論文内容要旨
ビルダグリプチンとメトホルミンの単剤併用から配合剤への切り替えに よる
HbA1c
改善効果薬物動態学 吉川雅之
【目的】
同一患者におけるメトホルミンとビルダグリプチンの単剤併用療法から 両薬物の配合剤(fixed-dose combination : FDC)への変更による血糖コ ントール改善効果への影響について後方視的検討を行った.
【方法】
対象期間は
2016
年4
月~2018年3
月とし,後方視的診療録調査を行った.昭和大学病院附属東病院に外来通院中で,食事・運動療法に加え,ビルダ グリプチンおよびメトホルミンの各製剤を用いた単剤併用療法を3ヵ月 以上施行していた患者のうち,同用量の同薬配合剤(ビルダグリプチン/
メトホルミン配合錠)へ変更した2型糖尿病患者を対象とし,FDC 変更 時の
HbA1c
とFDC
変更後8~12
週の外来診察時におけるHbA1c
値を調 査した.また,PDC(proportionof days covered)を用いて服薬遵守
についても調査した.【結果】
FDC
への変更後のHbA1c
(全99
例)は7.27±0.95%であり,変更前に比
較して平均−0.18%の有意な低下を認めた(p=0.0001, paired t-test).な かでも,血糖コントロール不良群(変更前HbA1c≧7%)および若年者(<
65
歳)においてFDC
変更後にHbA1c
値が低下していた.服薬遵守(proportion of days covered:PDC)は,HbA1c 8%以上の血糖コント ロール不良群において有意差はみられなかったものの,FDC 変更前後で 服薬遵守優良者(PDC≧90%)の割合に増加傾向がみられた(p = 0.1025).
FDC
への変更によりHbA1c
に改善がみられた患者の因子を検討するため,多変量ロジスティック回帰分析を行なった.単変量解析で
p
値が0.25
未 満であり関連が強いものを除いた因子(変更前HbA1c,年齢)
,および既 報にて関連性が示唆されている「変更前の服用薬剤数」を用いてステップ ワイズ法にて変数を選択した結果,変更前HbA1c
のみがFDC
変更によ りHbA1c
改善が期待できる影響因子として抽出された(p = 0.0349).【考察】
単剤併用療法を継続していた患者において,FDC への変更により,薬物
およびその用量を変えることなく