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景観規定要因の選定

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(1)

4.

景親規定要田を考慮した景観評価予測手法

4.1

景観規定要因の選定

景観 は、対象群 を全体的に眺めることを契機 とした人間の心的現象である。そのた め、人間の視覚的特性や対象そのものの性質はもちろんのこと、視点 と対象 との関係 や対象相互の関係 によっても、様々な見え方 をす る。そ こで、露天採掘場の見え方 を 変化 させ、そ して景観評価 に影響 を及ぼす と思われ る景観規定要因を取 り上げた。

様々な文献か ら調べた対象の見え方を分析す るための基本的指標 を下に示す。

・視距離

・仰角

・視線入射角

・中心見込角

・垂直見込角

・水平見込角

・立体角 選定理由 としては

判断可能なもの、

3.

・見えの形

・ゲシュタル ト i錯視

・スカイライ ンの切断

・画面構成比

・輝度

1.

定量的なもの、

2.

定性的であっても、有無だけで単純に 専門的な判断を有 しないものであった ことである。他 にも基本 的指標 は多 く存在す ると思われ るが本研究は上に挙げた基本的指標 とした。

本研究は

、GIS

を解析ツール としている。よって、

GIS

上で表現が困難 と判断 した 基本的指標 は省いた。残 った基本的指標 は、

(1

)視距離 (2)仰角

(3)視線入射角 (4) 中心見込角 (5)垂直見込角 (6) 水平見込角 (7)立体角

の 7つである。 これ らを本研究での景観規定要因 とした。

以下に述べ る景観規定要因の概要については、今回研究対象 とした岩手県西磐井郡 平泉町に所在 し、観光名所でもある毛越寺な どか ら景観 を阻害す るとして問題化 して いる観音山採掘跡地を例にす ることにす る。

4.2

景親規定要因の概要

4.2.1

視距離

(1

)視距離の概念

‑60

(2)

山であろ うと、建物であろ うと、人間であろ うと、対象が視点か らどのよ うな距離 にあるかによって、それ らの見え方は変化す る。露天採掘場 も同様であるといえる。

そこで、図4・1 に示す よ うに、視点か ら対象までの水平距離である 『 視距離』を対負 の見え方 を左右す る重要な要因の一つ とした。本研究室では、視距離の変化による対 象の見え方を質的な変化で捉 え、視距離 を指標化 してきた。図

4.2

のよ うに、近距離 景、中距離景、遠距離景のよ うに大きく分節化 して指標化できれば判断 しやすい とい うことはあるが、 逆に詳細な景観評価 とい うものは得 ることができない と考 えられ る。

よって、本研究は質的な変化で捉 え指標化す るのではな く、視距離 を連続的なもの と して捉 えることに した。

4.1

視距離の定義

言醇 =賢 叫 亨

40' 80' 450'

( 禁 : . ' = 4 : ̲ , 胤 二悲 劇 転ご.

( 幣! : , . . . , . . . P: T J ̲ J. : O

ho仁一

ニー 2 E m ̲ d

4.2

景観 における視距離の分割

(2

) 視距離の作成

図4.3に、視距離の作業の流れ を示す。

(3)

①使用データの表示( 他の景観規定要因についても最初の操作となる。)

Arcmap

上に標高データと採掘場を表示する。 ( 模高データは、位置情報があり、またポイントデー タということにも着日し、景観規定要因の値の算出に使用している。)

穣高データ 露天採掘場

②テーブル結合による採据場までの距離の格納

空間結合を使用し、標高データと採掘場の位置に基づいて標高データの属性に採掘場からの距離( ‑) を距離フィール ド ( 口)に格納する。

属性データ

③ラスター表示( 他の景観規定要因についても最後の操作となる。)

格納されたフィール ドを使用して、ポリゴンで表現されている標高データをラスターに変換する。

4.3

視 距 離 の 作 成

(3)

視 距 離 と景 観 評 価 値 の 関 連 性 に つ い て

4.4

に 、視 距 離 の ラ ス タ の 値 を暖 色 か ら寒 色 の カ ラ ー ラ ン プ に合 わ せ て ス トレ ッ チ 表 示 した も の 景 観 評 価 に使 用 した 写 真 撮 影 地 点 に お け る視 距 離 の ラ ス タ ー の 値 を示 す 。

4.5

に 、 視 距 離 の 値 と現 状 の 景 観 評 価 値 の 関 連 性 を み る た め

Ⅹ 軸 に視 距 離 、

y

軸 に評 価 尺 度 を取 っ た も の を示 す 。 図 よ り、 視 距 離 は 、 値 が 大 き く な る に つ れ 景 観 評 価 値 が 一 次 関 数 的 に 低 くな る傾 向 が 見 られ た 。

