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視聴覚教材を利用 した授業設計

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Academic year: 2022

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(1)視聴覚教材を利用 した授業設計 石. 田. 敏. 子. は じめ に この10年 間 に 日本 語 教 育 を取 り巻 く環 鏡 は 箸 し く変 化 した 。 日本 語 教 育用 視 聴 覚 教 材 の数 も増 加 しっっ あ る。 視 聴 覚 教 材 が 主 と して 論 じ られ る領 域 で あ る教 育 工学 の 分 野 は・ 技 術 の 発 達 に伴 う教 育 用機 器 の開 発 につ れ て,め. ざま しい 発 展 を とげ て い る。 一. 方,外 国語 教 育 の分 野 で は,新 しい教 育 理 論 に基 づ い た 種 々 の教 授 法 が提 唱 され,そ. の効 果 が論議 され て い る。 この よ うな現 状 をふ ま えて,目 本 語. 教 育用 視 聴 覚教 材 を どの よ うに活 用 した ら よい か を考 え てみ た い。 語 学 ラ ボ ラ トリーや テ ィ ー チ ン グマ シ ン,CAI等. が 出 現 す る よ うに な. って か らは,教 育 メ デ ィ ァ,教 授 メデ ィア,教 育 機 器 とい った用 語 も使 わ れ て い る が,こ. こで は,実 物 も含 めた視 聴 覚 的 表 現 手 段 で構 成 され た教 材. とい う意 味 で 「視 聴 覚 教 材,の 語 を使 用 す る。. 1.新. しい 外 国 語 教 育 と視 聴 覚教 材. 外 国語 学 習理 論 は・ 行 動 を刺激 と反 応 の結 合 とみ る行 動 主 義心 理 学 に支 え られ た 口頭 習 慣学 習理 論 か ら・ 人 問 の理 性 に注 目す る認 知 主義 心理 学 に 基 づ い た認 知 主 義学 習理 論 へ と移 っ て きた 。後 者 は,意 味 の学 習,コ. ミ目 ユ. ニ ケ ー シ ョンの 技 龍,学 習者 の 自発 性 を重 視 す る。 そ の結 果,学 習者 は何 を云 い た い の か,学 習者 を 緊 張 か ら開放 し,学 習 を楽 し ませ る に は ど うす れ ば よい か が 強 調 され る.具 体的 に は,「 概 念」 に 基 づ い た 学 習 項 目 の 蔑 列,応. 答 形 式 や ロー ル プ レイ を中心 と した ドリル,学 一1一. 習 者 が主 体 とな.

(2) り,教. 師 は 脇 へ ど い た 教 授 法 と い っ た 形 を と る 。CommunityLanguage. Leaming,サ. イ レ ン ト ・ウ ェ イ7テ. ジ ヱ ス トペ デ ィ ア 等,い. わ ゆ る伝統 的. 教 授 法 の 枠 を こ え た 新 し い 教 授 法 の 提 唱 者 が 心 理 学 者 や,精. 神 病理 学 者 で. あ っ た りす る 点 も注 目 され る 。 こ れ ら の 教 授 法 に つ い て は ・ 日本 語 教 育 の 分 野 で も紹 介 さ れ て い る の で,こ. こで は基 盤 とな っ て い る考 え方 や 手 法 の. 説 明 は割 愛 す る。 こ れ らの 新 しい 敦 授 法 は,何. を ど こ ま で 教 え る か と い う、 点 に 関 して は ま. だ あ ま り明 確 に し て い な い 。 し か し,そ は 可 能 で あ り,実. の 手 法 を 部 分 的 に 取 り入 れ る こ と. 践 例 も 見 られ る 。 こ れ ら の 教 授 法 に 共 逼 して い る の は,. 学 習 者 が 教 室 活 動 の 主 体 と な る こ とで あ る 。 こ の 点 で 視 聴 覚 教 材 の 果 す 役 割 は,従. 来 と は 変 っ て き て い る。 これ まで の 視 聴 覚教 材 は 提 示 や 文 型 練. 習 の キ ュ ー を 与 え る た め に 主 と し て 用 い られ ・ 教 師 の 用 い る も の で あ 凱 学 習 者 が 受 け 身 に な る 懸 念 が 強 調 され て き た 。 今 後 の 語 学 教 育 で は,従 の 役 割 を 果 す 視 聴 覚 教 材 の 他 に,小. 規 模 な,し. か し,多. 学 習 者 に よ っ て 使 わ れ る よ うに な る で あ ろ う,ま. た,大. 来. 様 な視 聴 覚 教 材 が 規 模 な教 材 を学 習. 者 自身 が コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 行 う手 段 や 助 け と し て 使 用 す る 方 法 も 考 え ね ば な ら な い で あ ろ う3 ス ラ イ ドを使 用 す る ヲ'ン ・ク ル ー(ク レ デ ィ フ 〉方 式 に 対 す る ス テ ヴ ィ ッ ク(1979,P,186)の. 批 判 は コ ミ ニ ニ ケ ー シ ョ ン 技 能 の 習 得 を 目 的 と し,学. 習 者 が 主 体 と な る教 授 法 に お け る視 聴 覚 教 材 の あ りか た を 明 確 に 示 唆 して い る。 「ほ と ん ど全 部 の ユ ニ ッ トで 行 わ れ る こ と は く,む. 「昼 食 を と る こ と」 で は な. し ろ 「い つ か 実 際 に 昼 食 を と る と き 必 要 に な る か も し れ な い 語 い や. 構 文 を 使 っ て,フ. ィル ム ス ト リップ の 中で 昼 食 を と って い る人 た ち につ い. て 話 す こ と」 で あ る 。 最 終 の ス テ ッ プ で さ え も・ 教 師 が 学 生 に対 し て す で に 大 体 説 明 した シ チ ュ エ ー シ ョ ン を 実 演 さ せ る の が 普 通 で あ る 。 学 生 の パ目 一 ソナ リ テ ィ の 非 学 問 的 部 分 か ら出 て く る 関 心 を 投 入 す る 余 地 は ほ と ん ど な い よ うで あ る 」 一2一.

