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気 管 内 麻 酔 後 の 偽 膜 性 喉 頭 気 管 炎 に 関 す る研 究

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Academic year: 2022

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(1)616.. 22/3‑002.. 155‑02:. 616‑089.. 5‑032:. 611.. 23. 気 管 内 麻 酔 後 の 偽 膜 性 喉 頭 気 管 炎 に 関 す る研 究 第2編 発. 生. 原. 因. に. 関. す. る. 実. 験. 的. 研. 究. (本論文 の要 旨は第4回 日本麻酔学会に発表 した) 岡山 大学医学 部第1(陣 久. 内)外 科教室(指 導: 陣内教授). 持. 秀. 臣. 〔 昭和33年9月29日 内 第1章. 緒言並 に文献. 第2章. 実験材料 並に実験方法. 容. 受稿〕. 目. 次 第8節 第3章. 偽 膜 発生 の判 定 実験成績. 第1節. 実 験動物. 第1節. カ フ圧,血 圧,麻 酔 時 間 との 関 係. 第2節. 麻酔器並にチ ュー ブ. 第2節. 正 常 犬 の気 管 内 細 菌. 第3節. 麻酔方法. 第3節. 実 験 的 細 菌感 染 との 関 係. 第4節. 標本採 取方法. 第4章. 偽 膜 の組 織 学 的所 見. 第5節. 組織学的検査方法. 第5章. 総 括 並 に 考按. 第6節. 細菌学的検査方法. 第6章. 結. 第7節. 実験条件. 論. ゆ る常 在性 細菌 とい う ものが 存 在 す る,す な わ ち本 第1章. 緒 言 並 に文 献. 間 ら15)に よ る健 康 人 上 気 道 常 在 性細 菌 に関 す る報. 気 管 内 麻 酔 後 に発 生 す る偽 膜性 喉 頭 気 管 炎 の発 生 原 因 に つ い て は 第1編. で 種 々 論 じて き た が,そ. な る も の はLennon1),. Grimm2),. Turner3),. の主. Belam4),. らに よつ て の べ られ た高 い カ ブ圧 の た め 局 所 貧 血 が 起 つ て 生 ず る と い う も の. Agnes. P.. Muir5),. 告 に よ る と,各 細 菌 の 発 見率 は緑 色 連 鎖 状 球 菌99.8 %,ナ %,黄. イセ リヤ属 菌93.0%, Coryrebacterium 22.2 色 葡萄 状 球 菌19.0%,白 色 葡 萄 状 球 菌8.5%,. 肺 炎 菌23.1%,溶. 血 性 連鎖 状 球 菌22.2%で. あ る とい. う.ま た小 野 ら16)が 結 核 性 気 管 支 炎,腫 瘍,異 物,. の い う軽 度 の 感. 喘 息 患者 お よび 健 康 人 な ど90例 の 気 管 支 分 泌 物 よ り. 染 が あ る と こ ろ に小 さ な 外 傷 が 働 い て で き る と い う. 培 養 した結 果 は白 色 葡萄 状 球 菌,二 連 球 菌,溶 血 性. も の. Ransom10),矢. 連 鎖 状 球 菌,黄 色 葡 萄 状 球 菌,緑 色 連 鎖 状 球 菌,四. Baron6),. Turner7),古. 賀8),窪9)ら. 因 す る と す る も の.古. 後11)ら に よ る 化 学 的 刺 戟 に 起 野 ら12)に. よ つ て い われ る チ. ュー ブの 移 動 に よ る粘 膜 と粘 膜 下 組 織 の すれ あ う こ と に よ る と い う も の. Belam4),古. 賀8)ら. 挿 管 中 の 血 圧 の 下 降 に よ る と い う も の.さ Dwyer13),. W.. Dam14)ら. 索 を行 い,人 及 び 犬 に最 も多 くみ とめ られ る6種 の. らに. 細 菌(緑 色 及 び 溶 血 性 連 鎖状 球 菌,黄 色 及 び 白色 葡. つ て私 は犬. を 用 い て 実 験 的 に 本 症 の 原 因 を 追 求 せ ん と試 み,カ フ 圧,血. 圧,麻. 私 は まず 正 常 犬 に つ い て 上気 道 に常 在 す る細 菌 検. による. に よ つ て の べ られ た 長 時 間. の 挿 管 に よ る と す る も の な ど で あ る.従. 連 球 菌 の順 で検 出 で きた とい う.. 酔 時 間及 び細 菌 感 染 と本症 発 生 との. 関 係 に つ い て 実 験 を お こ な う こ と に した. 元 来 人体 に おい て も犬 に お い て も上 気 道 に は い わ. 萄 状 球 菌,ヂ フ テ リヤ菌,肺 炎 双 球 菌)を 使 用 して 実 験 を 行 う こ とに した. 第2章 第1節. 実 験 材 料 並 に 実験 方 法. 体 重4〜11kgの. 実験動物 犬 を 使 用 した..

