平成26年度税制改正大綱
【速報版】
平 成 2 6 年 度 税 制 改 正 の 全 体 像 ∼ 主 要 項 目 一 覧 ∼
【個人所得税】 ・高所得層の給与所得控除の上限の引下げ ・ゴルフ会員権等の損益通算の廃止 【資産税】 ・医療継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等 ・相続税の取得費加算の特例の見直し 【法人税・地方税】 ・復興特別法人税の前倒し廃止 ・交際費課税の見直し ・グリーン投資減税の対象設備の除外 ・法人住民税・事業税の見直し 【消費税】 ・簡易課税制度のみなし仕入率の引下げ 【金融証券税制】 ・NISA(少額投資非課税口座制度)の見直し ・少人数私募債利子の総合課税化の前倒し 【車体課税】 ・自動車取得税等の見直し 【住宅・土地税制】 ・適用期限切れ措置法の期限延長 【国際課税】 ・総合主義から帰属主義への変更 ・その他の改正項目 ・今後の検討課題 ・(参考)秋の税制改正大綱の内容 :増税 :減税【 個 人 所 得 税 】
高 所 得 層 の 給 与 所 得 控 除 の 上 限 の 引 下 げ ①
【第1段階】28年分の所得税(29年度分の個人住民税) 年収1,200万円超の者の給与所得控除が一律230万円とされる。 【第2段階】29年分以後の所得税(30年度分以後の個人住民税) 年収1,000万円超の者の給与所得控除が一律220万円とされる。[大綱P21] 給与収入 現 行 第1段階 第2段階 H27 H28 の増加額現行から H29∼ の増加額現行から 1億円 4,808 4,816 +8 4,822 +14 5,000万円 2,011 2,019 2,025 3,000万円 970 978 983 +13 2,000万円 486 492 +7 497 +11 1,500万円 267 274 278 1,200万円 170 170 0 173 +3 1,000万円 114 114 114 0 給 与 所 得 控 除 給与収入(万円) 【第2段階】 1,000万円超 一律220万円 1,200 現行:1,000万円超∼1,500万円以下 給与収入×5%+170万円 (参考)見直しによる税負担の比較【所得税+個人住民税】 (※)夫婦と子供2人(1人は特定扶養親族、1人は一般扶養親族)の前提増税
最低 65万円 1,000 (参考) 年収1,000万円超は 約172万人 現行:1,500万円超 一律245万円 【第1段階】 1,200万円超 一律230万円 1,500【 個 人 所 得 税 】
高 所 得 層 の 給 与 所 得 控 除 の 上 限 の 引 下 げ ②
増税
近年の個人所得税関係の改正
(給与等の収入金額
−
給与所得控除
− 所得控除額)
× 累進税率 − 税額控除額
<給与所得のみの場合の所得税額の算定方法> 適用時期 収入金額 給与所得控除※ ∼H24年分 年収1,000万円超 収入金額×5%+170万円 (上限なし) H25年分∼ (H24改正) 年収1,500万円超 上限245万円(上限) 年収1,000万円超 収入金額×5%+170万円 H28年分 (H26改正案) 年収1,200万円超 上限230万円(上限) 年収1,000万円超 収入金額×5%+170万円 H29年分∼ (H26改正案) 年収1,000万円超 上限220万円(上限) 適用時期 改正内容 H25年分∼ (H23.12月改正) 復興特別所得税の上乗せ H27年分∼ (H25改正) 最高税率引上げ:45% (課税所得4,000万円超) ⇒累進税率5%∼45%に (参考) ○ 資本金1億円以上の会社役員の平均給与額:1,143万円 ○ 児童手当の所得制限額:960万円(子2人世帯の例) ○ 高校無償化の所得制限額:世帯年収910万円(H26年度∼) 【実務上のポイント】 個人事業者から法人成りのシミュレーションは 個人所得税への各改正内容にも注意 ○年収1,000万円超の場合の給与所得控除 ○税率の改正 ※役員給与に係る給与所得控除の縮減措置について 年収3,000万円超の場合には125万円とする案も 議論になっていたが、今回の改正では見送られている。【 個 人 所 得 税 】
