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日本原子力学会和文論文誌,Vol.8,No.1,p.1 10 (2009) 論 文 BWR を用いたトリウム熔融塩炉起動用 233 U の生成 三田地紘史 1,, 加藤雅大 1, 吉岡律夫 2, 山本高久 1, 鶴見俊樹 U Production using BWR for Thoriu

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(1)

1 豊橋技術科学大学 機械システム工学科 2 日本システム安全研究所

Corresponding author, E-mail: mitachi@kjb.biglobe.ne.jp

BWR を用いたトリウム熔融塩炉起動用

233

U の生成

三田地 紘史

1,

,加藤 雅大

1

,吉岡 律夫

2

,山本 高久

1

,鶴見 俊樹

1

233

U Production using BWR for Thorium Molten-Salt Reactor Start-up

Koshi MITACHI1,, Masahiro KATO1, Ritsuo YOSHIOKA2, Takahisa YAMAMOTO1and Toshiki TSURUMI1

1Department of Mechanical Engineering, Toyohashi University of Technology, 11 Tempaku-cho, Toyohashi-shi, Aichi 4418580, Japan 2Japan Functional Safety Laboratory, 31724 Hino-chuou, Konan-ku, Yokohama 2340053, Japan

(Received February 22, 2008 and accepted in revised form August 22, 2008)

The molten-salt reactor operated with thorium-uranium fuel-cycle can e‹ciently use Th resource, the reserves of which are abundant on the earth. However, the reactor needs233U as ˆssile material, which does

not exist in nature, and thus, a certain amount of233U must be prepared before the reactor operation starts.

One approach to produce233U using BWR is proposed in this paper. The burn-up characteristics of ABWR

of 1.35 GWe are calculated using SRAC2006 (nuclear analysis code) and JENDL3.3 (nuclear data ˆle). The ABWR is loaded with Th as fertile material and Pu obtained from spent fuel discharged at 33 GWd/t out of BWR. On the basis of numerical analysis, the following results have been obtained. (1) ABWR using Pu in once through can produce 1.5 t of233U in 4.2 years. The amount is enough to start-up the 200 MWe

fuel self-sustaining molten-salt reactor (FUJIU3). Fissile plutonium (Puf) supplied to the ABWR in this period is 6.57 t. (2) ABWR using not only Pu but also enriched uranium in multi-recycling can start-up FUJIU3 in 3.1 years. In this case, we can reduce Puf to 4.94 t, but we must supply 0.39 t of ˆssile uranium. (3) ABWR using only Pu in fuel assemblies composed of 56 fuel pins or 44 fuel pins in multi-recycling can start-up FUJIU3 in 3.1 years. In this case, we can reduce Puf to 4.93 t, but we must decrease the output power of ABWR to 97.8 of the rated power.

KEYWORDS: BWR, fuel assembly, spent fuel, plutonium, thorium, uranium233, molten-salt reactor, ThU fuel cycle, burn-up characteristics, numerical analysis

I. 緒

トリウムウラン燃料サイクルで運転する熔融塩炉は, 埋蔵量の豊富なトリウム資源を効率よく利用でき,核分裂 反応に際してプルトニウム(Pu)や長寿命放射性廃棄物と なるマイナーアクチニド(MA)の生成が少ないなど優れた 特長をもっている。しかし,熔融塩炉で使用する233U は 自然界には存在せず,なんらかの方法により233U を前も って準備しなければならない。 233U を得るために,熔融塩増殖炉1,2),加速器熔融塩増 殖炉3,4),Pu 装荷熔融塩炉5~7)を用いる方法が知られてい る。しかしながら233UTh 熔融塩炉を早期に起動するた めには,既存の軽水炉を利用する方法が最短の道と考えら れる。相沢ら8)はトリウム(Th)と Pu を混合した PWR 燃 料ピンの無限格子計算を行い,Th から233U を生産し,こ れを利用して軽水炉からの MA を消滅する検討をした。 また,高木ら9)は本格的なトリウムウラン燃料サイクル への移行を念頭に,Th 混合燃料ピンを用いた軽水増殖炉 の可能性を検討している。 本研究では,既存の軽水炉の 1 つとして BWR を取り 上げ,これに(Pu+Th)O2燃料を装荷して 1.5 t の233U を 生産し10),これを利用して出力 200 MWe の自給自足型ト リウム熔融塩炉11)を起動することを検討する。ここでの Pu は,軽水炉で 33 GWd/t 燃焼させた後の,使用済燃料 より得られる Pu(33 GWd/tPu)である。軽水炉はすでに 実用されている経済的な発電炉であり,フリガット法12) など Th 混合燃料に対する再処理技術を確立できれば,本 研究の方法は233U の早期確保の点で優れていると考えら れる。

II. 解 析 方 法

1. 燃料集合体の解析方法

(2)

Fig. 1 Cross sectional view of 8×8 fuel assembly (1/4) a) 本解析では核熱結合計算は行わない。ボイド率分布の影響をみ るために,燃料集合体を軸方向に10分割し,文献13)の第3.42 図のボイド率分布を仮定して MVPBURN コード17)による 3 次元解析を行い(MVP),ボイド率40均一とする本計算結果 (SRAC)と比較してみた(下表)。本論文のように燃料集合体の 合計量で論ずる限り両者の差は小さい。

Fig. 2 Cross sectional view of ABWR core (1/4)

