理的設定についての根拠を示すものである、 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 五一
配給原価計算の発達とトラスト禁止法 五二 幹諺言忌。嵩O農Φというのは裳。︹営雪暮。酸宝玉kO。・にガソリンを供給するに一ガロンあたり殆%の価格差異をつけ た。 売手は買手に販売促進費を割掛けていない原価資料をもつて正当化さうと試み、 その理由として同社は既成取引先 ①珍暮ヨ冨禽塑\。で、このサービスの必要がないという点を指摘している。しかし委員会はこれを却下した。 ﹁単一の勘定 例えば匿。翻卜暮。oQ唇b信09のごときが得られるか失はれるかによって、間接費の性質ある経費の一定の項目が、目に 見、兄て影響されることはないであらうという論拠に立って窯①駐Q9によって影響されぬように隔離しよとう企図した。 この種の項目を猛①房09の取引に賦課しない理由は、他のいかなる一小売サービス・ステーションの取引についても同 様に通用するのである﹂と委員会はいっている。 同様の認識し難い例、セールスマンの訪問の費用や、消費者広告の費用等に関するものが多数にある。 寓塁げ霞u。辞09の事件では、年間一万弗を超える買手に対して五%の割引をするという方法で価格差別がなされたの であるが、これは中止命令が出た。この量に上る買手に出荷するのにはこれ以下の量を買う人に出荷する燭魚よりも五% 安く原価が出るという証拠はなかったのである。そしてこのクースについて、 ﹁反対に割引の資格のない人からの個汝の 注文がより大量であることもしばしばであって、割引を許された顧客に送る場合よりはより低い原価︵多分売上金額あた りにはさらに低い原価︶で調整して出荷出来たようである。﹂事件の詳細は明示されていないが、一般に大手口顧客を優 遇する傾向は否定出来ない。 ヘ ヘ へ ﹁大量注文に値付けする場合、製造業者はかような注文が特大量であって、第一原価℃隊目Φ8。・けと間接費の小部分を カバーする価格で受注してもよい注置であると判断しがちである。﹂否、それを超えて ﹁過去に於ける多くの例では、大 手口に対してはその注文によってもたらされる附加的直接原価のみをカバーする価格が示された。またある揚合にはそれ 以下が示された。製造家は大口配給業者の取引には別の利益がついてくると考えたがるのである。例えば市場に於ける特
ウ 権が高まるとか、生産量の増加による全般的低原価生産とか、又は雇傭が規則的となることによって労働者が満足させら れるとかなど。⋮この取引を別の注文の重合を超えてその上に潜在的な量の附加をもたらすものと考える傾きがあった。 かくのごとくにしてその注手に割当ててしかるべき原価は全部その大量注丈がカバーすべぎであるということを至上命令
第二表
AII XKJeathsr Allstateサイズ
糸屯売渡f面木各.差額磐越濃霧縫よ
tl 50×21 $ 6,66 $4.04 $2.62 $2.01 4 75×19 5・25×21 6,00×21 7.71 10.68 14・75 4.60 3・ll 2.23 6,54 4・14 3.OI 9.II 5.64 4.43 $O.61 0.88 1.13 1・21 6. 00 ×21 $ 14.75 7−55 4.91 $ 12.46 $ 2.29 6. 00 ×21 $ 9. 11 8.06 0.48 $ 8.54 $ O, 57 Al] Weather 5.25×21 $ IO.68 5.57 3.38 $, 8・95 $ 1.71 AIIstaもe 5.25×21 $ 6.54 5.76 0.37 $ 6. 13 $ O.41 4.50×21 $ 6.66 3.39 2,29 $ 5. 68 $ O.98格転用価盆
価餐原利
渡 業売場給総営
純工配 純 配給原価計算の発達と+ラスト禁止法 4. 50 ×21 $ 4,04 3. or l O.28 $ 3. 79 $ O.2ro格価用価益
価原費原利
渡 業売場給総堂
