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杉 山 滋 長 崎大 学 教 育 学 ・部工業 技術 教 室 (昭 和55年 ユ0月31日受 理)

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(1)

長 崎 大 学 教 育 学 部 自然 科 学 研 究 報 告 第32号145〜167(1981)

木 材 のThick‑Slicingに お け る プ レ ッ シ ャ バ ー の 影 響*1

被 削 材 の 変 形,工 具 切 れ 刃 面 に 加 わ る切 削 抵 抗 お よ び プ レ ッ シ ャバ ー 接 触 面 に 加 わ る 圧 縮 力 の 変 化

長 崎大 学 教 育 学 ・部工業 技術 教 室 (昭 和55年 ユ0月31日受 理)

Effects of Pressure Bar upon Deflections in Workpiece, Cutting Force Components acting on Cutting Tool Face and

Compressive Force Components acting on Pressure

Bar Face in Orthogonal Thick-Slicing of Wood

Shigeru SUGIYAMA

Department of Technology, Faculty of Education, Nagasaki University, Nagasaki 852

(Received Oct. 31, 1980)

Summary

In the wood thick-slicing process, the compressive force acting on the pressure bar face and the compressive deflections caused in wood play important roles, but few studies have dealt with the exact measurements of the deflections, and so, the main objective of this paper is to obtain several basic information on them.

The clear specimens the end grain surface to which were applied thin sensitive films printed grid patterns, were prepared. After being soused in water up to saturated condition, they were set on the experimental apparatus equipped with two 2-axis dynamometers (Fig.1). Then, these test specimens were compressed or rolled out by two types of pressure bars in both stationary and feeding state of the feeding carriage. The distributions of the deflections in the specimens were deter- mined from the moire fringe pattern or the distortion pattern of grid line.

Furthermore, in order to determine the effects of pressure bar compression and restraint in the thick-slicing process, cutting tests were carried out on the experimental apparatus, using a roller bar and a single faced nosebar (sharp bar),

and the cutting force components acting on the tool face and the compressive force

*1本 報 を 「木 材 のThick‑Slicingに 関 す る研 究(第1報)StudiesonThjck‑SljcjngofWood(1)」

と す る 。 な お,本 研 究 の 一 部 は 昭 和48年 度 文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金(一 般 研 究C)に よ る も の で あ る 。

(2)

components acting on the pressure bar face were measured with the two2−axis dynanometers.

   The main results obtained are summarized as foHows:

   (1)The vertical component of the compressive force acting on the bar face

(Py)varies largely with the combinations of horizontal distance(h)and vertical di8tance(η),whereas the horizontal component of the bar force(PH)varies slightly with h and,η (Figs.ll and l2).

   (2)In slicing with a roller bar,Py increases largely with decrease in ん.

Therefore,the tool edge deflection due to overcompre3sion.of bar occurs in the smaller range of h (Fig.10).

   (3)The d,istribution pattem of the deflection in.the workpiece varies with the types of pressure bars apPlie(1, that is, in the case of sharp bar,the high strain,

concentrates at the loaded point.and the distribution of the deflection is Iimited to a narrower area,but in the ca3e of roller bar,the strain concentration diminishes and the distribution of the deflection sprea(is in a large area (Photos.1〜4).

   (4)Surfaces of the sliced veneer produced.with a roller bar are well smoother than those with a sharp bar(Photos.5a1].d6).

   (5)From these results,it may be concluded that the major factors affecting the quality of the thick−sliced veneer are not only the bar restraint which is determined by the combinations of such factors as h,τ・,depth of cut(オ),cutting angle(θ)

and roller d.iameter of roller bar(D)but also the contact area between the bar face

andtheworkpiecesurface.

1.緒

 単板(ベニヤ)は,建築用および土木用などとして広く用いられている合板の原材料として のみならず,合板・集成材などの表面を被覆する仮粧単板(単板の厚さが小さ,い場合)とし て,ならびに構造用積層材料(単板積層材Laminated Veneer Lumber)(単板の厚さが大き い場合)の原材料としても広く用いられている。いずれの場合についても,単板品質の改良に ついて強く要求されている。とくに,厚さの大きい単板を構成要素とする構造用合板および単 板積層材では,単板の品質そのものがそれら材料の品質を左右するから,厚単板の製造方法が 極めて重要な問題となってくる。

 構造用材料ならびに単板積層材の製造などを目的とした厚単板の切削(Thick−Slicing)は J.F.Lutzらによって始められて以来,米国の研究者により必要な基礎データが逐次明らか にされた1)、9)。それら既往の諸研究では,いずれもプレッシャバーの作用に主眼が置かれ,

プレッシャバーの先端形状の影響(ローラバーの影響をも含む),プレッシャバーのセット条 件の影響などが主として論じられている。

 とくに米国では,針葉樹合板工場が多く,軟材から厚単板を切削するそれらの工場では,従 来の固定バーではその先端が原木材中に鋭どく喰込み,単板の面粗れ,原木弱体部や年輪に沿 う割れ,あるいは樹脂湧出を起し易いなどの障害を解決するために,ローラバーの開発が奨め られた。そのために多くの努力が払われ,基礎データが多く集積され2)・5)・6)・9)〜20),今日

(3)

