Lektion 1 [動詞の現在人称変化と語順]
1
動詞の現在人称変化
1.【補足】
・ ichは英語の I とは違い,文頭以外では小文字で書き始めます.
・ 3人称単数の代名詞の er「彼」,es「それ」,sie「彼女」は,人間を指すだけでなく,er は 男性名詞,es は中性名詞,sie は女性名詞を受ける代名詞として使われます.この意味で,
er =「彼」,sie =「彼女」という日本語の訳語はあくまでも便宜上のものです.
(名詞の性については第2課で勉強します.)
2.親称2人称 du / ihr と敬称2人称 Sie
2人称には家族や親しい友人など気を遣わなくてよい相手に使う du(君)/ ihr(君たち)と,
一般的な間柄の相手に使う Sie(あなた,あなた方;単複同形)があります.この Sie は3人
称複数の sie(彼ら)と同じ変化をしますが,常に大文字で書き始めます.
この二つの2人称の使い分けは,必ずしも日本語の敬語の使用と同じには考えられません.た とえば,神様は自分にとって一番といっていいほど身近な存在なので,尊敬していようとも du
で話しかけます.子どもや動物にも気を遣わないのでやはり du で話しかけます.
一般に,大人同士は Sie で呼び合う(これを siezen と言います)関係から,ある時点で du
で呼び合う(duzen)関係になります.このとき,一般には,年齢や社会的地位が上だと見な される方が,„Wollen wir uns duzen?“ 「私たちは du で呼び合いましょうか?」や,„Darf ich Ihnen das Du anbieten?“ 「あなたに du で呼ぶことを提案してもいいですか?」などと 持ちかけ,お互いが納得すれば du で呼び合う関係になります.なお,du で話すひとには
Thomas などのファーストネーム(r Vorname)で,Sie で話す人には,男性の場合 Herr Schmidt,女性の場合 Frau Schmidt のように,Herr または Frau +ファミリーネーム(r Familienname)で呼びます.
3.少し注意のいる動詞の現在人称変化
<口調上の e の挿入>
語感が -t, -d で終わる動詞は,2人称単数・複数(du/ihr)と3人称単数(er/es/sie)が主
語のとき,発音しやすくするために -e- を入れます.
arbeiten 「働く」 → du arbeitest, er arbeitet, ihr arbeitet finden 「見つける,〜と思う」 → du findest, er findet, ihr findet
Wo arbeitest du? 君はどこで働いているの?
Mari findet Lea nett. マリはレアのことを親切だと思う.
語幹が,-ffn, -chn, -gn など「子音+ -n」の組み合わせで終わる動詞」にも口調上の e が入 ります.
öffnen 「開ける」 → du öffnest, er öffnet zeichnen 「描く」 → du zeichnest, er zeichnet regnen 「雨が降る」→ es regnet
Er öffnet das Fenster. 彼は窓を開ける.
Maria zeichnet gut. マリアは絵がうまい.
Es regnet jetzt. 今,雨が降っている.
<語幹が -el で終わる動詞>
lächeln など語幹が -el で終わっている動詞は,1人称単数において語幹末尾の e を省きま す.
lächeln 「ほほえむ」 → ich lächle angeln 「つりをする」 → ich angle
【注】これはそのままだと,ich *lächele のように,-ele- というアクセントを持たない(=弱 母音の)e が連続してしまうからです.ドイツ語では一般に弱母音の連続が避けられます.
なお,理屈としてはどちらかの e を省けばいいのですから,ich lächel や ich angel とい う形でも良いわけで,実際,口語でこのような形が見られることもあります.しかし,正し いドイツ語とは見なされていません.
<語幹が[s], [ts]で終わる動詞>
語幹が[s]や[ts]で終わる動詞の2人称単数(du)では,語尾 -st の -s が融合するので単に
t だけを付けます.その結果,これらの動詞では2人称単数と3人称単数は同じ形になります.
reisen 「旅行する」 → du reist, er reist heißen 「〜という名である」 →
du heißt, er heißt
tanzen 「踊る」 →du tanzt, er tanzt
2sein と haben の用法
1.sein の用法
sein は英語の be動詞に相当し,次の用法があります.
【主語と述語の同定 ( A = B )】
Herr Schmidt ist Lehrer. シュミットさんは先生です.
Ich bin müde. 私は眠い(疲れている).
ドイツ語では職業,身分,国籍を表す名詞には男性形と女性形があり,女性形は多くの場合,
男性形に -in を付けてつくります.なかには,ウムラウトを伴うものがあります.
Lehrer「(男性の)先生」 ̶ Lehrerin 「(女性の)先生」
Arzt 「(男性の)医者」 ̶ Ärztin 「(女性の)医者」
また,職業,身分,国籍を表す場合,名詞には(英語と異なり)冠詞を付けません.
Ich bin Student. 私は学生です. (英 I am a student. )
ただし,その人の身分よりも,性質の描写に力点が置かれると不定冠詞が付きます.
Sie ist eine gute Lehrerin. 彼女は良い先生です.
Er ist ein Schauspieler. 彼はまったく役者だよ(役者のような人だ).
(Er ist Schauspieler. 彼は(職業として)俳優です.)
【主語の存在】
Yui ist jetzt in Deutschland. ユイは今ドイツにいる.
2.haben の用法
haben は英語の have に相当し,所有関係を表しますが,日本語の「持つ」よりも多くの目 的語を取ります.
Er hat viel Geld. 彼はお金をたくさん持っている.
Ich habe Hunger/Durst. 私はお腹が空いている/喉が渇いている.
Sie hat blonde Haare. 彼女は金髪だ.
Ich habe eine Schwester. 私には姉(妹)が一人いる.
3
重要な疑問詞
重要な疑問詞には次のものがあります.
wann「いつ」 wo「どこで」 woher「どこから」 wohin「どこへ」
wer「誰が」 was「何が・何を」 wie「どのように」
Wann kommen Sie morgen? あなたは明日いつ来ますか?
Wo wohnen Herr und Frau Schmidt? シュミット夫妻はどこに住んでいますか?
Woher bekommst du so viel Geld? 君はどこからそんなにたくさんのお金をもらっているんだい?
Wohin geht er jetzt? 彼は今どこに行くのですか?
Wer wohnt hier? 誰がここに住んでいるのですか?