純工配 純 とは考えなかったのである。 逆に、 提供価格は 。暮6悟b。爵霧8。・げ︵直接原価i筆者︶をカバーす れば、そして出来ればH般間接費にいくらかの貢 ⑫ 献がな山、Cれれば充分であると考えたのである。し しかし委員会はこの考え方に賛成しない。 ﹁売手 コ の操業度が顧客によって増大せしめられたことに よって結果した原価の全盲約に等しい額を、その 特定の顧客に対してだけ差別的に認めることを阻 止しようと考えている。⋮⋮﹂と上院法務委員会 は本法通過に先立って述べている。 今﹁つ参考になるダースを掲げて置かう。Qooq ︸品鱒7門生話切。Φび自。犀O帥砂①というのはGタイヤゴ ム会社がH社及び他の汐イや販売業者との取引に ついて差別価格を設定し、訴えられた事件で、調 査の結果R社には匪房婁♂のマークで安く売られ 五三O 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 五四 他の販売業者には通常のマークb昌≦㊧爵霞で高く売られていた製晶が全く同区の晶質であることが分つた。 工場原価は逆に前者の方が高く出ているけれども配給原価の賦課が相当に相違しているので売上総原価は前者の方が安 く算出されている。そして、後者には﹁広告費、販売費、間接管理費や、値引、取扱者特別配当、現金割引、販売運賃、 特別割引並に手数料、取替損、 貯蔵出荷費用をも含めた全配給原価を含む割掛﹂であったのに対して、 前者については ﹁配給費用の表題の下に含められた項目は貯蔵及び出荷の費用、取替損失、聞接管理費であった。﹂そして総原価に差あ らしめた原因の中で配給原価の割当の問題が決定的要因であるから、 右の点が重大な論点と見えるのであるが、 ﹁利益 ︵びΦ器馬営島oo富ドΦに於ける− 筆者︶が明確に追及できる配給原価についてある程度認めているようである﹂ というの である。この事件は差別取扱と断じて、中止命令を出されることになったのであるが、価格差は原価差を超えていること が目立っている。 HHΦO犀①犀ひ 勺■
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ピ節。聾器目⋮ヨ蜀。 勺ω刈刈 Oざ昂電帥毒①ぎ弓g⋮ 茅達↑勺.ω刈刈 国ΦO犀田け即冒ぢO目.ヨ一評勺■¢ραひ ℃ ∪冒ぎ①脳、δo馨bo8ロ暮冒⑩掌。昌臣冨封臥醜・..頃・δひ ク ℃。刈⊂ρ刈 六 配給胴原価計算の報告任務と法の要求点 配給原価計算が経営管理、配給活動の管理のため有効な計算七里として近時急速に発達したことは既に別の機会に論じ た。これは経営の内在的自発的要求に応じたもので、本源的役割であることはいうまでもない。しかし、以上の要求は大 なり小なり、また多少の特異性は存するもののいつれの国でも同じ事情にあり特にアメリカに限られることはない。今日 アメリカで配給原価計算が著しく発達したことは、右の事情に於て先ずるところあったという理由に加えて、反トラスト 法、特に反差別法が直接的動機となっている。即ち、価格に差違のあることが差別行為として法に違反となるか否かは極 めて微妙な問題を含んで居り、所謂﹁原価条項﹂ 8。。け冒。<ぎがあって数字的な規定をあたえて居り、被告会社は原価を もつて反証をあげることができるのである。法の要求に応じる原価計算、原価分析はいかなるものであるかを研究するこ とが課題となる。本項はこの視角から論じようとしている。竣にただ法に対して抗弁、反証するという消極的関連でなし に、積極的に法の許す範園で価格政策を樹立し、割引計画を設定する等の経営の自主的活動を指導する役割を果すことが 配給原価計算の発達をして本源的ならしめる。加うるに、一定の原則を立てて醜給原価計算を統一しようとする企図も存 する。これらについては次項をあてる。 ω 先づ配給原価計算が強く刺戟され、製造原価計算は・殆ど関係しないのである。法の規定にもその理由が窺えるし、 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 五五配給原価計算の発達とトラスト禁止法 五六 多くの例では価格差異を正当化するに充分な原価差は配給原価だけで見直される。