西 道 弘*
1.ま え が き
ぐる っ と回 る こ とを旋 回 とい うので 、 旋 回 流 は 渦流 と同 義 語 と して使 わ れ る こ とが 多 い 。 た だ 、管 内旋 回流 や 旋 回噴 流 で は 軸 方向 速 度 を持 つ た め流 体粒 子 は 「旋 回」 した 後 も元 の位 置 に 戻 る こ とな く進 ん で行 くが 、 軸 まわ りを周 方 向 に回 っ てい る こ とか ら 「旋 回流」 と通 常 表 現 さ れ て い る。
半 径 平 衡 式 か らわ か る よ うに流 れ を旋 回 させ る こ とで半 径 方 向へ の圧 力 勾 配 を実 現 で きるか ら、 断面 内 の 異 なる半 径 間の圧 力 差 に着 目 した サ イ ク ロ ン分 離 器 、 ボ ル テ ッ ク ス ・チ ュ ー ブ 、 燃 焼 器 等 で は旋 回流 が 積 極 的 に 利 用 され るω。
しか しなが ら、 気 体 や液 体 を単 純 に流 す こ とが 主 目的 の 場 合 旋 回速 度 は不 要 とみ な され 、 そ れ を減 ら して圧 力 に変 え る ため に は遠 心 式 ター ボ 機 械 の平 行 壁 デ ィ フユ ーザ の よ う に半 径 を大 き くす る しか な い か ら、寸 法 を変 え られ な い管路 で は損 失 の 低 減 の た め に もな るべ く旋 回 の ない 流 れ に した い 。 た だ 、 回転 羽 根 や 静止 羽 根 が使 用 され る ター ボ機 械 で は運 転 点 が変 わ る とそ れ らの下 流 に置 か れ た 固定 流路 を通 る流 れ に旋 回 がつ い て しま う し、動 翼 か らの逆 流 で吸 込 管 の 流 れ に 旋 回 が 与 え られ る場 合(2)もあ る の で 、 旋 回流 は避 け 難 い現 象 とい え る。 各種 流 動 機 器 ・
装 置 に お いて も、管 路 途 中 に設 け られ た 曲が り 管 で二 次 流 れ が 生 じて その 下流 の管 内 流 が旋 回 状 態 に あ る こ とは広 く認 め られ てい る(3)。
流 れ の旋 回 を強 め る と中 心軸 付 近 に低 エ ネ ル ギ ー流 体 が 集 積 す る こ とで 軸速 度 が 負 にな る ケ ー ス も出 て くる。 この ような状態 では流れが場 所 や 時 間 と共 に変動 す る よ うな不 安 定 な状 態 に
な る。
本稿 で は、 この よ うな管 内 旋 回流 不 安定 現 象 の 典型 的 な例 と して知 られ て い る フ ラ ン シス水 車 の 吸 出 し管 サ ー ジ ン グ(4)を取 り上 げ 、 旋 回流 中 に現 れ る ら旋 渦心 の振 れ 回 り挙 動 につ い て主 と して 著 者 らの 従 来 の 研 究 に基 づ い て解 説 す る。
2.管 内 旋 回 流 の パ ラ メ ー タ
管 内 旋 回流 は軸対 称 流 に限 っ て も、 半径 速 度 が 無視 で きる場 合 に 、旋 回速度 と全 圧 の半 径 方 向 分布 に よっ て種 々 の特 徴 を有 す る流 れ とな る の で 、 厳密 に と らえ る な らば そ れ らの 分布 自体 が代 表 値 と して必 要 で あ る 。数 値 シ ミュ レー シ ョンで は入 力 境界 条 件 と して きめ細 か くそ れ ら を指 定 す る こ とが 望 まれ るか ら(5)、精 度 の高 い 断 面 内分 布 の 測定 と提 示 が今 後 の実 験 的研 究 に お い て肝 要 で あ る とい え よ う。 反 面 、 実 際 の現 象 を大 局 的 に捉 え た り、 一 般性 の あ るモ デ ル を 基 に整 理 され た結 果 を設 計 に利 用 す る場 合 を考
*九 州 工 業 大 学 工 学 部 原 稿 受 付 日 平 成11年1月11日
216 管 内 旋 回流 の 不 安 定 流 れ(吸 出 し管 の 場 合)…(2)
図1旋 回流の速度分布(模 型水車 、流量比0.81)