Was machst du denn da? 君はいったいそこで何をしているんだい?
Wie machst du das? 君はそれをどうやってするの?
4
現在形の用法
ドイツ語には英語の現在進行形に相当するものはなく,現在形が「〜している」と動作の進行 を表します.
Ich lese gerade die Zeitung. 私は今新聞を読んでいるところです.
Ich lese immer abends die Zeitung. 私はいつも晩に新聞を読みます.
また,現在形は未来のことがらも表します.
Ich fahre morgen nach Berlin. 私は明日ベルリンに行きます.
過去から現在まで継続していることがらも現在形で表されます.
Wir lernen seit April Deutsch. 私たちは4月からドイツ語を勉強しています.
Lektion 2 [名詞の性と格変化(1格と4格),重要な動詞]
1
名詞の性
ドイツ語の名詞は文法上かならず「男性」,「中性」,「女性」のいずれかのグループに属します.
名詞の性の違いは主にその名詞に付く冠詞に違いによってあらわされます.ドイツ語では,英語 の the に相当する定冠詞には3つあり,男性名詞には der が,中性名詞には das が,女性名
詞には die が付きます.
男性名詞 中性名詞 女性名詞
der Vater 「お父さん」
das Kind
「こども」die Mutter
「お母さん」der Staat 「国家」
das Dorf
「村」die Stadt
「町,市」der Bleistift 「鉛筆」
das Buch
「本」die Tasche
「カバン」これらの例のうち, Vater 「お父さん」が男性名詞,Mutter 「お母さん」が女性名詞であるよ うに,人間や動物など「自然の性」を持つものを表す名詞ではほぼ「自然の性」と「文法上」の 性は一致しますが,Mädchen 「少女」が中性名詞であるように一致しない例もあります.
(これは後で述べるように, -chen の語尾を持つ名詞はすべて「中性」であると決まっているか らです.)
また,上の例で明らかなように,物や事柄を表す名詞の性は,ほとんど恣意的に決まっている と言ってよく,基本的には覚えるしかありません.ドイツ語の名詞は,必ず定冠詞を付けて覚え るようにしてください.
辞書には,男性名詞は や m( Maskulinum[マスクリーヌム]の略),中性名詞は や n
( Neutrum[ノイトルム]の略),女性名詞は や f( Femininum[フェミニーヌム]の略)
のように記されています.この教科書では der,das,die の最後の1文字をとって r Vater,
s Kind,e Mutter のように名詞の性を示しています.
なお,ドイツ語では,固有名詞に限らずすべての名詞を必ず大文字で書き始めることになって います.
【補足】 形から性がわかる名詞
ごく少数ですが,形から性が決まっている名詞があります.以下の接尾辞が付くとその名 詞の意味に関係なく性が決まります.
【男性名詞にする接尾辞】
-er: (動詞の語幹について,その行為を(職業として)する人を表します)
r Lehrer「(男性の)教師」,r Arbeiter「労働者」
-ling:(主に動詞や形容詞に付き,その性質を持つ人間を表す男性名詞を作ります)
r Lehrling「徒弟」,r Liebling「お気に入り,人気者」,r Säugling「乳児」
a
a
a
-ismus:(主義・傾向・制度を表す男性名詞を作ります)
r Kapitalismus「資本主義」, r Buddhismus「仏教」
【中性名詞にする接尾辞】
-chen:(小さなものを表す中性名詞を作ります)
s Mädchen「少女」, s Brötchen「小さなパン」, s Päckchen「小包」
-lein:(小さなものを表す中性名詞を作ります)
s Fräulein「お嬢さん」, s Vöglein「小鳥」
【女性名詞にする接尾辞】
-in:(人間の職業や国籍などの属性を表す男性名詞を対応する女性名詞にします)
e Lehrerin「(女性の)教師」, e Japanerin「(女性の)日本人」
-ung:(動詞の語幹に付いて,行為や行為の結果を表す名詞を作ります)
e Bildung「教養」, e Forschung「研究」, e Achtung「尊敬」
-heit:(形容詞に付いて性質や集合体を表す女性名詞を作ります)
e Freiheit「自由」, e Menschheit「人類」, e Schönheit「美」
-keit:(-bar, -ig, -lich, -samで終わる形容詞に付いて性質や状態を表す女性名詞を作り ます)
e Einsamkeit「孤独」, e Möglichkeit「可能性」, e Flüssigkeit「液体」
-schaft :(名詞に付いて,集合体や抽象物を表す名詞を作ります)
e Lehrerschaft「全教員」
,
e Freundschaft「友情」【意味から性が決まっているもの】
以下の名詞はすべて男性名詞です.まとめて覚えておくと便利です.
季節の名前
r Frühling「春」 r Sommer「夏」 r Herbst「秋」 r Winter「冬」
月の名前
r Januar「1月」 r Februar「2月」r März「3月」 r April「4月」 r Mai「5月」
r Juni 「6月」 r Juli「7月」 r August「8月」 r September「9月」
r Oktober「10月」 r November「11月」 r Dezember「12月」
曜日の名前
r Montag「月曜日」 r Dienstag「火曜日」 r Mittwoch「水曜日」
r Donnerstag「木曜日」 r Freitag「金曜日」
r Samstag「土曜日」(北ドイツでは r Sonnabend) r Sonntag「日曜日」
・合成語の性
2つ以上の名詞が組み合わさってできている合成語(複合名詞)の場合,基礎となる最後の 名詞の性が合成語全体の性になります.
s Gemüse「野菜」+ r Laden「店」→ r Gemüseladen「八百屋」
r Tee「お茶」+ e Tasse「カップ」→ e Teetasse「ティーカップ」
2
名詞の格変化(1格と4格)
【1格の用法】
・文の主語(誰が・何が)を表します.
Der Mann kommt aus Berlin. その男の人はベルリン出身です.
・ sein「〜である」などを使った「 A は B である」という関係を表す文の主語( A )はもちろんの
こと,述語( B )としても使われます.
Der Täter ist der Mann dort. 犯人はあそこにいる男だ.
・呼びかけの語句も1格です.
Was machst du hier, junger Mann? ここで何をしているのだ,若者よ?
【4格の用法】
・直接目的語(動詞の表す行為の向く直接的な対象)を表します.
Ich kaufe einen Apfel. 私は1個のリンゴを買います.
