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地域エネルギー集中管理システムに関するファジィ意思決定分析

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(1)

地域エネルギー集中管理システムに関するファジィ意思決定分析

      (昭和57年5月31日 原稿受付〉

      情報工学教室村上周太

       〃    前   田      博

      大塚製薬㈱今村司朗 Fuzzy Decision Analysis on the Development of

  Centralized Regional Energy Control System

by Shuta MURAKAMI

   Hiroshi MAEDA    Shiro IMAMURA

Abstract

  In this paper, we devel◎p the methodol◎gy to analyse the declsion problem wh輌ch contains

fuzziness appearing in decision maker s subjective judgement to$ubjective probabilities and

.subjective weights of additive Utility function. Also, we propose two methods(α一cut method and centroid meth◎d>t◎eva掩ate the alterna婬ves by using fuzzy expected util柱y curves calculated from fuzzy I}robabili6e§and fuzzy util三t輌es.

  Next, we apply the above methodologies to fuzzy decision analysi$on the development of the centralized regional energy control system in Tobata ward of Kitakyushu city, In this system, energy abandoned from heavy industries, power generation plants and incinerators is

ga白ered at an題αgy c◎n仕◎l center and exchanged foぎhot wa缶r by heat exchangers, and then hot water ls supplied to the regional air conditioning system and the regional hot water supply system through pipe line network. We investigate the decision problem of whether or not such asystem should be constructed in order to save energy used in the region as much as possible and t()supPly energy as Cheap asρ◎Ss輌ble.

  FinaUy, we discuss about h◎w the fuzzy decision a頒lysis technique devel◎ped here is useful.

 1,はじめに      門家が評価する場合・特に属性の値に対する主観確率を

      与える場合,評価者の不確実性とともにあいまいさ  多属性効用理論は・社会システムやエネルギーシステ  (fuzziness)がつきまとう。例えば,コストが1億円か

ムなどのような大規模なシステムの複数の代替案の中か   かる確率は, おおよそ0.3ぐらいだ ,とか95%の信頼性 ら,システムの目標間のトレードオフをとることにより   を確保できる確率は,哨.1から◎.2ぐらいの範囲にあり 最適な代替案を選択するための方法論として用いること   そうだ ,というように評価者の答えの中にあいまいさ ができる。R. L Keeneyらが開発した多属性効用関数法   が伴うのは,ごく自然なことのように思われる。

は,多属性効用関数を一次元効用関数で分解表現するも    また,50−5010tteryを用いて,意思決定者の一次元効 のである;}この多属性効用関数を用いて,代替案の結果   用関数を同定するときに答えてもらう確実等価値やlot.

に対して・各属性の不確実性を含む値を評価し,期待効  teryの確率の値にも,同様にあいまいさが含まれるであ

用が最大となるような代替案を選択することができる。   ろう。さらに,加法的効用関数における重み係数の値を

 ところで,各属性の値を,意思決定者やその問題の専   決める際や乗法的効用関数を決める際に,属性間のト

(2)

「…頁…源一…「     ,一一一一一一一寸   「二㌫厄二寿スご「

(火  力原f乙力)発轡

      1  地 域 冷暖 房 ,

       i  電力   , 1

i。     1蒸気    、 1太陽熱・地熱 i     l

1風力・波力1 発電

温    1 水    i

(,一,ポ。プ)  酬・・  …

;排水回収・汚水処理プフント ,

蒸気i       l

図一1 地域エネルギー集中管理システムの概要図

レードオフを答えてもらうその答えの中にも,同様に意   ファジィ集合Aは,メンバーシップ関数 思決定者のあいまいさが含まれているであろう。         μZ:X→[0,1]

 そこで,本論文では,このような評価者や意思決定者   によって定義されている。値μZ(κ)ε[0,1]は,ファジ の答えの中のあいまいさを考慮したファジィ意思決定分   イ集合AにXεXが属する度合を表わしている。っまり,

