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ポーランドにおける汚職と組織犯罪

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(1)

ポーランドにおける汚職と組織犯罪

著者 プリュウヴァチェフスキー エーミル, 山中 敬一

雑誌名 ノモス = Nomos

巻 16

ページ 1‑7

発行年 2005‑06‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/12648

(2)

〔論説〕

ポ ー ラ ン ド に お け る 汚 職 と 組 織 犯 罪

エーミル・プリュヴァチェフスキー*

山中敬一訳**

人 口 に 腑 灸 し た 見 解 に よ れ ば 、 ポ ー ラ ン ド に お け る 犯 罪 闘 争 の 最 も 本 質 的 な 問 題 は 、 社 会 に よって苦痛と感じられ、脅威感を引き起こす組織的な一般犯罪である。その結果は、市民によっ て直接に認められ体感される。したがって、それは、社会において驚愕と憤怒を引き起こす。こ の犯罪カテゴリーのもたらす効果は、社会の安全感の問題である。というのは、その結果は個人 にとってはきわめて苦痛で、全体社会にとって目に見えやすいものだからである。

しかし、組織的な一般犯罪は、国家の経済システムと国家構造の動揺にはつながらない。国家 を破壊させ経済システムと国家構造の動揺を引き起こしうるのは、高度に組織化された経済犯罪 である

1 )

。その被害者は、匿名であり複数である。つまり、被害者は、税金とその実際の収入の 低下によって一一収入の低下は、この犯罪から生じ、ほとんどすべての社会の構成員の生活水準 に影響するのであるが、 い っ そ う の 負 担 を 負 う の で あ る 。 こ の 犯 罪 は 、 社 会 に と っ て も 比 較的耐えうるものである。というのは、その結果は、直接的に「目に見えるもの」ではないから である。組織犯罪によって引き起こされた 時には莫大な—損失を計る尺度は、一般には知 られていない。

組織犯罪は、四種類の一般的な「衛星犯罪」(サテライト犯罪)を伴う。それらは、以下の通り である。

●準備犯罪 それには、組織的経済犯罪を実行する際に利用される書類の偽造をも含む

2)0

■補強犯罪 それは、特定の領域における、または特定の活動領域(取引、職務行為)におけ る犯罪集団の地位を補強するものである。この犯罪は、いわゆる犯罪的テロとい う形で実現される

3)

編集部注*

E m i l  P

w a c z e w s k i

ビアリストック大学刑法・犯罪学研究所所長 本稿は

2 0 0 4

4

月2

4

日開催法学 研究所第

5 0

回特別研究会の報告原稿を翻訳したものである。

**  関西大学大学院法務研究科教授

1)とくに、

s e h .Yakov G i l i n k i y ,  Crime and D e v i a n c e :  S t a r e  from R u s s i a ,  R u s s i a n  Academy o f  S c i e n c e s  I n s t i t u t e  od  S o c i o l o g y  ( S t .   P e t e r e b u r g  B r a n c h ) ‑C e n t e r  o f  D e v i a n t o l o g y  B a l t i c  U n i v e r s i t y  o f  E c o l o g y ,  P o l i t i c s  and Law ‑ N o r t h ‑ W e s t  M e d i c a l  C e n t e r e ‑< B e c h t e r e v >  M e d i c a l  C e n t r e ,  Fund <Sound F u t u r e > ,  S t .  P e t e r s b u r g  2 0 0 0 ,  S .   85 

ff. 

H u b e r t  K o l e c k i ,  Warunki s k u t e c z e n n e g o  p r z e c i w d z i a l a n i a  z o r g a n i z o w a n e j  p r z e s t e p c z o s c i  g o s p o d a r c z e j  w P o l s c e  

(ポーランドにおける組織的経済犯罪の効果的克服の諸条件)、

i n :K a r o l  S l a w i k  ( H r s g ) ,  W s p o l c z e s n a   p r z e p c z o s c .  Problemy p r a w n o k a r n e ,  k r i m i a l i s t y c z e n e  I  k r y m i n o l o g i c z e n e  

(現在の犯罪、刑法、犯罪捜査学、刑 事学上の諸問題)、

S z c e c i n1 9 9 6 .  

