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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

生薬キキョウおよびゴシツの成分研究とその生物学的機能の解析 - 新規ヒトがん細胞増殖阻害物質の探索 -

専攻科目名 生薬学・植物薬品化学 氏 名 福村 基徳

内容要旨

サポニンには近年,鎮咳・去痰作用のほか,がん細胞に対する細胞増殖阻 害効果や抗炎症効果などの新たな生理活性のあることが報告され,注目さ れている。そこで今回,サポニン含有生薬として知られるキキョウおよび ゴシツの成分研究を行い,得られたサポニンの化学構造の解析を行うとと もに、サポニンがもつヒトがん細胞に対する増殖阻害効果の検定を行って、

サポニンに新規の抗がん剤としての利用価値があるかどうかを検索した。

生薬キキョウの成分研究では、8 種の新規トリテルペノイドサポニンを 単離した。これら 8 種のうち,4 種は遊離型

platycogenic acid A

を,

1

種は

platycogenic acid C

をアグリコンとするサポニンで,残り

3

種はグルクロン

酸を構成糖にもつ新規のサポニンであった。

一方,生薬ゴシツの成分研究では,遊離型の

achyranthoside

5

achyranthosides B, C, D, E, G

)と

2

種の

chikusetsusaponin

を単離した。こ れまでにゴシツのメチル化エキスよりメチルエステル化体として単離さ れたゴシツサポニン

8

種(

achyranthosides A

H

)のうち,今回,ゴシツの 非メチル化エキスより単離されなかった

3

種の

achyranthosides A, F, H

につ いては,ゴシツエキスの調製段階で受けた化学変化によってもたらされた 二次生成物であることを見出した。

次に、上記生薬の成分研究からえられたサポニンの生物学的機能をヒト がん細胞を用いて測定し、サポニンのもつ化学構造と機能発現との相関性 をはじめ、機能発現に関わる分子レベルでの制御機構の解明を試みた。

まずキキョウサポニンについては、ヒト白血病細胞

U937

およびヒト乳

がん細胞

MCF-7

に対する増殖阻害活性を測定した。その結果,今回新た

に単離した

2”-acetylpolygalacin D

に, これまでに報告されている

platycodin D

よりさらに強い、がん細胞の増殖に対する阻害活性のあることを見出し

た。さらに、キキョウサポニンのアグリコンに結合した糖鎖の構造変化が

阻害活性の発現に重要な役割を果たしていることを明らかにした。

(2)

見本3

ゴシツサポニンでは,分子内にもつ複数のカルボシキル基や水酸基がメ

チル化されることによってそれまでは認められなかったがん細胞に対す

る細胞増殖阻害活性が発現し,メチル化の度合いが高まるにつれて活性が

増強することや、反応するアルキル基のサイズを大きくすることでさらに

阻害活性の上昇を期待できることなどを見出した。さらに、ゴシツサポニ

ンのもつ細胞増殖阻害活性は,ミトコンドリアを介したカスパーゼ依存的

なアポトーシス誘導に基づくもので、多種のヒトがん細胞に強い細胞殺傷

効果を発揮できるということを明らかにした。これらの研究成果は,今回

単離したサポニン成分が適応範囲の広い抗がん剤として、さらには新たな

抗がん剤のリード化合物として利用価値のあるものであることを示唆し

ている。

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