析手法を開発し,これを北九州市におけるローカルエネ   要素κがAに属する度合が大きければ大きいほど,

ルギーシステムの一形態である地域エネルギー集中管理   μZ(κ)は1に近い値をとる。

システムの開発に関する意思決定問題へ応用することを    Xが離散空間で 試みるものである。      X={κbκ2,…,κ々}

 ここでいう地域エネルギー集中管理システムとは,図   と表わされる時・ファジィ集合・4は・

−1に示すように,工場廃熱やごみ焼却場などからの廃棄      A={(κ1/μZ(κ1)),(κ2/μZ(κ2)),…,

エネルギーを集中的に管理し,このエネルギーを地域冷        (x々/μλi(κ々 ))}

暖房,給湯,温水プール,植栽などに有効に利用しよう   と表わされる。たとえば,

とするものである:)北九州市には製鉄所や火力発電所な      X={1,2,……,9}

ど多くの工場があり,莫大な量のエネルギーが廃棄され   としたとき,ファジィ集合Aを ている。これらの廃棄エネルギーを有効に再利用して,      ・4= だいたい5の近辺である 地域の省エネルギーに役立てるとともに,大気汚染や熱   とすると,

汚染を緩和し,地域住民に使いやすいエネルギーを供給      ・4;{(3/0.4),(4/0.9),(5/1),(6/0,8),

し,快適な生活を実現することを目的としている。本論        (7/0.4)}

文では,北九州市の中でも,とくに工場地域に隣接して   と表わされる。これらのメンバーシップの値は主観的に いる戸畑区を対象として,地域エネルギー集中管理シス   与えられるものである。

テムの可能性を検討する。      このように,X上の一つのファジィな表現に一つのメ        ンバーシップ関数を対応させることによって,あいまい

 2.ファジィ意思決定分析

       な表現の数学的モデルが得られるのである。この対応関  2.1.ファジィ集合について       係はまったく主観的に決められるので,ファジィ集合は  ファジィ集合の概念は,LA. Zadehによって,1965年   主観的なあいまいさを取り扱っているといえる。

に提案されている6}彼の論文では,全体集合Xにおける    ところで,μZ(κ)はκがファジィ集合Aに属する度合

(3)

を表わすものであるび,見方を変えれば,要素劣があい    また,本論文では,ファジィ多属性効用関数として,

まいな概念(表現)・4にあてはまる信念の度合・つまり   次式のような加法形を仮定する。

實雰還羅きるであろう・  砲(一一)一〔ぷ・)〕輌・・㈲㊧

      ・… 一㊥〔冷η⑧z4η(κηゴ)〕      (4)

 ある代替案を取ったときに起こる結果の不確実性の評

価にあいまいさが含まれる場合がある。とくに・主観的   ここで,石,起,……,逐.は加法効用関数におけるファ

確率を与える場合・その確率の値の評価にあいまいさが   ジイ重み係数であり,μ1(κ1」),μ、(鬼),__砺(x。、)は

伴う。また多属性効用関数の尺度構成係数は意思決定者   各属性の一次元効用関数の値である。各属性の取る値お に属性間のトレードオフを聞き出すことによって同定さ   よびその効用はノンファジィであるとする。(1)式および れるが・意思決定者の2属性間の無差別点の答えにあい   (4)式によって,各代替案に対するファジィ期待効用を求 まいさが含まれるのは自然なことである。それゆえ,本 

めることができる。

論文では・ある代替案を取ったときに起こる結果の確率    2.2.代替案の選択基準

分布がファジィである場合・およびその結果に対する効    前節で,各代替案に対するファジィ期待効用が求めら 用がファジィである場合の・いわゆるファジィ意思決定   れると,これをもとにどの代替案を最良の代替案として

分析手法を提案する。      選べばよいかという,代替案の選択基準が必要となる。

      ファジィ期待効用の評価方法については,S. M. Bass

   代替案 ファジ騰結果 フ・ジ:効用 ら:IR.J、i。1・J.FB、1dwi。ら・などの研究があるが    Al. あ1』1, ・諾・1>→〃・・ 轍では,1)。カ。ト法と2)重,職提案する.