それにもまして委員会の意向が製造原 価は平均すると考えていることに因っている。原価条項といわれる但書﹁⋮⋮当該買手に対して当該商品が売られる方法 叉は送達される方法、或は量の相盗に由来する製造、販売部は運送の猿価に相違あることによる当然の値引のみである場 合には、その差異を禁ずるものではない。﹂ とあるごとく製造原価に於ける差異も問題になるわけであるが、本丈﹁⋮⋮ 同等級品質の商品⋮⋮﹂に関するのであるから、 Φ8身①鴛タイヤゴム会祉事件に於けるごとく、工場原価に於ける差は とり上げられない。一般に差別原価︵成層原価︶ は考えないとすれば製造過程にあっては限界的思考を用いるなら附加的 製造となる注交をもたらした顧客と考えられるものであっても、この注丈による製造量増加がもたらした製造原価の低下 は、当該注文のみでなく全体の生産に平均さるべきである。委員会はこの点について的確な言明をしているわけではない が、上院法務委員会が法案説明の際に下した解釈を前に引用した。思うに限界原価に基く差別価格は大量一生産の長所を特 に限界的生産の上に集中的に反映せしめ、従ってその効果は増幅されるように計算上仕組んだ価格政策であって、これの 狙いはもともと平静にして平等な顧客の側に於ける競争を前提としているものでなく、法の想定する競争的経済とは凡そ 正面から衝突する。それに引きか、兄て、給配原価は同等級、晶質の商晶についても一々異るのが常例である。配給原価の 差異に基く価格の差異は許されなくてはならない。このようにして配給原価の計算に主たる関心が集中するのである。 ② 配給原価計算に対して商品別分析を要求している。法は﹁同等級、品質の商品﹂の揚合に関係しているのであるか ら、不可欠である。望雲量蚤ヒd話巳○器①で月単位以上のイーストの買手について十︸段階に亘りポンド計り二五セント から十四セントに及ぶ差等をつけていたのであるが、この価格計画が告訴されたとき大勢の入手を使って数ク月を要する 計算の結果提出された原価分析であったにもかかわらず、棄却される破目となった。その理由は別にもあるが、取扱製晶 が多種に亘り、分析が複雑を極め、ために攻撃を受けやすく正当化の効力に疑義の余地が多かったことがその一因であっ
たと思われる。切融衛卸ω。ロO器①が単純な品目であったのと対踪的で興昧がある。 Φ。。q器鴛Q霧。の異れるマークの二種のタイヤーが実質的には同晶種であって価格書判に問はれたことは商品別分析上 興昧が深い。 ③ 分析の結果は顧客、商品原価にまで及ぶべ・きこと。差別はある種の商晶について特恵的顧客叉は圧迫されている顧 客と、一般の顧客との間に行はれるのであり、その反証としての原価は顧客別にしかも製品、商聖別に求めなくてはなら ない。そのためにとるべき手続は竪結により異るであらうが、商軍器分析に顧客別分析を重ねるというごとき単純な計算 で達し得ることは稀であらう。販売のために必要とせられた事実を計算に反映せしめるためには夫汝の販売組織に合はせ て分析を進める必要がある。販売組織の基本組織、例えば地域別に先づ分析し、次でその下部組織、例えば販路経路別、 の 担当者別、運送方法別等に分析して、結果として顧客別、商聖別原価に達する。 顧客別は顧客グループ別とすべき場合がある。注文規模別、累積売渡薫別、運法方法別丁は顧・客グループ別の一変形で あって、一グループ内の個汝の顧客は無差別でなくてはならない。差別取扱の疑は一グループと他のグループ、一個の顧 客と他の顧⋮客の間に生じるのであるから、この分析の基準のとり方が最も重要な問題点である。 ゆ 原価は可及的に直課すべきである。⇔dマ9騨ω。ロO器Φの原価表で見られるごとく、責任原則騨霧b目巴び韓爵衛8曾陣琴 に従って、原価を生ぜしめた原因の所在、即ち、責任のあるところにその原価を負担せしめる方法、換言すれば直課する ことが最も望ましいのである。 委員会は原価の配賦基準について別段定まった態度をもつてはいなかったけれども、他のクースに覧ても同様の意向を 見せているが切ぼ臼昏oQo⇔O塁①ではこの点が極めて明瞭である。即ち、販売手数料、給料、賞与、旅費、倉庫費用のよ うに全部に割当てていない費用があり、また細部に亘って観察すると、費消に責任あり叉はその費用を要求する顧客グル 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 五七
