• 検索結果がありません。

インテリジェントペダルシステムの開発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "インテリジェントペダルシステムの開発"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

インテリジェントペダルシステムの開発

1. はじめに

 モータリゼーションの発展に伴い,

交通事故の増加傾向が顕著となってき た現在,死亡重傷者数の低減のみなら ず,事故件数の低減は各国において課 題となっている.このような状況にか んがみ,自動車会社各社は事故低減の ためのさまざまな運転支援システムを 開発しており,今市場はその導入の揺 籃らん

期に直面している.たとえば,日本 では 2000 年の初頭に車間維持支援装 置,車線維持支援装置が,最近では衝 突速度低減ブレーキシステム,が市場 に投入されている.

 本稿では,ドライバの運転支援とい う観点から,ドライバが危険な状態に 滞在する時間を減らし,いかにして通

常の運転状態を維持できるかを考慮す ることにより開発した,新しい運転支 援システムの紹介を行う.

2. システム概要

 図 1 にインテリジェントペダルのシ ステムを紹介する.本システムは自車 前方の走行車両を認識するレーザレー ダセンサを備え,前車との相対距離お よび相対速度を算出する.算出された 距離および速度の情報により,車両の 減速度を自動的に制御する電子制御式 ブレーキアクチュエータとアクティブ な反力を発生させることができるアク セルペダルを備えている.前車との距 離および速度の情報に基づきアクセル ペダルに反力を発生させ,ドライバの ブレーキ操作に対する支援を行うシス テム構成となっている.

3. システム作動原理

 インテリジェントペダルの作動の特 徴は,ドライバがアクセルを操作して いる間は車両の挙動に変化がなく,シ ステムの制御よりもドライバの意思が 優先される点にある.ではどのような 条件で本システムが作動するのであろ うか,図 2 に本システムの作動原理を 示す.自車と先行車との距離および相 対速度から計算されたしきい値を図 2 ではシールドのような形で表現してお り,先行車がこのシールドに接触する ことによりシステムが作動する.

 図 2(a)は前車との距離,相対速 度が一定のしきい値を超えた場合を示 す.この場合はアクセルペダルに反力 が付加され,ドライバがアクセルペダ ルを戻すと,システムが滑らかにブ レーキをかけて減速し,ドライバの車 間維持操作を支援する.ドライバがア クセルを踏んでいる場合は,アクセル ペダルアクチュエータがアクセルペダ ルを押し戻す方向に力を発生させ,ア クセルペダルを戻す操作を支援する.

自動的な減速はドライバがアクセルペ ダルから足を離した場合に限り作動す

る.

 図 2(b)では先行車両が減速し,

ドライバのブレーキ操作が必要だとシ ステムが判断した場合,ディスプレイ の表示およびブザーによる警報で注意 を促すとともに,アクセルペダルアク チュエータがペダルを押し戻す方向に 力を発生させ,ドライバがアクセルペ ダルからブレーキペダルへ踏みかえる 操作を支援する.

 すなわち,外側のシールドにおける システムの主要な機能は,ドライバを 通常運転の状態に戻すように支援を行 うことにあり,この場合はドライバが 円滑に前車に追従するような支援をす る.

4. 本システムの効果

 図 3 は本システムの有無に関し,前 車への追従性能の差を示したものであ る.Peadl 反力付加および自動減速を 備えた本運転支援システムによって前 方車両への接近度合が緩やかになり,

オーバシュートもアンダシュートも低 減している.すなわちアクセルペダル 反力および制動力を制御することによ り,前方車両への接近を抑制すること ができる.その結果,頻繁なブレーキ 操作が必要となる交通状況において,

先行車に対する追従を容易にすること により,ドライバの運転負荷を軽減す ることが可能となる.

5. 終わりに

 インテリジェントペダルシステムは 車とドライバの協調運転をコンセプト として開発されたものであり,本シス テムに用いたアクセルペダルに対する 反力の生成という考え方は,ドライバ へ の Haptic Information( 触 覚 的 フィードバック)として類例がなく,

ドライバに対するブレーキ操作への支 援機能としての有効性が確認され,さ らに将来への発展が期待される.

(原稿受付 2008 年 3 月 6 日)

〔赤津洋介 日産自動車(株)〕

図1 インテリジェントペダルシステム構成

アクセルペダル反力制御

相対速度 相対距離

ブレーキアクチュエータ レーザレーダ 先行車 ブレーキ制御

図 3 先行車に対する追従性比較 先行車

先行車

インテリジェントペダルあり インテリジェントペダルなし

車速km/h車速km/h

時間(min)

時間(min)

図 2 インテリジェントペダル作動原理

先行車 先行車

自車 自車

(a) (b)

車間と速度により

決まるシールド 車間と速度により 決まるシールド

722

日本機械学会誌 2008. 8 Vol. 111  No.1077

─ 86 ─

参照

関連したドキュメント

主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開

事前調査を行う者の要件の新設 ■

「系統情報の公開」に関する留意事項

一方で、自動車や航空機などの移動体(モービルテキスタイル)の伸びは今後も拡大すると

手動のレバーを押して津波がどのようにして起きるかを観察 することができます。シミュレーターの前には、 「地図で見る日本

市民的その他のあらゆる分野において、他の 者との平等を基礎として全ての人権及び基本

 県民のリサイクルに対する意識の高揚や活動の定着化を図ることを目的に、「環境を守り、資源を

工事用車両が区道 679 号を走行す る際は、徐行運転等の指導徹底により