    会ii ☆i(一・・…・…一  2・1・の鰍・もとついて,フ・ジ働待効用をもつ代

      替案の選択基準について説明する。

      (工1抗,工2カ2,‥㌔工η勉)→観π    1)αカット法

       図一2 De¢ision tree       代替案・4、の期待効用のメンバーシップの値がα以        上になる効用値の集合のうち最大なものを尺とする。

 そこで,いま考えている意思決定問題の目標の達成度    っまり,

合を測婿性をx1為…脇とし・そ礪性のとる値を  嘉づ・x{硯μ(由≧。}( ⇒一の  ㈲

ズ1・κ2・…κ・とする・いま・図一2のdecision treeにおい   とし,このβG=1〜のが最大となるものを最良の代 て,代替案.4ξ(ゴ=1〜のをとったときに起こる結果を   替案として選択する。

(κu,κ2パ xη」)(∫=1〜別)とし,この結果が得られる    これは,期待効用の確信度がある値α以上ある代替 ファジィ確率を瘍とする。また,結果(Xlj,κ2」, κηゴ)   案のうちで,最大の期待効用が得られる代替案を選択

に対するファジィ効用を砺とする。このとき,代替案    しようとするものである。

んのファジィ期待効用ぴをつぎのように定義する。    2)重心法

 ひ=〔カ 1⑧副Φ〔∬ゴ2⑭娠〕㊥……6〔∬伽⑧鵡加〕 (1)    各代替案の期待効用のメンバーシップ関数をもとに

ここで,ファジィ変数の和㊥および積⑧はつぎのように   して,評価を行なう場合,期待効用の値が高くかつま 定義する;)      たメンバーシップの値(確信度)の高いものを選択す

    和:z={(綱}=綱   (2) るの力酬である.そこで図劫ようなファジ備

      μ(z)=。警語〔lnin(μ(κ)・μ(y))〕       待効用の重心(砿,μo)をつぎのように定義する。

    積:乏一{(ψ(・)}一輌  (3)   一∬醐4u

      μ(2)当 (卿))〕   コ・μ(u)ゴσ (6)

ここ蠕={(κ/・剛 ∫={ツ/・(州‥{(・/   ∫1醐砲(σ)

;1蕊遍巖㌍μ鋤(夕) μ(z)はメ  μ「1卿) (7)

(4)

各代替案のファジィ期待効用の重心を求め,期待効用    利用側システムとしては,地域冷暖房,給湯に限るこ の重心および確信度の重心が同時に最大になるものを    とにし,住宅には冷暖房と給湯,商店には冷暖房のサー 最良の代替案として選択する。これは,期待効用の期    ビスが行なわれるものとする。

待確信度が最大になるものを選択しようとするもので    3.1. システムの目標と属性

ある。ここで,この選択は必ずしも唯一であるとは限    地域エネルギー集中管理システムの目標として,つぎ らないことに注意する必要がある。つまり,パレトー   の3目標をかかげることにする。

解(優越されていない代替案)が存在するかも知れな  

(1)地域での省エネルギー量を最大にする。

い。この場合,期待効用と確信度のどちらを意思決定    (2)総事業費を最小にする。

者が重要視するかの判断を導入することによって,最    (3)使いやすいエネルギーを広く供給し,快適な生活 終の決定が下せるであろう。      を実現する。

  μ(U)       つぎに,各目標の達成度合を測る属性をつぎのように

1.o −_,一_一__一一      定義する。省エネルギー量は,対象住宅や商店で現在平        均的に冷暖房,給湯に使用しているエネルギーがこのシ        ステムの導入によって節約されると考えられるので,こ        の節約エネルギー量を属性Xl(Gcal/年)とする。総事        業費X2(億円)には,熱供給センター建設費,一次・二        次配管費用,サブセンター建設費などが含まれる。3番

         重心      目の目標に対しては,このシステムで冷暖房,給湯を行

μo  −一一一 一一一一寸

      1      なう住宅数や商店数が代替案によって異なることを考慮       ロ

      1      して,戸畑区全住宅および商店の延べ床面積に対するエ       コ

      ⑪        u     ネルギーを供給される住宅および商店の延床面積の割

 O       U・    1・0        合,つまり普及率を属性X,(%)とする。一住宅は一世   図一3 ファジィ期待効用の重心        帯が対応していると考えることにする。

      なお,このシステムの目標として,安いエネルギーを  3.地域エネルギ_集中管理システムのファジィ意   供給すること・が考えられるが・これはエネルギーコス

  思決定分析       トで測れる。ところが・一般家庭におけるエネルギーコ

       ストは,約21円/kWhであり,次節で示す各代替案での  地域エネルギー集中管理システムの対象地域は・北九   エネルギーコストは約18円/kWh・)前後であり,明らか 州市の戸畑区内とする。廃熱源としては・地理的条件を   にこのシステムのエネルギーコストが安いので,この目 考慮して,日明ごみ焼却場で発生する200℃の蒸気・日明   標は省略することにする。

