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(1)

1 はじめに

(1)研究の背景と目的

苦情対応は消費者満足を源泉とする企業戦略 にとって,顧客維持の経済性の問題として非常 に重要である。しかし人件費やシステムの導入 などのコストを抱えることになるため,客観的 な効果については関心の高まるところである。

一方で,製造物責任法の施行や消費者基本法の 改正以降,問題の帰属を企業に求めることが一 般的となり,国民生活センターや企業への苦情 の量は増加傾向を示している1)。またインター ネットの普及によって,ソーシャル・メディア への書き込みなどのウェブ上での苦情行動も登 場しているが,これらの行動は「自己効力感」

や「他人への配慮」といった対企業の意図を持 たない(Hennig, 2004, et.al)要因も多い上,企 業が把握できない間に不特定多数の消費者に拡 散してしまう特徴がある。

こうした質・量とも急激に変化する苦情行動 の現状において,企業の苦情対応の意義と必要 性が問われている。本研究はこれまで数多く積 み重ねられてきた苦情研究に,消費者の行動・

思考の多様化した時代背景を踏まえ,消費者が 不満足経験から苦情行動を取ったとき,企業が 苦情対応を行わないことが,満足や再購買意図 を抱くプロセスにどのような影響を与えるのか を明らかにすることを試みるものである。これ まで苦情対応されなかった消費者について触れ られている研究は少ないため,苦情対応があっ

「苦情対応されない消費者」の 

満足・不満足,ロイヤルティ形成に関する一考察 A Model of Satisfaction, Dissatisfaction and Loyalty

on Non-Remedied Consumers with Complaining

髙木 真衣

TAKAGI, Mai

本研究は,消費者の購買後評価における満足・不満足に続く概念である苦情行動への対応を テーマにしている。具体的には,「苦情対応されなかった消費者」の満足及びロイヤルティ形成 について Andreassen(2000)が課題とした,当初の負の感情―ロイヤルティ間の因果関係を組 み込んだモデルを基にアンケート調査を実施し,苦情対応があった消費者と苦情対応されなかっ た消費者の比較を行った。共分散構造分析の結果,「苦情対応有無への期待」と実際の対応有無 による不確認がある場合,満足度に影響を与えるとする期待不一致のプロセスにおいてはどちら も全てのパスが有効であったが,「対応有無の期待」から「対応有無満足度」への同化効果によ る影響は,苦情対応されなかった消費者では見られなかった。また「ロイヤルティ」に影響を与 える 2 変数は,苦情対応のあった消費者では「対応有無満足度」からの影響のほうが強かった一 方,対応されなかった消費者については「当初の負の感情」からの影響がより強いという違いが 見られ,苦情対応されなかった消費者の満足・不満足,ロイヤルティ形成は,苦情対応があった 消費者と異なることが確認された。

キーワード: 苦情行動(complaining),苦情対応(service recovery),満足・不満足(satisfaction,  dissatisfaction),ロイヤルティ(loyalty),期待不一致(perceived performance ver- sus expectancy disconfirmation)

(2)

た消費者との違いを明らかにする点で苦情対応 の研究上意義あるものと言える。また,苦情対 応されなかった消費者の満足度とロイヤルティ の形成に影響を与える変数を明らかにすること は,実務的な視点からも有意義である。苦情対 応自体がないことが消費者に与える影響を知る ことは,今後苦情行動に対して企業が取り組む 選択肢に一つの方向性を指し示す根拠とするこ とができると考える。

(2)研究の範囲

本研究では中森・竹内(1999)の規定をも とに,「不満という負の感情から生じる行動的 反応」を広義の苦情行動とする。具体的には,

黙って購買を減じたり中止するなどの行動的反 応ではないものを除く,納得のいく問題解決を 求めている要求行動であるクレーム,友人・知 人に対して,もしくはインターネット上で行わ れる負のクチコミ,消費者センターなどへの相 談,マスコミへの投げかけなど第三者に対して 行う行動によるもの,全てを分析の対象とす る。

また本研究は消費者の購買意思決定プロセス での購買後行動に位置付けられ,消費者の不満 足経験後のプロセスを明らかにすることが主旨 となるため,企業側の要因や苦情対応の内容な ど企業側の管理的側面からのアプローチは扱わ ない。

不満経験の対象として,財を絞ることは行わ なかった。多くの先行研究においてはサービス 財が対象とされるが,全ての産業がサービスの 要素を含むと言われる現状より,財を限定する 必要はないと考えたため,全ての購買行動にお ける不満によって生じた苦情行動に対して検証 をすることとした。

