国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
〒319-1184 茨城県那珂郡東海村大字舟石川765番地1 TEL 029-282-1122茨城県大洗町にある「HTTR」の施設見学にお出かけください。
お問い合わせ先
大洗研究開発センター 管理部 総務・共生課
TEL
029-267-1672
高温工学試験研究炉(HTTR) 茨城県東茨城郡大洗町http://www.jaea.go.jp/
高温ガス炉
水素
検索
日本原子力研究開発機構
高温ガス炉水素・熱利用研究センター
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国立研究開発法人日本原子力研究開発機構高
温
ガ
ス
炉
炉
心
溶
融
し
な
い
安
全
な
原
子
炉
HTTR
大洗
検索
高温工学試験研究炉(HTTR)
多様な熱利用が可能
優れた安全性
セラミックス被覆燃料
1600℃
でも放射性物質を
閉じ込める
○ 燃料被覆に耐熱性に優れたセラミックスを使用
○ 黒鉛構造材(減速材)により事故時の温度変化が緩慢
○ 冷却材に不活性なヘリウムを使用
高温ガス炉とは
950℃の高温熱を供給可能で、水素
製造、発電、海水淡水化等の幅広い
熱利用が可能
黒鉛構造材
耐熱温度
2500℃
発電以外に、水素製造、高温熱供給、
地域暖房、海水淡水化等の幅広い
熱利用が可能
高
温
か
ら
低
温
ま
で
熱
を
無
駄
な
く
利
用
高温でも安定
(温度制限なし)
ヘリウム冷却材
燃料体 燃料コンパクト 被覆燃料粒子
軽水炉のリスク(炉心溶融、水素爆発、大量の放射性
物質放出)が福島第一原子力発電所(1F)事故によっ
て強く認識された。
原理的には、高温ガス炉は1F事故と同様の事故を起こ
す可能性がない。
580mm 26mm 39mm 厚さ8mm 約1mm 燃料核 (直径約0.6mm) 低密度 熱分解炭素 炭化ケイ素 高密度熱分解炭素優れた安全性
高温ガス炉
燃料とヘリウムは 化学反応しない 注記: 仮に、原子炉内に 水蒸気や空気が侵 入しても、黒鉛の 表面が酸化するに とどまり、原子炉 の安全性を損なう ことはない。 ヘリウム冷却材 (ヘリウム) 燃料 減速材 (黒鉛) ヘリウムは 気体として使用 二酸化 ウラン軽水炉
燃料(被覆管)と 水蒸気の化学反応で 水素が発生 溶融した燃料との 接触により 水は急激に蒸発 注記:1F事故の ように、長 時間の全電 源喪失が起 こった場合 爆発の 危険 水 素 燃料 減速材 (水) 冷却材 (水)冷却材に不活性な
ヘリウムガス
を使用
燃料
の被覆に耐熱性に優れた
セラミックス
を使用
黒鉛(減速材)
により
事故時の温度変化が緩慢
水素爆発・水蒸気爆発が発生しない
燃料溶融しない
温度変化が緩慢で運転員の早急な対応が不要
軽水炉
放熱 冷却材が喪失しても 大熱容量・高熱伝導の 黒鉛が熱を吸収高温ガス炉
1週間 許容燃料温度: 1600℃ 金属被覆 放射性物質 燃料軽水炉
注記:1F事故のように、長時間の全電源喪失が起こった場合 水 素 水蒸気 軽水炉(BWR)の 燃料集合体 (約13cm×約13cm×約4m) 冷却材(水)の蒸発による 冷却機能の喪失により、 燃料・金属被覆共に溶融し、 圧力容器の底にたまる。高温ガス炉
被覆燃料粒子(直径約1mm) 燃料コンパクト(外径26mm、高さ39mm) 放射性物質の放出が顕著になる温度は約2200℃ (1600℃まで再利用可能) 冷却材喪失事故時においても、原子炉は自然に 冷却され、燃料温度は1600℃を超えない。 炭化ケイ素(SiC) 放射性物質 燃料核 直径約0.6mm 二酸化 ウラン 高密度熱分解炭素 低密度熱分解炭素 冷却材(水 ) 燃料温 度 ( ) ℃ 0 1000 2000 3000 0 1 2 3 4 5 6 7 0 2000 3000 1000 冷却材喪失からの 経過時間 *1 ECCS(非常用炉心冷却系)不作動時 *2 ECCS作動時 燃料溶融 数分 *1 *2 放 熱 冷却材 喪失 冷却材喪失により 短時間で急激に 温度が上昇する。 0 1000 2000 3000 0冷却材喪失からの0.5 1 経過時間 燃料温 度 ( ) ℃ 0 2000 1000 3000環境負荷の低減