木材のThick−Slicingにおけるプレッシャバーの影響 147

では,ローラバーは米国をはじめカナダの合板工場その他に普及するに至っている。

 一方,南洋材を主対象とする我が国の合板工場においては,厚単板を製造する際に,ローラ バーがどの程度役立ち得るかは種々議論されるところであるが,少なくともローラバー使用上 の利点,問題点などを実験的に検討しておくことは,プレッシャバーの先端形状の改良を含め た今後の厚単板切削技術に貢献し得るところが大きいと考えられる。

 上記のような主旨から,厚単板切削のための切削機械設計上の基礎資料ならびに良質の厚単 板を切削するための適正切削条件(プレッシャバーの先端形状の改良をも含む)の選定のため の基礎資料などを得ることを目的として,ローラバーを含めた種々のプレッシャバーによる厚 単板の切削実験を計画した。まず最初に,本研究では厚単板切削時に,工具切れ刃面およびプ レッシャバー接触面に加わる切削抵抗および圧縮力をそれぞれ測定し,それらに及ぼすプレッ シャバーの先端形状の影響について究明を試み,プレッシャバーの先端と工具切れ刃刃先との 幾何学的位置関係から種々の検討を加えようとした。さらに,プレッシャバーの被削材や単板 への喰込みによる被削材や単板の表面および内部の変形にも着目し,それらの変形の程度をモ アレ法ならびにグリッド細線転写法により調べ,被削材や単板の変形とプレッシャバーの先端 形状との関係についての検討をも試みた。

2.実 験 方 法

 厚単板の切削実験は,実験用に設計・試作した切削実験装置21)によって行った。同装置の 構造をFig.1に示す。①は工具,②はプレッシャバーであり,これらはそれぞれの支持アー ムに別々に固定され(プレッシャバーは⑪に固定されている),試験片③は送り台⑤の上のバ イスベンチ④に固定されている。送り台⑤は昇降自由なテーブル⑥に載せられ,ねじ送り方式 で前・後進する。⑦はテーブル昇降用ハンドル,⑧は送り台⑥を移動させるためのモータであ

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Fl9.1.Experimental apParatus for this stu(1y。

①:tool,②:pressurebar(rollerbar),③:testspecimen,④:vice forfixingtestspecimen,⑤:feedcarriage,⑥:1ifttable,⑦:handle forliftingtable,⑧:motor,⑨:dialgaugeformeasurjngdepthof cut,⑩:stralngauge,⑪:pressurebarcarriageofcanti−1evertype

for measurement of compressive force acting on pressure bar face.

(4)

る。実験に先だち,工具の支持アームの先端に一定の逃げ角で工具①を取りつけ,約0.05〜

0.10mmの切込量孟でならし切削を行い,試験片③の切削表面を予め平滑にし,この面を切削 基準面とした(毎回の切削においてもこのならし切削を行った)。実験では,試験片の高さを ダイアルゲージ⑨で測定しつつテーブル⑥を上昇させ,プレッシャバー②に所定の圧入深さ4 を,また,工具①に所定の孟を与える。

 このような実験装置において,プレッシャバー接触面に加わる圧縮力はバーの支持アーム,

また,工具切れ刃面に加わる切削抵抗は工具の支持アームの微小な相対変位としてそれぞれ検 出される。すなわち,それぞれのアームの中央部にノッチを入れ20mm×20mm断面とし,

同部を砥石で研磨したのちそれぞれの4面にストレインゲージを貼付し,4ゲージ法により結 線した。これにより,切削中に生じるアームの微小変位が電気的に拡大検出される。電磁オシ

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Fig.2(a).Dynamometers for measu−

     rement of cutting force      aCting On tOOl faCe an(i      compressive force acting      on pressure bar face,and      octagonal elastic−ring dy−

    namOmeter fOr meaSUre−

    ment Of CUtting fOrCe     acting in workpiece(front      view).

①:toolcarriageofcanti−1evertype for meaSUrement Of Cutting fOrCe actingontoolface,②:tool,③:

octagonal elastic−rjng dynamometer for measurement of cutting force aCtinginworkpiece,④:testspecimen,

⑤:bracket for fixing test specimen,

⑥:straingauge,⑦:feedcarriage,

⑧;1ift table,⑨:pressure bar carri−

age of canti−1ever type for measure−

ment of compressive force acting on pressurebar,⑩;pressurebar(roller

bar).

9⑤餅⑦

o

Fig.2(b).Dynamometers for measu−

    rement of cutting force     acting on tool face and     compressive fOrCe acting     on pressure bar face,and     octagonal elastic−ring dy−

    namOmeter fOr meaSUre−

    ment Of Cutting fOrCe aCt−

    ing jnworkpiece(side view).

①:toolcarriageofcantトlevertype for measurement of cutting force actingontoolface,②:too1,③l octagonal elastic−ring dynamometer for measurement of cutting force aCtin、ginworkpiece,④:testspecimen,

⑤:bracket for fixing test specimen,

⑥:straingauge,⑦:feedcarriage,

⑧:1ifttable.