2 先行研究

(1)消費者満足研究

消費者が購買後に満足・不満足を感じるメカ ニズムは,主に消費者満足研究を中心に発展し

てきた。消費者満足とは,小島(1980)が先行 研究2)の共通性を要約し,整理した概念規定 では,消費生活の場で消費者に提供される便益 のパフォーマンスに対する期待水準と,それに 対する知覚水準との比較より生じた心理的状 態であるとされている。同様に不満足は,パ フォーマンスに対する期待水準と知覚水準に負 の不一致が起きたとき,知覚水準と期待水準を 変化させようとする心理であるとし,同化反 応,対比反応,そして同化―対比反応の 3 つ の反応によって説明されている。Oliver(1980; 

1997)は,消費者がサービス利用前に持ってい たサービス基準への期待と実際のパフォーマン スを検証し,サービスが期待以上のとき「肯定 的不一致」,下回れば「否定的不一致」,期待通 りであれば「一致」と判定すると考え,消費者 の満足は期待値とパフォーマンスの差との相関 があると述べている。

これらに共通するのは,比較基準としての期 待と実際の成果もしくは知覚した成果の対比に よって発生する心理状態が,消費者満足・不満 足形成のプロセスであるという考え方で,確認

−不確認パラダイムに依拠する期待不一致モデ ルとして知られている。

消費者満足研究には継続性を考慮したアプ ローチも多い。満足後の継続性の観測項目とし て,再購買,クチコミ,関連購買などがあり,

行動及び行動意図をロイヤルティと捉えて理 論化する試みがなされている。LaBarbera and  Mazursky(1983)は,満足度を中心として購 買後評価からの影響と次の購買前評価への影響 を,It−1 → Pt → SAT → It → Pt+1(※ I:購買 意図,P:購買・非購買の選択,SAT:顧客満 足,t:期間)のように模式化した。このモデ ルは満足が次の期の購買意図に影響を与えると しており,小野(2002)の提唱する事前期待と 組み合わせた消費者満足形成のダイナミック・

モデルなどの基礎となっている。

(3)

(2)苦情行動の実態に関する調査研究 製品やサービスを提供した企業への苦情行動 を「直接苦情」,それ以外のクチコミや法的措 置などの行動を「間接苦情」とすると,実際 に不満を感じた消費者の多くは直接苦情をし な い。Edvardsson, Thomasson and Ovretveit

(1994)の米国におけるサービスに関する研究 では,不満を感じた消費者のうち 96%は苦情 申し立てを行わないという結果が出ている。

Warland, Herrmann, and Willits(1975)が行っ た売り場での不満経験に関する調査では,店 員に苦情を言ったのは対象者の 32%,企業に 手紙を書いたのは 8%で,直接苦情行動をした のは 4 割程度であった。Day et al.(1977)は,

売り手や製造業者に対して修理の要求や苦情を 行う消費者は約 47%で,半数以上は売り手に 接触しないクチコミなどの苦情行動をとること を明らかにしている。日本では藤村(1998)が 病院とビジネスホテルを対象にした調査を行っ ている。病院の外来患者の 33%,入院患者の 37%はサービスに何らかの不満を感じている が,そのうち直接的な苦情行動を取った人の割 合は外来患者が約 19%,入院患者が約 22%と いう結果であった。ビジネスホテルの宿泊者へ の調査でも,41%は不満経験があるにもかかわ らず,苦情を出したのはその中の 29%であり,

日本においても直接苦情が行われない傾向にあ ることが報告されている。

(3)苦情対応の効果に関する研究

苦情対応の効果を取り扱った研究の多くは,

苦情対応の満足度を起点としたサービス・リカ バリー・パラドックスを議論の中心としてい る。これは,適切な苦情対応により満足度が 高まると,不満が発生する前や不満を持つこ とがなかった人よりも総合満足度や再購買意 図に正の影響を与えるといわれる現象である。

Strauss and Hill(2001)は e メールでの苦情 行動と対応を調査し,返答された 47%の消費 者の満足度と再購買意図,企業への信用や評価

が高くなることを報告した。池内(2008)も,

苦情対応満足度が高まると再購買意図が有意に 高まるという調査結果を報告しているが,その 説明として判断の直前に入手した情報が強く影 響を与える「新近効果」3)のはたらきが苦情行 動において高まり,最後に直面した苦情対応の 成否が満足度や再購買意図に反映されていると の考察を行っている。

一方,サービス・リカバリー・パラドックス には否定的な調査結果も少なくない。Liljander

(1999)は,苦情対応に満足した対象者のその 後の行動について調査したところ,再購買や他 人への推奨を行うわけではなく,むしろ当初の 不満経験から負のクチコミを行う傾向があるこ とを報告している。Andreassen(2001)がノ ルウェーにおいて 8,600 人に行った大規模な調 査でも,サービス・リカバリーを経験し,リカ バリーに満足した消費者の再購買行動や企業イ メージ4)は,不満はあったが苦情行動をとらな かった消費者よりは上回るが,問題を経験して いない消費者よりも向上することはないという 結果であった。このことについて Andreassen は,消費者が企業からのリカバリーに満足した としても,満足している人々より消費を増やす わけではないと述べている。

