図書館員の学習支援力を 図書館員の学習支援力を
育成する。
育成する。
大学図書館における学習支援のこれから
「図書館機能強化プログラム」
「図書館機能強化プログラム」
シンポジウム
名古屋大学附属図書館 情報サービス課 岡部幸祐 情報サ 課 岡部幸祐
目次 目次
I. 学習支援の視点
II 学習支援力を育成する II. 学習支援力を育成する
「学習支援促進のための三大学連携事業」
育成事業 ILI‐L
育成事業I. 学習支援の視点
学習支援の視点①
原子力発電は必要か?
あなたの意見は?
あなたの意見は?
判断するために必要な情報をどのようにして収集す
判断するために必要な情報をどのようにして収集す るか
その情報をどのように評価するのか
その情報をどのように評価するのか
これまで持っていた考え、意見をもとにそれらの情報 をどう自分の意見として取り入れるのか機能的リテラシーとしての情報リテラシー 機能的リテラシーとしての情報リテラシー
「リテラシー・・・・という社会的概念は・・・・固有の形状を 有するものではなく、それらを入れる[社会という]器に よ て明らかになること[つまりは社会的要請]を繰り返 よって明らかになること[つまりは社会的要請]を繰り返 すのである。情報リテラシーを身につけた人(Information literate)がどういう人かということは、われわれがリテラ シ をどう定義するかによ て決まるのである
シーをどう定義するかによって決まるのである」
ヴェネツキィ(
Richard L. Venezky)
野末俊比古「第5章情報リテラシー」『情報探索と情報利用』勁草書房,2001,p.260
「リテラシーに関してわれわれが・・・出せる観察結果は、
きわめて長期にわたってその内包するものが変化して きたということである 」
きたということである。」
Nickerson, R. S. “Adult literacy and technology.” Visible Language. Vol.19 No.3, p.311‐355, 1985
「「情報リテラシー」とは、機能的リテラシーを「情報社 会」という枠組み設定のもとにとらたもの」
会」という枠組み設定のもとにとらたもの」
野末俊比古「第5章情報リテラシー」『情報探索と情報利用』勁草書房,2001,p.261
リテラシー概念 リテラシー概念
情報 処理する 利用する
インフォメーションリテ ラシー
情報活用能力
ネットワ クリテラ ネットワークリテラ
シー
コンピュータリテラ シー
映像視聴能力 ヴィジュアルリテラ
シー シ
技術リテラシー メディアリテラシー
メディア 解釈する 表現する 技術 操作する 理解する
山内祐平『デジタル社会のリテラシー:「学びのコミュニティ」をデザインする』岩波書店, 2003,p.72
21世紀型スキル 21世紀型スキル
ATC21S(The Assessment and Teaching of 21st‐Century Skills )
思考の方法(Ways of Thinking) 思考の方法(Ways of Thinking)
【1】創造力とイノベーション
【2】批評的思考、問題解決、意思決定
【3】学びの学習 メタ認知(認知プロセスに関する知識)
【3】学びの学習、メタ認知(認知プロセスに関する知識) 仕事の方法(Ways of Working)
【4】コミュニケーション
【5】コラボレーション(チームワーク)
【5】コラボレ ション(チ ムワ ク) 仕事のツール(Tools for Working)
【6】情報リテラシー
【7】情報通信技術ICTに関するリテラシー
【 】情報通信技術 関するリテラシ 社会生活(Skills for Living in the World)
【8】地域と国際社会での市民性
【9】人生とキャリア設計
【10】個人と社会における責任(文化に関する認識と対応)
(http://atc21s.org/)
①(情報)リテラシー
学習支援の視点②
学習形態の変化 学習形態の変化
協同(協調)学習 協同(協調)学習 個別学習
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アクティブ・ラーニング アクティブ・ラーニング
生涯にわた て学び続ける力 主体的に考える力を持 た人材 生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材 は、学生からみて受動的な教育の場では育成することができな い。従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員 と学生が意思疎通を図りつつ 緒にな て切磋琢磨し 相互 と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互 に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に 問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニ 問題を発見し解を見 だして く能動的学修(アクティブ ラ
ング)への転換が必要である。すなわち個々の学生の認知的、
倫理的、社会的能力を引き出し、それを鍛えるディスカッショ ンやディベートといった双方向の講義 演習 実験 実習や実 ンやディベ トといった双方向の講義、演習、実験、実習や実 技等を中心とした授業への転換によって、学生の主体的な学修 を促す質の高い学士課程教育を進めることが求められる。学生 は主体的な学修の体験を重ねてこそ 生涯学び続ける力を修 は主体的な学修の体験を重ねてこそ、生涯学び続ける力を修 得できるのである。
「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力 を育成する大学へ~(答申)」(平成24年8月28日 中央教育審議会)
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②アクティブ・ラーニング
協調学習
学習支援の視点③
「学び」は教室(だけ)で 起こっているんじゃない!
現場で(図書館でも)起こって る だ
いるんだ!
16
図書館における学修と「学び」
図書館における学修と「学び」
カリキュラムに関
連する学修 広い意味での「学び」
17
カリキ ラムに関連する学修
カリキュラムに関連する学修アクティブ・ラーニング
ディスカッション etc.
