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JNET Vol.3 No.1 May 2009  

      2009 年 5 月 31 日発行 第 3 巻 第 1 号 編集・発行 NPO 法人日本脳神経血管内治療学会

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本書の著作権は当学会が所有しておりますので、当学会の許諾を得ないで本書の内容を 転載刊行することを禁じます。

編集後記

 この号には,内頚動脈の形成不全 dysgenesis(に伴う脳動脈瘤)・眼動脈の起始異常・中硬膜 動脈 (MMT)からの塞栓術(に使う新塞栓物質)の論文が掲載されている.編集後記にはならな いが少しコメントをしたい.内頚動脈の低形成・無形成や部分欠損の形成過程には,その原基か ら adult type の血管構築までの形成が,進行しない・途中で止まるようなイメージがある.しか し,大動脈弓(咽頭弓動脈)の発生を見ると多くの部分が退縮するのが正常なプロセスである ことから分かるように,内頚動脈の dysgenesis も一旦,形成された内頚動脈のいくつかの分節

(segmental concept による)が何らかの理由で,退縮した結果であるという見方も可能である.

ヒトの carotid rete はこのようなメカニズムで形成されると言われている.内頚動脈の形成不全 では,長期的には血行力学的なストレスによる脳動脈瘤形成の頻度は高く,この anomaly を偶然 発見した場合は,長期の経過観察が重要である.内頚動脈の形成不全は,側副血行路が発達する ため,通常,脳虚血症状は出ないが,Phace 症候群(血管腫・後頭蓋窩嚢胞・大動脈奇形・脳血 管形成不全など)に合併する場合には症候性の脳虚血発作が起こることがある.

 眼動脈の発生も興味深く,詳細に記載された Padget の論文では,原始眼動脈は,腹側眼動脈 と背側眼動脈から形成され,原始眼動脈の周囲に続いて形成される視神経管を通ると記載され ており,背側眼動脈が海綿静脈洞部から分岐し,上眼窩裂を通るとはどこにも書かれていない.

inferolateral trunk

(ILT)

から分岐する anomalous な眼動脈には異なった発生学的な説明が必要か もしれない. MMT の前枝は通常,眼動脈の涙腺枝と吻合を持つ.この吻合枝は上眼窩裂または lacrimal foramen を通る.塞栓術を行う時に問題になるほど,この涙腺枝が,視覚と関連する眼 動脈本管(つまり原始眼動脈)と眼窩内の second portion で吻合を持つかは症例毎によって異なる.

ILT から分岐する眼動脈も,MMT と眼動脈の吻合もともに発生学的には第

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咽頭弓動脈(hyoid bar)の上枝である supraorbital branch との関連が深いのであろう.

編集委員長 小宮山雅樹

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