DiŠerences of production [] 235U 238U Puf PuT MA (SRAC-MVP)MVP ×100 -0.46 0.80 0.78 0.79 -0.14 Water Reactor)に用いられる 8×8 燃料集合体の水平断面 (1/4 領域)13)を Fig. 1 に示す。丸印は燃料ピンであり, ピッチ 1.63 cm の正方格子状に配置され,1 燃料集合体当 たりに合計60本入っている。燃料集合体中心の円はウ ォ ー タ ー ロ ッ ド で あ る 。 燃 料 は 直 径 約 1.06 cm , 密 度 10.31[g/cm3]の UO 2焼結体であり,直径 1.23 cm,肉厚 約 0.9 mm のジルカロイ製被覆管に納めてある。 燃 料 集 合 体 の 燃 焼 特 性 は 核 解 析 コ ー ド SRAC200614) を用いて求める。すなわち,PIJ ルーチンを適用して燃 料集合体を構成する各物質の107群の核断面積を16群に 縮約し,BURN ルーチンを用いて燃焼度40[GWd/t]ま で の 燃 焼 特 性 を 求 め る 。燃 料 ペ レ ッ ト 温 度 は 900 K と し,燃料棒の平均線出力密度は 0.2023[kW/cm]とする。 炉水温度は 560 K とし,燃料ピンセルの水のボイド率は 均一に40a),ウォーターロッドおよびチャネルボックス 外 部 の 水 の ボ イ ド 率 は 0  と す る 。 燃 焼 チ ェ ー ン は th2cm6fp50bp16T を用い,核データは JENDL3.3 を使用 する。 2. 炉心特性の解析方法 ABWR 炉心の水平 断面(1/4 領域)13)の 解析モデル を Fig. 2 に示す。炉心中央部の数字が入った矩形格子は燃 料集合体で,全炉心で合計872体ある。数字は滞在サイク ル数を示しており,それぞれの格子の大きさは 15.24 cm ×15.24 cm である。外側の灰色の矩形格子は反射体領域 であ る。印 S は水と 構造材 (SUS)が混 在する 領域で あ り,印 W は水だけの領域である。炉心の有効高さは 371 cm であり,炉心上方に 33 cm のボイド率 70水の領域, 20 cm の水と構造材(SUS)が混在する領域および 20 cm の水だけの領域を置く。また,炉心下方には 20 cm の水 と構造材が混在する領域および 20 cm の水だけの領域を 置く。 炉心の燃焼特性は SRAC14)の COREBN ルーチンを用い て求める。SRAC の標準の計算容量内に収めるために, 上記の 1/4 領域を X 方向に19分割,Y 方向に19分割,Z 方向に13分割し,各物質の核断面積を 3 群まで縮約する。 COREBN ルーチンの手法に従い,1 サイクルを17燃焼ス テップに分割し,燃焼ステップごとに炉内中性子束分布 (したがって炉内出力分布)を算出し,1 燃焼ステップ期間 中は出力分布一定とみなして燃焼計算を遂行した。現在の ABWR は約13ヵ月間連続運転し,その後約 2 ヵ月かけ て,炉心の 1/4 の燃料集合体(約218体)を交換する。本研 究では,以下のような燃料交換モデルを仮定した。すなわ ち,炉心に新燃料集合体を装荷し,13ヵ月間連続運転す る(第 1 サイクル)。その後 Fig. 2 の印 1 の燃料集合体を 新しい燃料集合体に置き換え,再び13ヵ月間連続運転す る(第 2 サイクル)。その後 Fig. 2 の印 2 の燃料集合体を 新燃料集合体に置き換え,さらに13ヵ月間連続運転する (第 3 サイクル)。このような炉心燃焼サイクルを多数回 繰り返すと,終には「運転13ヵ月間の実効中性子増倍係 数(KeŠ)の変化および炉心内各核種インベントリーの変 化」が「前サイクルの運転13ヵ月間の変化」とほぼ同じ になる。本研究ではこのような平衡炉心の燃焼特性につい て検討する。なお,実際のBWRでは,炉心中央部と周辺 部の間などで燃料の位置交換がなされるが,今回は上述の 単純なモデルを採用した。

III. ABWR による

233

U の生産

1. ABWR の特性および本研究の計算条件 柏崎刈羽発電所の設置申請書に基づき13),ABWR 燃料

(3)

Fig. 3 Uranium-enrichment (weight ) in the UO2 fuel assemblies

Table 1 Composition of gadolinium isotopes Gd154

w Gd155w Gd156w Gd157w Gd158w Gd160w 2.18 14.83 20.51 15.68 24.89 21.90

Fig. 4 Changes of the inˆnite multiplication factor of UO2fuel assembly

Fig. 5 Changes of the eŠective multiplication factor of ABWR loaded with UO2fuel assembly