ー62

(4)

圃4.4

視距離の表示

65432(半)

0 2 4 6 8 10

視距離 ( km)

4.5

視距離 と景観評価値の比較

4.2.2

仰 角

(1

)仰角の概念

『仰角』 とは、対象 を見上げる( 仰撤す る) 場合の視線の水平に対す る角度である。

圃4.6

のよ うに、仰観景は、限定的、閉鎖的であることか ら、広場や街路な どの囲ま

れ感、塔 な どの崇高感 ・圧迫感 ・威圧感 な どを示す指標 として、古 くか ら用い られて

(5)

詳細な評価 を予測す ると言 う意味で視距離 と同 じよ うに連続的なもの として捉 えた。

また、図4.7 のよ うに露天採掘場が存在す る山の頂上を見上げる水平に対す る角度 を 仰角 とした。

図4.6 囲みの感覚 と仰角

図4.7 仰角の概念

(2)仰角の作成

図4.8 に、仰角の作成の流れ を示す。

‑64

(6)

①山の頂上の抽出

数値地図を用いて、山の頂上にポイン トを作成する。

②距

離 (D)

の算出

視距離 と同様に、標高データに山頂ポイン トか らの距艇を格納する。

③標高差 (H)の算出

山頂ポイン トの標高 を求め、棲高データの標高 フィール ドを使用 し、フィール ド演算を行い、新 規 フィール ドに標高差の値 を格納する。

標高差がマイナスとなったものは、僻角となる。よって、そのポイン トの削除を した。

④仰角の算出

仰角は、下式で表 される。

(

:

βはラジアン単位である)

o =tan‑1

4

8

格納 されたフィール ドを使用 し、上式を演算式 としてフィール ド演算を行い、新たなフィール ドに 仰角の値を格納する。

図4.8 仰角の作成

(3)

仰角 と景観評価値 の関連性 について

図4.9 に、仰角のラスターの値 を暖色か ら寒色のカラー ランプに合 わせてス トレッ

チ表示 した もの と景観評価 に使用 した写真撮影地点にお ける仰角のラスターの値 を示

す。

(7)

に評価尺度 を取った ものを示す。 図 よ り、仰角は、ば らつ きはあるが、値 が大 き くな るにつれ対数近似的に景観評価値 が高 くなる傾 向が見 られた。

図4.9 仰角の表示

654

3

()

叱 阜 箆

0 5 10 15 20 25

仰角 (○ )

図4.10 仰角 と景観評価値 の比較

4.2.3

視線入射角

(1

)視線入射角の概念

景観 は、樹木 な どの地上を覆 う植物、岩石 あるいは水 な どとい う物理的な素材 によ り構成 されてい るもの として捉 えることができるとともに、様 々な面によって構成 さ

‑66

(8)

れているともの としても捉 えることができる。そ こで、後者の見え方の問題 を、採掘 面の見え方の問題 に還元 して捉 えてみた。そ して、採掘面の見やす さを規定 している 要因 として 『 視線入射角』 を設定 した。

視線入射角は、視線が対象( 面)となす角度 をい う。本研究では、その対象 を採据面 に置 き換 えた。視線入射角は、対象の見やす さと奥行感、立体感 を示す指標 として用 い られ る。なお、視線入射角の変化 による面の見え方 とい うのは、縦方向 と横方向に 分け られ る。 これについて、例 を上げて説明す る。

・縦方向

例 えば、格子状の模様が肌裡 となっている面 を考 える際、これ を正面か ら見る場合 と側面か ら見 る場合 とでは、図

4.11

のよ うにその模様が異なって見える。前者は同 一のパ ターンの肌理が見えるのに対 し、後者では遠 くに行 くに したがって格子が小 さ くな り、見えにくくなるはずである。 これは、視線 に平行な面上では、垂直な面 と同 じ単位長であっても、それが張る視覚は小 さくなって見えにくくなるためである。

4

4.11

視線入射角の変化 による面の見え方

・横方向

橋梁 を例にとると、水平見込角(a) 、視点高

(I)

を一定に して、橋軸に対す る視線入 射角のみを変化 させた場合の見えの形 と立体感 の変化 は、図

4,12

のよ うになる。視 線入射角が

90 0

の場合、対象は最 も見やす く、これが小 さくなるに したがって対象は 見にくくなる。 しか し、面が傾 くことによって同一対象の中でも視点 と面の距離 に差 が生 じ、奥行感が生まれ る。