・ nennen「 A を B と呼ぶ」を使った文の B の部分(4格述語)も4格です.
Alle nennen den Mann einen Lügner. すべての人がその男を嘘つきだと言う.
・副詞的4格
時間・日・月・年などを表す名詞を副詞として用いる時は4格にします.
Diesen Sommer fahre ich nach Deutschland. この夏,私はドイツに行きます.
Ich bin nur einen Tag in München. 私は1日しかミュンヘンにいません.
Lektion 3 [不規則動詞の現在人称変化,名詞の複数形と3格]
1
不規則動詞の現在人称変化
動詞の中には主語が2人称単数(du)と3人称単数のとき,語幹の母音が変化するものがあり ます.変化のタイプには,次のものがあります.
【a → äタイプ】
schlafen「眠る」 tragen「運ぶ」
ich schlafe wir schlafen ich trage wir tragen du schläfst ihr schlaft du trägst ihr tragt er schläft sie schlafen er trägt sie tragen
Schläfst du immer gut?
君はいつもよく眠れますか?Sie trägt eine Brille.
彼女はめがねをかけている.このタイプに含まれる重要な動詞には更に次のものがあります.
fahren「(乗り物で)行く」,fallen「落ちる」,fangen「捕まえる」,schlagen「打つ,なぐる」, wachsen「育つ」,waschen「洗う」
【e → i/ie タイプ】
・
e(短母音)→ i(短母音)になるものessen「食べる」 helfen「助ける」
ich esse wir essen ich helfe wir helfen du isst ihr esst du hilfst ihr helft er isst sie essen er hilft sie helfen
* essen の du と er は同じ形になります.
Isst du gern Pizza?
ピザを食べるのは好き?Er hilft nie.
彼は決して助けない.このタイプに含まれる重要な動詞には更に次のものがあります.
brechen「折る,壊す」
,sterben
「死ぬ」,treffen
「会う」,vergessen
「忘れる」,
werden「〜になる」,werfen
「投げる」・ e(長母音)→ ie(長母音)になるもの
lesen「読む」 sehen「見る」
ich lese wir lesen ich sehe wir sehen du liest ihr lest du siehst ihr seht er liest sie lesen er sieht sie sehen
* lesen の du と er は同じ形になります.
Liest du gern?
君は読書をするのが好きですか?Sie sieht das Fußballspiel.
彼女はそのサッカーの試合をみる.このタイプに含まれる重要な動詞には更に次のものがあります.
empfehlen「薦める」,stehlen「盗む」
・ e(長母音)→ i(長母音)になるもの(例外的なつづり方なので気を付けてください)
geben「与える」
ich gebe wir geben Die Lehrerin gibt jetzt Unterricht.
du gibst ihr gebt
その先生は今授業をしている.
er gibt sie geben
・
e(長音)→ i(短母音)になるもの(短母音であるため,次の子音を重ねます)nehmen「取る」 treten「歩く」
ich nehme wir nehmen ich trete wir treten du nimmst ihr nehmt du trittst ihr tretet er nimmt sie nehmen er tritt sie treten
Sie nimmt den Rock.
彼女はそのスカートを買う.Der Mann tritt langsam.
その男はゆっくりと歩く.【口調上の e がないもの】
2人称・3人称で幹母音が変わるとき,口調上の e は挿入されません.
halten「保つ」 raten「助言する」
ich halte wir halten ich rate wir raten du hältst ihr haltet du rätst ihr ratet er hält sie halten er rät sie raten
Der Bus nach Berlin hält nicht hier.
ベルリン行きのバスはここには停まりません.Der Mann rät immer richtig.
その男の人はいつも正しく助言をする.gelten「該当する,有効である」
ich gelte wir gelten Der Fahrschein gilt nicht mehr.
du giltst ihr geltet
その乗車券はもう有効ではない.
er gilt sie gelten
このタイプに含まれる重要な動詞には更に次のものがあります.
braten「焼く」
,laden
「積む」,schelten
「叱る」,treten
「歩く,踏む」【補足】7,8頁で挙げたタイプの他に次のものがあります.
【au → äu】
laufen「走る」
ich laufe wir laufen Das Mädchen läuft sehr schnell.
du läufst ihr lauft
その少女はとても速く走る.
er läuft sie laufen
【o
→ ö】stoßen「ぶつかる」
ich stoße wir stoßen Das Kind stößt oft gegen die Wand.
du stößt ihr stoßt
その子どもはよく壁にぶつかる.
er stößt sie stoßen 2 名詞の複数形
1.無語尾式 der Lehrer「(男の)先生」→ die Lehrer
(ウムラウト) der Vogel「鳥」→ die Vögel
・ -chen, -lein で終わる名詞は必ず無語尾式で単複同形になります.
・ -er で終わる職業・国籍を表す名詞(r Japanerなど)は必ず無語尾式で単複同形になります.
・ 女性名詞で無語尾式になるのは,e Mutter「母」→ Mütter, e Tochter「娘」→Töchter
の2語だけです.
2.-e 式 das Heft「ノート」→ die Hefte
(ウムラウト) die Nacht「夜」→ die Nächte
・ 女性名詞で -e 式ならば,必ず幹母音がウムラウトします.(e Hand「手」→ Hände, e Stadt「町」→ Städte など)
・ 動詞の語幹から作られた名詞(語幹名詞,たとえば,wünschen「望む」→ r Wunsch「望み」
→ Wünsche)は,たいてい男性名詞で -e 式です.
・ -nis で終わる名詞の複数語尾は,子音を重ねて, -nisse となります.(s Geheimnis「秘密」
→ Geheimnisse, e Kenntnis「知識」→ Kenntnisse など)
3.-er 式 das Kind「子ども」→ die Kinder
(ウムラウト) das Haus「家」→ die Häuser
・ -er 式では幹母音がウムラウト可能なら(つまり,a, o, u, au なら)必ずウムラウトします.
(r Mann「男」→ Männer, s Wort「単語」→ Wörter, s Buch「本」→ Bücher など)
・ このタイプに女性名詞はありません.
・ 1音節の中性名詞はほとんどこのタイプです.
4.-(e)n 式 die Blume「花」→ die Blumen die Frau「女性」→ die Frauen
・ 単数形がもともと -e で終わっている場合,および,-el, -er で終わっている場合は -n だけ
を付け(e Gabel「フォーク」→ Gabeln, e Schwester「姉・妹」→ Schwesternなど),
その他の場合は -en を付けます.