(5)

木材のThick−Slicingにおけるプレッシャバーの影響 149

ログラフに拡大されたそれらの波形のうち,切削状態の安定した基準切削長さに現れた波形の 極大高さの平均値を求め,予めキャリブレイトした荷重に換算し切削幅で除して,切削方向に 平行・垂直な分力とした(これを圧縮力,切削抵抗ともに水平分力,垂直分力と呼ぶ。また,

これらの水平,垂直分力を測定するためのアームを片持梁式荷重装置と呼ぶ)。

 本報では,上記の片持梁式荷重装置を用いて,プレッシャバー接触面に加わる圧縮力の2分 力(水平分力Pπ,垂直分力Pγ)および工具切れ刃面に加わる切削抵抗の2分力(水平分力

.FH,垂直分力F7)の測定を中心に行う。これらの測定に先だち,プレッシャバー接触面およ び工具切れ刃面の両面によって被削材に加えられる切削力(水平分力Fπ(・),垂直分力 Fv(。))の測定を行い,PE,PγおよびFH,.F7とFE(。),F7(。)との関係を明確にしようと した。実験はFig.2(a),(b)に示すように,切削中におけるPH,.P7およびF∬,F7を 片持梁式荷重装置①,⑨によって,また,PH,PvおよびF丑,F7の測定と同時にFH(・),

Fγ(。)を切削実験装置の送り台⑦上に固定された八角形弾性リング荷重装置③によって測定し た(八角形弾性リング荷重装置については,補遺1参照)。これにより,プレッシャバー作用 下における被削材に加えられる切削力.Fπ(。)l F7(。)の変化を明確にし得ると同時に,切削 力FH(・),Fv(。)と,プレッシャバー接触面に加わる圧縮力PE,.P7および工具切れ刃面に 加わる切削抵抗Fπ,F7との関係を明確にし得る。

 ここで,厚単板切削時の概要を模式図にしてFig.3に示す。同図には,P丑,Py,.FH,F7

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 Ro er bar         『モ

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         (a)

  Fig.3.

(b)

Wor駄piece

   Simplified geometry of sliced veneer formation in thick−sljcmg    of wood with a pressure bar,and technical terms used for this

   study.

α :clearance angle,β : sharpness angle,θ : cutting angle,オ : depth of cut, 4 :depth of bar in(1entation,ん :(1istance parallel to cutting line between tool edge and extreme point of pressure bar(horizontal distance),η:(1istance perpendicular to cutting line between tool edge and extreme point of pressure bar (vertical distance), ツむ : throat

(listance,7t l depth of restraint,D:roller diameter of roller bar,

βb:edge angle of sharp bar,φ:angle between sharp bar face and workpiece surface,PH,Pγ :horizontal and vertical components of compressive force acting on pressure bar face,FH,Fy;horizontal and vertical components of cutting force acting on tool face,R(o):resultant force of cutting force acting in workpiece by cutting with a pressure bar, F∬(o),Fy(o) :horizontal and vertical components of R(o)

measured with octagonal elastic−ring(1ynamometer・

4

(6)

およびF∬(。),.F7(。)の作用方向,およびその他本報で用いる記号をも一括して示した。

 本実験で用いた工具は,その切れ刃の刃先角βが23。の高速度工具鋼SKH2である。刃 先の先端を鋭利に研磨した(約100倍に拡大し,切れ刃線に凹凸のないことを基準とした)の ち,逃げ角αがlo一定になるように工具の支持アーム先端に,同工具を裏刃方式で固定 した。供試プレッシャバーは,ローラ直径Dが10〜19mmの範囲のローラバーRoller bar

(ボールベアリング入りで回転自由) (厚単板の切削には,Z)一19mmを使用)と接触角φ が14。,先端角命が76。の固定バーFixed bar(これをシャープバーSingle faced nosebar

(またはSharp bar)と呼ぶ)の両種を用いた。なお,被削材の表面および内部の変形を調 べるため,ψ一3。,βゐ一97。のシャープバーをも用いた。いずれのシャープバーもその材質は 機械構造用炭素鋼S45Cで,使用の都度その先端を研磨した。

 切削条件はつぎのように設定した。プレッシャバー先端と工具切れ刃刃先との間隔のうち,

切削方向に平行な間隔h(これを水平距離と呼ぶ)をO〜8.6mm(ローラバーでは,1.O〜6.O mm)の範囲で約20段階に,また,切削方向に垂直な間隔η(これを垂直距離と呼ぶ)を8.0〜

9,5mmの範囲でO.5mm問隔おきの4段階にそれぞれ変化させた。切込量孟をIO mm一定 としたが,圧縮力および切削抵抗と切削力との比較を行う場合,ならびに被削材の変形を調べ る場合には,屡一1〜5mmの切削をも行った。切削速度(試験片の送り速度)は144.9mm

/minの低速度を採用した。切削は,厚単板の切削を対象として,その切削面が板目(木表 側)で,しかも切削方向が木材の接線方向となるような二次元横切削とした。

 供試材には,フィリピン産レッドラワン(Sho紹αn89705εn5プ5)の O・材部(気乾比重7。の 平均は0.51)を用いた。同材から二方柾木取りの角材を採取し,1切削条件7〜9個の試験片

(切削幅7〜10mm,切削長さ60〜70mm)を採取し,飽水状態(約2ケ月間水中に浸潰し,

水中に沈んだ状態)に調整したのち供試した。なお,被削材表面および内部の変形状態を調べ る目的で,一部タイワンヒノキ(Ch㈱α6 副56α伽αn8n廊MAsAM.&SuzuK【)の気乾材

