舟山群島における漁村社会の変容から見る女性の役割
一嶋蟻島の 神、捜"の暮らしをめぐって一
神奈川大学歴史民俗資料学研究科 子洋
要旨
本博士論文は、ジェンダーと漁村民俗誌に関する理論を基に、中国の舟山群島新区の鵡 蟻島という漁村社会の変容における女性の労働と自己認識、家族との生活、人生儀礼、
廟の復興の分析視角をもって、実証的に考察したものである。本研究を舟山群島さら に全国に普遍化させることはできないが、ここで分析された実態は現実の中国におけ る漁村像の一部になった。本研究では、伝統的な漁村社会と人民公社時期の漁村を経 て、今日までも漁村で暮らしている女性に対し、聞き取りアンケート調査を実施した。
まず、序章において、舟山群島新区の設立などをはじめとした中国における近年の 海洋経済発展の戦略を紹介し、本論の研究の背景、目的、先行研究を述べた。
第 1章では、舟山群島における漁村社会の形成歴史の流れを考察した。また、漁村 社会の形成と発展とともに、舟山の漁業発展過程にいくつの段階があるのか検討した。
そして舟山群島の蝿蟻島を主たる研究対象とする文化的経済的状況を整理し、その中 で、蝿蟻島が舟山群島のなかでどのように代表的な地域であるかを明らかにした上で、
蝿蟻島の歴史と特色についても概観した。また、中国の解放後、漸江省の漁民政策を 踏まえたうえで、それに基づいて行われた蝿蟻島における「漁民」の生業集団化の過 程を検証した。
第2章では、昔の伝統的な漁業中心に暮らした女性の姿を述べた。漁村女性の労働 比重は重かったが、その労働に対する収入は少なかったため、長い間女性は家庭の中 の地位が低く、彼女たちの労働も軽視され、まるで「牛馬」のようにこき使われる存 在で、あった。人民公社時期、女性は「時間労働点数制Jによって女性労働からも家庭 収入を加わるようになり、家庭の中の決定権をも持つようになり、女性の家族内での 地位が向上した。改革解放後、政策転換により漁村の産業も大きく変化し、女性は家 事専業から、出稼ぎや自主創業の事例も増加してきた。
第3章では、漁村女性の視角から、「蝦蟻島Jにおける村落での家族と親族の構造 変化を分析した。伝統的な漁村社会の家庭構造は、家族の構造形態が一般的に大家族 の形態であり、家族成員は三世代、あるいは四世代が一緒に暮らすのが普通で、あった (秦兆雄 2005)。漁村男女の性的役割に応じた分業が普遍的にみられた。その時の 漁村女性は嫁入り道具を分与されるだけで、均分相続には参与できなかった。後に人 民公社が成立し、生活の集団化が実行され、家族内部の機能は集団へ委譲することに なった。この生活の集団化も大家族を解体させ、半分以上の大家族は、親と子の世帯 が分離することによって、小家族化した。改革開放以降、漁村社会における家族形態
もすこしずつ変わってきた。現在では息子が結婚すると独立するので大家族の形態は 出現せず、夫婦と子供の小家族が圧倒的に多くなっている。特に、「一人っ子J政策 の影響で、漁村の家族人口規模は著しく縮小している。
第4章では、漁民の産育・婚姻・墓葬としづ人生儀礼の伝統的な内容と現在の変化 を表し、さらに人生儀礼から見る女性の家族帰属意識を明らかにした。今日の漁村で は、例えば、調査地の嶋蟻島のように、漁村といっても、ほとんど漁業ではなく出稼 ぎをして生計をたてる人が一般的である。人生儀礼は海に関する内容が多少残り、ま だ漁村の特徴が見られるが、おもに農村地域の漢民族を対象として行われてきた事例 と今回の鵬蟻島とでは家族帰属意識のレベルにおいて大きな差異は見受けられなか った。 ノ
第5章では、「漁村J文化の代表として各種民間信仰に基づく祭杷活動を行う廟の 復興過程を整理し、廟の再建と運営に注目し、再開後の廟で行われる儀礼を分析した。
その中に廟で行う祭記活動の主催はほとんどが女性中心となっており、拝みに来るの も女性が多い。この状況は、.おそらく漁村における男女がそれぞれの「責任」を分掌 していると言えよう。一方、鵡蟻島における現在の毎年の祖先祭杷から見ると、女性 は祖先祭杷活動において、重要な役割を果たすようになった。改革開放後、男性が出 稼ぎで村を離れるようになり、清明節や位牌祭杷の時に、村に帰れないことが多くな った。そのため、男性に代わって女性が墓参りや位牌祭杷を行うように変化してきた。
この時点で、女性が墓参りに参加できないという認識が薄れ、家に残された女性が家 庭の仕事の 1っとして祖先祭杷にもせざるを得なくなった。
結論として、本論は舟山群島における漁村社会像と「漁捜像Jは、中国人の生活世 界の 1つの側面を現してきたと考えられる。以上の漁村のさまざまな民俗変容によっ て、現在嶋蟻島の漁村は、伝統的な漁村と比べて大きく変質・変容したといえる。な ぜかというと、「漁村」と・言っても、全然漁業に従事しない人が半分以上を占めてい るのである。特に、漁村工業化による大勢の外来人口流入と新しい文化要素の流入は、
鵬蟻島の地元の人々の生活観や世間観、価値観にも少なからざる変化をもたらしたと 考えられる。漁村社会を変質するとともに、漁村の伝統的な民俗も変容し、特に、漁 村で特有の民俗事象が消滅しつつある。この漁村の無形民俗文化財の保護においては、
早くこうした文化財保存の動きをしたほうがし、いと考える。一方、漁村社会の変質過 程においては、漁村女性の地位と役割も変わってきた。まず、女性自身は、労働の参 加によって、女性自身が労働主体としての自己認識の自覚化を実現した。そして、女 性は自己価値の実現とともに、彼女らの家庭での役割も、従属的な地位から現在の家 庭を半分支える地位(半辺天)になった。彼女らは、無意識的ではあるが、結果的に は漁村における重要な民俗文化財を保護する存在であったことがわかった。