(3) IL教. 育 工 学 と 日本 語 教 育. 日本 語 教 育 で は,何 を教 え るか に つ い て は か な り研 究 が す す め られ て い る。 しか し7ど う教 え る か に関 して,科 学 的 な ア プ ・一 チ が な され て い る とはい いが た い。 例 えて い うな らば,ボ ー ル 投 げの ボ ー ル に つ い て の 研 究 は な され て い るが,投 げ方 や 受 け取 り方 につ い て の 実 証 的 研 究 が な され て い ない 。 こ の意 味 で,教 育 工 学 の 分 野 にお け る次 の よ うな 考 え方 は,今 後 の 巨本 語 教 授 法 の研 究 や 実践 に とって も参 考 にな る と思 われ る。 1.授. 業 設 計 と授 業 分 析. 教 育 過 程 の設 計,実 施,評 価 が教 育 工 学 の 中心 的 課 題 と され ・ 授 業 改 善 の た め の種 々 の技 法 の開 発 が研 究 され て い る。 教 授 学 習 過 程 を全 体 的 シ ス テ ム と して と らえ,そ の過 程 にか か わ る諸 要 素 を分 析,検 討 し,目 標 にそ 図表1教. 1提. 示 惰 報提示. 1教 反応制御 評. 価 *. 師. KR. 受. 東工大. 坂元研. 目擦提 示,内 容 提 示,資 料 提 示,説 明,演 示,実 験. 喚. 起, 発 問(問 い か け,質 問),指 名,問 あ い,反 応 要 求. 統. 制i指. 示,誘 導,注 意,合 図. 診 断 ・評 価. 診断. 知 的KR. 肯 定,否. 情 的KR. は げ ま し,賞 賛,皮 轟 しか る. 容, 受. …生. 授学習過程評価視点表. ド容i見. 評価. る,聞. 定,承. 認,助. く,考. 言,ま. とめ. 肉,反 省,無 視. お わび,冗. え る. む,書 く,話 し合 い,実 験,操 作(計 算),単 純 i処 理 反 応i 読 行動. 反. 応. 発表,表 現 読 み,演 示 実 験 発表 要 求,質. 問. 感情表現. 徒 評. 価. *KnowledgeofResults. 確 認,了 解 の 反 事(挙 手),訂 正,反 省 .行 動 の 結 果 に つ い て 知 る こ と 。 学 習 者 の 反 応 の 正 否. を し らせ るこ と。 一3一.