(プ・一〇.49,含水率%の平均は14.0彩)を用いた。ただし,試験片の形状およびプレッシャ バーによる負荷面は,レッドラワンの場合と同様とした。

 被削材表面および内部の変形状態の観察は,モアレ法Moir6methodあるいはグリッド細 線転写法によった(モアレ法あるいはグリッド細線転写法の詳細は,補遺2,3参照)。工具 切れ刃面を単板が擦過するときの被削材および単板の内部の変形状態をモアレ法を用いて明ら かにするには,切削前のグリッドラインの拡大像(モデルスクリーン)の製作およびそれに関 連する多くの問題点を含む。したがってこの研究では,プレッシャバーの散的圧入による被削 材表面および内部の変形,ならびにプレッシャバー除荷後のそれらの変形状態を明確にするの みにとどめた。なお,切削中の被削材や単板の表面および内部の変形状態の究明は,グリッド 細線転写法により行った。

3.実験結果およぴ考察

 プレッシャバーによる厚単板の切削実験に先だち,片持梁式荷重装置と八角形弾性リング荷 重装置とを用いて,工具切れ刃面に加わる切削抵抗および被削材に加えられる切削力の関係を 明確にすることから着手した。

 Fig.2(a),(b)に示すように,2つの荷重装置を用い,プレッシャバーを作用させないで 切削実験を行い,工具切れ刃面に加わる切削抵抗の水平分力F孟、,垂直分力Fγの測定と,被

(7)

木材のThick−Slicingにおけるプレッシャバ・一の影響 151

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 −2     Cutting  監ength Fig.4. Oscillograph records     of various cuttinσ       ご     force components by     cutting without a     pressure bar.

FH,Fγ,FH(0)andFγ(0):

refer to Fig.3, F//, Fγ :

measured values with dy−

namOmeter Of Canti−1eVer type,FH(0),Fy(0):measure(1 valueswithoctagonal elastic−

ring dynamOmeter,CUtting

con(lition :depth of cut (オ)

」=4mm.

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Fig.5.

 3   4   5

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FH,FH(0),FγandFγ(0)

Fig.3,∫:

Variations of varlりus cutting force conlponents by cutting without a pressure bar.

         refer to

 depth of cut.

削材に加えられる切削力の水平分力Fπ(・),垂直分力Fv(。)の測定を行った。オシログラフに 描かれたこれら分力の波形の変動状態をFig.4に示す。同図にみられるように,F とFH(。),

またはF7とFv(・)の波形1はいずれもよく類似している。これら分力の波形のうち,水平分 力の波形は裏割れ発生の直前,直後で著しい変動を示す。すなわち,裏割れ発生の直前で極大 波形を示し,割れが発生した直後では,単板は比較的剛性を失い,工具切れ刃すくい面と単板 との接触が極めて小さくなり,同接触部は無応力に近い状態となるため,分力の波形はいずれ も極めて低い値を示す。

 ここで,これら分力の大きさを切込量診との関連でとりまとめ,その結果をFig.5に示す。

同図のFH,.F鼠・)および.恥,Fv(・)は抵抗波形の極大値の平均に基づく切削抵抗,切削力 である。また,,Fv,.F7(。)は付図に示すように,工具切れ刃面によって被削材を上方へ引張る 方向に作用する分力である(Fig.5では,煩雑になることを妨ぐため,工具切れ刃面によって 被削材に加えられる分力としてベクトル表示した。以下,同様)。Fig.5にみられるように,

水平分力.F∬,F∬(・)および垂直分力Fv,Fv(。)はいずれも分力の変動の範囲が同程度であ り,しかも.F、、一F、、(。),Fv一.FF(。)と考えられる(分散分析の結果から判断した)。したがっ て,プレッシャバーを作用させない場合には,切削抵抗と切削力の大きさは等しいとみなし得 るから,いずれか一方の測定を行えばよいことになる。

 つぎに,プレッシャバーを作用させて切削実験を行い,片持梁式荷重装置から工具切れ刃面 に加わる切削抵抗の水平分力F∬,垂直分力F7を,さらに,プレッシャバー接触面に加わる

(8)

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Cutting Iength

Fig.6.Oscillograph records of various components by cutting     with a roller bar.

horizontal components(Pπ,FH and Fπ(o))and vertical com−

ponents(Py,Fy and Fy(o)1:refer to Fig.3,cutting conditions

(渉,jD,んandη:refer to Fig.3):オ=10mm,D=1g mm h=4.1mm,

η=9.5mm.

圧縮力の水平分力P丑,垂直分力Pvを,また,八角形弾性リング荷重装置から被削材に加え られる切削力の水平分力FH(。),垂直分力Fv(・)をそれぞれ測定した。まず最初に,オシロ グラフに描かれた抵抗波形の一例をFig.6に示す。同図では,Fig.4にみられるような波形 の著しい変動は消失している。これはプレッシャバーの圧縮作用により裏割れの発生の余地が なくなり,しかも単板厚さの変動も少なく安定した切削が行われていることを意味する。

 ここで,PE,FE,Fπ(・)およびPv,Fy,Fv(。)の大きさを水平距離hとの関連でとりま とめ,その結果をFig.7に示す。図によれば,hの変化に対していずれの分力も指数関数的 に変化することがわかる。また,それぞれの分力をFig.7の付図に示す方向に定義すれば,

Fπ+PπはFπ(・)に,また,FvrPvはF7(・)にほぼ等しいこともFig.7より判明した。

すなわち,被削材に加えられる水平分力(あるいは,垂直分力)は工具切れ刃面に加わる水平 分力(あるいは,垂直分力)とプレッシャバー接触面に加わる水平分力(あるいは,垂直分 力)の和(あるいは,差)で表される。