Table 2 Characteristics of the UO2fuel assemblies

Kinf aT [1/K] ×10-5 aV_40 [1/v] ×10-4 aV_0 [1/v] ×10-4 Max. peak. coef. Case BOL 1.386 -1.8 -5.8 -2.5 1.28 a0 EOL 0.920 -1.7 -8.0 -4.2 1.05 Case BOL 1.382 -1.8 -5.7 -2.5 1.14 b0 EOL 0.920 -1.7 -8.0 -4.5 1.04 Case BOL 1.051 -1.9 -5.0 -2.5 1.24 c0 EOL 0.919 -1.7 -8.2 -4.6 1.03 集合体および ABWR 炉心の燃焼特性を, (a) ウラン(U)濃縮度をすべての燃料ピンで 3.5 wと する場合(ケース a0), (b) U 濃縮度を燃料ピンごとに変える場合(ケース b0), (c) U 濃縮度を燃料ピンごとに変え,さらに 8 本の燃 料ピンにガドリニウムを入れる場合(ケース c0), の 3 ケースについて調べた。Figure 3(a ), (b), (c)は Fig. 1 の各燃料ピンの U 濃縮度であり,左下の WR はウ ォーターロッドである。Figure 3(c)の灰色部分の燃料ピ ンには濃度 4.0 wのガドリニウム(Gd)を入れる。使用 Gd の組成をTable 1 に示す15) 燃料 集合 体の計 算結 果を Fig. 4 に示 す。 縦軸 は燃 料 集合体の中性子無限増倍係数(Kinf),横軸は燃焼度であ る。ここで点線はケース a0,実線はケース b0,破線は ケース c0の結果である。各燃料集合体の燃焼初期(BOL : 0 GWd/t)および燃焼末期(EOL : 39.5 GWd/t)の Kinf,燃 料集合体の温度係数(aT),ボイド率40付近のボイド係 数(aV_40),ボイド率 0付近のボイド係数(aV_0),ピーキ ング係数の最大値をまとめて Table 2 に示す。各ケース とも Kinf の最小値は EOL に現れ,ケース b0で0.920 , ケ ー ス c0で 0.919 で あ る 。 ピ ー キ ン グ 係 数 の 最 大 値 は BOL に現れ,ケース b0で1.14,ケース c0で1.24である。 ABWR の炉心燃焼計算結果をFig. 5 に示す。ほぼ平衡 炉心となる炉運転第12サイクルの中性子の実効増倍係数 (KeŠ )の変化 であ り,点 線はケ ース a0, 実線は ケー ス b0,破線はケース c0の結果である。各ケースとも KeŠ は サイクル末期で最小となり,ケース a0で KeŠ=1.014, ケース b0で KeŠ=1.012,ケース c0で KeŠ=1.002 とな った。炉心ボイド係数 aVについては,各ケースともサイ ク ル 初 期 で 最 も 正 側 の 値 と な り , ケ ー ス a0で aV_40= -7.3×10-4[(Dk/k)/void],ケース b 0で aV_40=-7.3 ×10-4[(Dk/k)/void],ケース c 0で aV_40=-6.9×10-4 [(Dk/k)/void]となった。炉内には様々な燃焼度の燃料 集合体が混在し,また,炉心外へ中性子が漏えいするため に,炉心 avの最大値は,燃料集合体 aVの最大値よりも負 側の値になる。本研究では Table 2 のように,より正側の 値となる燃料集合体 aV(完全反射境界条件)を参考値とし て示すこととした。 ケース c0は ABWR 実機の運転状況に近いと考えられ るが,燃料集合体内の Gd 配分については必ずしも明確で なく,使用する燃料ごとに試行錯誤しなければならない。 このような事情を考え,本研究では上記のケース b0を基

(4)

Table 3 Compositions of plutonium isotopes in the fuel assemblies at EOL

Assembly Pu238w Pu239w Pu240w Pu241w Pu242w a 2.99 22.06 40.37 19.45 15.14 b 3.82 12.54 42.99 17.96 22.69 c 4.11 10.58 43.08 15.38 26.86 d 4.25 9.18 42.59 13.61 30.37 e 4.28 7.78 43.29 15.72 28.94 f 4.48 4.84 42.31 13.43 34.95 33 GWd/t 1.52 55.32 25.34 12.82 5.00

Fig. 6 Fissile plutonium rates (weight ) of fuel-pin in fuel assemblies a & b

Fig. 7 Changes of the inˆnite multiplication factor of fuel as-semblies a & b 準として,Gd は使用せず,燃料集合体の Kinf は0.92以上, aTは-1.7×10-5以下,ピーキング係数は1.24以下とし, さらに平衡炉心の KeŠ は1.012以上を条件として燃焼計算 を進める。また,プルトニウム組成が劣化することを考慮 して,aV_40と aV_0は-0.5×10-4以下をめざす。 2. 燃料集合体および炉心の燃焼特性 本節では,BWR で UO2燃料を 33 GWd/t 燃焼させた 後に,使用済燃料より得られる Pu(以下 33 GWd/tPu と 記す)を用いて233U を効率よく生産することを検討する。 Table 3 は,後述する燃料集合体 a, b, c, d, e, f の取り出し 燃料中の Pu 組成および 33 GWd/tPu の組成である16) 33 GWd / t Pu は 核 分 裂 性 プ ル ト ニ ウ ム Puf ( =239Pu + 241Pu)を68も含んでいる。燃料集合体 a, b, c, d, e, f に ついては関係する各項で参照する。本節では,まず,(a) この Puf=68の使用済燃料 Pu を Th と混合して(Pu+ Th )O2燃料を 作り BWR で利用する (III 2( 1 )項に 記 述)。運転後に炉より排出される Pu は,Puf=42に劣化 している。次に,(b) この Puf=42の Pu を再び Th と 混合して(Pu+Th)O2燃料とし,BWR で利用する(III2 ( 2 )項に記述)。運転後に炉より排出される Pu は,Puf= 31に劣化している。これを Th と混合して(Pu+Th)O2 燃料とすると,ボイド係数 avが正となり炉心を構成でき ない。 この Puf=31の劣化 Pu を使用するために,以下の 2 方法を試みた。第 1 は燃料集合体に少量の濃縮 U を導入 し,その分だけ劣化 Pu の装荷量を減らして avを負にす る方法であり,III2( 3 )項と III2( 4 )項に記述する。 第 2 は劣化 Pu のみを使うが,燃料集合体の水対燃料体積 比を調節して avを負にする方法であり,III2( 5 )項と III2( 6 )項に記述する。 本計算では取り出し燃料は直ちに再処理され,(Pu+ Th)O2燃料として炉心に再装荷されると仮定した。しか し現在の技術では,燃料取り出しから再装荷までにはかな り の期 間 を要 す る。 例 え ばこ の 期間 を 2 年 とす れ ば , 241Pu →241Am の 核 崩 壊 に よ り Puf ( =239Pu +241Pu ) は Table 3 の値より1.2~1.9減少する。また,233Pa→233U の核崩壊により Uf は後述の Table 6 の値より 7 ~22 kg 増加すると推測される。 ( 1 ) Puf=68の Pu を用いる燃料集合体 a および炉 心 A 核 分 裂 性 プ ル ト ニ ウ ム Puf が 68  含 ま れ て い る 33 GWd/tPu を Th と混合して(Pu+Th)O2燃料とし,Fig.