下水処理場および西港し尿処理場で発生する消化ガス・    3.2.代替案の作成

新日鉄戸畑製造所の200℃〜400℃の温度レベルのコー    戸畑区内の住宅密度,商店密度,熱供給センターの予 クス炉排ガス,加熱炉排ガスを用いるものとする。これ   定地などを考慮して,つぎの4つの代替案を設定する。

らの廃棄エネルギーを熱供給センターに集め,130℃の    A、:システムの建設を行なわない。

高温水を作り,1次配管を通して,サブセンターに送る。   A、:熱供給センターに近い中原西,中原東から天神ま  サブセンターには,熱交換器,冷凍機,蓄熱槽,ボン      での地域について,小規模なシステムを建設する。

プなどの設備があり,熱供給センターから送られてきた    A、:A,に加えて,戸畑駅付近までの地域について,中 高温水を熱交換して,暖房用の80℃の温水と給湯用の60     規模なシステムを建設する。

℃の温水を,夏の間は冷凍機により5℃の冷水を作り,   A、:戸畑区全域について,大規模なシステムを建設す ポンプによって2次配管を通して,各熱需要家へ送る。      る。

冷暖房用に使われた冷水または温水は,再びサブステー    図一4に各代替案の対象地域および熱供給センター,

ションへ送り返される。      サブセンター,廃熱源の位置などを示している。また,

(5)

対象地域内の世帯数商店数などのデータも示している。    ところで,対象地域内でこのシステムによる地域冷暖       房,給湯を行なう住宅や商店がどのくらいあるかにっい        ては,事前に十分な調査が必要であるが,現段階ではま        だこの調査は行なわれていない。そこで,本論文では,

       .サブ,、タ瓢曇・    意思決鯵が主観的に判断したあいまいな値と用いるこ

     洞 供給エリァ         日明ごみ     とにする。つまり,各代替案とも,地域冷暖房,給湯を

纏二二礪魏    焼綱  行なう健数が,その対象地域の住宅数の10%となる確      畑鷲一一薪襯瀦鰹   やや小さいくらい⊇見積る・ま嫡麟について}ま・

 一一繿ヨ案A4       E婿下水

    熱供給       処理場     率は おおよそ0.6ぐらい ,15%となる確率は 0.4より

    センター

洞海湾@ ,鴨  ∠   1      対象地域内の30%の商店が地域冷暖房を行なう確率は

Ii鷲魚ン灘:㌻編ぽ蒜㌻:㌶噸は踏たい

  〔       商店数      832

       当R曇肇鷺竺122・15晒     図一5にこのシステムで冷暖鳳給湯を行なう住宅数

   光駅       世帯数     16.317

       藷籠床醒 92i:羅㎡    に対するファジィ確率あo%,庖5%および冷暖房を行なう        亙懸肇鷺速280 027㎡    商店数に対するファジィ確率1㌦%,あ0%のメンバーシッ

  1

誠   

竃床面杣li籔 プ関数を示している.

       商店延床面積 433.469㎡

      表一1には,各廃熱源から回収が期待される廃棄エネ 図一4 地域エネルギー集中管理システムの代替案    ルギー量の推計値を示している。

 μ      μ

1.0         住宅10%     1,0

0 5 0.5

住宅15%

◎       カ     ◎       カ

0.5     0.6      0,7      0.2      0.3      0.4      0.5

      ρ10%       ガ15%

 μ      μ 1.0         商店3θ%     1.◎

o.5 ◎.5

0      ♪     0

       カ

().4      ◎,5      ◎.6      0.3      ◎.4      {).5     ◎.6

ガ3・%      カ50%

図一5 冷暖房,給湯を行なう住宅,商店に対する

    フアジイ確率

(6)

表一1 月別廃棄エネルギー期待回収量(Gcal/月)

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

新  日  鉄 14,400 14,880 14,400 14,880 14,880 14,400 14,880 14,400 14,880 14,880 13,440 14,880 ]75,200