最後に、今後舟山群島における漁村社会の研究課題、あるいは、本論でまださらに 研究する必要がある課題は、やはり、中国における他の地域の漁村社会と比較研究す ることが必要と考える。さらに、中固と他の国の漁村との比較研究もこれからの課題 としたい。
舟山群島における漁村社会の変容から見る女性の役割
一鵬蟻島の 神、捜"の暮らしをめぐって一
目次
目次…...・H ・‑
図の一覧表………...・H ・..…...・H ・..………V
表の一覧表・・・・・・・;・・・・・
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . v
並【資料1] 舟山群島新区年表・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・吋i
序 章 問 題 の 所 在 …
第1節研究の背景・目的と調査地の選定...1 第2節 先行研究のまとめと問題の所在・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 第3節 本 論 の 研 究 方 法 及 び 各 章 の 内 容...5
第1章 調査地の概況と歴史……・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 第1節嶋蟻島について………...・H ・..………9 1 鵬蟻島の地理・人口 ・生業概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 2 嶋蟻島の経済概況...12 3 鵬蟻島の学校教育...13 第2節 資料から見る鵬蟻島の歴史…・・…...13 1 舟山群島における漁村社会の形成史………13 2 舟山群島における漁業の発展過程…...・H ・‑………・…17 3 解放前の鵡蟻島...21 (1) 嶋蟻島の漁民の来歴・…....・H ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・幻 ( 2 ) 解放前の漁業…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・幻 4 解放から人民公社時期へ・・…………・・・……・・・…・・・・……一・…....・H ・‑…・………..22
(1)漁民供鋪合作社・…...22 (2 )土地改革…・...22 (3 )鵡蟻島の漁業民主改革・…....・H ・‑……・…・…・・………23
(4) 互助合作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 (5 ) 人民公社・…・・・・・……・・・・…………一一…・・・・・・……・・・・・…・・・……・…・・・・・・…....29 5 改革・ 開放期の漁民たち・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 (1)改革前期一生産責任制及び漁業政策の局部調整…...・H ・..………33 ( 2 ) 漁業生産責任制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
①郷鎮企業・・・・・...35
②海洋漁業会社・...・・・・・・・35
第2章漁村女性の労働と自己認識の変化………・…...・H ・..……….37 はじめに 女性労働についての先行研究のまとめー・・……・・ー…・ー…・一一…・…ー……・・37 第1節 「牛馬Jとしての伝統的な漁村女性の姿…………...・H ・..………一…39
1 牛馬」 として扱われた漁家女…・・・・……ー・……...…一…・…………・……39 2 牛馬」から「労働の主体Jへ…...・H ・..……‑………H ・H ・‑・……41 (1) 家事からの脱出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・γ…・………・・41 (2 ) 主体意識の萌芽・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 第2節 現代の漁村における女性の労働参加と自己認識の変化……...・H ・...・H ・..…42 1 漁村における産業の変化と女性の働き………・………....・H ・‑………・…42 (1)蝿蟻島の社会構造一一改革開放以降の嶋蟻島‑………...・H ・'42 ( 2)
r
漁家楽」から見る漁村における女性の働き………44① 「漁家楽」 とは何か・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
②「漁家楽jの運営と女性労働者の主体意識の形成・…・……・・…‑………….44 (3 )漁
J
ナ工業化の影響一一東海造船所の登場と外来の出稼ぎ女性労働者…...45① 出稼ぎ女性労働者とネットワーク…・…....・H ・‑……….45
② 生活空間としての工場………・………46
③ 定住の可能性………・・47 2 漁村女性の自己認識………...・H ・..………・………・……….48 (1)漁村女性の楽しみと労働の位置づけの変化………48 ( 2)現代の漁村女性の自己認識…
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . λ
