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Current Status and Features of ISO14001 Certification in Unviersities of Japan

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(1)九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository. Current Status and Features of ISO14001 Certification in Unviersities of Japan 馬場, 俊幸 九州大学大学院生物資源環境科学府. 武政, 剛弘 長崎大学環境科学部. 江頭, 和彦 九州大学大学院農学研究院. https://doi.org/10.15017/4377 出版情報:九州大学大学院農学研究院学芸雑誌. 61 (1), pp.7-23, 2006-02-01. Faculty of Agriculture, Kyushu University バージョン: 権利関係:.

(2) 九大農学芸誌(Sci.Bull.Fac.AgL,KyushuUniv.). 第61巻第1号. 7−23(2006). 大学におけるISO14001認証の取得の現状と特徴. 馬場俊幸1・武政剛弘2・江頭和彦* 九州大学大学院農学研究院植物資源科学部門植物生産科学講座土壌学研究室 (2005年10月14日受付,2005年11月16日受理). Cu坐rent. Status. and Features of ISO14001Certificatioh in Universities of Japan. Toshiyuki. BABA1,Takehiro. an(1Kazuhiko Laboratory. of. Soil. Department. Science,Division. of. Kyushu. 緒. Plant. of. TAKE血AsA2. EGAsHIRA* Soil. Science. Resources,Faculty. of. and. Plant. Production,. Agriculture,. University,Fukuoka812−8581,Japan. させるか否かなどにより,大学毎にそれぞれ特徴のあ 口. るものとなっている.. 日本では,1996年9月のISO14001規格の発行以来,. 本報では,国内の大学におけるISO14001認証取得. 既に2万を超える事業所が認証を取得している.業種. の現状を概観し,特徴的な取り組みを行っている大学. 別に見ると製造業が最も多く認証取得している中で,. について紹介する.次に,認証取得済みの大学の中か. 最近では,大学を中心とした教育機関による取得の事. ら3つの大学を取り上げ,そのEMS要素の特徴を比. 例も徐々に増えている.大学がISO14001認証を取得. 較し,共通性と同時に,大学間でどのような違いがあ. する目的として,次のような事項を挙げることができ. るかを検証する.更に,未取得の大学が今後EMSを. る(馬場ら,2005):①環境を専門的に教育する学部. 構築し,認証取得を目指すには,どのような施策が求. として,世間に範を示す;②学生が就職活動をする際. められるかについての提言を試みる.. に,環境マネジメントシステム(Environmental Management. 調査方法. System:EMS)運用の経験が評価さ. れる;③環境に配慮した行動を積極的に行う学生を育. 国内の全ての大学1,126校を対象に,大学がホーム. 成する;④受験生が大学を選択する上で,大学側がア. ページ上で開示している情報,あるいはISO14001認. ピールするポイントとなる;⑤労働安全衛生や防災面. 証機関が公表している登録組織の情報を基に,ISO. を含め,大学が強化すべき法対応の基本管理ツールに. 14001の認証取得状況を確認した.このうち認証取得. できる.. 済みの大学に関しては,認証範囲と推進体制,環境方. これらのメリットは,概ね全ての大学に共通のもの. 針,適用法規制,環境目的・・目標,実施計画及び内部. である.しかし,現在の状況を見ると,ISO14001認. 監査等,EMSの具体的な内容について,より詳細な. 証取得への取り組みは,経営形態(国公立・私立)や. 調査を行った.. 教育内容(文系・理系)の違い,あるいは学生を参加. 大学間のEMS要素の比較では,福井大学環境マネ. 1九州大学大学院生物資源環境科学府植物資源科学専攻植物生産科学講座土壌学研究室 2長崎大学環境科学部環境科学科 1Laboratory. of. Soil. Science,Division. of. Soil. Science. and. Plant. Production,Department. of. Plant. sources,Graduate School of Bioresource and Bioenvironmental Sciences,Kyushu University 2Department of Environmental Studies,Faculty of Environmental Studies,Nagasaki University *Corresponding author(E−mail:kegashi@agr.kyushu−u.ac.jp)一. 一7一. Re−.

(3) 8. 馬場俊幸・武政剛弘・江頭和彦. ジメントマニュアル(福井大学,2004),芝浦工業大. ISO14001認証を取得したのを皮切りに,各地でEMS. 学環境管理マニュアル(芝浦工業大学環境改善委員. ¢)構築に取り組む大学が増え,以後着実に認証数が増. 会,2004)及び沖縄大学環境レポート2004(沖縄大学. 加している.. 環境管理事務局,2005)を主な資料として調査を行っ. 1.大学全体における認証取得の状況. た.. (1)認証取得済み大学の所在地. 大学における. 我が国には,関東などの都市部を中心に,2005年4. ISO14001認証取得の概況. 月時点で1,126校の大学が存在する.これら大学のう. ち,ISQ14001認証取得済みの廻確の所在地を図1に. 日本でISO14001の認証を取得している事業所の数 は,日本適合性認定協会ホニムページ掲載データによ. 示す(東京農業大学は世田谷キャンパス,厚木キャン. れば,2005年6月20日時点で21,749に達している.産. パス,オホーツクキャンパスの3サイトで取得してい. 業分野別にみると,全体の0。5%に相当する100件が教. るが,本部の世田谷キヤンパスのみを図示した)・認. 育機関の認証である.2005年6月末時点で,大学関係1. 証取得済みの大学は,関東地区と東海地区に集中して. は49件である.表1に49大学を取得時期の順序に示す.. いる.都道府県を,大学数に占める認証取得校の比率. 1998年10月に武蔵工業大学が,国内の大学で初めて. の順に並べたのが表2である.都道府県の中で取得数. 鋒・. ・.鐘蕪. 繕再. .湊 蕊騒 ●(沖縄). 図1. 1SO14001認証取得済み大学の所在地(2005年6月末時点) 本部所在地のみを対象とした.. 〜.

(4) 9. 大学におけるISO14001認証取得 表1. 日本におけるISO14001認証取得済みの大学 2005年6月末時点. M大学名 1武蔵工業大学. 2法政大学 3京都精華大学 4早稲田大学. 5玉川大学 6芝浦工業大学 7四日市大学 8呉大学. 9信州大学. 対象学部. 取得時期. 環境情報学部(横浜キャンパス) 1998/10/28 市ヶ谷キャンパス 1999/9/29 多摩キャンパス含む. キャンパス全域 西早稲田キャンパス キャンパス全域 大宮キャンパス キャンパス全域. 2000/3/25. 2000/6/2. 2000/12/25玉川学園傘下の高校などと統合認証 2001/3/9 2001/3/28. 社会情報学部及び大学院社会情報研究科. 2001/4/20. 若里キャンパス全域 キャンパス全域 常葉学園大学・大学院 薬学部・大江キャンパス キャンパス全域 キャンパス全域 キャンパス全域. 2001/5/30. 10日本工業大学 11常葉学園大学 12熊本大学 13京都工芸繊維大学 14浜松大学 15名古屋産業大学 16名古屋経営短期大学キャンパス全域. 2001/6/27. 17工学院大学 18東京農業大学 19三重県立看護大学 20沖縄大学 21名城大学 22大垣女子短期大学 23帝京科学大学 24鳥取環境大学 25福井大学 26岐阜大学 27長崎大学. 2001/11/28. 28岡山大学 29九州東海大学 30千葉商科大学 31千葉短期大学. 32山梨大学 33日本大学. 34東海大学. 備考. キャンパス全域 世田谷キャンパス他 キャンパス全域 キャンパス全域 キャンパス全域 キャンパス全域 キャンパス全域 環境情報学部他 文京キャンパス全域 地域科学部 環境科学部,他6センター. 2004年3月に若里キャンパス全域に拡大.学生参加型. 2001/7/17. 2001/9/6 2004/1/15に工学部物質生命化学科追加 2001/9/10 2003/9/16キャンパス全域に拡大 2001/10/4. 2001/11/26. 2001/11/26名古屋産業大学と統合認証 2002/2/28. 厚木キャンパス,オホーツクキャンパス含む. 2002/3/21. 2002/5/17. 学生参加型. 2002/6/13. 2002/10/21 2003/1/22 2003/2/26. 2003年3月. 附属小・中学校も含む. 2003/3/20 2003/3/20. 保健環境センター環境安全部門2003/3/24 熊本キャンパス,阿蘇キャンパス. 国府台キャンパス 国府台キャンパス. 甲府キャンパス 工学部. 2003/3/31. 2003/3/31 2003/3/31 千葉商科大学と統合認証 2003/4/7. 2003/4/11. 湘南校舎及び医療技術短期大学2003/6/7. 35東海大学医療技術短期大学全学. 2003/6/7 東海大学と統合認証 2003/8/8 37明治大学 駿河台A地区 2003/10/16 38富士常葉大学 キャンパス全域 2003/11/12学生参加型 39聖徳大学 大学,大学院 2003/11/18 40聖徳大学短期大学部全学 2003/11/18聖徳大学と統合認証 41昭和女子大学 世田谷キャンパス他 2003/12/5 42昭和女子大学短期大学部世田谷キャンパス他 2003/12/5 昭和女子大学と統合認証 43福岡工業大学 社会環境学部 2003/12/26学生参加型 44筑波大学 農林技術センター(筑波地区) 2004/2/19 45桐生短期大学 キャンパス全域 2004/10/12 46一宮女子短期大学 本部 2004/12/10 47千葉大学 西千葉キャンパス 2005/1/27 学生参加型 48宇部フロンティア大学キャンパス全域 2005/3/16 49神戸国際大学 本学1号館 2005/3/28 36東京理科大学. 久喜校舎. 認証取得数は本部所在地のみ対象とする. 対象は学部もしくは大学院に限り,大学附属病院などの機関は含まない..