 以上の基礎実験により,プレッシャバーを作用させない場合あるいは作用させた場合におけ る片持梁式荷重装置からの切削抵抗あるいは圧縮力と,八角形弾性リング荷重装置からの切削 力との関係が明確にされた。以下では,片持梁式荷重装置を用いて厚単板の切削実験を行い,

プレッシャバー接触面に加わるP、、,P7および工具切れ刃面に加わるFπ,Fγの各分力を測 定し,これらの分力の変化に及ぼすプレッシャバーの影響を中心にして検討を進める。

 最初に,プレッシャバーと工具切れ刃刃先との幾何学的関係から,被削材や単板の圧縮量を つぎのように定義する。プレッシャバーによる切削では,被削材は工具切れ刃による切削の直 前にプレッシャバーによって圧入深さ4だけ∫.E縮され,そののち刃先で分離された単板は工 具切れ刃すくい面を擦過しつつ再びプレッシャバーによって最大量ηだけ圧縮される。前者 の第1次圧縮(その最大圧縮量を4とする)を単にコンフ。レッションCompression,後者

(9)

木材のThick−Slicingにおけるプレッシャバーの影響 153

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Fig.7. Variations of various components with horizontal     distance(h)by cuttlng with a roller bar.

horizontal components (P/1, F∫1 and FH(o)) and vertical components(Pγ,Fu and.Fy(o)):refer to Fig.3,cutting conditions(あD andτl refer to Fig.3):オ=10mm,D=19mm,

η=9.5mm.

の第2次圧縮(その最大圧縮量を7 とする)を単にレストレイントRestraint(凡と略記 する)と呼ぶ。この場合,第1次圧縮における垂直距離ηに相当する第2次圧縮におけるη,

(これをプレッシャバーと工具切れ刃面との拘束距離Throat distanceと呼ぶ)は,Fig.3 の幾何学的関係を用いると,ローラバーでは,

      D        D

   η診=(h tanθ十    十η) cosθ一一一       (1)

      2         2 シヤープバーでは,

   7 一h sinθ十τノcosθ       (2)

で求められる。ただし,θ(一α+β)は工具切れ刃の切削角である。したがって,r は次式で 求められる。ローラバーでは,

       O        P

   7 一オ十一一一(h tanθ十一  一一十η)cosθ      (3)

       2        2

シヤーフ。バーでは,

   プローh$inθ剛c・sθ       (4〉

(3),(4〉式において,η≧4(あるいは,η ≦τ)となるときのhは,次式で求められる(複号 同順).ローラバーでは,

(10)

  D      θ h≦(    十τ) tan−

  2      2 (5)

シヤーフ。バーでは,

    θ

んくηtan一一    2 (6)

すなわち,η≧4(あるいは,耽≦U)となるか否かは,切削角θの補角の二等分線を基準と して変化することになる。ローラバーではローラの中心が,また,シャープバーではバーの先 端が,いずれもθの補角の二等分線上にある場合には,η一4(あるいは,駒一η)となる。

 また,η=O(すなわち,τ 二渉)となるときは,ローラバーでは,

  D      θ   4

h≧(    十τ) tan    十r一一

  2      2  slnθ (7〉

シヤーフ。バーでは,

    θ   4

h⊇≧η tan    十一

一    2  sinθ (8〉

のときであり,この場合には,プレッシャバーによる第1次圧縮は起り得るが,第2次圧縮 レストレイント瓦は起り得ないことになる。したがって,(7),(8)式より明らかなように,

ローラバーでは比較的大きいh,すなわち,

         D

       診+一(1−cosθ)一τcosθ

孟一τcosθ2

    ≦h<

 sinθ      sinθ の範囲にhがあれば,R が起り得る。

 このような(1)〜(8)の関係式を用いて,プレッシャバーによる切削時の諸現象について説明を 加えてゆく。まず最初に,工具切れ刃面に加わる切削抵抗について検討する。FH,Fvと水平 距離hとの関係を,ローラバーとシャープバーとを比較してFig.8に示す。図は垂直距離

刀一9.O mm一定とした場合の一例であるが,hが増加するに伴いF∬,F7両分力とも指数関 数的に減少することがわかる。さらに,ローラバー作用下における.Fπ,F7は,シャープバ ー作用下におけるそれらよりも大きい値を示す。

 これらの現象は,プレッシャバーの作用によるレストレイントR彦に基づいて起ると考え られる。すなわち,この場合(Fig.8)の切削条件(Z)一19mm,刀一9.O mm,オーIO mm,

θ=24。)では,η≧4となるには,(5),(6)式によれば,ローラバーではh≦3.9mm,シャープ バーではh≦1.9mmのときに,また,7F Oとなるには,(7),(8)式によれば,ローラバーで はh≧6。4mm,シャープバーではん≧4.4mrnのときにそれぞれ起る。したがって,ローラ バーとシャープバーとでは,hがともに等しい場合に凡が著しく異なることを意味する。そ のため,ローラバーでは,h≦4mmのときは凡の作用によりFH,Fvは著しく増大する が,ん一4〜6mmでは比較的シャープバー作用下におけるF丑,Fvに漸近する。また,いず れのhの範囲でも,ローラバーはシャープバーよりも被削材や単板と接触するバーの接触面積 が大きいため,ローラバー作用下の砺,Fvはシャープバー作用下のそれらよりも大きい値 となる。いずれのプレッシャバーにおいても,hが極めて大きくなった場合,すなわち,ロー ラバーではh>6.4mm,シャープバーではh>4.4mmの場合,瓦の作用は消失するから,

hの増加に伴いいずれのプレッシャバー作用下でもFπ,Fvは一定値(すなわち,プレッ

(11)

木材のThick−Slicingにおけるプレッシャバーの影響 155

(kg mm)

と:1・

  v=9・0(mm)

 一・。Ro er加r:Fv雷3.39.e−025h  −ShGrpbαr:FV=1.51・e−016h

甑.」,

 ●暢ひ.