・・・・・・・・・493 婦女連合会が果たした役割・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50 (1)鵬蟻島の婦女連合会の機構設置と機能…・…・………...・H ・‑…………ー50 ( 2) 漁村女性の集団活動‑……・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50 ( 3) 婦女連合会の役割・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日 小括・...・・・・51
第3章漁村家族生活における女性の役割変化………53 はじめに 中国の家族に関する先行研究のまとめ………53 第1節 漁 村 社 会 の 変 容 に お け る 家 族...56 1 解放前の伝統的な漁村社会における拡大家族………・…・……・………56 (1) 家族と親族…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56 ( 2 )鵡蟻島における解放前の家族生活・………H ・H ・‑………・………58 ( 3)漁業民主改革(漁区の土地改革)と家族………...・H ・‑………・….60 事例① 拡大家族の分家・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60 事例② 土地分配を有利にするため、息子の結婚を早める………60 2 人民公社における拡大家族から核家庭への変化・……‑…H ・H ・‑……ー…………61 (1) 人民公社における親族・姻戚・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日 ( 2 )人民公社期の核家族…...63
①親子関係・・・・・...・・・・・・・・・63
②恋愛 ・結婚…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・叩 3 現代の漁村社会における核家族・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64
(1) 現代家族の形態・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64 ( 2)子供中心主義と老親扶養の後退・………....・H ・‑…………64 第 2節持、家女が「娘家Jから「婆家Jへ :Y'AXの個人生活史…・………..65 1 娘として・・・・……・・・・・…・・…ー・…・・・…・…ー・…ー…・・…………‑一…・・…ー・…・……'66 (1) 母と娘・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66 ( 2) 姉妹の間・・・一一一・・・・・・・……・・・……・・…・・ー……・……・・・・・……・・・・・…...…67
2 娘から嫁へ………・…・・ー・・…・・・…………....・H ・‑…一....…・…・……・・…………・.67 (1) 結婚後の初期…一…‑……一…・・・…・………….,.・H ・....…・・・…...…………67 (2)嫁の実家とのつながり………H ・H ・‑………一………68 3 母として……‑………・・………・…・ー…・…………....68 (1) 家族関係の変化...・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68 (2 ) 家の付き合い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
①男と姑の義務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69
②近隣との関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69 4 母から姑へ・…・…・…・……H ・H ・‑…・一…・…・………一………70 (1) 家族生活の頂点段階……・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70 ( 2 ) 変容する社会における娘・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70 (3 ) 変容する社会における嫁・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71 (4)変容する社会における母...72
Ij\~舌・...・・・・ 73
第 4章 漁村人生儀礼からみる女性の家族帰属意識の変化・………・74 はじめに 人生儀礼についての先行研究のまとめ………・・・……… 74 第1節 婚姻儀礼……・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76 1 伝統的な婚姻儀礼…・・……・...77 (1) 婚姻儀礼前・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78 ( 2 ) 結婚式の基本過程・……・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79 (3 ) 海島の特殊婚礼....・H ・‑…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85 2 婚姻儀礼の変化と女性の家族帰属意識………H ・H ・.,…………・………85 (1) 婚姻儀礼の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85 (2)新婦の家族帰属意識の表面的な移動……...・H ・‑………...