財団法人 社会経済生産性本部
第12期 情報化推進懇談会
第2回例会 (平成13年11月20日)
「ブロードバンド先進国 韓国の実状を探る」
株式会社 アジアネットワーク
会 津 泉 氏
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ブロードバンド先進国 韓国の実状を探る
― プロフィール ―
(株)アジアネットワーク研究所 代表
国際大学GLOCOM主任研究員
会 津 泉(あいず いずみ)氏
1952年 仙台市生まれ。高校卒業後、印刷現場、営業に従事。 1976年 海外向け広告・広報の営業、企画・制作に従事。 1983年 パソコン・ワ−プロの日本語マニュアル制作を手がける。 1985年 フリ−になり、米国のパソコンネットワ−クの実態調査を実施。 1986年 (株)ネットワ−キングデザイン研究所設立、日本でのヒュ−マン・ネットワ−クの定 着をめざし、パソコン通信を中心に海外動向、地域・企業組織への導入・利用に関する 調査・研究、普及活動に従事。大分COARA(大分パソコン通信アマチュア研究協会) の活動に東京から積極参加。 1987年 ∼1993年 パソコン通信の全国会議「ネットワ−キングフォ−ラム」の企画・開催(東京、大分、 富山、仙台、滋賀、神奈川、小樽、ソウル、桐生、藤沢)。 また米国、欧州、アジア各国のネットワーカーとの国際交流に尽力。 1990年 「ハイパーネットワーク日出会議」を企画・運営し、新しいネットワーク社会のあり方 についての研究を開始。 1991年 GLOCOM(国際大学グロ−バル・コミュニケ−ション・センタ−)企画室長兼任。インタ ーネットを中心に、日本の情報通信産業の戦略、政策研究に係わり、米国、欧州、アジ ア各国の情報政策分野の研究者、政策担当者との交流を深める。 1993年 (財)ハイパ−ネットワ−ク社会研究所研究企画部長を兼任。未来のネットワーク社会 についての研究・実践活動を推進。「ハイパーネットワーク別府湾会議(1992、94、95、 97年)」、「同地域実験」、「CANワークショップ」など、地域ネットワークを中心に、 インターネットの普及活動に従事。 1997年4月 マレーシア(クアラルンプール)に移動し、アジアネットワーク研究所を設立、アジア におけるネットワーク社会についての研究と実践を開始。 1998年6月 ∼2000年12月 アジア太平洋インターネット協会(APIA)事務局長を兼任。 2000年4月 東京に拠点を移動し、活動を継続し、今日に至る。 【主な著書】 『パソコンネットワ−ク革命』(日本経済新聞社 1986 年) 『進化するネットワーク』(NTT 出版 1994 年) 『入門インターネット・ビジネス』(共編著・日本経済新聞社 1996 年) 『アジアからのネット革命』(岩波書店 2001 年) 【研究分野・関心領域】 ・ ネットワーク社会論、コミュニケーション論 ・ アジアにおけるインターネットの普及・発展プロセス ・地域ネットワークの社会システムとしての成立原理とそのプロセスⅠ.‘98∼インターネットが突如ブレーク
始めに
【会津氏】 今日は「ブロードバンド先進国韓国の実状を探る」ということで、もし 私が3年前にここに来て『韓国が進んでいますよ』と言ったら、皆さん『何言ってい るのだ』と思われたのではないかと思います。韓国のインターネット人口は、1998 年 にインターネットが突如ブレイクしたとき の利用者が 310 万人、99 年 1,000 万人、 2000 年 2,000 万人、2001 年9月現在で 2,400 万人、これが 10 月、11 月、12 月で そんなには増えていませんが 2,600 万ぐら いまです。韓国の人口が 4,600 万だったと 思いますから、もう過半数に達しています。 日本が今どのぐらいかというと、人口比で 言うと38%ぐらいで、4,000 万人前後かと 思います。95 年、96 年、97 年のインター ネット利用者を見るとすごく少ないのです が、これには幾つかの理由があります。1つは、パソコン通信として日本のニフティ さんみたいな形のところが幾つかあるのですが、これが必ずしも数に入っていなかっ たということです。それから 98 年に、それまで 15 歳か 16 歳以上でとっていた統計 の基準を、6歳か7歳に変えたことです。数字のマジックではないかという反論もあ るかもしれませんが、これには根拠があって、小学校にインターネットメールを引い て子供達がみんな使うようになって、使っている子供達がいるのに統計上外している のは、かえってその実数を表せないから統計の基準を上げたというようなこともあり ますが、それは少なくとも97 年、98 年つまり3年前の話であって、3年前に既に 1,000 万人、つまり人口の2割強ぐらいたわけですから、そこから更にどんどん増えていっ ているということで、一体これは何なのだろうかということです。ドメイン名も急増
例えばドメインネームの数で見ても、98 年が 2,600 で、99 年が 21 万、2000 年が 52 万と急激に増えて、今年になって下がってしまったけれど、でも人口当たりでいっ たら圧倒的に世界2位だと思います。また韓国は、『サイバーコリア』という政府のプ 他にない 成長パターン 95 97 IMF!! 経済危機 99 01韓国、’98∼インターネットが
突如ブレーク 利用者2千万人超す
サイバーコリア21(Cyber Korea 21) 1998年の1月、経済危機の最中に大統領に就任した金大中大統領が年初の演説で韓国経済の持続的発展には情報化が重要 な要素であることを強調し、「知識基盤国家の建設」を提唱した。2015年までに韓国国内の全家庭に光ファイバーを引きこむ計 画を2008年に前倒しし(2000年4月にはさらに2005年に前倒しされた)、併せてADSLやCATVを利用した高速通信網の整備を進 めるものである。それから間もない3月には「サーバーコリア21」を策定、光ファイバーなどのインフラ面に限らず社会全体を情報 化に適合したシステム作りを課題とした。 「サイバーコリア21」は単なる掛け声ではない。非常に野心的な目標と、目標実現に 向けた戦略的な政策を兼ね備えている。まず目標は(1)創造的知識国家の建設、(2)世界10位以内の情報化先進国への躍 進、そして(3)知的基盤産業の対GDPシェアがOECDレベルに上昇する、の3点である。そしてそれらの目標を達成するために採 られる政策が、「新規事業の創出」「国家全般の生産性向上」「知識情報社会の基盤構築」である。3 ログラムの中で、金大中大統領は98 年に 『2003 年には全国民がインターネットを 利用するようになる』と言っているわけで すが、政府の予測では人口比で99 年が 23%、 2000 年 46%、今年が 69%、2003 年には 92%までいかないと思うのですけれども、 国民のうち相当の人が使うようになると思 います。98 年当時にこういうことを我が国 が言ったかというと、我が国は2000 年に 小渕さんからe-Japan とか言って、『2003 年までに超高速インターネット網が 1,000 万の高速インターネット網が 3,000 万世帯』ということで、国民の大多数が使うよう になるという目標を出したと思いますが、そのIT戦略本部の会議とかの議論のとき に、必ずこの韓国の話が出ていたわけです。
ソールのインターネット風景
韓国のソールには 7 月から行っていませんが、たまたま去年の6月に金大中大統領 と金日正総書記とが平壌で歴史的な「南北首脳会談」が開かれたその第一日目の夜に 空港に到着して、その後いろいろ回ったと きに、ドットコムクラッシュが必ずしもし ていなくて、町に出ると電信柱にウェブバ スター、ウェブデザイナー募集とかいうの が貼ってあって、そこはテヘランストリー トといって川の南のところの新しく開けた ところの大通りに、昔友好関係のあったイ ランの昔のテヘランの名前をもらってきて 道の名前にしているのでが、そのテヘラン ストリートが今テヘランバレーという形で ネット系の企業がベンチャー含めて集積していて、特にその周辺の地下鉄の広告から バスからドットコムだらけであります。新宿とか渋谷の交差点と同じようにビルの上 に大きなスクリーンがあって、日本ですと大体プロモーションビデオみたいのが流れ ていると思うのですが、韓国ではインターネットの画面がそのままディスプレイされ ているわけです。またJOBKOREA.co.kr のように IMF(経済危機)で失業して職探 しをすると『ドットコムでどうぞ、お仕事もインターネットで探してね』みたいなビ ジネスが結構あるわけです。「2003年には全国民が利用」