・ このタイプでは幹母音は決してウムラウトしません.
・ 男性弱変化名詞(後述)はすべてこのタイプです.
・ 女性名詞は大部分このタイプに属します.
・ -in で終わる女性名詞の複数語尾は,n を重ねて -innen になります.(e Leherin「(女性の)
教師」→ Lehrerinnen)
・ 接尾辞 -keit/-heit/-schaft/-ung を持つ女性名詞(← Lektion 2 1参照)の複数形は必ず このタイプで -en が付きます.(e Schönheit「美,美人」→ Schönheiten, e Kleinigkeit
「些細なこと」→ Kleinigkeiten, e Mannschaft「チーム」→ Mannschaften, e Erfindung「発明」→ Erfindungen)
5.-s 式 das Auto「車」→ die Autos
・ このタイプは英語やフランス語からの外来語がほとんどです.
(s Hobby「趣味」→ Hobbys, s Hotel「ホテル」→ Hotels)
・ 略語も -s を付けて複数形にします.(r LKW「トラック」→ LKWs)
【補足】特殊な形の複数形
ギリシャ語やラテン語起源の単語のなかには,複数形が特殊な形になるものがいくつかあり ます.
s Museum「博物館」→ Museen s Studium「勉学」→ Studien
r Organismus「有機体」→ Organismen
(-ismus は複数形で必ず -ismen になります)
3 名詞の3格
【3格の用法】3格には以下の用法もあります.
・ ある行為によって利益を受ける人を表します(利益の3格).
Sie strickt dem Mann einen Pullover. 彼女はその男の人にセーターを編んであげる.
・ ある行為によって被害を受ける人を表します(被害の3格).
Der Regen verdirbt uns den Ausflug. 雨で遠足が台無しだ.
(↑雨が私たちに遠足を台無しにする.)
・ 身体部位の所有者を表します(所有の3格).
Der Vater putzt dem Sohn die Zähne. 父親は息子の歯を磨いてやる.
・ 動詞によっては3格の目的語だけを取るものもあります.
Er hilft dem Freund. 彼は友人を助ける.
Das Buch gehört dem Schüler. その本はその生徒のものです.
Lektion 4 [前置詞・副文]
1 前置詞
1. 2格支配,3格支配,4格支配の前置詞の用法 2格支配の前置詞の用法
anstatt, statt:「〜の代わりに」という代理や代替を表します.anstatt と statt は同じ意味で 使われます.なお,口語では3格支配でも使われます.
Sie übernimmt die Arbeit [an]statt ihres Mannes. 彼女が夫の代わりにその仕事を引き受ける.
außerhalb: 時間・空間・抽象的な領域について,「〜の外」を意味します.
Der Arzt ist auch außerhalb der Sprechzeiten telefonisch erreichbar.
その医者は,診療時間外でも電話で連絡が取れます.
Sie wohnt außerhalb der Stadt. 彼女は町の外に住んでいます.
[注]空間的に外部を表すときは,前置詞 von と組合わさって副詞的にも使われます.
Sie wohnt außerhalb von Köln. 彼女はケルン郊外に住んでいます.
innerhalb: 時間や空間について,「〜の中で」を意味します.
Innerhalb eines Jahres müssen wir das fertig machen.
一年以内に私たちはそれを仕上げなければならない.
Innerhalb der Stadt gibt es keinen Park. 町の中には公園がない.
[注]時間と空間のどちらの意味でも,前置詞 von と組合わさって副詞的にも使われます.
Innerhalb von zwei Monaten kommt sie zurück. 2ヶ月以内に彼女は戻ってきます.
Er wohnt innerhalb von Berlin. 彼はベルリン市内に住んでいます.
trotz: ある事柄や状況に対して,「〜にかかわらず」と,それからふつう想定されることに反す ることを述べるときに使われます.
Trotz des Regens machen sie einen Ausflug. 雨にもかかわらず彼らは遠足に行く.
[注]口語では3格支配でも使われます.Trotz dem Regen ....
während: 特定の期間や行為の行われている時間について,「〜の間に」という意味を表します.
Während des Kriegs lebten sie im Ausland.
戦争の間,彼らは外国で暮らしていた.
wegen: 原因や理由を挙げ,「〜のために」という意味を表します.
Wegen seiner Krankheit kommt er nicht. 病気のため,彼は来ません.
[注]口語では3格支配としてもよく使われます.
Wegen dem Hund fahren sie nicht in Urlaub. 犬のために,彼らは休暇に行かない.
特に,人称代名詞とともに用いられるときは,人称代名詞の2格自体が現在ではほとんど使わ れないこともあり,3格支配になるか(wegen mir「私のため」,wegen dir「君のため」),別
の形(meinetwegen, deinetwegen)になります.
3格支配の前置詞の用法
aus: 空間的にある場所の「中から(外に)」を表します.さらに,出身地,材料,原因も表し ます.
Sie kommt aus dem Zimmer. 彼女は部屋から出てくる.
Er kommt aus Leipzig. 彼はライプツィヒ出身だ.
Wasser besteht aus Wasserstoff und Sauerstoff.
水は水素と酸素からできている.
Aus welchem Grund sagt er das? どんな理由で彼はそんなことを言うのだろう?
bei: 空間的にある物の「近くに」を表します.また,人の「許で」,時間的に「〜の際」も表し ます.
Versailles liegt bei Paris. ベルサイユはパリの近くにある.
Er wohnt bei den Eltern. 彼は両親の許で暮らしている.
Beim Abendessen trinken sie immer Wein. 夕食の時,彼らはいつもワインを飲む.
mit: ある人と「ともに」と仲間や相手を表すとともに,道具や付帯する物・事柄を表します.
Sie wohnt mit ihrem Freund zusammen. 彼女は彼氏と一緒に住んでいる.
Peter ist mit einer Sängerin verheiratet. ペーターは歌手と結婚している.
Der Schüler fährt jeden Tag mit dem Fahrrad zur Schule.
その生徒は毎日自転車で学校に行く.
Das Zimmer kostet mit Frühstück pro Nacht 80 Euro.
その部屋は朝食付きで,一晩80ユーロです.
nach: 無冠詞の地名などに付き「〜へ」と方向を表すとともに,時間的に「〜の後で」を表し ます.