(4)苦情対応効果の影響要因に関する研究 苦情対応効果の影響要因研究には,Adams が論じた社会交換理論を端緒とし,苦情対応の 内容による満足を「分配的公正」,「手続き的公 正」,「相互作用的公正」という概念で説明を試 みた「公正5)理論」によるアプローチ(Thibaut  and Walker, 1975; Bies and Moag, 1986)があ る。この 3 つを変数として苦情対応満足度を 説明した Goodwin and Ross(2004)をはじめ,

Maxham III(2003)や高橋(2007)など,公 正が苦情対応満足度に与える因果関係を検証す るモデルが多く構築されている。

もう一つに,Oliver に代表される確認−不確 認パラダイムを論拠としたアプローチが行われ

(4)

ている。Andreassen(2000)が提起した期待 不一致モデルをベースとしたモデルでは,知覚 された成果は公正性を経由し,サービス・リカ バリーの満足度に影響を与えるとする公正理論 を組み込んでいると同時に,苦情対応への期待 と知覚された成果の差によって不確認が生じ,

期待不一致として満足度に影響を与えているこ とを明らかにしている。更にサービス・リカバ リーへの期待からも満足度への影響が確認され ているが,不確認による対比効果のほうがより 強く反映されているとし,苦情対応の満足度の 形成プロセスを提示した。また,新しく追加し た概念である,最初の失敗によって引き起こさ れる「当初の負の感情」が苦情対応の満足度に 影響を与えると考えた仮説は棄却されたが,ロ イヤルティにインパクトを与えているのではな いかとする新たな仮説を導出している。

3 仮説の設定

(1)先行研究での課題

前章では消費者満足度に関わる研究及び苦情 研究を俯瞰した。その結果,先行研究には次の ような残された課題があると考えた。

【苦情行動における苦情対応されない消費者の 視点の欠如】

これまでの苦情行動に関する調査より,商 品・サービスに不満を感じても直接企業に接 する苦情行動をとる消費者は少なく,クチコ ミなどの間接苦情行動をとる消費者のほうが多 いことが分かっている。また企業への苦情行動 をとっても,半数以上が対応されなかったとす る調査結果も報告されている。これらから言え ることは,企業へ直接行われる苦情行動は少な く,また企業へ接触したとしても対応されない ケースが少なくない点である。しかしながら公 正理論アプローチに代表されるように,苦情対 応研究の多くは苦情対応された消費者にとっ て,苦情対応の質が満足度へどのように影響を 及ぼすのかを対象としており,企業から苦情対 応がなかった場合の影響に言及している研究は

少ない。

【苦情行動における満足度とロイヤルティの差 異に関する検討】

一般的な消費者満足研究では,ロイヤルティ は満足がもたらす結果要因である(e.g. 小野,

2002)と考えられている。しかしLiljander(1999)

の検証のように,苦情対応に満足しても当初の 不満経験から負のクチコミを行うとされてい ることや,リカバリーに満足した消費者の再購 買行動や企業イメージが上昇しなかったという Andreassen(2001)の調査結果を考慮すると,

満足度とロイヤルティの関係は消費者満足研究 とは異なる,苦情対応独自の影響を受けている 可能性が推測される。しかしながら苦情対応に おけるロイヤルティがどのような影響を受けて 形成されているのかはほとんど実証研究されて いない。

そこで本研究では,間接行動を含め苦情行動 を起こしたにも関わらず「苦情対応されない消 費者」に注目し,このような消費者の満足・不 満足,ロイヤルティ形成モデルを構築すること で,苦情対応における満足度とロイヤルティが どのような影響を受けているのかを明らかにす ることとした。

(2)仮説検証のフレームワーク

【Andreassen モデル(2000)】

実証研究の少ない苦情対応されなかった消費 者を検証するためには,対応内容を扱う公正理 論に基づくモデルではなく,苦情対応有無への 期待を対象とした確認−不確認パラダイムを用 いた分析が必要となる。また調査例が少ないた め,ロイヤルティへ与える影響についても,特 殊な要因ではなく不満の程度6)といった一般 的な苦情行動の要因を外生変数として検証する べきと考えられる。Andreassen のサービス・

リカバリーによる苦情対応効果モデル(2000)

は,確認−不確認パラダイムと公正理論に基づ く苦情対応効果モデルの一つであるが,期待不 一致モデルの基本的な構成をとっている。ま

(5)

た,このモデルでは不満の程度を示す「当初の 負の感情」を外生変数として含んでおり,苦情 対応が無かった消費者の満足度とロイヤルティ を分析するフレームワークとして適当であると 考えた。更に Andreassen の検証結果において,