(金大中大統領 ) 1 0 2 0 3 0 4 0 2 3 4 6 6 9 9 2 0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 9 9 2 0 0 0 2 0 0 1 2 0 0 3 (%) (政府予測)ソウルのインターネット風景
街にはURLが氾濫 銀行… バス タクシー トラック 電柱 地下鉄 テヘランバレー ソウル及び首都圏に所在するベンチャー企業は、2001年8月末現在、7859社(中小企業庁発表)で、ベンチャー企業全体の数(1万 772社)の約73%が集中している。これらベンチャーが一つ二つ集まり形成されたベンチャーバレーだけでもソウルにキーコックス ベンチャーセンターを中心とした九老(クロ)バレー、ソウル大周辺の冠岳 (カナック)バレー、洪陵(ホンヌン)バレー、城東(ソンド ン)バレー、松坡(ソンパ)・バンイバレー、良才(ヤンジェ)・浦二(ポイ)バレー、ボラメバレー、汝矣島 (ヨイド)バレー等、10ヶ所に ひっ迫してる。また2263社のベンチャーが布陣している京畿道(キョンギド)一帯の製造型ベンチャーを中心に盆唐(ブンダン)、安 養(アニャン)、富川(プチョン)、安山 (アンサン)などにベンチャーバレーが形成されており、最近、政府と与党が20万坪規模で ベンチャー団地を造成することに確定した板橋(パンギョ)地域も新興ベンチャーバレー誕生 が予告されている。ドットコム企業急成長
韓国のインターネットのパイオニアの1人で、Inet という会社を始めて昨年 iWorld という会社を興してネットワーク・マネジ メント・サービスをやっているジン・ホ・ ハー(Jin Ho Hur)という人がいますが、 彼らがどんどんドットコム企業を伸ばして いったわけで、もちろん総体的にその分今 反動が来ているのは事実ですけれど、それ でもかなり底力が残っていて、彼に7月ぐ らいに逢って話をしたのですが、『バブル の部分、周りのもともと実態のない部分、 これは消えたけれども実態は残っているか ら、そういう点ではあまり心配していない。自分の堅い仕事をやっているから、みん な堅いことをやってそのネットつくっていけば、何千万という人が使うことを止めて しまうわけではないので、彼らのニーズにフィットしたサービスをつくり直していけ ば、まだまだ十分成長していく』と言っていました。5月に行ったときに、バイ・ト ゥギャザーという共同購入の仕組みをつくって立ち上げた会社があって彼らの話を聞 いたのですけれども、『最初は個人が10 人、20 人集まって、ある商品をある一定の数 まで先着20 名様集まれば7割引で売る』とか、そういう話をまとめるというような形 で、その個人の購買パワーを束ねる形でバイ・トゥゲザーというのをやって、そこへ 経済危機というかドットコムがスローダウンになってきて、企業の共同購入、BtoB に 広げていった。そうすると在庫が余っているチップとか、建設材料でもいいのですけ れどそういう物を今度は買うとか、売るとかというそっちのビジネスに今転身してい って、むしろ不況になればなるほどみんな安い物を買いたいというドライブが働くか ら、既存の販売チャンネルよりはそういう新しいチャンネルの方に移行していくとい うことです。あるいはウェブ・マネジメント・システム(コンテンツ管理システム開 発)をつくっているアイオン・コミュニケーションズという十数人の小さな会社です が、毎日経済新聞といって日経みたいな経済紙で有名な大手の会社のポータルサイト がありますが、これの制作管理システムをオラクルのデータベースをベースにしてカ スタマイズした物をつくっていて、『これを入れると今まで27人でウェブマネジメ ントというか、ウェブバブリッシングを3人に減ったと。景気が悪くてクビを切るた めには非常にソフトだということで、そうやって逆風の中でも俺達は生きていく』と 言っていました。 • 「猪突猛進」精神 • 財閥解体 • IMFを逆手にドットコム企業急成長
IPOしたオークショ ン・ドット・コリア ヤフー・コリア InetからiWorldへ5
Ⅱ.コスダックの爆発
97 年というのはご承知のように経済危機があって、マレーシアとかシンガポールも そうですが、96 年、97 年まではインターネットの利用は伸びていませんけれども、 経済は非常に良かったわけであります。 韓国は97 年 12 月から、国の債務が外資系 外資に対する債務が返せないということが はっきりして、それまでアジアの奇跡の成 長を誇っていたところが軒並み崩れて、回 復するのに5年から 10 年かかるというの が大方の専門家の見方だったわけです。と ころが幸か不幸か 98 年にはほぼ株価でい っても危機前の水準まできましたし、いわ ばIMF という借金返せなくなったので国際通貨基金から緊急融資を受けて、そのかわ りに経済政策は全部IMF が指導するということで、韓国経済はインドネシアと並んで 立ち直っていくというか、そのかわりにその組合の雇用の縮小とか財閥を解体し、幸 い大統領はある意味では、金泳三から金大中に代わって、もともと民主化の党首とし ていた人ですから、組合に対しても苦しい経験を受け入れてもらうだけの説得力を持 っていたということもあるようであります。そういうことが効を奏して1年半ぐらい で今度は IT ブームに乗って、韓国は日本より半年以上早く IPO(Initial Public Offering:株式公開)ブームがやってきて、非常に大きな会員を持っているダウム (Daum Communications)をはじめハンソフト(haansoft)、ハナロテレコム(Hanaro Telecom Inc.)とかというのがまずコスダック(KOSDAQ:店頭株市場)で上場し、 コリアテレコム系の携帯のフリーテル(KT Freetel Company)とか、無料電話でア メリカでかなり売れたハイテルやセロムテクノロジーは、ナスダックで同時上場する というようなことで、その一部市場であるソウルマーケットと時価総額で一時ですけ れどほぼ同額ぐらいまで大きな市場になりました。勿論その後のホールアウトはある のですけれども、いわば韓国の場合にはタイミング的にアメリカのドットコムが伸び ていったときにほぼシンクロしていきましたが、日本の場合には残念ながら半年から 1年遅れた、それが97 年、98 年、99 年の間の出来事だったわけです。アジアで最も活発 世界でもトップ
結果的に韓国は、おそらく今アジアで最もネット系ビジネスが活発で、世界でもト ップクラスだといってもいいかもしれません。その特徴としては、『サービスがインフ ラを引っ張る』という形が感じられます。私も実は韓国に行って最初のうちは、とかコスダックの爆発