・H ・‑…一……86 第2節 誕生儀礼・………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・86 1 伝統的な誕生儀礼………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87 2 誕生儀礼の変化と女性の家族帰属意識の実質的な移動…・………・90 (1) 誕生儀礼の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90 ( 2 )新婦の家族帰属意識の実質的な移動…...・H ・‑……・…・………...・H ・91 第 3節 葬送儀礼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92 1 伝統的な葬送儀礼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92 2 墓葬の変化と女性の身分帰属の最終的確認、…・…・‑……H ・H ・‑…・・………96 小括・...・・・.97
第5章 漁村における廟の復興・祖先祭杷と女性の活動・………・…・……....・H ・...・H ・99 第1節 嶋蟻島の廟の歴史・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・101
1 194 9年以前の廟... .... ... ... ... ..•.. ... ... ... ...101 2 解放以降の廟・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・101 第2節廟の再建と新たな運営・…...102 1 観音信仰と海神信仰一一天后宮(娘娘廟)の再建……...・H ・‑…………...・H ・...102 2 再建後の天后宮の管理………...・H ・‑………・……103 3 大興呑財神殿の再建と管理…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・104 4 後呑財神殿の再建と管理・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・105
第3節儀礼の再開と女性の活躍………一……….~ . ~・ H ・ "106 1 大興呑財神殿と後呑財神殿の儀礼…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・106 2 天后宮の儀礼…………・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...108 第 4節 祖 先 祭 記 と 女 性 の 関 与...109 1 伝統の祖先祭龍一一…・・……・...110 2 現代の祖先祭杷と女性の活動…...・H ・
3 祖先祭杷と女性の関与…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・112 小括・...114
終章 一一…‑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・115 第1節 本 論 の 総 括 …...115 1 漁村女性の労働と自己認識の変化一漁村の工業化と流動化………115 2 漁村家族生活における女性の役割変化一漁村家庭の構造の現在………118 3 人生儀礼から見る女性の家庭帰属意識の変化ー漁村民俗の伝承・消滅………119 4 漁村の廟の復興と女性の活躍一漁民信仰と祭杷活動の伝承………121 第 2節 漁村社会の変質・形態の変遷と女性の役割…・・……...……H ・H ・‑………123 おわりに‑今後舟山群島における漁村社会の研究課題………...・H ・‑…………ー124
参考文献・・・・・・...125 説話宇・.. . • . . . ~ . . . ~ . . . .・・・・・・・140
図の一覧表
図1 中国における漸江省の位置 l
図2 舟山群島の位置 1
図1‑1 嶋蟻島の地理位置 9
図1‑2 鵬蟻島の全体図 9
図1‑3 2007年以前の鵬蟻島 9
図1‑4 現在の嶋蟻島 9
図1‑5 嶋蟻島郷政府を中心とした行政モデ、ル図 11 図1‑6 張網のj乍P 業図 11
図1‑7 燈光囲網の作業図 11
図1‑8 嶋蟻島第九村漁民互助組契約書 25 図1‑9 嶋蟻島の人民公社歴史資料 30
図1‑10 二八海塘 32
図 ト11 大型木帆船 32
図2‑1 女性の網を作っている場面 39
図2‑2 二世代同居 40
図2‑3 L.YZの家族構成 40
図2‑4 女性の運搬している場面 41 図2‑5,女性の農作業をしている場面 41 図2‑6 「ニ八海塘Jを建造している様子 42
図2‑7 「漁家楽J 44
図2‑8 造船所の従業員宿舎 46
図2‑9 「漁捜Jらのダンスをしている場面 50 図3‑1 Z.DY家の家族構成(1 9 2 7年) 59
図3‑2 Z.DYの家屋 59
図3‑3 Z.DY家の家族構成(1 9 3 8年) 59 図3‑4 L.GL家の家族構成(1 9 6 5年) 62 図3‑5 2 0 1 2年L.GLの 住 宅 (1 9 6 6年建)平面図 62
図3‑6 L.GL夫婦 63
図3‑7 1 985年
L • Y Z
の家族構成 63 図3‑8 嶋蟻島の「老人マンションj 65 図3‑9 Z.LD家の家族構成 (20 1 0年) 65 図3‑10y.
A Xをめぐる分析図 66 図3‑11 2012年Y . A Xの家の構成図 67 図3‑12y.
A X家の外観 68 図3‑13y.
A X家の内部 68 図3‑14y.