(2) 14. 久. 第2節. 持. 秀. 臣. 麻 酔 器 並 に チ ュー ブ. メ ラ 双 胴 式200型. 第6節. 閉 鎖 循 環 式 全 身 麻 酔 器 を 使 用 し,. 細 菌 学 的検 査 方 法. 偽膜 の塗 抹 染 色 およ び培 養 を行 つ た.培 養 は偽 膜. 気 管 内 チ ュー ブ と して は泉 工 医科 製 ゴ ム製 チ ュー ブ. の 一 部 を無 菌 的 にす りつぶ し,こ れ を 血 液寒 天平 板. No. 5(外. 管 の 非 常 に小. 培 地,普 通 寒 天 平 板 培 地 及 び葡 萄 糖 加 高 層寒 天培 地. 使 用 し た.カ. 穿 刺培 養 の3種 を行 い, 24時 間な い し48時 間 後 に判. 径12.5mm)を. さ い 犬 に はNo.. 主 と し,気. 4(外. 径11.5mm)を. フ は す べ て 生 ゴ ム製,形 と し た.な. と し,ゴ. お カ フ の 外 径 は20.0mmで. 第3節 2.5%ペ. 状A型. ム質 を一 定. 定 した. 第7節. あ ろ.. 実 験 条件. 高 い カ フ圧 の 限 界 に つ い て は い ろい ろお こなつ て. 麻酔方法. ン ト タ ー ル(ラ. ボ ナ ー ル)の. 静注 に よつ. み た が,あ ま り高 過 ぎ る とカ フは破 裂 す るの で長 時. て 導 入 し直 ち に 喉 頭 鏡 で 声 帯 を み な が ら気 管 内 チ ュ. 間 使用 す る こ と を考 慮 に いれ,経 験 上240mmHg. ー ブを 挿 管 し. が最 も適 当 と 考 え られ た の で240mmHgの. , 100%の. 空 気 注 入 管 にY字. 酸 素 を 投 与 しつ つ,カ. 管 を つ な ぎ,そ. 計,他 方 に20cc注. フの. の一 方 に 水 銀圧 力. 内 圧 と な る よ うに ふ く ら ま せ,. カ ブ 内 圧 は 常 に 水 銀 圧 力 計 に 現 わ さ れ る よ う に した. 次 い で エ ー テ ル を 徐 々 に 追 加 し,第. Ⅲ 期 の 第2相. に. カ ブ を 使 用 した場 合 には,そ. の 気 管 側 壁 に 及 ぼ す 圧 は 第3編 210mmHgと. 低 血 圧 麻 酔 は ヘ キ サ メ トニ ウ ム ブ ロ マ イ ド. 徐 々 に 静 脈 内 に 注 射 し,最 高 血 圧. 80〜60mmHgと. な る よ う に した .な お 一部 に は ク. ロー ル プ ロマ ジ ン10mgを. 併 用 し た も の も あ る.. 血 圧 下 降 を きた さな い もの や,一 時 的 に 下 降 して も 目 的 の血 圧 を3時 間 以 上 維持 で きな か つ た もの は除. 第4節. 標 本採 取 方 法. 偽 膜 を喀 出 す る前 に標 本 を 採 取 す る こと を 目的 と した た め,第1病. 日よ り第5病. 日に至 る間 観 察 しつ. つ 咳 嗽,嗄 声,喘 鳴,呼 吸 困難 な どの症 状 が 増 強 し, 最 も適 当 と思 わ れ る時 期 に2.5%ペ. な り相 当高 い もの とな る.こ れ に 対 し,. カ フ内 圧50mmHgの. 場合 に は わず か12mmHgに. 