ゴ ル フ 会 員 権 等 の 損 益 通 算 の 廃 止
「生活に通常必要でない資産」の範囲に「ゴルフ会員権」等(自民党税制調査会資料では「リゾート会員権」も)が追加され る。これにより、譲渡損失があっても他の所得(例:事業所得、給与所得)との損益通算ができなくなる。[大綱P49] 【適用時期】平成26年4月1日以後に行う資産の譲渡等について適用増税
【具体例】 1,000万円で取得したゴルフ会員権を600万円で売却(▲400万円の譲渡損失が発生) その他の課税所得1,500万円 会員権の譲渡損失 ▲400万円 その他の課税所得 1,500万円+
<現行> 損益通算可能 ↓ 課税所得1,100万円 会員権の譲渡損失 ▲400万円 その他の課税所得 1,500万円 ⇒損失は切捨て <改正案> 損益通算不可 ↓ 課税所得1,500万円 ◆注意点◆ ① プレー権のないゴルフ会員権は、現行も損益通算は不可能 ② 親族や同族会社等へ売却する場合には、合理的な理由が必要 ③ 損益通算を行うためには、少なくとも26年3月31日までに売買契約を済ませておく必要がある。 ④ 売却に際しては、名義変更料等の費用負担が生ずる。 課税所得金額 +400万円 増税額 +約175万円 (所得税・復興特別所得税・個人住民税の合計) 損益通算【 資 産 税 】
医 療 継 続 に 係 る 相 続 税 ・ 贈 与 税 の 納 税 猶 予 等 ①
≪相続税の納税猶予等≫ 個人(相続人)が持分の定めのある医療法人の持分を相続または遺贈により取得した場合において、その医療法人が相 続税の申告期限において認定医療法人(仮称)であるときは、担保の提供を条件に次のように取り扱われる。[大綱P59-61] ① その相続人が納付すべき相続税額のうち、その認定医療法人の持分に係る課税価格に対応する相続税額につい ては、移行計画(仮称)の期間満了までその納税が猶予される(注)。 ② 移行期間内にその相続人が持分の全てを放棄した場合には、猶予税額が免除される。 【適用時期】移行計画の認定制度の施行日以後の相続または遺贈に係る相続税について適用減税
≪贈与税の納税猶予等≫ 持分の定めのある医療法人の出資者が持分を放棄したことにより他の出資者の持分の価額が増加することについて、 その増加額(経済的利益)相当額の贈与を受けたものとみなして他の出資者に贈与税が課税される場合において、その 医療法人が認定医療法人(仮称)であるときは、担保の提供を条件に次のように取り扱われる。[大綱P60-61] ① 他の出資者が納付すべき贈与税額のうち、その経済的利益に係る課税価格に対応する贈与税額については、 移行計画(仮称)の期間満了までその納税が猶予される。 ② 移行期間内に他の出資者が持分の全てを放棄した場合には、猶予税額が免除される。 【適用時期】移行計画の認定制度の施行日以後のみなし贈与に係る贈与税について適用 (注)移行期間内に持分の定めのない医療法人に移行しなかった場合または認定の取消し、持分の払戻し等の事由が生じた場合には、猶予税額を納付しな ければならない。また、基金拠出型医療法人(仮称)に移行した場合には、持分のうち基金として拠出した部分に対応する猶予税額についても同様。 【認定医療法人(仮称)】 良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律に規定される移行計画 (仮称)について、認定制度の施行の日から3年以内に厚生労働大臣の認定を受けた医療法人をいう。 ※なお、この法律はまだ検討段階のため、現段階では詳細が不明である。【 資 産 税 】
医 療 継 続 に 係 る 相 続 税 ・ 贈 与 税 の 納 税 猶 予 等 ②
減税