2)虚偽の身分証明書によって、いかにして多くの犯罪を実行し、巨大な利益を上げることができるのかを具体 的に示す多くの事例を挙げることができる。その際、取引、経済または職務における何らかの活動を実現す る必要はない。

3)犯罪テロは、たいてい、恐喝、身代金誘拐、爆発物の設置と爆発またはレストランの破壊といった形で行わ れる。

(3)

●費消犯罪 もっとも頻繁には資金洗浄の形で行われる。そして、

●汚職犯罪 そ れ は 、 最 終 的 に は 、 組 織 犯 罪 集 団 の 活 動 と 組 織 的 経 済 犯 罪 に 関 す る 、 経 済 的 ・ 行 政 的 ・ 政 治 的 な 「 後 ろ 盾 」 を 樹 立 す る こ と に つ な が る4)。

少 し ば か り 単 純 化 し て い う と 、 経 済 地 下 組 織 の 「 サ メ ( ボ ス ) 」 が 「 犯 罪 キ ャ リ ア 」 を 昇 進 し ていく過程は、次のようなものである。

第 1

に 、 莫 大 な 財 産 の 不 法 な 獲 得 で あ る 。 そ の よ う な 財 産 を 得 る た め に は 西 側 諸 国 で 何 十 年 も 働 か な け れ ば な ら な い が 、 そ れ を き わ め て 短 期 間 に 、 つ ま り 、 数 ヶ 月 か ら

2

年間で稼ぐのである。

2

に 、 不 法 な 財 源 か ら の 収 入 の 合 法 化 、 お よ び 、 財 務 当 局 に 対 す る 犯 罪 的 活 動 ( 収 入 の 主 財 源)の「保護の傘」として役立つ、合法的な「隠れ蓑としての機関」への投資である。

3

に、重要な「社会的コネ」を用いることができる関係と可能性を作ることである。それは、

公 式 の 会 合 を 組 織 し 、 政 界 や 行 政 関 係 の 人 間 の 参 加 す る 催 し を 組 織 す る こ と に よ っ て 達 成 さ れ る 。

(そのような会合とは、例えば、学界、芸能界、メデイアの人間も招かれる記念日、慈善の催し等である。)

第 4 に、有利な地位または経済的• 財 政 的 に 有 利 な 意 思 決 定 を 願 っ て 、 著 名 人 の 選 挙 キ ャ ン ペーンに秘密裏に資金援助することである。

5

に、権力への介入である。(下院または上院の議席の獲得による)それは結果として、以前の 不法な経済的• 財政的活動に対する刑事責任の回避と犯罪的経済活動に対する一―—目こぼしと不 干渉によって—有利な法律を作ることを可能にする。これは、特定の経済分野を独占的に支配

し、それによって一定の領域における現実の経済的権力を獲得することにつながる。

そ れ ら す べ て は 、 ポ ー ラ ン ド 国 家 の 抵 抗 力 を 規 制 す る 必 要 を 強 い る 。 国 家 の 抵 抗 力 と は 、 組 織 犯 罪 の 破 壊 的 な 活 動 を 予 防 し 克 服 す る 際 の 国 家 の 活 動 の あ ら ゆ る 現 象 で あ る と 理 解 さ る べ き で あ る 。 つ ま り 、 対 抗 す る 二 つ の 潜 在 力 を 規 制 す る 可 能 性 が 存 在 す る か と い う 問 題 が 生 じ る の で あ る 。 す な わ ち 、 一 方 で は 、 こ の 種 の 犯 罪 に 関 す る 国 家 の 抵 抗 力 と 、 他 方 で は 、 国 家 生 活 の あ ら ゆ る 現 象に対して向けられた組織犯罪の攻撃性と影響力という潜在力である。

この問題に決定を与える興味深い実験は、

2 0 0 0

年から

2 0 0 1

年 に 中 央 調 査 局 の 警 察 官 、 組 織 犯 罪 担 当 の 検 察 官 、 区 裁 判 所 ・ 行 政 管 区 裁 判 所 ・ 控 訴 院 の 刑 事 裁 判 官 な ら び に 王 冠 証 人 に 対 し て 行 わ れ た ア ン ケ ー ト 調 査 の 結 果 で あ る

5)