血 圧 麻 酔 を基 準 と し,メ 圧 を70mmHg前. トブ ロ ミンを 用 い て 最 高 血. 後 に維 持 し,犬 の普 通 血 圧(血 圧. 下 降 剤 を 使 用 して い な い 麻 酔 中 の 血 圧 で 平 均 122mmHgで. あつ た)と 比 較 した.ま た麻 酔 時 間 に. つ いて は, 10時 間 麻 酔 した も の と, 5時 間 麻 酔 した もの とを 比 較 した.従 つ て 実 験 条 件 を 次 の ごと くし 1). 麻 酔 時 間5時 間,普 通 血圧,カ フ 圧240mmHg.. 2). 麻 酔 時 間5時 間,普 通 血 圧,カ フ圧50mmHg.. 3). 麻 酔 時 間5時 間, C6低 血 圧,カ. 4). 麻 酔 時 間10時 間,普 通 血 圧,カ フ圧240mmHg.. 5). 麻 酔 時 間5時 間,普 通 血圧,カ. ン トター ル静 注 a). 変 化 を 起 した部 を 完 全 に 含 ん で気 管 を別 出 した.な. b). ヂ フテ リヤ 菌. お この部 で 切 断 す る と声帯 と偽 膜 の 関 係 を 観 察 す る. c). 黄色葡萄状球菌. に も便 利 で あ つ た.. d). 白色 葡 萄 状 球 菌. 第5節. e). 肺炎双 球菌. f). 溶 血性 連 鎖 状 球 菌. 組 織 学 的検 査 方 法. 取 出 した気 管 を 幅 約5mmに. 切 断 し,ホ ル マ リン. 10%溶 液 で3日 な い し5日 間固 定,脱 脂 後電 気 脱 灰 を 行 つ た17).脱 灰 液 に は5%塩 極 間 の距 離 は8cmで. 6). 麻 酔せ ず 細 菌 散布 のみ . a). 黄 色 葡萄 状 球 菌. 脱 灰 時 間 は約6時 間 で あつ た.. b). 溶 血性 連鎖 状 球 菌. 脱 水 後 パ ラフ ィ ン包 埋 切 片,ツ. エ ロ イヂ ン包 埋 切 片. と し,後 者 は気 管 と偽 膜 の 全 体 的 観 察 に 使用 した. 染 色 に は ヘ マ トキ シ リン ・エ オ ジ ン重 染色,エ. ラ. ス チ カ ・ワ ンギ ー ソ ン染 色,線 維 素 染色 の3種 を使. フ圧240mmHg.. 緑色 連 鎖 状 球 菌. 酸 水 を 使 用 し,両 電. 酸 ナ トリウ ム液 で12時 間 中和,水 洗,. フ圧240mmHg.. 細 菌 感 染.. 麻 酔 の も と に 甲状 軟 骨 の 下部 で気 管 を切 断 し,病 的. 用 した.. に の べ る如 く. た.. 外 した.. 次 いで5%硫. フ内. す ぎな い.次 に 血圧 につ いて は一 般 に使 用 され る低. 維 持 した.. 25〜50mgを. 場合 と を 比 較 す る こ とに した.カ. 圧240mmHgでA型. 射 器 を 連 結 し,カ フ を240mmHg. ま た は50mmHgの. 50mmHgの. 場合 と. 細 菌 感 染 は 各 菌 の ブ イ ヨン24時 間 培 養 液 を 氷 室 に 保 存 し,そ の 沈 澱部 よ り ピペ ッ トを用 い2滴 の 細 菌 溷 濁 液 を 気 管 内 に塗 布 した.な お その 都 度 培 養 試 験 にて 菌 の生 存 を た しか め た. 第8節. 偽 膜発 生 の判 定. 偽 膜 性 炎 症 を,肉 眼 的 偽 膜 を発 生 せ るも の と,顕.