え る と 、 で き る だ け 少 な い パ ラ メ ー タ で 流 れ を 代 表 させ た い 。 管(内 半 径:R)内 旋 回 流 の 場 合 に は 、 流 れ の 有 す る 角 運 動 量 Ω と 軸 方 向 運 動 量Mの 比 に 基 づ く旋 回 度m(理 論 値mth)が 次 式 の よ う に 定 義 さ れ 、 強 さ を表 す 主 要 な パ ラ メ ー タ と して 使 用 さ れ て い る(6)。
m=Ω/(RM)…(1)
従 来 の 管 内 旋 回 流 の 実 測 結 果 や 、 フ ラ ン シ ス 水 車 部 分 負 荷 運 転 時 の 吸 出 し管 入 口 の 速 度 分 布 に は 図1に 示 さ れ る よ う に 低 エ ネ ル ギ ー 流 体 領 域(死 水 域:半 径rd)の 周 り を 旋 回 を 有 す る 主 流 が 取 り囲 ん で 流 れ る とい う 特 徴 が 認 め ら れ て い る(7)。こ の よ う な 、 流 量 ρ(=πR2u)の 管 内 旋 回 流 の 軸 方 向 速 度 脇 と 周 方 向 速 度Vuを 最 も単 純
な 分 布 で 表 す な ら ば 、 0≦r≦rdの 場 合
…(2a)
rd≦r≦Rの 場 合
…(2b)
以 上 に よ れ ば 、 剛 体 回 転 の 死 水 域 を ポ テ ン シ ャ ル 流 れ の 主 流(循 環:r)が 取 り囲 む と い う単 純 モ デ ル を利 用 す る 場 合 で も 旋 回 流 の 速 度 分 布 を 表 す た め に2種 の パ ラ メ ー タmと ηd=rd/Rが 必 要 に な る こ とが わ か る 。
今 、 運 動 エ ネ ル ギ ー 最 小 の 条 件 を 仮 定 す る
図2管 内旋 回流試験装置の例
と、 死水 域 半 径 と旋 回度 を関係 づ け る次 式 が導 か れ る。
…(3)
図1の 破 線 は 、 実 測 速 度 分 布 か ら式(1)に よ っ て 旋 回 度 を計 算 し 、 式(3)か ら死 水 域 半 径 を 求 め て 式(2)の 分 布 を 描 い た もの で あ る 。 主 流 域 の 特 徴 が 大 局 的 に と ら え ら れ て い る と見 る こ と が で き
よ う。 こ の よ う な ケ ー ス で は 、 し た が っ て 、 旋 回 度 の み で 旋 回 流 を 代 表 で き る と い え る 。 図2 (8)に示 す よ う な
、 円 形 翼 列 を 構 成 す る 案 内 羽 根 を 半 径 内 向 き に 流 れ 、 軸 方 向 に転 向 して つ く ら れ る 旋 回 流 は こ の よ う な性 質 を有 す る 。
軸 方 向 か ら 測 っ た 管 壁 位 置 の 流 れ 角 を β と置 く と 、 次 の 旋 回 度 と の 関 係 式 が 式(2)を 式(1)に 代 入 し て 求 め ら れ る 。 旋 回 度m=1は 流 れ 角 が 壁 面 で45度 程 度 に な る 旋 回 流 と み な さ れ る 。
…(4)
3.管 内 旋 回 流 の 挙 動 3‑1広 が り管 内 の流 れ
曲が り吸 出 し管 入 口 円す い部 内 の旋 回水 流 の 挙 動 を低 圧 部 に発 生 す るキ ャ ビテ ー シ ョ ン(又
は外 部 か ら導 入 した少 量 の空 気)に よ り可 視 化 して調 べ た結 果のに よれ ば、 表1に 整 理 してあ る よ うに、 広 が り管 内 の旋 回 流 は4種 類 の流動 様 式 に大 別 され る。 前 述 した よ うに 、 流 れ に旋 回 がつ くこ と に よっ て外 壁 か ら半 径 内 向 きに圧