。 得 ら れ た 結 果 は 、 か な り 不 安 を 与 え る も の で あ る 。 警 察 官 の

2 2

パ ー セ ン ト の み が 、 そ し て 検 察 官 の

8

パ ー セ ン ト の み が 、 組 織 犯 罪 に 対 す る ポ ー ラ ン ド 国 家 の 抵 抗 力 を 、 極 め て 大 き い 、 な い し 、 大 き い と み な し 、 警 察 官 の

5 4

パ ー セ ン ト お よ び 検 察 官 の

5

パ ー セ ン ト が 、 そ れ を 中 く ら い に 大 き い と み な し 、 警 察 官 の

3 5

パ ー セ ン ト お よ び 検 察 官 の

3 9

パー セントが、それを極めて小さいとみなしているのである。

こ の 結 果 に 関 し て 、 被 調 査 者 に は 国 家 構 造 、 政 治 お よ び 国 家 経 済 へ の 効 果 と 影 響 と し て 理 解 さ れ た 意 味 で の 一 組 織 犯 罪 の 潜 在 力 を 、 国 家 抵 抗 力 と そ の 機 関 の 抵 抗 力 の 潜 在 力 と 相 関 さ せ て み る こ と を 依 頼 さ れ た 。 組 織 犯 罪 の 潜 在 力 が 極 め て 大 き い と み な し た の は 、 警 察 官 の

4

パ ー セ ント、検察官の

1

パ ー セ ン ト で あ る 。 警 察 官 の

3 5

バ ー セ ン ト 、 検 察 官 の

1 8

パ ー セ ン ト が そ れ を 大

4) V g l .   B r i t t a  B a n n e n b e r g ,  K o r r u p t i o n   i n   D e u t s c h l a n d  und i h r e   s t r a f r e c h t l i c h e   K o n t r o l l e .   E i n e  k r i m i n o l o g i s c h ‑ s t r a f r e c h t l i c h e   A n a l y s e ,   P o l i z e i   +  F o r s c h u n g ,   B d .   1 8 ,   h e r a u s g e g e b e n   von  B u n d e s k r i m i n a l a m t ,   Hermann  L u c h t e r h a n d  V e r l a g  GmbH, Neuwied und K r i f f e l  2 0 0 2 ,  S .   3 3 1  f f .  

5)

この調査は、私の指導のもとで準備された博士論文との関係で挙行された。それは、

2 0 0 1

年に審査に合格し た後、公刊された。

Z .R a u ,  P r z e s t e p c z p s c  z o r g a n i z o w a n a  w  P o l s c e  i  j e j  z w a l c z a n i e  

(ポーランドにおける組織 犯罪とその克服)

Z a k a m y c z e ,  Krakow 2 0 0 2

、アンケートは、

1 9 5

人の警察官

( 2 2

パーセント)、

1 5 3

人の検察官

( 5 7

パーセント)、

3 5 2

人の裁判官

( 3 8

パーセント)によって受領された。調査された王冠証人の信頼性は、

6 1

パーセントにのぽる。その実際の数は、秘密である。証人保護のプログラムにより

1 2 0

人を超えるものを含む

(家族を含む)。

(4)

きいとみなした。中くらいに大きいとみなしたのは、警察官の 4 8 パーセント、検察官の 46 パーセ ントである。小さいとみなしたのが、警察官の 1 2 パーセント、検察官の 2 2 パーセントである。警 察官の 1 パーセント、検察官の 7 パーセントがそれをほとんど意味がないとみなした 6)0

脅威の種類をもっと詳しく規定するために、したがって、予防の可能性を探るために、被調査 者に次のような問いが発せられた。「あなたは、ポーランドにとって、組織犯罪に関して最も大 きな脅威はどこにあるとお考えですか。」と。検察官の見解によれば、社会にとって最も大きな 脅威は、恐怖感(被調査者の 6 2 パーセント)であり、第 2 順位は、組織犯罪の国家構造への浸透で あった