(4) 探 ■ 者. 情 轍 』口 菩 1」く. .応 反 制 御 H'i'. 授 学 習過 程 評 価 グ ラフ ←一●旨o面 く 教育実習生>一一. ステ・ ノフ1エ5晩IIi5吻 敦 材 擾 示 KRI. 統. 制li軌. 喚. 起iI. 詳. 価iI. 受. 容:β. 理. 情 戟 処 無i・. 習. 反 一,喜. 反1』. 者. 評 価. 確. 一. 質. Pノ. 。1. ?【目 報処. イ面. 学. ←. 一目. じゾ. 認1『Ii. ・ 』ユ 1∫目 鱈. (ベ テ ラ ン教 翫ウ ウ ¢■ 〇 ■ 一〇. H. 5. % ひ. 了L■I. フ ツー テ ス. 目. つ1目 φ ー づ. O? ー. ■一II■■■. 制 起 価 容 理 応 認. 統 奥 評 受 情 反 確. I ﹁. 一. RK. 処. 示. 提. 報. 教. 目■目 材. 1■. 昧. 意. 無. 琉監 遁 旧 小年. 晶月 舌⁝ Tr ゴ 浄. 誉 責̀目 項 情鞭 提示戻応制御 評価 博報処理 .民 一r5 平面 価 ア 習. 者 敦 推 者 評. I 1 I1. 1. 言睡 廻 教. . I ■ 1 ・. 図 衰2教. (大塚 明郎1977 P.92,93). づ て これ らの要 素 を再構 成 す る。 この手 順 を設 計 と呼 ぶ 。視 聴 覚 教 材 の 選 定 と位 置 づ け も教 育過 程 全 体 の流 れ の な か で行 われ る。 評 価 問 題 も設計 の 段 階で あ らか じ め作 成 し,学 習 が終 った とき,そ れ に答 え られ る こ とを 目 、 標 の な か に含 め る。 授業 の 目標 は た ん な る ス ロー ガ ンで はな く,具 体 的 で な け れ ば な ら な い。学 習 終 了 時 に形 成 され るぺ き学 習者 の 行動 を 明確 に記 述 す る種 々 の技 法 が 目標 分 祈 と して研 究 され て お り,教 科 内 容 を重 視 して 目標 分 析 をす目 る も似. そ の技 術 に熟 達 した者 め行 動 を細 か く分 析 して学 習 の 目標 とす べ き. 要 素 を と りだす もの な どが あ る。 目本 語 教 育 で は,多 様 な 学 習 者 を対 象 と して い る とこ ろ か ら1ま ず,学 習者 の 二 一 ズ分 析 を行 い,そ の 結 果 に基 づ い て 目標 を き め,授 業 過 程 を設 一4一.

(5) か らや さ しい 順). 23749165108. P曲線. 〇. 一6 6. 一. 1. 〇. 1. ‑. 1. 0. 1. 9. 0. 1 0. 斜. 1 曹1. 0. 0. G. 0. 5 5 5 5 4 4 3 2 1. 〇. 1. 難 ⁝ ⁝ ⁝. 1. 0 一〇. 1. R︾ 7. S =曲 線. 1. 1. (得 点 の 高 い 晒胆 ). 正答 数1211ユ. 0. 1. 生 徒. 5 9 4 1 0 2 1 4 1 1 3 6 5 1 3 8 2 1 正 1 1. 7h11!1111111S. ﹃ 一9. の例. 響. A・S‑P表. 問題(左. P. 窒)). 藩. は 佐 藤 隆博. 1982,P.12,13よ. ㍊蒲羅 牒. 図 表3S‑P表(図. 〔)9887654. ﹄. ノ ゲ. B、 曲線 の典 型 的 パ ター ン. s曲 線 ノ ! ,' ''. !'P曲. 線 ! ノ!. '! ノ1. !. ' ノ Pノ !. !. 6. ノ. ㈲. (巳1. (a) 平 均 正 答 率50%前 後。 正 答 率 は80‑20%程 度 に分 布 。 正 規 分 布 に近 い 。 標 準 学 力 テ ス ト,. (b〉 平 均 正 答 率5D%前 後。 達 成 度 の高 い 問 題 か ら低 い 問題 まで, 達 成 度 の高 い 者 か ら低 い者 ま で一 様 に分 布。 達 成 度 の個 人 差 の識 別 に便 利 。. 実 カ テ ス トに 多 く見 られ る型 。 一5一.

