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次世代無人化施工システムの開発

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Academic year: 2022

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図-1 センサ配置

次世代無人化施工システムの開発

油圧ショベル装着ジャイアントブレーカーによる自律割岩作業

大成建設㈱ 技術センター 土木技術開発部 宮崎 裕道 大成建設㈱ 技術センター 土木技術開発部 〇正会員 青木 浩章 大成建設㈱ 技術センター 土木技術開発部 正会員 片山 三郎

1.目的

国土交通省建設技術研究開発助成制度を活用し,平成24年度から3か年計画で「次世代無人化施工システムの 開発」を実施した.現在,長崎県雲仙普賢岳等で行われている無人化施工は,現場の動画をモニターで見て常時操 作するモニター依存型のシステムである.モニター情報だけで現場の状況を判断しながら運転を行う必要があるた め,高度な運転技術や複数の動画取得のための装置と通信環境が必要となり工法適用の障害となっている.そうい ったハードルを少しでも下げるため,作業開始命令のみを与えれば自ら判断して作業を行う常時操作不要の「自律 制御」を適用した次世代型の無人化施工システムを開発した.本編は平成 25 年度に実証した振動ローラの自律走行 に引き続き平成 26 年度に研究した,油圧ショベルの割岩作業の自律制御の研究について述べる.

油圧ショベルは先端のアタッチメントを交換することで,多様な作業が可能となる大変便利な機械である.遠隔 操作による無人化施工においても,アタッチメントを交換してコンクリート構造物の破砕・圧砕,鉄骨・配管等の 切断はもちろん,緑化のための大型樹木の把持やロボットアームとして資材の移動等にも用いられている.大半の 運転者は,バケット作業においては扱うものが土砂であることから,操作の正確性は高く要求されないため短時間 で適応できる傾向にあるが,バケット以外の作業への適応については,扱うものが製品であったり,カメラ映像を 見ながら土砂取扱い時以上の正確性を求められることに難を持っている者が多い.そこで,無人化施工における油 圧ショベルのアタッチメント作業の支援技術として,最も使用頻度がある「ジャイアントブレーカー」の割岩作業 に注目して研究のターゲットとした.ジャイアントブレーカーによる割岩作業は,除石工等で大型の岩石をダンプ トラックに積込が可能なφ500mm 程度迄の小割に必要な作業である.岩の重心辺りを目がけて垂直にジャイアント ブレーカーのノミ(以下、ノミと記)を当て,油圧ショベルの重量を掛けて打撃しないと打撃しても割れないばか りか,重心を外れた場合は打撃開始後に岩がバランスを失って逃げてしまったり,空撃ちや無理に押し当てて打撃 を開始するとノミやジャイアントブレーカー本体が損傷するという事態も考えられるため,無人化施工の中でも厄 介な作業にあたる.そういった厄介な作業を人間が判断して操作をするシステムから,建設機械に搭載したセンサ と演算により実行できる事は無人化施工において画期的な事で,遠隔操作時のオペレーターの負担軽減や 1 人のオ ペレーターで複数台の遠隔総操作も期待できる技術である。

2.センサ配置について

図-1 に示す位置に下記のような役割のためセンサを配置した.

① 距離と割岩対象認識(ステレオカメラ)

② 割岩体勢および割岩判定検知(油圧計)

③ 旋回角検出(ロータリーエンコーダー)

④ 作業腕部角度検出(ワイヤー式ポテンショメーター)

⑤ 姿勢検出(MEMS ジャイロ)

⑥ 演算装置(ノート PC・ボード PC)

であり,また制御座標系は自律制御において使用されがちな GPS

等の絶対座標計測を使用せず作業の目標物に対する相対座標計測によって実行した.

キーワード 無人化施工,自律制御,ステレオカメラ,画像処理,距離検出

連絡先 〒245-0051 横浜市戸塚区名瀬町344-1 大成建設㈱ 技術センター土木技術開発部 TEL045-814-7219 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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3.割岩のフロー

割岩のフローを以下に示す.

① 割岩対象までの計測体勢(腕部を上げる)

② 割岩対象までの計測(ステレオカメラ利用:~15m 程度)

③ 接近(ステレオカメラの連続計測)

④ 岩の重心計測(ステレオカメラ利用: 5m 程度)

⑤ ノミ先を岩に押し当てる(機械の重量を掛け,車体が浮く)

⑥ 打撃開始(ブレーカー作業,10s 程度)

4.従来の無人化施工との比較実験

従来型の無人化施工においては,作業機械に搭載したオペレー ター目線のカメラと横方向から作業場所が俯瞰できるカメラ映像 によって作業を行っている(図-2:2 画面).ただし,横からのカ メラ映像が撮れない条件のオペレーター泣かせの現場(図-3:1 画面)も存在し,作業機械の車載カメラのみでは「奥行」が把握 しにくいため,作業効率が上がらないというケースもしばしば存 在する.そういったとき,本件の開発の利用が期待できる.

そこで,本研究開発のアルゴリズムを着脱式遠隔操作方式 0.45 m3級油圧ショベルに利用し①無人化施工経験 20 年のベテラン OP,

②一般施工 20 年の普通 OP,③研究員の 3 者にて 10m の位置に設置 したφ1000mm 程度の岩石に対し,1 画面,2 画面,自律制御のタイ ムトライアル(時間は割岩体勢迄としている)を実施したところ

(図-4)本研究開発における自律制御による割岩作業は,1画面

時のベテラン OP に匹敵するような時間を記録している(表-5).ただし,作業時間と打撃精度は相反する関係に ある.今回使用した 0.45m3級でも機械部分の結合などによる「ガタツキ」が 150~200mm 程度存在することを確 認しているため(図-6:手で揺らしている),早い動作により位置決めを行った場合よりも緩い動作で位置決めを 行った方が岩石の重心部分に向けた的確な位置で打撃を行う事を確認している.

5.まとめ

無人化施工技術は,雲仙普賢岳等で行ってきた除石工・砂防堰堤構築等の土木工事の施工技術だけではなく,

あらゆる酷所環境下における作業技術として多用され,改良・発展してゆくことが期待されている.本論で述べ た自律制御式の無人化施工システムは,今後,国土の安全・安心に寄与していくことを期待したい.最後に,本 技術開発にあたり技術的な支援を頂いております産官学委員会メンバーに感謝の意を表します.

図-4 実験の様子 図-2 操作の様子(2 画面)

図-3 操作の様子(1 画面)

表-5 タイムトライアル結果 図-6 機械のガタツキ 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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参照

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