(参考)厚生労働省による制度の説明資料 【実務上のポイント】 厚生労働省の要望では、移行計画(仮称)により移行見込みの医療法人が年間300法人、そのうち上記の制度の適用を受ける ことが予想される医療法人数は年間11法人と少ない。そのため、認定医療法人(仮称)の要件は社会医療法人や措置法上の 特定医療法人並みになる可能性が高く、多くの医療法人は適用が難しいと考えられる。 (出典)平成24年度税制改正要望説明資料(平成26年度はイメージ図の公表なし)譲渡費用
【 資 産 税 】
相 続 税 の 取 得 費 加 算 の 特 例 の 見 直 し
相続財産である土地等を譲渡した場合の相続税の取得費加算の特例について、その土地等を譲渡した場合に譲渡所得 の金額の計算上、取得費に加算する額が、「その者が相続したすべての土地等に対応する相続税相当額」から、 「その譲渡した土地等に対応する相続税相当額」に変更される。[大綱P41-42] 【適用時期】平成27年1月1日以後に開始する相続または遺贈により取得した資産を譲渡する場合について適用 収入金額 <譲渡所得の計算> 取得額 (被相続人 の取得費) 取得費加算額 特別控除額 差引額 所得金額 ×税率=所得税額 <相続税の取得費加算の特例の趣旨> 相続税の納税資金の確保のために、相続税の課税対象となった相続財産の譲渡が相続の直後に行われる場合には、相続税と譲渡所得税が 相次いで課税されるため、譲渡資産に係る相続税相当額を取得費に加算する特例が設けられている。 <土地の場合> 土地A・B・Cを相続し、土地Aだけ譲渡 現 行 「A・B・Cすべてに対応する相続税相当額」を取得費加算 改正案 「Aに対応する相続税相当額」のみ取得費加算 上記のほか、相続財産の譲渡に係る確定申告書の提出期限後に、その相続財産の取得の起因となった相続に係る相続 税額が確定した場合(相続税の期限内申告に限る。)には、その相続税の期限内申告書を提出した日の翌日から2月以 内に限り、更正の請求により本特例の適用を受けられるなどの取扱いが明確化される。[大綱P41-42]【 法 人 税 】
復 興 特 別 法 人 税 の 前 倒 し 廃 止
復興特別法人税の上乗せが下表のとおり、1年前倒しで廃止される。[大綱P74-75] また、復興特別法人税の課税期間終了後、法人が各事業年度において利子・配当等に対して課される復興特別所得税 については、所得税と合わせて各事業年度の法人税から控除ができるよう改正される(現行は復興特別法人税のみから 控除)。この場合に、法人税額から控除しきれなかった復興特別所得税額は還付される。減税
H24.3.31以前 開始事業年度 H24.4.1∼H26.3.31 開始事業年度 (復興特別法人税の上乗せあり) H26.4.1以後 開始事業年度 ①②以外の普通法人 例:資本金1億円超の株式会社 30% 28.05% 25.5% ②中小法人等 例:資本金1億円以下の株式会社、 医療法人、公益・一般法人、NPO法人 30% 【年800万円以下】 22% 特例18% 28.05% 【年800万円以下】 20.9% 特例16.5% 25.5% 【年800万円以下】 19% 特例15%※ ③一定の公益法人等など 例:社会福祉法人・学校法人・宗教法人、 認定NPO法人、協同組合等 22% 【年800万円以下】 22% 特例18% 20.9% 【年800万円以下】 20.9% 特例16.5% 19% 【年800万円以下】 19% 特例15%※ ※軽減税率の特例により、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する 事業年度において税率が15%に引き下げられている。平成27年4月1日以後に開始する 事業年度については、今後の税制改正で検討されると考えられる。 【実務上のポイント】 税効果会計の実効税率の見直しに注意 現行:H27.3.31 1年前倒し <法人税率の推移>【 法 人 税 】
交 際 費 課 税 の 見 直 し
