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渡 正亮・藤田寿雄 建設省土木研究所

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(1)

防災科学技術総合研究報告 第32号 1974年3月

551・243:551.3(552.2)

北松型地すべりの運動機構に関する研究(111)

       鷲尾岳地すべり移動鰍則

渡 正亮・藤田寿雄

建設省土木研究所

On Mechanism of Landslides in the Hokush◎Area(ll1)

 一Date◎f the Observati◎ns with Tensometers,

Tiltmeters and Strain Gauge Pipes in the Washi◎dake       Landslide Area

By

     Masasuke Watari and Hisao Fujita

〃舳c〃o欣∫他醐rc〃〃∫f〃〃ε,〃〃1∫ηoグ0oη∫舳〃o〃,乃ゆo

      Abstract

  Observation had been ca㎡ed on since1968for Washiodake Landslide,and the data from 1968to May1969were pub1ished in the first report,and the data from May1969to October 1970in the second正eport.The data contained in this report were co11ected in the period fmm October1970to March1972.

  The apparatus used in this1andslide observation are ti1tmeters,tensometers,and strain gauge pipesfordetectionoflandslipsurface.

  According to the analysis of data,the resu1ts in血cate that this large1ands1ide wou1d be divided into three b1ocks and the s1ip surface exists in a thin coa11ayer ca11ed hedamono 。

      目 1 まえがき……・…      .131 2 測定結果からみたこれまでの移動

 の特色一一一…一 1 一一一 II I   …133

3 昭和45年11月〜47年3月の観測

 結果……一…一…        一133

 3,1 地盤傾斜計………

 3.2 地すべり地表面伸縮計…

 3.3 地中ひずみ計……・

4.おわりに…

・・133

・134

135

135

1、ま え が き

 北松型地すべりの発生機構およぴ予知に関する 研究の一環としてとりあげられた運動機構に関す る研究は,試験地すべり地である鷲尾岳における 移動観測結果を基礎資料として,これに他研究機 関によって同時に実施されている.地形地質に関 する研究,すべり面。気象,地下水などの観測資 料を加えて検討し,北松型地すべりの運動特性を

把握することによって,これに適応した防止対策 工法の計画設計,基準化に資することを目的とし

た.

 観測は昭和43年度後半から開始され,その資料 は昭和44年5月23目までのものが第1報に,また,

それにより昭和45年10月末に至る記録を第2報に 集録してそれぞれに検討を加えている。

 本報では昭和45年11月より昭和47年3月まで

_131_

(2)

北松型地すべり0)発生機構およぴ予勧に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 第32号 1974

→伸 竈 計 1に 斜 盲ナ ー内部じスミ計  アロツク兄

観測位置図

図一1

(3)

北松型地すべりσ)運動機構に関する研究伽D一渡・藤出

の観測資料の整理結果を掲げ,観測について若干 の考察を附するものである.

 観測項目は第2報によるものと同様で,地すべ り亀裂をはさんだ伸縮地すべり計,水管式地盤傾 斜計,およびボーリング孔中に埋設した地中パイ プひずみ計の3種であり,その観測地点は図一1,

数量等は表一1のとおりである.

2・測定結果からみたこれまでの移動の特色  地すべりの変動は各種の測定器によりそれぞれ 特色ある記録が得られるいる・

 特に伸縮計による測定では,この地すべりのブ ロック分けが可能となるような資料が得られ,ま た大きな変動は台風時の豪雨によるもので,通常 の降雨時の移動は小さいことがわかった。

 すべり面としては,ヘダモノ層での変位がいち じるしく,これが主すべり面となることは明らか であるが,この他のヘダモノ層より上部の炭層付 近でもひずみの累積がみられるので,すべり面は ブロックによって数枚の存在が考えられるが,こ

れは炭層の位置により斜面の途中にすべり面がで てくるものもあるから,地すべりを細かくみれば さらにブロック分けが可能になる.

 一方,これに対して地盤傾斜計では,移動の大き い時期でもきわだった変動はみられない.これは 計器の設置が伸縮計の位置とは離れていること,

またこの地すべηがきわめて平担なヘダモノ層を すべり面とする層すべり型であるためかとも推察 されている.たた,すべり区域において,基底変 動量を測定するためのK−5は累積変動量が大き く,かならずしも安定地盤ではなかったことが知

られた.

3.昭和45年11月〜47年3月の観測結果

3.1 地盤傾斜計

 K−3 Bブロックの東側斜面にあり,主地す   り斜面の中の小地すべりの変動を調べたもの   である・変動量は少ないが,降雨時にN−S   方向の累積が若干みられる.

鯛1∵舳u∴概

  (K−3,K−5については継続)

新 設 K−61昭和仙年11月2i日設置

  K− 71        (N−S方向故随のため12月30日から観碩■」)

  K− 8■   〃

  K−101      25日設竈(E→V方向故陰のため]月27日から観測)

f車縮計

新設

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(S−3

昭和44年11月7日圭で観碩1」,11月11日徹去

  .S−4,S■5,S−10について継続)

S−61昭和μ隼11月13日設口,観碩1」開始

S−71          .  