(6) S S. ノ. !P '. ノ ,'. 一. ''. ノ'. ''. '. '. ー. ,'. P," ," lcl (c) 平 均 正 答 率70‑75%。. '. ld) (d) 少 数 の 問題 の. 平 均 正 答 率80%前. 達 成 度 が急 に 下 が る、 大 部 分 の者 の. 後 。 極 く少 数 の. 者 の 達 成 度 が 低 い 。 プ ロ グ ラ ム学 習 な ど に見 られ る型 。. 達 成 度 は平 均 点 の前 後 に集 中。 一 部 の下 位 の者 の達 成 度 が急 に低 くな っ て い る。 S ノの. ''. !'P. ,"P. ア' ‑ 1 ,. S. 一'. '. ''. ノ. , ノ. 回. lfl. (e) 平 均 正 答 率60%前. (o 平 均 正 答 率25%前. 後。 極端 に達 成. 度 の 高 い 問 題 と低 い 問 題 とび あ る。 好 ま し くない 例 。. 後 。 達 成 度 は非. 常 に低 い。プ リテ ス トに 多 い型.. 計 しな けれ ぱ な らな い で あ ろ う。何 を ど こま で要 求 す る こ とを 目標 とす る か,明. 確 に 記 述 して お く こ と び 必 要 で あ る 。 例 え ば 「こ そ あ ど」 の 習 得 が. 最終 目標 で あ っ た と して も・ 現在 日本 で行 われ て い る 一 般 的 教 授 法 で は・ 6.

(7) 最 初 の授 業 の 目標 は・ 「短 文 中 の これ は・ そ れ は,あ れ は の 基 本 的 な 使 い 方 の違 い を理 解 す る。 口頭 で 使 い分 け が で き る 。 これ を使 って 口頭 で 質 問 に答 え られ る。」 程 度 とな るで あ ろ う。 授 業 分 祈 の技 法 と して は,坂 郎,隻977他)。. 元 昂 らの開 発 した相 関分 析 が あ る(大 塚 明. これ は,教. 師 と学 習者 の授 業 中 の行 動 を質 と量 の面 で 評 価. し グ ラ フ に示 す もので,教. 師養 成 の た め に も用 い る こ とが で き る。 図 表1. は授 業 評価 の着 目す べ き点,図 表2は ベ テ ラ ン教 師 と実 習 生 の 相 関 分 析 で あ る。 〔 大 塚 明 郎,1977,P・92,g3よ. り). 国語 学,言 語 学 の延 長 に な リボ ち な現 在 の 日本 語 教 授 法 に取 り入 れ て よ い技 法 で あ ろ うQ 2.S‑P表 評 価 に は,次 の 三 っ の類 型 が ある。 診 断 的評 価. 学 習 を始 め る前 の準 備 の た め の評 価 。 あ らか じめ必 要 な技 能 の 有 無 や 既 習 レベ ル を確 認 す る 目的 で 行 わ れ る。 (例. 形 成 的 評価. プ レイ スメ ン トテ ス ト). 授 業 の改善 すべ き点 や 方 向 を知 る た め の評 価 。 学 習 過 程 中で行 わ れ,学 習 の 進 展 状 況 や 問題 点 を 明 らか に す る。(例. 総 活 的 評価. 学期 中 の小 テ ス ト). 学 習終 了 時 の学 習 成 果 を明 らか にす る評 価 。 学 習 目標 の到 達 度 を知 る こ とがで き る。(例. 期 末 テ ス ト,学 年 末. テ ス ト) 授 業 改 善 の た め に最 も大 き な役 割 を果 す の は,形 成 的 評 価 す な わ ちク ラ ス の 中 で行 われ る教 師 自作 のテ ス トで あ る。 教 育 の現 場 で テ ス トの特 性 を 評価 す る簡 便 な方 法 と して,S‑P(SiStudent,PニProblem〉. 表がある。. これ は,テ ス トの各 問 の結 果 を0,1で 記 入 し,横 方 向 に問 題 を左 か ら正 答率 の高 い順 に,縦 方 向 に上 か ら得 点 の高 い学 習 者 順 に並 べ,S曲 成 度 を表 す)とP曲. 線(達. 線(問 題 の難 易 度 を表 す)を 書 き込 ん だ得 点 一 覧 表 で あ. る。(図 表3参 照) 一!一.