(49

パーセント)。その次に、この犯罪が、経済構造と経済における損失に影響し

(38

パー セント)、国家活動の重要な領域における収益とその投資に影響しうる危険が指摘された。警察 官は、経済構造への影響をもっとも大きな脅威とみなした

(57

パーセント)、第 2 位は、国家構造 への浸透

(49

パーセント)、第 3 位は、社会に恐怖感を与えるであった

(44

パーセント)。上述の脅 威とならんで、被調査者は、一ー開かれた国答である「その他」の中で、 (検察官の 4 パー セントと警察官の 2 パーセント)、「犯罪活動から得られた収益により政治家を買収し、その活動を 保護し、その他の財政的企てを一ーときには合法的に 可能にすることを認める構造を打ち立 てる」という脅威を指摘した。本質的な脅威をなすのは、「生活スタイルにおけるネガティブな 変化、不道徳化の進展、巨大な収益の達成――財産と個人的影響力の拡大、である。それは、国 家の雇員と公務員の買収を意味し、犯罪の帝国を築くことにつながり、特別の種類の、自己が処 罰されないことを買い取ることであると理解されうるものである」。

組織犯罪集団の活動方向を厳密に測定するために、王冠証人に、次の問いが発せられた。「あ な た が 活 動 し て い た 集 団 に は 、 ど の 国 家 機 関 が 、 一 ー 影 響 力 を行使するため―、関心があり ましたか」と。問われた王冠証人の 9 0 パーセントが、彼らが活動していた集団は警察機関への影 響を行使しようと努力したと答えた。 38 バーセントが、検察庁、 3 3 パーセントが裁判所、 3 3 パー セントが国会議員だと答えた。被調査者の 3 3 パーセントが自治行政機関、 2 4 パーセントが財政監 査機関と答えた。

上述の脅威を具体化するために、ポーランドにおける組織犯罪は、その言葉の最も広い意味に おいて一ー政治と国家一ー自治体の機関の選出された集団の活動に対する影響力を行使している かどうかを尋ねた。回答の中では、自治体への組織犯罪の影響が最も多かった(警察官の

76

パーセ ント、検察官の

59

パーセント、裁判官の

34

パーセント)。第 2 順位は、政党と政治団体であった。(警察 官の

45

パーセント、検察官の

47

パーセント、裁判官の

42

パーセント)。これに対して、国家政治に対する 組織犯罪の影響に関しては、大きな差異があった。すなわち、警察官の 2 6 パーセント、検察官の 8 パーセント、裁判官の 1 0 パーセントが肯定的な回答を寄せた。調査された王冠証人の 39 パーセ ントが、組織犯罪集団の長の、地方官庁(自治体、ゲマインデ、すなわち、市長とゲマインデの長)

の活動に対する影響は、大きいとした。これらの人の 2 8 パーセントが極めて大きい、 3 2 パーセン トが中くらいに大きい、 2 パーセントが小さいとした。しかし、「影響なし」や「わからない」

という選択肢を選んだ者はいなかった。

肯定した者には、次のような質問も行われた。大きな犯罪集団の長は、高級行政官庁、国家官 庁[下院議員、上院議員、大臣、地方代表者 =Woiwode (訳注:ポーランドを 1 6 の地方に分け、それ ぞれの地方において、首相によって任命されるその地方を代表する一人の行政官で、選挙によって選ばれる 知事とは異なる)]の活動に影響力をもつと思うか、もし持つなら、どのような影響か。警察官の

6) V g l .  Uve Dormann, K a r l ‑ F r i e d r i c h  Kochm Hedwig R i s c h ,  Werner V a h l e n k a m p ,  O r g a n i s i e r t e  K r i m i n a l i t a e t  ‑ w i e  

g r o s s  i s t  d i e  G e f a h r ?  

(5)

30

パーセント、検察官の

32

パーセントがこの問いに肯定的に答えた。警察官の

1

パーセント、検 察官の

1

パーセントが、組織犯罪集団の長の高級官庁への影響をきわめて大きいとし、警察官の

20

パーセント、検察官の

2 1

パーセントが大きいとし、警察官の

3 1

パーセント、検察官の

1 6

パーセ ントが中くらいに大きいとした。この問題に関する私自身の経験によると、警察官の

1 5

パーセン ト、検察官の

1 8

パーセントが小さいとし、警察官の

2

パーセント、検察官の

9

パーセントが「彼 らは影響力を持たない」という認定は、現実の状況を反映しているという意見であった。コメン トの中で、被質問者は、間接的影響と直接的影響を区別した。その際、彼らは、直接の影響は、