(3) 気管内麻酔後 の偽膜性喉頭気管炎 に関す る研究. 15. 微 鏡 的偽 膜 性 炎 症 の 存在 す る もの とに わ けて 観察 し. し,こ の部 よ り多核 白血 球 を 多 数 に 含 む 線維 素 の 析. た.. 出が み られ る もの を いい,そ の 組織 像 よ り偽 膜 発 生 の 前 段 階 と考 え られ る もの で あ る.. すな わ ち肉 眼 的偽 膜を 発 生せ る もの と は第1図. 第2図 の如 く肉眼 的 に あ き らか に偽 膜 を 形成 し剥 離. 第3章. しつ つ あ る もの,ま た は気 道 の狭 窄 を きた した程 度 の もの を い い,顕 微 鏡 的偽 膜性 炎 症 の存 在 す る もの. 第1節. が,粘 膜固 有 層 に著 明 な 炎 症 像 を 呈 し,上 皮 は剥 離 カ. 血. の発 生 との 関係 を み ると第1表 の ご と くで あ る.す フ 圧. 圧. カ フ圧,血 圧,麻 酔 時 間 との 関 係. まず カ ブ圧,血 圧,麻 酔 時 間 と偽 膜性 喉 頭 気 管 炎. とは第3図 の 如 く,肉 眼 的 に偽 膜 は み とめ られ な い. 第1表. 実 験 成 績. と. と の 関. の. 関. 係. 係. 麻 酔 時 間 と の 関 係. 麻 酔 は す べ て ラ ボ ナ ー ル 導 入,エ. ー テ ル,ゴ. ム 製 チ ュ ー ブ,カ. フ形 状 〓. な わ ち,カ フ圧 の高 い もの に偽 膜 の 発生 が 多 くみ ら. 験 と して 正 常 犬11例 につ き,そ の気 管上 部 の4ヶ 所. れ るが,血 圧 の下 降 はほ とん ど関 係 な く,麻 酔時 間. よ り白 金 耳 を 用 い気 管内 分 泌 物 を 取 り,こ れ を普 通. の 長 さは 有意 義 の差 がみ られ な い.. 寒 天 平 板 培 地並 に血 液寒 天 平 板 培 地 に48時 間 培 養 し. 第2表. 偽 膜 の 細 菌 検 査. た と ころ第3表 の如 き結 果 を え た.す な わ ち,葡 萄 状 球 菌が 断 然 多 く,次 で 肺 炎 双 球 菌,土 壌 性 の雑 菌, 枯 草 菌,連 鎖 状 球 菌等 を 証 明 した. 第3表. さ らに これ ら肉 眼 的偽 膜 発 生 の3例 に つ い て細 菌 培 養 を行 つ た と ころ,第2表. の ごと く,白 色 及 び黄. 色 葡 萄 状 球 菌 と グ ラム陰 性 桿 菌 とが み とめ られ た. 第2節. 正 常 犬 の気 管 内 細 菌. 細 菌 感 染 の 実験 を開 始 す るに あ た り,ま ず 予備 実. 正常犬の気管内細菌.

