九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Colorectal diffuse large B-cell lymphoma:
molecular subclassification and prognostic significance of immunoglobulin gene
translocation
保利, 喜史
http://hdl.handle.net/2324/4060045
出版情報:九州大学, 2019, 博士(医学), 課程博士 バージョン:
権利関係:© 2019 Elsevier Inc. All rights reserved.
(別紙様式2)
氏 名 保利 喜史
論 文 名 Colorectal diffuse large B-cell lymphoma:molecular subclassification and prognostic significance of immunoglobulin gene translocation
論文調査委員 主 査 九州大学 教授 岩城 徹 副 査 九州大学 教授 新井 文用 副 査 九州大学 教授 大賀 正一
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
大 腸 悪 性 リ ン パ 腫 は 大 腸 悪 性 腫 瘍 の 0.2-0.6%と 稀 で あ り 、最 も 頻 度 が 高 い 病 型 は び ま ん 性 大 細 胞 型 B 細 胞 リ ン パ 腫 (DLBCL) で あ る 。 こ れ ま で 大 腸 DLBCL の 分 子 病 理 学 的 異 常 に 基 づ く 治 療 指 針 は 確 立 さ れ て い な い 。そ こ で 大 腸 DLBCL に お け る 分 子 学 的 亜 分 類 を 行 い 、そ れ ぞ れ の 頻 度 と 予 後 因 子 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 。対 象 は DLBCL 様 形 態 を 呈 し た 大 腸 悪 性 リ ン パ 腫 25 症 例 で あ る 。方 法 は 、 免 疫 組 織 化 学 染 色 に よ り 、①CD10, bcl-6お よ びMUM1を 用 い て 胚 中 心B細 胞 様(GCB) /非 GCB タ イ プ 、 ②bcl-2, c-myc を 共 発 現 し た Double expressor(DE)/非 DE に 分 類 し た 。 次 に 、 蛍 光 in situ ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン 法 (FISH 法 ) を 用 い て 、 BCL2,BCL6,MYC,IGH,IGK,IGL 及 び MALT1 に 関 す る 遺 伝 子 転 座 の 有 無 を 検 索 し た 。 2017年 の WHO 分 類 に 従 い 、DLBCL, NOS(n=23; 92%)と high grade B-cell lymphoma, double hit(n=2; 8%) に 分 類 し た 。 全 例 に Epstein-Barr ウ イ ル ス 感 染 を 認 め な か っ た 。25 例 中 、10 例 が GCB タ イ プ 、4 例 が DE で あ っ た が 、 明 ら か な 臨 床 病 理 学 的 意 義 を 認 め な か っ た 。 遺 伝 子 転 座 が 見 ら れ た の は 、BCL2(3 例,12%),BCL6(3 例,12%), MYC(10 例,40%),IGH(14 例,56%),IGK(3 例,12%),IGL(3 例,12%)お よ び MALT1(0 例)で あ っ た 。 特 に 、IGH 転 座 陽 性 群 は 、 全 生 存 率 (P=0.0053) お よ び 無 増 悪 生 存 率 (P=0.0259) に 関 し て 、 統 計 学 的 有 意 に 予 後 良 好 で あ っ た 。 同 様 に 、 少 な く と も 1 つ の 免 疫 グ ロ ブ リ ン 遺 伝 子(IGs)転 座 陽 性 群 は 、DLBCL,NOS に お い て も 予 後 が 良 好 で あ っ た 。 こ の 結 果 、 大 腸 DLBCLに お い て も 、 少 数 例 の double hit lymphomaが 含 ま れ る こ と が 判 明 し 、少 な く と も 1 つ の IG 転 座 陽 性 は 、大 腸 DLBCL の 予 後 良 好 因 子 で あ る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 従 っ て 、IG, MYC, BCL2/BCL6 の 転 座 の 検 討 は 、 大 腸 DLBCLの 診 断 と 予 後 予 測 に 役 立 つ と 考 え ら れ る 。
以上の成績はこの方面の研究に知見を加えた意義あるものと考えられる。本論文につ いての試験はまず論文の研究目的、方法、実験成績などについて説明を求め、各調査委員 より専門的な観点から論文内容及びこれに関連した事項について種々質問を行ったが概ね 適切な回答を得た。なお本論文は共著者10名であるが、予備調査の結果、本人が主導的役 割を果たしていることを確認した。
よって調査委員合議の結果、試験は合格と決定した。