1 に示す通常の 8×8 燃料集合体と同一寸法の,233U 生産

のための燃料集合体 a を作る。この燃料集合体の Puf 富 化度の分布を Fig. 6(a)に示す。ここで Puf 富化度は燃料 中の重金属質量(ここでは(Pu+Th)の質量)に対する Puf 質量の割合である。WR はウォーターロッドである。燃 料集合体の発熱部 1 cm 当たりの出力を 12.14[kW/cm]と し,燃焼特性を求めてみた。Kinf の変化を Fig. 7 に実線

(a)で示す。点線で示す III1 節のケース b0に比べて,燃

焼初期(BOL : 0 GWd/t)の Kinf は低く,燃焼末期(EOL : 40 GWd/t)では高い。BOL および EOL の Kinf,燃料集

合体の温度係数(aT),ボイド率40付近のボイド係数 (aV_40),ボイド率 0付近のボイド係数(aV_0),ピーキン グ係数の最大値をまとめて Table 4 の a に示す。Kinf の 最小値は0.967,ピーキング係数の最大値は1.21であり, III1 節の条件を満す。また,aT, aV_40, aV_0に対する条 件 も 満 足 して い る 。 燃料 集 合 体 a に 装 荷 さ れる 重 金 属 (HM : Heavy Metal)は 177.3 kg あり,その BOL と EOL の組成は Table 5 の a となる。ここで,PuT は全プルト ニウムを表す。Uf は核分裂性ウラン(=233U+235U), UT

は全ウランである。Table 3 の a に EOL の Pu 組成を示 す。

(5)

Table 4 Characteristics of the fuel assemblies at BOL and EOL Assembly Kinf aT [1/K] ×10-5 aV_40 [1/v] ×10-4 aV_0 [1/v] ×10-4 Max. peak. factor a BOL 1.232 -2.8 -8.1 -6.4 1.21 EOL 0.967 -2.7 -7.9 -6.1 1.11 b BOL 1.190 -2.8 -3.2 -4.1 1.22 EOL 0.984 -2.7 -4.0 -4.9 1.16 c BOL 1.162 -3.1 -0.6 -1.8 1.13 EOL 0.992 -3.0 -1.3 -2.5 1.14 d BOL 1.153 -3.1 -0.5 -1.6 1.15 EOL 0.995 -3.0 -1.3 -2.2 1.18 e BOL 1.178 -2.6 -0.9 -2.6 1.23 EOL 0.987 -2.5 -1.7 -3.6 1.19 f BOL 1.171 -1.8 -1.2 -0.7 1.20 EOL 0.989 -1.8 -2.5 -1.6 1.17

Table 5 Composition of heavy metal in fuel assemblies

Assembly H.M.kg wPuf PuTw Uf0w UwT0 wTh wUf wUT wAm wCm wtMA

a BOL 177.3 5.10 7.48 92.52 EOL 0.19 3.81 90.52 1.16 1.27 0.22 0.08 0.30 b BOL 177.4 6.80 16.38 83.62 EOL 3.64 11.93 82.07 1.04 1.12 0.67 0.13 0.82 c BOL 178.0 7.09 23.25 1.42 40.82 35.93 EOL 5.05 19.44 0.85 39.51 32.29 0.68 0.73 1.05 0.14 1.24 d BOL 178.2 6.29 24.22 2.31 42.70 33.08 EOL 4.71 20.69 1.32 41.04 32.26 0.64 0.69 1.08 0.15 1.28 e BOL 165.6 7.70 25.25 74.75 EOL 4.77 20.29 73.51 0.90 0.97 1.01 0.15 1.20 f BOL 130.2 7.85 33.38 66.62 EOL 5.15 28.18 65.71 0.69 0.76 1.16 0.14 1.33

Table 6 Loaded and discharged masses of heavy metal in one cycle of cores in equilibrium state

Core burn-upday Pufton PuTton Uf0ton UtonT0 tonTh tonUf UtonT Amton Cmton MAton KeŠ

A Loaded 1.972 2.893 35.767 1.097 Discharged 393.9 0.613 1.474 34.995 0.4502 0.490 0.084 0.029 0.114 1.013 B Loaded 2.630 6.329 32.346 1.078 Discharged 394.0 1.406 4.606 31.747 0.4026 0.432 0.260 0.051 0.312 1.014 C Loaded 2.752 9.013 0.554 15.84 13.948 1.067 Discharged 394.9 1.958 7.535 0.330 15.33 13.604 0.2650 0.283 0.408 0.055 0.470 1.014 D Loaded 2.442 9.398 0.912 16.59 12.859 1.064 Discharged 395.8 1.831 8.032 0.523 15.94 12.538 0.2488 0.268 0.420 0.057 0.485 1.014 E Loaded 2.780 9.107 27.003 1.072 Discharged 394.2 1.721 7.318 26.553 0.3242 0.350 0.395 0.054 0.420 1.014 F Loaded 2.228 9.473 18.910 1.070 Discharged 394.3 1.461 7.999 18.649 0.1961 0.216 0.328 0.038 0.367 1.014 Fig. 8 Changes of the eŠective multiplication factor of cores A

