計画的市街地区における密集住宅街区の土地・建物の更新特性に関する研究 [ PDF
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(2) を設定し、これを調査対象地区とした。両町丁におけ る重点調査街区は図 1、図 2 に示す。 非木造 住宅 非住宅 駐車場 未利用地 幅員 6m 以上道路. 1-2-2. 研究のフロー 本研究は図3に示す研究フローに従って行う。. 42 条 2 項道路 幅員 4m 以上 6m 未満道路 「計画的市街地区」35町丁. 公図 住宅地図. 道路台帳図(1:500) 基本図(1:2500). 建築審査課 資料閲覧 (S52-H14). 現地調査. 航空写真 ('79,'84,'89,'94). 登記簿要約所 データベース. その他の道路 建築基準法上道路と 見なされない道路. ▼. 図 4 八幡東区 竹下町. ▼ 八幡東区竹下町(旧法期区画整理地区) 戸畑区千防3丁目(耕地整理地区) ▼. ▼. 住宅 非住宅. ▼. ▼. ▼. ▼. 物的現況. 空地の経年変化. 建物の更新状況. 土地・建物の 所有特性. 非木造 駐車場. 未利用地 幅員 6m 以上道路 42 条 2 項道路 幅員 4m 以上 6m 未満道路 その他の道路 建築基準法上道路と. ▼ ▼. 見なされない道路. 図 5 戸畑区 千防 3 丁目. ▼ まとめ・今後の展望. 表 3 調査対象地区の物的現況指標. 空地率 (%). 図 3 研究フロー. 建蔽率 (%). 空隙率 (%). 木造建物 接道不良建 建蔽率 物棟数率 (%) (%). 2. 調査対象地区における土地・建物の実態 2-1.調査対象地区の物的現況. 竹下町. 10.7. 63.1. 26.2. 58.0. 17.0. 八幡東区竹下町及び戸畑区千防3丁目における物的. 千防3丁目. 17.0. 49.4. 33.6. 43.7. 18.4. 現況を把握するため、全可住地面積に対する、空地率、 次に、 両地区の木造建物建蔽率についてであるが、 竹 建蔽率、空隙率(建物間の隙間、庭、公園等の総面積 下町 58.0%、千防 3 丁目 43.7% となっており、表 3 に示 の可住地面積に占める割合)、木造建物建蔽率、接道不. した可住地に対する建蔽率の数値と比較してみても、. 良建物棟数率、以上の値を割り出した。ただし、ここ. 地区内における建物のほとんどは木造建物であること. での接道不良建物棟数率に関しては、 無接道の筆及び、 道路に2m以上接していない筆に建つ建物、法42条2項. が分かる。 また、接道不良建物棟数率に関しては、両地区にお. 道路を除き、幅員 4m 以上道路に接さない筆に建つ建. ける街区が4m以上道路、及び法42条2項道路に囲まれ. 物、また、幅員 4m以上道路に接していても接道面から. ているにも関わらず、竹下町 17.0%、千防 3 丁目 18.4%. の奥行きが明らかに深いと思われる建物を接道不良条. と極めて高い割合となっており、街区の奥行きの深さ. 件とする。また、竹下町においては地区西部において. を表している。. 都市計画道路のために街区端部が工事中であるので、. 2-2.調査対象地区における空地の経年変化. 今後の算出においてはこの箇所を可住地面積から除外. 調査対象地区における空地化の動向を把握するため、. して算出を行う。. 2002年における現状を基準として、建築基準法に地区. 両地区は図 4,5 に見られる様に、空地の存在が目立. 計画制度及び新耐震制度の導入が図られた1981年前か. つが、全空地の内、駐車場の占める割合は、竹下町. らの航空写真(1979、1984、1989、1994)をもとに、各. 87.8%、千防 3 丁目 82.8% となっている。また、これら. 年における地区内の空地率、建蔽率、空隙率の割合を. 駐車場により住宅地としての街区形状は不整形なもの. 調べ空地の経年変化を追った。 (図 6, 図 7 参照). となってしまっている。. また、利用地から空地へ、空地から利用地への 47-2.