高温ガス炉
軽水炉
発電分野以外でも炭酸ガス排出削減に貢献
使用済燃料の発生量は軽水炉の約4分の1
バックエンドオプションに柔軟に対応
100万kWe 4年間運転の場合 燃料装荷は1回 濃縮度14% 4年後、軽水炉 の1/4の廃棄物 1~4年目 燃焼度120GWd/t 発電効率は 軽水炉の約3/2倍 被覆燃料粒子 を用いている ため、耐熱、 耐放射線性に 優れる。 100万kWe 4年間運転の場合 1年目 2年目 3年目 燃料装荷は4回 濃縮度4% 4年後、高温ガス炉 の4倍の廃棄物 燃焼度45GWd/t 発電効率は 高温ガス炉の2/3倍 4年目 被覆管の照射寿命 で燃焼度が決まる。 高温ガス炉 直接処分 優れた化学的安定性 中間貯蔵 空気の自然循環で 崩壊熱除去(電源不要) 耐熱耐食性に 優れる セラミックス製 燃料ブロック 優れた安全性 将来の原子力政策に柔軟に対応 燃料ブロック 燃料(燃料コンパクト 、スリーブ) わが国の炭酸ガス排出量 11.9億トン(2010年) 熱利用分野 30%削減 高温ガス炉利用 による削減 民生 13% その他 23% 発電 26% 化学・ 石油 8% 製鉄 13% 自動車 17% 民生 13% その他 23% 発電 26% 化学・石油 3% 製鉄 4% 自動車 1%高温熱
水素
高温ガス炉 (600MWt)蒸気
1ユニット=高温ガス炉 4基 水素還元製鉄 化学・石油プラント 燃料電池自動車 5%削減 9%削減 16%削減 高温ガス炉:30ユニット 高温ガス炉:20ユニット 高温ガス炉:15ユニット 水素(燃料) 水素(還元剤)高温熱、 高温熱、蒸気 H2 H2 耐食性に優れる 炭化ケイ素 燃料核 (二酸化ウラン) 低密度熱分解炭素 高密度熱分解炭素 高密度熱分解炭素 約1mm 被覆燃料粒子 既存の燃料サイクルとの接続 簡単な前処理の追加のみで可能 再処理工場 軽水炉 ADS、高速炉 前処理 高温ガス炉 回転 燃料粒子取出し 流動 焼却炉 燃料棒 解体 燃料粒子 被覆の破砕実用システムの原型提示
HTTRの開発歴史と技術仕様
高温ガス炉臨界実験装置 (VHTRC) 大型構造機器実証試験ループ (HENDEL) 炉内ガスループ(OGL-1)研究開発
原子炉出力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30MWt 冷却材 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ヘ リ ウ ム ガ ス 原子炉入口/出口冷却材温度 ・・・・・・・・ 395/850,950℃ 1次冷却材圧力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4MPa 炉心構造材 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 黒 鉛 炉心有効高さ/等価直径 ・・・・・・・・・・・・・・・ 2.9m/ 2.3m 出力密度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.5MW/m3 燃料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 二酸化ウラン・被覆粒子燃料 ウラン濃縮度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3~10%(平均6%) 燃料体形式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ピン・イン・ブロック型 原子炉圧力容器 ・・・・・・・・・・・・・・ 鋼製(2.25Cr-1Mo鋼) 主冷却回路数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1ループ (中間熱交換器及び加圧水冷却器)多 目 的 高 温 ガ ス 実 験 炉