交際費等の損金不算入制度について、次の見直しが行われる。[大綱P76] ① 支出交際費等の額のうち、飲食のために支出する費用(社内接待費を除く)の額の50%が損金算入可能とされる。 ② 中小法人は、現行の定額控除額(年800万円)の損金算入制度と①の制度の選択適用とされる。 【適用時期】平成26年4月1日から平成28年3月31日までに開始する事業年度減税
(参考)1社当たりの支出交際費 ○ 全法人 126万円 ○ 中小法人 93万円 ○ 大法人 3,476万円 損金不算入 損金算入 900 50% 飲食費以外200 【現 行】 【改正案】 損金不算入1,100 ※中小法人(資本金1億円以下。資本金5億円以上の法人の100% 子会社等を除く。)については、飲食費50%相当と定額控除額 (年800万円)のいずれか有利な方を選択 ※飲食費の5,000円基準との関係は大綱では明記されていないが、 5,000円基準を満たさない飲食費が対象になると考えられる。 【計算例(改正案)】 <大法人> 支出交際費等:2,000万円(うち飲食費1,800万円) 飲食費1,800万円×50%=900万円(損金算入) 2,000万円−900万円=1,100万円(損金不算入) <中小法人> 支出交際費等:900万円(うち飲食費800万円) ① 900万円>定額控除額800万円 ∴800万円 ② 飲食費800万円×50%=400万円 ③ ①>② ∴800万円(損金算入) 900万円−800万円=100万円(損金不算入) <大法人> 飲食費1,800 支出交際費等2,000【 法 人 税 】
グ リ ー ン 投 資 減 税 の 対 象 設 備 の 除 外
グリーン投資減税の対象設備から「①熱電併給型動力発生装置(コージェネレーション設備) 」等が除外される。[大綱P90] なお、大綱では①以外の設備が明らかとなっていないが、自民党税制調査会資料では、このほか、②熱併給型動力発 生装置、③高効率配線設備、④高効率複合工作機械、⑤ハイブリッド建設機械、⑥高効率電気式誘導加熱炉、⑦断熱 強化型工業炉、⑧高性能工業炉廃熱回収式燃焼装置、⑨ガス冷房装置、⑩高断熱窓設備、⑪氷蓄熱式冷凍機組込型 空気調和機、⑫高効率照明設備(LED照明)が除外対象とされて議論されている。 【償却資産税】 再生可能エネルギー発電設備(※)に係る課税標準の特例措置(3年度分2/3に軽減)が2年延長される。[大綱P69] (※)固定価格買取制度の設備認定を受けた太陽光発電設備、風力発電設備、バイオマス発電設備、地熱発電設備、 水力発電設備 取得等の時期 優遇措置(注) ① 平成24 年 7 月 1 日 ∼平成27 年 3 月 31 日 即時償却(初年度に100%償却) 又は 税額控除(取得価額×7%) ② 平成27 年 4 月 1 日 ∼平成28 年 3 月 31 日 特別償却(取得価額×30%) 又は 税額控除(取得価額×7%) (注)税額控除が選択できるのは「中小企業者等」に限られます。 取得等の時期 優遇措置(注) 平成24 年 7 月 1 日 ∼平成28 年 3 月 31 日 特別償却(取得価額×30%) 又は 税額控除(取得価額×7%) <太陽光発電設備・風力発電設備・熱電併給型動力発生装置> <その他の対象設備> 【改正案】 上記②∼⑫の設備が除外される可能性がある 【対象設備の例(今回の改正では除外の対象でないもの)】 ○ 電気自動車 ○ 電気自動車用急速充電設備 ○ プラグインハイブリッド自動車 ○ 中小水力発電設備 ○ 定置用蓄電設備 等 【改正案】 熱電併供型動力発生装置(コージェネレーション設備)が除外増税
【 地 方 税 】
法 人 住 民 税 ・ 事 業 税 の 見 直 し