  S− 8   S−10,

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地中内部ひずみ計

新 設

11月14日 工1月]2日

11月14日

D−5 昭和45年8月31日三で観測.以後饒碩1j不能

(D−5以外は脳続)

D−12昭秘5隼5月78から蟹測開始

表一1

観測計器一覧表

一133一

(4)

北松型地すぺりの発生機榑およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 第32号 1974

K−5 不動地とした地点で基底変動量の観測  を目的としたが,これまでの変動は不定で潜  在性地すぺりの可能牲も示したが,今回の記  録ではほとんど変化がない。

K−6 Aプロック下端で玄武岩脈の南側に説

 置したもので,一般に不安定で,伸縮計にみ  られるようなはっきりした変動期間がない。

 これはAの末端にあるため下方Bブロックの  影響のため地すべりの移動停止が降雨時期よ  りずれるためであろう.

K−7 Cブロツクの下端にあつてコンプレツ

 ションゾーンにあるが,すべり面が斜面の途  中を切っているかどうかによって変動量の特  惟が明らかにされる地点である.記録による  と,変動量は小さく安定で6月の降雨でも変  化は小さい.11月から12月にかけて目変動  量5秒前後のE−W方向の累積がみられるが,

 その後回復しており,この付近でもまだすべ  り面が一定の方向に傾斜している層すべり部  分であるように推察される。

K−8 ,K−9  K−7 同様にCブロックの

 末端であるが,ヘダモノ層の位置が地表に近  く現われる地点で,末端の盛り上がりの影響  が計測されると推察された。K−g の記録で  6月の降雨以降N−S方向のみの累積がいち  じるしく,E−W方向の変化はほとんどない  ことが明らかであろう.地すべりの方向はN  方向にむいていて,この地点ですべり面が上  向きになっていることを示しているが変動量  は小さく,半年間で約120秒,その後変化が  ないのでその勾配は小さい.

K−10  松浦川右岸,地すべり対岸の砂岩台

 地にK−5にかわって基底変動量測定のため  設置したものである・変化はほとんどなく・

 この地方の地盤が比較的安定していることを  示している。日平均変動量は2〜3秒である.

3.2 地すべり地表面伸縮計

 観測期間中の変位は,設置点によってそれぞれ 特色があり,変動が長期間続くもの,あるいは降 雨に直接関連をもって動き,すぐ安定する地点な

どの記録が知られる.

 降雨による地すべり変動の開始点が比較的明ら かな記録は46年5月27日,9月5日,47年1月 31目などの降雨時の変位にみられる.

 特に1月31日の結果では最上部滑落崖における

N皿1と最下部末端のN皿5,またCブロック頭部滑 落崖のNα3の間の移動開始の時間のずれはほぼ4 時間と考えられ,第2報に示したように,A,B,

Cブロックの変動の特性が同じように現われてい るので,少なくともこの3区分については信頼性 が増したように考えられる.

 S−1,S−1 Aブロツクの頭部滑落崖にあ

  り,変動が始まると,比較的継続的な変位が   ある.9月5目の降雨による移動量はわずか   3mにすぎないが,9月14目頃まで10目問   の変動である.全般に多量の降雨がなくとも   若干のゆるい変動があって,Bブロックの移   動によって引きずられたのがAブロックの地   すべりであろう.

 S−3,S−3  Cブロックの滑落崖に位置す

  る.変動は少なく1mたらずであるが,階段   状の変化を示すことが多い・これは明らかに   層すべりの特色を示すものであってAブロッ   クの運動機構と異なる.

 S−4,S−4  Cブロックの西側面亀裂をは

  さんだもので滑落崖に比較すると変位はやや   大きく2〜3mの変位が1回の変動でみられ   るが,この付近はまた亀裂が多くはいってい   るので,細分された土塊の中に計器の設置点   がある可能牲があり,変位は伸ぴ縮みが複雑   に現われる記録となっているし,また明らか   な移動開始点とした9月5目あたりの変位は   記録されていないことなどで全体の変動を示   すデータとはできないようである.

 S−5 地すべり末端のヘダモノ層の露頭と不   動点を結ぶもので,降雨などの影響がきわめ   てよく判明する記録が得られる.変動はS−

  3などと同様で階段状を示し,地すべり開始   点,休止点が明瞭である.たとえば5月27目   の変位は約20時間で2m,9月5目では12時   間で4mである.これらの記録は降雨の時閻   累加曲線や,間隙水圧測定記録と対比するこ   とによってさらにBブロックの安定度の判定

 に禾1』用できよう一

  この地点での移動開始は他の測点にくらべ て最も早く,このブロックが地すべりの主体  を占めることを示していることが予測される.

S−6 ,S−71,S−8  Aブロック末端で

西側面の連続測線である.S−61は緩勾配の 継続した伸ぴ傾向,S−7 は伸縮両方である が,9月4日の比較的早期の2.5mに及ぶ伸

(5)

北松型地すぺりび)運動機構に関する研究oΦ一渡・藤出

  びがある.S−81では小さな階段状の伸びを   示し,Aブロックの未端というよりもBブロ   ックの頭部であることを示しているようであ   る.