配給原価計算の発達とトラスト禁止法 五ハ ープのみに割当てている。そして委員会はこの計算を承認しているのである。ある費用を特定の顧客にだけ負担させ、他の 顧客には負担させない計算はこのようにして、直接費の直課には許されているのである。これは当意のところであらう。 ⑤ 闇雲費の配賦基準を確立すること。同様のケースがφ8身屋7ω墨議國8ゴ。犀銘ω。で見られる。国8び⇔爵社はφ8・ 身㊦霞社の本来のマークb昌嵩①9月雪をつけずに購入したのである。卜=司霊昌零は広告費及び弛の販売諸費の利益をう けているので扇掛けを受けているのに対し、R社の購入したb房鐘ざはその必要なく売られるものであるから心掛けられ なかった。かくて原価には相当の開ぎが生じた。この事件は別の理由により中止命令が出されたけれども、委員会は配給 間接費の配賦については﹁会社に譲歩した﹂のである。二面費について利益標識び8二陣亀随言巳。⇔がとられるのは常道で
ある。乙Q鍵巳鎚幽。ロ。霧。で顧客乞。勢匪暮。o。ゴ薯嘱OPが既存の取引先であるという理由で一定の販売促進の原価を配賦 しなかった。N社は既存で﹂あるが故にこのような費用を必要としないというのである。しかし、委員会はこの原価正当化 を却下した。 ヘ ヘ へ ぬ 他の顧客のみに配賦する論拠は利益標識をもつて正当化しうるようであるが、 ﹁この種のサービスを必要としないであ らう同.類の既存顧客が他にも存した﹂ことが指摘されているからN社が受益しなかったことはよいとして、他の同類の顧 客は不当に割掛けられ、その額だけ差別が問題となる。﹁一個の勘定、N社勘定のごときが得られるか失はれるかによっ て、闇接費の性質ある経費の一定の項目が影響されることはないであらうという論拠⋮⋮は他のいかなる小売サービス・ ステーションの取引についても同様に適用出来るであらう﹂即ち、切接費の共通度、問接の程度が高いと受益の関係は慎 重に検討されなくてはならない。委員会が原価の配賦について確立してぎた方針は、原価計算の伝統を破るものではなく その態度が鮮明であればあるだけ、健全な発達に寄与するであらう。 ⑤ 限界原価嵩讐σ9ぎ巴8答霞b監冒一8巴8。・け的思考では固定費たる宣言費の配賦について上述の方式を採ることとは
対立的であるが、委員会は限界的思考を拒否しているようである。第五項に於て冒白け電U。畠09。霧①に関連して論じ たところである。 Gリ ダイレクト・コスティングの採用について、上述の諸項を通じて考えると、正当化しうる原価差の設定のためには 事実を反映するようにあらゆる販売原価が配賦されねばならないという結論が出るようである。これに対して、﹁委員会 はある種の間接費を全く除外する原価割当を承認するにやぶさかでないことを示したことがある⋮⋮︵幹導量鼠。凶。鋤。。① 詳細は省略︶⋮⋮即ち一般的目的のためには、配給原価の完全な配賦は、直接原価のみを配賦するより竜効果が少い揚合 が多いという見解と歩調が合っている﹂ ⑧ 分.析の期聞と原価の性格。分析されて委員会に弁護のため提出される原価は、特定の取引の歴史的経験的原価でな くてはならないという限定は存しない。しかし同種産業で算定された一般的原価というごときは通用しない。少くとも経 験された原価が特定の業者について算定されなくてはならない。そこで分析の期間が問題となる。告訴されている時期と 喰舞う期閥のものでは役に立たない。bdぽ山帥の。犀Q霧①では一九三六年一月から十月まで︵この闘七月に法が通過している︶ の十ク月に亘る期間総額を用いて計算している。問題の期聞に於ける個別的条件を反映していることが重要であるから、 分析の仕事はある程慶頻繁且つ継続的なものとなる。 国①爵Φ巨知、冒首窪⋮ヨ達。勺●こ。㎝O