カリキュラム外の学習・「学び」 図書館を場とした活動
サ ビ グ
サービス・ラーニング
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学習環境デザイン 学習環境デザイン
学習者中心主義
ツール
学習者中心主義
空間 ツール
(道具)
(道具)
活動 共同体 活動 共同体
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◆正統的周辺参加 (L iti t P i h l
◆正統的周辺参加 (Legitimate Peripheral Participation:LPP)
「新人が共同体のなかで学習し、一人前のメン バーとなっていくような参加の仕方」
◆実践共同体 (Community of Practice)
◆実践共同体 (Community of Practice)
「共同の取り組みに対する専門性と情熱を共有
す 結び
することでインフォーマルに結びついた人々の 集まり」 *
*Wenger, E. and Snyder, W.M.(2001) Communities of Practice. Harvard Business Review on Organizational Learning. Harvard Business School Press, MA pp1‐20
(中原淳編著「企業内人材育成入門:人を育てる心理・教育学の基本理論を学ぶ」.ダイヤモン ド社 2006)
ド社,2006)
20
ラーニング・コモンズにおける学習環境デザイン
~グループ学習エリアの利用実態から考える~(ポスターセッション資料から)
利用目的
50
グループあたり人数
16%
5% 利用目的
授業
22 43
20 30 グ 40 ルー プ
79%
その他 なし
2 13 3
22
0 10 20
6 5
4 3
2 プ
数
(人)
協調度
6 5
4 3
2 (人)
23%
45%
32% 協同
共同 緒
◆1グループあたりの平均利用者数:2.8人 協調 相談
※総グループ数:83(231人) 個人学習者数:44人
45% 一緒一緒
協調:共通の課題があり、協調して活動している。
相談:共通の課題はなく、相談しながら利用している。
相談:共通の課題はなく、相談しながら利用している。
一緒:共通の課題はなく、一緒に座って利用している。
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利用形態・目的・協調度 利用形態・目的・協調度
授業
30
授業 協調
授業以外 テ マなし
授業以外でテーマをもって学習 するグル プは 共通の目的
15 20
テーマなし
25
するグループは、共通の目的 で協調して学習する割合が多 い。0 5 10 15 0
相談 一緒
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③学修と学び
インストラクショナル・デザインと学習環境デザイン
学習支援力 学習支援力
学修系 学修系
• (情報)リテラシーの理解 (情報)リテラシ の理解 【何を】 【何を】
• インストラクショナル・デザインの活用
【どのように】
学び系 学び系
• 学習科学の理解と活用
【どのように・学びの環境づくり】
II. 学習支援力を育成する。
学習支援促進のための 三大学連携事業
平成24年6月21日協定書締結
事業の目的 事業の目的
学習支援促進のための三大学連携事業
グ ズを持 東海北陸地
ラーニング・コモンズを持つ、東海北陸地区 の三大学附属図書館(金沢大学・静岡大学・
名古 学 が 学 を有効
名古屋大学)が三大学のリソースを有効に活 用し、効果的な学習支援サービスを共同して 行う。
留学生への支援、海外の大学図書館との連
留学生 の支援、海外の大学図書館との連
携も視野に入れて、学習支援に取り組むとと
もに、学習支援を進めていく際に不可欠な図
もに、学習支援を進めていく際に不可欠な図
書館職員の育成を行う。
事業内容 事業内容
学習支援促進のための三大学連携事業
グ ズを活用 た学生 学 1. ラーニング・コモンズを活用した学生への学
習支援の促進に関すること。
2. 留学生への学習支援に関すること。
3 国際連携(海外の大学図書館との事業の連 3. 国際連携(海外の大学図書館との事業の連
携)による学習支援の強化に関すること。
4 学習支援を担当する職員の育成に関するこ 4. 学習支援を担当する職員の育成に関するこ
と。
5. その他学生への学習支援の促進に必要な
事業に関すること。
海外大学図書館調査 海外大学図書館調査
学習支援促進のための三大学連携事業
ラーニング・コモンズを中 心とした学習支援の促進 心とした学習支援の促進 をテーマに、「ラーニン
グ・コモンズの活用」、
グ コモンズの活用」、
「学習支援」、「グローバ
ル化」に焦点をあてて、 シドニー工科大学 クリエイトスペースルーム
ル化」に焦点をあてて、
香港、シンガポール、
オーストラリアの11大学 の図書館を調査。(平成 24年3月)
http://ir.nul.nagoya-u.ac.jp/jspui/handle/2237/16799
マッコーリー大学 プレゼンテーションルーム
Information Literacy Instruction ライブラリアン 育成事業
育成事業
ILI-L
育成事業概要Information Literacy Instruction Librarian
図書館利用のオリエンテーショ ンはやったことがあるけど、情 報リテラシー教育って何をどう 教えればいいのか分からな
Instructional Design
(ID)をもとに情報リ テラシー教育を効果 的に実施できる い!?