力 は低 下 す るの で 、特 に通 路 が デ ィフユ ーザ の 場 合 、軸 方 向 へ の逆 圧 力 勾 配 は中心 軸 上 で 通 常 最 も厳 し くな る。 したが っ て、 軸 上 の流 れ は下 流 位 置 にお い て よ どみ 状 態 に至 り、 そ の断 面 は 旋 回が 強 い程 上流 側 へ 移行 す る 。 よ どみ点 下 流 に 死 水 域(逆 流 域 と もみ な され る)を 生 ず る が、 そ の大 き さは主 流 の 軸 方 向 圧 力勾 配 に影響 す るか ら、 両 者 の 干 渉効 果 で よ どみ点 は不規 則 に管 軸 上 を変 動 す る こ とな る(様 式II)。 旋 回 が さ ら に 強 ま る と管 入 口付 近 か ら死 水 域 が 生 じ、 そ れ と主 流 との 境界 をなす 渦 層 は1本 また は複 数 本 の ら旋 渦心 に巻 き上 が る(9)。ら旋 渦 心 が 管 内 を振 れ 回 るの に応 じて管 壁 の 圧 力 は大 き
く変動 し、 同 一 断面 の 複 数箇 所 に圧 力 セ ンサ を 設 け て お くと測 定 点 間の 角度 差 に対 応 した位 相 差 が波 形 間 に通 常(キ ャ ビテ ー シ ョ ン係 数 が高 い こ とに相 当)認 め られ る。 なお 、運 転 条件 や 管 の幾 何 形 状 に よっ て は 出現 す る渦 心 の本 数 に 間 欠性 が み られ た(10)。と ころ で 、 この 発 生 本 数 につ い て は 、 円 管 内 の2次 元 渦 にKarman渦 列 の安 定 解 析 を応 用 して求 め られ る中 立安 定 な最 大 渦 個 数 が 、 イ ンデ ュ ーサ か ら吸 込 管 に逆 流 す る旋 回流 中で 測 定 され た結 果 と対 応 した とい う 興 味 深 い 報 告 が あ る(11)。
図3は 様 式IIの 運転 条 件 下 で 連 続 的 に撮 影 し た渦 心 の写 真 であ り、 上 述 した よ どみ 点 の 変動 に応 じて 渦心 は種 々の 形 態 と して現 れ る こ とが 納 得 され よ う。
図3流 動様式IIで観察 される渦心(mth=0.34)
3‑2円 管 内 の 流 れ
図4は 長 い 円 管 を 用 い て 旋 回 流 の 減 衰 を調 べ た 結 果 で あ る(5)。上 流 側 で は 中 心 軸 領 域 で 逆 流 が 生 ず る程 の 強 い 旋 回 流 で あ る が 、 管 径 の100 倍 位 下 流 に至 る と、 強 制 渦 タ イ プ の 旋 回 が ほ ん
の わ ず か 見 ら れ る 流 れ に な っ て い る。 そ の 領 域 で は 発 達 した 管 内 乱 流 に比 べ て よ り一 様 な 軸 流 速 度 分 布 に な っ て お り興 味 深 い 。 静 圧 分 布 は 示 さ れ て な い もの の 、 ほ ぼ 断 面 全 体 に渡 り一 様 な 圧 力 分 布 で あ ろ う 。 した が っ て こ れ よ り下 流 側 の 管 路 の 条 件 を 変 え て も 、 上 流 側(例 え ばx/D
=8.7)の 旋 回 流 に 影 響 は 及 ば な い もの と 推 測 さ れ る 。 一 方 、 管 路 が 短 く流 れ に か な り の 旋 回 が 残 っ て い る 場 合 に は 、 下 流 側 に オ リ フ イ ス を置 く こ と で 管 軸 上 の 流 速 を 増 大 させ る こ と が で き る(12)。下 流 の 条 件 が 管 中 心 の 低 エ ネ ル ギ ー 流 体
218 管 内旋 回流 の 不 安 定 流 れ(吸 出 し管 の 場 合)…(4)
図4円 管内旋回流の減衰
領 域 に とっ て耐 え られ な い 正 の軸 方 向圧 力勾 配 を大 き くす る の か 、 それ と も好 ま しい負 の 圧力 勾 配 にす る か で 、軸 流 速 度 分 布 は大 きな 影 響 を 受 け る。 大気 に開放 され た 円 管 出 口流 れ に旋 回 が残 っ てい る場 合 、管 壁 の 静 圧 は ほぼ 大気 圧 で あ る の に対 し、 中心 の静 圧 は負 の ゲ ー ジ圧 で あ る。 管 か ら出 た 後 で も中 心 付 近 の流 れ は圧 力 回 復 せ ね ば な らな い 。 も し、 そ の 回復 量 が 大 き過 ぎるな らば、 管 路 内 に よ どみ 点 が 移動 す る こ と に な る。す な わ ち、 円管 か ら強 い旋 回流 を静 止
図5円 管出口部の渦心の挙動