例 として上げた

2

つか らも、視線入射角は対象の見え方 を規定す る重要な要因であ ることがわかる。また、前者 の例か ら、採掘面の縦方向の視線入射角 とい うのは、視 点場 と採掘面の間に著 しい標高差がない限 り変化す るものではない と考 え、縦方向に ついては考慮 しない ことに した。

4.13

に本研究の視線入射角の概念 を示す。

(9)

̲̲三 ∠ 町 ‑ 一 ↑:」 ̲ a‑4l

4.12

視線入射角

(α)

による見えの形 と立体感の変化

4.13

視線入射角の概念

(2)視線入射角の作成

4.14

に、視線入射角の作成 の流れ を示す。

‑68

(10)

①採掘場中心垂直捜 ・中心水平漁の作成

採掘場の中心を求め、下図に示すように、その位置か らⅩ軸に垂直な線(中心垂直線)とⅩ軸に平 行な線(中心水平線)を、可視領域の範囲内である採掘場を中心 とする半径 10kn まで作成する。

②視点か ら中心垂直強までの昏離 (y)の算出

中心垂直線 とポイン トデータのテーブル結合によりyをポイン トデータの属性に格納する。

③視点か ら中心垂直漁までの距離 (x)の算出

中心水平線 とポイン トデ‑タのテーブル結合によ りxをポイン トデータの属性に格納する。

④視棲入射角の算出

視線入射角は、以下の式で表される。

格納 されたポイン トデータのフイ‑ル ドを使用 し、フイ‑ル ド演算を行い、新たなフィール ドに 視線入射角の値を格納する。

o=90̲tan‑

1 と

X

4.14

視線入射角の作成

(3)

視線入射角 と景観評価値の関連性 について

4.15

に、視線入射角のラスターの値 を表示 したもの と景観評価 に使用 した写真 撮影地点における視線入射角のラスターの値 を示す。

国4.16

に、視線入射角の値 と現状の景観評価値の関連性 を示す。図よ り、視線入 射角は、250付近、500付近、850付近の 3つの集合に分けられ る。集合の平均 を取

ると、値が高 くなるほど、景観評価値が上がる傾 向がみ られた。

(11)

図4.15 視線入射角の表示

76543

()

0

15 30 45 60 75 90 視線入射角 (○)

図4.16 視線入射角 と景観評価値の比較

4.2.4

中心見込角

(1

)中心見込角の概念

『中心見込角』とは、仰角のよ うに山の頂上を見上げるのではなく、採掘場の中心を 見上げる場合の視線 に対す る角度である。文献には載ってお らず、応用的な考えで 自 ら考案 したものである。考案理 由 としては、高 さ方向の要因は仰角が主体であったた め他の要因を取 り入れかった とい うこと、仰角の算出過程 よ りも単純な過程で算出可 能だか らである。図

4.17

に、その概念 を示す。

‑70

(12)

図4.17 中心見込角の概念

(2)

中心見込角の作成

4.18

に、中心見込角作成の流れ を示す。

①山の頂上の抽出

数値地図を用いて、採掘場の中心にポイン ト (・)を作成する。

②距離 (D)の算出、③標高差 (H)の算出 仰角と同 じ操作となるため省略する。

④中心見込角の算出

仰角と同様、中心見込角は下式で表 される。

フィール ド演算を行い、新たなフィール ドに中心見込角の値を格納する。

♂=tan‑

. 旦

D

4.18

中心見込角の作成

(3)

中心見込角 と景観評価値の関連性 について

国4.19

に、中心見込角のラスターの値 を表示 した もの と景観評価 に使用 した写真 撮影地点における中心見込角のラスターの値 を示す。

4.20

に、中心見込角の値 と現状の景観評価値の関連性 を示す。図よ り、中心見 込角は、ば らつきはあるが、値が大きくなるにつれ対数近似的に景観評価値が高 くな

る傾 向が見 られた。

(13)

8o030

6

5

43(半)

4.19

中心見込角の表示

● ●● ● ● ●●● ● ● ●

0 5 10 15 20 25 30

中心見込角

(○ )

圃4.20

中心見込角 と景観評価値の比較

4.2.5

垂直見込角

(1

)垂直見込角の概念

見込角 とは、視点か らの対象の見えの大きさを表す指標であ り、一般的には視点か ら対象を見込む垂直視覚及び水平視覚を指標値 として用いる (

国621)

0

対象の一辺 ( 高 さ、幅等) を

S

、対象までの視距離を

d

とす ると、見込角

S

は次式 で求められ る。

ー72

(14)

