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006  プ ラ ボ ノ ー ノ レ に よ る ジ ノ レ コ ニ ウ ム , ハ プ ニ ク ム の グ イ 光 定 量

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(1)

006  プ ラ ボ ノ ー ノ レ に よ る ジ ノ レ コ ニ ウ ム , ハ プ ニ ク ム の グ イ 光 定 量

重 松 恒 信 , 西 川 泰 治 , 平 木 敬 三 , 合 田 四 郎 ,

平 山 宏

F l u o r o m e t r i c  D e t e r m i n a t i o n  o f  Z i r c o n i u m  and Hafnium 

i t hF l a v o n o l  

By Tsunenobu SHIGEMATSU, Yasuharu NISHIKAWA,  Keizo HIRAKI, Shiro GODA and Hiroshi HIRA Y AMA 

Flavonol  was synthesized.  With  the  objective  of  devising  an improved  method for the f1uorometric determination of zirconium and hafnium, experiments  were carried out to find the best condition on the acidity of the solution, the kind  of  acid  to  be  used for regulation of acidity, concentration of reagent, the effect  of co‑existing salts.  The complex was stable for 2 hours.  Using f1avonol, 0.02 ppm  zirconium (or hafnium) could be estimated.  The interfering elements in the dete‑

rmination of zirconium  (or hafnium)  by this method are  Fe切, Mo6,Sn性, PO戸

and F‑l. 

園 田F

金属ジノレコニウムならびに各種ジノレコニウム合金は 熱中性子に対する特性や機械的性質から原子炉材料と して急に脚光を浴びるにいたった。しかしてこれら材 料の腐食あるいは原子炉の安全運転に関連してジノレコ ニウムの分析法,とくに微量ジルコニウムの迅速定量 法が必要である。

微量ジノレコニウムの定量にはアリザリンレッドSl), キナリザリン2)による吸光光度法, ケノレセチン3), フラボノーノレ4),モーリン5)によるケィ光法などが一 般に用いられる。ケノレセチン,フラボノーノレ,モーリ

ンはいずれもフラボン核を母体とする有機試薬であっ て,これらのうちモーリンケィ光法は感度も高く,比 較的強酸性でケィ光定量でき共存妨害元素も少い点で 優れていることはすでに報告した。6) Whiteらはフ ラボノーノレもモーリンと同様に硫酸酸性下でジルコニ ウムと反応して青色ケィ光を発し,比較的妨害元素が 少いとしている。したがって著者らはフラボノーノレを 合成し,ジノレコニウムの定量法について検討するとと もに,ハフニウムの定量法についても条件を明かにし た。

その結果ジノレコニウムについてはWhiteらの研究 とほとんど同様の結果を得たが,過塩素酸酸性でジノレ コニウム・フラボノ‑}レのケイ光強度を測定すればケ イ光感度が良好で0.02p.p.m.の微量ジノレコニウムの 定量ができた。また同条件下でハフニウムも強い青色 のケイ光を発しO.02p. p. mのハフニウムの定量がで きる。

1.  フラボノールの合成

フラボノーノレ (3‑hy droxyf1a vome)はつぎのよ うにして合成した。

0 =

μJ

;c印仙Hh3

O  京 ; r Z r 0

.削川Naa

0

O な : : に : し

‑CH'"cH‑

ο 

0‑oxyacetophlenone  2'一hydroxychalkone

仙 川 、

O α : :

::

‑0

fl引 …a1

1

、川0 m.p.16ω8'"'‑'17OOC C 6gのオノルレトオキシアセトフエノンと 5gのベンヅ アjルレデヒドを95$労ちエチノレアノレコーノレ30g ~ζ 溶解し,

50必の水酸化ナトリウム溶液10'"'‑'12gを加え水浴上 にて500Cに5時間保つ。とれに塩酸を注加して酸性 にすればオノレトヒドロキシカノレコンの黄色沈澱を生じ る。 アノレコーノレから再結晶法により精製する (m.p.

