京都府内のアカミミガメ分布調査
坂雅宏・多田哲子(京都府保健環境研究所)
A field study on the distribution of red-eared turtles in Kyoto Prefecture By Masahiro SAKA and Noriko TADA
環境省により「緊急に対策を要する外来種」として指定されたミシシッピアカミミガメは日本のほぼ全土に分布してい るが , 地域ごとに詳細な分布調査が行われた例は多くない .2007 年発行の「京都府外来種データブック」によると , 京都 府内における本種の分布域は目撃情報に基づき府南部に限定されていた(図 1). このデータブックは 2017 年度に改訂が 予定されており , 最新の分布状況を把握するため , 本種の生息が未確認とされている地域において目視と捕獲による分布 調査を , 管理者の許可を受けて 46 箇所のため池 ,8 つの河川 , 府内最大の淡水湖である離湖(京丹後市)において行った . 北部地域(綾部市・福知山市以北)では , 捕獲された 269 個体の淡水ガメのうち , 本種が 168 個体(62.5%)を占めた . 南部地域(八幡市と木津川市・南山城村)では , 捕獲された淡水ガメ 201 個体のうち , 本種が 86 個体(42.8%)を占めた . また , いずれの地域においても捕獲された本種の性比は著しく雌に偏っていた . 中部地域(南丹市・京丹波町)では 33 個体の淡水ガメが捕獲されたが本種は含まれておらず , また , 目視によっても本種の生息は確認できなかった . 本種が捕 獲された調査地点の中では , 雌雄が複数個体確認された地点が多く , 定着の可能性が強く示唆された . また , 調査した離 湖や幾つかのため池は , 本種がかなりの高密度で生息している , いわゆる「ホットスポット」と呼ばれる状態に達してい ることがうかがわれた . 本調査により , 京都府内の本種の分布域は中部地域を除き , ほぼ全域に拡大していることが確認 された(図 1).
図 1 京都府全域におけるミシシッピアカミミガメの分布状況 . グレーで着色された地域は 2007 年の「京都府外来 種データブック」に基づく本種の分布域 , 黒で着色された地域は今回の調査により本種の分布が新たに確認された地域を 示す .
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