Wann fährst du nach Deutschland? 君はいつドイツに行くの?
Nach der Arbeit gehen sie immer trinken. 仕事の後,彼らはいつも飲みに行く.
[注]冠詞のついた国名には,in を用います.
Er fährt in die Türkei. 彼はトルコに行く.
seit: 時間的に「〜以来」を表します.
Seit einer Woche bin ich erkältet. 一週間前から風邪を引いています.
von: 空間的・時間的な開始点「〜から」を表すとともに,「〜の」と所属関係を表します.また,
受動文では動作主を表します.
Der ICE fährt von Hamburg nach München.
そのICE(都市間特急電車)は,ハンブルクからミュンヒェンへ走っています.
Er ist ein Freund von mir. 彼は私の友達の一人です.
Das Kind wurde von der Mutter gescholten. その子どもは母親にしかられた.
zu: 方向や目的地を表します.
Heute gehe ich zum Rathaus / zum Arzt. 今日私は市役所に/医者に行く.
4格支配の前置詞の用法
durch: 空間的に通過点「〜を通って」を表します.また,手段を表すこともあります.
Rotkäppchen geht durch den Wald zur Oma.
赤ずきんは森を通っておばあさんのところへ行く.
Durch Drücken dieses Knopfes schaltet man die Anlage ein.
このボタンを押すことによって,この機械を作動させます.
für: 「〜のために」と,利益を受け対象を表します.また,基準や,期間も表します.
Er arbeitet für die Familie. 彼は家族のために働く.
Deutsch ist für mich schwer. ドイツ語は私には難しい.
Ich miete die Wohnung für zwei Jahre. 私はその住居を2年間借りる.
gegen: 「〜に逆らって」と,対立する対象を表します.
Ich brauche ein Medikament gegen Husten. 私は咳止めの薬がいる.
ohne: 「〜なしで」と欠如を表します.
Die Miete beträgt ohne Strom und Heizung 300 Euro.
家賃は光熱費を含まずに300ユーロだ.
um: 空間的に「〜回りに」を表すほか,時間的に「〜(時)に」を表します.
Sie bindet sich einen Schal um den Hals. 彼女は首の回りにスカーフを巻く.
Der Unterricht beginnt um 10 Uhr. 授業は10時に始まります.
2. 3・4格支配の前置詞
3・4格支配の前置詞は,基本的に空間の位置関係を表すほか,さまざまな用法を持ちます.
ここには空間の用法のみ挙げます.
an: 「〜に,〜のところに」(ある場所・物に接触していることを表します.ただし,物の上面に 接触している場合(たとえば,「机の上に」本がある場合など)は,次の auf で表します.)
Das Bild hängt an der Wand. その絵は壁に掛かっている.
Sie hängt das Bild an die Wand. 彼女はその絵を壁に掛ける.
auf: 「上に」(ある物の上面に接触していることを表します.)
Das Buch liegt auf dem Tisch. その本は机の上にある.
Er legt das Buch auf den Tisch. 彼はその本を机の上に置く.
hinter:「後ろに」
Hinter dem Haus steht ein Baum. 家の後ろに木が立っている.
Die Kinder laufen hinter das Haus. 子ども達は家の裏に走っていく.
in: 「中に」
Sie wohnt in Berlin. 彼女はベルリンに住んでいる.
Ich gehe jetzt in die Stadt. 私はいまから街に行く.
neben: 「横に」
Neben dem Krankenhaus liegt die Apotheke. 病院のとなりに薬局がある.
Der Bräutigam stellte sich neben die Braut. 新郎は新婦の横に立った.
über: 「上方に」(接触しない「上に」あることを表します)
Das Bild hängt über dem Schreibtisch. その絵は机の上に掛かっている.
Das Flugzeug fliegt von Narita über Sibirien nach Frankfurt.
その飛行機は成田からシベリア上空を通ってフランクフルトに飛ぶ.
vor: 「前に」
Vor dem Haus steht ein großer Baum. その家の前に大きな木が立っている.
Sie stellt sich vor den Spiegel. 彼女は鏡の前に立つ.
zwischen: 「(〜と)〜の間に」
Sie sitzt zwischen ihrem Mann und ihrem Sohn. 彼女は夫と息子の間に座っている.
3.前置詞と定冠詞の融合形
定冠詞の指示力が弱い場合とは,主に次の2つがあります.
1)想起されるものが通常一つしかない場合:例えば,ある人が「今からオフィスに行く」と行っ た場合のオフィスは当然彼のいるべきオフィスなので,„Ich gehe jetzt ins Büro.“ となり ます.これを in das Büro と言うと,「何か特別な,今話題に上っている,そのオフィス」
ということになってしまいます.
2)その名詞が特定のものを指すというより,動詞と結びついて行為を表す場合:たとえば,「喫 茶店に行く」と言う場合,ins Café gehen と言いますが,これは特定の店を指すわけでは なく,<喫茶店に行ってお茶を飲む>という行為を表しています.
2 副文
Wir machen einen Ausflug, wenn das Wetter schön ist.
もし天気が良ければ,私たちは遠足をする.
上の例文の前半部分は主文で,定形である machen は第2位に来ています.それに対して,
後半では定形である ist が文の最後に来ています.これは,この後半部分の文が,wenn「もし」
という従属接続詞で始まっているからです.そして,「もし天気が良ければ」というこの文は,
それだけでは独立しておらず,前にある文(=主文)に依存しています.このように,従属接続 詞で始まり主文に依存する文を副文といい,副文では定形は最後に来ます.
Er kommt heute nicht, weil er erkältet
主文 副文
副文を主文より前にもってくることもできます.その時は,副文全体が一つの文肢として主文 の第1位を占めるので,主文の定形はその副文のすぐ後にきます.あくまでも主文では定形は第 2位に来るのです.
Wenn das Wetter schön ist, machen wir einen Ausflug.
第1位(副文全体) 第2位 従属接続詞
副文を導く従属接続詞には次のようなものがあります.
dass: 〜ということ
Ich weiß, dass sie krank ist. 私は彼女が病気であることを知っている.
weil: 〜なので,〜だから
Ich gehe nicht zur Schule, weil ich Fieber habe. 熱があるので,私は学校へ行かない.
da: 〜なので
Da es gestern so viel schneite, blieb ich den ganzen Tag zu Hause.