(2)

86"‑'87.50C)。

つぎにオノレトヒドロキシカルコン2gをメタノーノレ 40 g ζI溶解し, 159ち過酸化水素水6ml,169ち水酸化 ナトリウム溶液10mlを順次添加し,よく撹持したの ち氷冷下で一枝放置する。希硫酸で酸性とした後,水 で希釈すればフラボノーノレの黄色沈澱を析出する。エ チノレアルコーノレ40mlより2回再結品したもの(m.p.

169‑‑‑‑‑1700C)を試薬フラボノーノレとして使用した。

2. 試 薬 お よ び 装 置

フラボノーノレ溶液:0.05gのフラボノールを95%エ チノレアノレコーノレ500mlに溶解, 0.01%溶液として使 用した。

ジノレコニウムおよびハフニウム標準溶液:陽イオン 交換樹脂 Dowex50を用いる Lister7)の分離法に より分離精製したZr02,Hf02を用いた。それぞれ の酸化物を硫酸水素カリウム熔融し,アンモニア水で 水酸化物としよく水洗した後硫酸に溶解, 100μgZr 

(またはHf)/ml(1

N

硫酸酸性溶液)とし,必要に 応じて希釈して使用した。

硫酸キニン溶液:1μg硫酸キニンIml (lN硫酸酸 性)を調製しケイ光計の内標準溶液として使用した。

ケイ光強度の測定には島津万能ケイ光光度計 UF‑ll 型を,またケィ光スペクトノレの測定には目立分光光電 光度計EPU‑2型附属ケィ光分光測定装置を用いた。

3.  ケ イ 光 ス ペ ク ト ル

硫酸酸性ならびに過塩素酸酸性溶液(いづれも 0.2 N酸性)より調製したジルコニウムまたはハフニウム

.フラボノーJレ錯塩のケイ光スペクトノレを測定した結 果を Fig.1I乙示す。

h

d G

5 3

5 3

雪 芭

350 

Wave length (mμ〉

1 : UVDI  fi1ter 

2 : Flavonol reagent (H.IlS04)  3 : Hf‑flavonol complex (H2S04)  4 : Quinin sulfate 

5 : Zr‑f1avonol complex (H2S04)  6 : K6 fi1ter 

7 : Zr‑flavonol complex (HCI04)  8 : Hf‑flavonol complex (日CI04) Fig.1  Fluorescence spectra of f1avonol 

complex 

とれら両錯塩の 365mμ水銀線照射による常温にお けるケイ光波長帯は400‑‑‑‑‑600mμにあり,その中心 波長はいづれも460mμ附近にあり硫酸キニン溶液に 類似した青色ケィ光を示す。したがってケイ光光度計 の二次フィノレターとしては K6(400‑‑‑‑‑520mμ の光を 透過, Fig.  1参照)を使用することにした。この二次 フィノレターを使用すればフラボノーノレ試薬個有のケイ 光(ケイ光中心波長512mμ〉の透過率は極めて小と なる。

4.  酸性度とケイ光強度との関係

ジノレコニウム5μgを25mlのメスフラスコにとり,

0.01必フラボノーノレ1mlを加え, これに硫酸,過塩 素酸,硝酸または塩酸の一定量を添加しで溶液の最終 酸濃度を 0.05‑‑‑‑‑0.7Nの範囲になるように調節し,

水で標線まで希釈する。乙の溶液のケィ光強度を硫酸 キニン溶液120目盛セットを対照として溶液調製20分 後に測定した。*

その結果は Fig.2に示すように酸の種類により最 大ケイ光強度を示す酸性度がそれぞれことなる。塩酸 酸性の場合最大ケィ光強度を示す酸の濃度範囲が最も 広くかっ一定しており,他の酸は酸性度の変化lとより

ケィ光強度が急激に変化する傾向にある。

5μ'jZJ//25f

'0

'.f' 

¥

 

0.1  0.2  0.3  0.4  0.5  0 0.7  (N) 

Fig. 2 Effect of acid concentration  また同一酸性度 (0.23N)におけるケイ光強度は過 塩素酸,硝酸,塩酸,硫酸の順となり,過塩素酸酸性 におけるケイ光強度が最も大きい。乙の関係、はハフニ ウムの場合にも認められた。ジノレコニウム,ハフニウ ムをケィ光定量する場合,使用する酸の種類により最 帯以後ケイ光計のセットはとくに記載しない場合

は120目盛セットを対照として測定した値を示 す。

‑ 34‑

(3)

適酸性度が乙となるが,いづれの場合も大約0.2N酸 性溶液としてケイ光測定するのが操作上便利である。

5 .

