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専 攻

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Academic year: 2021

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持続可能性を実現可能へ

一地域の特性を活かした「持続可能な開発のための教育

J(ESD)

の取り組み一

専 攻 人間教育専攻 コース 人間形成コース 氏 名 鈴 木 藍

1.研究の目的

持続可能性は実現可能となりえるのか。

「持続可能性」とは、質的な発展とともに 環境や社会的な豊かさが維持されることを 指し、今や社会を対象とした概念となった が、言葉の普及とともに意味は広義となり、

対象範囲の拡大とともに多様性が生じてい る。 そのような中、新たな教育構想として 国 連 は 、

IEducation  for  Sustainable  Development : ESDJ

を提唱した。

ESD

とは、日本では 「持続可能な開発 の ための教育」と訳され、「現代社会の課題を 自らの問題として捉え、身近なところから 取り組むことにより、それらの課題の解決 につながる新たな価値観や行動を生み出す こと、そしてそれによって持続可能な社会 を創造していくことを目指す学習や活動」

としている。 この I 持続可能な開発のため の教育 J

(ESD)

は、日本の提案によ って

2005

年から

2014

年までを「国連

ESD

10

年」とし、学校教育現場や社会教育現場 等で

ESD

が進められてきた。

ここで注目したいのは、これを提案した のはわが国であったことである。しかし、

「国連

ESD

10

年」の実施がなされてき た今 日においても、日本における

ESD

は周 知のものとはいえない。国際的に提唱され たはずの

ESD

は、なぜ、日本において 一部

指導教員 木 内 陽 一

の教育現場でしか認知されていないのか。

本研究ではこれらをふまえ、教育現場に おける

ESD

の実践例などから

ESD

の成果 と課題を探求し、し、かなる現場においても

ESD

が実現 可 能 である という糸口を示す

ことを目的とする 。

2.

研 究 の 概 要

1

章では、 本論文の核となる持続可能 な開発のための教育

(ESD)

について注目

し 、

ESD

がどのようにして提唱され、 世界 に広がりを見せたのか。また、わが国にお ける

ESD

の取り組みの検討を行った。した がって、これらを検討するにあたり、重要 となる

ESD

の理念や

ESD

の推進拠点であ るユネスコスクールについて、さらにわが 国における学校教育におけ る

ESD

の展開 について示した 。 また、

2014

年の

I

国連

ESD

10

J

最終年 を迎え、日本政府と ユ ネ ス コ 等 の 共 催 に よ っ て 「 持 続 可 能 な 開 発 の た め の 教 育

(ESD)

に 関 す る ユ ネ ス コ 世 界 会 議 」 が 日 本 に お い て 開 催 さ れ た た め 、 世 界 会 議 に 関 す る 日 本 の 動 向 に つ い て も 着 目 し た。

第2

章では、徳島県

A

小学校の実践を取

り上げ、

ESD

が実際に教育現場においてど

のように取り入れ られ ているかの検証を行

った。徳 島 県 は 加 盟 校 が 少 な い も の の 各

(2)

− 2 − 校の取り組みは活発であり、それは学校 単体での取り組みもあるが、各民間団体 や地域の協力の下行われているものも多 い。また、各団体における ESDの勉強会 やイベントも聞かれている。

ESDとは、持続可能な社会の担い手を 育む教育であり、他人との関係性、社会 との関係性、自然環境との関係性を認識 し、「関わり Jiつながり」を尊重できる 個人を育むという観点が重要となる。そ の中で今回取り上げたA小学校で、は、特 色ある学校作りとして第4学年において、

正法寺川の汚濁を自分の住む地域社会の 持続性における課題としてとらえ、「正法 寺川環境学習」という 1年間を通して正 法寺川について学習を行っていた。

課題の 1っとあげられる、実際に実践 的な活動が行われているのかという点に ついても、少なくとも徳島県においては 積極的に ESDを実践し、活動を行ってい ることが実地調査によって確認すること ができた。

3章では、兵庫県教育委員会における

「自然学校推進事業」について検証を行っ た。兵庫県では、心豊かな人づくりに向け て1988年から全国に先駆け、「自然学校j

という名の、他県にはない、独自の事業を 取り入れている。「自然学校」とは、兵庫県 下における全公立小学校5年生を対象に行 われる学校行事の 1つであり、自然の中で の長期宿泊体験であるのだが、この基本理 念には、「生きる力を育む」という文言があ るため、 ESDとの関わりに密接している事 業と捉えられる。だが兵庫県には、 ESDの 推進拠点となるユネスコスクーノレに加盟し ている小学校は 1つもない。日本政府が推

進する ESDと、地方の教育委員会の推進事 業の違いとは何なのか。また、教育現場で 行われている活動が、実はESDに密接に関 係しているのにもかかわらず、新たにESD

という概念が生まれたことによって、推進 を難しくしているものは何かとしづ課題に ついて、分析を行った。

3.今後の課題

本研究では、ユネスコスクールに加盟し、

ESD実践を活発に行っている学校と、ユネ スコスクールには加盟しておらず、独自の 推進事業を行っている学校を取り上げ、比 較研究を行った。どちらも教育において目 指す先は同じであるのに対し、 iESDJとい

う概念ができたことによって、 ESD実践の 困難さ、さらに、 ESDの概念自体への理解 の普及という課題がある。しかしながら、

教育における根本は同じであることから、

し、かなる現場においても ESD実践は可能 であり、そのためにはESDの概念を重く受 け止め、新たに新しい取り組みを考えなく とも、独自の取り組みに沿った ESDの実践 が可能であることを、もっと教育現場に広 める必要があるという結論に至った。

今後の研究課題としては、本研究での調 査では、実地調査は行ったものの、教員へ のインタビューが不十分であり、教育現場 における実際の課題を詳細にあげることが 困難で、あった。そのため、教育現場の抱え る課題とそれに携わる人々の認識を検討す ることで、より良いESD実践への可能性を 探ることができると考えられる。また、本 研究において得られた成果を、これからど のように教育現場に活かすかという点が、

目下最大の今後の課題である。

参照

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