& B 次に燃料集合体 a のみを使用して,電気出力 1.35 GW (熱出力 3.926 GW)の ABWR の炉心燃焼計算を行った。 炉心内に燃料集合体 a を合計872体装荷する。取り出し 燃 料 の 燃 焼 度 が 40 GWd / t と な る よ う に 1 サ イ ク ル を 393.9日とし,II2 節の方法で 1 サイクルごとに約218体 (=872/4)の燃料集合体を交換する。ほぼ平衡炉心となる 炉運転第12サイクルの実効増倍係数(KeŠ)の時間変化を Fig. 8 の実線(A)で示す。点線で示す III1 節のケース b0

に比べて,サイクル初期(BOC)の KeŠ は低く,サイクル 末期(EOC)の KeŠ は高い。Table 6 の A の右欄に示すよ うに,最小値は EOC の KeŠ=1.013 であり,III1 節の条 件を上回っている。燃料集合体 a のみを使い平衡状態に到

(6)

Fig. 9 Fissile plutonium rates (weight ) of fuel-pin in fuel assemblies c, d, e & f

Fig. 10 Changes of the inˆnite multiplication factor of fuel assemblies c, d, e & f

Fig. 11 Changes of the eŠective multiplication factor of cores C, D, E & F 達した ABWR 炉心を「炉心 A」と定義する。Table 6 の A に炉心 A の 1 サイクルごとに投入する重金属量および 取り出し重金属量を示す。この炉心は 1 サイクルごとに Puf を 1.972 t 投 入 し , 0.613 t 取 り 出 す 。 同 時 に Uf を 0.450 t 取り出すことができる。 ( 2 ) Puf=42の Pu を用いる燃料集合体 b および炉 心 B 燃 料 集 合 体 a の EOL の Pu に Th を 混 合 し て ( Pu + Th)O2燃料とし,Puf=42の Pu を用いる燃料集合体 b を作る。この燃料集合体の Puf 富化度分布を Fig. 6(b)に 示す。Figure 7 の破線(b)は燃料集合体 b の Kinf の時間 変化であるが,実線で示す燃料集合体 a および点線で示す III1 節のケース b0に比べて,BOL で低く EOL で高い結

果が得られた。燃料集合体 b の Kinf, aT,aV_40,aV_0,最大 ピーキング係数を Table 4 の b に示す。いずれも III1 節 の条件の範囲内にある。燃料集合体 b に装荷される重金 属は 177.4 kg あり,その組成を Table 5 の b に示す。ま た,EOL の Pu 組成を Table 3 の b に示す。 炉心内に燃料集合体 b のみを872体装荷して ABWR の 炉心燃焼計算を行った。炉運転の 1 サイクルを394.0日と し,II2 節の方法で燃料集合体を交換する。Figure 8 の 破線(B)は,ほぼ平衡炉心となる炉運転第12サイクルの KeŠ の時間変化である。実線は III2( 1 )項の炉心 A の 結果であり,点線は III1 節のケース b0である。破線は

EOC で KeŠ=1.014 となり,III1 節の条件を満足してい る。燃料集合体 b のみを使う ABWR 平衡炉心を「炉心 B」 とする。炉心 B の 1 サイクル当たりに投入する重金属量 および取り出し重金属量を Table 6 の B に示す。1 サイク ル当たりの投入 Puf は 2.63 t,取り出し Puf は 1.41 t, Uf 生産量は 0.403 t となる。 ( 3 ) 濃縮度3.5の U を併用した燃料集合体 c および 炉心 C 燃 料 集 合 体 b の EOL の Pu に Th を 混 合 し て ( Pu + Th)O2燃料とし,試行錯誤的に様々な燃料集合体の特性 を調べてみたが,すべてボイド係数が正となった。そこ で,この(Pu+Th)O2燃料ピン32本と,燃料集合体 b の EOL の Pu に 3.5 w濃縮 U を混合した(Pu+U)O2燃料 ピン28本とを組み合わせて燃料集合体 c を作り,ボイド 係数を負にした。この燃料集合体の Puf 富化度の分布を Fig. 9(a)に示す。WR はウォーターロッドであり,周辺 の灰色部分が(Pu+U)O2燃料ピンである。燃料集合体 c の Kinf の変化を Fig. 10 に一点鎖線(c)で示す。点線で示 す III1 節のケース b0に比べて,Kinf は BOL で低く,

EOL で 高 い 。 Table 4 の c に Kinf, aT, aV_40等 を 示 す が,いずれも III1 節の条件を満足する。燃料集合体 c に 装荷される重金属は 178.0 kg あり,その組成を Table 5 の c に示す。ここで,Uf0 と UT0 はそれぞれ(Pu+U)O2 燃料ピンに含まれる核分裂性ウランおよび全ウランを表し, Uf と UTはそれぞれ(Pu+Th)O2燃料ピンに生成される 核分裂性ウランおよび全ウランを表す。EOL の Pu 組成 を Table 3 の c に示す。 炉心内に燃料集合体 c のみを872体装荷して,ABWR の炉心燃焼計算を行った。炉運転の 1 サイクルを394.9日 とし,II2 節の方法で燃料集合体を交換する。ほぼ平衡 炉心となる第12サイクルの KeŠ の時間変化を Fig. 11 の 一点鎖線(C)で示す。点線で示す III1 節のケース b0に比

べて,KeŠ は BOC で低く,EOC で高い結果になり,最 低値は KeŠ=1.014 となった。燃料集合体 c のみを使う平 衡炉心を「炉心 C」とする。炉心 C の 1 サイクルごとの