(4) 16. 久. 持. 秀. 臣. 第3節. 実 験 的 細 菌感 染 との 関係. 人 体 並 に犬 に お け る上気 道 常 在 性 細 菌 の う ち,最 も多 くみ とめ られ る緑 色 及 び溶 血 性 連 鎖 状 球 菌,白 色及 び黄 色 葡 萄 状 球 菌,ヂ フ テ リヤ 菌,肺 炎 双 球 菌 の6種 を使 用 し,チ ュー ブ抜 管後 の 気 管 に これ らの 菌 液 を 散布 し,こ れ と菌 液 を用 いず 麻 酔 の み 行 つ た もの と比 較 した,さ. らに 対 照 と して最 も多 数 に発生. を み た 黄色 葡 萄 状 球 菌 と溶 血 性 連 鎖 状 球 菌 と を,気 管 内 挿 管麻 酔 を行 わ な か つ た犬 の気 管 内 に散 布 した 例 に つ いて も観 察 した.い ま この成 績 を示 す と第4 表 の ご と くで あ る.す な わ ち,細 菌 を用 いな かつ た もの に 比べ,溶 血 性 連 鎖 状 球 菌及 び黄 色 葡 萄 状 球 菌 を 用 い た もの に極 あて 多 く発生 して い る.ま た麻 酔 を 行 わ ず 細 菌 の み散 布 した もの で も,顕 微 鏡 的偽 膜 性 炎 症 の発 生 を認 め 細 菌 感 染 の 意 義 大 な る ことを 示 して い る. 第4表. 実 験 的 細 菌 感 染 と の 関 係. は膠 原 線 維 は存 在 しな い.第6図 第4章. 偽 膜 の組 織 学 的所 見. で,こ れ に よ る と線 維 素 は偽 膜 と肉芽 の部 に最 も多. 肉 眼 的偽 膜発 生 をみ た22例 の偽 膜 を組 織 学 的 に み る と,い ず れ も同様 な 偽 膜 性炎 症 像 を 示 し,そ の偽 膜 は人 体 例 の偽 膜 の所 見 と全 く一 致 す る.第4図. は線 維 素染 色 標 本. く,偽 膜が 剥 脱 した 部 分 には 少 く,完 全 に上 皮 のあ る と ころ に は存 在 しな い.. は. 次 に これ ら偽 膜 の 発生 状 態 を 多 数 の標 本 か ら模 型. そ の1例 で あ る が,気 管 粘 膜 全 周 を お お う比 較 的 厚. 図 を作 成 して み ると第7図 の よ うで あ る.す な わ ち. い 偽 膜 の 形 成 が み られ る.偽 膜 は 多量 の線 維 素 の析. 気 管 粘 膜 の1,. 出 と多 数 の 好 中 球 の浸 潤 を と もな い,粘 膜 上 皮 を破. 離 した と考 え られ る部 位 よ り炎 症 が 起 りは じめ,次. 壊 し粘 膜組 織 の 壊死 が み られ る.そ の下 部 の 粘 膜 固. 第 に周 囲及 び深 部 に ひ ろが り,多 量の 線維 素 の析 出. 有 層 や 粘 膜 下組 織 に も炎 性 水 腫 を と もな う肉 芽組 織. と細 胞 浸 潤 が あ らわれ,こ れ が 膜 状 とな り粘 膜 上皮. の増 殖 が み られ る.偽 膜 は約 半 周 に わた つ て 粘 膜 組. を つ ぎつ ぎ と破 壊 し,気 管 内腔 を は うよ うに して つ. 2ヶ 所 の 外傷 部 位 あ る い は上 皮 が 剥. 織 よ り剥 離 し,そ の 部 の 粘 膜組 織 は比 較 的 細 胞 浸 潤. い に は気 管 全 周 に及 ぶ.同 時 に粘 膜 の 下部 ま で炎 症. が 少 くて,肉 芽 組織 もや や 占 くな つ て い る.さ らに. が す す み,ひ. そ の一 部 に は粘 膜 上 皮 の 再生 がみ られ る と ころ もあ. 外 側 まで 細 胞浸 潤 が み と あ られ る.つ い で 時 期 の経. る.第5図. 過 と と もに 炎症 の比 較 的 軽 度 で あ つ た部 よ り偽 膜 は. は エ ラ スチ カ ・ワ ンギ ー ソン染色 標本 で,. 肉芽 の 部 に は膠 原 線 維 の 増殖 がみ られ るが,偽 膜 に. どい と きに は気 管 軟 骨 を こえ て気 管 の. 剥 離 し,こ の 剥 離 した部 の粘 膜 に は上 皮 の 再生 な ど.