昨日はあんなに雪が降ったでしょう.だから私は一日中家にいました.
[注]weil と da は,両方ともほとんど同じ意味です.ただ,weil は聞き手が知らない理由を,
daは聞き手も知っている理由を挙げるときに使われる傾向があります.従って,weil 文は
主文の後に,da 文は主文の前に述べられることが多いのです.
wenn: 〜ならば;〜するとき
Wenn du nicht kommst, gehe ich auch nicht zur Party.
君が来ないのなら,私もパーティには行かない.
damit: 〜するために
Wir gehen jetzt schon, damit wir den Zug nicht verpassen.
電車に乗り遅れないように,私たちは今もう行きます.
obwohl: 〜にもかかわらず
Obwohl er müde ist, arbeitet er den ganzen Tag im Büro.
彼は疲れているのにもかかわらず,一日中オフィスで働いている.
bevor: 〜する前に
Bevor ich ins Bett gehe, mache ich Hausaufgaben. 寝る前に,私は宿題をする.
ist .
nachdem: 〜した後で
Nachdem er gegessen hatte, sah er noch ein bisschen fern.
食事をした後で,彼は少しテレビを見た.
[注]nachdemの文はふつう主文より時制が前になります.したがって主文が過去形(または
現在完了形)の場合,このように過去完了形になります.
während: 〜している間に
Während sie arbeitet, macht er nichts. 彼女が働いている間,彼は何もしない.
3 並列接続詞
文と文を繋ぐ接続詞には,上記の従属の接続詞の他に,主文同士を結ぶ「並列の接続詞」があ ります.これらは,文と文の間に置かれるものですから,後続の文の語順に影響を与えることは ありません.また,並列接続詞は,文だけでなく句や語も結ぶことができます.
並列の接続詞には,次のようなものがあります.
und: 〜そして
Thomas liest ein Buch und Sabine hört Radio.
トーマスは本を読んでおり,ザビーネはラジオを聴いている.
aber: 〜しかし
Sie isst immer sehr viel, aber sie wird nicht dick.
彼女はいつもとてもたくさん食べますが,彼女は太りません.
denn: 〜というのは
Mein Bruder kommt heute nicht, denn er ist krank.
私の兄は今日は来ません.というのも彼は病気だからです.
oder: 〜あるいは
Wir spielen jetzt, oder ich gehe nach Hause.
今私達は遊ぶか、そうでなければ私は家に帰る.
Lektion 5 [人称代名詞の3格・4格と再帰代名詞,再帰動詞,名詞の2格]
1 人称代名詞の3・4格
Lektion 2
でもふれましたが,3人称の代名詞は,それが指す名詞の性によって使い分けら れます.r Film「映画」は男性名詞なので,その4格の代名詞は ihn になります.Siehst du den Film? ̶ Ja, ich sehe ihn.
君はその映画を見るのかい?
うん,それを見るよ.
人称代名詞は名詞よりも前に置かれます.代名詞は,誰・何を指しているかが明らかなので(だ からこそ代名詞になれるわけです),そのような要素はなるべく先に言う方がスムーズな伝達が 行われるからです.
人称代名詞が二つあるときは 4格 ̶3格 の順番で言います.人称代名詞の優先順位は 1格>4格>3格で,文の中域(第2位の定形動詞の後から,枠構造の最後まで)では,この順 番で並べられると覚えてください.
Ich schenke ihr den Ring. Ich schenke ihn ihr.
私は彼女にその指輪を贈る. 私はそれを彼女に贈る.
2 再帰代名詞
相互代名詞
主語が複数で,「お互いに」という意味を表すときにも sich は用いられます.このような用法 を相互代名詞と呼びます.
Sie lieben sich. 彼らは愛し合っている.
【注】この場合,もし,sich が再帰代名詞だとすると,たとえば,Er liebt sich.「彼は自分自
身を愛している」+ Sie liebt sich. 「彼女は自分自身を愛している」= Sie lieben sich.「彼 らはそれぞれ自分自身を愛している」ということになり,文法的にはこの可能性もあります.
再帰代名詞か相互代名詞かは文脈からふつう分かります.
3 再帰動詞
再帰表現には,次のようなものもあります.
物が主語になる属性表現
Das Buch verkauft sich gut. その本はよく売れる.
【注】直訳すれば「その本は自分自身をよく売る」となりますが,これでその本の属性(性質)
を表す表現になります.なお,英語ではこの場合,The book sells well.と,他動詞をそ のまま自動詞として用いますが,ドイツ語では目的語になる再帰代名詞が必要です.
非人称の es を用いた属性表現
Hier wohnt es sich gut.
ここは住み心地がよい.
【注】上の「物が主語になる属性表現」の場合と違い,hier「ここ」などの副詞(句)の属性を 表現したいときは,非人称のesを文法上の主語にします.
sich +動詞+ lassen による「受動的可能表現」
Das Fenster lässt sich schwer öffnen. その窓はなかなか開かない.
【注】lassen「させる」とsichを組み合わせると,「〜されうる」と受動+可能の意味になりま
す.
4 名詞の2格
男性・中性名詞2格の語尾 -s/-es
男性・中性名詞の2格の語尾に -s と -es のどちらを付けるかは,発音しやすい方でいいこと が多いのですが,大まかに言って,1音節の名詞(母音が1つしかない名詞)には,-es ,2音
節以上の名詞には -s を付けます.しかし,次の場合は規則があります.
(1)-s,-ß,-tz,-x などの語末が歯音(「ス」「ツ」など息が前歯に当たって出る音)のときは,
-esを付けます.
das Haus「家」→des Hauses der Fuß「足」→ des Fußes der Satz「文」→ des Satzes
(2)アクセントのない -er, -el, -en, -em で終わる語は必ず -s を付けます.
der Lehrer「(男性の)先生」→ des Lehrers der Onkel「おじ」→ des Onkels das Mädchen「少女」→ des Mädchens der Atem「息」→ des Atems
【補足】辞書の表記と名詞の覚え方
名詞を正しく使うためには,1)性,2)単数2格の形,3)複数形を知らなければなりませ ん.そのため,辞書ではこの3つの情報が次のように記載されています.