消費税率8%段階において、地域間の税源の偏在性(東京都など都市部で地方消費税が多額になる)を是正し、財政力 格差の縮小を図るため、法人住民税の法人税割の税率が引き下げられ、その引き下げ分に対応する国税として「地方 法人税(仮称)」が創設される。[大綱P79-82] また、地方法人特別税(国税)の規模が縮小され、地方法人特別税と法人事業税の税率が変更される。 【適用時期】平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用 現 行 改 正 案 道府県民税 法人税割 5.0%(6.0%) 3.2%(4.2%) 市町村民税 法人税割 12.3%(14.7%) 9.7%(12.1%) 計 17.3%(20.7%) 12.9%(16.3%) 地方法人税 ― 4.4% 計 17.3%(20.7%) 17.3%(20.7%)法人住民税
(地方税)
地方法人税
(国税)
法人住民税
(地方税)
<現 行> <改正案>+
基準法人税額(※)×4.4% ※所得税額控除・外国税額控除など を適用しないで計算した法人税額 ※カッコ内は制限税率。改正前後で負担はほぼ変わらないと考えられる。【 消 費 税 】
簡 易 課 税 制 度 の み な し 仕 入 率 の 引 下 げ
簡易課税制度のみなし仕入率について、以下の見直しが行われる。[大綱P101] ① 金融業と保険業は第5種事業となり、そのみなし仕入率が50%(現行:60%)に引き下げられる。 ② 不動産業は第6種事業となり、そのみなし仕入率が40%(現行:50%)に引き下げられる。 【適用時期】平成27年4月1日以後に開始する課税期間について適用 区 分 主な対象業種 みなし仕入率 実際の仕入率 (省庁データ) 第1種 卸売業 90% 86.4% 第2種 小売業 80% 80.9% 第3種 建設業 70% 65.1% 製造業 63.1% 農林水産業 66.7% 第4種 料理飲食業 60% 64.3% 金融保険業 60% ⇒【第5種】 50% (是正の対象に)47.8% 第5種 サービス業 50% 49.2% 不動産業 50% ⇒【第6種】 40%(新設) 41.8% (是正の対象に) 【計算例】 <前 提> 事務所賃貸収入:年4,320万円(税込) 消費税率:8% <現 行> ① 4,320万円×100/108=4,000万円 4,000万円×8%=320万円 ② 4,000万円×50%(みなし仕入率)=2,000万円 2,000万円×8%=160万円 ③ ①−②=160万円 <改正案> ① 320万円(現行と同様) ② 4,000万円×40%(みなし仕入率)=1,600万円 1,600万円×8%=128万円 ③ ①−②=192万円(+32万円の増税)増税
<みなし仕入率>【 金 融 証 券 税 制 】
N I S A ( 少 額 投 資 非 課 税 口 座 制 度 ) の 見 直 し
平成26年1月から開始するNISAについて使い勝手を良くするために主に下記の通り見直される。[大綱P21-24] ① 非課税対象 : 非課税口座内の上場株式等の配当・譲渡益 ② 口座開設期間 : 平成26年∼平成35年の10年間 ③ 非課税期間 : 最長5年間 ※途中売却可(売却部分の枠は再利用不可) ④ 非課税投資額 : 口座開設年に、新規投資額で100万円を上限(未使用枠は翌年以降繰越不可) ⑤ 非課税投資総額 : 100万円×5年間=最大500万円 ⑥ 口座の変更 : 毎年変更可(現行:H26∼H29,H30∼H33,H34∼H35の各期間内は変更不可) (参考)NISAのイメージ 【改正案】 毎年口座 を変更可【 金 融 証 券 税 制 】
少 人 数 私 募 債 利 子 の 総 合 課 税 化 の 前 倒 し
同族会社が発行した社債(少人数私募債)でその同族会社の株主等が平成28年以後に支払を受けるものについて、 平成27年以前に発行されたものであっても、利子所得は総合課税(累進税率)の対象とされる。[大綱P25] また、譲渡所得についても上場株式等と損益通算可能な特定公社債の区分ではなく、一般公社債の区分に変更される。 ∼H27年 H28年∼ H27年以前発行分 H28年以後発行分 利子所得 20%源泉分離課税 20%申告分離課税 総合課税(累進税率)(※) 譲渡所得 非課税 20%申告分離課税 <特定公社債> 20%申告分離課税 <一般公社債> ∼H27年 H28年∼ H27年以前発行分 H28年以後発行分 利子所得 20%源泉分離課税 総合課税(累進税率)(※) 譲渡所得 非課税 20%申告分離課税 <一般公社債> 【現 行】 【改正案】 (※)公社債を発行した同族会社の株主等でない者が支払いを受けるものは20%源泉分離課税。同族会社が発行した 社債で あっても公募発行のものなど特定公社債に該当するものは利子所得・譲渡所得ともに20%申告分離課税(損益通算可) 前回の平成25年度改正で、 総合課税(累進税率)が適用 されるべき所得(例:給与所得) から20%分離課税の適用を 受ける利子所得に転換すること による税負担を軽減する事例 に対応してH28年以後発行分は 改正された。増税
【 国 際 課 税 】
総 合 主 義 か ら 帰 属 主 義 へ の 変 更
外国法人に対する課税原則について、いわゆる「総合主義」に基づく従来の国内法が、2010年改訂後のOECDモデル租 税条約に沿った「帰属主義」に見直される。[大綱P104-106,120-132] 【適用時期】平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税、平成29年分以後の所得税について適用 【出典】政府税制調査会資料 ◎改正の背景 ≪現行(総合主義)≫ 外国法人等が国内に恒久的施設 (PE)を有する場合、PEに帰属して いない国内源泉所得もすべて申 告が必要となり、グローバル・スタ ンダードと異なる。 ⇒対内投資の阻害要因 ≪改正案(帰属主義)≫ 外国法人等が国内に恒久的施設 (PE)を有する場合、PEに帰属する 所得のみを申告対象に変更 ⇒日本の金融・資本市場の魅力 を高め、アジアのメインマー ケット・ メインプレーヤーとして の地位を確立【 住 宅 ・ 土 地 税 制 】
適 用 期 限 切 れ 措 置 法 の 期 限 延 長
・特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例 譲渡資産の譲渡対価の要件が1億円(現行:1.5億円)に引き下げられ、その適用期限が平成27年12月31日まで 2年延長される。 【適用時期】平成26年1月1日以後に行う居住用財産の譲渡[大綱P33] <適用期限の2年延長> ◎個人所得税 ・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等[大綱P33] ・特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等[大綱P33] ◎登録免許税 ・特定認定長期優良住宅の所有権保存登記等の登録免許税の税率の軽減措置[大綱P64] ・認定低炭素住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置[大綱P64] ◎固定資産税 ・新築住宅に係る固定資産税の税額の減額措置[大綱P69] ・新築の認定長期優良住宅に係る固定資産税の税額の減額措置[大綱P69] ◎不動産取得税 ・新築住宅特例適用住宅用土地に係る不動産取得税の減額措置について、 土地取得後の住宅新築までの経過年数要件を緩和する特例措置[大綱P70] ・新築の認定長期優良住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例措置[大綱P70]【 車 体 課 税 】
自 動 車 取 得 税 等 の 見 直 し ①
消費税増税とグリーン化(環境への配慮)を背景に、自動車取得税、自動車税・軽自動車税、自動車重量税について、 主に下表のように見直される。[大綱P96-99,133,3-5]増税
減税