 S−10,S−l01 Bブロツクの上部の東側斜   面の小地すべり区域である一記録は全般に階   段状の縮み傾斜で。Bブロックの動きを示し   ているといえる.S−101における9月4〜

  5日の記録はS−5と似かよっているが,変   動は約24時間で3㎜であるが移動開始より約   8時間で2㎜の変位を示し,S−5に対応す

  るものであろう、

 S−111,S−121 Bブロック中部の東向き斜   面で,小地すべり地形をなす位置である、S   −111において5月27目の記録は移動開始8   時間で2.6m,9月4日では約4時間で3m   の縮みがでており,S−10 地点と同様に,

  層すべりタイプの開始休止点のはっきりした   移動特惟を示しているので,これもBブロッ   クの変動を示しているものとみてよいであろ   う.

 以上のように,平担なヘダモノ層をすべり面と する鷲尾岳地すべりの移動特性は伸縮計の記録か らみると,ある降雨量(100㎜程度)があったと き,短時間・数ミリの変動があって休止するもの のようで,降雨がその後いくらか継続してもこれ に続いて変動が同じような大きさで起きることは,

多量の集中豪雨時を除いてはなく,地下水の変化 か,すべり面の状態の変化をまって再ぴ移動可能 状態に復するという推定ができよう.しかし,そ れでも46年5月27目の変位のあと,6月初めの 50〜60mの降雨では変動がないことなどは一般の 地すべり地での頓向とはやや異なるが,地すべり の大きさに比してすべり面粘土層の薄いことや層

すべりであることなどがこの原因となるのかまだ 不明の点は多い、

3.3 地中ひずみ計

 計器埋設以来2年以上を経過して多くの観測孔 で断線かあるいは浸水のためか測定不能のゲージ が続出してきたので,観測孔によっては満足なひ ずみ柱状図の描けないものもでてきたが,参考の ため一応は前報同様の整理を行なった.

 測定結果:は前報と似かよった結果の累加であり,

新らたに得られる重要な情報はない、いずれも,

ヘダモノ層付近でのひずみの累積と,上部の炭層 におけるひずみの増加がやはり潜在的な地すべり 面の存在を示していることは同じである.

 また,ゲージの他の原因による老化が零点の変 位によるものか不明のはっきりしない変動が目立 つが,地すべり変位を確認できるような資料とな っていない.

4 お わ り に

 観測期間も2年を越え,計器故障による欠測が あったり,ひずみゲージが不調となったりして当 初の計測とかなり異なった観測網となったが,長 崎県当局のご協力と観測者の地道な努力のお蔭で 貴重な資料が収集されてきたことに感謝したい.

 鷲尾岳地すべりの運動の特色も平担なうすい連 続した粘土層をすべり面とする岩盤の層すべりを 示すいくっかの点が得られ,この機構の解明に一 歩進んだ資料となっているが,他の機関による資 料とのつき合わせができていないため,具体的な 解明に至っていない.地下水と間隙水圧,更には 気象,他下水流出などのデータ集を得たうえで改 めて検討してみたい.

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(6)

北松型地すべりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 第32号 1974

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(7)

北松型地すぺりの運動機構に関する研究⑭一渡・藤日ヨ

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北松型地すぺりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告第32号 1974

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北松型地すぺりの運動機構に関する研究⑪一渡・藤田

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北松型地すべりの発生機構およぴ予釦に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 第32号 1974

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北松型地すぺりの運動機構に関する研究⑭一渡・藤田

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北松型地すべりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 第32号 1974

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北松型地すべりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学枝術総合研究報告 第32号 1974

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北松型地すぺりの運動機構に関する研究⑰一渡・藤田

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(16)

北松型地すべりσ)発生機構および予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告第32号 1974

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北松型地すぺりの運動機樽に関する研究⑪一渡・藤田

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(18)

北松型地すべりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 第32亭1974

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(19)

北松型地すべりσ)運動機構に関する研究⑭一渡・藤田

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(20)

北松型地すべりの発生機樽およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告第32号 1974

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(21)

北松型地すべりの運動機構に関十る研究⑭一渡・藤田

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(22)

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(23)

北松型地すぺりの運動機構に関する研究⑭一渡・藤田

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(24)

北松型地すべりの発生機構およぴ予如に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告第32号 1974

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北松型地すべりの運動機構に関する研究⑭一渡・藤田

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(26)

北松型地すべりの発生機構およぴ千知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 第32号 1974

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(27)

北松型地すぺりの運動機構に関する研究⑪一渡・藤田

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図一4,5.b ひずみ計観測結果(ひずみ量日変化図)

(D−8−a)

一157一

(28)

北松型地すぺりの発生機構およぴ予如に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告第32号 1974

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(29)

北松型地すぺりの運動機構に関する研究⑭一渡・藤田

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参照

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