概
念
設
計
シ ス テ ム 総 合 設 計
基
本
設
計
高 温 工 学 試 験 研 究 炉
詳
細
設
計
設置許可申請~取得
建
設
初
臨
界
定 格 出 力 ( 3 0 M W t )
原 子 炉 出 口 8 5 0 ℃ 達 成
原 子 炉 出 口 9 5 0 ℃ 達 成
連 続 3 0 日 運 転 8 5 0 ℃
連 続 5 0 日 運 転 9 5 0 ℃
安 全 性 実 証 試 験
( 制 御 棒 引 抜 試 験 )
1973
1969
~1998
2001
2002
2004
2007
2010
研究開発と
概念設計
原子炉の
建設
基盤技術
の確立
安 全 性 実 証 試 験
( 炉 心 流 量 喪 失 試 験 等 )世
界
初
1980
1974
~1984
1981
~1988
1985
~1990
1989
~1997
1991
~設置変更許可申請書を
原 子 力 規 制 庁 に 提 出
2014
高温工学試験研究炉(HTTR)
原子炉建家 燃料交換機 使用済燃料 貯蔵プール 高温二重配管 空気冷却器炉心の中心部
中間熱交換器 加圧水冷却器 原子炉圧力容器HTTR再稼働に向けた対応
施設の補修・維持
施設の健全性総合評価
新規制基準への適合性確認
設置変更許可申請書を原子力規制庁に提出(平成26年11月26日)
炉心冷却喪失試験
HTTR再稼働後に、
全交流電源喪失を模擬
した
炉心冷却喪失試験を実施
試験条件
試験条件:原子炉出力30%(9MWt)
ガス循環機停止、
炉容器冷却設備停止
、制御棒挿入なし
米 仏 独 韓 チェコ ハンガリー OECD/NEAプロジェクト 日本安全性実証試験
原子炉出力30%(9MWt)
ガス循環機を停止し、原子炉を冷却している1次冷却材の流れ
(炉心流量)をゼロにする。
→
原子炉を冷却しない!
原子炉のスクラム操作をしない。(制御棒を挿入しない)
→
原子炉の停止操作をしない!
炉心流量がゼロになると原子炉は
自然に停止。
(スクラム操作不要)
その後
時間が経過しても安定。
(燃料は壊れず、大事故への進展なし)
何もしなくても安全!
平成22年12月21日実施
流量
(%)
ガス循環機の停止
→ 流量ゼロ
炉心冷却流量
試験結果
原子炉出力
試験結果
解析結果
燃料最高温度
解析結果
出力
(%)
温度
(℃)
30
15
0
100
50
0
1600
800
0
時間(h)
0
1
2
3
4
5
6
HTTR再稼働後の試験計画
制御棒
ガス循環機
炉容器
冷却系
輻射
自然
対流
水
一次ヘリウム
ガス冷却材
HTTR
大気へ放散
炉容器
除熱 除熱炉容
器冷却設備
HTTRの炉内黒鉛構造物
目的:被覆燃料粒子の内部に核分裂
生成物を閉じ込め
手段:4層連続被覆、被覆流動条件
最適化等の技術開発により、
被覆層の損傷を極少化
目的:強度、熱伝導率等の優れた等方性
手段:結晶粒の微細化、等方静水圧成型法等
により原子炉用への要求条件を満たす
等方性黒鉛を製造
目的:優れた高温強度、耐腐食性
手段:ハステロイXをベースにSi,Mn,Al,Ti,Co,B含有量を最適化
中間熱交換器