     、・4●、

2  4  6  8   h  (mm)

v=9・0(mm)

…R。Uerbαr:FH33,22・ずσ20h

−Shαrpbαr:FH31,74・e 014h

2.2

 1.8

0

(kg/mm》

・i卜遮

   し●  〜

 1.4

1.0

0 2  4  6  8  10    h(mm)

鵬Fせ

0 2  4

  h (mm)6  8

Fig.8. Relation between horizontal and    vertical components acting on    tool face(FH,Fy)and horizontal    distance (h).

roller diameter of roller bar(D):19mm。

Fig.9. Variation of ratio of cutting

    force component by cutting     with a roller bar to one by     cutting with a sharp bar。

rFH  (rFv)  :  ratio  of  horizonta1

(vertica1)component by cutting with a roller bar to one byF cutting with a sharp bar,ん:horizontal distance,

roller diameter of roller bar(D):

19mm.

シャバーの作用しない場合のF丑,F7)に漸近する傾向を示すようである。

 一方,FH,Fγに及ぽすηの影響は少なからずあると考えられるが,本実験の範囲では実 験結果の変動も加わって,両バーの場合ともッの変化に伴うF丑,F7の変化には統計的に有意 差が認められなかった。したがって,ηのFH,Fγへの影響を無視すれば,F丑,F7(kg/

mm)はつぎのような実験式で表すことができる。すなわち,種々のh (mm)およびη

(mm)の組合せのもとで実験した結果を統計的に処理すれば,ローラバーでは,

罫爾認:二期 (9)

また,シャープバーでは,

鋤二欝:1期 (1①

が得られる。ここで,1㌔,Fアの変化に及ぼすプレッシャバーの影響を明確にするため,(9),

(1①式を用いて.F遅の比,一Fvの比を求めてみた。すなわち,ローラバーのF遅とシャープ バーのFπとの比をヶH,同様にF7についての比をヶ.とすると,

ll鳶愚1二期 (11)

(12)

となる。(11)式で表されるヶ,1,ヶ.とゐとの関係をFlg.9に示す。同図のように,hの増加 に伴い7F、,プF.は指数関数的に減少する傾向を示すが,終局はプ瀕一ヶ.一1.0となり,

Fπ,.F7に及ぽすプレッシャバーの影響はなくなるはずである。さらに,Fig.9から明らかな ように,ヶ.の方がヶHよりも大きい。これは,プレッシャバーと被削材や単板との接触面 積が主として影響すると考えられる。すなわち,バーの先端形状から推察できるように,ロー

ラバーはシャープバーより接触面積が大きく,しかも同じhで比較すれば,ローラバーの方が 瓦の作用も大きくなる。したがって,プレッシャバーによる被削材の圧縮方向と平行方向の 分力,すなわちF7はバーの接触面積ならびにバーによる瓦に左右されるから,ローラバー の場合にはシャープバーの場合よりFvが大きくなると解釈される。

 一方,hが小さい場合,たとえばh−ommの場合,プFH,7F.はいずれも大きい。Fig.9 によれば,ローラバーによるF7はシャープバーによるFvの約2.2倍,Fπは約1.9倍の大 きな値となる。このように,ローラバーによる切削抵抗の増加は,バーと工具切れ刃刃先との セッティング(とくに,h)によって左右されるが,著しい切削抵抗の増加は工具切れ刃刃先 の剛性保持に影響を及ぼすことになると考えられる。

 そこで,ローラバーを用い,種々のhのもとで工具切れ刃刃先の擁みを調べてみた。その結 果の一例をFig.10に示す。図は,逃げ面側の刃先先端付近にダイアルゲージ(1/1000mm)

を取りつけ,切削中の刃先の擁み(変位量)ξを測定した結果である。Fig.10によれば,hの 減少に伴いξは指数関数的な増加傾向を示すこと,とくに,&の作用が増加するh<3mm では,ξの著しい増加をもたらすことがわかる。hが極めて小さい場合には,刃先位置はそれ だけ変位するから,設定した切込量オよりも大きい切込量〆で切削を行うことになる。その 結果,単板厚さの変動をもたらすと推察される。したがって,ローラバーのセットにあたって は,単に単板の品質のみならず,工具切れ刃刃先の剛性保持にも充分留意して適正にセットし なければならない。

 つぎに,プレッシャバー接触面に加わる圧縮力について検討する。まず,圧縮力の水平分力 P遅を種々のhのもとで測定した結果の一例(刀一9.Ommの場合)をFig.11に示す。シャー

{mm》

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

0

  ぬま舞

 》

β

6923●

α冨10

》89.5mm 吐310mm

D819mm

0  1  2  3  4   5  6      h(mm》

Fig.10。 Relation between tool     e(lge deflection(ξ)and     horizontal distance(ん).

symbols jn figure :refer to

Fig。3。

(kg/mm)

 2

 Of

一2

v=9.0(mm)

 一…R o er bar:PH30.93・eα02隔一1

一Sharp bar PH30

o qD

   願・・●●・畠・

一9一

一 一.