放 置 時 間

10μgのジノレコニウムをとり 0.01%フラボノーノレ溶 液2mlを加え, 0.2N硫酸酸性溶液/50mlとしたも のについて溶液調製後の放置時間とケイ光強度との関 係を調べた結果をFig.3Iと示す。

75

}

I︑l 

Fig.4よりわかるように1O"‑'300Cにおいては一定 のケイ光強度を示すが, 300C以上になると著しくケ イ光強度を減少する。乙の温度上昇によるケイ光の消 光作用は温度の下降とともにそのケイ光強度を復元す る。したがって本錯体のケィ光測定は300C以下の室 温で行うべきである。

ιー一一ー‑4l‑・

7 . 試 薬 濃 度 ジノレコニウム5,10μgをとり,フ ラボノーノレの添加量をかえ, 0.2 N  硫酸酸性あるいは 0.23N過塩素酸 酸性溶液25mlとしてケイ光強度を 測定した。

結果はFig.5に示すごとくで,い ずれの場合も 10μgまでのジノレコニ ウムに対しては0.01勿フラボノーノレ 溶液1mlを添加すれば十分である。

ηL司ン

Fig.  3 Stabi1ity of f1uorescence  すなわち測定毎に溶液を新しく取替えたもの(曲線 1 )は溶液調製20分後はほとんど一定のケイ光強度を 示し安定である。ケィ光強度測定時にのみ紫外線照射 した場合(曲線2)は若干ケィ光強度が減少する。さ らに紫外線照射し続けたもの(曲線3)は著しくケイ 光強度の減少を来す。したがって通常本錯体のケイ光 強度測定の場合には強い紫外線に長時間パク露しなけ れば経時変化によるケイ光強度の影響は殆んど無視し て差支えない。

6

.

温 度 の 影 響

ジノレコニウム10μglζ0.01%フラボノール溶液2ml を加え, 0.2N硫酸酸性溶液50mlとしたものについ て温度の影響を調査した結果をFig.4 I乙示す。

75 

i  ゃ

50 

; 2 5  

一 寸

28 Oc 

ト 」

。C

Fig.4  Effect of temperature 

10

す 思 想 哨

SR

3

50 

ω l 1.5 0.01修一f1avonol(mI)  1 : 10μg Zr‑(H2S04)  2: 5μg Zr‑(H2S04)  3 : reagen t blank‑(H2S04)  4:5μg Zr‑(HCI04) 

5 ; reagent brank‑(HCI04) 

Fig.5  Effect of f1avonol concentration 

2JJ 

40 

8. 分 析 操 作

以上の結果にもとずきジノレコニウムおよびハフニウ ムの定量操作をつぎのように定めた。

(4)

a )硫酸酸性法:試料溶液(ジルコニウムまたはハ フニウム豆10μg)にO.01 ~ちフラボノーノレ溶液 1ml を 加え,最終濃度が0.2N になるように硫酸を加えて 25mlに希釈する。 300C以下の室温で20分後硫酸キニ ン内標準溶液でケイ光計を120目盛セットとしてケイ 光強度を測定する。

b)過塩素酸酸性法:試料溶液(ジノレコニウムまた はハフニウム ~5μg) に 0.01% フラボノーノレ溶液 1ml  を加え最終濃度が0.23N になるように過塩素酸を加 えて25mlに希釈する。以下 a)項に準じて操作しジ ノレコニウムあるいはハフニウムを定量する。

100 

A  十 手

Zr 

E

さ s 

メ1.