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Uo<冨㊦旧琴監噛℃・刈ω刈国Φo飼Φ吋酔罰詮一9剛。ω㎝O ℃98冨⋮屋蜀。勺.ωω9ひ 国①o吋①詳齢]≦貯零鴇ま鉱・勺’こρひP⊆Q ク ℃・GO㎝CQ ]︶①<瞥δ ℃◎刈O唄 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 五九@@@@@
配給原価計算の発達とトラスト禁止法 ク 勺.樗 ]口Φo犀①犀酔沖冒一昌㊦嬬 ク ク ク 鴇甘蜀●℃・⊂心αcQ 剛・ω削cg 即。G。紹 憎●G。ひ⊆。 六〇 七 価格政笛丁えの㎞影型目と伽唯一制度 反証提出という消極的役割が配給原価計算の最終的任務ではない。法の禁止に犠馴しない範園で合理的価柊、政策を樹立 することが配給原価計算に期待されているところである。価格を定めるにあたって価格差別にならないで価格差をつける には、それぞれの風合の原価差を知らなくてはならない。原価差を超えない価格差は許されているからである。そして同 等級晶質の商晶の場合であるから、特殊な鉱質を除いて個別生産にはあまり関係がない。従ってこれは価格計画叉は割引 計画という形で取引に先立って事前的に設計されることになる。ここでは一例として割引の一形態たる旦里割引に付いて要 点を概説しよう。 ω 割引等級の段階は広くないことが望ましい。 ﹁割引等級が広いと⋮⋮同等級中の顧客の原価の平均は多分等級の境 域にある顧客を代表しないことになるであらう。そして、一等心中の最大の買手と次の等級での最小の買手の間に弁護し ② 難い差別が生じやすい﹂ ② 等級の境界に注意を要する。同等級中の顧客問にも問題が生じないことはないが、主として境界線上の両等級に属 する顧客聞が問題となるのであるから、顧客の分布の粗な部分を選ぶべきである。等級は必ずしも等簡隔を必要としない と考えられる。寓。蕊。⇔祓巴け090自。器の等級区分は最后の区分が飛躍的である。 ③各等級の原価構成が明確に判明していて、他の等級の構成とは的確な差をもつていることが必要である。この研究 のために原価分析が大いに役立つであらうと同時に、その等級に属する顧客えの醍給活動の実態を調査して明瞭な特徴を 把握するための流通機構研究が必要である。 ω 配給活動を類型化、標準化することが望ましい。量割引であるから等級は出荷量にて区切られているわけであるが 同出荷量の商品については同じ配給手続、サービスを行うよう組合せを決定することが望ましい。量を同じくすることを 指標として配給活動の同質性がある程度確立されていなくてはならない。 ㈲ 累積量割引︵ボリューム割引︶は好ましくない。右の理由により]定期問の累積量で区切るときは個汝の取引の同質 性が保証されず、従って小取引を頻繁に行って︼定量を累積した顧客と、大量取引をもつて達した顧客とでは原価は全く 異るからである。 罎。暮8の鷺け○塁①はこの点でも好ましくない。 ㈲ 合法的にして合理的な割引率︵額︶の決定。原価計算が主たる割引を演ずる。限界原価の適用については否定的で あること。個別企業の現在の条件を反映せしめる原価たること等。前項で論じたところである。 価格をスライディング・スケールにすることは通常行はれることであるが、その際の具体的方式は様々であって、これ を︸汝考察する余裕は存しない。典型的なものとして仲闇割引叉は機能割引首巴。Ωぎ。哲けがある。卸商と小売商とに別 の価格をつけるごときがそれである。尉ぽ幽鱒ω。昌○。○器①は好例である。 例 顧客の職能別等級区分は顧客の観念的分類にとらわれて実質的差異を見失い勝ちであるから注意しなくてはならな い。通信販売店、卸商、小売商というのは職能を標識とした区別ではあるが、実質的には取扱数量、運送方法、広告方法 決済期間と方法、販売員の販売努力、專務上の手数等種汝の点で差異が生ずるのであるからその実態をつぎとめて、㈹区 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 六一