流 体 中 に放 出 す る と 、 広 が り管 で 述 べ た 様 式III と 同 様 な 流 れ が 管 出 口 付 近 に 発 生 す る で あ ろ う。 円 管 内 旋 回水 流 の 中 心 軸 上 に わ ず か な 空 気 を 導 入 して 写 真 撮 影 し ス ケ ッチ したGuargaの 結 果(13)を図5に 示 す 。(a)お よ び(b)図 は そ れ ぞ れ シ
ャ ッ タ ー 速 度0.5msと0.25sの 結 果 で あ る 。 出 口 付 近 で 偏 心 し て振 れ 回 る 渦 心 の 発 生 は 、 上 の 説
明 か ら納 得 で き よ う。
3‑3ら 旋 渦 心 と そ の 振 れ 回 り
フ ラ ン シ ス 水 車 の 部 分 負 荷 運 転 時 の 安 定 性 能 に 関 わ る 曲 が り吸 出 し管 の 水 圧 脈 動 は 、 渦 心 に よ っ て つ く ら れ る 非 軸 対 称 な 流 れ 場 に 起 因 す る か ら 、 前 述 した流 動 様 式IIIで 発 生 す る こ と が 多 い 。 キ ャ ビ テ ー シ ョ ン状 ら旋 渦 心 が 振 れ 回 る 周 波 数 で も っ て 曲 が り部 以 降 の フ ッ ト内 の 流 れ が 揺 動 す る 場 合 に 、 キ ャ ビ テ ー シ ョ ン体 積 か ら定 ま る 振 動 系 の 固 有 値 と一 致 す る な ら ば 共 振 状 態 に 陥 り 、 サ ー ジ ン グ と呼 ば れ る 激 しい 一 次 元 的 な 水 圧 脈 動 が 現 れ る か ら(14)、振 れ 回 り周 波 数 の 予 測 は 重 要 で あ る 。 渦 心 の 振 れ 回 り を 解 析 す る
研 究(15)(16)は未 だ不 十 分 な段 階 にあ る ものの 、 こ こ で は 、 著 者 らの 方法1のを取 り上 げ て次 に概 説 す
る。
図6に 示 す よ う に、 渦心 は旋 回流 と逆 向 きに ら旋 を描 き、 旋 回流 の方 向 に管 内 を振 れ 回 る。
水 圧脈 動 が 生 ず る運 転 点 にお い て も水 車 ラ ンナ に入 る流 量 は ほぼ 一 定 であ るか ら、 渦心 が等 速 円 運動 で近 似 さ れ る ほぼ一 定 の 周 波 数 で振 れ 回 って い る時 に は渦 心 か ら見 た流 れ は定 常流 とみ な され よ う。 今 、 ら旋 渦心 は旋 回 を有 す る主 流 とそ の 内側 の 死 水 域 との境 界 を なす 渦層 の 一部 分 の巻 き上 が りで あ る こ とを考慮 し、 非軸 対 称 の 旋 回流 が この 渦 心 と残 りの渦 層 を含 む軸 対 称 流(ベ ー ス流 れ と呼 ぶ)と の重 ね合 わ せ と見 れ ば 、 そ れ ぞ れ の 循 環 の 間 に次 の 関 係 が 成 立 す る。 な お 、 管 壁 境 界 層 は 無 視 で き る もの とす る。
…(5)
こ こ に
Г:管 に 流 入 す る旋 回 流 の 循 環 、 Гa:ら 旋 渦 心 の 循 環 、
Гb:ベ ー ス 流 れ の 循 環 で あ る 。
速 度 ベ ク トル に つ い て も 同 様 の 重 ね 合 わ せ が 適 用 で き る とす る と、
…(6)
こ こ に
V:旋 回 流 の 速 度 、 Va:ら 旋 渦 心 の 誘 起 速 度 、 Vb:ベ ー ス 流 れ の 速 度
図7解 析 モデル
で あ る 。
誘 起 速 度 の 計 算 に はHardinの 理 論(18)を適 用 す る こ と に し 、 ら旋 渦 心 を 直 円 管 内 の 無 限 長 ヘ リ カ ル 渦 糸(傾 斜 角 δ)で モ デ ル 化 した 。 図7の 鳥瞰 図 に 渦 心1ピ ッチ 分 を 示 す が 、 渦 心(強 制 渦 コ ア)の 位 置 す る 半 径raは 死 水 域 の 半 径rdに
そ れ 自 身 の 半 径rxを 加 え た も の と な る個。 同 図 中 に 示 す よ う に 仮 想 ヘ リ カ ル 渦 糸(循 環:Гj) を 管 外 部 に 等 間 隔 に 多 数(以 下 の 計 算 結 果 で は 、 半 径 位 置r'a=R2/ra、N=24個)配 置 して 、 管 壁 境 界 条 件(半 径 方 向 速 度 が0)を 合 わ せ る 。