1000℃ 10000hr腐食試験後断面写真 ハステロイX ハステロイXR 内部腐食 1/4 1/11 1/18 1/25 2/1 2/8 2/15 2/22 3/1 3/8 3/15 3/22 日付(月/日) 88 Kr の 放出率 (R/B ) 10-9 10-8 10-7 10-6 10-5 10-4 (米国)FSV運転中の放出率 (独国)AVR運転中の放出率 高温連続運転 HTTR設計上の許容値 : 約1×10-4 使用した黒鉛の特性 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1 2 3 日 (HTTR) 米 (FSV) (AVR)独 規 格 化 し た引張強さ 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1 2 3 日 (HTTR) 米 (FSV) 独 (AVR) 規格 化 し た推定寿 命 (耐 中性子照射量 で 評価)燃料被覆の技術
黒鉛の技術
安全の技術
金属の技術
高温ガス炉を支える世界最先端の国産技術
26mm 39mm 厚さ8mm 約1mm 燃料核(直径約0.6mm) 燃料コンパクト 被覆燃料粒子 低密度熱分解炭素 炭化ケイ素 高密度熱分解炭素結果:原子炉出口ヘリウムガス
温度950℃の高温試験運転
( 50 日 間 ) に お い て 、
核分裂生成物の放出が許
容値よりも4桁、かつ海外
の高温ガス炉(米、独)
燃料より2~3桁低いこと
を実証
⇒ 機器の放射化が少なく、
作業員の被ばくが少ない。
結果:海外の高温ガス炉
(米、独)の黒鉛
に比べて、高強度、
優れた耐照射特性
の実現により長寿
命化
⇒
壊れにくく、地震
に対する信頼性が
高 く 、 HTR-PM 計 画
(中国)にも採用
結果:開発したハステロイXRは、高温ガス炉ヘリウム
環境下で内部腐食を生じないことを実証
⇒ HTTRの中間熱交換器に採用し、
原子炉出口ヘリウムガス温度950℃を達成
目的:事故時における黒鉛構造物
の酸化の抑制
手段:原子炉級微粒等方性黒鉛の
開発
結果:緻密で内部気孔が少ない
酸化(燃焼)の触媒となる
不純物が極めて少ない
⇒ 空気が侵入するような事故
時に高温に晒されても酸化
し(燃え)にくい
原子炉級微粒
等方性黒鉛
炭素材
(練炭)
酸化による赤色化
バーナー加熱時の
原子炉級微粒等方性黒鉛と
炭素材の様子
高温ガス炉の実用システム
コジェネレーションシステム断面図
原子炉出力の約1/3を水素製造に利用する場合と約2/3を利用する場合の
2種類のシステム構成を検討中
原子炉 出力 原子炉 出口温度 中間熱交換器 から水素製造 施設に供給さ れる熱量 発電での 使用熱量 発電量 熱利用小 600MWt 950℃ 170MWt 430MWt 202MWe 熱利用大 600MWt 950℃ 370MWt 230MWt 87MWe GTHTR300C GTHTR300C rev.080403 Turbine Compressor GeneratorReactor module HTX module GTG module Recuperator Precooler Control valves GTHTR300C Annular
block core IHX
module helical tube bundle process heat
水素製造施設
中間 熱交換器 タービン 圧縮機 発電機 原子炉 再生 熱交換器 前置 冷却器高温ガス炉の特徴を生かした実用システムとして、水素と電気を併産するコジェネレーションシステムの
構築を目指し、水素製造技術とヘリウムガスタービン発電技術の研究開発を実施している。
実用システムの水素製造設備への熱供給量と発電量
実験室規模試験 閉サイクル理論を 検証(1997)
HTTR-GT/H
2
試験
実用へ
工学基礎試験
(1999-2004) ヨウ化水素と 硫酸の生成 硫酸分解 ヨウ化水素分解要素技術開発
(2005-2009) ・SiC製反応器の製作性工業材料製反応器を開発、
耐食性・耐熱性の健全性確証