• 日本に半年先行、IPOブーム • ダウム、ハンソフト、ハナロテレコム • KTフリーテル、KTハイテル、セロム 技術 ナスダックへも • ソウル市場と時価総額でほぼ同額くインフラの話からいって、『ブロードバンドがどうだ』とかいうと、電話会社とか、 インフラ会社の話を聞いて、『何世帯、今どのぐらいの普及率になっている』とか、『値 段は幾らだ』とかそういう話をいろいろ聞いていたわけですが、『お客さんが何に使っ ているか』とことになると、『さあ、よくわからない』というのが割と多くて、『何に 使っているか』というの是非知っていただきた いのです。例えば、オンラインの株取引が全体 の株取引の半分以上に、これは一昨年の暮れか ら去年の1月ぐらいにかけてそういう数字が出 ていまして、タイムでも取り挙げられました。 それから時価総額が売上げの 75 倍、これが健 全かどうかは少し疑問があります。それからイ ンターネットカフェが2万件とか4万件、これ はあとでお話しますが PC 房(ピー・シー・バ ン)といわれているものがあっちこっちにあります。あるいはインターネット無料電 話が、去年の前半の数字ですが200 万人。これはセロムテクノロジーがダイアルパッ ドというサービスを一昨年アメリカで出しました。これはシリコンバレーに行ってい た連中が向こうで技術開発をして、最初のうちはビジネスモデルもあまり真面目に考 えないで、『どんどん無料で使って』といって何百万人という会員になったところで有 料化するか、それこそ広告でやるかということになるわけで、今有料化の方向に来て います。ただ、セロムだけがダイアルパッドだけが走っているわけではなくて、 WOWOWO とか何社か似たような技術でボイスオーバーIP を提供して、特に国際電 話は相当取ってしまって国内長距離もある程度はいっているということであります。 それから、ハンメールは、ダウムコミュニケーションズが始めたのですけれども、こ れが去年の数字で会員800 万人、人口の2割とかで、一度ハンメールのアドレスを取 って始めてしまうと、アドレスを変えるのが結構面倒くさいのです。この800 万人は 去年の数字で、今1,500 万人とか 1,600 万人とかいっていると思いますが、今は単な るメールだけではなくてポータル系のサービスをいろいろやっていて、かなり伝説的 な会社の1つです。バンキング、ショッピング、宅配サービスなどいずれも去年相当 伸びていきます。 ブロードバンド、世界一の普及 気が付いてみたらブロードバンドで世界一という、これは先週調べたので間違えな いのですが、9月現在で 703 万加入。この表の数字は、我々が 2001 年5月に行った とき役所からもらってきた数字ですけれども、ケーブルモデムが 170 万、ADSL280 万、LAN、衛星、B-WLL(無線加入者網)を含めてこの時が 500 万で、もう既に 700 ダイヤルパッド ダイヤルパッドは、ウェブサイトにアクセスし、番号をクリックするだけで、無料で電話がかけられ、広告表示による無料インター ネット電話として、米国と韓国でヒットしたサービス。通話先は、日本、米国、韓国の一般電話で、PCを使ってIP電話で通話す る。なお、POTS(既存電話サービス網)に接続するときのみ課金がされ、PC間の通話は無料で提供される。 アジアでもっとも活発 世界でもトップ? サービスがインフラを引っ張る • オンライン株取引が全体の半分(世界一) • ネット関連企業、時価総額が売上の75倍 • インターネットカフェ 2万軒 • インターネット電話利用者、200万人 • ハンメール 会員800万人(人口の20%に!) • バンキング、ショッピング、宅配、いずれも加速
7 万という依然として驚異的に伸びているわけでありまして、人口比で大体15%、世帯 普及率で45%という、これは少し異常な数だと思います。それこそ去年ドットコムブ ームがクラッシュしているわけですから、今 年まだこれだけ伸びているということは、ち ょっと驚くべき数字だと思います。何でこう いうことが起きたのかということを少しさか のぼって見てみたいと思います。
Ⅲ.韓国のインターネット発達の条件
実はいろんな条件がありまして、70 年代の後半に、韓国でインターネットを最初に 始めたキムナム・チョン(Kilnam Chon)というエンジニアがいますが、彼はインタ ーネットの第1世代でビント・サーフとか一 昨年なくなったジョン・ポステルとか、いわ ゆるインターネット・ファザーと言われてい る人と同時期に、UCLA の大学院でコンピュ ー タ ー サ イ エ ン ス を や っ て い て 、 最 初 の TCP/IP の実験サイトの1つをソウル大と韓 国先端科学技術大学(KAIST)との間を結ん でデバッグをしていたという話があります。 そういう意味ではアジアに最初のインターネ ットを実験段階から持ち込んだという、その 彼がエンジニアを10 数年かけて育てたので、その中には先程の Inet のジン・ホ・ハ ーも教え子の一番弟子みたいなものです。22 歳、23 歳や 24 歳、25 歳でも起業はでき なくはないですが、大学を出たエンジニアがそのまま社会に出ていって、いきなり『ド ットコムビジネスで新しいビジネスモデルを始めます』といって、ベンチャーキャピ タルからお金をもらってどうなるかというと、世の中に出てビジネスをしたことない 人がどんなに素晴らしい技術やサービスを持っていっても、多分一回りお客が増えて、 次に設備や人を育てなくてはならないというときに壁にぶつかります。少なくとも日 本や韓国というのは、割と伝統的な社会の枠組みはうるさいし、口のきき方を知らな ブロードバンド、世界一の普及 2001年9月、 703万加入 人口比:15%、世帯普及率:45%へ 17,395 B-WLL 9,998 衛 星 5,086,709 合 計 496,514 LAN 2,806,286 ADSL 1,756,516 ケーブルモデム 合 計 種 別 Source : MIC 2001年3月 (2000年5月:150万)韓国のネット発達の条件
• 70年代後半からインターネット導入 – 技術者が育っていた • 政府も理解、邪魔せず • 通信の規制緩和も機が熟した – 過当競争で価格低下、OECDで下から2番 • “IMF”が決定的 – マインドを変えた 財閥再編、頼るものなし • 若手の起業が先行 – 財閥企業が追う展開 ビント・サーフ/ジョン・ポステル 1973年ビント・サーフとボブ・カーンがイギリス・サセックス大学で開かれた INWG(国際ネットワーク作業部会)でインターネットの 基本的なアイデアを発表した。ビント・サーフは、インターネットのプロトコル(通信の方式)を考え出した人であるため、今日「イン ターネットの父」と呼ばれている。1988年12月、ジョン・ポステルをディレクターとして IANAが設立された。IANA は、インターネット で使われるトップレベルドメインネームの割り当て、IPアドレスの割り当てなど、インターネットのアドレスのおおもとを管理する役 割を担うところである。このため、ジョン・ポステルは「インターネット・アドレスの父」とも呼ばれている。かったり、銀行との付き合い方を知らないと『経営者ではない』みたいなことを言わ れると思います。 アメリカみたいに若い技術に長けた者がいたら、『財務は誰々で、投資が誰々、CO はこの人をもってこよう』といって、周りのいわば投資家達がよってたかって大会社 にしていってくれるわけですが、そういう仕組みがないときには、そういう数年の差 というのは大きいのです。逆の言い方をすると、たまたまエンジニアであっても、例 えばコンピューターメーカーにいたり電話会社にいたりして、ある程度実社会の経験 を積んでから今後その技術を持って外へ出た連中というのは、韓国のドットコムブー ムの少なくとも全部ではないけれども、かなりそういう人達がいたということはいえ ると思います。それから政府もインターネットに対して割と理解があって、少なくと も邪魔はしなかったということもあります。日本ではあまり知られていいませんが、 85 年に電気通信が自由化されてモデムをつなぐことができるようになりました。それ までモデムはつなぐと違法だったので、東工大と慶応との間をつなぐ村井 純は、違法 だと知っていて『密かにマンホールを潜った』といっていますが、韓国でもインター ネットを始めるときは合法ではなかったのですが、政府はわかっていて邪魔はしませ んでした。日本政府は必ずしも邪魔しなかったですけれど、少なくとも文部省、通産 省、郵政省は邪魔をしています。