税 目 現 行 (税率5%) 26年4月∼ (税率8%) 27年10月∼ (税率10%予定) 28年4月∼ 自動車取得税 (取得段階) ・自家用自動車:5% (軽自動車は3%) ・自家用自動車:3%に引下げ (軽自動車は2%に) ・エコカー減税の拡充 ( 廃 止 ) 自動車税 (保有段階・年1回) ・排気量に応じて 課税 ・13年超(ディーゼル車は 11年超)の車は負担増 ・燃費に応じた環境 性能課税を実施 (取得初年度のみ) 軽自動車税 (保有段階・年1回) ・自家用乗用車 年7,200円 ・営業用貨物車 年3,000円 ・自家用乗用車 年10,800円 ・営業用貨物車 年3,800円 ・13年超の車は負担増 自動車重量税 (保有段階・車検時) ・車体の重さに 応じて課税 ・エコカー減税の拡充 ・13年超18年未満 (例)乗用自動車 5,000円/0.5t ⇒5,400円/0.5t ・13年超18年未満 (例)乗用自動車 5,400円/0.5t ⇒5,700円/0.5t【 車 体 課 税 】
自 動 車 取 得 税 等 の 見 直 し ②
増税
減税
(参考)平成26年度税制改正・国土交通省説明資料そ の 他 の 改 正 項 目
【個人所得税】 ・公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税制度(措法40条)の見直し[大綱P40-41] ・非適格ストックオプションの発行法人への譲渡の総合課税化(平成26年4月1日以後譲渡)[大綱P28] ・外国公的年金等がある者の申告不要制度の適用除外(27年分以後)[大綱P50] 【資産税】 ・農地等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度の見直し[大綱P62-63] ・直系尊属住宅取得等資金贈与の特例に耐震改修工事を完了した一定の住宅を追加[大綱P63] ・ホテル・旅館の建物に係る固定資産評価の見直し(50年⇒平成27年度から45年に短縮)[大綱P74] 【法人税】 ・特定資産の買換え特例の3年延長(所得税共通)[大綱P87-89] ・雇用促進税制の2年延長(所得税共通)[大綱P90] ・国家戦略特別区域における税制措置の創設[大綱P77-79] ・使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例の恒久化[大綱P90] ・中小法人等以外の欠損金の繰戻し還付制度の不適用措置の2年延長[大綱P90] ・短期の土地等の譲渡益に対する追加課税制度の適用停止措置の4年延長(所得税共通)[大綱P91,31] 【納税環境整備】 ・支払調書等の本店等一括提出制度の創設(平成26年4月1日以後提出) [大綱P50-51] ・猶予制度の見直し[大綱P107-110] ・国税不服申立制度の見直し[大綱P112-113] ・税理士制度の見直し[大綱P110-112] 【その他】 ・消費税の課税売上割合計算上、金銭債権の譲渡対価の5%相当を分母に算入(平成26年4月1日以後譲渡) [大綱P102] ・移転価格税制における非関連者を通じた取引の対象範囲に役務提供取引等を追加[大綱P107]今 後 の 検 討 課 題
平成26年度税制改正大綱では改正項目とならなかったが、今後検討される主なものとしては次のとおり。[大綱P6,116-119] 【個人所得税】 ・年金課税 ・医療費控除(医療費の範囲や適用下限額の見直しなど) ・デリバティブ取引を含む金融所得課税の更なる一体化 ・寄附金税制 【資産税】 ・償却資産税の見直し 【法人税】 ・小規模企業等に係る税制のあり方 【消費税】 ・軽減税率制度について関係事業者を含む国民の理解を得た上で税率10%時に導入 なお、平成26年12月までに対象品目の選定、区分経理等のための制度整備等の結論を得る 【事業税】 ・社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置や医療法人に対する軽減税率のあり方設備投資 ・研究開発 耐震・防災 ・環境への配慮 ベンチャー投資 ・事業再編 1.生産性向上設備投資促進税制の創設 2.中小企業投資促進税制の拡充 3.研究開発税制の拡充 4.既存建築物の耐震改修促進税制の創設等 5.ベンチャー投資促進税制の創設等 6.事業再編促進税制の創設