(8) S‑P表. で は ン 問 題 ボ 出 題 意 図 に あ っ て い た か,詣. 導 が 適 切 で あ っ た か,. 学 習 者 の 得 点 や 問 題 の 難 易 度 に 極 端 な 差 が な い か の 他,学 お よ び 問 題 の 弁 別 力 が 一 目 で 分 か る 。 ま た,注 これ を使 っ て,全. 習 者 の得 点 範 囲. 意 係 数 び 簡 便 に 求 め られ,. 体 の傾 向 とは異 質 な問 題 や 学 習 者 を簡 単 にみ つ け る こ と. が で き る. 語 学 教 育 でS‑P表. を使 用 し て 授 業 改 善 を 行 っ た 例 と して は,帝. 塚山学. 院 大 学 の 英 語 ク ラ ス が あ る 。 県 や 市 な ど の 教 育 セ ン タ ー だS‑P表. 分析. 処 理 の デ ー タ ー サ ー ヴ ィ ス を 行 っ て い る と こ ろ も あ り,S‑P表 持 つ 機 器 も 市 販 さ れ て い る 。 日本 語 教 育 で は,ク さ く,小. 作成 機 能 を. ラ ス のサ イ ズ が比較 的 小. テ ス トを 学 期 中 に 度 々 行 う 二 と が 多 い こ と か ら,こ. のS‑P表. は. 活 用 で き る で あ ろ う。 3,ATI(Aptitude‑TreatmentIntoraction適. 性処遇交互作用〉. 教 授 法 の効 果 は個 人 差 に よ っ て異 な 窮 授 法 を選 ・ ミば,目 でLJ,Cronbackに 必 要 な 課 題 は,空. 標 とす る基 準 に達 す る こ とは不 可 能 で は な い とす る理 論 ょ っ て提 唱 され た。 例 え ば空 間 的 分 析 や イ メー ジ が 間 的能 力 の高 い学 習 者 に は言 語 に よ る説 明 が・ 低 い者 に. は 簡 単 な 絵 恭 適 し て い る 。 ま た,あ え て お く と,後. 目 標 に 到 達 で き な い 者 も別 の 教. る教 授 法 や 視 聴 覚 メ デ ィ ァの経 験 を与. に 同 じ教 授 法 や メ デ ィ ア を 使 っ て 新 し い こ と を 学 習 ナ る の. に役 立 つ 。 視 聴 覚 教 材 を 利 用 し た 教 授 法 や 漢 字 の 教 え 方 の 効 果 に は,適. 性. との 交 互 作 用 が あ る に ち が い な い 。 日本 語 教 育 に お け る 教 授 法 と学 習 者 の 適 性 が 明 ら か に さ れ れ ば,さ. 皿.日 L映. ら に 効 果 的 な 教 育 が 期 待 で き る で あ ろ う。. 本 語 教育 用視 聴 覚 教 材 画 ・VTR. 現 在 日本 語 教 育用VTRに. は,大 別 して2種 類 あ る。 一 つ は 文 化 庁 お. よび 国立 国語 研 究所 が・ も う一 っ は・ 国 際 交 流 基 金 が 企 画 し た も の で あ る。 前 者 は,初 級 レベ ル の文 型 や 表 現 を 中心 に作 られ・ 国 立 国語 研 究 所 日本 一8一.