「当初の負の感情」から「リカバリーの満足度」

に影響が表れなかったことについて,ロイヤル ティへの影響の可能性が示唆されており,残さ れた課題を明らかにする意義も見出せるモデル であると思われる。

(3)用語の定義

目的変数となるロイヤルティについては,小 野(2002)が,再購買意図やブランド・スイッ チである「行動的結果」,態度やコミットメン トである「心理的結果」,双方の影響を受けて 社会関係へ波及するかたち(例えばクチコミな ど)の「社会的結果」の 3 つの要素により構成 されるとしている。今回の仮説検証では経験を 質問するアンケート調査の形式をとったため,

観測可能な再購買意図と他人への推奨を指標と して,ロイヤルティを定義する。

(4)仮説の設定

本研究では,苦情対応されなかった消費者の 満足・不満足,ロイヤルティ形成を明らかにす るため,まず苦情行動後の満足・不満足,ロイ ヤルティ形成モデルの成立を確認する。その後 苦情対応があった消費者との比較を通じて,苦 情対応の有無による満足度とロイヤルティの形 成の差異を明らかにする。

1) H1: 苦情行動後の満足・不満足,ロイヤル ティ形成モデルに関する仮説

これまでの苦情対応研究では,企業が行う苦 情対応の内容に対する期待と実際のパフォーマ ンスの期待不一致や,対応してくれる内容につ いての公正性を対象としている。しかしながら 実際は不満経験後に何らかの行動を取ったと しても,苦情対応を受けていない消費者も多 く存在する。このような苦情対応されなかっ た消費者の期待と実際のパフォーマンス,す なわち企業が対応をしてくれるという期待と,

実際の対応の有無によって生じる期待不確認 が満足・不満足に与える影響を確認するため,

Andreassen(2000)のモデルから公正理論の 概念を取り除き,新たにロイヤルティを構成要 素に加えてモデルの見直しを行った(図 1)。

図 1 仮説検証概念モデル

出所:筆者作成 H1-1

H1-4

H1-2 H1-3

H1-5 対応有無の

期待(E)

対応有無の

不確認(D) 対応有無

満足度(S)

負の感情(N)当初の

ロイヤルティ

(L)

対応有無

(H2)

※点線部分は対応の有無で  母集団をわけて検証する

(6)

仮説 1 では,苦情行動を起こした消費者の満 足・不満足とロイヤルティの形成について仮説 モデルの妥当性の検証を行う。満足度とロイヤ ルティの関係性については否定する苦情研究も あるが,因果関係が全くないとは言えないた め,多くの消費者満足の先行研究に基づいて,

苦情行動時にも正の影響が生じるとして検証す る。また,Andreassen(2000)の先行研究で 示唆され,本モデルに追加した「当初の負の感 情」と「ロイヤルティ」の因果関係についても 確認する。

H1-1: 「対応有無の期待」は「対応有無の 不確認」に負の影響を与える。

H1-2: 「対応有無の不確認」が高いと,「対 応有無満足度」は高くなる。

H1-3: 「対応有無満足度」が高いと,「ロイ ヤルティ」は高くなる。

H1-4: 「対応有無の期待」が高いと,「対応 有無満足度」は高くなる。

H1-5: 「当初の負の感情」が高いと,「ロイ ヤルティ」は低くなる。

2) H2: 苦情対応有無別による満足・不満足,

ロイヤルティ形成差異に関する仮説 次に,仮説 1 で設定したモデルをベースとし て,苦情対応があった消費者と対応されなかっ た消費者の間に,モデル上の影響の度合いにど のような差が生じるのかを検証する。

最初に苦情対応の効果である「対応有無満足 度」と「ロイヤルティ」がそれぞれどの変数か らの影響を強く受けているのか,苦情対応が あった群と苦情対応されなかった群にわけて 確認する。Andreassen(2000)の検証により,

「サービス・リカバリーの満足度」は「サービ ス・リカバリーへの期待」からの同化効果によ るパスよりも,対比効果による「不確認」から の影響のほうが大きいという知見を得ている。

苦情対応がなかった場合も同様の効果が生じる と考えられるため,次の仮説を設定した。

H2-1a:  苦情対応があった消費者の「対応有 無満足度」は「対応有無の期待」よ

り「対応有無の不確認」からの影響 が強い。

H2-1b:  苦情対応されなかった消費者の「対 応有無満足度」は「対応有無の期待」

より「対応有無の不確認」からの影 響が強い。

一 方 ロ イ ヤ ル テ ィ に 関 し て は,Liljander

(1999)の調査で,苦情対応に満足しても再購 買や他人への推奨を行うわけではなく,当初の 不満経験から負のクチコミを行う傾向があるこ とが述べられている。この結果は苦情対応が あった消費者への調査であるが,一般的に苦情 対応されなかった消費者のロイヤルティが苦情 対応された消費者を上回ることはないと考えら れることから,次の仮説を導き出した。