S‑S/d

( ラジアン)、

S‑2tan 1 (S/2d) (○)

人間の視力で対象 をはっき りと識別 できる見込角の大 き さ ( 熟視角)は、研究例 に よって解釈 が異なるが、一般的 には

、 10 ‑20

が用い られてい る。

垂直見込角の大 き さに応 じた送電鉄塔 の見 え方 を、表

4.1

に例示す るが、これ によ れ ば、鉄塔 の見込角が

2

0以下であれ ば視覚的な変化 の程度 は小 さい といえる。

圃4.22

に、本研究の垂直見込角の定義 を示す。

J3:

α

:it犠《

;

∫ :水平犠{ , . ,圭 一 ≡;: i :

4.21

見込角の概念

4.1

垂直視覚 と鉄塔の見え方

視角 鉄塔の場合

0.5

q 輪郭がやつとわかる○季節と時間 ( 夏の午後)の条件は悪く、ガスのせいもある.

10

十分見えるけれど、景観的にはほとんど気にならないoガスがかかって見えにくいo

1,5○‑2

○ シルエットになっている場合にはよく見え、場合によっては景観的に気になり出す○

シルエットにならず、さらに環境融和塗色がされている場合には、ほとんど気にならないo 光線の加減によっては見えないこともある○

3

0 比較的細部までよく見えるようになり、気になる○圧迫感は受けない○

5○〜6

○ やや大きく見え、景観的にも大きな影菅がある( 構図を乱す)O 架線もよく見えるようになるo圧迫感はあまり受けない( 上限か)○

10○〜12

0 眼いっぱいに大きくなり、圧迫感を受けるようになるo

平坦なところでは垂直方向の景親要素としては際立った存在になり、周囲の景観とは調和しえないO

4.22

垂直見込角の概念

(15)

(2)

垂直見込角の作成

図4.23に、作成手順 を示す。

②採掘場下端を見上げる角度 (02)の算出

右図、下式の0 2についても0 1と同様に格納する。

02

‑tan‑1

D 2

③垂直見込角の算出

下式のように、8 1か ら82を減 じた角度が垂直見込角となる。

0‑0 1 102

格納 されたポイン トデータのフィール ドを使用 し、フィール ド演算を行い、新規 フィール ドに 垂直見込角の値を格納する。

図4.23 垂直見込角の作成

(3)

垂直見込角 と景観評価値の関連性 について

図4.24 に、垂直見込角のラスターの値 を表示 したもの と景観評価 に使用 した写真 撮影地点における垂直見込角のラスターの値 を示す。

国4.25

に、垂直見込角の値 と現状の景観評価値 の関連性 を示す。図よ り、全ての 写真撮影地点は

100

未満であ り、値が大きくなるにつれ景観評価値が高 くなる傾 向が 見 られた。

‑74

(16)

65

4 3

()

世 叱

圃4.24

垂直見込角の表示

.〜

..

20

垂直見込角 (○)

図4.25 垂直見込角 と景観評価値の比較

4.2.6

水平見込角

(1

)水平見込角の概念

『水平見込角』 とは、水平視覚に対す る見えの大きさを表す指標である。

図4.26 に、その概念を示す。

(17)

) 」 }

図4.26 水平見込角の概念

(2)

水平見込角の作成

①採掘場左端を眺める角度

(

0 1)の算出

8

‑は右図、下式で示され、視線入射角 と同 じ流れで属性に格納する。

0 1 ‑t a n ‑ 1 旦

Xl

②採掘場右端を眺める角度 (

8 2)

の算出

右図、下式の8 2についても8 1と同様に格納する。

02‑t a n ‑

1

x

2

③水平見込角の算出

下式のように8 1か ら8 2を減 じた角度が水平見込角となる。

0

‑0.‑02

格納 されたポイン トデータのフィール ドを使用 し、フィール ド演算を行い、新規 フィール ドに水平見込角の値を格納する。

図4.27 水平見込角の作成

(3)

水平見込角 と景観評価値 の関連性 について

図4.28 に、水平見込角のラスターの値 を表示 した もの と景観評価 に使用 した写真 撮影地点における水平見込角のラスターの値 を示す。

図4.29 に、水平見込角の値 と現状 の景観評価値 の関連性 を示す。 図 よ り、水平見 込角は、垂直見込角 と似 た傾 向を示す。

‑76

(18)

54

3

(半)

国4.28

水平見込角の表示

0 10 20 30 40 50

水平見込角

(○)

4.29

水平見込角 と景観評価値 の比較

4.2.7

立体角

(1

)立体角の概念

見かけの大 き さを表す指標 には 『立体角』が知 られている。立体角は、対象の面積

( S)を対象までの距離 ( D)の 2乗で除 した値である。視点が視対象 に近づ くほ ど視

(19)

景観影響 は小 さくなる。その視覚的影響度 の指標 である。

4.30

に、本研究の立体角の概念 を示す。

.