(5) 10. 馬場俊幸・武政剛弘・江頭和彦. が最も多いのは東京都で,11校が取得している.しか. 都道府県名. 図2にISO14001認証取得の時期別件数を示す. 2003年3月に6校が取得したのをピークとして,現在 は落ち着く傾向にある.しかし,事業計画や中期目標・. 中期計画でISO14001認証取得を目標に掲げている大 学は多数あり,今後認証数は着実に増えていくと思わ れる.. (3)認証までの準備期間. EMSを構築し運用するには,対象となるサイトの 環境側面調査,適用法規の確認,著しい環境側面を持 つ作業の手順書作成,関係者への周知・教育など,サ イトの全てを把握し管理する必要がある.そのため,. 組織の規模が大きくなるほど,認証にかかる準備作業 も膨大になるのが普通である.認証活動の開始(キッ. クオフ)時期を公表している22校について,キックオ. フから認証取得までの期間と学生数の関係を図3に示 す.. この22校の中には,認証範囲を一部の学部に限定し ている大学も含まれているため,厳密な比較はできな. いとしても,大学の大半がおよそ1年から1年半の準 備期間で取得していることから,民間企業とは異なり,. 大学の規模(学生数)と認証取得期間には比例関係が 存在しないと言える.これは,大学の環境負荷が製造 業と比べて格段に小さく,環境側面や適用法規の洗い 出しの期間が短くて済むためではないかと考えられる.. この他,EMSの適用範囲に学生を含めていない大学 が多く,作業手順や緊急事態対応などの実地教育訓練 の対象者が限定されていることも理由に挙げられる. (4)大学の経営形態による比較. 表3に大学の経営形態別のISO14001認証取得数と 取得率を示す.認証数では私立大学が最も多く,一国立. 大学が続く.公立大学ではまだ1校しか取得事例がな い.しかし,大学数に対する認証取得校の比率は国立 大学が高く12.0%で,私立大学の4.0%の3倍である.. 図4には,図2の認証取得の時期別件数を,私立大 学と国公立大学とに分けて示す.ISO14001認証取得. 4. 合計. 57 170 n4 761 53 200 51 3n6121220911 9411313154 74 1 17 41 07 22 43 71 26 59 41 5598514447. (2)認証取得時期. 県県県県県県県県県県県県都県県県県府県県県県県道県県県県県県県県県県県府県県県県県県県県県.県県 山 ︐ 島 取重井梨本岡縄阜葉城崎・京野知玉馬都型島庫岡海森手城田形島木潟山川賀阪良歌根島川媛知賀分崎児. 国の都道府県中2番目に多い85校が存在するけれども,. 認証取得校は0である.. 大学数. 1126. 脳既%隅窩脳璃跳幌脳既窩筋筋脳脳脳端鰯端錫筋跳眺眺眺眺眺脳幅脳幌眺脳脳眺眺眺眺幅眺幅幅眺眺幅眺 3 111111111 1212231 1 2421111421221111000000. 6%となる.一方,鳥取県は3校のうち1校が取得し. 鳥三福山熊静沖岐千茨長山東長愛埼群京神岡広兵福北青岩宮秋山福栃新富石滋大奈和島徳香愛山口同佐大宮鹿. 都道府県別の大学によるISO14001認証取得 数と取得率(本部所在地のみ対象). ており,取得率は全国で最も高い.逆に大阪府は,全. 表2. 2 2 29 42 20 42 42 22 42 24 42 24 44 22 4 12344678910n121314151614 74 1 841 24 122 24 22 442 42 24 422. し,大学の数も他県と比べて数倍多いため,取得率は. 取得数. 取得率. 49. 都道府県別の取得数は,日本適合性認定協会HPよ り参照..

(6) 大学におけるISO14001認証取得. 11. 8 7 6 5 無. 辻4. 3 2. 1 0. 試試轟撃♂〜試心亭♂\心懸ヤ試ゐΦ轟旗轟ヤ試心懸\試 1時期 図2. 1SO14001認証取得の時期別件数. 30 25 ∩∠. 0. イー. ﹃︾. ⇔ 0. ︷ー. ︵皿︶踵距埋紺嘩爵. ◆ ◆. ◆. 3⇔◆◆. 亀. ◆ ◆. ◆◆. 5 0. 0. 5000. 10000. 15000. 20000. 25000. 30000. 35000. 学生数(人). 図3 表3. 大学の認証取得の準備期間と規模の関係. 大学の経営形態別ISO14001認証取得数と 取得率. 経営の形態 国立大学 公立大学 私立大学. 大学数 83 77. 955. 取得数 10 1 38. その他*. 11. 0. 計. 1126. 49. *文部科学省以外の省庁所管の学校.. 取得率 12.0% 1.3% 4.0%. 0.0% 4.4%. は私立大学が先行し,その後も一定のペースで件数を. 伸ばしている.これは,私立大学の経営体制が理事長. をトップとしたトップダウン型で,EMSの構築に適 していることによると考えられる.これに対し,国公. 立大学では3年ほど遅れて,信州大学,熊本大学,京 都工芸繊維大学の順に認証を取得している.これは,. 2004年度からの国立大学法人化への対策を考慮し,.

(7) 馬場俊幸・武政剛弘・江頭和彦. 12. 5. 4 3. 塵]・. 麟. 証2. 1. 轟撃轟も心ツ轟』轟蓉ツ♂〜認も心撃諏》bゐ榔鰍轟も心ツ♂〜轟も心ツ♂厭ず 時期 5 4 国公立大学 無. 3. ‡2、 1. 轟燕轟》も心蟹轟レ轟愚緊♂〜認も心撃諏制もゐ愚. 轟転轟難心撃認も轟ツ♂〜轟も. 時期 図4. 経営形態別,ISO14001認証取得の時期別件数. 「特徴ある大学作り」の一環として,国立大学がISO. ISO14001認証取得49大学について,取得学部を文 系学部,理系学部,来系学部ナ理系学部及び文理融合. 学部の4タイプに分けて,その取得数と49に対する構 成比を表4に示す.文系学部と文系学部+理系学部の 取得数が,理系学部の取得数を4校上回っている.し かし,学部間で取得数・取得率に本質的な差はないと. 言える.文理融合型学部の構成比が全体の10%を占め. 学部 文系 理系 文系+理系 文理融合 計. 取得数. −⊥¶←・−. (5)学部間の比較. 学部別ISO14001認証取得数と構成比 626霞U. 14001認証に乗り出したためではないかと推察される.. 表4. 49. 構成比 33% 24% 33% 10%. 100%. 各学部の分類は下記による.. 文系:文学,経済学,教育学など 理系・:理学,工学,農学,医学,歯学,薬学,. 栄養学など 文理融合:大学側の説明で文理融合とされて. いる学部. るのは,近年になって新設された,環境を専門に教育 する学部が多いからである.、国立大学では,・文系学部. のみの取得事例はない.. とから,EMSの共有が容易なためと思われる. この他,玉川大学(玉川学園)や一宮女子短期大学 のように,傘下の小・中・高校,幼稚園等を含めて統. 2.特徴的な取り組み内容の事例. 合認証を取得している私立大学もある.国立大学では,. (1)認証範囲. 福井大学と千葉大学が同じキャンパス内の附属小・中. 単一の大学ではなく,系列の大学/短期大学間で統. 学校等を含めて認証取得している.これらの事例に対. 合認証を取得しているケースがある.名古屋産業大学. し,常葉学園は,傘下に常葉学園大学,浜松大学,1富. と名古屋経営短期大学,東海大学と東海大学医療技術. 士常葉大学の3校を抱えながら,認証機関は,それぞ. 短期大学,聖徳大学と聖徳大学短期大学部,昭和女子. れ社団法人日本能率協会,財団法人日本品質保証機構,. 大学と昭和女子大学短期大学部の4例がこれに該当す. 株式会社日本環境認証機構と異なり,認証取得時期も. る.これらの大学は全て私立大学である.いずれの組. まちまちである.このことは,上述の8例とは異なり,. み合わせでも,同一キャンパス内に四年制大学と短期. サイトの所在地が静岡市,浜松市,富士市と離れてお. 大学の2校が併設されており,経営者が同じであるこ. り,地域性を考慮してそれぞれ独自のEMSを構築し.