H2-1c:  苦情対応があった消費者の「ロイヤ ルティ」は「苦情対応満足度」より

「当初の負の感情」からの影響が強い。

H2-1d:  苦情対応されなかった消費者の「ロ イヤルティ」は「苦情対応満足度」

より「当初の負の感情」からの影 響が強い。

次に変数間のパスの強さの比較を苦情対応が あった群と対応されなかった群間で行う。

先行研究において検証されている確認−不確 認パラダイムは,期待と成果の不一致を基にす るため,苦情対応がなかった群についても同様 の理論で支持されると仮定できる。このため変 数間の影響力に群間の差は生じないとして次の 仮説を設定した。

H2-2a:  苦情対応があった消費者と苦情対 応されなかった消費者の間に,「対応 有無の期待」から「対応有無の不確 認」に与える影響の強さに差はない。

H2-2b:  苦情対応があった消費者と苦情対 応されなかった消費者の間に,「対 応有無の不確認」から「対応有無 満足度」に与える影響の強さに差 はない。

H2-2c:  苦情対応があった消費者と苦情対

(7)

応されなかった消費者の間に,「対 応有無の期待」から「対応有無満足 度」に与える影響の強さに差はない。

新規に追加した概念である「ロイヤルティ」

は,Andreassen(2001)の研究では,リカバ リーされ満足を感じた消費者は,不満を持った にも関わらず苦情行動しなかった消費者より,

企業イメージや再購買意図が上回ると述べてい る。今回の苦情対応されなかった消費者は,不 満を持ったにも関わらず苦情行動をしなかった 消費者と類似した状態と考えられ,同様の結果 が推定される。よって次の仮説を設定する。

H2-2d:  苦情対応されなかった消費者は,苦 情対応があった消費者より「対応有 無満足度」から「ロイヤルティ」に 与える影響が小さい。

H2-2e:  苦情対応されなかった消費者は,苦情 対応があった消費者より「当初の負の 感情」から「ロイヤルティ」に与える 影響が大きい。

4 仮説の検証

(1)調査概要

前章で設定した仮説を検証するため,アン ケートを実施し「商品やサービスに対する不 満経験後の行動」に関する調査を行った。1 年 以内に商品またはサービスに関して不満を持 ち,企業(その場での苦情行動を含むため設問

中では「商品やサービスの提供者」と表現)へ の申し立て,友人・知人へのクチコミ,ソー シャル・メディアへの書き込み,第三者機関へ の訴えなどの苦情行動の経験についての予備調 査において,2,402 人(有効回答 2,394 人)か ら回答があった。その中から,上記の苦情行動 をとったと回答した 20 代〜 50 代の 611 人を抽 出して本調査を行い,353 人分の有効回答を得 た。データ収集については,株式会社ボーダー ズ(東京都新宿区)のインターネット調査を利 用した。調査項目は先行研究で検証されている 設問及びそれらを基に筆者の仮説を検証するた めに加筆修正した設問を利用し,修正のあった データ項目はα係数による信頼性検証で 0.8 以 上の値を得たものを採用している(表 1)。

(2)仮説検証

初めに仮説として設定したモデルに対し,先 行研究である Andreassen モデルでも用いられ ている手法である共分散構造分析を実施した。

モデルとデータの適合度の基準は大石・都竹

(2009)の示した指標を採用し,具体的な数値基 準については剣持(2006)を参考にしている7)。 このモデルの適合度は GFI = 0.938,AGFI = 0.905,RMSEA = 0.068,AIC = 220.367 で 受 容基準を大幅に下回ったものはなかったが,

RMSEA が 0.068 とやや高めであることから,

因果関係が妥当と考えられる範囲で誤差変数間 表 1 共分散構造分析による分析時使用データの構成

データ項目 数 質問項目 出 所

対応有無の期待 3 謝罪の期待,代替案の期待,説明の期待 Andreassen(2000)を修正

(謝罪:Bell & Zemke, 1987;Goodwin & Ross, 1990)

対応有無の不確認 2 期待との不一致,理想との不一致 Andreassen(2000),Smith et al.(1999)を修正(Oliver, 1980)

対応有無満足度 2 対応有無の満足,対応有無の納得 黒岩(2006)を修正 ロイヤルティ 3 商品の再購買意図,企業への再購買意図,他人への推奨 池内(2010)を修正

当初の負の感情 3 落胆,怒り,驚き Andreassen(2000)

(落胆:Pulutzik, 1980,怒り:Pulutzik, 1980; 

驚き:Russel, 1980, Watson & Telgen, 1985)