間接的影響よりも小さいことを強調した。間接的影響とは、一連の財政的依存性、経済的依存性、

社交上知己であること、裏の圧力をもって特徴づけることができるものである。したがって、硬 い腐敗と柔らかい腐敗に区別される。その際、柔らかい腐敗は、間接的な影響の行使に存在する。

したがって、いわゆるコネと絆のネットを認識し、克服することは困難である。王冠証人の証言 から、被質問者の

1 4

パーセントの意見において、組織犯罪の、高級官庁の活動と決定への影響が 極めて大きいとし、

2 7

パーセントが、その影響を大きいとし、さらに

27

パーセントが中くらいに 大きいとした。被質問者の誰も、「影響力なし」という回答に印をつけなかった。質問を受けた

23

パーセントの王冠証人が、そのような質問に回答しなかった。

われわれの関心領域においては、「訴追機関と司法機関(裁判所、検察庁および警察)に対して大 きな組織犯罪集団はいかなる影響をもつか」という問いがとくに重要であった。警察官の

7

パー セントがこの影響を極めて大きいとし、そう答えた者は、検察官と裁判官には誰もいなかった。

警察官の

3 1

パーセント、検察官の

1 1

パーセント、裁判官の

3

パーセントが大きいと答えた。中<

らいの影響と答えたのは、警察官の

39

パーセント、検察官の

3 1

パーセント、裁判官の

1 4

バーセン トであった。影響なしと答えたのは、警察官の

1 3

パーセント、検察官の

1 8

パーセント、裁判官の

1 4

パーセントであった。小さいと答えたのは、警察官の

1 3

パーセント、検察官の

1 8

パーセント、

裁判官の

20

パーセントであった。極めて少ないと答えたのは、警察官の

2

パーセント、検察官の

25

バーセント、裁判官の

1 8

パーセントであった。大きな組織犯罪集団が、訴追機関、司法機関に 何ら影響力をもたないという回答の選択肢は、検察官の

1

パーセントであり、警察官ではゼロで あった。裁判官ではほぼ

8

パーセントによって肯定された。そのように問われた問いには、警察 官の

7

パーセント、検察官の

9

パーセント、裁判官の

37

パーセントが答えなかった。記入された 回答は、判断の創甑を示している。検察官は、警察官と違って、訴追機関・司法機関は、組織犯 罪の影響に対して鈍感であるという見解である。裁判官は、その言明から、組織犯罪の腐敗的な 影響に対する国家機関の鈍感さを高いと判断した。この言明の判断にあたって、それは被質問者 の次のような内面的確信から明らかになることを考慮するべきである。すなわち、彼らは組織犯 罪の克服の領域では専門家であるにもかかわらず、(知識ではなく)その意見を表明しただけだと いうことである。

この問題との関連では、警察官に対して

1 9 6 6

年に行われたアンケートの結果に触れておくこと が重要であろう

7)

。被質問者に多くの問題をもたらしたのが、警察の腐敗における組織犯罪の割 合に関する質問であった。被質問者の多数

( 3 8 .9

パーセント)が、警察官を腐敗させようとする、

7 )   1 9 6 6

年に、スチトノにおける警察大学校での警察に関する調査研究所は、警察における汚職現象と犯罪的地 下組織との警察官のつながりという分野に関するアンケート調査の分析からなる興味深い活動を行った。こ の活動は、

1 9 9 6

9

2 3

日に、ワルシャワのレギオノボにおける警察の地域・区域の指揮官会議において行 われた。アンケートにおいて調査の対象となった警察の人事部は、

4 2 7

枚の質問用紙を配った。そのうち、量 と質の分析には、

3 8 3

の質問用紙が回された。即ち、

8 9 . 6

パーセントが分類された。その他の事例については、

被質問者は回答しなかった。

(6)

組織犯罪と結びついた領域の割合は、 1 0 パーセントを超えないという意見であった。 4 人に 1 人 の被質問者 ( 2 6 .6 パーセント)は、この割合はまったく存在しない、したがって 0 パーセントで あると信じていた。組織犯罪と警察における腐敗との間の緊密な結びつきについては、とりわけ 3 0 年以上も働いている被質問者の間では確信を抱いていた。被質問者の証言は、警察における腐 敗は、残念ながら、「偶発的な」現象ではないことには疑いはないと確信させるものであった。