ら旋 渦 心 の 循 環r、 を 与 え る な ら ば 、 循 環 の 条 件 と管 壁 参 照 点(N‑1)の 境 界 条 件 か ら定 ま る N元 連 立 方 程 式 が 解 け て 各 仮 想 渦 糸 の 循 環Гj が 算 定 さ れ る か ら 、 誘 起 速 度 に よ る 管 断 面 内 任 意 点 の 各 方 向 速 度 成 分 も計 算 で き る 。
220 管内旋 回流の不安定流れ(吸 出 し管の場合)…(6)
次 に軸 対 称 の ベ ー ス 流 れ に つ い て は 、 半 径 方 向 速 度 は 無 く、 周 速 度 が 式(2)の ラ ン キ ン渦 分 布 に従 う と した 。 軸 方 向 速 度 の 算 定 に は 次 の 渦 度 方 程 式 を 利 用 した 。
…(7)
こ こ に
ωa:渦 糸 に よ る 流 れ の 渦 度 ベ ク トル 、 ωb:ベ ー ス 流 れ の 渦 度 ベ ク トル で あ る。
以 上 の ほ か に 、 軸 方 向 速 度 の 断 面 内 積 分 値 は 管 内 流 量 に 一 致 す る と い う 関 係 を 用 い る と必 要 な計 算 条 件 は 全 て そ ろ う こ と に な る 。
渦 心 の 振 れ 回 り速 度 は 、 渦 心 位 置 の 点C(図 7を 参 照)の 周 速 度 をVroと 置 く と次 の よ う に 表 さ れ る 。
…(8)
こ こ にVubCは 点Cに お け る ベ ー ス 流 れ の 周 速 度 、 VuaCは 外 部 渦 糸 に よ る 点Cで の 誘 起 速 度 、Vuse は ら 旋 渦 心 自 身 に よ る 自己 誘 起 速 度 の 周 方 向 成 分 で あ る 。 最 後 の 項 の計 算 に はRiccaの 理 論(19)が 適 用 で き る 。 な お 、 割 愛 し た 全 て の 計 算 式 は 文 献(14)、(17)に示 さ れ て い る の で 、 そ ち ら を参 照 し て 欲 しい 。
最 近 開 発 し た 流 れ 解 析 プ ロ グ ラ ム の 流 れ 図 を 図8に 示 す 。 旋 回 度mthの ほ か に 管 内 流 量 ρ と 管 半 径Rを 入 力 条 件 に選 び 、 旋 回 流 の 循 環Г を 次 式 か ら求 め る 。
…(9)
巻 き上 が っ て ら旋 渦 心 とな る渦 層 は主 流 と直交 す るの で 、 そ の 条件 を利 用 して渦 心 の傾 斜 角 δ を次 式 で近 似 した(14)。
…(13)
死 水 域 半 径rdは 式(3)か ら定 ま る の で 、 実 験 関 係 (l4)のrx=0 .14Rを 利 用 す れ ば 渦 糸 の半 径ra=rd+rx 位 置 が 求 め ら れ る 。
次 に ら旋 渦 心 ま わ りの 循 環Гaを 仮 定 し上 述 の 計 算 法 か ら断 面 内 の 速 度 を 算 定 す る 。 収 束 条
図8フ ロ ー チ ャ ー ト
件 には 旋 回度 を採 用 し、 そ の 計 算 値mcalが 入力 値mthと 一 致 す る と判 定 され る まで 渦 心 ま わ り の循 環Гaを 修 正 して繰 り返 し計 算 す る。 な お 、 渦 心 の 無 次 元 振 れ 回 り周 波 数 は 次 式 か ら求 め る。
…(11)
本計 算 法 の妥 当性 を見 るた め に実 測 値 と比 較 した結 果 の例 を以 下 に提 示 す る。 図9は 渦 心 の 中心 を通 る 直径 線 上 の 速 度 分 布 を比 較 した もの であ り、(a)図に周 方 向 速 度 を、(b)図に軸 方 向速 度 を示 して い る。 丸 印 で 表 す 実 験値 は吸 出 し管 入口 円 す い部 におい て非 定 常 流計 測用5孔 プ ロ ー ブ を半 径 方 向 に トラバ ー ス して 求 め た集 積 平 均 の 速 度 成 分 で あ る(20)。実 線 で 表 す 同 じ断 面 の 計 算 値(0‑180)と 良 好 な対 応 関 係 が 認 め られ る。 なお 、 計 算 範 囲外 の渦 心 内部 も便 宜 的 に直 線 で結 ん だ 。 と ころで 、 図 中 の破線 お よび 一 点 鎖 線 も他 の 直径 線 の 計 算 結 果 で あ り、 参 考 の た