(9) 語 教 育 セ ン タ ー が 企 画 し た も の は,日. 本 語 教 育 映 画 基 礎 篇30巻(各. 分 〉と して ま と め られ て い る 。 シ ナ リオ 集 の 他,教 用 練 習 帳 も準 備 さ れ て お り,こ 日 向 茂 男 池(1983)に 後 者 に は,初. 師 用 マ ニ ュ ア ル,学. の シ リー ズ に つ い て は,日. 生. 向 茂 男(1979)・. 詳 し く 説 明 され て い る 。. 級 向 き と 上 級 向 き と が あ る 。 初 級 向 きVTR「. 日本 の 人 々 」 は,留. 巻5. 学 生 を 主 人 公 と し て,成. ヤ ンさ ん と. 田 到 着 か ら ア パ ー ト探 し等 を. 通 じ て 日本 の 生 活 を 紹 介 し な が ら初 級 レ ベ ル の 文 型 や 表 現 の 使 い 方 を提 示 す る 。 約6分. の ス キ ッ ト13で. 含 ま れ て い る 。 一 日 に1‑2時. 梼 成 さ れ,初. 級 レベ ル の前 半 程 度 の 内 容 が. 問 の 授 業 で 約13週. 間分 で ある 。 英 和 対 訳 の. シ ナ リオ の 他 に 英 文 の 詣 導 書 が つ い て い る 。 最 近 で は,教. 師 の 説 明(英 語 〉. や 練 習 の つ い た テ レ ビ番 緯 も用 意 さ れ た 。 こ の シ リー ズ は,特 提 示 を 目 的 とは して い る が,面 ン を 重 視 し,使 日常 生 活,現. 然 なシチュエーシ ≡. 用 す る 語 い や 表 現 に 制 限 を 設 け て い な い 。 ま た,日. 代 の 目本 社 会,文. 上 級 向 き の も の は,目 VTR化. 白 さ と 自 然 な 会 話,自. 定 の文 型 の. し,日. 本 人 の目. 化 の紹 介 も意 図 して い る。. 本 の テ レ ビ で 放 映 さ れ た ドラ マ の 版 権 を 買 取 っ て. 本 語 教 育 用 に主 と して海 外 で 使 え る よ うに し た も の で あ. る。 2.ス. ライ ド. ス ラ イ ド教 材 に は,「 生 活 の 中 の 文 字 一 駅 で 」(1970年 に,ス. 文 化 庁 企 画)の. 他. ラ イ ドバ ン ク ・シ リー ズ(国 際 交 流 基 金 企 画)が あ る 。 シ リ ー ズ と し. て ま と め られ て い る が,必. 要 に応 じ て 組 み 合 わ せ て 使 用 で き る よ うに す る. こ と が 本 来 の 目 的 で あ る 。 し か し,映 こ と を 考 慮 し,各. 写 機 の 使 用 が 必 ず し も簡 単 で は な い. ス ラ イ ドを そ の ま まB4判. の厚 紙 に焼 き付 けた パ ネ ル教. 材 も併 せ て 作 成 さ れ た 。 個 人 で は 作 りに く い ス ラ イ ドの 作 成 に重 点 が お か れ て い る,場. 面,語. い,表. 現 等 の 選 択 に は,各. 日本 語 教 育 機 関 を代 表 す る. 委 員 が あた った 。 正 月,場. 所,生. 解 説 書 付 き.但. 活,12か し,正. 月,留. 学 生 シ リ ー ズ が 作 られ て い る 。(テ ー プ,. 月 シ リー ズ を 除 く。) 一9一.

(10) IVス. ラ イ ド教 材 を 使 用 した. 「口 頭 表 現 」 ク ラ ス. 外 国 語 教 育 の新 し い 傾 向 や 教 育 工 学 の 考 え 方 を 念 頭 に お い て 「口頭 表 現」 の ク ラ スを試 み て み た。 摂弼 教 材. ス ライ ドバ ン ク 「12か 月 シ リ ー ズ 」. 対 象C4ク. ラ ス(中 級)中 早 謡 田 大 学語 研. 国 人4韓 ペ ル ー 人1名. 国 人4マ. レ ー シ ア 入2,. 。 イ タ リ ヤ 入1名(前. 期 の み) 診 断 的 評 価 と し て,各. ス ラ イ ドを 一 人 ず つ 説 明 させ 録 音 した 。 そ の 結 果. と使 用 教 材 の 性 格 を 考 え あ わ せ て 次 の よ う な 目 標 を た て た 。 L匿. 習 の 語 い,表. 現(特 に 呼 応 表 現),文. 型 の的 確 な 使 い方 を 知 る。. 2.そ. れ ら を 使 用 し て 自 然 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が で きる 。. 3、. 書 き 言 葉 と話 し言 葉 の 差 を 知 る 。. 4・. ス ラ イ ドで 示 さ れ る 各 月 毎 の'目本 の 習 慣 や 行 事 を 理 解 す る 、. 5,そ. れ に 関 す る語 い,表. 現 が使 え る。. 6、. そ れ と類 似 の 自 国 の 習 償 や 行 事 が 説 明 で き る 。. 7・. ス ラ イ ドの 会 話 に 含 ま れ る特 定 の 表 現 が 理 解 で き,使. え る。. 形 成 的 評 価 に は ・ 月 毎 に 録 音 す る学 習 者 同 士 の 会 話 を 使 用 し た 。 成 績 を つ け る た め の 総 括 的 評 価 は 最 初 と最 後 の 月 の 録 音 と を 比 較 し て 行 う。 し か し,ク. ラ ス 外 で の 言 語 使 用 も影 響 す る の で,真. の意 味 で の こ の コー ス の総. 括 的 評 価 は で き な い で あ ろ う。 週 一 回90分 第1週. の ク ラ ス な ので 月 四 回 単位 で授 業 計 画 をた て た。 そ の 月 の ス ラ イ ドPartI(各. き で は あ る が,テ. 月 の代 表 的 な 年 中行 事 。 解 説 つ. ー プ は な い)を 見 せ る,適. 宜 解 説 す る。 そ の. 後 で ・ 一 入 ず つ ス ラ イ ドの 説 明 を さ せ る 。(時 間 の な い 蒔 は 省, 略 。) 第2週PartIIを. 見 せ な が ら,テ. ー プ を 聞 か せ,内. 容 の理 解 を確 認. す る 。 そ の 中 に 含 ま れ て い る 表 現 の 使 い 方 に つ い て 説 明 し・ 相 互 に練 習 させ る 、 一1〔)一.