(括弧内は出所の引用元)

出所:筆者作成

(8)

の共分散を認める修正を加え,また外生変数 間の関連性を推測するため,変数間の共分散を 追加8)した結果成立したのが図 2 である。こ のモデルの適合度は,GFI = 0.952,AGFI = 0.922,RMSEA = 0.058,AIC = 192.636 となっ た。GFI は理想的な基準である 0.95 以上を示 しており,RMSEA は 0.05 以下にはならなかっ たもののより良好な値となった。AIC も値が 下がり,当初の仮説モデルより適合度指標が高 いモデルと判断できたため,本モデルを採用し 仮説検証を行った。

1) H1: 苦情行動後の満足・不満足,ロイヤル ティ形成モデルに関する仮説検証

まず採用したモデルを用いて,苦情行動を起 こした 353 名の回答を分析したパス係数の結果 を表 2 に示す。適合度は前述の通りである。各 パスの有意確率は「対応有無の期待」から「対 応有無の不確認」が 5%水準,その他は 0.1%

水準で認められ,新しく追加した「対応有無満 足度」から「ロイヤルティ」,及び「当初の負 の感情」から「ロイヤルティ」の 2 つのパスも 因果関係があることが確認された。これによ り,H1-1 〜 5 は支持された。

図 2 苦情行動後の満足・不満足,ロイヤルティ形成モデル(標準化推定値)

出所:筆者作成

.59

.67

.80

.28 .34

.04 .74 .33

.58

.76 .77 .89

.17

.88 .96 .96 .80

.59 .80 .77 .93 .91 .64

.51 .88

.77

.33

‑.20

‑.25

‑.27 .90

.82 謝罪の期待 e3

代替案の期待 e2

説明の期待

検証モデル GFI=.952 AGFI=.922 CFI=.974 RMSEA=.058 AIC=192.636

対応有無の期待

対応有無の不確認 対応有無満足度 ロイヤルティ

当初の負の感情 e1

落胆の感情 e4

怒りの感情 e5

驚きの感情 e6

d1

d2

d3

e7 期待との不一致

e8 理想との不一致

e11 再購買意図商品

e12 再購買意図企業への

e13 他人への推奨

e9 有無満足度

e10 有無納得度

.32 .56

.57

.67 .45

.32

表 2 検証モデルの共分散構造分析の結果

仮 説 パ ス 標準化

推定値 有意

確率 判 定

H1-1 対応有無の期待  ⇒ 対応有無の不確認 -0.196 0.013 * H1-2 対応有無の不確認 ⇒ 対応有無満足度 0.878 0.000  ***

H1-3 対応有無満足度  ⇒ ロイヤルティ 0.511 0.000  ***

H1-4 対応有無の期待  ⇒ 対応有無満足度 0.166 0.000  ***

H1-5 当初の負の感情  ⇒ ロイヤルティ -0.254 0.000  ***

*:p < 0.05, **:p < 0.01, ***:p < 0.001, n. s.:no significant 出所:筆者作成

(9)

2) H2: 苦情対応有無別による満足・不満足,

ロイヤルティ形成差異に関する仮説検証 仮説 2 では,苦情対応があった消費者と対 応されなかった消費者を比較するため,アン ケート回答者のデータを苦情対応があった群

( = 136)と対応されなかった群( = 217)

に二分し,検証モデルに従って多母集団の同時 分析を行った。モデル適合度は苦情対応があっ た 群 で GFI = 0.929,AGFI = 0.885,RMSEA

= 0.048,苦情対応されなかった群では GFI = 0.933,AGFI=0.891,RMSEA=0.060となった。

AGFI がやや低いが,AGFI ≦ GFI の関係が成 立しており,その他の指標も許容可能な範囲の ため,それぞれのデータに対し本モデルによる 検証を行った。分析結果は表 3 の通りである。

H2-1 では,苦情対応があった群と対応され なかった群それぞれの群内において,「対応有 無満足度」及び「ロイヤルティ」に影響を与え る各変数からの標準化推定値の大きさを比較し た。

「対応有無満足度」に影響を与える 2 つのパ スにおいては,苦情対応があった群では「対応

有無の期待」より「対応有無の不確認」からの 影響が強いという結果で H2-1a は支持された。

苦情対応されなかった群では「対応有無の期 待」から「対応有無満足度」へのパスは棄却さ れ,「対応有無の不確認」からの影響のみが確 認された(H2-1b)。「対応有無満足度」は,期 待 → 満足度で生じる同化効果より不確認 →  満足度に発生する対比効果の影響力が強いこと を Andreassen(2000)がその分析結果の考察 で述べているが,今回の検証においても苦情対 応があった群で追確認された。苦情対応されな かった消費者群はパスが棄却されたが,「対応 有無不確認」からのみ対比効果を受けていると 考えられる結果であった。