0  2  4  6  8     h (mm》

Fig.11. Relation between horizontal component acting on pressure bar face(pE) and horjzontal distance(ん).

η:refer to Fig。3,roller diameter of roller bar(D):19mm,

(13)

木材のThick−Slicingにおけるプレッシャバーの影響 157

プバーの場合には,バー先端部の稜角でのすべり摩擦であるが,ローラバーの場合には,被削 材との接触部を自由回転する,いわゆるローラのころがり摩擦であるから,前者における.Pπ は後者におけるそれよりも大きな値を示すことになる。また,図より明らかなように,シャー プバーにおけるPHはh(mm)の変化に関係なく一定定数で表されるが,η(mm)の増加に 伴い.PEは若干漸減する傾向を示した。したがって,シャープバーにおけるPH(kg/mm)

は,次式で表現できる。

P正ぞ=5,24−0.49η (12

 一方,ローラバーにおけるPHはhの増加に伴い負の値から正の値へ変化し,hの広い範 囲にわたって考えれば,Pπは指数関数的な変化の傾向を示すとみなし得る。図のように,と

くにローラバーでは,P王・……0の3通りがあるが,これは主にhの変化に伴う・R の作用の 大小が原因すると考えられる。すなわち,瓦が著しく大きく作用する場合には,PH<0

(F >P の場合,ここで,F は瓦に抵抗して生じる工具切れ刃すくい面に加わる切削抵抗 であり,P は切削直前に被削材がバー接触面に喰込んだときに生じるバーの圧縮力の水平分 力である),また,.&が比較的小さく作用する場合には,PE>0(F <P の場合)となる。

したがって,両者の中間状態Pπ一〇(F 一P の場合)は,被削材の喰込むバー接触面側と 工具すくい面側のバー接触面側にはともに等しいカが加わっていることになる(本研究の分力 の測定方法では,.P丑は無抵抗の状態で検出される)。いずれのPπの場合でも,o付近の小 さな値であるから,この方向の分力は近似的に0と考えても差しつかえないようである。さら に,ローラバーにおけるPHは,η(mm)の変化にはほぼ無関係で一定となる傾向を示すよ

うである。したがって,P丑(kg/mm)はつぎのように表現できる。

P、、一〇.93eO 05h−1 (13)

 っぎに,プレッシャバー接触面に加わる圧縮力の垂直分力Pγを種々のhのもとで測定し た結果の一例(η一9.Ommの場合)をFig.12に示す。同図より明らかなように,いずれのプ

レッシャバーの場合でも,hの増加に伴いPvは指数関数的に減少する。シャープバーにお けるPvは,ローラバーにおけるそれよりも低い値で,しかもP7のhに伴う減少割合が比 較的緩やかである。この原因は,バーの先端

形状に基づくバーと被削材との接触面積の大 きさならびに凡の作用とに起因すると考え られる。すなわち,プレッシャバーによる厚 単板の切削では,バーの圧入深さ4ならびに 瓦による被削材や単板の著しい圧縮を伴う 強制切削である。したがって,ローラバーで は被削材や単板との接触面積が増加し,それ らを広範囲に圧縮するため,いずれのhに おいてもシャープバーにおけるPvよりも大 きい値となる。また,hが極めて小さい場合 はもちろん,hが比較的大きい場合でもロー ラバーではシャープバーよりもR の作用が 大きく,工具切れ刃すくい面上を強く圧縮す

る。その結果,工具すくい面に加わる切削抵

⊂kg mm⊃

10

 8

0・6

4

    v冒90⊂mm)  .o h

    一・RD電brbor;PV39・90・e

へ   

●・一S㎞中bα:PV・6.21・e oo7h

 、、  ●

  δ・9

ロ      じ  

   ●、・亀 ・    ●G ・・、

 Oo       b、..

   000   0    0

0

Fig.12.

2  4  6  8     h てmm》

Relation between vertical COmponent aCting On pre−

ssure bar face (Py) and horizonta1(listance(ん).

τ:refer to Fig.3,roller diameter of roller bar(D):19mm.

(14)

(mm》

9.5

9。0

》 8・5

8.0

7.5

Ro er bar

(mm》

9.5

9.0

》8.5

      8.O

Pv=1110987

      (k/mm)

0  2  4  6  8  10

    h (mm)

7.5

9

Sharp bar

Pv=45 (kg/mm》

67 8

0  2  4  6  8  10

    h (mm》

Fig.13.Effect of horizonta and vertical distances(h,刀)on vertical component     acting on pressure bar face (Py).

roller diameter of roller bar(D):1g mm.