(8) 大学におけるISO14001認証取得 たためと思われる.. 13. ②学生を準構成員として位置付け,一部参加させてい. 企業では,EMS(環境マネジメントシステム;ISO. る大学. 14000シリーズ)とQMS(品質マネジメントシステ. ③学生主体の推進組織を設け,EMS組織に組み込ん. ム;ISO9000シリーズ)の両方のシステムを構築・運. でいる大学. 用している事例が多数あり,最近では,大学において. に分けることができる.これら3タイプの中では,②. も,品質マネジメントシステムの国際規格であるISO. の形態を取っている大学が多い.③を実行している大. 9000シリーズの認証を取得する事例が出てきている.. 学の一つとして,千葉大学の環境マネジメント組織図. 聖徳学園と玉川学園はその事例であり,ISO14001と. を図5に示す.千葉大学では,「環境ISO学生委員会」. ISO9001の同時認証を受けている.附属病院など,関. が組織され,教職員で構成される「環境ISO企画委. 係機関においてISO9000シリーズの認証を取得して いる大学が見られること,ISO14001とISO9001の要. 員会」が担当する事務局の業務を一部分担している.. 内部環境監査の実施に際しても,環境マネジメント実. 求事項には共通点が多く,いずれか一方のマネジメン. 習の単位取得者がr環境ISO学生委員会. トシステムが運用されていれば,他方は比較的容易に. 部」のメンバーとなり,全ての内部監査実施チームに. 構築することが可能なことから,今後同時認証の形態. 参加する.このように,学生が直接にEMSの運営に 携わることは,学生のISO14001規格に対する理解を. が増えてくることが予想される.. 内部監査. 深める上で非常に有効である.この他,日本工業大学. (2)EMSへの学生の参与. のように,学生環境方針と言われる文書を制定し,学. EMSへの学生の参与形態を分類すると, ①教職員だけで推進体制を構築している大学. 生向けのEMSを,通常のEMSと並行して運用して いる事例も見られる.. ACT. 匿塑千葉大システムの特徴. 環境管理責任者. 環境ISO内部監査実施チーム 内部監査責任者 内部監査研修修了者. 学長. キャンパス整備企画室長 環境!SO企画委員会主査. CHECK. PしへN. (施設環境部). 環境ISO規格委員会. DO. サポート. 境務 環事. 各地犀幹事で構成. so. 環境ISO. 実習. 西千葉地区実行委員会. 環轍so学i生萎叢糞. 幹事+部局等代表委員. ン. ア育発シア基プ生部. 基セセスメ盤実管 盤ンンテう技験理. セタ1タ1ム. ン. タ1. 事務局. 術施機. セカ研設構. ンル究. タ1工施. 学設. 学部. 大学院. 各ユニット. 各ユニット. 各ユニット. 各ユニット. 責任者. 責任者. 責任者. 責任者. センター等. 図5. 萎欝嶽講稜. 構内事業者. 菱響鐵騨難 灘楼幾、. 各ユニット. 穣毛区確甫蔭.治嚢蓮絡脇灘嚢. セタ1教開オ報衛本. 構内事業者A 構内事業者B 構内事業者C 学校福祉協会 生活共同組合. モンデ1学育イテォ青ト1全産. 鰍驚勤雑園 ・灘醗麟蟻灘難 雛罵鱒離鞍. 部局. サポート. 児童生徒への指導. 環分総先国海フ電ア総知 境析合進際洋口子イ合的 リセメ科教バン光ソ安財. 附属図書館. 文教法理薬工 学育経学学学 部学学部部部 部部. 専門法務研究科 自然科学研究科 社会文化科学研究科 社会科学研究科 文学研究科 教育学研究科. 企財学 画務生設 総部部環 務 境 部 部. 事務局の疑事を灘獲. 局. 責任者. 千葉大学のEMS組織図. (千葉大学ホームページより引用,一部修正) 部局とは,学部,大学院研究科,センター,附属学校などのレベルの管理単位を指す ユニットとは, 部局内に設けられた管理単位で,実験系は概ね研究室単位,非実験系は概ね学科単位で設けられている..

(9) 馬場俊幸・武』政剛弘・江頭和彦. 14. これら3大学は,福井大学が国立大学文系学部+理系. (3)EMSの外部への開示. 学部,芝浦工業大学が私立大学理系学部,沖縄大学が. ISO14001規格の,環境方針に関する要求事項の一. 私立大学文系学部と、対比される他,学生の参与度(教. つに,r一般の人々が入手可能である」という項目が. 職員中心/学生参加/中間),文書体系(マニュアル集. ある.・環境方針の開示手段としては,印刷物の配布,. 中/下位文書充実),適用法規の考え方(網羅的/限定. 学内掲示,インターネット上での公開などが考えられ. 的),実施計画(ハード中心/ソフト中心)において. る.このうちインターネット上での公開は,全国の不. も相互に対比されうる.. 特定多数の人がアクセス可能であることから,環境方. 表6に福井大学,芝浦工業大学,』沖縄大学のEMS. 針の開示に適した手段である.表5には,表1に示す. 要素の対比一覧を示す.以下に,各大学における. 各大学のインターネット(Web)を利用したEMS開. EMS要素の特徴を比較する.. 示状況を示す.ISO14001認証取得大学49校のうち, 46校が大学のホームページ上で環境方針を公開してい. 1.認証範囲とEMS推進体制. る.環境方針以外のEMS情報の開示状況は,大学間. 福井大学は,文京キャンパスが認証を取得しており,. の差が大きい.最も開示レベルが高いのは芝浦工業大. 認証範囲には教育科学部及び工学部に加え,附属小・. 学で,環境側面,適用法規制などの基本的なEMS登. 中学校などが含まれる.福井大学には,医学部が設置. 録内容に加え,環境マネジメントマニュアルから末端. される松岡キャンパスもあるのに,こちらは認証範囲. の手順書や様式に至る,全てのEMS文書をホームペー. 外である.これは,医学部の活動が人命に関わるもの. ジに掲載している。. であり,環境負荷の削減が困難だからであろうと推測. ISO14001の審査を受けている組織の大部分が,環 境マネジメントマニュアルを作成しており,この文書. 14001認証を取得している大学はない.. される.全国的にも,医学部を対象範囲に含めてISO. 工業大学,工学院大学,東京農業大学,福井大学,千. 芝浦工業大学は大宮キャンパスが認証を取得し,シ ヌテム工学部と工学部が認証範囲に含まれる.もう一. 葉大学の5校は,環境マネジメントマニュアルを Web上で公開している.但し,EMSの仕組みだけで. 沖縄大学は全キャンパスを対象として認証取得し,法. なく,活動の実施状況まで確認するのであれば,環境. 経学部と人文学部が含まれる.しきずれの大学も,構内. 報告書がより適している.現時点で環境報告書を発行. 協力会社をEMSの対象に加えている. EMS推進体制におけるトップマネジメントは,福. を見ればEMSの概要を把握することができる.芝浦. している大学は,早稲田大学,日本工業大学(Web. つのサイトである芝浦キャンパスは対象範囲外である。. 井大学が学長(最高責任者),芝浦工業大学が副学長. 上では非公開),沖縄大学,福井大学及び千葉大学の 5校である.「環境惰報の提供の促進等による特定事. (環境管理総括者),沖縄大学が学長となっており,ほ. 業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」. ぼ同一の形態である.しかし,福井大学が学部や事務. において,61の国立大学が特定法人に指定され,率先. 部門毎に複数の環境管理責任者を置いているのに対し,. して環境報告書を作成・普及することが求められてい. 芝浦工業大学と沖縄大学では,事務部門の責任者が環. る.そめ他の大学においても,環境報告書の作成は,. 境管理責任者に任命されている点が異なる.学生の. 是非取り組んでもらいたい活動のrつである。. EMSへの参与については,福井大学が教職員主体の. 大学間のEMS要素の比較 認証取得済みの大学におけるEMSにどのような違. 組織であるのに対し,芝浦工業大学では学生が内部環 境監査メンバーの一員である上,認証機関による審査 の対象範囲にも含まれる.更に沖縄大学では,芝浦工. いがあるかを比較検証するために,表5に示すように,. 業大学と同様の活動に加えて,学生が環境教育や緊急. EMS登録内容の開示が進んでいる福井大学文京キャ. 事態対応訓練の対象に含まれている.従って,福井大. ンパス(以下,福井大学と略す),芝浦工業大学木宮『. 学,芝浦工業大学,沖縄大学の順に学生の参与度が高. キャンパス(以下,芝浦工業大学と略す),沖縄大学. くなる.. の3校を先進的代表事例として取り上げるl. I各大学の. 2.環境方針. 認証範囲と推進体制,環境方針,適用法規制等,環境 目的・目標,実施計画あ概要,』EMS文書及び内部監、. 』環境方針のうち,環境負荷低減.法規制等の順守,. 査について説明し,3大学のEMS要素を対比する.. 学生に対する環境教育の実施,教職員による環境研究.