(3) 変化に伴う面積の増減の算出手続きとしては、 1宅地に. 単位での土地・建物の特性を分析する必要がある。. おいて、宅地利用時の建築面積と空隙面積を足したも のを空地面積としている。 分析の結果、両地区において地区内における空地率. 100%. の割合が年々増加傾向にあることが見て取れた。竹下. 90%. 町においては、なだらかに空地率が増加していってい. 80%. るが、1994年から2002年の間に比較的急激な空地の増 加が見て取れる。また、千防 3 丁目においては、1984. 60% 68.4%. かった。. 30%. 3.調査対象地区における建物の更新状況. 20%. 竹下町、千防 3 丁目の現状を基準とした建物更新履. 10%. して、一街区における空隙率、空地率、無更新建物建 蔽率、更新建物建蔽率を算出し、各街区における更新 状況の比較を行った。(図 10, 図 11 参照). 5.6%. 1994 5.6%. 68.4%. 67.5%. 67.5%. 2002 10.7%. 空地率. 63.1%. 建蔽率. 空隙率 27.4%. 27.4%. 26.9%. 26.9%. 26.2%. 0%. 図 6 竹下町の空地の経年変化. 区における新築及び、増改築の更新のあった建物を地 分析にあたり、対象地区における各街区を一単位と. 1989. 50% 40%. 図上にプロットし分析を行った。 (図 8, 図 9 参照). 1984 4.2%. 70%. 年後から空地率が急激に増加していっていることが分. 歴を把握するため、建築審査課のデータを用い、各地. 1979 4.2%. 1979 100%5.9% 90%. 1984. 1989. 6.7%. 1994. 11.8%. 2002. 17% 17.5% 17.0%. 80% 70% 60%. その結果、両地区における街区毎の更新率や空地率. 50%. についても、その様相は街区毎に異なっていることが. 40%. 分かった。そのため、より詳細な土地・建物の更新特. 30%. 性を述べるには、各街区における筆. 20%. 59.6%. 59.0%. 54.2%. 49.1%. 49.4%. 空地率. 建蔽率. 34.5%. 34.3%. 34.0%. 33.4%. 空隙率. 33.6%. 10% 0%. 図 7 千防 3 丁目の空地の経年変化. ①. 街区番号 ①. ④. ②. 90%. ○●新築. 80%. ⑤. ②. 60%. ④. ⑥. ⑤. 20.4% 31.7%. 29.8%. 20.9%. 21.7%. 空隙率. 4.9% 26.7%. 17.0%. 15.2%. 3.2%. 空地率. 50%. 駐車場. ⑥. 28.5%. 70%. 下図参照. ③. ③. 100%. 40%. 未利用地. 30%. 57.6%. 47.4%. 47.5%. 19.7%. 16.4%. 61.2%. 更新建物建蔽率. 20% 10%. 図 8 八幡東区 竹下町. ①. 無更新建物建蔽率. 41.8%. 43.8%. 10.7%. 10.7%. 11.1%. 12.2%. 0%. ③ ●. 図 10 八幡東区 竹下町. ⑤ 街区番号 ①. ○●新築. ②. ● ●. ●. ● ●. 1977-1980 年に建. 90%. 28.4%. ④. ⑤. ⑥. 25.2% 38.6%. 80%. 築確認申請が提出. ● ●. ●. されたもの. 22.5%. 30.0%. 40% 30%. ● ●. 築確認申請書が提. 10.3%. ● ●. 出されたもの. 31.9%. 28.5% 29.9%. 7.2%. 0%. 空地率. 2.0%. 33.3%. 33.3%. 20% 10%. 空隙率 53.6%. 50%. 1981-2002 年に建. 37.6% 46.7%. 70% 60%. ⑥. ③. 100%. 18.5%. 19.8% 16.9%. 14.8%. 22.5%. 18.0%. 21.9% 8.1%. ●. 駐車場. ②. ④. 未利用地. 図 11 戸畑区 千防 3 丁目. 図 9 戸畑区 千防 3 丁目. 47-3. 無更新建物建蔽率 更新建物建蔽率.