「当初の負の感情」と「対応有無満足度」か ら「ロイヤルティ」への影響の強さには 2 群に 違いが見られた。苦情対応があった群では「対 応有無満足度」からのパスのほうが「当初の負 の感情」よりパス係数の絶対値が大きく(H2- 1c),苦情対応されなかった群では「当初の負の 感情」からのほうが大きい(H2-1d)結果で,

仮説は後者のみ支持された。池内(2008)は,

表 3 苦情対応有無別による多母集団の同時比較結果

苦情対応

期待

⇒ 不確認

不確認

⇒ 満足度

期待

⇒ 満足度

満足度

ロイヤルティ

負の感情

ロイヤルティ

標準化推定値 -0.496 0.772 0.181 0.447 -0.255

非標準化推定値 -0.584 0.789 0.218 0.417 -0.284

標準誤差 0.251 0.126 0.109 0.085 0.116

有意確率 0.020 0.000 0.046 0.000 0.014

パスの判定 * *** * *** *

標準化推定値 -0.633 0.863 0.148 0.241 -0.359

非標準化推定値 -0.273 1.442 0.107 0.198 -0.826

標準誤差 0.048 0.346 0.106 0.062 0.227

有意確率 0.000 0.000 0.312 0.001 0.000

パスの判定 *** *** n. s. ** ***

パラメータ間の差に対する

検定統計量( ) 1.217 1.772 -0.733 -2.079* -2.129*

*:p < 0.05, **:p < 0.01, ***:p < 0.001, n.s.:no significant

出所:筆者作成

(10)

苦情行動においては直近の情報が強く影響す る「新近効果」が強くはたらいていると述べて おり,最初に不満足があったとしても直近に行 われた苦情対応の印象が,その後の変数により 影響を及ぼすと指摘している。今回苦情対応さ れなかった消費者を分析することによって,苦 情対応がない場合の最新の情報,すなわち当初 に感じていた通りの負の感情からの影響が継続 し,苦情対応があった消費者よりも「ロイヤル ティ」が低下したことを説明できると考える。

H2-2 では群間での各パスの大きさの差を検 証するため多母集団の同時比較を行い,パラ メータ間の差に対する検定統計量を確認した。

モデル適合度は GFI = 0.932,AGFI = 0.889,

RMSEA = 0.040 と良好な値のため本モデルを 採択し,仮説の検証を行った。

その結果,期待不一致モデルのプロセスで群 間に差異は見られず H2-2a 及び b は支持となっ た。また,「対応有無の期待」から「対応有無 満足度」へのパスは仮説 2-1b で述べた通り,

苦情対応されなかった群でパスが有意でなかっ たため棄却された(H2-2c)。また,「ロイヤル ティ」に影響を与える 2 つのパスでは有意差が 確認できた。「対応有無満足度」から「ロイヤ ルティ」のパス係数において,パラメータ間の 差に対する検定統計量が -2.079 を示した。この パスは 2 群とも有意なパスであることから,苦 情対応があった群と対応されなかった群の間 で,影響の大きさに 5%水準で有意な差がある といえる結果となり,H2-2d は支持された。更 に「当初の負の感情」から「ロイヤルティ」の パラメータ間の差に対する検定量も -2.129 で有 意差(5%水準)があることが示され,H2-2e を支持する結果となった。このことは H2-1 で 確認されたように,苦情対応があった消費者は 満足度から,苦情対応されなかった消費者は当 初の負の感情からの影響をより強く受ける,異 なる形成プロセスであった結果を補完するもの となった。

5 結 論

(1)結 論

本研究では,これまでほとんど検証されてこ なかった,「苦情行動をとったにも関わらず対 応されなかった消費者」という別の角度から,

苦情対応の効果としての満足・不満足,ロイヤ ルティを明らかにした。

まず,Andreassen(2000)が残された課題 として指摘した「ロイヤルティ」を組み込み,

苦情行動の第一の先行条件となる「当初の負の 感情」が負の影響を与えていることを明らかに することで,苦情対応におけるロイヤルティが 満足度とは異なる影響を受ける概念であること を示すことができた。そして本研究の主題であ る,苦情対応されなった消費者の満足・不満 足,ロイヤルティ形成プロセスが,期待不一致 のプロセスが有効である一方,それ以外の点で 苦情対応があった消費者とは異なることを提示 することができた。今回の分析では,苦情対応 されなかった消費者が「対応有無の期待」か ら「対応有無満足度」への同化効果による影響 を受けておらず,「ロイヤルティ」は新近効果 によって「満足度」より「当初の負の感情」か らの影響をより強く受けているという違いがみ られた。このように苦情対応における満足度や ロイヤルティ形成の違いを明らかにできたこと は,苦情対応の効果研究において一つの意味あ る結果であると考える。