(10) 報 情 連. 果 成 究. 関 動 研 境 活 境 諸 環. 環. み 組 り. 報 情 連. 関 境取環 境 環. 報 ル 情 ア 連 ユ 関. 環. 二境. マ. ×××O×××××△×××××××××○××××○×××××××××××××××××××××O××. ×××××O××××.×x×××××○××︐××××××××××××××××××××××x××××××. ×××××○×××××××××××○×××××××××××××××××××××××××××××××. ×××××○×△××××××××OO××△×××O××××××△××××××××××××××○××. ×××××××××××××××××○×△×××××××××××××××○×××××××××××××. ××××XO×OOO××××××OO××O×○×O×O×××××××××○×××××OO××○×X. ×××××○××××××O×○OO××O××××○×○××○○××××××××××××O××○××. ×××○×○×××○△×O×○○○××○○○○×○×○×△○○××OOO△××××××OO×O××. X××××○××××××××××○○×○××××○×××X×××××××○××××××○××O××. ×××××○×××××××××××××○××××○××××××××××××××××××○×××××. 学. 学. 学. 学. 学. 大 期学学. ・学大. 大 学護. 短大大. 大 期学 維 短大. 大大繊営業学大看. 学学. 学学学. 大大大. 学 大. 期 短. 術 技学. 部. 学学. 部. 大 大 期学鵬学. 学. 学大. 大 ア 学期 イ学. 療大大短大学大大短万大. 学. ○○○○OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO×O××. 学. 大大学大学. 瑳鞭犠献学撰鐸薙麗麟疑酵叢群慧簾麟羅群犠馨難酵綴輪難誌. 蔵政都稲川浦日大州本葉本都松古古学京重縄城垣京取井阜崎山列葉葉梨本海海京治士徳徳和和岡波生宮葉部戸 武法京早玉芝四呉信日常熊京浜名名工東三沖名大帝鳥福岐長岡九千千山日東東東明富聖聖昭昭福筑桐一千宇神. 一:不明. ×:開示なし. △:一部開示あり. 1234516 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 11 11 11 11 12 22 22 22 22 23 33 33 33 33 34 44 44 44 44 4 6789. O:開示あり. し針針しし針し針針しし針ししししし針しし針し針し針し針針し針針針針しし針針 しし針針針針針 針 な方方なな方な方方なな方ななななな方なな方な方な方な方方な方方方方なな方方一なな方方方方方一方一一. EMS登録内容の開示状況 環境方針上でWeb開示 方針側面 法 目標計画体制監査マニュアル手順様式報告書を宣言している内容 甑大学名. 1SO14001認証取得大学における,インターネット(Web)によるEMS登録内容の開示状況 表5. 15. 大学におけるISO14001認証取得. 2005年6月末時点.