E :

(2)

立体角の作成

a)=S

8 2

圃4.30

立体角の概念

(む露天採掘場の採掘面積 (S)の算出

地図画像 よ り、採掘面の幅 (W)、採掘面の高 さ (h) を求め、面横 を計算する。

②視垂簾ラスターの表示

露天採掘場までの距離 (D)は、視距離である。よって、

視距離のラスターを使用 し立体角の算出を行な う。

α):立体角

S

:

震天採掘場の採掘面棟 刀:露天採掘場までの距離

③立体角の算出

ラスター演算によ り、視距離のラスタ‑にウェイ トを適 用 し、立体角のラスターを作成する。

4.31

立体角の作成

視良離ラスター

(3

)立体角 と景観評価値 の関連性 について

4.32

に、立体角のラスターの値 を表示 した もの と景観評価 に使用 した写真撮影 地点における立体角のラスターの値 を示す。

図4.

33

に、立体角の値 と現状の景観評価値 の関連性 を示す。立体角の 目盛 り軸 を 最大最小で表示す ると、立体角の値 の変化 による評価値 の変化 は読み取れないが、最 大 を

0.1

に設定 し、領域 を狭 め拡大表示す ることで、対数的な傾 向が表れ ることがわ か る。

‑78

(20)

国4.32

立体角の表示

(半)

革箆

7

3

21

7 6

5

世 4

芸 32

10

● ●

1

0

立件 角

0

0

1

2

3 4

5 6 7

立体角

4.33

立体角 と景観評価値の比較

4.3

景親規定要田についての考察

4.3.1

GI S 表示について

図4.34

、7

つの景観規定要因のラスターを示す。外観 か ら、

○同心、 円分布 のパ ター ン ( 視距離 ・垂直見込角 ・立体角)

○仰角 ・中心見込角のパター ン

(21)

○放射状分布 のパ ター ン ( 水平見込角) の

4

つのパ ター ンに分類 できる。

垂直見込

∩ 高

=26・4

‥。(。,

∩ 高

‥90

。 (。)

視線入射

ロ 高

‥502

。 (。,

水平見込

4.34

景観規定要因のラスター表示

‑80

(22)

≪同心円分布 のパター ン ( 祝距離 ・垂直見込角 ・立体角)

視距離は等間隔で値が増加 してい くのに対 し、垂直見込角 ・立体角は、遠方でほぼ

0に近い値 をとり、近距離になると急激に値が上昇す る傾 向が見 られ る。

≪仰角 ・中心見込角のパ ターン≫

視点 と対象の上下関係 を表す指標であることか ら、標高 との関連性が伺 える。なお、

中心見込角において、仰角 よ り白い部分つま り値がマイナスの部分が多 く存在す るの は、観測点が中心見込角では採掘場 中心、仰角では山頂であるため倍角 となる部分が 中心見込角で多 く存在す るか らである。

≪視線入射角のパ ターン≫

採掘場 と採掘場を中心 とす る半径

10k

m の円周上の点を結ぶ直線上の値が全て同 じ になる。 よって、距離 とは無関係 の指標である。

採掘面の方向によって視点の値 は大きく変化す るため、採掘面の方向の特定には十 分留意す る必要がある。

≪放射状分布 のパター ン ( 水平見込角)

採掘場か ら南北に引いた線 の線対象 となってい る。また、採掘場か ら風船 を膨 らま せたよ うに値が増加す る。 また、視距離 との関連性 も伺 える。

このよ うなことか ら、本研究で選定 した景観規定要因は、採掘場 を視認 した際に受 ける視覚の情報 を

3

次元的に網羅す るもの といえる。

4.3.2

景親規定要因と景観評価値との関係

国4.32

に、景観規定要因 と景観評価値 ( 現状)の関連性 を示す。

両者の関係 には、次のよ うな傾 向が認 め られた。

①視距離は、値が大 きくなるにつれて、景観評価値が一次関数的に低 くなる。

②視距離以外は、値が大きくなるにつれて、対数近似的に評価値が高 くなる。

(23)

(半 群 ) 世 叱 g l鼓 (半 群 )

yy

盤 (半 が ) 世 だ 阜 払 (半 ポ ) 世 叱 軍 政

●●

● ●

●●

3

、:● .