(4) 4. 調査対象地区における土地・建物の所有特性. 表 4 両地区の土地・建物の所有特性. 八幡東区竹下町、戸畑区千防 3 丁目両地区における 街区 番号. 筆単位での土地・建物の特性を分析するため、法務局 保管の公図、登記事項要約書、さらに 2002年の住宅地 図をもとに、両地区における筆の所有形態の把握を. 竹 下 町. 行った。 筆の所有形態としては、 ① 「同一者によってまとまっ た土地として所有されている筆」、②「不在地主が所有. 千 防 3 丁 目. している筆」、の2形態。また、所有者位置情報として、. 筆の所有形態. ① 不在地主所有の筆 在住地主所有の筆 不在地主所有の筆 ② 在住地主所有の筆 ③ 不在地主所有の筆 在住地主所有の筆 不在地主所有の筆 ④ 在住地主所有の筆 ⑤ 不在地主所有の筆 在住地主所有の筆 不在地主所有の筆 ⑥ 在住地主所有の筆 計 不在地主所有の筆 ① 在住地主所有の筆 不在地主所有の筆 ② 在住地主所有の筆 ③ 不在地主所有の筆 在住地主所有の筆 不在地主所有の筆 ④ 在住地主所有の筆 ⑤ 不在地主所有の筆 在住地主所有の筆 不在地主所有の筆 ⑥ 在住地主所有の筆 計. 筆数 (筆). 6 0 4 2 9 11 4 8 3 3 8 15 73 25 35 16 29 19 36 12 18 4 7 4 3 208. 大地主 大地主 所有 所有筆 筆数 総面積 (筆) (m2). 2 3249.9 0 0.0 2 2462.4 0 0.0 2 1312.8 0 0.0 2 2638.9 0 0.0 2 2913.4 1 1276.9 1 1854.5 0 0.0 12 15708.8 1 1004.3 1 596.2 2 1535.9 1 657.1 0 0.0 2 1890.2 1 733.1 1 1476.0 0 0.0 0 0.0 1 698.9 0 0.0 10 8591.7. 大地主所有筆の 各筆の面積 更新建物 空地数 (m2) 棟数 うち大地主所有筆に (宅地) (棟) 属するもの ①. ②. 1092.8 0.0 1526.9 0.0 765.4 0.0 1268.3 0.0 2320.7 1276.9 1854.5 0.0. 2157.1 0.0 935.5 0.0 547.4 0.0 1370.6 0.0 592.7 0.0 0.0 0.0 15708.8 0.0 0.0 704.3 0.0 0.0 1384.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 8591.7. 1004.3 596.2 831.6 657.1 0.0 505.8 733.1 1476.0 0.0 0.0 698.9 0.0. ① 4 0 3 0 2 3 2 5 4 2 0 7 32 7 15 4 8 5 15 4 16 1 6 1 0 82. ② 0 0 1 0 0 0 1 0 2 1 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 0 0 0 0. うち大地主所有筆 に属するもの ①. 2 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 9 0 0 2 0 0 1 0 0 0 0 0 0 7. 3 0 0 0 4 2 1 0 3 2 1 1 17 7 1 6 5 4 2 0 1 1 0 3 0 30. うち駐車 うち大地主所有筆に 場数 属するもの (宅地). ② 0 0 0 0 1 0 0 0 2 2 0 0 2 1 1 1 0 1 0 1 0 0 2 0. ① 2 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 9 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 10. 2 0 0 0 2 1 1 0 3 2 1 1 13 5 0 5 5 3 2 0 1 1 0 3 0 25. ② 0 0 0 0 1 0 0 0 2 2 0 0 1 0 1 1 0 1 0 1 0 0 2 0. 2 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 9 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8. 