特に93 年に商用プロバイダーをつくるとき、第1号 はAT&T で、れっきとした免許を持っている会社が新しくプロバイダー事業もやると いうことだったので、許認可問題にならなかったのですが、IIJ ができてプロバイダー として本格的に日本のプロバイダー第1号をやるのだといって認可申請を出したので すけれども、特別二種という国際VAN の資格を取らなくてはいけないのですけれども、 これの認可に1年半以上かかっているのです。インターネットが先ほど日本のブーム が1年半ぐらい遅れたということを申し上げたと思いますが、プロバイダーの立ち上 げ時期を2年ぐらい遅らせています。 それから、通信の規正緩和というのも日本よりも自由化とか競争を入れるの遅かっ たのですが、特に本格的に入れたのは97 年で、それまでは2社体制がずっと続いてい たのですが、これではさすがにまずいということで、いわば経済危機を過ぎて、IMF が出てきて、強力な指導していくわけですから自由化をしろと。たまたまできた会社 の1つはハナロ通信という政府がバックアップして 13 財閥が少しずつお金を出しあ ってつくった会社が、もう電話の時代ではないのでデータ通信イコールインターネッ トで行こうということで、ADSL というのをやってそれが当たったたわけです。それ からサイバーコリアの前に、コリア・インフォメーション・インフラストラクチャー (Korea Information Infrastructure Initiative (KII):韓国情報基盤)というプロ ジェクトが94 年からは始まっていて、これはクリントン、ゴアが出てきて NII や GII を受けて金 泳三大統領が、『韓国は遅れているから、国中に高速の光ファイバーをは
9 って、情報インフラ先進国になろう』ということで、サービスとかアプリケーション も何も考えないで、光ファイバーを国中に引き過ぎてしまったのです。パワーアコム という電力会社のファイバーとか一杯引いたのですが、経済が上っていくだろうと思 って引いていますから、そこでストップして落ちてしまったので、需要と供給の間に 大きなギャップができてしまって、したがって価格が下がって結果的に通信料金が97 年、98 年は OECD24 カ国で下から2番目という非常に低水準になりました。そこに IMF でいわばマインドを変えたというようなことがありまして、『今までの韓国のや り方ではだめなのだ。新しいことどんどんやらなくてはだめだ』ということで、若手 が財閥企業よりもそういう会社をやめたり、あるいは会社そのものがつぶれてしまっ たりとか、いろんな形でIT を片手にした連中が野原に放り出されたということで、ベ ンチャーを興こしているということです。
アプリが先行、インフラも対応
そこへ PC 房という形でまず爆発して、株ブームが追いかけ、個人の起業家精神が 非常に旺盛だったということでADSL が集合住宅に入り、インターネット放送が増え てソフトポルノというサービスが出てきてました。しかも韓国は人口の4割ぐらいの 人は高層アパートに住んでいます。韓国も今 コリアテレコムがマーケットシェアではハナ ロ通信を上回っていますが、団地の中の設備 はコリアテレコムのものではありません。で すからMDF(Main Distributing Frame:主 配 線 盤 ) と か PBX ( Private Branch Exchange:構内交換機)みたいなものが、団 地の中の電話交換の集線装置とか交換機が入 っていますが、これは団地の自治会か、ある いはデベロッパーが監理しているので、何百世帯分の線というのはコリアテレコムの 所有物ではありません。ということは、そこに別の専用線を引けばADSL サービスを やるのに、電話会社の許可ないし、オープンアクセスとか一切必要がないわけで、邪 魔したくても嫌だと言えないわけです。先程申し上げたような電力会社とかCATV 会 社の線が結構余っていたりしたものですから、そういうのを使うことで完全にバイパ スをすることができて、したがって事業の立ち上げにおいて障害が非常に少なかった ということが言えます。これも先程申し上げましたけれど、NCC(New Common Carrier)が最初からイン ターネットでやろうと。それでスルーネットとか、ADSL だけではなくて CATV イン ターネットもやろう。例えばケーブルモデムにしても、96 年、97 年ぐらいにはある アプリが先行、インフラも対応 • ゲームで爆発 – 「名人」は国民的英雄に • 株ブームが追いかける – オンライン取引の50%超、個人投資家中心 • 個人の起業精神旺盛 • インターネット放送300局、ソフトポルノも • ADSL直接集合住宅へ KT完全バイパス • NCC、最初からインターネット – ハナロ通信、スルーネット • 政府も認知、奨励 – 小中高校、年内にすべて専用線接続 • キーボードも容易(ハングル24文字)
程度そういう話は日本でもアメリカでもありましたが、初期の頃は標準化の問題とか 性能の問題で、ビジネスに使えるときに出していなかったのですけれども、98 年ぐら いになると、ケーブルモデムの性能とか性能価格費がだいぶ落ち着いてきて、丁度そ ういう意味でタイミングが割と需要が伸びようとしてうまく入ったといえます。 それから政府も認知、奨励して小学校にどんどん入れて、2000 年度中に専用線接続 は全部終わっています。日本の小学校で専用線でインターネットつながっているとこ ろは、すごく少ないと思います。コリアテレコムが84%引、普通の料金も既に日本の 5分の1とか10 分の1近く安いのですけれども、それをさらに8かけ引いて、その代 わりコリアテレコムポータールソフトを使ってということで入れてしまったわけです。 キーボードもハングルは24 文字しかなくて、日本語は 50 文字+アルファベット+ 漢字が 2,000 文字とかで、すごく入力のハードルが高いのです。ですから普通の日本 語の文章が書けるようになるのに、多分ハングルキーボードマスターするのが1週間 だとすると、日本語キーボードが1カ月とかかかります。エントリーバリアがいろん な意味で低くて、割と立ち上がりやすかったように思われます。
「PC 房」がトリガー
その中でもトリガーになったのが、いわゆる PC 房と言われているもので、これは 97 年にでき始め 80 年代に1個だけエレクトロニックカフェというのがサンタモニカ とソウルに1軒ずつありましたが、これは カフェというようなものではなくて、単に パソコンが並んでいるだけのものです。 我々が平日の午後3時頃、テヘランバレー に行って入ったら、50 台並んでいるうちの 半分ぐらいがふさがっていました。入口で 1時間、大体100 円から 120 円、130 円ぐ らい払うと券をくれて、ナンバーというと ころに行って、そこにカードを入れると時 間分使えるようになっていて、あと何分というときになるともう1回お金追加すると、 また30 分とか1時間とか使えます。またカフェというほど飲み物はなくて自動販売機 が並んでいるだけで、日本のインターネットカフェは 95 年、96 年に渋谷あたりから 始まって、割りとしゃれた感じのカフェで、そこへパラパラとパソコンが置いてある という感じなのですが、韓国ではそうではなくて狭い中に所狭しと並んでいて、スピ ーカーが必ず両方にあって、隣がうるさかろうと音をガンガン鳴らしてゲームをやっ ています。それはIMF で失業した人達が仕方なく始まめたのかもしれませんが、アッ「PC房」がトリガー