● ●

●●

● ● ● ● ●

● ●

3 0

4

0

1 0 2 0 3 0 4 0 5 0

水平見込角 ( ●)

0

1 2 3 4 5 6

立 体 角

0 5 1 0 1 5 2 0 25

38

中心見込角 ( ●)

4.35

景観規定要因 と景観評価値 ( 現状)の関連性

視距離以外の評価値 に対数近似的な傾 向が見 られたため、景観規定要因の軸 を対数 で表示 ( 図

4.36)

した ところ、一次関数 に近い傾 向を示 した。 これは、視点場の景 観規定要因の値が小 さく、また値 の最大最小に大 きな差がない こと、つま り変動領域 が狭いためと考えられ る。

‑82

(24)

(半 群 ) 世 叱 阜 d (省 が ) も y 草 生 (Y kポ ) V y 阜 d

● ●

● ●

●●

● ●

●●

● ●

. 。

.

;

85

I 3

2

● ●

●●

●● ● ●

it見込角 (●)

0 0 0

0DI D10 IJX) iE件角

4.36

景観規定要因の対数表示

4.3.3

データの扱い方について

景観規定要因の値は、ベ クターデータで算出 し、最終的に内挿 によってラスターデ ータに変換 して表示 を行 った。 ラスターモデルは、規則的に並んだセルの集合面 とし て表現 してい るため、連続的に変化す るデータを管理す るのに有効なモデルだか らで ある。ベ クターデータで値 の算出を行 った理由は、複雑である算出作業の各段階をデ ータの属性テーブル ( ロウとカラムの形式によるデータ情報)内で演算をす ることによ

、 1

つのデータ内で把握 しやす くす るためである。

4.37

に、ベ クターデータでの景観規定要因の値の算出概要を示す

。 1

つの作業

(25)

要因の値 を求める。図4.38のよ うに、フィール ドは単一属性の値が保持 されている ためラスターでの表示 も可能である。 よって、フィール ドで演算す るよ うに、ラスタ ーで演算 を行い、値 を算出す ることも可能である。

図4.37 景観規定要因の値の算出概要 ( ベ クターデータ)

図4.38 景観規定要因の値の算出概要 ( ラスターデータ)

4.4 景親規定要因による重回帰分析

4.3.2

で述べたよ うに、景観規定要因は現状の眺めの景観評価 と関連性があ り、露 天採掘場の景観評価 に影響 を与 えてい るといえる。そ こで、多変量解析 を用いて、景 観規定要因の値 と現状の眺めの景観評価予測値の関係式 を作 り、この関係式を用いて 現状の眺めの景観評価値の予測 を行 った。

4,4.1

景親評価予測式の導出

多変量解析は、関係式を用いる係数 を求めることが役割である。関係式は、結果 と 結果に影響 を与えた原因がなければ成 り立たない。多変量解析では、 結果 を 目的変数、

原因のことを説明変数 とい う。本研究では、 目的変数が現状の景観評価値、説明変数 が景観規定要因になる。 目的変数が有 り、 目的変数 ・説明変数のデータ形態が数量デ ータであるため、多 くの多変量解析手法の中か ら重回帰分析 を選択 した。

‑84

(26)

重回帰分析は、関係式 によ り導出された理論値 と実績値が近 くなるよ うに、関係式 の係数 をみつける方法である。 よって、重回帰分析 を用いることで現状の眺めの景観 評価 を予測 した値である理論値 が現状の眺めの景観評価 に近 くなることが期待 され、

現実に近い予測が可能 となる。

(1)

式に示す よ うに、関係式は現状の眺めの景観評価予測値 (目的変数)を外的基準 として、景観規定要因の値 ( 説明変数)にそれぞれ重み付 け( ウェイ ト)を与えた

1

次式 で表 され る。

本研究では、

̀̀EXELE

多変量解析" (( 秩)エス ミ開発)の

EXELE

ア ドイ ンソフ ト を使用 して解析 を行 った。

y=alXl+a2x2+a3X3+a4X4+a5X5+a6X6+a7X7+C・‑ (l)

γ:現状の景観評価予測値

xl:視距離(km) x2:仰角(o) x3:視線入射角(o)

x4:中心見込角(o) x5:垂直見込角 (o) x6:水平見込角(o)

x

,:立体角

ai:係数 C :定数

重回帰分析では、全ての説明変数 を用いて分析 したか らといってよい精度が得 られ るとは限 らない。 よって、説明変数の候補の中か ら、最良な変数 を説明変数 にす る必 要がある。そ こで、ある基準を設 け、 これ との大小関係か ら自動的に説明変数 を選択 させ る方法 ( 変数選択法)をとった。そ して、 変数選択法の中の変数増減法を選択 した。

変数増減法に用いる

F

値 は、通常の

2.0

を使用 した.