(5) 気管 内麻酔後の偽膜性喉頭気管炎に関する研究. 17. もみ られ,治 癒 の傾 向 が み とめ られ る.こ れ ら病 変. 細 菌 がみ とめ られ た.こ の こと は細 菌の 感 染 が 重要. の 時 期 的経 過 は個 体 によ り種 々で あ り,術 後 一 定 の. な 原 因 で あ る ことを 示 唆 して い る よ うに 思 わ れ る.. 時 期 に取 出 した 標本 にて も病 変 の 程 度 は種 々 で あ り,. そ こで人 体 並 に 犬 に お け る上 気 道 のい わ ゆ る常 在. 約 半 周 に偽 膜 の発 生 して い る もの,全 周 に及 ぶ もの,. 性 細 菌 の うち,最 も多 くみ とめ られ る細 菌6種 を気. す で に剥離 が は じまつ て い る もの な どが み られ る. 一般 に 剥離 が始 ま る と咳 嗽 ,呼 吸 困 難,窒 息 状 態 な. 管 内 挿 管抜 去 後 の 気 管 に 散布 した と ころ,細 菌 の 散. どの 症 状 が ひ ど くな つ て くる.. の 偽 膜性 喉 頭 気 管 炎 の 発生 をみ た.す な わ ち偽 膜 性. 第5章. 喉 頭気 管炎 は細 菌感 染,と 総 括並 に考按. き らか に 多 数. くに溶 血 性 連 鎖 状 球 菌 な. らび に 黄色 葡 萄 状 球 菌 に よ り最 も多 数 に 発生 す る こ. 以 上 の実 験 の結 果 よ り,カ ブ圧 が 強 大 なれ ば偽 膜 性 喉 頭 気 管 炎 の 発 生 率 は 増 大 す る け れ ど も, 50mmHg程. 布 を 行 わ な かつ た 実 験 に比 較 して,あ. 度 の カ ブ圧 で も顕微 鏡 的 偽 膜性 炎 症 は. とが あ き らか とな つ た. 以 上 の実 験 よ り人体 に お け る偽 膜 性 喉 頭気 管炎 の 発生 原 因 も細 菌 感 染 に よ る ものが 最 も多 い と考 え ら. か な り高 率 に発 生 す るの で,カ フ 圧 だ け が本 症 発 生. れ,し か もこれ らの 起 炎 細 菌 は特 種 な 細 菌 で は な く,. の 唯 一 の 原 因 と は 考 え ら れ な い.ま. 上 気道 に常 在 す る溶 血 性連 鎖 状 球 菌,黄 色 葡萄 状 球. 240mmHgで. た カフ圧. は 圧 迫 性潰 瘍 を生 じた もの は1例. もな. 菌 な どの炎 症 を 起 しや す い細 菌 の 感 染 に よ る こと が. く,肉 眼 的偽 膜 の 発生 した もの,顕 微 鏡 的 偽 膜 性 炎. 多 い と想 像 され る.従 来 い われ て い た カ ブ圧 の過 大,. 症 の 存在 した もの を 除 い た 他 の15例 に お いて,. 挿 管時 の外 傷,チ. 1例. ュー ブの過 大,長 時 間 の挿 管,チ. に膜 様部 の著 明 な 肥 厚,炎 症 像 をみ とめ た が,他 は. ュー ブの摩 擦,粘 滑 剤 の不 良な どは す べ て気 管粘 膜. 種 々な程 度 の 粘 膜 上皮 の剥 離 をみ とめ た に過 ぎず,. を障 碍 す る こ とに よ り,こ れ らの 細 菌 の 感染 を容 易. これ は50mmHgの. な ら しめ る もの で あ り,ま た 全 身 状 態 の不 良,血 圧. 標 本17例 と大差 を 認 め な かつ た.. この結 果 よ り必 ず しも局所 圧 迫 性 貧 血 よ り感 染 が 起. の下 降 な ど も これ らの感 染 を助 長 す る もの と考 え ら. る とは考 え られ な い が, 240mmHgで. れ る.. に拡張 され,と. は 気 管 は著 明. くに 膜様 部 の 伸展 は 強度 であ るの で,. ま たGrimm. and Knight2)の 症 例, Turner3)の 第. 粘 膜 に対 す る障 碍 も多 く,こ れ が感 染 を助 長 す る も. 3例,. の と考 え られ る.. の 症 例,私 の 第5例 な どに は潰 瘍 が み とめ られ て い. 次 に麻 酔 中 の血 圧 と本症 発生 との関 係 をみ るに,. Dwyer13),. Belam. and Zuck4)お. よ び 占 賀8). るが,こ の潰 瘍 の 発生 原因 につ い て は実 験 に よ り決. 表 の如 く相 互 の 間 に は何 等 関係 が み とめ られ な か つ. 定す る こ とが で きな か つた.カ. た.こ の実 験 はBelam4),古. 賀8)ら に よつ て 示 され. 圧 迫 が非 常 に 強 か つ た り,ま た 時間 が非 常 に 長 か つ. た 麻 酔 中の 低 血圧 に よ る圧 迫性 貧 血 が潰 瘍 の 発生 の. た場 合 に は純 枠 な 局所 貧 血性 壊 死 も存 在 す るで あ ろ. 原 因 とな りは しな い か と期 待 して い た が,. うが, Agnes. 