工業材料機器試験
(2010〜)
HTTR
ヘリウムガスタービン
発電施設
水素製造施設
現在
民間へ移行
セラミックス製 硫酸分解器 (〜900℃) Ni基合金製 HI分解器 (〜500℃) フッ素樹脂ライ ニング製 ブンゼン反応器 (〜100℃)
信頼性及び長時間安定性確証
HI濃縮技術の研究開発
セラミックス構造体
強度評価法の研究開発
基盤技術が確立
連続水素製造試験設備
(0.1m3/h)高温熱
(高温ガス炉)
400℃
H
2H
2O
I2 I2 H2 + 2HI H2SO4 SO2 + H2O 1/2O2 + 2HI + H2SO4 I2 + SO2 + 2H2O ヨウ化水素 (HI) 分解反応 硫酸分解反応 SO2 + H2OO
2 ブンゼン反応 (ヨウ化水素と 硫酸の生成)水
900℃
I
S
水の熱分解 4000℃以上の高温熱が必要 IS プロセス ヨウ素(I)と硫黄(S)を利用して約900℃の熱で水を熱分解 ヨウ素と硫黄はプロセス内で循環 ⇒ 有害物質の排出なし 高温ガス炉との組み合わせ ⇒ 炭酸ガスの排出なし 硫酸分解反応 硫酸溶液を濃縮・ 気化させた後、 熱分解反応 HI分解反応 ヨウ化水素溶液を 濃縮・気化させた 後、熱分解反応 ブンゼン反応 二酸化硫黄が水と ヨウ素の混合物と 気液接触して発熱 的に反応水素製造技術(ISプロセス)の研究開発
運転制御技術を開発し、 毎時約30㍑の水素を1週間に わたって連続製造することに 世界で初めて成功 (ガラス製、0.03m3/h) 工業材料製の連続水素製造試験設備による技術・信頼
性確証
これまでの機器開発技術を統合し、連続水素製造試験
設備を製作
連続水素製造試験によるプラント全系の信頼性確証、
連続水素製造性能の検証
HTTRとの接続を想定した起動・停止などの運転制御性
検証
内
容
目
的
工業材料製機器を用いた水素製造試験
<気相> • ニッケル(Ni)基合金 (ハステロイC-276) • SUS316 <液相> • フッ素樹脂ライニング • ガラスライニング • 炭化ケイ素(SiC)セラ ミックス • 不浸透黒鉛 装置材料
反応系
・温度 950℃(最高) ・水素製造量能力 0.1m3/h(定格) ・電気ヒーター加熱制御盤
(各工程)
ブンゼン
ヨウ化水素
硫酸
フッ素樹脂ライニング 炭素鋼製ブンゼン反応器 ガラスライニング 炭素鋼製配管 非接触型組成計測器 炭化ケイ素(SiC) セラミックス製反応管 ガラスライニング運転技術
耐食機器技術
高温ガス炉水素製造の経済性
評価対象
*1 国内生産が可能で、様々なエネルギー源から製造される水素の
経済性を評価
化石燃料(都市ガス、A重油、LPG、石油(ナフサ))+改質
再生可能エネルギー(風力、太陽光)+水電解
副生水素:苛性ソーダ、コークス炉ガス
原子力:高温ガス炉+ISプロセス
(1) 化石燃料等改質
*2(2) 再生可能エネルギー・水電解
*3(3) 副生水素(苛性ソーダ)
(4) 副生水素(コークス炉ガス)
(5) 高温ガス炉水素製造
*4 *1:資源エネルギー庁燃料電池推進室、水素・燃料電池戦略協議会ワーキンググループ(第5回) 配布資料、平成26年4月14日 *2:改質器の設備費等は含まない *3:電解装置の設備費、送電コスト等は含まない *4:原子力機構試算 0 20 40 60 80 100 120 140 160 (1) (2) (3) (4) (5) 水素 製造 コ ス ト [円 /N m 3] 31~58 76~136 18~45 20 24~32 30高温ガス炉ガスタービン
発電システムの概念設計
(1998-2001)
基本設計及び要素技術開発
(2001~)
三菱重工業(株)等との共同
ユーザー要求に応じた設計、 安全設計、コスト評価 高効率ヘリウム圧縮機、 コンパクト熱交換器、 タービンブレード材等開発 世界で初めて 軸流式ヘリウム 圧縮機の運転実 証に成功、 圧縮機設計手法 を確立実用へ