(a)周 方 向 速 度
(b)軸 方 向速 度
図9半 径 方 向速 度 分 布 の 比 較(mth=0.97>
図10振 れ回 り周波数の予測
め に 記 入 して あ る 。
図10に は 旋 回 度 に 対 す る 渦 心 の 振 れ 回 り周 波 数 の 予 測 結 果 を 実 線 に て 示 す 。 吸 出 し管 で 求
論 に基 づ い て い る の で 、 旋 回 流(渦 流)と の 関 わ りは 深 い 。 旋 回 の あ る 流 れ は 無 い 流 れ に 比 べ て 境 界 条 件 の 影 響 を受 け 易 い か ら、 面 白 い 制 御 が で き る とい え る が 、 反 面 厄 介 な 問 題 を 生 じ る
こ と に も な る 。 こ こ で は 、 吸 出 し管 内 ら 旋 渦 心 の 振 れ 回 り とい う 旋 回 流 の 不 安 定 現 象 の 一 面 の み に 限 っ た が 、 同 様 な 現 象 を 取 り扱 う 際 、 何 ら か の 参 考 に な れ ば幸 い で あ る 。
な お 、 図9お よ び10の 計 算 は 、 王 新 明 博 士 が 大 学 在 籍 時(現 荏 原 総 合 研 究 所 勤 務)に 行 っ た もの で あ る 。 こ こ に 記 し て 謝 意 を 表 す 。
〈参考 文 献 〉
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Rev. Fluid Mech., 19,(1987), 27.
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(5) Parchen, R.R., and Steenbergen, W., An Experimental and Numerical Study of Turbulent Swirling Pipe Flows, ASME Journal of Fluids Engineering, 120-1, (1998-3), 54.
(6) 妹 尾 ・永 田, 長 い 平 滑 管 お よ び 粗 面 管 の 旋 回 流, 機 論, 38‑308,(1972‑4), 759.
(7) 西 ・他4名, 曲 り吸 出 し管 内 の 旋 回 流 の 流 動 様 式 と水 圧 脈 動 の 特 性, 機 論B, 49‑444,(1983‑8), 1592.
(8) Gearhart, W. S., et al., Studies of a Method to Prevent Draft Tube Surge and the Analysis of Wicket Gate •Flow and Forces, U.S.B.O.R. REC-ERC-78-12, (1979-4).
(9) 西 ・他3名, 曲 り吸 出 し管 内 の 旋 回 流 と 水 圧 脈 動 に 関 す る 研 究, 機 論B, 48‑431,(1982‑7), 1238.
(10) 西 ・他5名, 水 圧 脈 動 特 性 と 流 動 様 式 に 及 ぼ す 吸 出 し 管 幾 何 形 状 の 影 響, 機 論B, 52‑481,(1986‑9), 3237.
222 管 内 旋 回 流 の 不安 定 流 れ(吸 出 し管 の 場 合)…(8)
(11) 蔵 原 ・他3名, イ ン デ ュ ー サ 入 口 に 生 じ る 逆 流 旋 回 流 と 渦 構 造 に 関 す る 研 究, 機 論B, 64‑622,(1998).
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(21) Cassidy, J. J. and Falvey H. T., Observations of Unsteady Flow Arising After Vortex Breakdown, J. Fluid Mech., 41-4, (1970), 727.