(11) 馬. 16. 場. 幸・武. 俊. 政. 弘・江. 岡1. 頭. 彦. 和. 表6福井大学,芝浦工業大学,沖縄大学におけるEMS要素の対比一覧 要求事項・他. 福井大学. 経営形態 認証取得時期. .. 認証準備期間. 私立大学 2001年3月9日. 2年. 認証範囲 文系/理系. 文京キャンパス 文系及ぴ理系. 学生数(2004年度,全学). 学生の位置付け 4.2環境方針. 芝浦工業大学. 国立大学 2003年3月. 沖縄大学 私立大学 2002年5月17日. P. 1年4ヵ月. 7ヵ月. 大宮キャンパス 理系. キャンパス全域 文系. 4164. 6116. 約2000. △(準構成員) ○(準構成員,内部監査への参画あり) ◎(構成員,EMS全体運用に参画) 環境負荷低減環境教育・研究の推進,環境改善に貢献するエンジニア育成, EMS確立,環境汚染予防,継続的環境 地域環境保全プログラム参画,順法, 環境汚染予防,環境負荷低減,自然環 改善,環境負荷低減,順法,関係者(教. 目的目標の設定と達成,EMS確立, 境保全,順法,学生への環境教育,学職員,学生,業者等)への環境教育,環 内部監査の実施,EMS定期的見直し 生による環境保全活動,関連業者等へ 境問題の教育・研究,インターネットに と改善 の環境教育。目的目標の設定と達成, よるEMS周知・開示,目的目標の設定,. 内部監査の実施.EMS継続的改善 4.3計画 4・3・1環境側面. 電力・廃棄物等の環境負荷,設備トラ. 内部監査の実施. 教育・研究によるプラス影響,電力・. 電力・廃棄物等の環境負荷,環境教育・. ブル時等の緊急時影響,地域貢献や環廃棄物等の環境負荷,生協の活動に伴研究・地域との連携活動によるプラス影 境研究によるプラス影響,生協の活動 う環境負荷,研究室での事故発生など 響,化学薬品の流出や火災発生による緊 に伴う環境負荷など,様々な角度から. を評価. 急時影響などを評価. 環境側面を評価 4.3.2法的及びその他エネルギー,循環型社会,化学物質管理,浄化槽,下水,廃棄物,消防,公害防循環型社会,消防,毒劇物,PCB,フ の要求事項 公害防止,労働安全衛生など,あらゆる 止,労働安全衛生,放射線障害防止に ロンに関する法規及び地方条例を登録 環境関連法規及び地方条例を登録 関する法規を登録 4.3.3目的,目標及び環境負荷量の削減,環境教育・研究に 環境教育・研究の推進・公開シンポジ環境負荷量の削減環境教育・研究・地 実施計画 よるプラス影響の拡大,法規制等の順 ウムの開催によるプラス影響の拡大, 域社会との連携活動によるプラス影響の. 守,環境美化等の全学的活動,生協の 環境負荷量の削減,環境情報開示,緑拡大,環境事故・公害防止など 環境負荷低減など 化など *対象項目数:37 *対象項目数:30 *対象項目数:24 4.4実施及び運用 ・トップマネジメント:学長 ・環境管理責任者:学部/事務部門毎. ・トップマネジメント:副学長 ・環境管理責任者:大宮校舎事務部長. ・トップマネジメント:学長 ・環境管理責任者:事務局長(兼総務部長). 4.4.1資源,役割,責・事務局:ISO実施専門部会 ・事務局:環境改善委員会 ・事務局:沖縄大学環境管理事務局 任及び権限 ・EMSの範囲:教育地域科学部,工 ・学生,生協,協力関連会社は準構 ・教職員,学生,委託会社等関連事 学部,附属小・中学校,幼稚園,養 成員 業者が協力してEMSを運用 護学校 ・EMSの範囲:システム工学部, ・EMSの範囲:法経学部・人文学. 工学部,生協などの常駐外部業者. 部,委託会社等関連事業者. 4.4.2力量,教育訓練全教職員に対する基本研修,ISO実施専EMS対象者全員に対する環境一般教育,資料配布・オリエンテーションによる学 及び自覚 門部会へのシステム研修,法的業務担当 著しい環境側面に関わる業務要員への訓 生・教職員・常駐業者に対する自覚教育, 教職員への責任者研修,内部監査研修 練,内部環境監査員への教育 内部監査員研修 4.4.3コミュニケーショ. ン. ・内部コミュニケーション:部局環境. 責任者又はユニット代表者を通じて. 関係教職員に連絡 ・外部からの情報はISO実施専門部会. ・内部コミュニケーション:電子メー. ル,会議等を通じて教職員が実施. ・外部からの情報は環境改善委員会が 取りまとめ,環境管理責任者が承認. 一. が取りまとめ 4.4.4文書類. 環境マネジメントマニュアル,手順書,環境管理マニュアル,規程,手順書,. 様式,その他関連規程 4.4.5文書管理. _. 様式,計画文書. 総括環境責任者が見直しを指示,担当. 者が最新版を関係者に配布. 年1回のマネジメントレビュー後に環. 境改善委員会が実施. 一. 環境マネジメントマニュアル承認者:学長 環境管理マニュアル承認者:環境管理総括者 4.4.6運用管理 目標達成,順法管理のための手順の管 著しい環境側面に関する運用管理手順の作. _. 理方法及び関係者を定義 成と実行,関係業者への周知について定義 4.4.7緊急事態への準・緊急時の定義;薬品事故・災害,地 ・緊急時の定義:地震・風水害等の天 ・緊急時の定義:薬品流出事故,有害物 備及び対応 震,設備故障,火災 災,火災,施設の老朽化・腐蝕,人 質含有機器からの汚染事故,廃棄物不 ・実施項目:緊急時対応手順の作成, 為的操作手順のミス,管理不充分等 法投棄,火災 年1回の手順テスト による環境影響発生 ・実施項目:漏洩事故対応訓練・消防訓. ・実施項目:緊急時対応手順の作成,. 練. 手順の定期的テスト. 4.5点検. 著しい環境側面に関するパフォーマン. 4.5.1監視及び測定. 4.5.2順守評価. ス. ・. 著しい環境側面に関するパフォーマン. エネルギー,紙水(雨水含む),温室. ス,著しい環境側面に関する運用管理. 効果ガス,化学物質,廃棄物,排水. 年1回実施(法定の煤煙測定は3ヵ月毎)年1回実施. 年2回以上実施. 4.5.3不適合並びに是不適合:法的及びその他の要求事項違不適合:EMSに関する取決事項及び 正処置及び予防処置反,目標未達成,実施計画の未実施, 法規制等に対して,運用の実態等,客 一 運用管理手順書違反 観的事実が適合していない状態 4。5.4記録の管理. 環境側面,内部監査,緊急時テスト,. 環境側面,内部監査,緊急事態発生記. コミュニケーションなど,各要求事項録,コミュニケーションなど,各要求 に基づく記録 事項に基づく記録 4.5.5内部監査. 定期年1回実施. 4.6マネジメントレビュー年1回実施. 定期年1回実施. 年1回実施. 一 年1回実施. 年1回実施.

(12) 大学におけるISO14001認証取得 の推進,内部環境監査の遂行は3大学に共通して見ら. 17. 境の保全及び環境改善に貢献するエンジニア育成に向. れ,ISO14001導入に際し,大学として目指すべき最. けた,環境に関わる教育カリキュラムの充実,研究活. 大公約数的環境方針と思量される.特に,学生に対す. 動,公開シンポジウムの展開及び環境に配慮した実験・. る環境教育の実施と教職員による環境研究の推進は,. 研究等の実施」を環境方針のトップに掲げ,プラス影. ISO14001において大学に共通した特徴と思考される.. 響を強調している.. 各大学の特徴として,芝浦工業大学では,環境改善 に貢献するエンジニアを育成するために,環境に関わ. 3.適用法規制等. る教育カリキュラムの充実,研究活動,公開シンポジ. 福井大学の法規制等登録内容は,主要な環境関連法. ウムの開催及び環境に配慮した実験・研究などを行う. から県や市の条例に至るまで,詳細に記述されており,. ことが宣言されている.沖縄大学では,インターネッ. 環境負荷の高い民間製造業のEMSに匹敵する内容を. トによるEMS開示を環境方針に加えており,このこ. もつ.登録法規制等の数も31項目と,芝浦工業大学の. とが3大学で唯一環境報告書を発行しているという事. 11項目及び沖縄大学の9項目と比較して非常に多い.. 実に反映されているとみることができる.福井大学が. この差は,環境負荷の規模の違いによるよりも,トッ. ISO14001要求事項に沿った基本的内容を環境方針の. プマネジメントや事務局の考え方の違いによるもので. 中心としているのに対し,芝浦工業大学では「地球環. 表7. 分類. あり,福井大学のEMSが製造業の例を参考にして構. 福井大学の環境目的・目標. 目的 温室効果ガスの総排出量の削減 電力使用量の削減 地下水汲み上げ量の削減. 1.地球環境負荷の鰍紙使用量の削減. 1−3・前年度髪ヒ5%の削減. 環境物品の調達 廃棄物排出量の削減 環境汚染の防止. 1−4.グリーノ購入の徹底 1−5.前年度比5%の削減 1−6・基準の順守。日常的な軽微汚染の回避・ 化学薬品の安全管理 2−1.環境汚染防止技術の開発 2−2・共同研究数の拡大. 環境技術の研究 2.教育.研究を通した企業等との共同研究. 環境活動. 目標 1−1.前年度比5%の削減 1−1.前年度比5%の削減 1−2.削減方法の立案. 灘鰐講暮こ対する環境教育1二1:震講鷹座の充実. 自治体等への委員派遣 2−5.委員就任依頼に対する積極的な受諾 産業廃棄物排出に関する法律順守 3−1.実験廃液の完全回収 特別管理産業廃棄物に関する法律順守 3−2.特別管理産業廃棄物の処理の適正化 規制物質の安全管理 3−3・璽B含有機器の安全保管 3.関連法規兜自主基準 伊 3−4・局圧ガスの使用●保管●製造 の要求事項の順守 規制廃棄物に関する法律順守 3−5・フロン含有機器家電4品目の適正処理 危険物の貯蔵 3−6.消防法の順守 建物の防災管理 3−7.学内防災体制の再整備 法的届出・報告 3−8.新規届出・承継の確認 給食廃棄物の適正処理 3−9.食残しの削減・適正処理 生協との相互支援 4−1.生協職員のISO関係委員会への参加. 4.全学的な活動. 5.生協固有の活動. 学内環境善化. 4−2・学内一斉清掃の実施. 環境活動に対する全員参加 学生活動への支援 大学の方針との協調 食品廃棄物の適正処理 包装袋の削減●紙化 空缶・ペットボトルの回収 食品包装(弁当箱)の回収 エコ商品の販売. (福井大学環境マネジメントマニュアルより抜粋,一部修正). 4−3.環境保全活動の呼びかけ 4−4.学生ボランティアの組織化 5−1.大学目的と生協目的の同化 5−2.食残しの削減・食残しの適正処理 5『3・ナイロン袋・包装袋の取り止め 5−4.回収率の上昇 5−5.回収可能弁当箱の促進 5−6.エコ商品販売率の向上.