変数増減法を用いて重回帰分析 を行い、(2)式が求め られた。図4.39に理論値 と 実績値の関係、表

4.2

に偏回帰係数 と標準偏回帰係数の値 を示す。偏回帰係数は説明 変数の 目的変数‑の影響度、標準偏回帰係数は説明変数の重要度 ランキングを示す も のである。

y‑00117x3+0・990x6‑0302xl+4・80‑ (2)

γ:

現状の景観 評価 予測値

xl:視 距離(km) x3:視線入射角(o) x6:水 平見込 角(o)

4.2

偏回帰係数 と標準偏回帰係数( ∋

(27)

543

評 価

値 (

y)

VP

理詮

1‑1 6.52 12 5̲56 13 5.98 14 5.58 15 4̲76 1‑6 5.13 1‑7 4.79

2‑1 5.42 2‑2 4.79 2‑3 4.57 3‑1 4.77 32 4.37 3‑3 4.14 34 3.64

1 6.62 2 6.07 3 5.60 4 5.18 5 4.80

1 2 3 4 5 6 7

景観評価値

4.39

景観評価予測値 と景観評価値 と関係( ∋

分析精度 を表す尺度 として、決定係数

(R2)

がある。

R2

、0‑1

の間をとり

0.8

以 上あれば、分析精度が非常によい といわれている。重回帰式の

R2

0.781

であ り、

分析精度が非常によいを超 えものではなかった。 しか し、説明変数 と目的変数の相関 が高 くなれば現時点 よ りR

2

が高 くなることが予想 され る。そ こで、4.3.2で述べた よ うに、対数近似の傾 向を示 した景観規定要因の値 を

logで表 し、変数増減法を用い

て分析を行 った。そ して、下式

(3

)が導出された。図

4.40

に理論値 を実績値の関係、

4.3

に偏回帰係数 と標準偏回帰係数の値 を示す。

R2

、0.814

であ り、精度が上が り分析が うま くいった といえる。

y

1 ・ 631 0 g( ち) +

132log(x.)10183ろ+2・09‑

・(3)

γ:

現状の景観評価予測値

xl

:視距離

(km) x

,:視線入射角

(o)

x4:中心見込角

(o)

4.3

偏回帰係数 と標準偏回帰係数②

‑86

(28)

543

(y)

VP 理詮

1‑1 6.35 1‑2 4.06 13 6.15 14 5.66 1‑5 3.75 16 5,24 1‑7 4.99

2‑1 4.85 22 4.58 23 5.16 3‑1 4.74 3‑2 4.39 3‑3 4.83 34 4.41

屋 山

1 6.73 2 6.16 3 5.74 4 5.38 5 5.09

1 2 3 4 5 6 7

景観評価値

図4.40 景観評価予測値 と景観評価値 と関係②

4.4.2

景親評価予測式の

GIS

表示

説明変数 として選択 された視距離 ・視線入射角 ・中心見込角のラスター ( 図4.41) に重回帰式によって得 られた ウェイ トを適用 し

、GIS

上でラスター演算を行 って得 ら れた景観評価値のラスターを図6.42 に示す。図4.41 の特徴が図4.42 に反映 されて いることがよくわかる。視距離 によ り露天採掘場 に近距離 となるほ ど値が高いこと、

視線入射角によ り採掘面に対す る角度が小 さいほ ど値が低 くなること、視点場の標高 の影響が中心見込角によ り現れていることがわかる。

視距離 (

xl)

視線入射角 (

x3)

中心見込角 (

x4)

(29)

y16310g(x,)+132log(x.)‑0・183x.+2.09

y:

現状の景観評価予沸値

x

l

:視距搬(km)

x3

:視線入射角 (

o)

x4:中心見込角

(o)

圃4.42 景観規定要因を用いた景観評価予測図

図4.43に、精度 ・効率性で優れた植生分布図を用いた可視領域図の レイヤーに基 づいて不可視領域の部分を切 り取った景観評価予測のラスターを示す。 これによ り、

現実に近い可視領域か らの景観評価の予測が可能 となった。

‑88

(30)

l l

y‑16310g(x,)

+

13210g(x.)‑0・183xl+2・09

旦 」 ‑

1十

.