麻 酔 で は 潰瘍 は1例 もみ られず,や. 5時 間 の. は り外 傷 と思 わ. フや チ ュー ブに よ る. P. Muir5)の い う感 染 性 漬 瘍 が最 も. 多 い の で はな か ろ うか.. れ る部 よ りの 偽 膜 性炎 症 のみ が み られ た.. 第6章. 結. 論. さ らに 麻 酔時 間 との 関係 を み るた め5時 間 の 麻 酔 と10時 間 の 麻 酔 と を比 較 した.こ の 場 合10時 間の も の には 肉 眼 的 偽膜 は1例 も発生 しな か つ たが,顕 微 鏡 的 偽 膜 性 炎 症 像 を示 した もの が4例 あ り,気 管 粘. 1). 偽 膜性 喉 頭 気 管 炎 の 発生 原 因 と して は,上 気. 道 に常 在 す る細 菌の 感 染 が主 原 因 で あ る と思 われ る. 2). 犬 に お け る実 験 で は 細 菌感 染,と. くに 溶 血 性. 膜 に 対 す る障 碍 は や や増 加 す るよ うで あ り,こ の た. 連 鎖 状 球 菌,黄 色 葡 萄 状 球 菌に よ る偽 膜 の 発生 が最. め 偽 膜性 喉 頭 気 管 炎 の 発生 す る危 険 が や や増 大 す る. も多 か つ た.. よ うに思 わ れ るが,と. くに著 しい 影響 はみ とめ られ. カ フ圧 の高 い もの ほ ど偽 膜性 喉 頭 気 管 炎 の 発. 生 率 は増 大す る傾 向 が み られ るが,カ フ圧 の み に よ. な か つ た. 以 上 の 結 果 よ り考 え るに,カ フ圧 や血 圧,麻 酔 時 間 以 外に何 等か の要 因 が本 症 の 発生 に大 きな 役 割 を は た して い る もの と考 え な けれ ば な らな い.そ. 3). こで. こ ころ み に私 は 肉眼 的 偽 膜 発生 の3例 に つ い て細 菌 培 養 を行 つ た と ころ, 3例 と もそ れ ぞれ 前述 の如 き. つ て 発生 す ると は考 え られ な い . 4). 麻酔 中の 血 圧 は偽 膜 性 喉 頭 気 管炎 の 発生 に は. 関係 がみ とめ られ な か つ た. 5). 麻 酔 時 間 の 長 さは 偽 膜 性 喉 頭 気 管 炎 の 発生 に. 著 しい 影響 は与 え な い..

(6) 18. 久 6). 挿 管 時 の外 傷,カ. 持. 秀. フ圧 の過 大,長 時間 の 挿 管,. チ ュー ブの摩 擦,粘 滑 剤 の 不良,血 圧 の 下降,全 身. 臣. 喉 頭気 管炎 の 発 生 を助 長 す ろ意 味 に お い て,第 二 義 的 な意 義 を 有 す る もの と思 わ れ る.. 状 態 の不 良 な どの 諸 原 因 は細 菌の 感 染 に よ る偽 膜 性. 文 1) Lennon, esth. P.. B. B., and Rovenstine,. & Analg. Muir,. E. D... 18, 217-220,. Anaesthesia. 9,. 1939.. 献. An. 9). (Agnes. 2, 105-113,. J. E., and Knight,. siology 4, 6‑11, Anaesthesia,. 9,. 3) Turner,. F. L.:. 4) Belam,. thesia 6) Baron, Otol. 7) Turner,. 2,. R. T.. Anesthe. (Agnes. 105‑113,. Lancet. 10). Ransom,. 11). 矢 後 謙 一:. 12). 古 野 義 文,奥. P. Muir,. 1954よ. 2, 237-238,. O. H., and Zuck, D... 96-98, 5) Agnes. 1943,. M... 1949.. 2,. S. H., Rhin. F.. and James Straton.. 105-113, and. & Laryng. L.:. 60,. Personal. H. W.. 767-792,. On. 隅 広:. the. J. 58,. 1,. 222,. 1947.. 510,昭32.. 化 学 療 法 研 究 所 彙 報,. C. S., Kronenberg,. 1095,. 8,. S., and Saklad,. 10, 714-728,. 1952 (Schw.. Ann.. 本 間 道 夫,土. 16). 小 野 譲,五 6,. 1951. 17). Communication.. 屋 俊 夫; 十嵐 真. 1949.. Nord. Med. (Dan.) M. W, 82, 1345, 1952. 医 療, 7, 349‑352,昭28. 日 本 気 管 食 道 科 学 会 会 報,. 151‑154,昭30.. 緒 方 知 三 郎:. 病 理 組 織 顕 微 鏡 標 本 の 作 り方 手 ほ. ど き,第9版,南. 古 賀 良 平. 胸 部 外 科,. Med.. 日 本 外 科 学 会 雑 誌,. Anesthesiology. 