97:0 98:4千 99:1万2千 00:2万(4万?) IMF失業者が仕方なく始めた? みんなが続いた 最初はゲームセンター→主婦もビジネスマンも 高速ネットのショールームに11 という間に倍々ゲームで 4,000 とか1万とか2万とか3万とかに増えました。最初は そういうゲームセンターには特に中高生が多く、また韓国は徴兵制なのでミリタント なカルチャーは非常に強く、メンタリティー的にフィットしてしていることもあって、 対戦型戦争ゲームにみんなが熱くなっています。ただビジネス側からいうと、午後か ら夜までやってくれるのはいいのですが、装置産業ですから朝から開けて稼ぎたいわ けです。そうするとやはり主婦が居る住宅地に近いところだと、株の取引をやったり、 ゲームをやったり、あるいはメールを出したりというようなことで、主婦もビジネス マンもみんなで結構使うようになっていって、時間帯、あるいはその場所によって使 い方のパターンが相当違うわけです。ですから『PC 房は、1軒や2軒だけ見たのでは わからない』とずいぶん言われました。 ただ、たまたまそういうところに専用線を引いたりすると、高速ネットワークのシ ョールーム的な機能果たすわけです。どういうことかというと、韓国だと街を歩いて インターネットを触ってもすごく早くて快適なわけです。家に帰ってきてダイヤルア ップですごく非快適なわけであって、そういう意味では経験してしまうものというの は強いわけです。
「PC房」ゲームでブレーク
韓国の人は日本人よりもはるかにせっかちな人が多くて、待つの大嫌いだという話 があるので、そういう意味では非常にアドレッシブなことなのですが、その人達が先 に街で味をしめてしまっているので、ADSL 料金が月に大体去年で35 ドル、4,000 円ぐら い、今はだいぶ安くなって2,000 円台になっ ていると思いますが、これは日本の物価で言 うと大体半分くらいか3分の1ぐらいの感覚 ですから、そこで月4,000 円というのは結構 大きな出費になります。一つのゲームを会員 になって月極でやると1,000 円から 2,000 円 で使い放題ですが、PC 房に行くと1時間 100 円ぐらい払うので、例えば20 時間やると 2,000 円になります。ゲームは結構麻薬中毒 みたいなもので、連続的に戦っていくので3時間ぐらいすぐに過ぎてしまって夜中に なってしまうとか、1つのゲームでは終わらなくて、3つぐらいやらないと友達の間 で話ができないとなると、1万円ぐらいになって、ここに携帯が 3,000 円ぐらいとい うと、個人で使っているお金は相当使っています。これは社会的に結構いろんな意味 で問題になっていて、例えばゲームを1日に5時間とか10 時間とかを毎日やっているPC
房 ゲームでブレーク
• LINEGE オンライン会員4百万人 • 韓国、PS2は輸入禁止だったと、現実とゲームとの間が区別がつかなくて本当に殺してしまったとか、そのほかに もちろんテレクラみたいなのがあって、不倫にはしってしまってかなりトラブルにな ったとかいろんな社会問題を起こしています。逆に言えば、そういうことを連続的に 起こすぐらいに、いわば社会の中に普及しているということです。それから、PS2と かファミコンは日本製のものが輸入禁止ですが、ライセンス生産はかなり入っていま すが、少なくともゲームカルチャーというのは全然違っていて、あんまりどぎついの がありません。それからハードウエア的にも必ずしもファミリーゲーム産業が育って なくて、アーケードゲームのかわりに PC 房みたいな形でネットワークゲームが流行 っていたということはいえると思うのです。必ずしも殺し合いだけではなくて、花札 とか、ビリヤードとかこういう類の、いわばパチンコをやるみたいな感じで主婦とか が結構真っ昼間からやっています。実はテレビの放映時間が昼前からあんまりやって いないとか、社会的にエンターテインメントが日本みたいになんでも一杯あるわけで はなので、その分がこういうところに行くのだという話もあるので、そういう意味で はある種の社会的な背景から見なくてはいけないと思います。
ウェブライフスタイル
本当にコンビニ並みにあるので、例えば僕らの通訳はラップトップを持っていなく て、通訳が必要な場合には彼女はいるのですけれど、英語で話せるときは『ちょっと すいません』といって出かけてきて、その間にメールチェックをしていたということ で、どこでもネットができます。ウェブをやるのはただです。なんで金を取らないの かという感じなのですが、他のソフトを仕込んでいないのでウェブメールならできる のです。もう国中にあるのが当たり前で、映画が始まるのに40 分とか、友達と待ち合 わせとか、そういうときにちょっと寄ってやるとか、会社の中でEメールを社員が仕 事以外に使うのを禁止されていると、昼休みに抜けて、今日のデートの約束とか、今 度のツアーの手配とか、やはりないと不便なので何処へ行ってもあるのです。それで も結構競争が厳しいということを言っていました。ポジティブスパイラル
13 今まで申し上げてきたことを若干まとめると、最初はどちらかというとゲーム主体 のPC房が引張って、いろいろこんな要素 がポジティブスパイラル的に起きてきて、 その政府の政策とうまく組合わさっていっ て、新規事業者が電話ではなくてADSL を 展開したとか、あるいは集合住宅に集中提 供できたとか、専用線の回線コストが非常 に安かったとか、そういう広帯域のものを 活かすようなサービスが次々に出てきて展 開をポジティブにしていったということで す。
Ⅳ.韓国通信政策の特
徴
通信政策的にいいましても、GII がいわれたのが 94 年ですけれども、それを受けて 韓国の金 泳三大統領は、APPII(Asia Pacific Information Infrastructure:アジア太平洋情 報通信基盤)をいち早く提唱して、国内版が KII ( Korea Information Infrastructure Initiative)だったのですけれども、それを推 進するのに 95 年にいわば日本の郵政省と通 産省にあたる逓信部と商工部があったのです が、これを統合して情報通信部として通信政 策とコンピューター政策を一体化しました。 韓国は95 年ですけれど、シンガポールと中国が 99 年にやりましたので、残っている のは日本だけになりました。電話会社に対して、そのあと規正緩和をやって競争導入 をしていますが、ある意味で非常にコリアテレコムに対して厳しい対応をとっていま す。初代の情報通信部長官のハン・ソンキョン(Kyong Song-Hyun)さんという方が、 去年いろいろ教えてくれたのですが、『我々は電話会社と議論するときにビジネス合 理性で議論、あるいは経済合理性上の議論をします。どちらが政策的に正しいか、ど ちらが国民のためになるか、どちらが経済のためになるか、どちらが産業界のために なるかということで論争していく。それで電話会社の言っていることが正しければ認 めるし、間違っていたら我々のいうことを聞いてもらいます』とはっきり言いました。 これは非常に大きな問題だと思います。通信再編
ポ ジ テ ィブ ス パ イ ラル
¾ ゲ ーム 主 体 のPC房 人 気 集 中 ¾ 高 速 利 用 を牽 引 ¾ 政 府 の 規 制 政 策 が 奏 効 ¾ 新 規 事 業 者 が 電 話 で なく、ADSLを積 極 展 開 ¾ 集 合 住 宅 に 集 中 提 供 ¾ 専 用 線 などの 回 線 コストが 低 廉 ¾ OECDで下 か ら 3番 目 (日 本 は 最 高 ) ¾ 広 帯 域 を生 か す 新 種 サ ービス続 出 ¾ 無 料 電 話 、ソ フトポ ル ノ、インター ネ ット放 送 など韓国通信政策の特徴
• APIIをいち早く提唱 • 情報通信部に統合 – 通信政策とコンピューター政策を一元化 • 政府、KTに厳しい対応 – KT、政治的影響力なし(NTTと違う) – 選挙に無関係、合理的な交渉そういった形で通信政策を立てた結果、いろいろ通信の再編というところを申し上 げますと、来年中にコリアテレコムというの は完全民営化します。全部政府株は売るとい うことを決めていて、よほど株価が下がらな い限りやると思います。それでいろいろ再編 を進めていますが、多分固定通信系と移動通 信系とインターネット国際系の3グループに なるのではないかという観測をしていますが、 必ずしも個別企業がそうしたいかというとそ うはならないでしょうけれども、ある段階で 一辺収れんをして、また違う形の展開になるのではないかというふうに思います。
Ⅴ.アジアは広い