今回の検証によって苦情対応を行わないこと が一時的な苦情対応の有無に対する満足・不満 足には大きな影響を及ぼさない一方で,再購買 意図や他人への推奨から構成される継続的な

「ロイヤルティ」に関わっていることが確認さ れた。今後苦情研究におけるロイヤルティの位 置づけをより重要な概念として捉えて検証して いくべきであると結論付ける。

(2)実務へのインプリケーション

Andreassen(2001)は,苦情対応による満

(11)

足度を高めても企業にとって消費を増やすこと にはならないと述べているが,消費活動が緩や かとなっている日本において,少しでも消費の 低減を食い止めることも重要な戦略の一つであ るといえる。

例えば企業からの対応期待が低いと思われ る間接苦情行動ではあるが,今回の調査結果 によれば,その時点で苦情対応されないこと を不満に感じないとしても,再購買や知人への 推奨行動は減少すると推測される。苦情対応が あった場合は当初の負の感情からよりも,満足 度からロイヤルティへの影響が強くなる結果が 表れており,まずクチコミなど企業が見えない 苦情行動を行う消費者に,直接企業への申し立 てを行わせることが実務上重要と考えられる。

Richins(1983)の研究によれば,企業側に救 済の態度が見えない場合や接触方法が複雑で あると感じるときには,直接苦情ではなくクチ コミを選択するという。消費者に直接苦情行動 を取ってもらうことで,企業が対応できる環境 を作り出すことは,消費者にとってもロイヤル ティを維持したい企業にとっても大切なことで ある。

更にソーシャル・メディア上での苦情行動に 対しても取り組むことは,苦情対応されると考 えていない消費者にとって,より強い対比効果 によって満足度向上にもつながる可能性があ る。消費者から苦情されるのをただ待つだけで なく,自ら接触していくことも苦情対応による 消費者満足形成の一方法として考えられる9)

苦情対応は,短期的には企業にとって様々な 点で負担となるため,行わないことも一つの選 択である。しかし経営上重要となるロイヤル ティを高めるため,長期的な視野を持って積極 的な苦情対応を試みることは,今後の企業に求 められることではないだろうか。

(3)残された課題

今回の検証では苦情対応の有無別の群に分け て,それぞれの満足・不満足,ロイヤルティ形

成を比較することにより苦情対応効果の違いを 明らかにした。しかし同じ群であっても不満の 要因や消費者の属性などの外生要因の違いが新 しい知見をもたらすことが可能になると考え る。特に選択する苦情行動の違いは,企業の対 応への期待から生じる不確認の印象が大きく異 なると想像されるため,それぞれの群を更に行 動別に分けて検証することは実務上役立つ検証 であると考えられる。また苦情行動は国によっ ても異なると言われるため,各国との比較を行 うことは,海外からの苦情行動も想定される現 在の状況により有益な研究になると考える。

なお,苦情行動研究においては,各概念の明 確化という問題は今回の検証でも課題であっ た。各概念を構成する観測変数の要素は研究者 ごとに違いがあることは従来から指摘されてお り,定義を明確化することが今後一層求められ る。

【注】

1) 国民生活センター「2009 年度の PIO-NET にみ る消費生活相談の概要」によれば,製造物責任 法施行の 1995 年度に同センターに寄せられた消 費生活相談は 274,076 件だったが,消費者基本 法の大幅改正のあった 2004 年度には 1,243,998 件(振り込み詐欺関連を除く)にまで増加した。

ただしそれ以降は年々減少している。

2) Czepiel and Rosenberg(1977)など。

3) 「親近効果」と表記されることもある。本論文で は池内の記載に倣って「新近効果」とした。

4) Andreassen and Lindostad(1998)などによっ て,再購買意図と企業イメージには正の相関が あり,再購買意図= (サービス・リカバリー 満足度,企業イメージ,誤差),企業イメージ=

(サービス・リカバリー満足度,誤差)の関係 があることが示されている。

5) 公平,公正を表す概念として justice ,fairness , equity が使われており,訳語も「公正」,「公 平」,「衡平」が混在しているが,本論文上では

「公正」に統一して記載した。

6) Day, R. L. (1984), Landon, E. L. (1980)など。

7) 大石・都竹(2009),pp.196-197,剣持(2006),

p.25。

8) 外生変数間の関連性を完全に否定できない場合 は,これらの変数間に共分散の追加を行うとす

(12)

る小塩(2010)の説明に従った。

9) ソフトバンクモバイルでは 2010 年より Twitter 上でカスタマーサポート(@SBCare)を開始し,

自社についての苦情をウェブ上で見つけ,積極 的にフォローするというサービスを行っている。

http://twitter.com/SBCare(2012 年 1 月 3 日 閲 覧)

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【資料】

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参照

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