被質問者の 1 6 . 9 パーセントが、この現象が見られるのは稀だと答えた。これに対して、 4 人に 1 人の被質問者 ( 2 3 .7 パーセント)が、腐敗は、警察において頻繁に起こる現象であるという意見 であった。それは、警察における腐敗は、「常態」であり、深刻な動揺が呼び覚まされねばなら ないものと信じている、被質問者の 1 2 パーセントと結びついていた。その他の被質問者は、警察 における腐敗は「ときには」生じると述べた 8)0

しかし、争いなく残されているのは、組織犯罪集団は、訴追機関と司法機関のさまざまな種類 と態様に影響を及ぼすよう努力しているという事実である。この機関の代表者の買収の際の巧妙 さは、しばしば厳密な計画から生じる。買収との闘争とかかわった警察官は、さまざまな方法を 示唆する。いくつかのものに触れておくと。

■退職した検察官、警察官、裁判官との接触による影響力の確保、彼らの助けをえて職業領域 に浸透し、成果を収める。ここでは影響力をもつ。

■小銭を融資し、カードの負債を払い、またはさまざまの望みをかなえることにより、巧みに、

徐々に買収する。ときには、検察官、警察官、または裁判官は、彼らと交わっている人物が 組織犯罪とつながっていることを知らないのである。

■恥となるようなものを使った影響力の行使。つまり、公共の家(売春宿)からの写真、大酒 をくらったパーティでの写真。そこでは、他の出席者を買収する人が、知らないうちに「も ぐりこんで」おり、写真にまたはフィルムに写されているのである。

●警察官、検察官、裁判官の不誠実を示す財政記録の収集。

●家族による影響力の行使。さまざまな取引の家族の構成員が巻き込まれる。または、最初は、

警察、検察、裁判官にわからないコネに巻き込まれる。

■仕事の受託—さまざまな基金による、報酬のよい受託作業一ーを徐々に確保するための第

1 の誘惑である。

大きな問題をなすのは、検察、裁判所そしてとくに弁護士の構造における「自浄」のメカニズ ムの欠如である。そのことは、しばしば裁判官や検察官が自ら伝えている。とくに懲戒裁判所の 数を増やし、懲戒手続を迅速化し、必要的判決の公開を保証するべきである。迅速な判決と懲戒 裁判所の招集のほか、免罪特権の停止の時期が早められ、裁判所の判決の瞬間までの必要的解任 が導入されるべきである。この領域における本質的な問題は、実務上は、検察官、裁判官、弁護 士に対して作戦技術を適用する可能性が欠如していることである。

中央訴追局の情報から明らかになるように、最後の時期に生じ、買収と結びついた脅迫のもと に、とくに次のことに言及されるべきである。

● 自己の会社に不利益を与える取引

■ 自治官庁、そして、あらゆる保護機関・許認可機関の参加における投機的な土地取引

●信用詐欺、銀行トップの参加におけるなじみの公的機関に不利益な取引、高級官僚の組織犯

8) S

e h e .  E m i l  P l y w a c z e w s k i ,  Das Phanomen d e r  K o r r u p t i o n  a u s  k r i m i n o l o g i s c h e r  S i c h t ,   i n :   J .   F e h e v a r y  ( e d . )  

K o r r u p t i o n  v o r  dem H i n t e r g r u n d  d e r  o r g a n i s i e r t e n  K r i m i n a l i t a t ,  Z e n t r a l e s  K o o r d i n a t i o n s b i . i r o  d e r  MEPA, Wien 

1 9 9 9 ,   s .   1 

ff. 

(7)

罪のサークルとのつながり 9)

そのほかにも、最も多く買収にさらされる領域は、国政、自治体であるということが認定され た。とくに、さまざまな書類、証明書の発行とむすびついたあらゆる活動、公的な募集(手続を 含む)、そして許認可、公的委託、そして国有財産の虚偽評価そしてその私物化である。買収現 象の最大の強いものは、したがって、経済的• 財政的な取引にある。というのは、まさにここで 買収が、最大の利益をもたらすからである。

