不静定トラス問題の Castigliano の定理による解法
May 13, 2009 加藤博之 /材料力学研究室
1. 不静定トラス問題の例: 中央の節点の変位を求めよ。(i)と(iii)は外力 が働く場合、(ii)と(iv)は組み立て前に図のような寸法の初期不整が あって、無理やり接合したらどうなるか?という問いである。
これくらい単純な構造の場合には、組み合わせ棒の問題としてウィリ オーの変位図を使って考えても良い。ここでは材力2の演習を目的と し、Castiglianoの定理を使って解くことにする。教科書p.84の例題10 と同じ解き方である。
(i) (ii) (iii) (iv)
外力
外力 寸法不整
寸法不整
2. 寸法不整の問題の例:下図で、初め棒1,2,3が無理なくヒンジでつ ながれている。棒1(熱膨張係数α)だけを温度T◦C加熱した。節点 Pの変位を求めよ。簡単のため、棒はすべて同じ材質と断面形状、棒2 と3は同じ長さ`2とする。
1 寸法不整
2 θ 3
P
(a) 方針:熱ひずみが寸法不整となる。上の図の(iv)と似ていて、棒 1がδだけ余分に長い初期不整を持つ場合である。
δ=αT `1 (1)
1
(b) Free body化する:支持条件を、外力、モーメントに書き換える。
1
2 θ 2ʼ
N2 N2
N1 N1
N1
棒に働く内力をそれぞれN1,N2,N3とする。力の向きを図のよう に仮定する。この問題では、棒2と2’(先ほど棒3と呼んでいたが これから2’とする)を一体とみなし、それに外力N1が上向きに 作用すると考えてみよう。
(c) 静力学のつり合い条件の式を立てる。
棒1は自明の関係が成り立つ。棒2−2 について左右対称だか ら N2=N3、それゆえ
N1−2N2cosθ= 0 (2) (d) 変形に関する条件を求める。不静定力を棒1の内力N1としてみ よう。教科書のように、不静定力を明に示すためXとおく。棒1 と棒2−2’の組み合わせの弾性ひずみエネルギーは、それぞれ、
U¯1= X2`1
2EA1 (3)
U¯2= X2`2
4EA2cos2θ (4)
Castiglianoの定理により、棒1の上端は∂U¯1/∂Xだけ下向きに変 位し、棒2−2’の組の節点は∂U¯2/∂Xだけ上向きに変位する。両 者の和が初期不整に等しいから
∂U¯1
∂X +∂U¯2
∂X =δ (5)
この条件から、不静定力X=N1が決まる。
X= EAαT `1
`1+`2/(2 cos2θ) (6) 節点の変位は、はじめの位置から上に向かって∂U¯2/∂X. (Ans.)
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