日明下水処理場 15.6 49.2 67.2 67.2 20.4 102.0 117.0 43.2 8.4 26.4 3.0 22.8 542.4

西港清掃工場 162.7 135.4 112.2 106.0 103.0 89.1 80.1 71.3 72.2 68.7 66.4 96.6 1,163.7

日明清掃工場 3,304.8 4,839.8 4,100.2 4,763.5 3,306.2 4,858.0 2,094.1 3,73L6 4,260.0 3,811.2 3,190.3 4,817.0 47,076.7 合   計 17,883.1 19,904.4 18,679.6 19,816.7 18,309.6 19,449.1 17,171.2 18,246.1 19,220.6 18,786.3 16,699.7 19,816.4 223,982.8

 3.3.属性の評価      うな加法形を仮定する。

 各代替案の省エネルギー量,総事業費,普及率の推計       .     .

値を表一2に示している.節約エネルギー量は,対象住宅  ∂(κ1,κ2,κ3)=〔ん1⑧・1(・1)〕㊥〔』・(・・)〕㊥(8)

およ鏑店が現在平均的に使用している暖房,繊給      〔〃3⑧μ3(κ3)〕

湯のためのエネルギーが,このシステムの導入によって,

省かれるものとして計算している。総事業費には,熱供 給センター,サブセンター,一次・二次配管費用が含ま れている。普及率は,このシステムによって冷暖房,給 湯を行なう住宅,商店の延床面積を戸畑区全体の住宅,

1.0

0.8

商店の総延床面積で割ったものである。また,最大エネ      o.6

ルギー需要量は,需要家が同時に冷房および給湯を行    3

なったときに必要な最大のエネルギー量である。これら    ぎ        0.4 の値の推計方法は参考文献8)に詳しく述べられている。

       0.2  3.4.代替案の評価

 2.で述べたファジィ意思決定分析手法を用いて,代替       0

案のランク付けを行ない,最良な決定を導さ出そう。そ      0  0 2 0 4 0 6 0 8 1 0

       _       エ1   (105Gcal) こで,まず各属性の一次兀効用関数を図一6〜図一8のよ       図一6 省エネルギー量に対する効用曲線

うに定める。ファジィ多属性効用関数として,次式のよ

表一2 代替案の属性の評価

代替案 住宅 商店 最大エネルギー

要量Gca1/h

2次配管

@ ㎞

総事業費

@ 億円

節約エネルギー量

fcal/年

普及率

@ %

10 30 17.2 6.0 29.8 11,795 4.7

A2 1015 5030

2LO

7.0 36.2 14,806 6.0

22.0 8.5 38.9 15,429 6.2

15 50 26.8 9.5 47.4 18,440 7.4

10 30 32.1 10.5 53.0 20,879 9.0

A3 1015 50 41.0 12.5 68.1 26,841 11.9

30 41.5 14.0 70.5 26,838 11.4

15 50 50.4 16.5 87.7 32,800 14.2

10 30 52.1 18.0 81.6 34,279 14.4

A4 10 50 65.7 20.5 102.8 43,558 18.9

15 30 68.0 25.0 110.3 44,455 18.3

15 50 81.5 27.5 132.8 53,734 22.8

(7)

1.0

0.8

◎.6

0.4

0.2

Lo

o.8

、0.6

0.4

0.2

0

150    120    90     60     30      0       0      10     20  ㍉  30     40     50

         娩      (億円)      鞠         (%)