(13) 馬場俊幸・武政剛弘・江頭和彦. 18. 表8 対象. 環境方針. 芝浦工業大学の環境目的・目標. 環境目的(2006年度まで). 環境目標(2004年度). 部門(関係者). 関係者. 環境教育科目の単位取得者数を環境教育科目の単位取得者数を 2002年度実績より3%増加させる 2002年度実績より1%増加させる 環境関連科目の単位取得者数を 環境関連科目の単位取得者数を 環境に係る教育カ 2002年度実績より3%増加させる 2002年度実績より1%増加させる リキュラムの充実. 工学部 システム工学部. 教員. 環境行動促進科目を新設し2004環境行動促進科目の単位取得者 年度〜2006年度の単位取得累積数を100人にする 者数を500人にする 環境に関する学士論文,修士論文環境に関する学士論文,修士論文工学部. 研 教究. 聾環境に係・研究活繍蒙難欝鶉茎舞繋寵実欝辮発議ムエ学部 研実動の推進 究験 室 公開シンポジウム の開催. システム工学部 先端工学研究機構 内容の提示1件以上 内容の提示2件以上 環境に関連する公開シンボジウム,環境に関連する公開シンポジウム, 工学部 公開講座など合計3回開催する オープンテクノ環境講座を合計1 システム工学部 先端工学研究機構 回開催する 生涯学習センター トの実施. 薬品等の保管量を2003年度実績薬品等の保管量を2003年度実績工学部 より6%削減する より2%削減する システム工学部 先端工学研究機構 電力使用量を2003年度実績に抑電力使用量を2003年度実績に抑. 省エネルギー. ガス使用量を2003年度実績に抑ガス使用量を2003年度実績に抑. 教員 講師 学生 員生 教学. 環境汚染の防止. える【総量&管理区分別】. 教員. トの実施. える【総量&管理区分別】. える【総量&管理区分別】 える【総量&管理区分別】 全部門 紙使用量(含外注印刷物)を2003紙使用量(含外注印刷物)1を2003. 職生 教学. える【総量&管理区分別】 える【総量&管理区分別】 上水使用量を2003年度実績に抑 上水使用量を2003年度実績に抑. 員. 年度実績に抑える【総量&管理年度実績に抑える【総量&管理 省資源. 廃棄物減量. 区分別】 区分別】 グリーン購入を継続実施する グリーン購入を継続実施する リサイクル率を2003年度実績よ リサイクル率を2003年度実績よ り6%以上向上させる り2%以上向上させる 大型エネルギー消費設備の見直し 大型エネルギー消費設備の見直し 案実施【3年間に2建屋予定】 案実施【2004年度に1建屋予定】. 事務部(管理課). 教職員. 麟物の排出総量を2003年度実廃棄物の排出総量を2003年度実全部門. 共通. 績より3%減少させる 績より1%減少させる ホームページに環境関連情報を ホームページに環境関連情報を. 開示する【6回以上の情報更新開示する【2回以上の情報更新 を予定】 を予定】 事務部(管理課) 小冊子「グリーンキャンパスを目 編集・編纂し教職員・学生に配 指して」の発行・配付【3年問】 付する 編集・編纂し教職員に配付する 年誌の発行・配布 学生のグリーンキャ 学生エコチーム等への活動支援学生エコチーム等の活動の具現. 諸活動の開示. 職生 教学. ンパスづくりへの及びフォローの継続的実施 参加. 員. 化を支援し、フォローする【2 回/年の予定】. 2003年度のキャンパス全体での2003年度のキャンパス全体での全部門 緑被率を維持する. 緑被率を維持する. 野生動物が生息する空間(ビオトー. 野生動物が生息する空間(ビオトー. 自然の効用の維持・. プ)面積を総計で200nfにする. プ)面積を総計で100nfにする. 生物への配慮. 自然エネルギーによる電力・熱. 自然エネルギーによる電力・熱. 供給システムの設備を2件以上供給システムの設備を1件以上事務部(管理課〉 設置する ISO推進ポスター募集の実施. 【1回/年】 ISO顕彰制度の創設と実施. ISO顕彰制度の創設と実施. (芝浦工業大学環境マネジメントマニュアルより抜粋,一部編集). 全部門. 教職員. 職生 教学. 環境関連活動への 支援・表彰. 設置する ISO推進ポスター募集の実施. 員.

(14) 大学におけるISO14001認証取得. 表9 活動/ 運用. 著しい環境 側面. 環境目的. 19. 沖縄大学の環境目的・目標. 部門. 環境目標. 共通譲霧鵬饗鑛灘罐、,よる廃棄物排出の肖,1減 一排. 般出. 廃棄 物 の. 用紙の使用. 分別回収等 講義室 部門事務室のエコオフィス推進計画16〜20の前回調査点数+0.5点 による廃棄 学生会館部門事務室のエコオフィス推進計画16〜20の前回調査点数+0.5点 物の再資源. 化及び排出環境教育部門事務室並びに教員研究室のエコオフイス推進計画16〜20の前回調 査点数+0.5点 量の削減 研究所 部門事務室のエコオフィス推進計画16〜20の前回調査点数+0.5点 全学 部門事務室のエコオフィス推進計画16〜20の前回調査点数+0.5点 学生一人あたりの前年度用紙使用実績より3%削減 共通 機密文書のリサイクル処理による再資源化促進 講義室 部門事務室のエコオフィス推進計画11〜15の前回調査点数+0.5点 印刷・コピー 学生会館部門事務室のエコオフィス推進計画11〜15の前回調査点数+0.5点 用紙の節減・. 再資源化. 環境教育薔羅簸蕪教員研究室のエコオフイス推進計画11〜15の前. 改善活動対象. 研究所 全学. 部門事務室のエコオフィス推進計画11〜15の前回調査点数+0.5点 部門事務室のエコオフィス推進計画11〜15の前回調査点数+0.5点 学生一人あたりの前年度電力消費実績より3%削減 共通 電気消し忘れ件数一日平均10件以下 講義室 部門事務室のエコオフィス推進計画1〜10の前回調査点数+0.5点 電力消費. 電力消費量学生会館部門事務室のエコオフィス推進計画1〜10の前回調査点数+0.5点 の削減 部門事務室並びに教員研究室のエコオフィス推進計画1〜10の前 環境教育 研究所 全学. 環境教育の. 回調査点数+0。5点 部門事務室のエコオフィス推進計画1〜10の前回調査点数+0.5点 部門事務室のエコオフィス推進計画1〜10の前回調査点数+0.5点. 共通醗捺編罧議議講憲器繍籠摯・.レ.ト。配布. 学生・教職員 拡充による に対する環境 講義室 環境関連図書購入費枠の設置及び利用状況の把握 環境意識の 教育 学生会館エコ学園祭の企画・実施 啓蒙 環境教育学生の環境意識・知識の変化を調査する手法の確立・実施 各研究班研究活動の拡充のための進捗管理(外部研究助成費への. 環境影響を軽環境研究の 減するための拡充による 研究 環境改善. 申請拡充等). 研究所. 研究成果の還元(研究報告書の毎年度の提出) 環境関連地域研究所研究班の研究成果の地域への還元(研究報告 会の開催). 地域社会との環境を基調と 環境改善のたする地域社会 めの連携活動. への貢献. 汚水処理施設 の実験・研究 汚水処理施設 による上水使 用の削減 維持管理運用対象. 化学薬品の保薬品の流出 管・処分. 事故の防止. 共通. EMS構築支援事業の実施. 環境教育嚢讐羅欝総ジウム・講座等の年5回以上の開催 研究所. 現状の操業状態の維持. 研究所. 無事故(適正処分・管理). 有害物質含有有害物質に 機器の保管・よる汚染事 処分 故の防止. 全学. 無事故. 管理不備によ る不法投棄等 事故の防止. 全学. 無事故. 火災発生に よる人的被 害,大気汚 染等の防止. 全学. 無事故. 産業廃棄物等 の排出. 火災の発生. (沖縄大学環境レポート2004より抜粋,一部修正).