韓国のことを話してきましたが、アジア全体の文脈の中でどうやって見るかという ようなことがあるかと思いますので、それについてお話をします。『アジアって一体ど こなのだ』というと非常に広いわけで、語源 的には『トルコの東』というかヨーロッパの 人が『向こう』といっていたのがアジアであ って、そういう意味では自己規定したという よりも他者に規定されたみたいなことが、少 なくとも西洋の歴史的な言葉の中ではそうい う世界であります。インターネットのアドレ スを管理している組織として APNIC(Asia Pacific Network Information Center)がありますが、そこが受けもっているのはモンゴルからアフガニスタンまでなのです。こ れは便宜的に選んだのですが、しかしその間には、ヒンズー、イスラム、仏教、儒教、 キリスト教など世界の主な宗教がみんなあるわけで、文化があるし、言語があるし、 それがお互いに侵略し合ったりしながら動いているので、アジアというのは必ずしも 1つにくくることができない、むしろ1つ1つだというようなことが言えると思いま す。
「ネットタイガース」の反撃
通信再編
外資導入へ、KTも自己改革 3大勢力? • KT、固定通信を軸に – 2002年完全民営化 – 政府59%株 来年末25.6% 02年上半期残33.4%放出へ • SKテレコム+NTTドコモ?+新世紀 • LG=DACOM、ハナロ通信、パワーコム 固定通信 KT 移動通信 SK B-band/国際 LG、DACOM, ハナロアジアは広い
• アジアって? – 「トルコの東」 • モンゴルからアフガニスタンまで(APNIC) • 多様な民族、宗教、文化、言語 – ヒンズー、イスラム、仏教、儒教、キリスト教 • アジアはひとつひとつ15 その中で、ちょうど経済危機を超えようとしていたのが俗に『ネットタイガース』、 昔エイジアンタイガースとかドラゴンズと言われた4強、即ちシンガポール、香港、 韓国、台湾が、いずれもネットワークの普及 率では日本を上回っていて、単なる数字だけ ではなくて、大事なことは実際にどのぐらい 世の中の経済活動、社会活動、文化活動に浸 透しているかということであります。実務で この業界で動いている人達は皆さんも含めて メールアドレスぐらい平気で持っていると思 いますけれども、それが少なくともシンガポ ールとか韓国では、かなり社会的に影響力と いうか活動しなくてはならない人はかなり持 っています。韓国でも抵抗をしていなくはないですけれど、例えばシニアネットなん てものすごい勢いでやっているし、政府も主婦に対してパソコン教室をやると、年間 100 万人単位で講習をやっているという点では燎原の火のように広がっています。そ の中でベンチャー精神というのも、どちらかというと政府がいろいろ用意するトップ ダウン効果ですので、シンガポール、マレーシア、中国というのは国の力が強く、そ れに対して香港、台湾、韓国というのは、やはり民間の力が強いという違いはありま す。それと同時に面白いことには、いずれも分断国家であるということです。つまり 国境をはさんで、韓国は北と南に分かれていますし、台湾もそうですし、香港もそう だったわけで、マレーシアとシンガポールも実はマレーシアから切り離されたのがシ ンガポールなので、そうするとやはり国境線の向こうに、本来つき合わなくてはなら ない相手がいるというか切り離されてしまった、あるいは世界の中でも分断された状 態のままで簡単に生きていけないというか、そういう意味では反対に他の世界とつな がることを、もしかしたら非常に欲しているようなところがあるかもしれません。そ の意味では日本は、世界と商売をしなければいけないのでが、とりあえず周りは全部 海で、情報を入れてさえいればこちらから出さなくても生きてこられたというのが今 までの歴史だったのかと思います。
アジアのネット普及率と GDP
「ネットタイガース」の反撃
• シンガポール(52%)、香港(50%)、韓国 (42%) – ネット普及率で日本を上回る – 実際の利用度が社会に浸透 – ベンチャー精神が強く発露 – いずれも「分断」国家 • 国の政策=トップダウンで強力推進 – シンガポール、マレーシア、中国 • 民間主導=ボトムアップへ – 香港、台湾、韓国そういったことを物語っているのがアジアのネットワークの普及率で、これは 2000 年の数字ですが、アメリカを別格として 考えると、アジアの中でシンガポール、香港、 オーストラリア、ニュージーランド、韓国、 日本、台湾までが大体 50%から 30%ぐらい まで普及しています。そこが先進グループで、 その次がマレーシア一国で6%、その他のグ ループとしてタイ、中国、ブルネイが1%台、 パキスタン、フィリピンなどは0.何%台とい う普及率になっています。 マレーシアは GDP キャピターでいうとタイ と変わらないのですが、ネットの普及率はマレーシアの方がかなり高く、これには MSC(Multimedia Super Coridor)を国が一生懸命やったとか、インターネットのパ イオニアがいたとか、若干特殊要因があります。ただこれを GDP キャピターで割っ て指数化すると、ある意味では経済成長対あるいは経済力対インターネット普及度と いうことでいくと、日本は23 カ国中 11 番目ということになります。ですから米国、 シンガポールあたりは『インターネットも非常に普及しているし、経済力も結構高い』。 だけれど、韓国は『GDP キャピターは1万ドル切って結構低くなってしまったけれど も、人口当たりの普及率は非常に高い』。ですから単純にいえば日本は『経済は非常に 進んでいる、ないし豊かなのにもかかわらず、少しもインターネットをやっていない』。 それに比べて韓国とか台湾は、『経済はそれほどでもないけれど、その割にはインター ネットが普及している』。マレーシアは『経済がまだまだなのだけれども、インターネ ットは割とよく普及している』となるのですけれども、統計というのはひっくり返し ていえば勝手な解釈ができるので、日本というのは『インターネットを使わなくても こんなに稼いでいるということで、別にネットなんか使わなくてもいいのではないか』。 韓国は『あれだけインターネットが普及していてもちっとも経済がよくないのではな いか。だからインターネットなんてやらなくていいのだ』というふうにベクトルをど のように読むかによって、解釈が分かれるので、これは皆さんにお任せしますけれど も、それをどう考えるかは非常に重要な問を持っていると思います。
欧米信仰=「コピーシンドローム」から脱却できるか
アジアのネット普及率 (2000年) 1.22 4 Brunei 0.02 0.5 Bhutan 0.02 30 Bangladesh 0.04 2 Lao Rep. 0.11 3 Mongolia 0.13 100 Vietnam 0.15 35 Nepal 0.19 400 Indonesia 0.35 65 Sri Lanka 0.44 4,500 India 0.66 500 Philippines 0.77 1,200 Pakistan 55.27 153,840 USA (%) Users (千人) 国 1.32 16,900 China 1.63 1,000 Thailand 6.74 1,500 Malaysia 29.38 6,400 Taiwan 30.49 38,640 Japan 35.01 16,400 Korea 38.58 1,490 New Zealand 44.58 8,420 Australia 49.95 3,460 Hong Kong 51.86 1,850 Singapore Source: NUA17 アジア全体というのは、特にIT の世界は欧米のものがいいのだというふうな観念に とらわれがちですが、それでは本当に自前のものとしてインターネットを自分の社会、 自分の国で生かすことは難しいと思われます。 確かにアメリカのパワーは、シスコ、インテ ル、マイクロソフトなどは非常に強いし、認 めざるを得ないのですが、では本当にそれが 続くかどうかということです。それから、自 分の国の中で、それがどうなのかというと、 多分一つ言えることは、普及率が上がれば上 がるほど原産国よりも自分の国というか、そ の国それぞれの社会や文化を反映したものに 変わっていくだろうということです。韓国の 例でいうと、PC 房というのは韓国独自のものであって、あれをアメリカ製とは誰も言 えないわけで、ゲームなどは確かにある種アメリカ的なものもありますけれども、そ れを展開していく実現形態としての PC 房というサービスは、今のブロードバンドに いたってはアメリカは2番手、3番手になります。この前アメリカの東海岸に行った ら、ベライゾンという電話会社のテレビコマーシャルをやっていました。世界のブロ ードバンド普及率というグラフが出てきて、まず韓国の国旗が出てきて、それから台 湾が出てきて、アメリカが4番目ぐらいに星条旗が出てきて、こんなにブロードバン ドがアメリカは普及していないのは政府の政策が悪くて、今度のインターネット何と か法というのを通そうという法律番号が出てきて、ロビーイング広告が出てくるので すけれど、それが今のブロードバンドの現実です。要するに韓国は韓国なりの社会の 特性にかなりうまくフィットしているということです。