A Xと次男夫婦 72図4‑1 嫁入り道具:てんびん棒 77 図4ー2 伝統的な婚礼の「拾嫁粧Jの場面 79 図4‑3 ホールに安置される「享仙J儀式の供物 80
図4‑4 花輪の示意図 82
図4‑5 神様に言卜報を伝えるルート 93 図4‑6 1 940年代普陀の葬送隊列 95 図4‑7 194 0年代和尚さんを参加していた葬送隊列 95 図4‑8 小嶋蟻島における墓前で行われる墓参り 97
図5‑1 天后宮 , 103
図5‑2 娘娘菩薩 103
図5‑3 観音菩薩 103
図5‑4 天后宮を維持管理する女性 103 図5‑5 再建された大興呑財神殿 e ノ 104
¥
図5‑6 造船所 104
図5ー7 土地公公・婆婆と天医菩薩 104
図5‑8 武財神と文財神 104
図5‑9 ニ官菩薩と葛仙翁菩薩 104 図5‑10 修繕した後呑財神殿 105 図5‑11 経を読んでいる僧侶 107 図5‑12 財神廟儀礼後の食事会場面 107 図5‑13 天后宮儀礼後の食事会場面 108 図5‑14 蝿蟻島における清明節で、行っている墓参り 111 図5‑15 L家の清明節の墓参り 111
表の一覧表
表 1‑1 蝿蟻島の人口 10
表 1‑2 各行政村の人口 10
表 1‑3 鵡蟻島の漁拐暦 12
表 1‑4 蝿蟻島の教育程度 13
表 1‑5 舟山歴代行政区画の沿革表 15 表 1‑6 宋至民国の舟山の人口変化 16
表 1‑7 解放後舟山の人口変化 16
表 1‑8 漁、農、塩業の人口変化 17 表 1‑9 螺蟻島の行政区画の歴史 21 表 ト10 195 1年土地改革時期鵡蟻島階級規定 23 表 ト11 1 953年蝿蟻島全島階級別平均世帯人数 24 表 2‑1 鵬蟻島女性労働参加の産業構成と年齢構成 43 表2‑2 蝿蟻島の女性労働力の状況 43
表2‑3 鴎蟻島労働力の構成 43
表3‑1 舟山群島における親族の呼称体系 57 表3‑2 舟山群島における姻戚の呼称体系 58
表4‑1 妊婦の禁忌の食べ物 88
表5‑1 蝿蟻島の年中行事活動 106
舟山群島新区年表
*﹃ 舟山 市誌
﹄・
﹃舟 山漁 誌﹄ より 抜粋
︒鰯 蟻島 に関 する 項目 はゴ チッ クで 示す ) 西 贋
年号舟山群島のイベント
七 三 八 ( 唐 ) 翁 山 県 を 設 置
開元二六
七 六 二 宝 応 元 委 晃 の 蜂 起 筆
︑ 翁 山 を 占 め る 七 七 一 大 歴 六 翁 山 県 を 廃 し
︑ 鄭 県 に 入 る 八 六 三 成 通 四 日 本 の 僧 慧 鍔 普 陀 山 観 音 像 を 奉 納 九 二 ハ ( 五 代
・ 呉 越 ) 普 陀 山
︑ 不 肯 去 観 音 院 を 建 て る
梁異明二
一O
七 三 煎 寧 六 析 郵 県 東 部 海 中 の 富 都
︐ 蓬 莱 安 期 三 つ 郷
︑ 昌 国 県 に 属 す る 一O
七 人 元 豊 元 析 定 海 ( 今 事 波 市 鎮 海
︑ 北 命 区 ) 及 び 金 塘 郷
︑ 島 国 に 属 す る 一一 九O (
南 宋 )
︑ 県 令 王 阪
︑
﹃ 自 国 国 志
﹄ 書 く
紹照元
一 二 四 八 ( 北 宋
﹀ 宋 理 宗
︑ 普 陀 山 に 応 接 荘 を 設 置
淳祐八
一 二 七 六 景 炎 元 一 元 軍
︑ 問 自 国 を 占 め る 一 二 七 八 ( 元 ) 昌 一 回 県 を 昌 国 州 に 昇 格 至一 元十 五 一 二 九 三 三 十 朝 廷
︑ 昌 国 よ り 水 産 品 税 を 徴 収 一 二 九 五 元 民 元 朝 廷
︑ 各 道 塩 使 を 廃 し
︑ 昌 国 州 の 各 塩 場 を 塩 司 に 改 め る 一 二 九 七 大 徳 元 官 府 命 令
︑ 船 頭 の 船 の 大 き さ に よ り 宮 塩 を 買 い