(15) 20. 馬場俊幸・武政剛弘・江頭和彦. 築されたためではないかと推察される.. 芝浦工業大学と沖縄大学では,「エネルギーの使用 の合理化に関する法律」(省エネ法)が登録されていな. ために,このような科目の区分けがなされていると考 えられる.更に「ホームページに環境関連情報を開示. する」という目標があり,実際にほぼ全てのEMS関. い.これは電力や燃料使用量が少なく,「エネルギー. 連情報が開示されている.この情報は,他大学がISO. 管理指定工場」の基準に達していないためであろうと. 14001認証取得への取り組みを始める際には,大いに. 思われる.また沖縄大学では,大気汚染防止法,水質. 参考になると思われる.. 汚濁防止法,騒音規制法などの,公害関連法規が一つ も登録されておらず,化学物質関連の法律も少ない.. その他に環境目的・目標の数値化の点で,3大学に 相違が見られる.福井大学と沖縄大学では,環境負荷. 文系の大学であるため,環境負荷が小さく,薬品の使. の削減に関する環境目標だけが数値化されている.こ. 用量も少ないことがその理由と考えられる.. れに対し芝浦工業大学では,環境目的と環境目標の両 方について,ほぼ全項目に数値目標を設定している.. 4.環境目的・目標. マネジメントレビューなどで目標の達成度を確認する. 表7,表8及び表9にそれぞれ福井大学,芝浦工業. 際には,数値化されていないと評価が難しいので,福. 大学及び沖縄大学の環境目的・目標を示す.環境目的・. 井大学と沖縄大学でも可能な限り数値化した環境目的・. 目標は,環境方針によって枠組みが与えられ,著しい. 目標を設定することが望ましいと思われる.. 環境側面や法的及びその他の要求事項を考慮して設定 される.環境方針で3大学に共通していた,①環境負. 5.実施計画. 荷低減,②法規制等の順守,③学生に対する環境教育. 環境目的・目標において3大学に共通している項目. の実施,④教職員による環境研究の推進,⑤内部環境. のうち,環境負荷低減(電力消費量,紙使用量,廃棄. 監査の遂行,の5項目のうち,①,③,④については,. 物排出量)に対しては,各大学ともソフト面の対策を. 環境負荷低減(電力消費量,紙使用量,廃棄物排出量),. 中心に,教育・周知などによる使用量・排出量削減の. 環境教育・研究の推進,化学薬品等による環境汚染の. 実施計画が策定されている.実施計画の中にハード面. 防止として,3大学に共通して,環境目的・目標に取. の施策が組んであるのは,福井大学だけである.これ. り上げられている.中でもr環境教育・研究の推進」. は,環境目的・目標に,地球環境負荷の低減に関連し. は,大学における環境目的・目標の中核となるべき項. て,電力及び地下水の環境負荷量の削減,大気汚染及. 目である.環境負荷のうち,水使用量の削減が福井大. び水質汚濁の防止対策が多く取り上げられ,これらの. 学と芝浦工業大学にあって沖縄大学にないのは,理系. 対策に関しては,ハードウエアの改善が有効だからで. 学部を含むかどうかが関係しているものと思われる.. ある.環境負荷が小さい大学では,環境リスクも小さ. ②の法規制等の順守に関する項目を掲げているのは,. いため,ソフト面の対策に力を入れる方が効果的であ. 福井大学だけである.⑤の内部環境監査の遂行につい. る.. ては,3大学とも環境目的・目標には取り上げず,そ. 2番目の共通項目である環境教育・研究の推進につ いては,3大学で取り組みの内容に差異がある.福井. れぞれのEMS文書の中で定期的実施を謳っている. 芝浦工業大学では,電力使用量などの環境負荷削減. 大学では,環境汚染防止技術の開発,民間企業との共. に関しては,現状維持の目標が設定されている.環境. 同研究の推進,入門セミナー・ガイダンスによる学内. 負荷低減よりもプラス影響の拡大を重視しており,環. 環境教育,学生に対する実験の安全教育,公開講座の. 境教育や環境研究に関する項目を第一に取り上げ,そ. 拡大と内容充実による社会への環境教育,の5施策が. れぞれに具体的な数値目標を定めている.芝浦工業大. 掲げられており,達成度の評価は難しいものの,いず. 学ではカリキュラムとシラバスが公開されており,シ. れも実行可能である.これに対し芝浦工業大学では,. ステム工学部と工学部のシラバスを見ると,「環境と. ガイダンスの実施による環境教育科目の単位取得者数. の関連」という項目が設けられ,科目毎にr環境関連. の増加,環境関連研究プロジェクトの実施,環境関連. 科目」と「環境に関連しない科目」の区分けがなされ. の公開シンポジウムの開催などが計画に挙がっている.. ている.①の「環境に係る教育カリキュラムの充実」. しかし実行計画に具体性を欠くところがあり,施策の. に関する2004年度目標の一つに「環境関連科目の単位. 効果には疑問がある.沖縄大学では,オリエンテーショ. 取得者数を2002年度実績より1%増加させる」という. ン実施の企画・立案,リーフレット等の企画・立案,. 項目が定められており,その目標達成度を明確にする. 在学生を対象とした説明会等実施の企画・立案,環境.

(16) 21. 大学におけるISO14001認証取得 関連図書の購入,学生への環境知識・意識調査アンケー. を併せ持ち,EMSの詳細に加えて,環境側面の一覧. トの実施,EMS構築支援事業の企画・立案・実施,. や適用法規の詳細など,一般には別文書で管理される. 関係機関への外部助成への申請拡充の働きかけなどが. 記録まで本文中に組み込んであり,非常に詳しい内容. 計画されており,中でもEMS構築支援事業は,確実. となっている.このため,福井大学のEMS文書体系. に成果を上げている地域密着型の活動である.. は,環境マネジメントマニュアルー手順書及び様式の. 3番目の化学薬品等による環境汚染の防止について. 2段階となっている.. も,大学毎に対策が異なる。福井大学では,実験方法. これに対し,芝浦工業大学では,「環境マネジメン. の教育,実験器具の洗浄方法徹底,pHメーターによ. トマニュアル」をより詳細に記述したものをr規程」,. る監視,ボイラー使用重油の良質化,ボイラーからエ. 「規程」を具体的に記述したものを「手順書」と定義. アコンヘの切り替え,ドラフトチャンバーの導入など,. し,r規程」に重きを置いている.EMS文書体系とし. ソフト面とハード面を組み合わせた計画を立てている.. ては,環境マネジメントマニュアルー規程一手順書及. 芝浦工業大学では,薬品の保管量削減や取扱い手順書. び様式の3段階になっている(芝浦工業大学. 環境改. の整備・運用で対応している.沖縄大学には,薬品の. 善委員会,2002b).環境マネジメントマニュアルの記. 取扱い手順書の整備と教育・訓練の実施,除草剤の成. 述量は,芝浦工業大学が24頁であるのに対し,福井大. 分調査と使用量削減の計画がある.福井大学と沖縄大. 学は98頁にも上っている.沖縄大学の文書管理に関し. 学では,いずれもPCB含有機器を保有しており,そ. ては,公表されたデータがなく,詳細は不明である.. の管理を実施計画に挙げている点が共通している.. その他の共通点として,環境情報の開示に関する実 施計画を挙げることができる.環境目的・目標の中で. 7.内部監査 3大学とも,定期内部環境監査の頻度は年1回であ. 情報開示を取り上げているのは芝浦工業大学だけであ. る.福井大学と芝浦工業大学では,指摘事項があった. るとしても,3大学ともに実施計画の中で情報開示に. 場合にフォローアップ監査を行い,その他必要時に,. 対処している.福井大学ではホームページによる公開,. 特別(臨時)監査を行うと定めている.特別監査を実. 学内広報,環境広報誌の発行が,芝浦工業大学ではホー. 施するかどうかの判断は,福井大学では内部監査責任. ムページによる公開が,沖縄大学ではホームページの. 者が行い,学長及び総括環境責任者に報告する手順と. 拡充,環境レポートの発行と内容拡充が,それぞれ実. なっているのに対し,芝浦工業大学では,その判断は. 施計画に盛り込まれている.. 環境管理総括者に委ねられている(芝浦工業大学. 沖縄大学には,他大学にない取り組みとして,ISO. 14001認証取得(EMS構築)支援事業という実施項 目がある.これは,沖縄大学とNPO法人とが提携し. 環. 境改善委員会,2002a).沖縄大学の特別監査に関し ては,内容は不明である.. EMSへの学生の参与度が高い芝浦工業大学と沖縄大. て,県内の企業に対しセミナーの実施や現地訪問,個. 学では,学生も内部環境監査員として内部環境監査に. 別相談を行うことにより,企業のEMS構築の支援を するというものである.沖縄県のISO14001認証取得. 参加している.福井大学のみ,教職員で構成された内部 監査委員会が内部環境監査を行うことになっている.. 事業所数が全国で最も少ないという理由から,この支 援事業が始められた.積極的な環境情報開示の一例と. 8.総括. して,注目に値する取り組みである.. EMSの全体的な傾向から言えば,福井大学は民間 製造業でのアプローチに類似した「環境負荷低減重視. 6.文書管理. 型」,芝浦工業大学と沖縄大学は比較的新しい考え方. 環境マネジメントマニュアルの位置付けには,概ね,. である「プラス影響重視型」と言えよう.プラス影響. ①EMS文書体系の最上位に位置する基本文書. の拡大に向けた施策を大別すると,学生に対する環境. ②参考文書としてEMSの概要を網羅的に記述する文. 教育の実施,教職員による環境関連研究の推進,学外. 書. への環境情報発信の強化などに分けることができ,芝. の二つの場合がある.①の場合,ISO14001の要求事. 浦工業大学には理系学部の強みを生かした技術面での. 項及び下位文書への道筋のみを示す文書に仕上げてあ. 貢献が,沖縄大学にはISO認証取得支援事業のよう. ることが多い.福井大学の環境マネジメントマニュア. なソフト面での貢献が期待される.. ルは,基本的には①の形態を取りながらも,②の要素. 現状では,ISO14001認証取得は製造業主体で進み,.