民間へ移行
民間実証プラント建設
原子炉出口温度 950℃ 熱出力 250MW コジェネレーションの実証 水素製造 ガスタービン発電HTTR-GT/H
2試験
HTTRに熱利用系を接続して技術を確証
ヘリウムガスタービン発電技術の研究開発
ガスタービンの特徴
高温熱利用により効率50%で発電可能
冷却水が不要なため 内陸部に設置可能
水素製造や海水淡水化等と組合わせた
カスケード熱利用により80%の熱を利用可能
水素 製造 発電 海水 淡水化 損失20% GTHTR300C GTHTR300C rev.080403 Turbine Compressor GeneratorReactor module HTX module GTG module Recuperator Precooler Control valves GTHTR300C Annular
block core moduleIHX
helical tube bundle process heat
水素製造施設
海水淡水化等
中間熱交 換器 動力変換機 タービン 圧縮機 発電機 原子炉 熱交換器 再生 熱交換器 前置 冷却器実規模/高温機能試験
供用条件下での タービンディスク/ケーシング クリアランスの確認 タービンディスク 850℃ ケーシング クリアランスヘリウムガスタービン空力設計手法を確立
ガスタービン排熱を最大限に利用 造水コストを30%以上低減 世界的な水不足問題に貢献 新型海水淡水化システム 造水温度 ℃ 造水 増加量 造水性能の向上 原子炉への接続 廃熱 淡⽔ 海⽔ 多段熱回収型造水システム 熱回収 段数 = 排熱 造水 量 新型システム高温ガス炉システムの展開-海水淡水化-
ヘリウムガスタービンでは、発電機負荷の変動に対し、
外部からの
燃料投入量調整
によりタービン駆動力を調節
できない。
燃焼ガスタービン
圧縮機 タービン 空気 (大気常圧) 燃料投入量 調整 負荷 燃焼器システム圧力調整
による安定した運転制御法の確立が必要
HTTR-GT/H
2試験により運転制御法を確証
HTTR-GT/H
2試験
ヘリウムガスタービン
圧縮機 タービン システム 圧力調整 負荷 原子炉 閉路 ヘリウム (高圧)HTTR-GT/H
2試験(計画中)の構成
HTTR
熱利用系
水素製造
化学反応器
中間熱交換器
原子炉
ヘリウム配管
ヘリウムガスタービン
発電施設
スケール 実機の1/3 流 体 ヘリウムガス 流 量 12 kg/s 試験条件
1/3スケール圧縮機 磁気軸受 圧縮機 試験モデル 潤滑油なしで、タービン、圧縮機等 の回転軸を支持する磁気軸受を開発 高効率でヘリウムガスを循環する ガスタービン用圧縮機を開発 磁気軸受 試験モデル 電磁石 圧縮機翼 回転軸試験ループの外観
発電単価の比較
*1 ■運転維持費(-1.2円/kWh) プラント全体の設備数が少なく、加えて、放射能が四重被覆粒子に 閉じ込められており、作業員の被ばく量が極めて少ないことによる 損害賠償費用、事故炉の廃炉費用、 除染関連費用他 ■事故リスクへの対応費用 (-0.5円/kWh) ■政策経費 立地、防災、広報、人材育成、評価・調査、発電技術開発、将来発電技術開発他 ■追加的安全対策 (-0.2円/kWh) 緊急安全対策、非常用発電設備、外部電源の 信頼性確保、シビアアクシデントへの対応他 ■燃料サイクル費用 ■資本費(-0.5円/kWh) 水・蒸気系設備がほとんどなく、プラント全体の設備数が少ないこと 及び高いプラント熱効率による高温ガス炉が持つ、高いプラント熱効率、放射能の閉じ込め能力、
優れた固有安全性を最大限に活用することにより、