Buch [bu:x ブーフ]中 –[e]s/Bücher
性 単数2格の形/複数1格の形 1)性:
男または m(=Maskulinumの略) →男性名詞を表します
中またはn(=Neutrumの略) →中性名詞を表します
女またはf(=Femininumの略) →女性名詞を表します
2)単数2格の形:
-s → 1格の形に -s を付けることを表します.
-es → 1格の形に -es を付けることを表します.
-[e]s → 1格の形に -s を付けるか,-es を付けることを表します.
- → 1格の形と2格の形が同じであることを表します.(女性名詞は,必ず1格と
2格が同じ形なので,この記号の代わりに空欄になっていることもあります.)
3)複数1格の形:上記の例のように最近の辞書ではそのまま載せてあることが多いですが,以 下の記号も使われます.
- →単数形と複数形が同形であることを示します.例:Fenster → Fenster -e/-en/-n/-er/-s → 単数形にそれぞれの語尾を付けることを表します.
例: Fisch → Fische / Frau→Frauen / Blume→Blumen / Kind→Kinder
Auto
→ Autos→単数形の幹母音をウムラウトさせることを示します.Vater → Väter
er →単数形の幹母音をウムラウトさせ,かつ,-er の語尾を付けることをしめします.
例: Wald → Wälder
名詞を覚えるときは,その性と複数形を合わせて覚えましょう.例えば,Buch 「本」という名
詞を覚えるときは,das Buch, die Bücher のように,定冠詞を付けて単数形と複数形を何度 も口にするのが効果的です.
人称代名詞の2格
人称代名詞の2格は次の形になります.
人称代名詞の2格は,所有の概念を表すわけではなく(所有は不定冠詞類によって表されます),
2格支配の前置詞の後,もしくは,目的語に2格を持つごく一部の動詞,形容詞の後で用いられ ます.
Er kommt statt ihrer. 彼は彼女(彼ら)の代わりに来る.
Wir gedenken seiner. 我々は彼のことを偲ぶ.
Er ist seiner mächtig. 彼はそれを自分のものにしている.
なお,人称代名詞の2格は現代語ではほとんど用いられません.上の例では,statt は(文法
的にはたとえ間違いでも)statt ihm のように3格と用いられます.また,gedenken も mächtigsein も格調高い書き言葉でしか用いられません.
2格の用法:2格には以下の用法もあります.
・ 名詞の付加語として,行為の主体を表します(主語的2格).
Die Herrschaft des Diktators dauerte zehn Jahre.
その独裁者の支配は10年間続いた.
・ 名詞の付加語として,行為の客体を表します(目的語的2格).
Die Zerstörung der Umwelt ist bereits weit fortgeschritten.
環境の破壊はすでにかなり進んでいる.
単数 複数 単・複
1人称 2人称 1人称 2人称 3人称 敬称2人称
meiner deiner seiner seiner ihrer unser euer ihrer Ihrer
3人称中 3人称女 3人称男
a
a
・ 述語として使われ,主語の状態を表します(述語的2格).
Ich bin der Meinung, dass die Atomkraftwerke abgeschafft werden sollen.
私は原子力発電所は廃止されるべきだという意見です.
・ ごく少数の動詞や形容詞の目的語を表します(2格目的語).
Wir gedenken der Opfer der Naturkatastrophe.
私たちは自然災害の犠牲者を悼みます.
Ich bin mir meiner Verantwortung bewusst.
私は自分の責任を認識しています.
・ 副詞として使われ,特にある一時点を表します(副詞的2格).
Eines Tages ging das Mädchen in den Wald.
ある日その少女は森に行きました.
5 男性弱変化名詞
男性名詞の中には,単数1格以外のすべての格において,-[e]n が付く特殊な変化をするもの があります.これを男性弱変化名詞と呼びます.r Student「学生」,r Junge「男の子,若者」を 例に変化表を挙げます.
単数 複数
単数
複数 1格 der Student die Studenten der Junge die Jungen
2格 des Studenten der Studenten des Jungen der Jungen
3格 dem Studenten den Studenten dem Jungen den Jungen
4格 den Studenten die Studenten den Jungen die Jungen
辞書には例えば,Student -en/-en のように記載されています.単数2格と複数1格
の両方に -en の語尾が付くことから,これが男性弱変化名詞であることがわかります.
男性弱変化名詞には次のようなものがあります.
1)-e で終わる男性名詞:
Junge「少年」, Kunde「客」, Affe「サル」, Löwe「ライオン」など.
【注】男性名詞で -e で終わればまず弱変化です.例外は,Name「名前」, Käse「チーズ」など
ごく少数です.
2)-ent, -ist, -at などアクセントを持つ音節で終わる外来語:
Student「学生」, Pianist「ピアニスト」, Präsident「大統領」, Soldat「兵士」など 3)その他:
Mensch「人間」, Herr「主人,〜(さん:英語のMr.にあたる)」(Herr は,単数で der Herr, des Herrn, dem Herrn, den Herrn ,複数で die Herren, der Herren,
den Herren, die Herrenと変化します.)
【補足】r Name 「名前」,s Herz 「心臓・心」は不規則に変化します.
der Name, des Namens, dem Namen, den Namen das Herz, des Herzens, dem Herzen, das Herz
6
da(r)-
+ 前置詞事物を表す人称代名詞が前置詞と用いられる場合,da- + 前置詞(母音で始まる前置詞の場
合は,dar- + 前置詞)という形になります.次の例を参照してください.
Ich arbeite mit der Sekretärin. → Ich arbeite mit ihr.
私は秘書と仕事をする.
Ich arbeite mit der Schreibmaschine. → Ich arbeite damit.
私はタイプライターで仕事をする.
e Schreibmaschine は物ですから,mit ihr とならずに,damitという形になります.また,
疑問代名詞 was が前置詞と用いられる場合はwo- + 前置詞(母音で始まる前置詞の場合は,
wor- + 前置詞)という形になります.
Womit arbeiten Sie? あなたは何を使って働きますか?
Woran arbeiten Sie? あなたは何の仕事をしているのですか?
7
指示代名詞(=定冠詞の独立用法)
特定の人や物事を特に強く指し示す時に用いられる代名詞を指示代名詞と呼びます.形は11 課ででてくる定関係代名詞と同じです.