(17) 馬場俊幸・武政剛弘・江頭和彦. 22. EMSを新規構築する場合も,民間製造業の取得事例. かし,多大な投資をして,学内のわずかな環境負荷を. を参考にすることが多い.しかし,高等教育機関とし. 減らすよりも,環境に配慮して行動する人材の育成や,. て真の意味でISO14001を効果的に運用するためには,. 環境改善技術の創出による社会貢献を図る方が,巨視. 大学の特色に合わせた環境方針,環境目的・目標,実. 的に見ればはるかに効果が高い施策である.環境にマ. 施計画を設定していくことが重要である.. イナスの影響を与える活動を主体とせず,環境にプラ. 今後の取り組みに対する提言 日本の大学におけるISO14001認証取得状況を分析. スの影響を与える社会貢献活動に注力すべきである.. ISO14001の要求事項においても,2004年度の改訂に おいて,このことがより明確になっている.全ての大. し,ISO14001認証取得大学の代表として福井大学,. 学において,「環境配慮のできる人材育成」を第一目. 芝浦工業大学,沖縄大学の3大学を取り上げ,これら. 標に掲げるのが良いと思われる.. 大学のEMS構築実例を調査し,EMS要素の内容を 比較した.EMSを構築し運用することが,環境面に. (4)理系学部の取り組みを増やす. 与える効果は顕著であり,ISO14001認証取得に取り. 現状では,文系学部と理系学部の認証取得数は拮抗. 組む大学が増えることは望ましい.今後,大学におけ. している.文系学部の認証取得は,環境に配慮する人. る認証取得とより効果的な運用を促進するために,下. 材育成の観点からは有用であるとしても,環境問題の. 記の事項を筆者らは提案する.. 技術的な解決のためには,技術系の人材育成や環境研 究の促進が重要となる.理系学部の取り組みが進まな. (1)認証取得大学の不在地域を減らす. 現在,ISO14001認証取得済みの大学は,図1に示 すように,四国を除く関東以西に集中している.しか. い理由の一つとして,実験等により発生する環境負荷 の削減が困難であることが考えられる.しかし,教育・. 研究活動に伴って発生する環境負荷のマイナス影響の. し,全国的には空白の道府県が多く,空白となってい. 削減へ力を入れるよりも,人材育成や環境研究を推進. る道府県にも多くの大学が存在する(表2).近隣の. することが,はるかに大きなプラス影響を生み出す可. 大学が認証取得すれば,情報の入手が容易になる上,. 能性を持つ.前述したように,製造業のEMSに倣っ. 競争意識が働く効果も期待できる.従って,各都道府. て学内の環境負荷量削減を主目的にするのではなく,. 県にあっては,国立大学が率先レて認証取得へ取り組. 「環境配慮のできる人材育成」に対応して,プラス影. み,都道府県内の公立大学や私立大学へ情報発信し,. 響の拡大を中心とした環境方針,目的・目標に考えを. ノウハウを広めていくことが望まれる.特に,大阪府. 変えることが重要であり,これにより理系学部での. は,日本で2番目に大学が多い自治体ながら認証取得. EMS構築は推進できると確信する.. 大学が1校もなく,まず1校が早期に認証取得すれば,. 他大学においてもEMS構築及び認証取得が活発化す. (5)学生をEMSの適用範囲に加える. るものと思われる.. EMSを教職員に限定している大学もある.しかし,. これでは学生へのEMS周知効果が期待できず,学生 (2)地方自治体が大学の認証取得を推進する. 2005年6月20日時点で,ISO14001認証を取得して. に対する環境教育の推進の点からも不利である.環境. 教育科目をカリキュラムに盛り込み,学生をEMS実. いる地方自治体の数は487に上る.大学間で情報交換. 行委員会等の事務局や内部環境監査メンバーに任命す. すると同時に,自治体がEMSの構築に取り組み,都. るなどして,環境活動の輪に取り込み,高い環境意識. 道府県内あるいは市町村内の大学を支援していけば. を持ち,積極的に行動できる人材を育成していくこと. 相乗的な促進効果が期待される.ISO14001の勉強会. が大切である.. の開催,有識者の派遣,あるいは認証取得に対する助. 成金の支出など,行政が積極的に関与していくことが 望まれる.. ま. と. め. 国内の大学のISO14001認証取得について現状を分. 析し,今後の取り組みに対する提言を行った.ISO (3)EMSの取り組み内容をプラス影響中心にする. 14001規格に関して,我が国は世界でトップレベルの. 環境負荷の小さな大学でも,取り組み対象から環境. 認証数を誇っている.しかし,それらの大部分が民間. パフォーマンスの改善を外すことは好ましくない.し. 製造業によるものである.将来的な環境問題解決のた.

(18) 23. 大学におけるISO14001認証取得 めには,企業による取り組みだけでなく,大学による. 人間と環境,投稿中. 人材育成や環境改善技術の開発が欠かせない.大学に. 福井大学. おいて目指すべきは,構内の環境負荷削減よりも,環. ジメントマニュアル(第8版) 日本適合性認定協会ホームページ. 境に配慮した活動のできる人材育成など,環境に対す. 沖縄大学 環境管理事務局 2005沖縄大学環境レポー ト2004 芝浦工業大学 環境改善委員会 2002a 内部環境監. 学がEMSの構築に取り組み,環境に配慮する人材の 輪が大きく広がることが願われる.. 査規程(第3版). 芝浦工業大学. 献. 馬場俊幸・武政剛弘・江頭和彦. 福井大学文京キャンパス環境マネ. http://www.jab.or.jp. るプラス影響の拡充であろう.これからも,多くの大. 文. 2004. 環境改善委員会. 2002b. 文書管理規. 程(第4版). 芝浦工業大学 環境改善委員会 アル(第5版). 2005民間製造業,. 国立大学,地方自治体に導入されているISO. 2004環境管理マニュ. 14001環境マネジメントシステムの環境論的対比.. Summary There. are1,126universities. ISO14001until there. is. their an. no. June2005.Those certificated. own. university. environmental. integral. certification. in. Japan,and490ut. universities in. management with. fellow. are. Osaka. of. mainly. them. have. located. Prefecture.. under. Kanto. Respective. systOm(EMS).Some universities. acquired. in. same. certification. Toka.i. universities. private. the. the. and. have. structure(l. universities. manager. s. of. districts;. have. environmental. taken pol−. lcy・. University tured the. the. three. of. Fukui,Shibaura. advanced. nology. and. To. promote. Okinawa. universitie60r. like. Institute. characteristic. universities,it. performance−oriented. other. and. was. found. private. University. are. universities.. govemments. that. Technology on. the. environmental. manufacturers. ISO14001certification local. of. EMS.Based. while. an(10kinawa detailed activities. activities. of. University. examination of. in. University. Shibaura. have. struc−. the. EMS. of. Fukui. Institute. of. of are. Tech−. plus−effect−oriente(1,. of. take. many lead. other of. universities,it. certification. and. is open. convenient. that. their. information. EMS. national to.

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