中央訴追局によって紹介された事件の例は、昨年、世論を大いに沸かせたのであるが、とりわ け外国資本と国内資本の接触点における自治構造における不正義と(国際的な)腐敗が招来され ているという表明であった。このような不正義は、土地を買う個人や法人がすでに早くから都市 化計画を知っており、または、買った地域の決定を変更するために、従業員を買収する点にみら れる

1 0 )

。そのスケールがまだ認識されていない危険な現象は、いわゆる団体買収である。それは、

ある職業団体の利益の「当然の」要素であると理解されている。その例は、ルッデイにおける救 命隊に関係する本年の前半期に起こった不祥事である。そこでは、公衆衛生局の従業員が死亡事 故に関する情報を葬儀店に売り渡していたのである

1 1 )

警察の認識によれば、さまざまな機関や公務の活動における一見「小さな」腐敗の多くの形態 の拡大が示されている。運転免許証の試験の「買収」から虚偽の診断書、虚偽の資格試験(例え ば、医師試験)、市町村の投機における談合された入札(改築工事、廃棄物の搬出、緑化設備の維持、

部屋の賃貸)、その他である。これらすべては、あらゆる国家官庁において、統一的な反買収政策 の実現を保障する、新たな、決定的な行政的システム解決の導入の必要性を引き起こす。刑罰抑 圧においては、作用要素を形成するにすぎない

1 2 )

。警察の手段は、十分ではなく、そのような状 況を克服するに適しているわけでもない。(とくに公的な)買収は、組織犯罪集団に、著しく、刑 事責任の機能化と回避を容易にする。

このような必要性には、国民の安全の改善の最新の政府絹領における覚書が反対する

1 3 )

。そこ では、買収の予防と克服との関係で次のことが認定されている。

■内務大臣は、汚職と戦うためにあらゆる国家組織の行為に対して共通の次元をなす反汚職戦 略を紹介すべきである。社会における汚職現象のネガテイヴな像を作り出すべきである。メ デイアと公務員の職業の人気の常に大きくなる作用によって、そして、

●内務大臣と司法大臣が、汚職と違法行為に対する公務員の責任の加重を提案されるべきであ る。

上でなされた要求とは独立に、組織犯罪と買収のそのほかの科学的な調査の必要性も強調され るべきである。つまり、その結論は、法規定と、発見過程における組織的で技術的な活動の経過

9)

その効果は、メデイアにおいて広くコメントされた釈放と勾留であった。(それにつき、

PZU

生命保険会社と その代表の

W i e c f z r z a k

および、元下院議員の

K o l a s i n s k i t o

結びついた

I t a l m a r k

社の事件をみよ)

10)例えば、もともと住宅建設用に決まっていた地域について、外国のガソリンスタンドと大規模商店が出現す ることがある。

11)買収が非難され、

2 1

人が拘引された (11人の容疑者が勾留された)。意図的な、初期救助の放棄と、筋肉弛緩 剤による患者の殺害も取り調べられた。

1 2 )   S e h .  E m i l  P l y w a c z e w s k i ,  Das P r o b l e m  d e r  K o r r u p t i o n  und d e r e n  P r a e v a n t i o n  i n  P o l e n ,  i n :   C o m a t i n g  C o r r u p t i o n   i n  t h e  European U n i o n  ‑ K o r r u p t i o n  Bekampfung i n  d e r  E u r o p a e i s c h e n  U n i o n  ‑ L a  l u t t e  c o n t r e  l a  c o r r u p t i o n   d a s n s  I  U n i o n  e u r o p e e n e ,  h e r a u s g e g e b e n  von B a r b a r a  H u b e r ,  E u r o p a e i s c h e  R e c h t s a k a d e m i e ,  Band 3 1 ,  T r i e r ,  S .   1 6 1  

ff. 

1 3 )   S i c h e r e s  P o l e n .  Programm d e r  V e r b e s s e r u n g  d e r  B u e r g e r s i c h e r h e i t ,  W a r s z a w a ,  A u g u s t  2 0 0 2 .  

(8)

の現実のそして望ましい修正のための基礎を形成しうる。経験的資料に裏打ちされた要請は、そ のほか、何らかの政治的活動の際に、そしてとりわけ、特殊な目的のための、安全の問題の割引 の際に、極めて争うのは困難である。組織犯罪と汚職を克服するための、まさに、統一性のある、

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ると思われる。

参照

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