︑ 干 物 を 作 る 一 二 九 九 三 普 陀 山 宝 陀 山 の 妙 慈 大 姉
︑ 元 の 国 史 と し て 国 書 を 持 ち
︑ 日 本 へ 行 く 二 二 三 五 元 統 元 三 西 域 亀 滋 ( 今 新 謹 古 車 県 の 周 り ) 僧 人 盛 照 明
︑ 普 陀 山 に 至 り
︑
﹃ 補 陀 洛 迦 山 伝
﹄ 書 く 二 ニ 六 八 ( 明 ) 蘭 秀 山 の 乱 起 こ る
洪武元
一 三 六 九 二 昌 国 州
︑ 田 回 国 県 に 改 め る 一 三 七 一 四 海 禁 令 を 発 布 二 二 八 六 十 九 四 六 島 居 民 コ 一 万 人 余 内 地 へ 強 制 移 動 一 三 八 七 二 十 昌 国 県 廃 し
︑ 昌 国 郷 を 設 置
一四
O
九 永 楽 七 沈 家 問
︑ 水 薬 を 立 て る 一五
四O
嘉 靖 十 九 李 光 頭
︑ 王 直 な ど 双 嘆 港 に 集 り
︑ ポ ル ト ガ ル 人 及 び 倭 冠 と 貿 易 し た り
︑ 強 奪 す る 一 五 五 七 三 六 倭 遂 の 玉 直
︑ 逮 捕 さ れ る 一 五 六 七 隆 慶 一 克 海 禁 を 解 除 一 六 四 九 ( 清 ) 明 魯 玉
︑ 閤 か ら 舟 山 に 移 住
順治六
一 六 五 一 八 清 軍
︑ 舟 山 を 占 め
︑ 明 の 軍 民 一 万 人 余 殉 難 一 六 五 五 十 二 鄭 成 功
︑ 舟 山 を 占 領 一 六 五 六 十 三 海 禁 令 を 際 発 布
︑ 普 陀 山 の 普 済 寺 を 造 り 直 す 一 六 八 四 二 三 海 禁 を 解 除
︑ 農 漁 業 を 復 興
︑ 舟 山 鎮 を 建 て る 一 六 八 六 二 五 舟 山 を 定 海 山 に 改 称
︑ 寧 波 に 海 関 を 設 置
一七
OO
三 九 イ ギ リ ス の 東 イ ン ド 会 社
︑ 定 海 に 事 務 所 を 設 置 一 七 二 七 宛 正 二 七 海 禁 を 緩 和 一 七 九 八 嘉 慶 三 海 賊 察 牽
︑ 反 乱
︑ 嘉 慶 十 四 に 察 豪 自 殺 一八
四O
道 光 二 十 イ ギ リ ス 海 軍
︑ 定 海 港 を 侵 略 一 八 四 二 二 二 中 英
﹃ 南 京 条 約
﹄ 規 定
︑ 定 海 庁 の 舟 山 島 と ア モ イ の 鼓 浪 蝶 だ け
︑ 依 然 と し て 英 兵 に 駐 留 一 八 四 六 二 六
﹃ 返 却 舟 山 条 約
﹄ 結 び
︑ 英 軍
︑ 舟 山 か ら 退 撤 一八
O五
三 十
﹁ 窓 口 田 制 氷
︑ 魚 鮮 補 佐
﹂ の 方 法 が 開 発 さ れ
︑ 氷 鮮 船
︑ 魚 行 桟 増 え る 一八
六O
成 豊 十 英 法 連 軍
︑ 定 海 域 を 侵 略
︑ 翌 年 春 撤 退 一 八 七 七 光 緒 三 英 太 古 汽 船 会 社
︑ 上 海
1寧波1定海1温州航路を開設 一 八 八 五 十 一 中 法
︑ 石 浦 海 戦 後
︑ フ ラ ン ス 数 般 軍 艦
︑ 普 陀 山 と 金 塘 を 経 過
︑ 鎮 海 を 侵 略 一 八 九 五 二 一 カ ト リ ッ ク 教 徒
︑ 普 陀 山 寺 院 の 回 を 占 拠 一 九 一 一 室 統 三 寧 波 民 軍
︑ 定 海 に 着 き
︑ 定 海 を 取 り 戻 す 一 九 二 ニ ( 中 華 民 国 ) 農 商 部
︑ 定 海 に 漁 業 伝 授 所 を 開 設
民国二
一 九 一 六 五 孫 中 山
︑ 舟 山 を 視 察
︑
﹃ 遊 普 陀 志 奇
﹄ を 書 く 一 九 一 七 六 大 隊 作 業
︑ 余 山 漁 場 に イ シ モ チ 生 産 を 開 発 一九
二O
九 斯 江 省 外 海 漁 業 局 成 立