(7)

b) 本計算では単純にセル内を冷却材領域にしているが,このまま では燃料集合体内の流量配分が不均一になる恐れがある。実際 には燃料ピン部分をウォーターロッドに置き換える等の工夫が 必要であろう。 c) 本論文では簡単に,燃料ピン直径,比出力,サイクル長を固定 し,燃料交換バッチを固定しているために,炉出力を低下させ ざるを得なかった。実際には,経済性を考慮して炉出力が低下 しないように,上記の(固定した)パラメータを変化させて水対 燃料体積比を調節すると考えられる。 投入・取り出し重金属量を Table 6 の C に示す。投入 Puf は 2.75 t,取り出し Puf は 1.96 t であり,3.5 w濃縮 U と して 投入 する Uf0 は 0.554 t, 取り 出し Uf0 は 0.330 t であ る 。燃 料集 合体 c の (Pu+ U )O2燃 料 ピン と(Pu + Th)O2燃料ピンとを別々に回収し再処理すれば,同位体 分離なしに高品位ウランを得ることができる。この意味か ら本研究では(Pu+Th)O2ピン中に生成される核分裂性ウ ランを Uf 生産量とした。炉心 C の 1 サイクル当たりの Uf 生産量は 0.265 t となる。 ( 4 ) 濃縮度5.5の U を併用した燃料集合体 d および 炉心 D 同様に,燃料集合体 c の EOL の Pu に Th を混合した (Pu+Th)O2燃料ピン32本と,EOL の Pu に5.5 w濃縮 U を混合した(Pu+U)O2燃料ピン28本とを組み込み,燃 料集合体 d を作る。この燃料集合体の Puf 富化度の分布 を Fig. 9(b)に示す。周辺の灰色部分が(Pu+U)O2燃料ピ ンである。Figure 10 の二点鎖線(d)は Kinf の時間変化で あるが,燃料集合体 c の変化に極めて近い。Table 4 の d に Kinf, aT, aV_40等を示す。いずれも III1 節の条件を満 足している。燃料集合体 d に含まれる重金属は 178.2 kg あ り , そ の 組 成 を Table 5 の d に , EOL の Pu 組 成 を Table 3 の d に示す。 炉心内に燃料集合体 d のみを872体装荷して ABWR の 炉心燃焼計算を行った。1 サイクルを395.8日とし,II2 節の方法で燃料集合体を交換する。ほぼ平衡炉心となる第 12サイクルの KeŠ の時間変化を Fig. 11 の二点鎖線(D)で 示す。炉心 C の結果に極めて近く,EOC の KeŠ は1.014 となった。燃料集合体 d のみを使う平衡炉心を「炉心 D」 とする。炉心 D の 1 サイクル当たりの投入・取り出し重 金属量を Table 6 の D に示す。投 入 Puf は 2.44 t,取 り 出し Puf は 1.83 t であり,5.5 w濃縮 U として投入する Uf0 は 0.912 t である。また,1 サイクル当たりの Uf 生産 量は 0.249 t である。 ( 5 ) 燃料ピン56本の燃料集合体 e および炉心 E III2( 3 )項で述べたように,燃料集合体 b の EOL の Pu に Th を混合して(Pu+Th)O2燃料とすると,燃料集 合体のボイド係数は正となる。しかし,これより 4 本の 燃料ピンを取り除いた燃料集合体ではボイド係数を負にで きる。本項では燃料集合体 b の EOL の Pu に Th を混合 した(Pu+Th)O2燃料ピン56本よりなる燃料集合体を作 り,燃料集合体 e とする。この燃料集合体の Puf 富化度 の分布を Fig. 9(c)に示す。WR はウォーターロッドであ り,W は燃料ピンを取り除いたボイド率40水だけのセ ルであるb)。燃料ピンの熱負荷,すなわち,平均線出力密 度を燃料集合体 a と同じにするため,燃料集合体出力を燃 料集合体 a の93.3に低下させる。燃料集合体 e の Kinf の時間変化を Fig. 10 に実線(e)で示す。燃料集合体 c, d の変化に較べ,Kinf は BOL でわずかに高く,EOL で低 い 。 Table 4 の e に Kinf, aT, aV_40等 を 示 す 。 い ず れ も III1 節の条件を満足する。燃料集合体 e に装荷される重 金属は 165.6 kg あり,その組成を Table 5 の e に示す。 また,EOL の Pu 組成を Table 3 の e に示す。 燃料集合体 e のみを使用して,ABWR の炉心燃焼特性 を求めた。炉心内には合計872体の燃料集合体を装荷す る。炉の熱出力を 3.664 GW(定格出力の93.3)に低下さ せc),1 サイクルを394.2日とし,II2 節の方法で燃料集合 体を交換する。ほぼ平衡炉心となる第12サイクルの KeŠ の時間変化を Fig. 11 の実線(E)で示す。炉心 C, D の変 化に比べ,KeŠ は BOC でわずかに高く,EOC で1.014と なり,III1 節の条件を満す。燃料集合体 e のみを使う平 衡炉心を「炉心 E」とする。炉心 E の 1 サイクル当たり の投入・取り出し重金属量を Table 6 の E に示す。投入 Puf は 2.78 t,取り出し Puf は 1.72 t, Uf 生産量は 0.324 t である。 ( 6 ) 燃料ピン44本の燃料集合体 f および炉心 F 同様に,ボイド係数を負とするために,燃料集合体 e の EOL の Pu に Th を混合した(Pu+Th)O2燃料ピン44本よ りなる燃料集合体 f を作る。この燃料集合体の Puf 富化度 の分布を Fig. 9(d)に示す。燃料ピンの熱負荷を考慮し て,燃料集合体出力を燃料集合体 a の73.3に低下させ, 燃焼計算を遂行した。Figure 10 の破線(f)は Kinf の時間 変化であるが,実線で示す燃料集合体 e の変化に極めて近 い 。 Table 4 の f に Kinf, aT, aV_40等 を 示 す 。 い ず れ も III1 節の条件を満す。燃料集合体 f に含まれる重金属は 130.2 kg あ り,その組成を Table 5 の f に示す 。また, EOL の Pu 組成を Table 3 の f に示す。 燃料集合体 f のみを872体装荷する ABWR の炉心燃焼 計算では,炉の熱出力を 2.879 GW(定格出力の73.3)に 低下させ,1 サイクルを394.3日として,II2 節の方法で 燃料集合体を交換する。ほぼ平衡炉心となる第12サイク ルの KeŠ の時間変化を Fig. 11 の破線(F)で示す。炉心 E と ほ と ん ど 一 致 し て お り , EOC で KeŠ = 1.014 と な っ た。燃料集合体 f のみを使う平衡炉心を「炉心 F」とする。 炉心 F の 1 サイクル当たりの投入・取り出し重金属量を Table 6 の F に示す。投入 Puf は 2.23 t,取り出し Puf は 1.46 t, Uf 生産量は 0.196 t である。