Ⅵ.日本への教訓
『何で韓国でできることが日本にできないのか』、これにはいろんなことがあって、 一つはやはり初代の情報通信部長官のハ ン・ソンキョンに言われたことですが、 『我々韓国民というのは、背水の陣という のを実際に何回も経験してきているから だ』といいました。今回のIMF 経済危機も まさにそうで、今迄やってきたものが、国 が滅びるかと思われるぐらいに追いつめら れて、追いつめられたときに馬鹿力を出す というか、本当にこれでいいのだろうかと日 本 へ の 教 訓
• 韓 国 が で き る こ と が な ぜ 日 本 は で き な い ? • 「背 水 の 陣 」の パ ワ ー • 「FSよ り ま ず 実 践 」 • 根 源 的 社 会 改 革 が 進 行 – 政 治 の 変 革 、経 済 の 構 造 改 革 – 冷 戦 の 終 結 に 直 面 、 新 時 代 を 直 視 • 南 北 対 話 ク ー ル = 現 実 的 に 対 応 欧米信仰=「コピーシンドローム」 から脱却できるか? • インターネットはすべて米国が支配? – 今後もそれが続くか? – どこで変わるか? • 普及するほどその社会・文化を反映する – PC房、iMODE…• 「多数から一つへ “e pluribus unum”」ではなく • アジアは一つひとつ
– 複合主体をそのまま認める? 多様なままで – ヒンズー、イスラム、仏教、儒教、キリスト教
思うからです。 また猪突猛進というようなメンタリティーもあって、フィージビリティースタディ ー(Fiasibility Study)よりは、とにかく実践をしなくてはしょうがない。つまり、 新しいベンチャーをやるときにビジネスプランを書いて、本当に儲かるかどうかと検 討して、それを何回も何回もやっていたらその間にタイミングがなくなってしまう。 『どうせやったってわからないのだから、やってみようではないか』というような感 じでやります。 それから、根源的社会改革というのは、冷戦が終わったということが90 年代の初め にありましたが、これは日本も勿論そうですが韓国でもやはり非常に大きな社会変化 をもたらしているわけです。今迄の戦後50 年の社会とは違うのだということを痛烈に 認識して、もっと大きな変革をしなくてはいけないだろうということです。親達はも ともと教育熱心なので、やはり英語とインターネットできなければ、これからのグロ ーバル化時代に生きていけないというのは中流階級の常識になっています。ですから インターネットの専用線が全ての小学校に入って、英語の義務教育は去年までは3年 生からでしたが、今年から1年生になっています。これは10 年かけて準備をしてきま した。多分88 年のオリンピックのときに、自分達はまだまだ世界の人達が来ても十分 会話ができない。韓国人が英語が下手だということは有名で、韓国の人もわかってい て、実用英語ができないと思って認識していたので、『手を打つ』といって手を打って います。先生を育てるのに時間かかるし、教え方を決めるのにもやはり時間がかかる ので、やはり10 年がかりでやっと何とか間に合った。そこに金融危機がきたから主な 銀行はみんなカルロス・ゴーンみたいな人が CEO になっていて、外資系の銀行が非 常に増えていて、そうすると『これから世界で生きていくためには英語とインターネ ットができなければだめだ』というのは、非常にごく普通の親です。ですから家庭に ADSL を入れるのにも全然抵抗をしない、外へ行って子供がゲームで夜中の1時、2 時まで帰ってこないぐらいであれば、家でどんどんADSL を使ってくれた方がいいし、 宿題をインターネットでやるというのはもう当たり前になっていますし、それはやは りそういう社会認識というか、世界が変わっているのだということです。日本の場合 に世界が変わっているということをお母さん達が認識して、子供の学校を選ぶかとか、 授業をいろいろ言うかと、その辺の違いというのはものすごくあります。
19 やはりそれは、日本はどう考えるかということは、『冷戦が終わったと思っている か』、あるいは『そういう生存上の危機感とい うものがあるか』で、どうも多分この辺はま だまだ『何とかなる』と思っていて、本当の 意味の危機感は非常に無いのではないかと思 います。それから競争といっていますけれど、 何となくウエットで仲良しな恋愛みたいな形 で、『このくらいでいいか』みたいな感じが多 いと思いますけれど、やはり韓国はものすご くドライできつい競争をします。ですから、 日本型の社会システムはすぐにできていて、それがたまたま製造業中心の、みんなで 同じものをきちんと品質を守って作ろうというような統一性を生かしたような時代に は非常にフィットしていた。だからここまで日本は成功したと思うのですが、これか らやってくるインターネットというフルIP というか、超分散型でお互いに競争をそれ ぞれの現場で激しくしなくてはいけない、それもグローバルにしなくてはいけないと いうときに『うまくいくだろうか』というのはなかなか厳しいものがあるのではない かと思います。
Ⅶ.日本の課題:アジアとの関係の再構築が必要
やはり911 の根元は、グローバルな貧困の 問題というのが非常に大きな問題としてある と思っていまして、IT でどんどんアジアの国 をどのぐらい生かせるかということが、やは り非常に大きな問題として突きつけられてい るのではないかという気がします。去年から 1年間G8 サミットのあとできた DOT Force というデジタル・オポチュニティー・フォー ラムというのに、日本の NPO として参加し ていろいろ議論してきて、やはりその中でもアジアの国というのは生かせる議論とい うのはしなくてはいけないということ言っています。やはり韓国を見て『韓国に負け ないように追いつこう』とか、『そういうことばかりやっていればいいのか』というと そうはいかなくて、実は日本は製造業の代表選手としてアジア中にいろんなもの、例 えば経済援助などをばらまいてきていました。それがポジティブに働いているときは日 本 へ の 教 訓 (2)
• 冷 戦 構 造 の 終 焉 を ど う 認 識 す る か • 生 存 へ の 危 機 感 の 差 異 ? • 仲 良 し ・馴 合 い ・ウ ェ ッ トな 競 争 か 激 し い ・透 明 ・ド ラ イ な 競 争 か • 日 本 型 社 会 シ ス テ ム を ど こ ま で 改 革 ? • IPパ ラ ダ イ ム を ど う 理 解 す る か 日本の課題: アジアとの関係の再構築が必要 • DOT Force アジア諸国の声をどこまで生かせるか? • 開発とIT – 本当に実のある貢献ができるのか? • 相互理解・相互協力が鍵に • グローバルな世界で、主体性をもち、隣国 と協調すること DOT Force2000年7月の九州沖縄サミットでIT憲章が採択され、ドットフォース(Digital Opportunity Task Force) が設立された。ドットホースに 与えられた任務はデジタルデバイド解消のための具体的施策について、政策・規制、環境整備、アクセス拡大、費用低減、人材育 成、Eコマースの普及などの課題をあげて、国際協力の具体的施策を検討し、G8首脳に対して提出される報告書にまとめること。