15). 1953. 8). 1, 190‑196,. よ り 引 用). Anaes. 1954.. Kohlmoos,. Brit.. 14) W. Dam and E. Zwergius... 8,. 48,. P. Muir,. S. G... 13) Dwyer,. 1953.. 9,. 耳 鼻 と 臨 床,. 58‑61,昭29.. り 引 用). Anaesthesia,. 田 し ず 子:. 昭30.. 1954.. よ り 引 用). 2) Grimm,. 窪 敦 子,新. 山 堂,. 114‑115,昭30.. 7, 991‑993,昭29.. pseudomembranous. laryngotracheitis. after. the. endotracheal. anesthesia. Part. II.. Experimental. studies. on. factors. of occurrence.. By Hideomi 1st Department. HISAMOCHI. of Surgery, Okayama University Medical School. (Director: Prof. Dr. D. Jinnai). Dogs were used for experiment. The influence of cuff and blood pressure and duration of anesthesia upon the occurrence of pseudomembrane were studied. Six kinds of bacteria, which were found ordinarily in upper respiratory canal, were scattered in the trachea after endotracheal anesthesia. They were comprared with those, to which no bacteria were ad ministrated. For the causal genesis of pseudomembranous larygotracheitis the infection of bacteria, which are ordinarily found in the upper respiratory canal, is seemed to play a main role, es peciallv in dogs it occurs mostly by the haemolvtic streptococci and yellow staphylococci. It tends to occur more frequently by the high cuff pressure, but we can not regard that it is caused only by the cuff pressure..

(7) 気 管内麻酔後の偽膜性喉頭気管炎に関する研究 The. hypotention. Trauma cant by. and bacterial. low. at. and. duration. intubation, blood. pressure. infectiones.. too. high. etc.. of intubation cuff must. showed. pressure, have. no definite. too long. a secondary. relation. duration power. 19. of. to help. to its. intubation, its. occurrence. bad. occurrence. lubri caused.

(8) 20. 久. 久. 第1図. 第2図. a. 持. 持. 論. 秀. 文. 臣. 附. 図. 第1図. b (aの. 第3図. 拡 大).

(9) 気管 内麻酔後 の偽膜性喉頭気 管炎 に関す る研究. 久. 第4図. 第5図. 持. 論 文. 附. 図. (ヘ マ ト キ シ リ ン ・ エ オ ジ ン 重 染 色). (エ ラ ス チ カ. 第6図. ・ ワ ン ギ ー ソ ン 染 色). (線 維 素染 色). 21.

(10) 22. 久. 久. 第7図. 外 傷部 位 よ り炎 症 が起 り, 細 胞 浸潤 と線 維 素 の折 出 が み られ る. 持. 持. 秀. 論 文. 臣. 附. 図. 偽 膜 性喉 頭 気 管 炎発 生 模 型 図. 炎 症 は 周囲 及 び 深 部 に ひ ろ が り,偽 膜 を 形成 し気管 全 周 に及 ぶ. 偽膜 は一 部 剥 離 し,粘 膜 に は上 皮 の再 生 もみ られ る.

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参照

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