/へ<

, .

f

=∴} 確

y:現状の景観評価予測値

x.:視距搬(km)

̲

̲.̲̲ x3

:視線入射角 (

o)

x .:中心見込角 (

O)

.'h

′r

Jr 〜

て庖

li′一

. Y

..yl

図4.43 可視領域予測図を考慮 した景観評価予測図

(31)

5.

まとめ

本研究では

、GPS

GIS

を融合 した

GPS/GIS

データキャプチャシステムを導入す ることによって、採掘場の形状情報を リアルタイムでデータ収集す ることを可能にす るとともに、地表上に存在す る樹木や構造物等の景観遮蔽物の分布域 を、高解像度衛 星データを利用す ることによって 自動的に識別できるシステムを開発 した。また、露 天採掘場の景観評価 において重要度が高い視距離、仰角、中心見込角等の景観規定要 因を

、GIS

のマ ップ演算機能を用いて解析す ることによって、景観重要度の予測を可 能に した。 さらに、

GIS

による景観重要度予測が、実際に人間が採掘場を含む景観 を 見た場合の評価結果 と一致す るかを検証す るために、現地撮影 した画像を用いた景観 評価実験を行い両者 による結果の整合性 について検討 した。

得 られた結果 を要約す ると、以下のとお りである。

(1

)露天採掘場の現状 における採掘範囲や形状情報 を リアル タイムでデータ収集す る 方法 として、地上型

3

次元 レーザースキャナー

(RIEGL

社製

LMS‑Z420)

RTX‑GPS

受信機

(GS5+)

を用いて測量を行い、測量データを

GIS

に必要なデ

ータに直接変換す ることによって、現位置で リアル タイムに採掘場の形状を再現 できる

GPS/GIS

データキャプチャシステムを構築 した。

(2)

採掘跡地の可視領域 を予測す る場合、標高データに基づ く地形の起伏 によって可 視 ・不可視を判別す ることが基本 となる。 しか し、地表上には樹木や構造物な ど の景観遮蔽物があ り、 これ らによって採掘跡地が見えなくなる領域がある。そ こ で、景観遮蔽物の分布状況を把握す る方法 として、高解像度衛星

ASTER

の近赤 外域バ ン ドで取得 され る情報を利用 して、構造物や針葉樹、広葉樹等の植生状況 を把握 し、それ らの分布域 を自動的に求めるシステムを開発 した。高解像度衛星

ASTER

のデータを利用す ることによって、景観遮蔽物 を抽出す る作業が従来の 方法に比べ、格段 に効率的に行 えるよ うなった。

(3)(1)

によ り得 られた地形情報 と

(2)

の高解像度衛星データにより得 られ る樹木 や構造物等の景観遮蔽物の分布域 と高 さに関す る情報 を

GIS

(

ArcView8.

1 ) に 入力 して、露天採掘場の可視領域 を抽 出す るシステムを開発 した0

(4)

本研究で開発 した露天採掘場可視領域抽出システムの予測精度 を検証す る目的で、

予測 した可視 ・不可視領域の現地調査 を実施 した。その結果、調査 したすべての 地点において、可視 .不可視の予測結果が一致 していることが確認 された。

(5)

景観評価 を規定す ると考 え られ る

7

種類の因子 を説明変数 とし、景観評価実験か ら求め られ る評定尺度の平均値 を 目的変数 として重回帰分析 を行った。その結果、

視距離 ( xl )、視線入射角

(x

2 )、中心見込角

(x,)

3

因子が景観評価 に及ぼす影響 度が高い因子であることが明 らか とな り、次式 によ り景観評価予測値 ( γ) を算出 す ることが可能 となった。また、この予測値 と

GIS

を用いて、対象地域の可視領

‑90

(32)

域 内での景観重要度予測が可能 となった。

y163x2+132x3‑0・183xl+2・09

本研究の成果 によ り、

GIS

上で景観規定要因を考慮 した露天採掘場の景観評価予 測 を行 うことが可能 となった。露天採掘場の形態、修復緑化の仕方は様々であ り、本 研究の景観評価予測式が、他の対象 にも適用可能 とはいえない。 しか し、本研究の景 観予測 ・景観評価 の流れ については、 どのような露天採掘場 にも適用できるもの とい

える。

現在、 自然環境の保全 に係 る項 目 ( 地形、地質、植物、動物、景観、野外 レク リエ

ーシ ョン地等)については、調査手法や測定方法、予測方法等 を、技術指針等に定め

ている例 はほとん どない。 このよ うなことか らも、露天採掘場 に限 らず、対象の景観

に与える影響 を広域的に調査す る場合 な どに、本研究の成果が利用 され ることを期待

す る。

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