非常に前向きに働いていたのですが、それが今必ずしもポジティブとは言えないわけ です。これは勿論第二次大戦のあと日本が戦争で負けた、あるいは彼らにひどいこと をしたということから来ていること、その国際政治上のこともあって、そうすると ODA をやって平和外交を進めなくてはいけないということがあったと思いますが、こ れから先 ODA を今迄みたいに続けるのかということです。産業社会というか、工業 社会をつくるのは我々ノウハウを持っていて、学校をつくり、病院をつくり、橋をつ くり、ダムをつくり、電力をつくりというふうにして国づくりをずっとして、それで 工場をつくってこういう素晴らしい国をつくってきました。これから先工業社会の要 素の上に情報社会をつくろうとするときに、我々は自分達が情報社会づくりのノウハ ウを持っているだろうか。では自分の会社を情報会社にすることができるか。あるい は自分のコミュニティや学校や病院ということになると、ここはかなり苦しいものが あって、そういう宿題をしながら、しかし韓国、中国を含めて周りの国と協調して主 体性も主張もしなくてはいけない。ちょっと抽象的なことになりましたけれども、そ ういったことを本当にできるのだろうか。そういうところから韓国の情報化とかブロ ードバンドというのを見直してみないと、ただ表面的な現象だけ見て『ADSL はすご い』とかといっていても多分しょうがいないので、少なくとも韓国はそういう歴史認 識とか、時代認識を無意識のうちに持っていたから、結果的にあるタイミングでああ いう形で突然変異のようなことが起きたので、そのところをやはり掘り下げて考えて いただければと思います。
【質 疑 応 答】
【質 問】 韓国と日本は英語の下手な国の双璧だと思うのですが、コンテンツといったと きに韓国のコンテンツは、いわゆる韓国語のものがほとんどで、なんか特徴的に何が引っ 張ってきたというのはあるのでしょうか。 【会津氏】コンテンツで特徴的なのは、これも韓国の人がチョンさんが言っていたのです が、メールマガジンとかは流行らないのだというのです。なんでかといったら、人から押 しつけられるのが嫌で、掲示板とか、フォーラムとか自分達が意見を書くのがすごく流行 るのだといっていました。これ直接の説明になるかどうかわからりませんが、86 年ぐらい までは言いたいことは言えない社会だったわけです。主なポータルサイトとかゲームサイ トも全部掲示板をもっているということです。少なくともハイエンドユーザーというか、 熱心なユーザーが自由に議論をできるところを持っていないと、みんな面白くないから集21 まらないという、非常に主体的というかネット的というか、それはたまたまある種の今の 韓国人の持っているメンタリティーというかメンタルな状況です。これが例えば100 年前 の韓国人がそういう国民だったのか、文化の継続するところはそういうところでいうと必 ずしもイコールとはいえないと思います。だから、今の日本人が非常に受け身だからとい って50 年後にどうなるかわかりませんけれども、少なくともそういう時代背景というか、 文化的なあるいは社会的なコンテキストというのはすごく感じます。今、英語は結構うま いです。韓国社会では、留学帰りの連中が幅を利かせていて、若手でベンチャーをやって いる連中なんかはみんなうまいです。 【質 問】数カ月前にある韓国の方からブロードバンドが広がった一つの大きな要因は、 どこの放送局であろうとテレビで放送したコンテンツをいつでもみたいと思えばすぐ見ら れる。そこのところには著作権だとか何とかがなくていつでも見られるようになっている、 それが普及した一つの要因だという話を聞いたのです。今のお話の中にはあまりテレビの 話が出てこなかったのですけれど、その辺はどうなのでしょうか。 【会津氏】番組というのは国民の財産で、法律的にいうと著作権というのは、全部放送局 が持っている=国が持っている=国民が持っているのだから、これをどこでどう流そうが それはもう関係ないというのを今度きちんと制度化しようということを考えています。韓 国は、日本の80 年代に世界に対して日本が持っていたようなポジションをあと 10 年後ぐ らいに世界経済の中で占めても全然おかしくはない。その間に韓国人の著作権の仕組みも 変えていくと思いますけれど、新しい著作権の仕組みをつまりインターネットに沿った著 作権の仕組みを、最適値を出すための実験としては韓国の方が、はるかに日本よりは先に いっていると思います −以 上− 参考UHL 日本のインターネット利用人口∼2001年4月度調査より∼Web Magagine http://www.vrnetcom.co.jp/webm/web5/ パブリック IT政策用語事典 http://japan.internet.com/cgi-bin
Allabout Japan 韓国インターネット事情 http://allabout.co.jp/computer/netkorea/closeup/ 総務省情報通信白書 for Kids http://www.kids.soumu.go.jp
「情報先進国の情報化政策とわが国の情報技術開発における重点分野の選択指針」
先 端 情 報 技 術 研 究 所 平 成 12 年 度 調 査 レ ポ ー ト 抜 粋
http://www.icot.or.jp/FTS/REPORTS
韓国の情報化政策に関する主管官庁は 1992 年まで通信部と商工部に分かれていたが、
同年統合され、情報通信部(MIC; Ministry of Information and Communication)が新設
された。金大中政権発足後は、情報産業がIMF 体制克服のための産業効率化における「戦
略産業」であると位置づけ、情報化政策を強化推進している。
(1)韓国情報基盤(KII)
1995 年にスタートした韓国情報基盤イニシアティブ(KII; Korea Information
Infrastructure Initiative)に基づき、翌年情報化促進基本計画が策定され、さらに 1997 年には情報化促進アクションプランが明らかになった。情報化基本計画は、3つのフェー ズから構成されており、それぞれのフェーズの目標が規定されている。2000 年までの第1 フェーズでは、優先度の高い10 のタスクとして下記が掲げられている。 ・小さいが、電子化され効率的な政府を実現する ・情報社会で有用な人材を育てるための教育情報基盤を構築する ・国家の知識ベースを拡充するために学術研究データにアクセスできる環境を作る ・産業全体にわたり情報化を促進し、企業競争力を高める ・情報化により社会インフラの利用率を高める ・地域開発に向けて地方の情報化を支援する ・情報技術の利用により医療サービスを向上させる ・災害対策のための安全管理データシステムを構築する ・国防・外交情報システムのセキュリティを高める 韓国政府は、情報化の基盤であるKII 構築を重要政策として推進している。計画では、 韓国政府情報基盤(KII-G)と韓国公用情報基盤(KII-P)を 2010 年までに完成させる予 定である。まず、KII-G を ATM ベースの光ケーブルネットワークにより 2002 年までに完 成させ、その後 KII-P プロジェクトを推進する計画である。1988 年の白書「21世紀の 情報社会の構築」によれば、現時点のKII の達成状況は次のとおりである。 ・ネットワークは、ソウル、プサン等を含む 80 の地域に展開されている ・主要都市では電話局と配信先の間に光ケーブルが敷設されている ・光ファイバケーブルは 1,018 の大規模ビルに敷設された ・N-ISDN は 103 の地域が利用可能となり、配信先は合計 66,300 箇所となった