「同一の所有者および姓のみが同一の所有者と一致する. (地主41.2%在住地主11.7%)、千防3丁目33.3%(不在地. 所有者の位置」、の 3 項目を用いて両地区における土. 主 20.0% 在住地主13.3%)、空地数に占める駐車場数の. 地・建物の所有特性を把握した。ただし、地主の在・不. 割合については、竹下町69.2%(不在地主 53.8%在住地. 在の定義としては、調査対象地区における1筆の所有. 主 15.4%)、千防 3 丁目 32.0%(不在地主 20.0% 在住地主. 者が同一町丁内及び隣接する町丁内に住んでいない筆. 12.0%)となっており、竹下町においては大地主が、千. を不在地主が所有している筆とし、住んでいる場合は. 防3丁目においては筆面積500m2 未満の筆の所有者が、. 在住地主が所有している筆として捉えた。. 宅地を駐車場として利用している割合が大きいことが. その結果、 両地区における筆の所有形態としては、 同. 分かる。さらに両地区において、不在地主の占める割. 一者によってまとまった土地として所有されている筆、 合が大きいので、駐車場としての利用は不在地主所有 及び不在地主が所有している筆、の存在が顕著に見ら の筆上で行われやすくなっていることが分かる。 れた。また、まとまった土地として所有されている筆. 5. まとめ. においては、道路をまたがって隣接する街区の一部を. 以上のことから、土地・建物の更新特性として、1). 含めてまとまった土地を所有している形態も見られた。 抽出された計画的市街地区においては年々空地の割合 次に、両地区における不在地主所有筆、及び在住地. が増加傾向にあるこというと、2)街区毎に建物の更新. 主所有者筆上に立地する、街区毎の筆数、大地主所有. 率や空地率は異なるということ、3)建物の更新は大地. 筆数及び筆面積、更新建物棟数、空地数、駐車場数を. 主上の筆よりも500m2未満の筆において行われやすいと. 把握し分析した。 (表4参照)筆数に関しては、複数の筆. いうこと。4)駐車場としての利用は不在地主所有の筆. が①に属する場合は、複数の筆を1筆として換算した。 上で行われやすいということ。以上の事柄が明らかに さらに、道路をまたがっている場合には両方の街区に. なった。. 筆数 1 を加えた。また、大地主所有筆の定義としては、 今後は、宅地の分筆・合筆の経緯を追い、どのよう 1筆あたりの面積が500m2を超えるものを大地主所有の. な過程で現況に至ったかを把握することで、計画的市. 筆と定義した。. 街地区における土地・建物のより詳細な更新特性を得. 分析の結果、竹下町における大地主の平均面積は、. ることができると考える。. 1309.1m2、千防3 丁目は 859.2m2 となっており、竹下町 には 1000m2 超える筆を持つ大地主が千防3丁目よりも 多く存在していることが考えられる。また、両地区の 全更新建物棟数に占める大地主の更新建物棟数の割合 は、竹下町 28.1%(不在地主 25%在住地主 3.1%)、千防3 丁目8.5%(不在地主6%在住地主2.5%)となっており、地 区内における建物の更新は、大地主の筆上ではあまり 成されていないことが分かる。さらに、空地数につい てみてみると、それぞれの占める割合は、竹下町52.9%. 謝辞 調査にあたり、北九州市役所建築都市局住環境整備課、建築審査 課、および福岡法務局(北九州支局、八幡出張所)にご協力いただ きました。ここに記して感謝いたします。 参考文献 ※ 1 平成14 年度修士論文「GIS を活用した市街地住環境データベース の構築と住環境評価ー北九州市におけるケーススタディ」 賀来郁子 ・平成 12 年度修士論文「旧法規土地区画整理施工地区における住宅・ 宅地の更新過程に関する研究」 谷本卓也 ・計画系論文集 NO.500 P.119 1997 年 10 月 主題「旧法期土地区画 整理事業における街区標準及び各地標準と換地処分時の計画実態」 副題:旧法規における地方先進型土地区画整理事業に関する計画史 的研究 その1 池添昌幸 竹下輝和 ・計画系論文集 NO.516 P.107 1999 年 2 月 主題「旧法期土地区画整 理事業の計画変更過程」副題:旧法規における地方先進型土地区画 整理事業に関する計画史的研究 その2 池添昌幸 竹下輝和. 47-4.
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