IV. 熔融塩炉の起動に必要な Pu 量および年数

(8)

Table 7 Loaded and discharged masses of heavy metal in one cycle of each system

Core A SystemI SystemII Number of ABWR 1.00 1.45 1.44 Load factor 1.000 1.000 0.978 Loaded Puf [t/cycle] 1.972 1.972 1.972 Th [t/cycle] 35.77 35.77 35.77 Uf0 [t/cycle] 0.157 Discharged Uf [t/cycle] 0.4502 0.5990 0.6000 Puf [t/cycle] 0.6127 0.1747 0.1330 Cycles to start-up 3.33 2.50 2.50

Table 8 Loaded and discharged masses of heavy metal per 1.0 t of Puf charged in each system

Core A SystemI SystemII Loaded Puf [t] 1.0 1.0 1.0 PuT [t] 1.468 1.468 1.468 Th [t] 18.14 18.14 18.14 Uf0 [t] 0.08 Discharged Uf [t] 0.2284 0.3038 0.3044 Uf/UT 0.92 0.92 0.92 PuT [t] 0.748 0.389 0.369 Puf/PuT 0.42 0.23 0.18 PuT/PuT_loaded 0.51 0.27 0.25 Am [t] 0.043 0.118 0.110 Cm [t] 0.015 0.027 0.026 MA [t] 0.060 0.151 0.141 Out put [GWd] 270 390 380

Table 9 Masses of heavy metal needed to starting up FUJIU3 Core A SystemI SystemII Number of ABWR 1.00 1.45 1.44 Load factor 1.000 1.000 0.978 Puf [t] 6.57 4.94 4.93 PuT [t] 9.64 7.25 7.23 Th [t] 119.2 89.6 89.4 Uf0 [t] 0.39 Years to startup 4.17 3.13 3.13 産 し10), こ れ で 自 給 自 足 型 ト リ ウ ム 熔 融 塩 炉 ( FUJI  U3)11)を起動する。この熔融塩炉は出力が 200 MWe,燃 料転換比が約1.01であるので,始めに 1.5 t の Uf 必要量 を準備すれば,その後は Th の供給だけで永久に運転でき る。 1. 炉 心 A 燃料集合体 a をワンスルーで使用する出力 1.35 GWe の ABWR について検討する。これは III2( 1 )項の炉心 A それ自身であり,Table 6 の A のように,1 サイクル当た り に Puf を 1.972 t 投 入 し , 0.613 t 取 り 出 し , Uf を 0.4502 t 生 産 す る 。Table 7 の Core A に 再 記 す る 。 FUJI U3 起 動 の Uf 必 要 量 を 得 る た め に , 炉 心 A の 約 3.33サイクル(=1.5/0.4502)の運転を要す。 炉心 A に投入する Puf の 1.0 t 当たりの物量を Table 8 の Core A に 示 す 。 1.0 t の Puf 投 入 は 1.468 t の PuT 投

入に相当し,18.14 t の Th 投入を伴う。投入 Puf の 1.0 t 当 た り に , Uf 生 産 量 は 0.2284 t ( = 0.4502 / 1.972 ) と な り,発電量は 270 GWd(=1.35 GW×393.9日/1.972 t)で ある。取り出し PuT は 0.748 t で,投入 PuT の51に減 量され,Pu 組成も Puf/PuT=0.42 に劣化する。また,取 り出し Am は 0.043 t, Cm は 0.015 t となり,これ等を含 む MA の生成量は 0.060 t である。

FUJIU3 の起動に必要な物量を Table 9 の Core A に 示す。1 基の ABWR を運転し続ける長期間の平均で考え ると(燃料冷却と再処理の日数を除いて),燃料交換を含め て4.2年ごとに 1 基の FUJIU3 を起動できることになる。 Puf の必要量は 6.57 t(=1.5/0.2284)であり,これは 33 GWd/tPu の 9.64 t に相当する。投入すべき Th 量は 119 t である。 2. システム I 大規模に233U を生産する場合には,III 章のいくつかの 燃料集合体を組み合わせて使用するのが合理的である。こ こでは炉心 A, B, C, D を直列に組み合わせることを考え る。炉心 B の投入 Puf 量を炉心 A の取り出し Puf 量に一 致させるとすれば,IV1 節の炉心 A 運転の後に,0.233 基の炉心 B を運転することになる。同様にして炉心 C と 炉心 D を組み込む。すなわち,1 基の炉心 A の運転の後 に,0.233基の炉心 B を運転し,その後に0.119基の炉心 C を運転し,最後に0.0955基の炉心 D を運転する。この ような「ABWR の組み合わせ」をシステム I と定義する。 このシステムは炉心 A のほかにもう 1 基の ABWR を使 用し,この ABWR の燃料交換の際に,交換218体のうち 約51体(=218×0.233)を燃料集合体 b,約26体を燃料集 合体 c,約21 体を燃料集合体 d,残りの120 体を通常の UO2燃料集合体とする場合に近いと考えられる。 システム I の 1 サイクル当たりの物量収支を Table 7 の System I に示す。このシステムでは1.45基の ABWR を使 用する。投入する Puf と Th は炉心 A に等しいが,Uf 生 産量は 0.599 t(炉心 A の1.33 倍)に増加し,これにより FUJIU3 起動に要する運転期間を2.5サイクルに短縮して いる。このシステムに投入する Puf の 1 t 当たりの生産量 を Table 8 の System I に 示 す 。 こ の シ ス テ ム で は 投 入