(11) 第3,斗 週. 二 人 ず つ組 み,姓 き な ス ライ ドを選 んで それ につ い て会 話. を させ,録 音 す る。 再生 して 誤 りを訂 正 した り,よ り自然 な言 い方 を練 習 した りす る。 説 明 は 最 小 限 に と どめ,常 に 質疑 応答 の形 で ク ラ ス を 進 め る よ う に し た 。 表現 の使 い方 は,例. え ぱ,7月. で あれ ば,賞 賛,激. 励,命. 令,弁. 解,. 注 意 が 含 まれ て い る。 賞 賛 ・ 激 励 に つ い て は,応 答 の仕 方 や他 の言 い方 も 紹 介 した 後,ま ず,教 師 が学 習者 の一 人 を相 手 に賞 賛 一 応 答 一 激 励 のや り と りを して み せ る。 つ い で,そ の学 習者 に他 の学 習 者 に対 して な に か賞 賛 の 言 葉 をか け させ る とい う よ う に して,全 員 に 類 似 の や ジ と りを させ る。 弁 解,注. 意 につ い て も同様 の練 習 を行 う。 弁 解 の表 現 は,12月. くる 溝. こ こで は,断 る た め の 弁解 で あ る。 日本 の断 り方 の特 長 を簡 単 に. 説 明 し,目 上 に対 す る場合,親. にも 出て. しい.間柄 の場 合 に分 け て前 記 の よ うな練 習. をす る。 重 要 か5会 話 形式 で 練 習可 能 か ど うか等 を考 慮 し・ 練 習 す べ き表 現 を選 ん だ。 録 音 す る会 話 の内 容 は 自 由で,テ ー プ の会 話 に は と らわ れ な い。 録 音 す る相 手 の組 み合 わせ は,そ のつ ど変 え,変 化 を もた せ た 。録 音 中 は訂 正 し な い で,ど ん な方 法 で もい い か ら知 って い る言 葉 や 表 現 を使 って,自 由 に 意 思 を通 じ させ る方 法 を と らせ た。 間 違 って も恥 ず か しが る必 要 はな い こ と,既 習 の表 現 で 使 い方 の よ く分 か らない もの は む し ろ積 極 的 に 使 って み る こ とを事 前 に強 調 した。 い ろ い ろ な国 か らの学 生 がい た の と,男 女 約 同 数 だ った せ い か,話 題 は豊 富 で会 話 の量 が 少 な い とい うよ うな こ とは 起 こ らな か った 。 テ ー プ の内 容 を真 似 た 例 はな か った が ・ テ ー プで 聞 い た 語 い や 表 現 は使 わ れ て い た。 テ ー プ の会 話 が ヒ ン トに な って い た わ け で,も し,テ ー プを 聞 い て い な か っ た ら,彼 らは何 を ど う話 した らよい か と ま ど った だ ろ う。 月 の半 ば頃 に な る と,学 外 で 友 人 た ち とそ の月 の習 償 や 行 事 にっ い て 話 して くる ら し く,そ れ に関 す る身 の 回 りの出 来 事 につ いて の質 問 ボ 多 く出 た(例. 共 同 募 金)、.発音 や ア ク セ ン トに問 題 の あ る者 もい た が,. 特 に意 昧 の混 同 を起 こ さな い 限 りは・ 一 通 り訂 正 す る だ け に と どめた 。 こ 一11一.