配給原価計算の発達とトラスト禁止法 六二 分の定め方が前述のごとぎ明瞭に差異あること、 ⑭顧客をどの区分に属せしめるかを実質的に考慮する必要があらう。 呂。詳魯ω。犀○。・○霧①で委員会の態度について述べた通り購買組合やチェーン・ストアの結合された大量取引に対する割 引条件の適用を非難しているのはこの間の事情に該当すると患われる。 現金売と掛売を差別する現金割引や、F・0・B価格とC・エ・F価格が別であるというごとき条件別割引、地域差に ノ よる価格差のごときは処置しやすい計画であらう。 最後に配給原価計算の黒鼠えの功績について、委員会の首席経済顧問∪§国轟暮謎謎巴囲霞は、 ﹁委員会の発足以来進 んだ原価計算がこれによって唱道されつづけて来た。さらに、統一された原価計算が会計学の特殊な発達の中に数えられ ている。﹂ といっている。 ﹁委員会は常により良き会計のために、そして会計の統一的方法のために力をつくして来た。 多分この面では大蔵省を除いて、政府のどの局よりも大きな影響力を示して来た。﹂ しかし、この努力が次のような誤っ た方向に利用されないよう注意して来たのである。 ﹁かつて商業組合のあるものが委員会に原価計算統一計画の認可を受 けようとしたが、それは個汝の企業の正しい原価を示すために計画されたものでなくて、原価の要素のすべてをできる限 り等、しくしょうとするものであった。このようにして提出した最初の案のあるものは石炭業者組合のもので、トンあたり 投資の原価による実際の異れる率でもつて減価する代りに、統一平均額で減価を報告せしめんとするものであった。この 計画の明白な目的は全原価を実質的に同額とするにあり、より高く且つ等しい価格を可能ならしめんとする傾向をつくら うと期待していた。﹂という。 これを言うなれば反トラスト法を逆用して計算カルテルを構成せんとしているものである 委員会の統↓化は別の意味をもつている。例えば委員会は利子を原価に算入しない方針を指示しているのであるがその 理由は、 ﹁政府の研究機関での経済学者や会計学者の一般的見解であり⋮⋮会社局に・,軌って採用された。⋮⋮大戦中政府 庁局に入った職業会計入のグループの見解⋮⋮及び、最大にして最も良く管理された工企業、U・S・スチールとスタン
, グード・オイルを含む大会社では利子を原価に算入して居らず、会計スタッフは算入することに積極的に反対するしとい うのである。かような健全にして伝統的実践が強力に普及されているのである。 以上の二つの統一化は全く対踪的性格でありながら具体的には酷似して現はれることに注意しなくてはならない。 配給原価計算を発達せしめて合法的な価格差を設定することは、当該企業が価格差別の罪科に問はれることを避ける途 であるに止まらず、それは実に社会経済中で達成せられた原価の切下げを合理的に顧客に転嫁せしめ、正当に合理化の利 益に均零せしめることである。即ち、一企業の繁栄の手段にとどまらず社会の利益の確保を意味している。 別に委員会の努力が第一撃大戦中大多数の基礎的商品の.原価を知り得ることになり、政府の物価政策に貢献したことも大 ⑥. であった。 @ @・ @ (D @ C) 国Φ爵。暮二試急・勺・ωωα 以下に︸部従った。 ク ℃・こ。Oq・國。ぴ①暮暮・国お霞氏9一爵明として引用してある。、、臣80毒葺薦℃同。霞①目の b80口暮窪。団q茸㊦・一8c。・℃・心。。心氏は委員会のメンバーで、チェアー・マンであった。 頃oo匠Φ界齢寓9霧嚇墨蜀‘剛・GΩ㎝ひ U霧確零⋮ぎ一9℃・こρ刈cQ客・臣9Q・︾。団①騨目ぴooぎ一〇巴℃・一刈ひOoδ昌9乞。しd.Ω霧置F ⇔づエ。ぽ霞欝薯㊦澤唐①周嚇ま監.℃●GQ刈刈 ビ騨器窪旧ま錺酔頃●こ心刈O q同昏。目建︸①弱◎剛・b簿..qo口屑阜鑑。隔 配給原価計算の発達とトラスト禁止法 六三