 図一7 総事業費に対する効用曲線       図一8 普及率に対する効用曲線

μ       μ       μ LO轍一一一一       1.0−・一一一一・       1.0

0.20.3 ◎.400.4 0.5◎。55◎。60◎.10」5◎.2 0.3

     ん1       々2       〃3 図一9 ファジィ重み係数

ここで,重み係数〃1,島,島に対する意思決定者の判断

      1

にあいまいさが含まれるので,そのファジィ重み係数を      花・・

図一9のよう碇める・      ∂碗、

 図一10に,この意思決定問題のdecision treeを示してい         A・      万、∂22

る・ここ舗魂翻は対象詫酷力き(眺   A・    ρ遮

3°%)・(1°%・5°%)・(15%・3°%) (15%・5°%)の

@  A、    万1巳・・

ときのファジィ確率である。これは,       灸μ32

お輪輌(已一4;⊇15;醐5・){9)   A4    竪:1

によって計算される。また輪(i=1〜4,1=1〜4)      あ拓、

は,代替案A、を取りパス《を通ったときに起こる結果      β2存42

に対するフ・ジイ効用であり・(8)式}こよって求めら恒       謡ll

 以上より,代替案・曳に対するファジィ期待効用ぴ

は・       図一10 地域エネルギー集中管理システムに関する

α=〔あ⑭π 1〕㊥〔あ嚥・〕0〔廊⑭猛・〕㊥〔瓦⑧存・・〕(1⑳   d・・i・i・・t・理

(8)

より求められる。図一11に各代替案に対するファジィ期    以上より,戸畑区内で,熱供給センターの置かれる場 待効用を示している。      所になるべく近い地域で,しかも住宅や商店の密度の高       い地域を対象とした地域エネルギー集中管理システムは  μ       代替案       ムヒ ・   ⇒・    ・

1.0

0.8

0.6

0.4

0.2

0

      。_.→A、    その実現の可目ヒ性があると言えるであろっ。

     .ひ ,   −A・

イ\沙\『 1;㌫畑区を対象とした_ルギー集中管

//i\;\  ㌶㌶鷲…嶽繊竺こ二;:㌫

/一一 、 ステムの冷願給湯の対象住宅蜘店酬合と加

。.45 。.5 。.,; 。.、U 法的効用関数の重み係数1・ついてのみ・意思決定者のあ       いまいな判断を導入して,ファジィ変数として取扱い,

図一11代替案に対するファジィ期待効用

      ファジィ意思決定分析を行なったけれども,各属性の値  つぎに,2.2で提案したαカット法で代替案を評価す   の不確実性(確率分布)およびその評価のあいまいさも ると,α=0.2以上,つまり0.2以上の確信度をもって,代   考慮する必要があろう。

替案・4,が最良であり,・41,・4、,・4、の順となることがわ    さらに,各属性の一次元効用関数の同定過程の中に表

かる。一方,重心法の結果を図一12に示しているが,これ   われるあいまいさおよび乗法的効用関数などを用いると より明らかに・4、が最良の代替案であり,・4、が最悪であ   きの尺度構成係数の決定過程の中に含まれるあいまいさ ることがわかる。・41と・43の代替案については,どちら   を考慮した一般的ファジィ意思決定分析手法の開発が今 の代替案を良しとするかは,意思決定者が期待効用と確   後の研究課題である。

信度のどちらを重要視するかにかかっている。        最後に,この研究は昭和55年度および昭和56年度の文       部省科学研究費補助金(エネルギー特別研究(2))の援助

μ 0.53

0.52

0.51

0.50

0.49

0.48

       の下に行なわれたものである。

一一一一一一{㌔一一一.一一...⑰A・

一……

P−…ゴi    参考文献

       l l l  1)RLKeeneU H・…ff・・D㏄i…nw・・h M・1・i・1・・bjec・・…

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.一一

ツA、l l l  ・)LA・・d・h・Fuzzy se・・1・…m・…nand C・n…1・V・・&

     1  ; 1     338/353,1965

   1    1     1    1         4) J・MAdamo:Fuzzy decision trees, Fuzzy Sets and Sys.

  L  1       ・・m・V・L4・・7/219198・

    0.490・500・510・520・530・540.55U      5) S. M. Baas, H. Kwakernaak:Rati㎎and ranking of multi−

       aspect alternatives using fuzzy sets, Automatica, Vol.13,47/58,

      図一12 各代替案の重心      1977

      6) RJain:Decision−making in the presence of fuzzy variables,

       IEEE, SMC−6,698/703,1976

 αカット法,重心法のいずれの選択基準を用いても,   7),J. F. Baldwin, N. C. F. Guild;Comparis・n of fuzzy sets on the

・4、の代替案,つまり中原西,中原東から天神までの地域   same decisi°n sPace, Fuzzy Sets and Systems・V°L 2,213/231,

       1979

を対象として・地域エネルギー集中管理システムを建設   8) 今村:Fuzzy意思決定分析に関する研究,九州工業大学修士論

するのが最良の代替案であることが言える。        文,1982

参照

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