(9)

Puf の 1 t 当たりに,0.3038 t の Uf を生産し,発電量は 390 GWd ( 炉 心 A の 1.45 倍 ) に , ま た , MA 生 成 量 は 0.151 t に増加する。このシステムから排出する PuT は 0.389 t となり,投入 PuT の27に減量され,Pu 組成は Puf/PuT=0.23 に劣化する。

FUJI U3 を 起 動 す る た め に 必 要 な 物 量 を Table 9 の System I に示す。システム I では1.45基の ABWR を使用 し,1.5 t の Uf 必要量を3.1年で生産する。このために投 入する Puf は 4.94 t(炉心 A の75),Th は 89.6 t に節減 できるが,濃縮ウランとして Uf0 を 0.39 t 投入しなけれ ばならない。 3. システム II 本節の ABWR の運転では,1 基の炉心 A の運転の後に, 0.233基の炉心 B を運転し,その後に0.118基の炉心 E を 運転し,最後に0.091基の炉心 F を運転する。このような 「ABWR の組み合わせ」をシステム II と定義する。 システム II の 1 サイクル当たりの物量収支を Table 7 の System II に示す。このシステムでは1.44基の ABWR を使用する。炉心 E, F の出力低下を考慮すると,システ ム出力は1.44基の ABWR 定格出力の0.978倍となる。投 入物量は炉心 A に等しいが,Uf 生産量は 0.600 t(システ ム I とほぼ同じ)であり,FUJIU3 起動に要する運転期間 は2.5サイクルである。このシステムに投入する Puf の 1 t 当たりの生産量を Table 8 の System II に示す。投入 Puf の 1 t 当たりに,0.3044 t の Uf を生産し,発電量は 380 GWd(システム I の97),MA 生成量は 0.141 t である。 このシステムから排出する PuT は 0.369 t で,投入 PuT の25に減量され,Pu 組成は Puf/PuT=0.18 に劣化す る。

FUJI U3 を 起 動 す る た め に 必 要 な 物 量 を Table 9 の System II に示す。システム II では1.44基の ABWR を使 用し,1.5 t の Uf 必要量を3.1年で生産する。このために システムに投入する Puf は 4.93 t(炉心 A の75),Th は 89.4 t である。

V. 結

本研 究 では , 軽水 炉 使用 済 燃料 から 得 られ る Pu (33 GWdPu)を(Pu+Th)O2燃料として ABWR に装荷して 233U を生産し,出力 200 MWe の燃料自給自足型トリウム 熔融塩炉(FUJIU3)を起動する可能性について検討し た。本研究の主な結果を整理すると以下のようになる。  33 GWdPu をワンスルーで使用する炉心 A として ABWR を運転すれば(燃料冷却と再処理の日数を除 い て ) 4.2 年 ご と に FUJI U3 起 動 に 必 要 な 1.5 t の 233U を生産できる。この間に ABWR に投入する核分 裂性プルトニウム(Puf)は 6.57 t である。炉心 A より 排 出 され る全 プ ルト ニ ウム (PuT )量 は 4.91 t (投 入 PuT の51)であり,組成は Puf/PuT=0.42 に劣化 する。  濃縮ウランを併用し多重リサイクルするシステム I と し て ABWR を 運 転 す れ ば , 3.1 年 ご と に 1.5 t の 233U 必 要 量 を 生 産 で き る 。 こ の 間 の 投 入 Puf 量 は 4.94 t であり,炉心 A の75に節減できる。システ ム I より排出される PuT 量は 1.93 t(投入 PuT の27 )であり,組成は Puf/PuT=0.23 に劣化する。ただ し,このシステムでは,濃縮ウランとして核分裂性ウ ランを 0.39 t 投入しなければならない。  燃料ピン数の少ない燃料集合体を使用し,多重リサ イクルするシステム II として ABWR を運転すれば, 3.1年ごとに233U 必要量を生産できる。この間の投入 Puf 量は 4.93 t であ り, シス テ ム I とほ ぼ同 量で あ る。システム II より排出される PuT 量は 1.84 t(投 入 PuT の25)であり,組成は Puf/PuT=0.18 に劣 化する。ただし,このシステムでは炉出力を定格出力 の97.8に下げなければならない。 上記~のように,本研究の方法は233U の生産能力 が大きい。したがって,余剰 Pu を蓄積した分だけ233U に転換し順次に FUJIU3 を起動して行けば,現在の軽水 炉発電所と共存しつつ Th 利用への道を開くことができる。 本研究を遂行するに当たり,大江謙介君(JFE)より(本 学学生時代に)数値計算に関する協力を得た。また,古川 和男氏(国際トリウム研)および加藤義夫氏(国際トリウム 研)よりフリガット法について有益な情報を頂いた。心よ り感謝の意を表します。 ― 参 考 文 献 ―

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Fig. 2 Cross sectional view of ABWR core (1/4)
Fig. 3 Uranium-enrichment (weight ) in the UO 2 fuel assemblies
Table 3 Compositions of plutonium isotopes in the fuel assemblies at EOL
Table 5 Composition of heavy metal in fuel assemblies
+3

参照

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