(12) の レベ ル で は ・ 練 習 さ せ て も効 果 が あ る か ど う か は 疑 わ し く,そ. れ よ りも. 自然 な 言 い 回 し を 覚 え さ せ た ほ う が 役 に 立 つ と思 わ れ る か ら で あ る 。 訂 正 の 主 眼 点 は,意. 味 が 通 じ る か,自. 然 で あ る か に お い た 。 頻 度 の 高 い 誤 りや. よ く使 わ れ る 表 現 の 誤 り を 重 点 的 に 取 り上 げ,上 自然 な 言 葉 の 使 い 方 に っ い て は,自. 記 の方 法 で 練 習 した 。 不. 然 な 用 法 を 紹 介 し,こ. れ も練 習 の 対 象. と した。 結 果 と し て は,よ. ど み な く話 し,ぎ. 詞 の 誤 用 が 少 な くな っ た こ と,受. こ ち な さ が 取 れ た こ と,基. 本 的な助. け 答 え が 自 然 に な っ た こ と,自. 信 を持 っ. て 話 す よ う に な っ た こ と な ど が あ げ ら れ る が,多 り,前. 述 し た よ う に,こ. が 少 な か っ た こ と,学. 分 に 主観 的 な観 察 で あ. の ク ラ ス の み の 効 果 と は 言 え な い 。 し か し,欠. 習 者 が 全 員 積 極 的 に 大 い に 話 し た こ と,ク. い と活 気 に 満 ち て い た こ と は 確 か で あ る 。 ま た,学 を 練 習 の対 象 に した こ と が,な. 席. ラ ス が笑. 習 者 自 身 か ら出 た も の. ん ら か の 意 味 で 「定 着 」 に 役 立 っ た よ う願. って い る。 コ ー ス 終 了 後 の ア ン ケ ー ト結 果 で は,全 た と し て い る 。 録 音 は 面 白 く,役. に 立 ち,自. 員 が ス ラ イ ドの 使 用 は役 に 立 っ 分 で録 音す る の が あ ま りいや. で は な か っ た 理 由 と し て は ・ ス ラ イ ドを 見 な が ら だ と 分 か り や す く・ か つ,覚 え る,自. え や す い,目. 本 の 習 慣 を知 る の に役 立 っ,身. 近 な 会 話 な の で す ぐ使. 分 の 欠 点 を 個 人 的 に な お し て も ら え る,自. 分 と他 の 人 との 違 い が. よ く分 か る,言. 葉 の 正 し い 使 い 方 が 確 実 に 分 か る な ど が あ げ られ て い る 。. 話 し方 が う ま く な っ た と 思 う者,あ. ま り う ま く な ら な か っ た と思 う者 は 半. 半 で あ っ た 。 自分 は 内 向 的 で あ る と す る者 も 録 音 は あ ま りい や で は な か っ た と答 え て い る 。 テ レ ビ は 平 均 し て 遇m時 き な 学 生 が 半 数 を 占 め,美. 聞 位 見 て お り,音. 楽 が一 番好. 術 が それ に続 いて い る。 読 書 を あげ た者 は 一人. しか い な か っ た 。 そ の 点 で は,学. 生 の 適 性 と教 授 法 が 偶 然 で は あ る が 一 致. した ク ラ ス だ っ た の か も し れ な い 。. 一!2一.

(13) 参. 考 L大. 文. 献. 塚 明 郎 他1977「. 教 育 工 学 の 新 し い 展 開 」,第 一 法 規. 2・ 川 口義 一1983"サ. ジ ェ ス トペ デ ィ ァ の 理 論 と実 践"「. 日 本 語 教 育 」51,88一. 三〔}0 3・ 川 本 喬1985"初. 級 日本 語 教 授 法 の 現 状 ・新. し い 外 国 語 教 授 法"「. 同上」. 55,13‑19 4・ 佐 藤 隆 博1975「S‑P表. の 作 成 と 解 釈 」,明 治 図 書. 5・1982rS‑P表. の 活 用 」,同 上. 6、EarlS亡evick1976M餓oη1,昭6醐 臨hers(石. 田敏子訳. 加g&皿8読. 「新 し い 外 国 語 教 育Jプ. 7.GavrielSabmon19791擢. 颯NewburyHousePub一. リ タ ニ カ[絶. ε照̀2ゴoπqf皿8イ. 」 α,Cogπ. 版]) 漉o児. αη'L847短"g,. Jossey‑BassInc,,Publishers 8・ 田 中 望 値1985・. ・CouncilofEuropeの. 言 語 教 育 プ ロ グ ラ ム"r目. 本語教. 育 」55,31‑47 9・ 目向 茂 男1979"日. 本 語 教 育 映 画 基 礎 篇 に つ い て 一 映 画 教 材 を 考 え る 一",. 「日本 語 教 育 」38 ,33‑44 10・ 目向 茂 男 ・清 田 潤1983"目 材 の 可 能 性 と展 望 一",r同. 本 語 教 育 映 画 基 礎 篇 の 完 成 につ い て 一 映 像 教 上 」51,11魯130. 一13一.

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参照

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