1/25

~

Fig.6  Analytical curve (H2S04 method) 

100 

小宮 崎一

5

ぷ , # , /25

Z

Fig.7  Analytical curve (HCI04 method)  本法lとより求めた検量線の一例を Fig.6および7 1

ζ示す。 a)の硫酸酸性の場合は1""""10μg/25ml,  b)の過塩素酸酸性法については0.5......5μg/25mlの ジノレコニウムまたはハフニウムが誤差2形以下で定量 できる。

10 

9.共 存 塩 の 影 響

ジノレコニウム5μgに各種塩の一定量を加え前項のご、

とく操作して共存塩の影響を調べた結果を Table1  に示した。

Table 1 Effect of diverse ions 

Zr  found 

Ion  added  H2S04  HCI04 

method  method 

Ti 100μg  Ti(S04)2  4.4μg  4. 1μg 

Fe3 1000  Fe(N03)3  0.7  1.8  1000+NH20H.HCl1g  11  3.5  3. 7  A13 1000  KAl(S04)2  5. 7  5.4 

Ga3 1000  GaC13  + +   十 +

In3 1000  InC13  4.7  4.7  Cr3 1000  Cr2(S04)3  4.9  4.8  Mn2 1000  MnC12  5.0  4.9  Ni2 1000  NiS04  4.7  4.9  Cd2 1000  CdS04  5. 1  4.9  Zn.2+  1000  ZnS04  5.0  5. 1  Cu2 1000  CUS04  5.0  4.8  C02 1000  COS04  4.9  4.9 

(5)

Mg2+  1000  MgS04  5.0  4.9  Be2 1000  Be(N03)2  4.8  4.7  G e 1000  GeC14  5.1  4.7 

Sn 1000  SnC14 

++  ++ 

Th 1000  Th(N03)4  4.5  4.5  AS033‑ 1000  Na3As03  4.7  4.9  M0042‑ 1000  6NH3

7Mo03

7H20

P043‑ 1000  (NH4)2HP04  0*  O

Fl‑ 1000  NaF 

Table 1よりわかるようにガリウム, 錫がジノレコ ニウム,ハフニウムと同様に青色ケイ光を発し正誤差 を与える。とくに錫(百〉のケイ光輝度は大きく,錫 のケイ光定量ができる。鉄(]I[),モリブデン, リン酸 根,フッ素イオンはケイ光を消失し負誤差を与える。

鉄(]I[)は塩酸ヒドロキシラミン19を添加,加温し て鉄 (1) に還元すれば若干その妨害作用を抑制する ことができる。

フラボノーノレによるジjレコニウム,ハフニウムのケ イ光定量法の条件を明かにした。本法により 0.02p.  p.m.のジノレコニウムあるいはハフニウムを迅速かっ 正確に定量することができる。鉄(]I[),モリブデン,

リン酸根, フッ素, ガリウム, 錫が本法を妨害する が, あらかじめこれら妨害元素よりジルコニウムを TTA抽出法めにより分離しておけばモーリンケイ光 法と同様に微量のジルコニウムの迅速定量法として利 用できる。

(1964年3月28日受理〉

‑ 参 考 文 献 ‑

1) H. A. Liebhafsky, E. H. Winslow, ]; Am. 

Chem. Soc., 60, 1776 (1938) 

2) E. B. Sandell, "Colorimetric Determin‑

ation of Traces of Metals" 3rd ed, p968  (1959)  In terscience PU blishers.  3) D. M. Hercules, Talan ta, 8, 485 (1961)  4) W. C. Alford, L. Shapiro, C. E. White, 

Ama1. Chem., 23, 1149 (1951) 

5) R. A. Geiger, E. B. Sande, l1Anal.  chim. 

Acta, 

1 6

, 346 (1957) 

6)重松,西川,平木,中川,日本化学会誌85,490 (1964) 

7) B. A. Lister, ]. Chem. Soc., 3123 (1951)  8) F. L. Moore, Ana1. Chem, 28, 997 (1956) 

++ケイ光が著しく増大しケイ光計の指針が目盛板 をスケーノレアウトしたものを示す。ーはケイ光 の消失を示す。

P043‑の共存するときは青色ケイ光消失し,

黄緑色のケイ光を示す。

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