事故リスクへの対応費用、追加的安全対策が不要 運転維持費、資本費が削減 単位【円/kWh】 2.5 3.1 1.4 1.1 0.2 0.5 2.0 1.9 1.4 1.1 軽水炉*2 高温ガス炉*3 合計8.9円/kWh以上 合計6.4円/kWh-2.4
*2 エネルギー・環境会議 コスト等検証委員会編 コスト等検証委員会報告書(平成23年12月19日)より *3 原子力機構推計軽水炉より安い発電単価
実用化への道筋
商用炉建設 GTHTR300C (~950℃、~600MWt) 多様な熱利用に対応 ・水素製造 ・ガスタービン発電 ・海水淡水化 等 民間実証プラント 建設 実用システムの 原型提示 VHTR標準設計の修正 ・工学基礎 ・要素技術 ・健全性確証短
期
2025年
中
期
2050年
2015年
【高温ガス炉技術】
【水素製造技術】
核となる技術 ・燃料、黒鉛 ・耐食耐熱超合金 ・ヘリウム取扱 VHTR 標準設計 HTTR試験 技術・信頼性確証試験 燃料の高燃焼度化HTTR-GT/H
2試験
HTTR試験(限界性能、 熱利用系事故模擬) HTGR 早期建設用設計 (~950℃、~250MWt) コジェネレーションの実証 ・水素製造 ・ガスタービン発電 *1 発電システムとして 比較した場合使用済燃料処分(直接処分)
黒鉛埋設処分
地層処分では漏えい放射能による被ばくが自然からの被ばく(900-1,200μSv/年)よりも十分に小さいこと(100-300μSv/年)が求められる。
α崩壊により発生するHeガス(α線はHeの原子核)により
内圧が上昇するため、被覆燃料粒子は年月が経過するほど
破損率が上昇
地下水環境ではSiC層の腐食によりさらに厳しい
使用済被覆燃料粒子が処分場において地下水に浸されて
も、SiCの優れた耐食性により100万年後の破損率は10
-4程度
*1 高レベル廃棄物(ガラス固化体)を保護する金属製の
オーバーパックは1000年程度、地下水との接触を防止
*2 高温ガス炉の使用済燃料は、数十万年レベルで放射性物質
が地下水に溶け出すことを抑制し、一般公衆の被ばくを
十分小さくできる。
放射性廃棄物を地層処分してからの経過時間 (年) 被覆燃料粒子 の 累積破損率 被覆燃料粒子が 地下水に浸されている場合 地下水に浸されていない場合*1 Deep-Burn: making nuclear waste transmutation practical, NED 222 (2003). *2 わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性,JNC TN1400 99-020. *1 JAEA-Technology 2008-007 *2 JAERI-Review 2002-034 *3 資源エネルギー庁ホームページ http://www.enecho.meti.go.jp/ 対象とする原子炉 実用高温ガス炉 交換する黒鉛ブロック数(体/4年)*1 1,344 交換する黒鉛ブロック体積(m3/4年) 205 運転期間(年) 60 60年での黒鉛廃棄物量(m3) 3080 50mプールの容積(m3) (50m x 20m x 1.5m) 1500 コンクリートピットの中に放射性廃棄物を定置した後、 セメント系充填材を流し込んで一体的に固める。*3 ピットの周囲は地下水を通しにくい粘土で囲い、ピット への地下水の浸入を防ぐ。 *3 堆積層 帯水層 岩盤 処分施設 河川 断層破砕帯 地下水による 移動 放射性物質を 含む地下水 放射性核種移行のメカニズム ①処分場から地下水へ溶け込む ②地下水に溶けて岩盤中を移動 ③断層を伝い帯水層へ移動 ④河川に流れ込み拡散 ⑤一般公衆の被ばく ① ② ③ ④ ⑤ 覆土 4m以上 約8m ベントナイト混合 土による覆土 岩盤 点検路 ドラム缶 鉄筋コンクリート製 ピット 燃料核 (二酸化ウラン) 低密度熱分解炭素 高密度熱分解炭素 炭化ケイ素(SiC) 高密度熱分解炭素 約1mm 被覆燃料粒子