男性 中性 女性 複数
1格 der das die die
2格 dessen dessen deren deren
3格 dem dem der denen
4格 den das die die
男性・中性2格が dessen(定冠詞は des ),女性・複数2格が deren(定冠詞は der ),
それから,複数の3格が denen(定冠詞は den )となっているところが定冠詞と違うところで す.また,定冠詞と同じ形をしているものでも,定冠詞より長く強く発音されます.
指示代名詞は,指示対象の名詞の性・数・格に一致します.
Mir gefällt der Rock hier. Den nehme ich.
私はここのスカートが気に入った.これを私は買います.
Mir gefällt das Kleid hier. Das nehme ich.
私はここのドレスが気に入った.これを私は買います.
Mir gefällt die Bluse hier. Die nehme ich.
私はここのブラウスが気に入った.これを私は買います.
Mir gefallen die Schuhe hier. Die nehme ich.
私はここの靴が気に入った.これを私は買います.
指示代名詞を使うと人称代名詞よりも「近接指示性」(=直前のものを指し示す性質)」が強く なります.また,指示代名詞は,指示対象の名詞を直接言わずに使うこともあります.
(スカートを指しながら)Wie findest du den hier?
ここのこれ(=スカート)をどう思う?
(スカートはder Rockなので,男性の4格のdenが使われる)
(ブラウスを指しながら)Wie findest du die hier?
ここのこれ(=ブラウス)をどう思う?
(ブラウスはdie Bluseなので,女性の4格のdieが使われる)
また,人や事物を紹介するときは,中性のdasを用います.
Was ist das? ̶ Das ist ein Computer. これは何ですか?―これはコンピューターです.
Das ist Herr Schmidt. こちらがシュミットさんです.
Lektion 6 [冠詞類]
1
定冠詞類
・jeder は単数形でしか用いないので注意してください.
Jedes Kind bekommt ein Geschenk. どの子もプレゼントをもらう.
・mancher は,「かなり多くの」から「いくつかの」までかなり幅のある不特定な数を表します.
Die Straße ist an manchen Stellen beschädigt. この道路は何カ所か傷んでいる.
・solcher は複数形の名詞と使われるのがふつうです.
Solche Gewohnheiten findet man heutzutage sehr selten.
このような習慣は今日ではほとんど見られない.
冠詞類の独立用法(名詞の省略用法)
冠詞類には,名詞の前に付ける付加語用法の他に,独立して使う独立用法があります.独立用 法のときは,mein型冠詞類にも,dieser型冠詞類と同じ強変化語尾が付きます.つまり,男 性1格に -er,中性1格・4格に -es の語尾を付けることによって,省略されている名詞の性・
数を明示するのです.なお,独立用法は2格では使われません.
男性 中性 女性 複数 1格 meiner meines meine meine
2格 --- --- --- ---
3格 meinem meinem meiner meinen
4格 meinen meines meine meine
Ist das dein Bleistift oder meiner? ̶ Das ist deiner.
それは君の鉛筆かい,それとも僕の? 君のだよ.
Sein Auto ist alt, aber ihres ist neu. 彼の車は古いが,彼女のは新しい.
2
否定冠詞の用法
【補足】 nicht の位置
nicht
は,否定される語句の直前に置かれます.a. Er kommt nicht heute. 彼は今日は来ない. (部分否定)
b. Er kommt heute nicht. 彼は今日来ない. (全文否定)
a.の文では,nicht は heute の直前に置かれ,heute が否定しています.意味は「彼は来 ることは来る,でもそれは今日ではない」となります.このように文の一部のみが否定されるの を「部分否定」と呼びます.
それに対して,b. の文では,nicht が文末にありますが,副文の語順で考えると( (dass) er
heute nicht kommt),動詞の直前に置かれていることになります.このように動詞が否定され
ると文全体が否定されること(全文否定)になります.
ただし,以下のケースのように動詞と他の語句が密接に結びついている場合,nicht はその前 に置かれ,全体を否定することになります.
【熟語的なかたまり】
Ich spiele nicht Klavier.
← (ich) nicht Klavier spielen
私はピアノを弾きません.
【方向を表す句と動詞】
Ich gehe nicht in die Stadt.
← (ich) nicht in die Stadt gehen
私は町には行きません.
【存在や状態を表す場合】
Ich wohne nicht in Tokyo.
← (ich) nicht in Tokyo wohnen
私は東京には住んでいません.
【本動詞+助動詞】
Ich muss heute nicht kochen.
← (ich) heute nicht kochen müssen
私は今日料理をする必要がない.
Lektion 7 [zu 不定詞,分離動詞]
1
zu
不定詞副詞的な意味を表す zu 不定詞には um + zu の他に,ohne + zu 「〜せずに」と,
statt + zu 「〜する代わりに」がありますます.statt の代わりに anstatt が用いられるこもあ
ります.
Er benutzt das Auto seines Vaters, ohne ihn zu fragen.
彼は父親の車を尋ねもせずに使う.
Statt zu arbeiten, liest er immer nur Comics.
働きもしないで,彼はいつもマンガばかり読んでいる.
さらに,zu 不定句の用法として,haben + zu と sein + zu があります.
haben+zu 不定形:「〜しなければならない」
Ich habe heute viel zu tun. 私は今日たくさんすることがある.
sein + zu 不定句:「〜されうる」(受動の可能),「〜されなければなならない」(受動の義務)
Das Problem ist leicht zu lösen. その問題は簡単に解くことができる.
Was ist noch zu tun? まだ何かすることがある?
(↑何がまだなされなければならないのか?)
2
分離動詞
前つづりの「意味」と分離動詞
前つづりは意味を持っているので,具体的,中心的な意味がわかれば抽象的な用法もわかって きます.
ab- 「離脱」
abfahren「出発する」 Der Zug fährt um 10 Uhr ab. その電車は10時に出発します.
abreisen「旅立つ」 Ich reise morgen ab. 私は明日旅立ちます.
an- 「接触」
ankommen「到着する」 Der Zug kommt um 12 Uhr in München an.
その電車は12時にミュンヘンに到着する.
anrufen「人4に電話する」 Wenn ich zu Hause ankomme, rufe ich dich an.
家に着いたら,私はあなたに電話します.
ein- 「中に」 aus- 「外に」
einpacken「(トランクなどを)詰める」 auspacken「(トランクなどの中身を)出す」
Sie packt den Koffer ein. 彼女はトランクを詰める.
Sie packt den Koffer aus. 彼女はトランクを空けて中身を出す.