抗F の増加をもたらし,このF に抵抗するために,一定の4においてもPyは著しく増

加することになる。

 P7とηとの関係を究明した結果,Pvはηの増加に伴い直線的に減少する傾向を示した。

したがって,h(mm)と7(mm)とを考慮すると,Pv(kg/mm)はつぎのような実験式

で表現できる。ローラバーでは,

P7一(37.31−3,09η)・e(〇一29−o 04び)h (1の

また, シャーフ。ノf一では,

P7一(40.80−3.90η)・e(o。49−o伽)h (1励

(14),(15)式で表されるP7とバーのセッティング(すなわち,hおよびη)との関係を明確に

するため,刀を縦軸に,hを横軸にとり,P7をパラメータとしてPvの等分力分布曲線を 描き,その結果をFig.13に示す。同図に示すように,バーの先端形状の相異ならびにバーの セッティング(h,刀)の変化によるP7の変動様相がよくわかる。両バーともjPvを等し

くして考えると,バーと被削材や単板との接触面積ならびにR云の作用がいずれも大きいロー ラバーでは,一定のPγを得るためにはシャープバーの場合のhあるいはτより大きい値と なる。たとえば,Pv=9.Okg/mmとなるようなh,τをFig.13より求めると,刀一8。Omm の場合では,ローラバーでh−5mm,シャープバーでh富3mmとなる。刃先前方の被削材 内部に効果的なプレッシャを与え,裏割れの発生を防止するためには,バーのセッティング

(h,η)が極めて重要となることがシャープバーを中心に論じられている22)〜25)。Fig.13 の結果によれば,ローラバーを用いると,シャープバーの場合よりもηを比較的大きく(すな わち,バーの圧入深さ4を比較的小さく),またんを比較的大きくした場合でも,シャープバー

と同じ効果が得られることがわかる。

 つぎに,プレッシャバーの被削材への喰込みによる被削材表面および内部の変形について検 討してみる。被削材の一側面(木口面)にモアレグリッドシートを貼付し,同シートの変形に より(グリッドラインの擁みから変形の大きさを知ることができる),プレッシャバーの被削材 への喰込みによる被削材表面や内部の変形挙動を調べた。シャープバーによる被削材表面およ び内部の変形挙動の一例をPhoto.1に,また,ローラバー一による変形挙動の一例をPhoto.2

(15)

木材のThick−Slicjngにおけるブレッシャバーの影響 159

鶏懸鞭

∫w幡睡礁

伊撚嚢隷i醸   『        灘霧一        デ  ニヨチ       ー 一灘亨滞一懲繍謬       ㎜轟i縛む萱lo潰導質i顛ゑ畷驚

欄難騨籍1華

 Photo.1. Distortion of model grid line       as a in(iicator of workpiece       (ieflection  by  sharp  bar       c on/P「esslon・

  grid line:moir6grid sheet,MS−200B   (Kyowa Dengyo Co.,Ltd,),pitch of   grid(ρ):ρ一〇.05mm,4=0,7mm,βb=

  97こ,φ=3。(symbols :refer to Fig,3),

  workpiece:air一(irie(i Taiwanhinoki、

麟畿灘鎌灘藤羅難

 Photo.2.Distortion of model gri(i       Iine aS a indiCatOr Of WOrk−

      piece  (ieflection  by  roller

      bar compression。

  grid line used and p:same as Photo,

  1,4=1.60mm,D=13mm(symbols,♂

  and D:refer to Fig.3),workpiece:

  air−dried Red lauan.

に示す(Photo.1および2とでは被削材質が異なり,両者は厳密には比較できないが,材の気 乾比重ノ、がほぼ同程度の大きさであることから,ほぼ類似した性質をもつ被削材と考え,プレ

ッシャバーの被削材への喰込みによる材表而および内部の変形挙動についての検討を進める)。

 シャープバーを用いた場合,①バー先端部が稜角であるため,4が小さい場合でも被削材 表面を著しく変形(主として,せん断変形)・破壊させる.とくに,バーと接触する被削材表 面は,切削ののち11t板の表面側Tight sideを形成する、切削中に凡の作用も加わり,この 表面からの著しい変形・破壊が単板内部にまで及ぶことが予想される。② 被削材内部にまで 変形が広く及ばない、とくに,バー接触面ド付近では材内部にまで変形が及ぶが,刃先前方の 被削材内部に効果的な圧縮変形を与えるためには,hを小さくしてバーをセットしなければな らない、③従来,行われている通常ll、」1さ(オーO.3〜O.5mm)の単板切削では,適正なバーの 垂直絞りV (τノ/オ×IOO) (%)が90〜85彩であることが報じられている22)〜25) このVを厚 単板の切削に適用して考えれば,オー10mmの切削では,4−1.O〜1.5mmに相当する,し たがって,Photo.1の場合(ゴー○.7mm)よりさらに被削材表面の著しい変形・破壊をもた らすことが予想される,

 一方,ローラバーでは,①バーと被削材との接触面積が大きいため,応力集中が起りにく い.そのため,4が大きい場合でも,被削材表面の破壊は極めて少ない.したがって,切削後 の単板の表面は極めて平滑となり,しかも,シャープバーの場合よりせん断変形も少ない。し かし,切削中に凡が大きく作用すると(hが小さい場合),裏割れの少ない単板であっても,瓦 による単板の再圧縮のために単板の表・裏面および内部の微細な破壊(これを二次的割れと呼 ぶ)をもたらすことが予想される、② ゴが比較的小さい場合でも,被削材内部にまで変形が 広く及ぶ そのため,ゴが小さい場合,あるいはhが大きい場合でも刃先前方の被削材内部に 効果的な圧縮変形を与えることができ,その糸、[1果,裏割れの発生を防 止し得ると考えられる  以L,述べてきた被削材表面および内部の変形挙動をさらに明確にするため,モアレ法を用

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Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”

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