対象:公共図書館職員 大学図書館職員
的に実施できる。
ニーズ
金沢大・静岡大・名古屋大 三大学連携事業 分析分析
計画
評価
ID
eラーニング&
学習コミュニティ 情報リテラシー
金沢大 静岡大 名古屋大 三大学連携事業
開発 実施
ID
学習コミュニティ
ワ クショップによる 情報リテラシ
能力 スタンダード
ワークショップによる 実践トレーニング
ILIライブラリアン 実践コミュニティ
協同学習 ライティング支援 情報リテラシー教育
モデルプログラム 能力
スタンダード
情報リテラシー教育教材
標準化事業 育成事業 事業成果
事業の目的 事業の目的
ILI‐L
育成事業•
問題解決型リテラシ 教育直接的目標
•
問題解決型リテラシー教育直接的目標
• Instructional Design
を活用できる。直接的目標
•
学習科学をもとに協調学習などを取り入れる間接的目標
•
学習コミュニティを作る事業の概要 事業の概要
ILI‐L
育成事業e‐learning
コース• 3
パートを学習情報リテラシー 学習科学 インストラクショナル・デザイン
•
履修期間3ヶ月を予定• Moodle
をプラットフォームにforum, wiki, blog
を活用 し、学ぶための仕組み作り•
コンテンツを公開
ワークショップ• 2
日間の集合研修(ジグソー学習法など)カリキュラム案(情報リテラシー)
カリキ ラム案(情報リテラシ )
ILI‐L
育成事業パー
ト 科目 学習目標
情報 と情報 情報社会 必 な情報 と 書 情報リテラシーと情報リテ
ラシー教育
情報社会で必要な情報リテラシーと図書 館における情報リテラシー教育の在り方 を説明できるようになる。
情報リ 情報探索戦略 問題解決のための情報探索手法を学習 し 指導できるようになる
リテラ
シー
し、指導できるようになる。
クリティカル・シンキング入 門
クリティカルに考える手法をリーディング、
ディベ ト ライティングで学習し
ー
門 ディベート、essayライティングで学習し、
情報をクリティカルに評価し論理的な構 成ができるようになる。
カリキュラム案(学習科学)
カリキ ラム案(学習科学)
ILI‐L
育成事業パー
ト 科目 学習目標
学習理論 や協調学習のもとになる学習理論を説 学習理論 IDや協調学習のもとになる学習理論を説
明できるようになる。
学習 協調学習 協調学習の理論を学び、実施できるよう
習科学 になるになる。
学習環境デザイン 学習を促進するために必要な知識を学 び 学習環境をデザインできるようになる び、学習環境をデザインできるようになる。
カリキュラム案( ID ) カリキ ラム案( ID )
ILI‐L
育成事業パー
ト 科目 学習目標
指導計画を考える の考え方を学び 全体の指導計画を考 イン
ス
指導計画を考える Idの考え方を学び、全体の指導計画を考 えた上で学習目標を設定できるようにな ス る。
トラ
クシ 指導内容を考える 学習目標を設定した上で、課題分析を行 い 指導方略を作成する
ショ
ナ ル
・ デ
い、指導方略を作成する。
評価する 形成的評価の方法を学び、評価・改善が 行えるようにする
デザイン
行えるようにする。
学習科学入門ワークショップ 学習科学入門ワ クショップ
ILI‐L
育成事業
学習科学に必要な認知学習理 論といくつかの事例の紹介論 く 事例 紹介
ジグソー学習法の体験他者の知っていることと、自分の 他者の知 て る 、自分の
知っていることを合わせると、事業で 提示された「学習課題」を解くことが できる
できる。
1970
年代 社会心理学者のアロンソ1970
年代 社会心理学者のアロンソ ンが考案、1990
年代 認知心理学者 のブラウンが応用。今後の予定 今後の予定
ILI‐L
育成事業• 今年度中にe-ラーニングコースを用意。
• 来年度から育成コースをスタート 来年度から育成コ スをスタ ト。
• 情報リテラシー教育を担当する図書館職員 実践共同体を形成
の実践共同体を形成。
• 継続的な学習コミュニティの形成。 継続的な学習コミュ ティの形成。
まとめ まとめ
学習支援 視点
学習支援の3つの視点•
リテラシー•
アクティブ・ラーニング、協調学習•
学修と学び
学習支援力を育成する。•
学習支援促進のための三大学連携事業•
ILI-L育成事業
情報リテラシー、学習科学、インストラクショナル・デザイン
ジグソー学習法
学習コミュニティの形成参考文献 参考文献
•
ATC21S : The Assessment and Teaching of 21st‐Century Skills http://atc21s.org/
• 山内祐平『デジタル社会のリテラシー:「学びのコミュニティ」をデザインす
• 山内祐平『デジタル社会のリテラシ :「学びのコミュニティ」をデザインす る』岩波書店,
2003.
• 中原淳
[
ほか]
著『企業内人材育成入門:
人を育てる心理・教育学の基本 理論を学ぶ』ダイヤモンド社理論を学ぶ』ダイヤモンド社,
2006.
• 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続 け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)」(平成24年8月28日 け、主体的に考える力を育成する大学 (答申)」(平成 年 月 日 中央教育審議会)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/132504 7 htm
7.htm